JP2004085900A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

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JP2004085900A
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Toru Fujimori
藤森 亨
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】現像欠陥が低減され、矩形なプロファイルを可能とするポジ型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(B)特定の脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂及び(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用されるポジ型レジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは250nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適なポジ型レジスト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化学増幅系ポジ型レジスト組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
【0003】
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
【0004】
しかしながら、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
【0005】
また、193nm波長領域に吸収の小さいポリマーとして、ポリ(メタ)アクリレートの利用がJ.Vac.Sci.Technol.,B9,3357(1991). に記載されているが、このポリマーは一般に半導体製造工程で行われるドライエッチングに対する耐性が、芳香族基を有する従来のフェノール樹脂に比べ低いという問題があった。
【0006】
近年の微細化の流れ、及び高スリープットへ向けて、露光によるエラーを減らすことが重要となってきている。これまでのレジストでは、特に現像欠陥性能の悪化により、歩留まりが著しく低下していた。また、レジストプロファイルが良好でないため、歩留まりの悪化につながっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、良好な現像欠陥性能、矩形なレジストプロファイルを有するポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成のポジ型レジスト組成物であり、これにより本発明の上記目的が達成される。
【0009】
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物、及び
(B1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂又は(B2)下記一般式(II)で表される繰り返し単位及び一般式(III)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0010】
【化3】
Figure 2004085900
【0011】
一般式(I)において、Rはアルキル基を表す。mは0〜4の整数を表す。nは0〜4の整数を表す。mが2〜4であるとき、複数のRは、同じでも異なっていてもよい。
【0012】
【化4】
Figure 2004085900
【0013】
一般式(II)において、R1aは水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R2aは置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。尚、R1aとR2aとが互いに結合して環を形成してもよい。
【0014】
一般式(III)において、Zは、−O−又は−N(R3a)−を表す。ここでR3aは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基又は−OSO−R4aを表す。またR4aは、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0015】
更に、好ましい態様として以下の構成を挙げることができる。
(2)樹脂(B1)が更に下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【0016】
【化5】
Figure 2004085900
【0017】
一般式(IV)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは下記一般式(pI)〜一般式(pV)のいずれかを表す。
【0018】
【化6】
Figure 2004085900
【0019】
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、及びR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0020】
(3)樹脂(B1)が更に下記一般式(V)で表される繰り返し単位を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0021】
【化7】
Figure 2004085900
【0022】
一般式(V)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
【0023】
(4)樹脂(B1)が、更に、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)に記載のポジ型レジスト組成物。
(5)一般式(V)で表される繰り返し単位が下記一般式(Va)で表される繰り返し単位であることを特徴とする上記(3)又は(4)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0024】
【化8】
Figure 2004085900
【0025】
一般式(Va)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表し、但し少なくとも一つは水酸基を表す。
【0026】
(6)一般式(Va)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることを特徴とする上記(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
(7)一般式(IV)において、Aが単結合であり、ALGが下記で表される基であることを特徴とする上記(2)〜(6)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0027】
【化9】
Figure 2004085900
【0028】
26及びR27は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
【0029】
(8)樹脂(B2)が前記一般式(pI)〜(pV)で表される酸の作用により分解する基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
(9)樹脂(B2)が更にラクトン残基又は脂環ラクトン残基を有する繰り返し単位を含有することを特徴とする上記(1)又は(8)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0030】
(10)(C)の化合物が、環状又は鎖状の糖類誘導体であることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(11)更に、(D1)塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(12)2種以上の(D1)塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(11)に記載のポジ型レジスト組成物。
(13)更に、(E)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0031】
(14)(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、オニウム塩化合物と、非オニウム塩化合物とを含有することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(15)(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、波長193nmの露光に対する透過率が異なる2種以上の化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(16)(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の炭素鎖長が異なる2種以上の化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(17)(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の強度が異なる2種以上の化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(13)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0032】
(18)更に、(F)水酸基を含有しない溶剤と水酸基を含有する溶剤とを、水酸基を含有しない溶剤を水酸基を含有する溶剤よりも多く混合した混合溶剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(17)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(19)更に、(D2)アンモニウム塩化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(18)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
≪(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物≫
本発明の組成物には、成分(A)として活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)を含有する。
【0034】
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0035】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物を挙げることができる。
【0036】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 号、特開昭63−163452 号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0037】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0038】
上記活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)下記の一般式(PAG1)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG2)で表されるスルホニウム塩。
【0039】
【化10】
Figure 2004085900
【0040】
ここで式Ar、Arは各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0041】
203、R204、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。
【0042】
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0043】
は対アニオンを示し、例えばBF 、AsF 、PF 、SbF 、SiF 2−、ClO 、CFSO 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0044】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr、Arはそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0045】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【化11】
Figure 2004085900
【0047】
【化12】
Figure 2004085900
【0048】
【化13】
Figure 2004085900
【0049】
一般式(PAG1)、(PAG2)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
(2)下記一般式(PAG3)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG4)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0050】
【化14】
Figure 2004085900
【0051】
式中、Ar、Arは各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
【0052】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化15】
Figure 2004085900
【0054】
【化16】
Figure 2004085900
【0055】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0056】
【化17】
Figure 2004085900
【0057】
ここでRは、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
【0058】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
【化18】
Figure 2004085900
【0060】
また、上記化合物の他に、下記一般式(PAG6)で表される化合物も本発明の成分(A)の酸発生剤として有効に用いられる。
【0061】
【化19】
Figure 2004085900
【0062】
式(PAG6)中、
〜Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表し、R〜Rのうち少なくとも2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。
及びRは、水素原子、アルキル基、シアノ基又はアリール基を表す。
及びYは、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ原子を含む芳香族基を表し、YとYとが結合して環を形成してもよい。
は、単結合または2価の連結基を表す。
は、非求核性アニオンを表す。
【0063】
但し、RからRの少なくとも1つとY又はYの少なくとも一つが結合して環を形成するか、若しくは、RからRの少なくとも1つとR又はRの少なくとも1つが結合して環を形成する。
【0064】
尚、RからRのいずれか、若しくは、Y又はYのいずれかの位置で、連結基を介して結合し、式(PAG6)の構造を2つ以上有していてもよい。
【0065】
〜Rのアルキル基は、置換あるいは無置換のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
【0066】
〜Rのアルコキシ基及びアルキルオキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、置換あるいは無置換のアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基であり、無置換のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
【0067】
〜R、Y、Yのアリール基は、置換あるいは無置換のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
〜Rのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0068】
及びYのアルキル基は、置換あるいは無置換のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基である。無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、及びシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等の環状のアルキル基を挙げることができる。
【0069】
及びYのアラルキル基は、置換あるいは無置換のアラルキル基であり、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、無置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。
【0070】
ヘテロ原子を含む芳香族基とは、例えば炭素数6〜14のアリール基等の芳香族基に、ヘテロ原子、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を有する基を表す。
及びYのヘテロ原子を含む芳香族基としては、置換あるいは無置換のヘテロ原子を含む芳香族基であり、無置換のものとしては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、インドール等の複素環式芳香族炭化水素基が挙げられる。
【0071】
とYとは結合して、式(PAG6)中のSとともに、環を形成してもよい。
【0072】
この場合、YとYとが結合して形成する基としては、例えば、炭素数4〜10のアルキレン基、好ましくはブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、特に好ましくはブチレン基、ペンチレン基を挙げることができる。
【0073】
また、YとYと結合して、式(PAG6)中のSとともに形成した環の中に、ヘテロ原子を含んでいても良い。
【0074】
上記のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アラルキル基の各々は、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)等で置換されていてもよい。更にアリール基、アラルキル基については、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)で置換されていてもよい。
また、アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子が好ましい。
【0075】
は、単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては、置換していてもよいアルキレン基、アルケニレン基、−O−、−S−、−CO−、−CONR−(Rは、水素、アルキル基、アシル基である。)、及びこれらのうち2つ以上を含んでもよい連結基が好ましい。
【0076】
の非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
【0077】
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
【0078】
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
【0079】
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0080】
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
【0081】
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
【0082】
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、弗素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0083】
アルキル基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜15のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
【0084】
アルコキシ基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
【0085】
アルキルチオ基としては、例えば、好ましくは炭素数1〜15のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ウンデシルチオ基、ドデシルチオ基、トリデシルチオ基、テトラデシルチオ基、ペンタデシルチオ基、ヘキサデシルチオ基、ヘプタデシルチオ基、オクタデシルチオ基、ノナデシルチオ基、エイコシルチオ基等を挙げることができる。尚、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基は、更にハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換されていてもよい。
【0086】
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基としては、アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基と同様のものを挙げることができる。
【0087】
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基と同様のものを挙げることができる。
【0088】
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0089】
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
【0090】
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
【0091】
尚、本発明の式(PAG6)において、RからRの少なくとも1つとY又はYの少なくとも一つが結合して環が形成されるか、若しくは、RからRの少なくとも1つとR又はRの少なくとも1つが結合して環が形成されている。式(PAG6)に示す化合物は、環を形成することにより、立体構造が固定され、光分解能が向上する。
【0092】
また、RからRのいずれか、若しくは、Y又はYのいずれかの位置で、連結基を介して結合し、式(PAG6)の構造を2つ以上有していてもよい。
【0093】
さらに式(PAG6)の化合物は、下記一般式(PAG6A)又は(PAG6B)であるのが好ましい。
【0094】
【化20】
Figure 2004085900
【0095】
式(PAG6A)中、R〜R、R、Y、Y及びXは、上記式(PAG6)中のものと同様であり、Yは、単結合又は2価の連結基を表す。
【0096】
式(PAG6B)中、R〜R、R、R、Y及びXは、上記式(PAG6)中のものと同様であり、Yは、単結合又は2価の連結基を表す。
【0097】
Yは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、置換していてもよいアルキレン基、アルケニレン基、−O−、−S−、−CO−、−CONR−(Rは、水素、アルキル基、アシル基である。)、及びこれらのうち2つ以上を含んでもよい連結基が好ましい。
【0098】
式(PAG6A)中、Yとしてはアルキレン基又は酸素原子を含むアルキレン基、硫黄原子を含むアルキレン基が好ましく、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、−CH−O−、−CH−S−が好ましく、最も好ましくはエチレン基、−CH−O−、−CH−S−のように6員環を形成する連結基である。6員環を形成することによりカルボニル平面とC−S+シグマ結合がより垂直に近くなり、軌道相互作用により光分解効率が向上する。
【0099】
式(PAG6A)に示す化合物は、対応するα−ハロ環状ケトンとスルフィド化合物を反応させる方法、或いは対応する環状ケトンをシリルエノールエーテルに変換した後、スルホキシドと反応させることにより得ることができる。式(PAG6B)に示す化合物は、アルールアルキルスルフィドにα−又はβ−ハロゲン化ハライドを反応させることにより得ることができる。
【0100】
以下に、上記式(PAG6)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0101】
【化21】
Figure 2004085900
【0102】
【化22】
Figure 2004085900
【0103】
【化23】
Figure 2004085900
【0104】
本発明に於いては、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、前記一般式(PAG1)又は(PAG2)で表されるようなオニウム塩化合物と、それ以外の非オニウム塩化合物とを併用することが好ましい。
【0105】
本発明に於いては、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、波長193nmの露光に対する透過率が異なる2種以上の化合物を併用することが好ましい。
【0106】
本発明に於いては、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の炭素鎖長が異なる2種以上の化合物を併用することが好ましい。
【0107】
本発明に於いては、(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により発生する酸の強度が異なる2種以上の化合物を併用することが好ましい。
【0108】
上記一般式(PAG6)で表される酸発生剤の具体例において、(PAG6A−1)〜(PAG6A−30)及び(PAG6B−1)〜(PAG6B−12)がより好ましい。
【0109】
(A)成分のの化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0110】
(A)成分の化合物の本発明のポジ型レジスト組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
【0111】
本発明に使用される(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0112】
【化24】
Figure 2004085900
【0113】
【化25】
Figure 2004085900
【0114】
本発明で使用される上記活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物以外の必須成分としては、
(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物、
(B1)上記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「(B1)樹脂」ともいう)又は(B2)上記一般式(II)で表される繰り返し単位及び一般式(III)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「(B2)樹脂」ともいう)
である。
尚、以下に記載の(B)樹脂、(B)成分とは、本発明の(B1)樹脂又は(B2)樹脂を意味する。
【0115】
≪(B)樹脂≫
〔1〕(B)成分における、(B1)上記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂について説明する。
【0116】
一般式(I)で表される2−メチレンラクトン構造を有する繰り返し単位について説明する。
【0117】
【化26】
Figure 2004085900
【0118】
一般式(I)において、Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3、例えばメチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基)を表す。mは、0〜4の整数、好ましくは0〜2を表す。nは0〜4の整数を表す。mが2〜4であるとき、複数のRは、同じでも異なっていてもよい。
【0119】
以下に一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0120】
【化27】
Figure 2004085900
【0121】
本発明の(B1)樹脂は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂であり、酸の作用により分解しアルカリ可溶性となる基(酸分解性基)を含有する。このような酸分解性基は、上記の一般式(I)の繰り返し単位に有していてもよいし、他の繰り返し単位中に含有していてもよい。
【0122】
酸分解性基としては、−COOA 、−O−B 基で示される基を挙げることができる。更にこれらを含む基としては、−R −COOA 、又は−A −O−B で示される基が挙げられる。
【0123】
ここでA は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06基もしくはラクトン基を示す。B は、−A 又は−CO−O−A 基を示す。
【0124】
01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基、環状アルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R は単結合もしくは、置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0125】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜30個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。環状のアルキル基としては、炭素数3〜30個のものが挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基、ステロイド残基等を挙げることができる。アラルキル基としては、炭素数7〜20個のものが挙げられ、置換基を有していてもよい。ベンジル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられる。
【0126】
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0127】
また、上記ラクトン基としては、下記構造のものが挙げられる。
【0128】
【化28】
Figure 2004085900
【0129】
上記式中、Ra 、R、Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。nは、2から4の整数を表す。
【0130】
露光用の光源としてArFエキシマレーザーを使用する場合には、酸分解性基として、−C(=O)−X−Rで表される基を用いることが好ましい。ここで、R としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基、上記ラクトン基等を挙げることができる。Xは、酸素原子、硫黄原子を表すが、好ましくは酸素原子である。
【0131】
尚、本発明における(B1)樹脂は、上記一般式(IV)で表される酸分解性基含有繰り返し単位を含有することが特に好ましい。一般式(IV)において、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは単結合又は連結基を表し、ALGは上記一般式(pI)〜一般式(pV)で示される脂環式炭化水素を含む基である。
【0132】
Aの連結基は、アルキレン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。上記Aにおけるアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
【0133】
−〔C(R )(R )〕 −
式中、R 、R は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0134】
一般式(pI)〜(pV)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
【0135】
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0136】
11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
【0137】
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
【0138】
【化29】
Figure 2004085900
【0139】
【化30】
Figure 2004085900
【0140】
【化31】
Figure 2004085900
【0141】
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
【0142】
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0143】
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択された置換基を表す。
【0144】
置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
【0145】
上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0146】
尚、走査型電子顕微鏡で観察時のパターンサイズの変動が少ない点(SEM耐性)から、一般式(IV)において、Aが単結合であり、ALGが下記で表される基である繰り返し単位が特に好ましい。
【0147】
【化32】
Figure 2004085900
【0148】
26及びR27は、各々独立に、炭素数1〜4個の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。
【0149】
以下、一般式(IV)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示す。
【0150】
【化33】
Figure 2004085900
【0151】
【化34】
Figure 2004085900
【0152】
【化35】
Figure 2004085900
【0153】
【化36】
Figure 2004085900
【0154】
【化37】
Figure 2004085900
【0155】
【化38】
Figure 2004085900
【0156】
更に、一般式(V)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0157】
【化39】
Figure 2004085900
【0158】
一般式(V)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
はp+1価の脂環式炭化水素基を表す。
pは1〜3の整数を表す。
【0159】
即ち、−Z−(OH)pは、脂環式炭化水素基に水酸基がp個置換した基を表す。
【0160】
の2価の連結基としては、一般式(IV)におけるAと同様のものを挙げることができ、好ましい基についても同様である。
【0161】
の脂環式炭化水素基としては、一般式(IV)におけるR11〜R25としての脂環式炭化水素基を挙げることができ、好ましい基についても同様である。
【0162】
p個の水酸基は、Zの脂環式炭化水素基自体、及び、脂環式炭化水素が有する置換基部分のいずれで置換していてもよい。
【0163】
尚、アンダー露光によるラインパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(V)で表される繰り返し単位として、下記一般式(Va)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0164】
【化40】
Figure 2004085900
【0165】
一般式(Va)中、R30は、水素原子又はメチル基を表す。
31〜R33は、各々独立に、水素原子、水酸基又はアルキル基を表し、但し少なくとも一つは水酸基を表す。
【0166】
また、アンダー露光によるホールパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(Va)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることが更に好ましい。
【0167】
以下に一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0168】
【化41】
Figure 2004085900
【0169】
【化42】
Figure 2004085900
【0170】
【化43】
Figure 2004085900
【0171】
また、本発明の組成物に添加される(B1)樹脂は、エッチング時のホール変形を抑制する点で、脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0172】
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、例えば、シクロヘキサンラクトン、ノルボルナンラクトン、又はアダマンタンラクトンを有する繰り返し単位を挙げることができる。
【0173】
例えば、シクロヘキサンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(V−1)及び(V−2)で表される基を有する繰り返し単位、ノルボルナンラクトンを有する繰り返し単位としては下記一般式(V−3)及び(V−4)で表される基を有する繰り返し単位、アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される基を有する繰り返し単位を挙げることができる。
【0174】
【化44】
Figure 2004085900
【0175】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bは、各々独立に水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
【0176】
一般式(V−1)〜(V−4)において、R1b〜R5bにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。
直鎖状、分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜12個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基である。
【0177】
1b〜R5bにおけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものが好ましい。
1b〜R5bにおけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好ましい。
【0178】
また、R1b〜R5bの内の2つが結合して形成する環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環が挙げられる。
なお、一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1b〜R5bは、環状骨格を構成している炭素原子のいずれに連結していてもよい。
【0179】
また、上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0180】
一般式(V−1)〜(V−4)で表される基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(Ib)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
【0181】
【化45】
Figure 2004085900
【0182】
一般式(Ib)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜(V−4)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
【0183】
b0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
【0184】
A’は、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
【0185】
は、一般式(V−1)〜(V−4)のうちのいずれかで示される基を表す。A’において、該組み合わせた2価の基としては、例えば下記式のものが挙げられる。
【0186】
【化46】
Figure 2004085900
【0187】
上記式において、Rab、Rbbは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
【0188】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
r1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0189】
以下に、一般式(Ib)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0190】
【化47】
Figure 2004085900
【0191】
【化48】
Figure 2004085900
【0192】
【化49】
Figure 2004085900
【0193】
【化50】
Figure 2004085900
【0194】
【化51】
Figure 2004085900
【0195】
【化52】
Figure 2004085900
【0196】
【化53】
Figure 2004085900
【0197】
アダマンタンラクトンを有する繰り返し単位としては、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0198】
【化54】
Figure 2004085900
【0199】
一般式(VI)において、Aは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、又はハロゲン原子を表す。
【0200】
一般式(VI)において、Aのアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
【0201】
−〔C(Rnf)(Rng)〕r−
上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数である。
【0202】
一般式(VI)において、Aのシクロアルキレン基としては、炭素数3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げることができる。
【0203】
を含む有橋式脂環式環は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモイル基(−CONHSOCH等)が挙げられる。尚、置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換されていてもよい。
【0204】
一般式(VI)において、Aに結合しているエステル基の酸素原子は、Zを含む有橋式脂環式環構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよい。
【0205】
以下に、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0206】
【化55】
Figure 2004085900
【0207】
【化56】
Figure 2004085900
【0208】
本発明の(B1)樹脂は、更に下記一般式(VII)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することができる。
【0209】
【化57】
Figure 2004085900
【0210】
一般式(VII)中、R1aは、水素原子又はメチル基を表す。
は、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
a1,Rb1,Rc1,Rd1,Re1は各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。m,nは各々独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
【0211】
a1〜Re1の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
【0212】
一般式(VII)において、Wのアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
【0213】
−〔C(Rf)(Rg)〕r
上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。
【0214】
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
は1〜10の整数である。
【0215】
上記アルキル基における更なる置換基としては、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アセチルアミド基、アルコキシカルボニル基、アシル基が挙げられる。
【0216】
ここでアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等の低級アルキル基を挙げることができる。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。置換アルコキシ基の置換基としては、アルコキシ基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0217】
以下、一般式(VII)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0218】
【化58】
Figure 2004085900
【0219】
【化59】
Figure 2004085900
【0220】
【化60】
Figure 2004085900
【0221】
上記一般式(VII)の具体例において、露光マージンがより良好になるという点から(VII−17)〜(VII−36)が好ましい。
【0222】
(B1)樹脂において、各繰り返し単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0223】
本発明の(B1)樹脂中、一般式(I)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、2〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは8〜20モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜60モル%が好ましく、より好ましくは24〜55モル%、更に好ましくは28〜50モル%である。
一般式(IV)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、20〜60モル%が好ましく、より好ましくは24〜55モル%、更に好ましくは28〜50モル%である。
【0224】
一般式(V)で表される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中、5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜45モル%、更に好ましくは15〜40モル%である。
脂環ラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜55モル%、更に好ましくは15〜50モル%である。
一般式(VII)で表される側鎖にラクトン構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中5〜60モル%が好ましく、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜45モル%である。
【0225】
本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から、酸分解性樹脂は芳香族基を有しないことが好ましい。
【0226】
本発明に係る(B1)樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、3,000〜100,000が好ましく、より好ましくは、4,000〜50,000、さらに好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が3,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、100,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0227】
また、本発明に係る(B1)樹脂の分散度(Mw/Mn)としては、1.3〜4.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.4〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5である。
【0228】
〔2〕(B)成分における、(B2)下記一般式(II)で表される繰り返し単位及び一般式(III)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂について説明する。
【0229】
本発明で使用される(B2)樹脂は、一般式(II)で表される繰り返し単位及び一般式(III)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂である。
【0230】
【化61】
Figure 2004085900
【0231】
一般式(II)において、R1aは水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R2aは置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。尚、R1aとR2aとが互いに結合して環を形成してもよい。
【0232】
1aとしての炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは1〜5であり、例えばアルキル基(好ましくはメチル基)を挙げることができる。R1aは水素原子又はメチル基が好ましい。
【0233】
2aとしての炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは1〜10であり、例えばアルキル基、シクロアルキル基を挙げることができる。
【0234】
1a及びR2aとしての炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基の炭素数は1〜30が好ましい。置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アシルカルボニル基、アシロキシ基などを挙げることができる。
【0235】
これらの置換基における環構造は、ヘテロ原子を含有していてもよいし、水酸基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)などの置換基を有していてもよい。
【0236】
1aとR2aとが結合して環を形成する場合の環としては、例えば、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環等の4〜8員環を挙げることができる。この環構造も上記と同様に置換基を有していてもよい。
【0237】
以下に、一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0238】
【化62】
Figure 2004085900
【0239】
本発明の(B2)樹脂は、更に一般式(III)で表される繰り返し単位を含有する。
【0240】
【化63】
Figure 2004085900
【0241】
一般式(III)において、Zは、−O−又は−N(R3a)−を表す。ここでR3aは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基又は−OSO−R4aを表す。またR4aは、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0242】
上記R3a及びR4aにおけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0243】
上記R3a及びR4aにおけるハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基、ナノフルオロブチル基、ペンタデカフルオロオクチル基、トリクロロメチル基等を挙げることができる。上記R4aにおけるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0244】
3a及びR4aとしてのアルキル基、ハロアルキル基、R4aとしてのシクロアルキル基又は樟脳残基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッソ素原子、沃素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜5、例えば、ホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5、例えばアセトキシ基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14、例えばフェニル基)等を挙げることができる。
【0245】
以下に、上記一般式(III)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定するものではない。
【0246】
【化64】
Figure 2004085900
【0247】
【化65】
Figure 2004085900
【0248】
本発明の(B2)樹脂は、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性となる基を、上記の一般式(II)又は(III)の繰り返し単位に有していてもよいし、他の繰り返し単位中に含有していてもよい。
【0249】
酸の作用により分解する基としては、−COOA 、−O−B 基で示される基を挙げることができる。更にこれらを含む基としては、−R −COOA 、又は−Ar−O−B で示される基が挙げられる。
【0250】
ここでA は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06基もしくはラクトン基を示す。B は、−A 又は−CO−O−A 基を示す。
【0251】
01、R02、R03、R04及びR05は、それぞれ同一でも相異していても良く、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を示し、R06はアルキル基、環状アルキル基もしくはアリール基を示す。但し、R01〜R03の内少なくとも2つは水素原子以外の基であり、又、R01〜R03、及びR04〜R06の内の2つの基が結合して環を形成してもよい。R は単結合もしくは、置換基を有していても良い2価以上の脂肪族もしくは芳香族炭化水素基を示し、−Ar−は単環もしくは多環の置換基を有していても良い2価以上の芳香族基を示す。
【0252】
ここで、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜30個のものが好ましく、アルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としてはフエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。環状のアルキル基としては、炭素数3〜30個のものが挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基、ステロイド残基等を挙げることができる。アラルキル基としては、炭素数7〜20個のものが挙げられ、置換基を有していてもよい。ベンジル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられる。
【0253】
また、置換基としては水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基・エトキシ基・ヒドロキシエトキシ基・プロポキシ基・ヒドロキシプロポキシ基・n−ブトキシ基・イソブトキシ基・sec−ブトキシ基・t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基・エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基・フエネチル基・クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基・アセチル基・ブチリル基・ベンゾイル基・シアナミル基・バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基・プロペニルオキシ基・アリルオキシ基・ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0254】
また、上記ラクトン基としては、下記構造のものが挙げられる。
【0255】
【化66】
Figure 2004085900
【0256】
上記式中、Ra 、R、Rは各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基を表す。nは、2から4の整数を表す。
【0257】
露光用の光源としてArFエキシマレーザーを使用する場合には、酸の作用により分解する基として、−C(=O)−X−Rで表される基を用いることが好ましい。ここで、R としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基、上記ラクトン基等を挙げることができる。Xは、酸素原子、硫黄原子を表すが、好ましくは酸素原子である。
【0258】
特に前記一般式(pI)〜一般式(pV)のいずれかで表される酸分解性基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。この繰り返し単位を含有することにより画像形成性、耐ドライエッチング性が良好となる。
【0259】
また、コンタクトホール解像性、デフォーカスラチチュードを向上させる上で、ラクトン残基を有する繰り返し単位を含有することが好ましく、現像欠陥を低減する上で、脂環ラクトン残基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0260】
脂環ラクトンとは、環状炭化水素基とラクトン環が縮環した構造、あるいは、多環環状炭化水素基(シクロアルカン環が2つ以上組み合わせられた環状炭化水素環)のシクロアルカン環のひとつがラクトン環に置換された構造を意味する。
【0261】
ラクトン残基としては、ブチロラクトン(a1)、脂環ラクトンとしては、
(a2)ノルボルナンラクトン、(a3)シクロヘキサンラクトン、及び(a4)アダマンタンラクトン等を挙げることができる。
【0262】
ラクトン残基を有する繰り返し単位(a1)としては、前記一般式(VII)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
【0263】
一般式(VII)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例も前記の通りであるが、これらに限定されるものではない。
【0264】
本発明の(B2)樹脂中、(a2)のノルボルナンラクトン類モノマー及び(a3)のシクロヘキサンラクトン類モノマーとしては、各々前記一般式(V−1)〜(V−2)及び(V−3)〜(V−4)で表される基を有する繰り返し単位が好ましい。
【0265】
アダマンタンラクトン(a4)としては、前記一般式(VI)で表される繰り返し単位が好ましい。
【0266】
また、本発明の(B2)樹脂は、特にエッジラフネスを改善する上で前記一般式(Va)で表される繰り返し単位を含有することも好ましい。
【0267】
また、アンダー露光によるホールパターン形成の際、広い露光マージンが得られる点で、一般式(Va)で表される繰り返し単位において、R31〜R33のうちの二つが水酸基であることが更に好ましい(前記具体例参照)。
【0268】
更に、特に耐熱性、エッチング耐性を向上させる上で、下記一般式(VIII)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
【0269】
【化67】
Figure 2004085900
【0270】
一般式(VIII)中:
〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、置換基を有していてもよい炭化水素基、−COOR、−C(=O)−X−A−R、又は酸の作用により分解する基、また、R〜Rのうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
【0271】
ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基又はラクトン残基を表す。Rは、水素原子、−COOH、−COOR、−CN、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭化水素基、又はラクトン残基を表す。Xは、酸素原子、硫黄原子、−NHSO−、又は−NHSONH−を表す。Aは、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、スルホンアミド基、及びN−スルフォニルアミド基よりなる群から選択される単独或いは2つ以上の基の組み合わせを表す。
nは0又は1を表す。
【0272】
酸の作用により分解する基の構造としては、−C(=O)−X−R で表される。
【0273】
式中、R としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、3−オキソアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−メチル−2−アダマンチル基、メバロニックラクトン残基、2−(γ−ブチロラクトニルオキシカルボニル)−2−プロピル基等を挙げることができる。Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO −又は−NHSO NH−を表す。
【0274】
上記R〜Rにおけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素
原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0275】
上記R〜R、R、Rにおける炭化水素基としては、好ましくは直鎖、分岐、環状アルキル基、有橋式炭化水素基を挙げることができる。
【0276】
直鎖状あるいは分岐状アルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状ある
いは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0277】
環状アルキル基、有橋式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等を挙げることができる。
【0278】
上記R〜Rのうち少なくとも2つが結合して形成する環としては、例えば、ラクトン環、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の炭素数5〜12の環が挙げられる。
【0279】
上記Rにおけるアルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0280】
上記炭化水素基、アルコキシ基は、更に置換基を有していてもよく、置換基として、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシル基(例えばホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基等)等を挙げることができる。
【0281】
上記Aにおけるアルキレン基としては、下記式で表される基を挙げることができる。
【0282】
−〔C(R )(R )〕 −
式中、R 、R は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の整数を表す。
【0283】
及びRとしてのラクトン残基としては、例えば、以下の−Yで表されるものを挙げることができる。
【0284】
−Y基;
【0285】
【化68】
Figure 2004085900
【0286】
上記−Y基に於いて、R21〜R30は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。a、bは、1又は2を表す。
【0287】
上記R21〜R30に於けるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等を挙げることができる。
【0288】
21〜R30としてのアルキル基は置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッソ素原子、沃素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜5、例えば、ホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜5、例えばアセトキシ基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14、例えばフェニル基)等を挙げることができる。
【0289】
以下に一般式(VIII)で表される繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0290】
【化69】
Figure 2004085900
【0291】
【化70】
Figure 2004085900
【0292】
【化71】
Figure 2004085900
【0293】
【化72】
Figure 2004085900
【0294】
【化73】
Figure 2004085900
【0295】
【化74】
Figure 2004085900
【0296】
【化75】
Figure 2004085900
【0297】
【化76】
Figure 2004085900
【0298】
【化77】
Figure 2004085900
【0299】
【化78】
Figure 2004085900
【0300】
【化79】
Figure 2004085900
【0301】
【化80】
Figure 2004085900
【0302】
【化81】
Figure 2004085900
【0303】
【化82】
Figure 2004085900
【0304】
【化83】
Figure 2004085900
【0305】
【化84】
Figure 2004085900
【0306】
【化85】
Figure 2004085900
【0307】
【化86】
Figure 2004085900
【0308】
【化87】
Figure 2004085900
【0309】
【化88】
Figure 2004085900
【0310】
【化89】
Figure 2004085900
【0311】
【化90】
Figure 2004085900
【0312】
【化91】
Figure 2004085900
【0313】
(B)成分である酸分解性樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
【0314】
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0315】
これにより、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
【0316】
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0317】
上記(B2)樹脂中、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中2〜50モル%が好ましく、より好ましくは4〜45モル%、更に好ましくは6〜40モル%である。
一般式(III)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜55モル%、更に好ましくは25〜50モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の総量は、全繰り返し構造単位中20〜70モル%が好ましく、より好ましくは25〜65モル%、更に好ましくは30〜60モル%である。
【0318】
一般式(pI)〜(pVI)で表される基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜50モル%、更に好ましくは20〜40モル%である。
一般式(Va)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中
3〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは8〜40モル%である。
一般式(VIII)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中3〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは8〜40モル%である。
ラクトン残基又は脂環ラクトンを有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中5〜50モル%が好ましく、より好ましくは10〜40モル%、更に好ましくは12〜30モル%である。
【0319】
尚、本発明の組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
【0320】
本発明に係る(B2)樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、200,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じる。
【0321】
また、本発明に係る(B2)樹脂の分散度(Mw/Mn)としては、1.3〜4.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.4〜3.8、さらに好ましくは1.5〜3.5である。
【0322】
本発明に用いる(B)樹脂は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
【0323】
本発明のポジ型レジスト組成物において、本発明に係わる全ての(B)樹脂の組成物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
【0324】
上記(A)光酸発生剤や(B)樹脂等の固形分を、溶剤に固形分濃度として、3〜25質量%溶解することが好ましく、より好ましくは5〜22質量%、更に好ましくは7〜20質量%である。
【0325】
≪(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物を含有する。
【0326】
水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物(以下、「(C)成分の化合物」ともいう)とは、水酸基及び置換された水酸基から選ばれた置換基を分子内にひとつ以上有する化合物をいう。
【0327】
(C)成分の化合物として、好ましくは、環状又は鎖状の糖類誘導体を挙げることができる。糖類誘導体としては、例えば、5単糖類、6単糖類、単糖類以外の擬似糖類及びそれらの周辺糖類を挙げることができ、酸分解基、その他の置換基で置換されていてもよい。
【0328】
置換された水酸基とは、アルキル基、アラルキル基、アリール基などで置換された水酸基、すなわち、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基などや、酸分解基、さらには他の基で置換されたエーテル構造となる基を表す。
【0329】
また、酸分解基とは酸で分解する基を意味し、具体的には、アセタール基、ケタール基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブチルエステル基などを表す。
また、下記構造
【0330】
【化92】
Figure 2004085900
【0331】
のように二つの水酸基に結合して、酸分解基を形成してもよい。ここで、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基、アラルキル基、アリール基を表し、RとRが結合して環を形成してもよい。
【0332】
これら酸分解基は、同一分子内に2つあるいはそれ以上同時に有することも出来るが、同一分子内に2つ以上の酸分解基を有することが好ましく、また少なくとも一つは下記構造
【0333】
【化93】
Figure 2004085900
【0334】
を有することが好ましい。
【0335】
本発明の(C)成分の化合物は、水酸基又は置換された水酸基を一つ以上有するが、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜10個、特に好ましくは4〜8個含有する。
【0336】
本発明の(C)成分の化合物としては、上記要件を満たす化合物であれば、以下に示す構造の何れでも構わないが、その中でも環状糖類誘導体、鎖状糖類誘導体等の糖類誘導体や、その類縁体が好ましい。
【0337】
本発明に於いて、環状糖類誘導体とは、脂環基等の環状構造を主骨格とするか、或いは側鎖に有する糖類誘導体をいう。環状構造としては、好ましくは、5員環、6員環等を挙げることができ、例えば、シクロヘキサン環、シクロペンタン環及びエーテル酸素を含有したテトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環等を挙げることができる。
【0338】
環状糖類誘導体の骨格としては、具体的にはアラビノース、キシロース、フコース、ラムノース、ガラクトース、グルコース、フルクトース、フルクトピラノース、ソルボース、マンノース、アロピラノース、アルトロース、タロース、タガトース、アラピロピラノシド、チオガラクトピラノース、マンノピラノシド、グルコピラノース、グルコピラノシド、サクロース、パラチノース、ラクチトール、ラクトース、マルツロース、マルトース、マルトシド、マルチトール、セロピオース、ツラノース、トリハロース、メリピオース、マルトリオース、メルジトース、ラフィノース、スタチオース、マルトテトラオース、マルトヘキサオース、シクロデキストリンなどが挙げられる。
【0339】
以下に、環状糖類誘導体等の水酸基又は置換された水酸基をひとつ以上有する環状化合物の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0340】
【化94】
Figure 2004085900
【0341】
【化95】
Figure 2004085900
【0342】
【化96】
Figure 2004085900
【0343】
【化97】
Figure 2004085900
【0344】
【化98】
Figure 2004085900
【0345】
【化99】
Figure 2004085900
【0346】
【化100】
Figure 2004085900
【0347】
【化101】
Figure 2004085900
【0348】
【化102】
Figure 2004085900
【0349】
【化103】
Figure 2004085900
【0350】
【化104】
Figure 2004085900
【0351】
【化105】
Figure 2004085900
【0352】
【化106】
Figure 2004085900
【0353】
【化107】
Figure 2004085900
【0354】
【化108】
Figure 2004085900
【0355】
【化109】
Figure 2004085900
【0356】
【化110】
Figure 2004085900
【0357】
【化111】
Figure 2004085900
【0358】
本発明に於ける鎖状糖類誘導体とは、一般的な糖類の開環構造体およびそれに類する構造を有する化合物を表す。
【0359】
具体的には、トレイトール、エリスルトール、アドニトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、ダルシトール、エリスロース、キシルロース、リブロース、デオキシリブロース、グルセローグロヘプトース、及び以下に示す化合物等が挙げられる。
【0360】
【化112】
Figure 2004085900
【0361】
上記化合物群は、構造によっては光学異性体が存在するが、その全てを含む、また、これら化合物の水酸基は、場合によって、アセタール基やイソプロピリデン基のような酸分解基や、その他の置換基で置換されてもよい。
但し、いずれにしても、本発明は、これら化合物には限定されない。
これら(C)成分の化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。
【0362】
(C)成分の化合物の使用量は、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0363】
≪(D1)塩基性化合物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に(D1)塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物としては、例えば含窒素塩基性化合物が挙げられる。
【0364】
含窒素塩基性化合物としては、有機アミン、塩基性のアンモニウム塩、塩基性のスルホニウム塩などが用いられ、昇華やレジスト性能を劣化させないものであればよい。
【0365】
これらの含窒素塩基性化合物の中でも、有機アミンが画像性能が優れる点で好ましい。例えば特開昭63−149640号、特開平5−249662号、特開平5−127369号、特開平5−289322号、特開平5−249683号、特開平5−289340号、特開平5−232706号、特開平5−257282号、特開平6−242605号、特開平6−242606号、特開平6−266100号、特開平6−266110 号、特開平6−317902号、特開平7−120929号、特開平7−146558号、特開平7−319163号、特開平7−508840号、特開平7−333844号、特開平7−219217号、特開平7−92678号、 特開平7−28247号、特開平8−22120号、特開平8−110638号、特開平8−123030号、特開平9−274312号、特開平9−166871号、特開平9−292708号、特開平9−325496号、特表平7−508840号、USP5525453号、USP5629134号、USP5667938号等に記載の塩基性化合物を用いることができる。
【0366】
塩基性化合物は、具体的には下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0367】
【化113】
Figure 2004085900
【0368】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜20個のアミノアルキル基、炭素数1〜20個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。
253、R254、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜10個のアルキル基を表す。
【0369】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物か、又は脂肪族3級アミンである。
【0370】
含窒素塩基性化合物としては、好ましくは、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン類、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジン類、アニリン類、ヒドロキシアルキルアニリン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ピリジニウムp−トルエンスルホナート、2,4,6−トリメチルピリジニウムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムp−トルエンスルホナート、及びテトラブチルアンモニウムラクテート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−i−オクチルアミン、トリス(エチルヘキシル)アミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン等が挙げられる。
【0371】
これらの中でも、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、4−ヒドロキシピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリス(エチルヘキシル)アミン、トリドデシルアミン、N,N−ジ−ヒドロキシエチルアニリン、N−ヒドロキシエチル−N−エチルアニリン等の有機アミンが好ましい。
これら(D1)塩基性化合物は、単独或いは2種以上用いることができ、2種以上用いることがより好ましい。
【0372】
また、(D2)アンモニウム塩化合物を含有することも好ましい。
(D2)アンモニウム塩化合物としては、例えば下記一般式(IX)で表される4級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
【0373】
【化114】
Figure 2004085900
【0374】
上記一般式(IX)中、R、R、R、Rは、アルキル基、アラルキル基、アリール基、酸素含有アルキル基を表す。
は、有機カウンターアニオンを表す。
【0375】
また、Xの有機カウンターアニオンとしては、例えば、OH−、RSO 、RCOO等が挙げられる。
、Rは、アルキル基、アラルキル基、アリール基、酸素含有アルキル基を表す。
【0376】
〜Rのアルキル基は、置換あるいは無置換のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、及びシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等の環状のアルキル基を挙げることができる。
【0377】
〜Rのアラルキル基は、置換あるいは無置換のアラルキル基であり、好ましくは炭素数7〜18のアラルキル基であり、無置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等を挙げることができる。
〜Rのアリール基は、置換あるいは無置換のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜18のアリール基であり、無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
【0378】
〜Rの酸素含有アルキル基は、置換あるいは無置換の酸素含有アルキル基であり、好ましくは炭素数1〜18の酸素含有アルキル基である。
無置換の酸素含有アルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘキシルオキシメチル基、ヘプチルオキシメチル基、オクチルオキシメチル基、ノニルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペンチルオキシエチル基、へキシルオキシエチル基、ヘプチルオキシエチル基、オクチルオキシエチル基、ノニルオキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、ぺンチルオキシプロピル基、へキシルオキシプロヒル基、ヘプチルオキシプロピル基、オクチルオキシプロピル基、ノニルオキシプロピル基、メトキシプチル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、ブトキシブチル基、ペンチルオキシブチル基、ヘキシルオキシブチル基、ヘプチルオキシブチル基、オクチルオキシブチル基、ノニルオキシブチル基、メトキシメトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエトキシ基、プロボキシメトキシメチル基、プロポキシエトキシエチル基などが挙げられる。
【0379】
上記の更なる置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)等で置換されていてもよい。更にアリール基、アラルキル基については、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)で置換されていてもよい。
また、アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子が好ましい。
【0380】
(D2)アンモニウム塩の具体例としては、下記に示す化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
具体的には、アンモニウムヒドロキシド、アンモニウムトリフレート、アンモニウムペンタフレート、アンモニウムヘプタフレート、アンモニウムノナフレート、アンモニウムウンデカフレート、アンモニウムトリデカフレート、アンモニウムペンタデカフレート、アンモニウムメチルカルボキシレート、アンモニウムエチルカルボキシレート、アンモニウムプロピルカルボキシレート、アンモニウムブチルカルボキシレート、アンモニウムヘプチルカルボキシレート、アンモニウムヘキシルカルボキシレート、アンモニウムオクチルカルボキシレート、アンモニウムノニルカルボキシレート、アンモニウムデシルカルボキシレート、アンモニウムウンデシルカルボキシレート、アンモニウムドデカデシルカルボキシレート、アンモニウムトリデシルカルボキシレート、アンモニウムテトラデシルカルボキシレート、アンモニウムペンタデシルカルボキシレート、アンモニウムヘキサデシルカルボキシレート、アンモニウムヘプタデシルカルボキシレート、アンモニウムオクタデシルカルボキシレート等が挙げられる。
【0381】
上記で言う、アンモニウムとしては、具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘプチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリオクチルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、ジデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラキスデシルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、トリドデシルメチルアンモニウムヒドロキシド、ミリスチルメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジテトラデシルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクタデシルアンモニウムヒドロキシド、ジアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−クロロエチル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−ブロモプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−ブロモプロピル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、グリシジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、(R)−(+)−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(S)−(−)−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−アミノエチル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサメトニウムヒドロキシド、デカメトニウムヒドロキシド、1−アゾニアプロペランヒドロキシド、ペトロニウムヒドロキシド、2−クロロ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド、3−エチル−2−メチル−2−チアゾリニウムヒドロキシドを挙げることができる。
【0382】
即ち、上記でアンモニウムヒドロキシドとしては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘプチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリオクチルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、ジデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラキスデシルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、トリドデシルメチルアンモニウムヒドロキシド、ミリスチルメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジテトラデシルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクタデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクタデシルアンモニウムヒドロキシド、ジアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−クロロエチル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−ブロモプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−ブロモプロピル)トリエチルアンモニウムヒドロキシド、グリシジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド、(R)−(+)−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(S)−(−)−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、(2−アミノエチル)−トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサメトニウムヒドロキシド、デカメトニウムヒドロキシド、1−アゾニアプロペランヒドロキシド、ペトロニウムヒドロキシド、2−クロロ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド、3−エチル−2−メチル−2−チアゾリニウムヒドロキシドを挙げることができる。
【0383】
(D1)及び(D2)成分の使用量は、総量として、ポジ型レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。0.001質量%未満では上記成分の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0384】
≪(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、少なくとも上記成分(A)〜(D)を含有するが、更に(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
【0385】
本発明のポジ型レジスト組成物が上記(E)界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらの(E)界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0386】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0387】
(E)界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0388】
≪(F)有機溶剤≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0389】
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用することが好ましい。これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減することができる。
【0390】
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
【0391】
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
【0392】
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
【0393】
≪(G)アルカリ可溶性樹脂≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、酸分解性基を含有していない、(G)水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのような樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30質量%以下の量で使用するのが好ましい。
【0394】
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として含有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を含有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
【0395】
≪その他の添加剤≫
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(E)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
【0396】
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は上記と同じ理由で脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
【0397】
これら溶解促進性化合物を使用する場合の好ましい添加量は、(B)の樹脂に対して2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。50質量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0398】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
【0399】
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0400】
本発明においては、上記(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0401】
≪使用方法≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、上記ポジ型レジスト組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
【0402】
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像する。このようにすると、良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。
【0403】
現像工程では、現像液を次のように用いる。ポジ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0404】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0405】
〔1〕(B1)樹脂の合成
合成例(1)樹脂(B1−1)の合成
2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート、2−メチレンブチロラクトン、ジヒドロキシアダマンタンメタクリレートを40/40/20の割合で仕込み、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3に溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬製V−601を1mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて100℃に加熱したPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)=7/3、40gに滴下した。滴下終了後、反応液を4時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取した後、得られた粉体をメタノール1Lでリスラリーし目的物である樹脂(B1−1)を回収した。
NMRから求めたポリマー組成比は43/36/21であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は10300であった。
【0406】
上記合成例と同様の操作で表1に示す組成比、分子量の樹脂(B1−2)〜(B1−12)を合成した。(繰り返し単位の組成比は、構造式の左からの順番である。)
【0407】
【表1】
Figure 2004085900
【0408】
また、以下に上記樹脂(B1−1)〜(B1−12)の構造を示す。
【0409】
【化115】
Figure 2004085900
【0410】
【化116】
Figure 2004085900
【0411】
【化117】
Figure 2004085900
【0412】
〔2〕(B2)樹脂の合成
合成例(1)樹脂(B2−1)の合成
アセトキシエチルビニルエーテル、無水マレイン酸、ノルボルネンカルボン酸tBuエステルをモル比で10/50/40で反応容器に仕込み、テトラヒドロフランに溶解し、固形分40質量%の溶液を調製した。これを窒素気流下65℃で加熱した。反応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカル開始剤V−601を1mol%加え反応を開始させた。14時間加熱した後、反応混合物をテトラヒドロフランで2倍に希釈した後、反応混合液の10倍容量のヘキサン/酢酸エチル=9/1合溶液に投入し白色粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出しし、これをテトラヒドロフランに溶解し、10倍容量のヘキサン/酢酸エチル=9/1混合溶媒に再沈し、析出した白色粉体を濾取、乾燥、目的物である樹脂(B2−1)を得た。
得られた樹脂(B2−1)のGPCによる分子量分析を試みたところ、ポリスチレン換算で9200(重量平均)であった。また、NMRスペクトルより樹脂(B2−1)の組成はアセトキシエチルビニルエーテル/無水マレイン酸/ノルボルネンカルボン酸tBuエステル=12/51/37(モル比)であった。
【0413】
合成例(1)と同様の方法で下記表2に示す樹脂(B2−2)〜(B2−12)を合成した。
(繰り返し単位は構造式の左からの順である。)
【0414】
【表2】
Figure 2004085900
【0415】
以下に上記樹脂(B2−1)〜(B2−12)の構造を示す。
【0416】
【化118】
Figure 2004085900
【0417】
【化119】
Figure 2004085900
【0418】
【化120】
Figure 2004085900
【0419】
実施例1〜24及び比較例1〜4
(ポジ型レジスト組成物の調製と評価)
上記合成例で合成した樹脂をそれぞれ1.03g、
光酸発生剤 表3及び4中に記載、
本発明の化合物 0.05g、
塩基性化合物 1.65mg、及び
界面活性剤 全体の100ppm
を表3及び4に示すように配合し、それぞれ固形分が11質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル(=7/3)に溶解した後、0.1μmのミクロフィルターで濾過し、実施例1〜24と比較例1〜4のポジ型レジスト組成物を調製した。
【0420】
【表3】
Figure 2004085900
【0421】
【表4】
Figure 2004085900
【0422】
塩基性化合物としては、
N−1: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−2: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
N−3: 4−ジメチルアミノピリジン
N−4: トリフェニルイミダゾール
N−5: ジイソプロピルアニリン
N−6: トリブチルアミン
N−7: トリオクチルアミン
N−8: トリドデシルアミン
N−9: N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン
N−10:2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン
を表す。
【0423】
界面活性剤としては、
W−1: メガファックF176(大日本インキ(株)製)(フッ素系)
W−2: メガファックR08(大日本インキ(株)製)(フッ素及びシリコーン系)
W−3: ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)
W−4: トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
を表す。
【0424】
(評価試験)
初めにBrewer Science社製ARC−25をスピンコーターを利用してシリコンウエハー上に30nm塗布、乾燥した後、その上に得られたポジ型フォトレジスト組成物溶液をスピンコータを利用して塗布し、115℃で90秒間乾燥、約0.4μmのポジ型フォトレジスト膜を作成し、ArFエキシマレーザー(193nm)により露光した。
【0425】
露光後の加熱処理を115℃で90秒間行い、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得た。
これらについて、以下のように現像欠陥性能、プロファイルを評価した。これらの評価結果を表5及び6に示す。
【0426】
〔現像欠陥性能〕: 上記のようにして得られたレジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール(株)製KLA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた1次データ値を現像欠陥数とした。
〔プロファイル〕: マスクにおける0.16μmのラインパターンを再現する最小露光量により得られた0.16μmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡により観察した。矩形状のものを○で、ややテーパー状のものを△で、テーパー状のものを×で示した。
【0427】
【表5】
Figure 2004085900
【0428】
【表6】
Figure 2004085900
【0429】
表5及び6の結果から明らかなように、本発明のポジ型レジスト組成物は、現像欠陥性能及びプロファイルにおいて優れていることが判る。

Claims (1)

  1. (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(C)水酸基又は置換された水酸基を少なくともひとつ有する化合物、及び
    (B1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂又は(B2)下記一般式(II)で表される繰り返し単位及び一般式(III)で表される繰り返し単位を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2004085900
    一般式(I)において、Rはアルキル基を表す。mは0〜4の整数を表す。nは0〜4の整数を表す。mが2〜4であるとき、複数のRは、同じでも異なっていてもよい。
    Figure 2004085900
    一般式(II)において、R1aは水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表し、R2aは置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。尚、R1aとR2aとが互いに結合して環を形成してもよい。
    一般式(III)において、Zは、−O−又は−N(R3a)−を表す。ここでR3aは、水素原子、水酸基、アルキル基、ハロアルキル基又は−OSO−R4aを表す。またR4aは、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。
JP2002246979A 2002-08-27 2002-08-27 ポジ型レジスト組成物 Pending JP2004085900A (ja)

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