JP2013057834A - フォトレジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、感度等の基本特性を満足し、MEEF、DOF、LWR等のリソグラフィー性能に優れ、さらには現像欠陥を抑制することができるフォトレジスト組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、[A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体、[B]酸発生体、及び[C]界面活性剤を含有するフォトレジスト組成物である。また[C]界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。さらに[C]界面活性剤は、フッ素原子又はケイ素原子を含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。
Figure 2013057834

【選択図】なし

Description

本発明は、フォトレジスト組成物に関する。
集積回路素子等を製造する微細加工の分野において、より高い集積度を得るためにKrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等に代表される短波長放射線を使用したリソグラフィー技術の開発が行われている。これらの放射線に適応するフォトレジスト材料としては、高感度、高解像性等の観点から、酸解離性基を有する成分と放射線の照射により酸を発生する酸発生剤とを含有した化学増幅型のフォトレジスト組成物が広く用いられている(特開昭59−45439号公報参照)。
このようなフォトレジスト組成物のうち、より短波長のArFエキシマレーザーに適した組成物として、例えば193nm領域に大きな吸収を有しない脂環式基を骨格中に含む重合体を含有する組成物が知られている。上記重合体としては、スピロラクトン構造を有するものが提案されている(特開2002−82441号公報、特開2002−308937号公報参照)。このようなスピロラクトン構造を有する重合体は、それを含有するフォトレジスト組成物の現像コントラストを向上させることができるとされている。
しかしながら、さらなるデバイスの微細化が進んでいる近年にあっては、フォトレジスト組成物に要求される性能レベルはさらに高まり、より優れたリソグラフィー特性等が求められる。そのため、従来のフォトレジスト組成物を用いても、その高いレベルの要求には応えることができていない。例えば、従来のフォトレジスト組成物は、マスクエラー許容度を表す指標であるMEEF(Mask Error Enhancemnt Factor)、DOF(Depth Of Focus;焦点深度)、LWR(Line Width Roughness)等のリソグラフィー特性を十分に満足することができないのが現状である。また、従来のフォトレジスト組成物を用いた場合、現像時にレジスト表面の、特に未露光部に沈着した現像残渣の除去が不十分となり、現像欠陥が起こる場合がある。
このような状況に鑑み、より微細なレジストパターンを形成するため、感度等の基本特性を満足し、MEEF、DOF、LWR等のリソグラフィー性能に優れ、さらには現像欠陥を抑制することができるフォトレジスト組成物が必要とされている。
特開昭59−45439号公報 特開2002−82441号公報 特開2002−308937号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は感度等の基本特性を満足し、MEEF、DOF、LWR等のリソグラフィー性能に優れ、さらには現像欠陥を抑制することができるフォトレジスト組成物を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、[B]酸発生体、及び
[C]界面活性剤を含有するフォトレジスト組成物である。
Figure 2013057834
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、水酸基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に、炭素数3〜10の環構造を形成してもよい。但し、上記環構造が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
当該フォトレジスト組成物は、上記式(1)で表されるラクトン構造を含む構造単位(I)を有する[A]重合体及び[B]酸発生体と共に、[C]界面活性剤を含有することで、シリコンウェハ等の基板への塗布性を十分に満足し、MEEF、LWR、DOF等を指標としたリソグラフィー性能に優れると共に、現像欠陥等を抑制することができる。
[C]界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることが好ましい。当該フォトレジスト組成物は、このような界面活性剤を含有することで、現像欠陥等をより抑制することができ、MEEF、LWR、DOF等のリソグラフィー性能にも優れる。
[C]界面活性剤が、フッ素原子又はケイ素原子を含むノニオン系界面活性剤であることが好ましい。当該フォトレジスト組成物は、このような界面活性剤を含有することで、現像欠陥をさらに抑制することができ、MEEF、LWR、DOF等を指標としたリソグラフィー性能にも優れる。
[A]重合体が、下記式(2)で表される構造単位(II)をさらに有することが好ましい。
Figure 2013057834
(式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数4〜20の脂環式基である。但し、R及びRは互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。また、上記アルキル基及び脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
上記式(2)で表される構造単位(II)は、露光により[B]酸発生体から発生する酸の作用により解離し易い酸解離性基を有しているため、当該フォトレジスト組成物は、[A]重合体中に構造単位(II)をさらに有することで、感度等の基本特性を十分に満足することができる。
[A]重合体が、構造単位(I)以外の構造単位であって、環状カーボネート構造、スルトン構造及びラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位(III)をさらに有することが好ましい。
環状カーボネート構造等の構造は極性が高いため、[A]重合体が上記極性の高い構造を含む構造単位(III)をさらに有することで、[A]重合体と、[B]酸発生体及び[C]界面活性剤との相溶性が向上する。その結果、当該フォトレジスト組成物は、MEEF、LWR、DOF等のリソグラフィー性能を特に向上させることができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、[D]構造単位(III)を有する重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)をさらに含有することが好ましい。環状カーボネート構造等の極性の高い構造を含む[D]重合体をさらに含有することで、当該フォトレジスト組成物は、MEEF、LWR、DOF等のリソグラフィー性能により優れる。
[A]重合体における構造単位(I)の含有率が5モル%以上60モル%以下であり、かつ構造単位(I)及び構造単位(II)の含有率の合計が20モル%以上70モル%以下であることが好ましい。[A]重合体における上記構造単位(I)及び(II)の含有率を上記特定の範囲とすることにより、当該フォトレジスト組成物は、感度等の基本性能に加えて、MEEF、LWR、DOF等のリソグラフィー性能をさらに優れる。
なお、[A]重合体における構造単位の含有率は、[A]重合体の13C−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比から、[A]重合体における平均値として求めることができる。
以上説明したように、本発明のフォトレジスト組成物は、ラクトン構造を含む構造単位(I)を有する[A]重合体及び[B]酸発生体と共に[C]界面活性剤を含有することにより、感度等の基本特性を満足し、MEEF、DOF、LWR等を指標としたリソグラフィー性能に優れ、さらには現像欠陥を抑制することができる。そのため、当該フォトレジスト組成物を用いると、微細なパターンを高精度で形成することが可能となる。
<フォトレジスト組成物>
当該フォトレジスト組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体及び[C]界面活性剤を含有する。また、本発明の効果を損なわない限りその他の成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、上記式(1)で表される構造単位(I)を有する。構造単位(I)は、重合体主鎖に直結した特定のラクトン構造を含む構造単位であるため、[A]重合体を含有する当該フォトレジスト組成物は、感度等の基本特性を満足すると共に、MEEF性能、DOF及びLWRに優れる。また、[A]重合体は、構造単位(I)に加えて、構造単位(II)及び/又は構造単位(III)を有することが好ましい。さらに、本発明の効果を損なわない限り、他の構造単位を有することができる。以下、それぞれの構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、上記式(1)で表される。上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、水酸基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に、炭素数3〜10の環構造を形成してもよい。但し、上記環構造が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
上記R〜Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、核原子数3〜10の複素環基、エポキシ基、シアノ基、カルボキシル基、及び−R’−Q−R”で表される基等が挙げられる。但し、R’は単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基である。R”は置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。Qは−O−、−CO−、−NH−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせである。上記鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部は、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基等で置換されていてもよい。
上記炭素数1〜20の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びペンチル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。
上記炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等の単環の脂環式炭化水素基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記核原子数3〜10の複素環基としては、ラクトン環、環状カーボネート、スルトン環、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環等が挙げられる。これらのうち、ラクトン環、環状カーボネート及びスルトン環が好ましく、ラクトン環がより好ましい。
上記−R’−Q−R”におけるR’及びR”で表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。それぞれについては、上記R〜Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基において例示した基と同様の基を挙げることができる。
及びRが互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に形成する炭素数3〜10の環構造としては、例えばシクロプロパンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等の脂環式基、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含む複素環基等が挙げられる。これらのうち、脂環式基としては、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基及びアダマンタンジイル基が好ましく、複素環基としては、環状エーテル基、ラクトン基及びスルトン基が好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−71)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
Figure 2013057834
Figure 2013057834
これらのうち、R及びRの少なくとも1つの基が酸素原子を含む構造単位、R及びRの少なくとも1つの基が環状の有機基である構造単位、R及びRが結合してそれらが結合する炭素原子と共に環構造を形成している構造単位等が好ましい。中でも、上記式(1−1)〜(1−9)、(1−12)〜(1−21)、(1−25)〜(1−47)、(1−55)〜(1−67)、(1−69)〜(1−71)等で表される構造単位がより好ましく、(1−1)、(1−17)、(1−19)、(1−70)及び(1−71)で表される構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体において、構造単位(I)の含有率は、[A]重合体を構成する全構造単位に対する構造単位(I)の総量が1モル%以上80モル%以下が好ましく、5モル%以上60モル%以下がより好ましい。構造単位(I)の含有量を上記範囲とすることで、他の性能を維持しつつ、優れたリソグラフィー性能を発揮することができる。なお、[A]重合体は、構造単位(I)を1種、又は2種以上有していてもよい。
構造単位(I)を与える単量体としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
Figure 2013057834
Figure 2013057834
構造単位(I)を与える単量体は、例えば下記方法により製造することができる。
触媒として亜鉛粉末が添加されたテトラヒドロフラン(THF)溶媒中に、それぞれTHFに溶解させた2−メチルテトラヒドロフラン−3−オン(化合物a)と、エチル(2−ブロモメチル)アクリレート(化合物b)とを滴下し、室温で撹拌させることで、化合物aと化合物bとが反応し、6−メチル−3−メチレン−1,7−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2−オン(上記式(1−1)で表される化合物)が合成される。なお、亜鉛粉末が添加されたTHF溶媒中に、化合物a及びbの添加前にクロロトリメチルシラン等の活性化剤を入れるとよい。また、式(1−1)で表される化合物以外の化合物においては、適宜化合物aを替えること等によって同様に合成することができる。
[構造単位(II)]
[A]重合体は、構造単位(II)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が、酸解離性基を有するこの構造単位(II)を有することで、当該フォトレジスト組成物は、感度等の基本特性を十分満足することができると共に、MEEF、DOF、LWR等により優れるレジストパターンの形成が可能となる。
構造単位(II)は上記式(2)で表される。上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数4〜20の脂環式基である。但し、R及びRは、互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。また、上記アルキル基、及び脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
上記R〜Rが表す炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基等が挙げられる。
上記R〜Rが表す炭素数4〜20の脂環式基、及びRとRとが互いに結合して、それぞれが結合している炭素原子と共に形成していてもよい脂環式基としては、例えばアダマンタン骨格、ノルボルナン骨格等の有橋式骨格を有する多環の脂環式基;シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルカン骨格を有する単環の脂環式基が挙げられる。また、これらの基は、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基の1種以上で置換されていてもよい。
上記R〜Rが表す炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ピレン、ピセン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、クメン等の芳香族炭化水素基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
構造単位(II)としては、下記式で表される構造単位が好ましい。
Figure 2013057834
上記式中、Rは、上記式(2)と同義である。Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。mは、1〜6の整数である。
これらのうち、より好ましい構造単位として、下記式(2−1)〜(2−22)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
上記式中、Rは上記式(2)と同義である。
これらのうち、上記式(2−2)〜(2−4)、(2−6)、(2−7)、(2−9)、(2−11)〜(2−14)、(2−18)、(2−19)、(2−21)及び(2−22)で表される構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体において、構造単位(II)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、15モル%〜80モル%がより好ましく、20モル%〜70モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有率を上記範囲とすることで、得られるレジストパターンのリソグラフィー性能がより向上する。なお、[A]重合体は、構造単位(II)を1種又は2種以上有していてもよい。
構造単位(II)を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−7−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−2−イルエステル等が挙げられる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、構造単位(I)以外の構造単位であって、環状カーボネート構造、スルトン構造及びラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位である。当該フォトレジスト組成物は、構造単位(III)を有する[A]重合体を含有することで、MEEF性能、DOF及びLWRを向上させることができる。
構造単位(III)は、下記式(3)で表される構造単位であることが好ましい。当該フォトレジスト組成物は、上記特定構造の構造単位を有する[A]重合体を含有することで、MEEF性能、DOF及びLWRをさらに向上させることができる。
Figure 2013057834
上記式(3)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R10は、炭素数1〜10の炭化水素基である。Xは、−O−、−COO−、−OCO−又は−NH−である。nは、0〜10の整数である。nが2以上の場合、複数のR10及びXは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R11は、単結合又は炭素数1〜5の炭化水素基である。R12は、環状カーボネート構造、スルトン構造及びラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を有する環状有機基である。但し、R10〜R12が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
上記R10で表される炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜10の鎖状炭化水素基、炭素数3〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜10の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらのうち、メチレン基及びエチレン基が好ましい。
上記炭素数3〜10の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。これらのうち、アダマンチレン基が好ましい。
上記炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
上記Xとしては、−O−及び−COO−が好ましい。
上記nとしては、0〜5の整数が好ましく、0及び1がより好ましい。
上記R11で表される炭素数1〜5の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜5の鎖状炭化水素基、炭素数3〜5の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜5の鎖状炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。これらのうち、メチレン基が好ましい。
上記炭素数3〜5の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基等が挙げられる。
上記R11としては、単結合及びメチレン基が好ましい。
上記R12で表される環状カーボネート構造を有する環状有機基としては、例えば、エチレンカーボネート基、1,3−プロピレンカーボネート基、シクロペンテンカーボネート基、シクロヘキセンカーボネート基、ノルボルネンカーボネート基等が挙げられる。上記スルトン構造を有する環状有機基としては、例えば、プロピオスルトン基、ブチロスルトン基、バレロスルトン基、アダマンタンスルトン基等が挙げられる。上記ラクトン構造を有する環状有機基としては、例えば、プロピオラクトン基、ブチロラクトン基、バレロラクトン基、アダマンタンラクトン基等が挙げられる。
これらのうち、環状カーボネート構造を有する環状有機基としては、エチレンカーボネート基が好ましく、スルトン構造を有する環状有機基としては、ノルボルナンスルトン基が好ましく、ラクトン構造を有する環状有機基としては、ノルボルナンラクトン基及びブチロラクトン基が好ましい。
上記R10〜R12が有する水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ケト基、スルホンアミド基、アミノ基、アミド基、シアノ基、アセチル基等が挙げられる。
構造単位(III)としては、下記式(3−1)〜(3−17)で表される構造単位を好ましい構造単位として挙げることができる。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
上記式中、Rは、上記式(3)と同義である。
これらのうち、当該フォトレジスト組成物のリソグラフィー性能を向上させる観点から、上記式(3−1)、(3−3)〜(3−5)、(3−8)、(3−12)及び(3−13)で表される構造単位がより好ましい。
[A]重合体において、構造単位(III)の含有率は[A]重合体を構成する全構造単位に対する構造単位(III)の総量としては、5モル%以上80モル%以下が好ましく、5モル%以上60モル%以下がより好ましい。構造単位(III)の含有量を上記範囲とすることで、他の性能を維持しつつ、優れたリソグラフィー性能を発揮することができる。なお、[A]重合体は、構造単位(III)を1種又は2種以上有してもよい。
構造単位(III)を与える単量体化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
[構造単位(IV)]
[A]重合体は、構造単位(I)以外の構造単位であって、極性基を含む構造単位(IV)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が構造単位(IV)をさらに有することで、[A]重合体と[B]酸発生体等の他の成分との相溶性が向上するため、レジストパターンのリソグラフィー性能をより優れたものとすることができる。
極性基としては、例えば、ヒドロキシル基、ケトン性カルボニル基、カルボキシル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート基、スルフィド基、スルフォニル基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基、チオール基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基、スルフォニル基及びハロゲン化アルキル基が好ましく、ヒドロキシル基がより好ましい。
構造単位(IV)としては、例えば、下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
上記式中、R13は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[A]重合体における構造単位(IV)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して0モル%〜50モル%が好ましく、5モル%〜40モル%がより好ましい。[A]重合体は、構造単位(IV)を2種以上有していてもよい。
[A]重合体は、その他の構造単位として非酸解離性化合物に由来する構造単位(V)をさらに有していてもよい。ここで非酸解離性化合物とは、酸の作用によって解離する基(酸解離性基)を含有しない化合物をいう。[A]重合体が、構造単位(V)を有することで、リソグラフィー特性により優れたレジストパターンを形成することができる。
構造単位(V)を生成するための非酸解離性化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、イソボロニルアクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデセニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、トリシクロデカニルアクリレートが好ましい。
[A]重合体における構造単位(V)の含有率は、[A]重合体を構成する全構造単位に対する構造単位(V)の総量が60モル%以下であることが好ましく、より好ましくは0〜50モル%である。この含有率が60モル%を超える場合、リソグラフィー特性が悪化するおそれがある。なお、構造単位(V)は、[A]重合体に1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
なお、当該フォトレジスト組成物のMEEF等のリソグラフィー性能を向上させる観点から、[A]重合体における構造単位(I)の含有率が1モル%以上70モル%以下であり、かつ構造単位(I)及び構造単位(II)の含有率の合計が10モル%以上80モル%以下であることが好ましく、構造単位(I)の含有率が5モル%以上60モル%以下であり、かつ構造単位(I)及び構造単位(II)の含有率の合計が20モル%以上70モル%以下であることがより好ましい。構造単位(I)の含有率が10モル%以上500モル%以下であり、かつ構造単位(I)及び構造単位(II)の含有率の合計が30モル%以上60モル%以下であることがさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
これらの方法における反応温度は開始剤種によって適宜決定すればよい。通常30℃〜180℃であり、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜140℃がより好ましい。滴下時間は、反応温度、開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間も、滴下時間と同様に条件により異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
上記重合に使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等が挙げられる。これらの開始剤は2種以上を混合して使用してもよい。
重合溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば限定されない。重合溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル・ラクトン系溶媒、ニトリル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上を併用できる。
重合反応により得られた樹脂は、再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の樹脂を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して、樹脂を回収することもできる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1,000以上500,000以下が好ましく、2,000以上400,000以下がより好ましい。なお、[A]重合体のMwが1,000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向がある。一方、[A]重合体のMwが500,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がより好ましい。Mw/Mnをこのような範囲とすることで、フォトレジスト膜が解像性能に優れたものとなる。
なお、本明細書のMw及びMnは、GPCカラム(東ソー製、G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、レジストパターン形成の一工程である露光工程において、マスクを通過した光によって酸を発生する化合物である。当該フォトレジスト組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の態様(以下、この態様を「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。これらの[B]酸発生剤のうち、オニウム塩化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。これらのうち、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート及びトリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネートが好ましい。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのテトラヒドロチオフェニウム塩のうち、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのヨードニウム塩のうち、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。これらのスルホンイミド化合物のうち、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが好ましい。
これらの[B]酸発生剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[B]酸発生体が「剤」である場合の使用量としては、当該フォトレジスト組成物により形成されるレジスト塗膜の感度及びリソグラフィー性能を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.01質量部以上25質量部以下が好ましく、0.1質量部以上20質量部以下がより好ましい。
<[C]界面活性剤>
[界面活性剤]
界面活性剤は、現像欠陥を抑制し、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
[C]界面活性剤としては、例えばノニオン系、カチオン系、アニオン系、フッ素系、シリコン系界面活性剤等が挙げられる。
上記ノニオン系の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
上記カチオン系の界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる
上記アニオン系の界面活性剤としては、例えば親水基としてカルボン酸、スルホン酸、又はリン酸構造を有する界面活性剤等が挙げられる。カルボン酸系としては、例えば、脂肪酸塩やコール酸塩等が挙げられる。スルホン酸系としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
上記フッ素系ノニオン界面活性剤としては、フッ素原子を含む界面活性剤であれば特に限定されないが、例えばパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。フッ素系の界面活性剤の市販品としては、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F172、F173、F176、F189、R08、F−8151(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−141、S−145、S−381、S−382、SC101、SC102,SC103、SC104、SC105、SC106、サーフィノールE1004、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子社製)、ユニダインDS−401、DS−403、DS−451(ダイキン工業社製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル社製)、KP341、X−70−092、X−70−093(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、No.95(共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記シリコン系の界面活性剤としては、ケイ素原子を含む界面活性剤であれば特に限定されないが、例えばオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)等が挙げられる。
これらのうち、[C]界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素原子又はケイ素原子を含むノニオン系界面活性剤がより好ましい。
フッ素原子を含むノニオン系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、ノベックFC−430、FC−431(住友スリーエム社製)、サーフロンS−141、S−145、KH−10、KH−20、KH−30、KH−40(旭硝子社製)、サーフロンS240,S420(AGCセイミケミカル社製)、フタージェント250、251、204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D、720C、740C(ネオス社製)、ユニダインDS−401、ユニダインDS−403、ユニダインDS−451(ダイキン工業社製)、メガファックF−8151(大日本インキ工業社製)、X−70−092、X−70−093(信越化学工業社製)等が挙げられる。これらのうち、ノベックFC−4430、サーフロンKH−20、サーフロンKH−30、サーフロンS420、フタージェント208G及びX−70−093が好ましい。
ケイ素原子を含むノニオン系界面活性剤としては、例えばオルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)等が挙げられる。
これらの[C]界面活性剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[C]界面活性剤の使用量としては、当該フォトレジスト組成物により形成されるレジスト塗膜の感度及びリソグラフィー性能を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.001質量部以上15質量部以下が好ましく、0.005質量部以上10質量部以下がより好ましく、0.1質量部以上5質量部以下がさらに好ましい。
<[D]重合体>
当該フォトレジスト組成物は、[D]重合体をさらに含有することが好ましい。[D]重合体は、構造単位(I)以外の構造単位であって、環状カーボネート構造、スルトン構造及びラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位(III)を有する。当該フォトレジスト組成物は、上記特定のラクトン構造を含む[A]重合体、[B]酸発生剤、[C]界面活性剤と共に、[D]重合体を含有することで、MEEF性能、DOF及びLWRを向上させることができる。[D]重合体は、構造単位(III)に加えて、本発明の効果を損なわない限り、他の構造単位として、酸解離性基を有する構造単位、極性基を有する構造単位等を有してもよい。
構造単位(III)については、[A]重合体の説明中の構造単位(III)の説明と同様の説明をすることができる。上記酸解離性基を有する構造単位としては、[A]重合体における構造単位(II)の説明を適用できる。また、上記極性基を有する構造単位としては、[A]重合体における構造単位(IV)の説明を適用できる。
なお、[A]重合体についての説明中で詳述したように、構造単位(III)は、構造単位(I)を与える単量体と構造単位(III)を与える単量体との共重合体である[A]重合体の構成要素として存在してもよいし、[D]重合体として存在し[A]重合体とブレンドして用いてもよく、両者は本発明の作用効果を同様に発揮することができる。
[D]重合体において、構造単位(III)の含有率は10モル%以上80モル%以下が好ましく、20モル%以上70モル%以下がより好ましい。構造単位(III)の含有量を上記範囲とすることで、他の性能を維持しつつ、優れたリソグラフィー性能を発揮することができる。なお、[D]重合体は、構造単位(III)を1種又は2種以上有していてもよい。
[D]重合体において、上記酸解離性基を有する構造単位の含有率としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、15モル%〜80モル%がより好ましく、20モル%〜70モル%がさらに好ましい。上記酸解離性基を有する構造単位の含有率を上記範囲とすることで、得られるレジストパターンのリソグラフィー性能がより向上する。なお、[D]重合体は、上記酸解離性基を有する構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
[D]重合体における上記極性基を有する構造単位の含有率としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して0モル%〜50モル%が好ましく、5モル%〜40モル%がより好ましい。[D]重合体は、上記極性基を有する構造単位を2種以上有していてもよい。
[D]重合体の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、20質量部〜150質量部が好ましく、30質量部〜100質量部がより好ましい。
<[D]重合体の合成方法>
[D]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。なお、[D]重合体の合成に使用される重合開始剤、溶媒等としては、上記[A]重合体の合成方法において例示したものと同様のものを挙げることができる。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[D]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。[F]重合体のMwが1,000未満の場合、十分な前進接触角を得ることができない。一方、Mwが50,000を超えると、レジストとした際の現像性が低下する傾向にある。
[D]重合体のMwとGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、好ましくは1〜2である。
<その他の任意成分>
当該フォトレジスト組成物に含有されてもよいその他の任意成分としては、[E]酸拡散制御剤、[F]フッ素原子を含有する重合体、[G]添加剤、溶媒、脂環式骨格含有化合物、界面活性剤、増感剤等を挙げることができる。以下、各成分について詳述する。
[E]酸拡散制御剤
当該フォトレジスト組成物は、[E]酸拡散制御剤をさらに含有してもよい。この[E]酸拡散制御剤は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制するものである。このような[E]酸拡散制御剤を配合することにより、得られるフォトレジスト組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
[E]酸拡散制御剤としては、例えば、N−t−アルコキシカルボニル基を有する窒素含有化合物が好ましく用いられる。具体的には、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(S)−(−)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−アミロキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−アミロキシカルボニルピロリジン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−t−アミロキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−アミロキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等の化合物が挙げられる。
また、[E]酸拡散制御剤としては、上記化合物以外にも、例えば、3級アミン化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、その他含窒素複素環化合物等の含窒素化合物が用いられる。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;
トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、例えばテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
さらに、[E]酸拡散制御剤としては、露光により分解して酸拡散制御性としての塩基性を失うオニウム塩化合物を用いることもできる。このようなオニウム塩化合物の具体例としては、下記式(4−1)で表されるスルホニウム塩化合物、および下記式(4−2)で表されるヨードニウム塩化合物を挙げることができる。
Figure 2013057834
上記式(4−1)及び式(4−2)におけるR14〜R18は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、又はハロゲン原子である。
また、Anbは、OH、R19−COO、R19−SO (但し、R19は、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基、又はアルカノール基である。)、又は下記式(5)で表されるアニオンを表す。
Figure 2013057834
上記スルホニウム塩化合物およびヨードニウム塩化合物の具体例としては、トリフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルスルホニウムアセテート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムアセテート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムサリチレート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムハイドロオキサイド、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムアセテート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート等を挙げることができる。
[E]酸拡散制御剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。酸拡散制御剤の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、0.1質量部以上8質量部以下がより好ましい。使用量が10質量部を超えると、レジストとしての感度が低下する傾向にある。
<[F]フッ素原子を含む重合体>
当該フォトレジスト組成物は、[F]フッ素原子を含む重合体(以下、「[F]重合体」ともいう)をさらに含有できる。[F]重合体はフッ素原子を含む重合体であり、[A]重合体よりフッ素原子含有率が高いことが好ましい。当該フォトレジスト組成物が[F]重合体を含有することで、レジスト膜の疎水性が向上し液浸露光を行った場合においても物質溶出抑制に優れ、また、レジスト膜と液浸液との後退接触角を十分に高くでき、高速でスキャン露光した場合に水滴が残らない等の効果を奏するため、当該フォトレジスト組成物の液浸露光用としての有用性が高まる。
[F]重合体の態様としては、例えば
主鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
側鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
主鎖と側鎖とにフッ素化アルキル基が結合した構造が挙げられる。
主鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造を与える単量体としては、例えばα−トリフルオロメチルアクリレート化合物、β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、α,β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、1種類以上のビニル部位の水素がトリフルオロメチル基等のフッ素化アルキル基で置換された化合物等が挙げられる。
側鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造を与える単量体としては、例えばノルボルネン等の脂環式オレフィン化合物の側鎖がフッ素化アルキル基やその誘導体であるもの、アクリル酸又はメタクリル酸の側鎖がフッ素化アルキル基やその誘導体のエステル化合物、1種類以上のオレフィンの側鎖(二重結合を含まない部位)がフッ素化アルキル基やその誘導体であるもの等が挙げられる。
主鎖と側鎖とにフッ素化アルキル基が結合した構造を与える単量体としては、例えばα−トリフルオロメチルアクリル酸、β−トリフルオロメチルアクリル酸、α,β−トリフルオロメチルアクリル酸等の側鎖がフッ素化アルキル基やその誘導体のエステル化合物、1種類以上のビニル部位の水素がトリフルオロメチル基等のフッ素化アルキル基で置換された化合物の側鎖をフッ素化アルキル基やその誘導体で置換したもの、1種類以上の脂環式オレフィン化合物の二重結合に結合している水素をトリフルオロメチル基等のフッ素化アルキル基で置換し、かつ側鎖がフッ素化アルキル基やその誘導体であるもの等が挙げられる。なお、脂環式オレフィン化合物とは、環の一部が二重結合である化合物を示す。
[F]重合体は、下記式(6)で表される構造単位(f1)及び/又は式(7)で表される構造単位(f2)を有することが好ましく、また構造単位(f1)及び構造単位(f2)以外の「他の構造単位」を有してもよい。以下、各構造単位を詳述する。
[構造単位(f1)]
構造単位(f1)は下記式(6)で表される構造単位である。
Figure 2013057834
上記式(6)中、R20は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R21はフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。但し、上記アルキル基及び脂環式炭化水素基は、水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい。
構造単位(f1)を与える単量体としては、例えばトリフルオロメチル(メタ)アクレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ペンチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ)ペンタ(メタ)アクリレート、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ)デシル(メタ)アクリレート、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
構造単位(f1)としては、例えば下記式(6−1)及び(6−2)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
上記式(6−1)及び(6−2)中、R20は上記式(6)と同義である。
[F]重合体において、構造単位(f1)の含有率としては[F]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜70モル%が好ましく、20モル%〜50モル%がより好ましい。なお[F]重合体は、構造単位(f1)を1種又は2種以上を有してもよい。
[構造単位(f2)]
構造単位(f2)は、下記式(7)で表される構造単位である。
Figure 2013057834
上記式(7)中、R22は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R23は(k+1)価の連結基である。Yはフッ素原子を有する2価の連結基である。R24は水素原子又は1価の有機基である。kは1〜3の整数である。但し、kが2又は3の場合、複数のY及びR24はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記構造単位(f2)としては、例えば下記式(7−1)及び(7−2)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
上記式(7−1)中、R23は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状又は環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基である。R22、Y及びR24は上記式(7)と同義である。
上記式(7−2)中、R22、Y、R24及びkは上記式(7)と同義である。但し、kが2又は3の場合、複数のY及びR24はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(7−1)及び式(7−2)で示される構造単位としては、例えば、下記式(7−1−1)、式(7−1−2)及び式(7−2−1)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
上記式(7−1−1)、(7−1−2)及び(7−2−1)中、R22は上記式(7)と同義である。
構造単位(f2)を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル等が挙げられる。
[F]重合体において、構造単位(f2)の含有率としては[F]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜80モル%が好ましく、30モル%〜70モル%がより好ましい。なお、[F]重合体は、構造単位(f2)を1種、又は2種以上を有してもよい。
[他の構造単位]
[F]重合体は、さらに「他の構造単位」として、現像液への可溶性を高めるためにラクトン構造、環状カーボネート構造又はスルトン構造を有する構造単位、エッチング耐性を高めるために脂環式構造を含む構造単位等を1種以上有してもよい。
ラクトン構造、環状カーボネート構造又はスルトン構造を有する構造単位としては、上記[A]重合体が有する構造単位(III)として例示した構造単位と同様の構造単位を挙げることができる。
脂環式構造を含む構造単位としては、例えば下記式(8)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 2013057834
式(8)中、R25は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Yは炭素数4〜20の脂環式炭化水素基である。
脂環式化合物を含む構造単位を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−7−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−2−イルエステル等が挙げられる。
[F]重合体において、構造単位(f1)、構造単位(f2)及び他の構造単位は、それぞれの構造単位を1種のみを有していても2種以上を含有してもよいが、[F]重合体は芳香族基を有する単位を含まないことが好ましい。特にArF光源を用いる場合、感度の低下の原因となる場合がある。また、ネガ型現像液を用いて現像すると形状が劣化する場合がある。
[F]重合体の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、2質量部〜10質量部がより好ましい。
<[F]重合体の合成方法>
[F]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。なお、[F]重合体の合成に使用される重合開始剤、溶媒等としては、上記[A]重合体の合成方法において例示したものと同様のものを挙げることができる。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[F]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。[F]重合体のMwが1,000未満の場合、十分な前進接触角を得ることができない。一方、Mwが50,000を超えると、レジストとした際の現像性が低下する傾向にある。
[F]重合体のMwとGPC法によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、好ましくは1〜2である。
<[G]添加剤>
当該フォトレジスト組成物は、液浸露光法を使用しレジストパターンを形成する場合等に、[G]添加剤を配合することができる。当該フォトレジスト組成物が含有してもよい[G]添加剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート等が挙げられる。これらのうち、γ−ブチロラクトンが好ましい。
<溶媒>
当該フォトレジスト組成物は、通常溶媒を含有する。溶媒としては、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]界面活性剤及びその他の任意成分を溶解可能な溶媒であれば特に限定されない。溶媒としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等を用いることができる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
<脂環式骨格化合物>
脂環式骨格化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。脂環式骨格化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
<増感剤>
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを[B]酸発生体に伝達しそれにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該フォトレジスト組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<フォトレジスト組成物の調製方法>
当該フォトレジスト組成物は、例えば上記溶媒中で[A]重合体、[B]酸発生体、[C]界面活性剤及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。当該フォトレジスト組成物は通常、その使用に際して、全固形分濃度が1質量%〜30質量%、好ましくは1.5質量%〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
<レジストパターンの形成方法>
本発明のフォトレジスト組成物を用いたレジストパターンの形成方法について、以下に説明する。
当該フォトレジスト組成物を用いたレジストパターンの形成方法としては、
(1)当該フォトレジスト組成物の塗膜を基板上に形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「工程(2)」ともいう)、及び
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程(以下、「工程(3)」ともいう)
を有する方法等が挙げられる。
上記形成方法によると、当該フォトレジスト組成物を用いてMEEF、LWR及びDOFに優れるレジストパターンを形成できる。従って、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV等の放射線であっても、当該フォトレジスト組成物から微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができ、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。以下、各工程を詳述する。
[工程(1)]
本工程では、フォトレジスト組成物又はこれを溶媒に溶解させて得られた当該フォトレジスト組成物の溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって、シリコンウエハー、二酸化シリコン、反射防止膜で被覆されたウエハー等の基板上に所定の膜厚となるように塗布し、場合によっては通常70°〜160℃程度の温度でプレベーク(PB)することにより塗膜中の溶媒を揮発させレジスト膜を形成する。
[工程(2)]
本工程では、工程(1)で形成されたレジスト膜に(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し露光させる。なお、この際所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線、EUV等から適宜選択して照射する。これらのうち、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、EUV(極紫外線、波長13.5nm)等のより微細なパターンを形成可能な光源であっても好適に使用できる。次いで、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行うことが好ましい。このPEBにより、[A]重合体の酸解離性基の脱離を円滑に進行させることが可能となる。PEBの加熱条件は、フォトレジスト組成物の配合組成によって適宜選定することができるが、通常50℃〜180℃程度である。
[工程(3)]
本工程は、露光されたレジスト膜を、現像液で現像することによりレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。
なお、液浸露光を行う場合は、工程(2)の前に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を保護するために、液浸液不溶性の液浸用保護膜をレジスト膜上に設けてもよい。液浸用保護膜としては、工程(3)の前に溶媒により剥離する溶媒剥離型保護膜(例えば、特開2006−227632号公報等参照)、工程(3)の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えば、WO2005−069076号公報、WO2006−035790号公報等参照)のいずれを用いてもよい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、以下の条件により測定した。流量:1.0mL/分、
溶出溶媒:テトラヒドロフラン、
カラム温度:40℃
試料濃度:0.2質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C−NMR分析]
13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社、JNM−EX400)を使用し測定溶媒として重クロロホルムを使用して分析を行った。重合体における構造単位の含有率は、重合体の13C−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比から、重合体における平均値として求めることができる。
<[A]重合体の合成>
[A]重合体、並びに後述する[D]重合体及び[F]重合体の合成に用いた単量体を下記に示す。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
Figure 2013057834
構造単位(I)を与える上記式(Ss−1)〜(Ss−5)で表される単量体化合物のうち、(Ss−1)で表される化合物及び(Ss−2)で表される化合物は、以下の方法により合成した。
[合成例1]
滴下漏斗及びコンデンサーを備え乾燥させた1,000mLの三つ口反応器に、亜鉛粉末(和光純薬製 和光特級)13.1g(200mmol)を添加し、アルゴン雰囲気にした後、テトラヒドロフラン(THF)240mLを加えマグネチックスターラーで攪拌しながら、クロロトリメチルシラン1.9mL(15mmol)を加え、20〜25℃で30分間撹拌した。そこへ、2−メチルテトラヒドロフラン−3−オン20.0g(200mmol)をTHF40mLに溶解させた溶液を添加した。次に、エチル(2−ブロモメチル)アクリレート34.8g(180mmol)のTHF50mL溶液を滴下した。滴下後、室温で2時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにより反応終了を確認した後、塩化アンモニウム水溶液、酢酸エチルを加え分液した。得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。その後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮した。その後減圧蒸留を行い、透明油状物として6−メチル−3−メチレン−1,7−ジオキサスピロ[4.4]ノナン−2−オン(上記式(Ss−1)で表される化合物)20.4gを得た。
[合成例2]
1,000mLの三つ口反応器に、1,4−シクロヘキサンジオン22.4g(200mmol)を添加し、そこへ、メタノールを300mL添加し、マグネチックスターラーで攪拌し溶解させた。反応器を0℃に下げた後、ヒドロホウ素化ナトリウム2.65gを溶解させたメタノール溶液を加え反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶液に空け、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧乾燥し、粗生成物を12g得た。次に、この粗生成物を300mLの三口反応器に入れ、塩化メチレン100mLを加えた後、マグネチックスターラーで攪拌し溶解させた。そこへ、イミダゾール15.5g(227mmol)、ジメチルアミノピリジン4.2g(34mmol)を加えた後、反応器を0℃に冷却した。次に、tert−ブチルジメチルシリルクロリド25.7g(170mmol)を加え、0℃2時間、その後室温で6時間反応させた。次に塩化アンモニウム水溶液を加え分液した。得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、その後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。その後ショートカラムにて精製を行い、粗生成物を9.5g得た。次に、合成例Ss−1と同様に亜鉛粉末を用いた反応を実施し、粗生成物4.3gを得た。続いて、粗生成物をテトラヒドロフラン5mLに溶解させた後、1mol/Lのテトラブチルアンモニウムフロリド−THF溶液を50mL添加し、18時間反応させた酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、カラムクロマトグラフィーで、精製し、上記式(Ss−2)で表される化合物を2.5g(14mmol)得た。
[A]重合体は、上記式で表される単量体化合物を用いて下記の方法により合成した。
[合成例3]
構造単位(II)を与える化合物(M−1)20g(50モル%)、及び構造単位(I)を与える化合物(Ss−1)20g(50モル%)を80gの2−ブタノンに溶解し、AIBN3.9gを添加して単量体溶液を調製した。40gの2−ブタノンを入れた200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。800gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を160gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体成分(A−1)を得た(30g、収率75%)。得られた重合体成分(A−1)のMwは4,500であり、Mw/Mnは1.4であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)由来の構造単位:化合物(Ss−1)由来の構造単位の含有比率は、50:50(モル%)であった。
[合成例4〜30]
表1に記載の単量体を所定量配合した以外は、合成例3と同様に操作して重合体成分(A−2)〜(A−28)を得た。また、得られた各重合体のMw、Mw/Mn、収率(%)及び各重合体における各単量体に由来する構造単位の含有比率を合わせて表1に示す。
Figure 2013057834
<[D]重合体の合成>
[合成例31]
構造単位(II)を与える化合物(M−1)17.2g(50モル%)及び構造単位(III)を与える化合物(L−1)22.8g(50モル%)を80gの2−ブタノンに溶解し、AIBN 3.3gを添加して単量体溶液を調製した。40gの2−ブタノンを入れた200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。800gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を160gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体成分(D−1)を得た(30.4g、収率76%)。得られた重合体成分(D−1)のMwは3,500であり、Mw/Mnは1.6であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)由来の構造単位:化合物(L−1)由来の構造単位の含有比率は、43:57(モル%)であった。
[合成例32〜34]
表2に記載の単量体を所定量配合した以外は、合成例31と同様に操作して重合体(D−2)〜(D−4)を得た。また、得られた各重合体のMw、Mw/Mn、収率(%)及び各重合体における各単量体に由来する構造単位の含有率を合わせて表2に示す。
Figure 2013057834
<[F]重合体の合成>
[合成例35]
構造単位(II)を与える化合物(M−7)13.7g(50モル%)及び構造単位(f2)を与える化合物(X−5)16.3g(50モル%)を60gの2−ブタノンに溶解し、AIBN1.82gを添加して単量体溶液を調製した。30gの2−ブタノンを入れた300mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。600gのメタノール:水=8:2の溶液に重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を120gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体成分(F−1)を得た(24g、収率80%)。得られた重合体(F−1)のMwは4,100であり、Mw/Mnは1.4であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−7)由来の構造単位:化合物(X−5)由来の構造単位の含有比率は、48.5:51.5(モル%)であった。
[合成例36〜37]
表3に記載の単量体を所定量配合した以外は、合成例26と同様に操作して重合体(F−2)〜(F−3)を得た。また、得られた各重合体のMw、Mw/Mn、収率(%)及び各重合体における各単量体に由来する構造単位の含有率を合わせて表3に示す。
Figure 2013057834
<フォトレジスト組成物の調製>
フォトレジスト組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]界面活性剤、[E]酸拡散制御剤、[G]添加剤及び溶媒について以下に示す。
<[B]酸発生剤>
B−1〜B−3:下記式で表される化合物
Figure 2013057834
<[C]界面活性剤>
C−1:ノベックFC−430
C−2:サーフロンKH−20
C−3:サーフロンS420
C−4:フタージェント208G
C−5:X−70−093
C−6:KP341
<[E]酸拡散制御剤>
E−1〜E−5:下記式で表される化合物
Figure 2013057834
<溶媒>
H−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
H−2:シクロヘキサノン
[実施例1]
重合体成分(A−1)100質量部、酸発生剤(B−1)10質量部、界面活性剤(C−1)0.05質量部、酸拡散制御剤(E−3)5質量部、重合体(F−1)3質量部、添加剤(G−1)としてγ−ブチロラクトン30質量部、並びに溶媒(H−1)2,600質量部及び(H−2)1100質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、フォトレジスト組成物を調製した。得られた混合溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、フォトレジスト組成物を調製した。
[実施例2〜34及び比較例1〜27]
表4及び表5に示す種類、量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、フォトレジスト組成物を調製した。なお、実施例31〜34及び比較例27においては、表5に示す種類及び量の[D]重合体も添加した。
Figure 2013057834
Figure 2013057834
<評価>
実施例1〜34及び比較例1〜27のフォトレジスト組成物について、下記評価を行った。評価結果は表4及び表5に合わせて示す。
[感度の評価]
下層反射防止膜(「ARC66」、日産化学社製)を形成した12インチシリコンウェハ上にフォトレジスト組成物によって、120℃で60秒間ソフトベーク(SB)を行い、膜厚75nmの被膜を形成した。次に、この被膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(「NSR S610C」、NIKON社製)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Annularの条件により、50nmLine100nmPitchのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、各フォトレジスト組成物について表3に示した温度で60秒間ポストベーク(PEB)を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、50nmLine100nmPitchのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した部分が線幅50nmのLineを形成する露光量を最適露光量(Eop)とした。この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社、CG4000)を用いた。感度が40(mJ/cm)以下である場合、良好であると評価した。
[LWR(nm)]
上記感度(mJ/cm)の評価における方法と同様の方法により、ポジ型のレジストパターンを形成し、Eopを測定した。上記Eopにて形成された線幅50nmLine100nmPitchを、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社、CG4000)を用い、パターン上部から観察し、任意の10点において線幅を測定した。線幅の測定値の3シグマ値(ばらつき)をLWR(nm)とした。このLWRの値が5.4nm以下であれば、形成されたパターン形状が良好であると評価した。
[MEEF]
上記感度(mJ/cm)の評価における方法と同様の方法により、ポジ型のレジストパターンを形成し、Eopを測定した。上記Eopにて、48nmLine100nmPitch、49nmLine100nmPitch、50nmLine100nmPitch、51nmLine100nmPitch、52nmLine100nmPitchとするパターン形成用のマスクパターンをそれぞれ介してLSパターンを形成した。このとき、マスクのラインサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたライン幅(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEEFとして算出した。MEEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好である。
[DOF(nm)]
上記感度の評価における最適露光量(Eop)にて、50nmLine100nmPitchパターン用マスクで解像されるパターン寸法が、マスクの設計寸法の±10%以内となる場合のフォーカスの振れ幅をDOF(nm)とした。
[現像欠陥]
下層反射防止膜(日産化学社、ARC66)を形成した12インチシリコンウェハ上に、フォトレジスト組成物によって膜厚110nmの被膜を形成し、120度で50秒間SBを行った。次に、この被膜についてArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社、NSR S610C)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Dipoleの条件により、ターゲットサイズが幅45nmのラインアンドスペース(1L/1S)のマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で50秒間PEBを行った。その後、東京エレクトロン株式会社製、クリーントラック「ACT12」の現像装置のGPノズルによって2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により10秒間現像し、15秒間純水によりリンスし、2,000rpmで液振り切り乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、幅45nmの1L/1Sを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅45nmの1L/1Sを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社、CC−4000)を用いた。その後、欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、KLA−Tencor社、KLA2810を用いてピクセルサイズ0.23μm、ブロードバンドDUV光源、HPECモードの条件で測定した。更に、同社KLA2810にて測定された欠陥を、レジスト由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類した。分類後、レジスト被膜由来と判断される欠陥数の合計を記載した。
表4及び表5に示す通り、本発明のフォトレジスト組成物は、比較例のフォトレジスト組成物と比較して、感度を十分満足すると共に、MEEF、DOF及びLWR、現像欠陥といったリソグラフィー性能に優れていることが分かった。
本発明のフォトレジスト組成物は、半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスのリソグラフィー工程におけるレジストパターンの形成において好適に用いられる。

Claims (7)

  1. [A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体、
    [B]酸発生体、及び
    [C]界面活性剤
    を含有するフォトレジスト組成物。
    Figure 2013057834
    (式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、水酸基又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に、炭素数3〜10の環構造を形成してもよい。但し、上記環構造が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
  2. [C]界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
  3. [C]界面活性剤が、フッ素原子又はケイ素原子を含むノニオン系界面活性剤である請求項2に記載のフォトレジスト組成物。
  4. [A]重合体が、下記式(2)で表される構造単位(II)をさらに有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のフォトレジスト組成物。
    Figure 2013057834
    (式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数4〜20の脂環式基である。但し、R及びRは互いに結合して、それらが結合している炭素原子と共に2価の脂環式基を形成していてもよい。また、上記アルキル基及び脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
  5. [A]重合体が、構造単位(I)以外の構造単位であって、環状カーボネート構造、スルトン構造及びラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位(III)をさらに有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフォトレジスト組成物。
  6. [D]構造単位(III)を有する重合体をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフォトレジスト組成物。
  7. [A]重合体における構造単位(I)の含有率が5モル%以上60モル%以下であり、かつ構造単位(I)及び構造単位(II)の含有率の合計が20モル%以上70モル%以下である請求項4、請求項5又は請求項6に記載のフォトレジスト組成物。
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