明 細 書
高分子化合物、ポジ型レジスト組成物、およびレジストパターン形成方法 技術分野
[0001] 本発明は、高分子化合物、ポジ型レジスト組成物、およびレジストパターン形成方 法に関する。
本願 ίま、 2004年 10月 06曰【こ曰本国特許庁【こ出願された特願 2004— 293959 号に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] 近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩 により急速にパターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としては、一般に、露光 光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、 g線、 i線に代表される紫外 線が用いられていたが、現在では、 KrFエキシマレーザーや、 ArFエキシマレーザ 一を用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより 短波長の Fエキシマレーザー、電子線、極紫外線や X線などについても検討が行わ
2
れている。
また、微細な寸法のパターンを再現可能な高解像性の条件を満たすレジスト材料 の 1つとして、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化するベース樹脂と、露光により酸 を発生する酸発生剤を含有する化学増幅型レジスト組成物が知られて!/、る。化学増 幅型レジスト組成物には、アルカリ可溶性榭脂と酸発生剤と架橋剤とを含有するネガ 型と、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する榭脂と酸発生剤と含有するポジ型と がある。カゝかるレジスト材料は、通常、有機溶剤に溶解させて用いられている。
[0003] 現在、 ArFエキシマレーザーリソグラフィ一等において使用されるレジストのベース 榭脂としては、 193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステ ルカも誘導される構成単位を主鎖に有する榭脂 (アクリル系榭脂)が主に用いられて いる。アクリル系榭脂は、一般に、エッチング耐性の改良のため、(メタ)アクリル酸ェ ステルのエステル部の置換基として、ァダマンチル基等の多環の脂環式基を用いて いる (たとえば特許文献 1参照)。
特許文献 1 :特許第 2881969号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] し力し、このようなレジスト材料を用いてパターンを形成した場合、レジストパターン 側壁表面に荒れ (ラフネス)、すなわちラインエッジラフネス (LER)が生じる問題があ る。 LERは、ホールパターンにおけるホール周囲の歪みや、ラインアンドスペースパ ターンにおけるライン幅のばらつき等の原因となるため、微細な半導体素子の形成等 に悪影響を与えるおそれがある。そのため、近年、レジストパターンの微細化がます ます進み、高解像性の要望がさらに高まるなか、 LERの改善が深刻な問題となって きている。
[0005] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、 LERの低減されたパターンを 形成できるポジ型レジスト組成物を構成できる高分子化合物、該高分子化合物を含 有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパター ン形成方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006] 上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸解離性溶解抑制基を有する( OC—低級アル キル)アクリル酸エステルカゝら誘導される構成単位 (al)を有し、かつ該構成単位 (al )が、下記一般式 (al— 0)で表される構成単位 (al— 0)を含む高分子化合物である
[0007] [化 1]
[式中、 Rは水素原子または低級アルキル基であり、 R1および R2はそれぞれ独立し て低級アルキル基であり、 R3〜R6はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル 基であり、 sは 0または 1〜3の整数であり、 tは 1〜3の整数であり、 Xは脂肪族環式基 であり、低級アルキル基および極性基力 なる群力 選択される少なくとも 1種の置換 基を有していてもよぐ Yは極性基である。 ]
[0008] 本発明の第二の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する榭脂成分 (A) と、露光により酸を発生する酸発生剤成分 (B)とを含有するポジ型レジスト組成物で あって、
前記榭脂成分 (A)が、酸解離性溶解抑制基を有する(ひ—低級アルキル)アクリル 酸エステル力も誘導される構成単位 (al)を有し、かつ該構成単位 (al)力 下記一 般式 (al— 0)で表される構成単位 (al -O)を含む高分子化合物 (A1)を含有するポ ジ型レジスト組成物である。
[式中、 Rは水素原子または低級アルキル基であり、 R1および R2はそれぞれ独立し て低級アルキル基であり、 R3〜R6はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル 基であり、 sは 0または 1〜3の整数であり、 tは 1〜3の整数であり、 Xは脂肪族環式基 であり、低級アルキル基および極性基力 なる群力 選択される少なくとも 1種の置換 基を有していてもよぐ Yは極性基である。 ]
本発明の第三の態様は、第二の態様に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板 上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト 膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法であ る。
[0010] なお、本発明にお 、て、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位 (単量体 単位)を意味する。
また、「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
発明の効果
[0011] 本発明により、ラインエッジラフネス (LER)の低減されたパターンを形成できるポジ 型レジスト組成物を構成できる高分子化合物、該高分子化合物を含有するポジ型レ ジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法が 提供できる。
発明を実施するための最良の形態
[0012] 以下、本発明をより詳細に説明する。
《高分子化合物〉〉
本発明の高分子化合物(以下、高分子化合物 (A1)ということがある)は、酸解離性 溶解抑制基を有する( OC 低級アルキル)アクリル酸エステルカゝら誘導される構成単 位 (al)を有する。
本発明にお ヽて、「( α 低級アルキル)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステ ルと、メタクリル酸エステル等の a 低級アルキルアクリル酸エステルの一方あるいは 両方を意味する。
また、「( α—低級アルキル)アクリル酸エステル」の α—位の置換基としての低級ァ ルキル基は、炭素原子数 1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、ェチル 基、プロピル基、イソプロピル基、 η ブチル基、イソブチル基、 tert ブチル基、ぺ ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のァ ルキル基が挙げられる。
「( a—低級アルキル)アクリル酸エステル力 誘導される構成単位」とは、( a—低 級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単 位を意味する。
[0013] 構成単位 (al)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は高分子化合物 (A1)全 体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの高分子 化合物 (A1)全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅 型レジスト用のベース榭脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用 することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と、環状または鎖 状の第 3級アルキルエステルを形成する基、または鎖状または環状アルコキシアルキ ル基を形成する基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、 アクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルの一方ある 、は両方を意味する。
[0014] 本発明においては、構成単位 (al)が、上記一般式 (al— 0)で表される構成単位( a 1— 0)を含むことを特徴とする。力かる構成単位 (al— 0)においては、露光により( B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により、 R1および R2が結合した炭素原子と 、該炭素原子が結合した酸素原子との間の結合が切断される。その結果、 Xを含む
基が解離し、高分子化合物 (A1)全体がアルカリ可溶性へ変化する。
式 (al— 0)中、 Rは水素原子または低級アルキル基であり、好ましくは水素原子ま たはメチル基である。
R1および R2はそれぞれ独立して低級アルキル基であり、好ましくは炭素数 1〜5の 直鎖状または分岐状のアルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
R3〜R6はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり、好ましくは炭 素数 1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、最も好ましくはメチル基である sは 0または 1〜3の整数であり、好ましくは 0である。
tは 1〜3の整数であり、好ましくは 1である。
Xは 2価の脂肪族環式基であり、低級アルキル基および極性基からなる群から選択 される少なくとも 1種の置換基を有していてもよい。 Xの置換基における低級アルキル 基としては、炭素数 1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。また、 極性基としては、水酸基、アミノ基、シァノ基等が挙げられる。 Xが置換基を有する場 合、置換基の数は、 1〜3が好ましぐ 1がより好ましい。
ここで、本発明における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳 香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。また、「脂肪族環式基」 は、芳香族性を持たない環式基を意味する。また、「n価の脂肪族環式基」は、芳香 族性を持たな 、環、すなわち脂肪族環 (置換基を有して 、てもよ 、)の環骨格を構成 する炭素原子に結合した水素原子を n個除いた基を意味する。また、「置換基を有す る」とは、脂肪族環式基の環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置 換されて 、ることを意味する。
脂肪族環は、単環であっても多環であってもよぐ特に、本発明の効果に優れること から、多環であることが好ましい。また、脂肪族環は、炭素および水素力もなる環 (炭 化水素環)であることに限定はされないが、炭化水素環であることが好ましい。また、 脂肪族環は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、飽和であることが好ましい。脂 肪族環としては、炭素数が 3〜20であることが好ましぐ 4〜15であることがより好まし い。脂肪族環の具体例としては、例えば、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、ト
リシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンが例示できる。より具体 的には、シクロペンタン、シクロへキサン、ァダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、 トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
本発明においては、特に、 X力 ァダマンタンから 2個の水素原子を除いた基である ことが好ましい。
[0016] Yは極性基である。該極性基としては、上記 Xにおける置換基の極性基ととして例 示したものと同様のものが挙げられ、特に水酸基が好ましい。
[0017] 構成単位 (al— O)の好ましい一例としては、下記式 (al— 01)で表される構成単位 が挙げられる。
[0018] [化 3]
[0019] 式 (al— 01)中、 Rは、上記と同様、水素原子または低級アルキル基である。
また、 R7〜R1Gはそれぞれ独立して低級アルキル基であり、 R7および R8の低級アル キル基としては、上記 R1および R2の低級アルキル基と同様のものが挙げられ、 お よび R1Gの低級アルキル基としては、上記 R5および R6の低級アルキル基と同様のもの が挙げられる。
[0020] 構成単位 (al)中、構成単位 (al— O)の割合は、 50モル%以上が好ましぐ 70モ ル%以上がより好ましぐ 95モル%以上がさらに好ましぐ 100%が最も好ましい。
[0021] なお、構成単位 (a 1— 0)を誘導するモノマーは、水酸基を 2つ有する多環式アルコ ール、例えば 1, 3—ァダマンタンジイソプロパノール等に、塩基存在下、塩化メタタリ
ロイノレを反応させること〖こより合成することができる。
[0022] 構成単位 (al)は、構成単位 (al—O)以外に、構成単位 (al)に含まれ、かつ構成 単位 (al— 0)に含まれない構成単位を含んでいてもよい。力かる構成単位としては、 たとえば、下記一般式 (al— 1)〜(al— 4)で表される構成単位が挙げられる。
[0023] [化 4]
( a 1 - 1 ) ( a 1 — 2 ) ( a 1 3 ) ( a 1 - 4 )
[上記式中、 Xは、第 3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、 Yは炭素 数 1〜 5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し; nは 0または 1〜 3の整数を 表し; mは 0または 1を表し; R、
R
2はそれぞれ独立して水素原子または炭素数 1 〜5の低級アルキル基を表す。 ]
[0024] Xは、第 3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基;すなわち、カルボキシ基と 第 3級アルキルエステルを形成する基である。例えば脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解 抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
Xにおいて、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、具体的には tert—ブ チル基、 tert—ァミル基等が挙げられる。
Xにおいて、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えばシクロ アルキル基の環骨格上に第 3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的に
は 2—メチル ァダマンチル基や、 2—ェチルァダマンチル基等の 2—アルキルァダ マンチル基が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位の様に、ァダマン チル基の様な脂肪族環式基と、これに結合する、第 3級炭素原子を有する分岐鎖状 アルキレン基とを有する基が挙げられる。
[0025] [化 5]
[式中、 Rは上記と同じであり、 R15、 Rlbはアルキル基 (直鎖、分岐鎖状のいずれでも よぐ好ましくは炭素数 1〜5である)を示す。 ]
[0026] 以下に、上記一般式 (al— l)〜(al— 4)で表される構成単位の具体例を示す。
[0027] [化 6]
(a1-1-17 (a1-1-18)
39) (a 1-1 -40)
[0033] [化 12]
〔〕^0034
) (a32 () ()a324al323l) (322 -- 1- -i i" ) (20al—
^
(a1-4-17) (al-4-18)
21) (a1-4-22) (a1-4-23) (a1— 4-24)
(a1-4-25) (a1-4-26) (a1 -4-27) (a1— 4 - 28)
[0037] これらの構成単位は、上記構成単位 (al—0)ととも〖こ、 1種を単独で、または 2種以 上を組み合わせて用いてもよい。その中でも、一般式 (al— 1)で表される構成単位 が好ましぐ具体的には (al— 1 1)〜(1 1 6)で表される構成単位が最も好まし い。
[0038] 高分子化合物 (A1)中、構成単位 (al)の割合は、高分子化合物 (A1)を構成する 全構成単位に対し、 20〜80モル0 /0力 S好ましく、 30〜70モル0 /0がより好ましぐ 35〜 60モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際
にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランス をとることができる。
[0039] 高分子化合物 (A1)は、前記構成単位 (al)の他に、ラタトン含有単環または多環 式基を有する( ex 低級アルキル)アクリル酸エステルカゝら誘導される構成単位 (a2) を有することが好ましい。
構成単位 (a2)のラタトン含有単環または多環式基は、高分子化合物 (A1)をレジス ト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親 水性を高めたりするうえで有効なものである。
ここで、ラタトン含有単環または多環式基とは、 O C (O) 構造を含むひとつの 環 (ラタトン環)を含有する環式基を示す。ラタトン環をひとつの目の環として数え、ラ タトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関 わらず多環式基と称する。
[0040] ラタトン含有単環または多環式基としては、このようなラタトン環を有していれば、特 に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラタトン含有単環式基としては、 7 プチ口ラタトン力 水素原子 1つ を除いた基が挙げられる。また、ラタトン含有多環式基としては、ラタトン環を有するビ シクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン力も水素原子一つを除いた 基が挙げられる。特に、以下のような構造式を有するラタトン含有トリシクロアルカンか ら水素原子を 1つを除いた基が、工業上入手し易いなどの点で有利である。
[0041] [化 16]
[0042] 構成単位 (a2)の例として、より具体的には、下記一般式 (a2—l)〜(a2— 5)で表 される構成単位が挙げられる。
[0043] [化 17]
(a2-5)
(32-4)
[式中、 Rは水素原子または低級アルキル基であり、 R'は水素原子、低級アルキル 基、または炭素数 1〜5のアルコキシ基であり、 mは 0または 1の整数である。 ]
[0044] 一般式 (a2— 1)〜(a2— 5)における Rおよび R'の低級アルキル基としては、前記 構成単位 (al)における Rの低級アルキル基と同じである。
[0045] 前記一般式 (a2— 1)〜(a2— 5)の具体的な構成単位を例示する。
[0046] [化 18]
89islo/soofcvlod
〔〕 ::謹
(a2-3-10)
[0051] 一般式 (a2— l)〜(a2— 5)中、 R'は、工業上入手が容易であること等を考慮する と、水素原子が好ましい。
これらの中でも、一般式 (a2— l)〜(a2— 5)力 選択される少なくとも 1種以上を用 V、ることが好ましく、一般式 (a2— 1)〜(a2— 3)から選択される少なくとも 1種以上を 用いることが好ましい。具体的には、化学式 (a2— 1— 1)、(a2—l— 2)、(a2— 2—l )、 (a2— 2— 2)、 (a2— 3— l)、 (a2— 3— 2)、 (a2— 3— 9)及び(a2— 3— 10)力も 選択される少なくとも 1種以上を用いることが好ましい。最も好ましいものは、化学式( a2— 1— 1)または(a2— 1— 2)である。
[0052] 高分子化合物 (A1)において、構成単位 (a2)としては、 1種を単独で用いてもよぐ 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。
高分子化合物 (A1)中の構成単位 (a2)の割合は、高分子化合物 (A1)を構成する 全構成単位の合計に対して、 20〜80モル%が好ましぐ 30〜70モル%がより好まし ぐ 35〜60モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位 (a2)を含 有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位と
のバランスをとることができる。
[0053] 高分子化合物 (A1)は、前記構成単位 (al)に加えて、または前記構成単位 (al) および (a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含有する( a 低級 アルキル)アクリル酸エステルカゝら誘導される構成単位を有することが好まし!/ヽ。構成 単位 (a3)を有することにより、高分子化合物 (A1)の親水性が高まり、現像液との親 和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。 極性基としては、水酸基、シァノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部 力 Sフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好まし い。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数 1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基( 好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基 (多環式基)が挙げられる。 該多環式基としては、例えば ArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の榭脂にお V、て、多数提案されて!、るものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シァノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一 部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含 み、かつ 低級アルキル)アクリル酸エステル力も誘導される構成単位がより好ま しい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアル力 ンなどから 1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、ァダマン タン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシ クロアルカンから 1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式 基は、 ArFエキシマレーザー用レジスト組成物用のポリマー(榭脂成分)において、 多数提案されて 、るものの中から適宜選択して用いることができる。これらの多環式 基の中でも、ァダマンタンから 2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから 2個 以上の水素原子を除 、た基、テトラシクロドデカンから 2個以上の水素原子を除 、た 基が工業上好ましい。
[0054] 構成単位 (a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭 素数 1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、 低級アルキル)ァク リル酸のヒドロキシェチルエステル力 誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素
基が多環式基のときは、下記式 (a3— 1)で表される構成単位、(a3— 2)で表される 構成単位、(a3— 3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
[0055] [化 23]
(a3-3)
(式中、 Rは前記に同じであり、 jは 1 3の整数であり、 kは 1 3の整数であり、 tは 1 3の整数であり、 1は 1 5の整数であり、 sは 1 3の整数である。 )
[0056] 式 (a3— 1)中、 jは 1であることが好ましぐ特に水酸基がァダマンチル基の 3位に結 合しているものが好ましい。
[0057] 式 (a3— 2)中、 kは 1であることが好ましい。これらは異性体の混合物として存在す る(シァノ基がノルボル-ル基の 5位または 6位に結合して 、る化合物の混合物)。
[0058] 式(a3— 3)中、 tは 1であることが好ましい。 1は 1であることが好ましい。 sは 1であるこ とが好ま ヽ。これらは異性体の混合物として存在する(( a—低級アルキル)アクリル 酸のカルボキシ基の末端に 2—ノルボル-ル基または 3—ノルボル-ル基が結合して V、る化合物の混合物)。フッ素化アルキルアルコールはノルボル-ル基の 5または 6 位に結合して 、ることが好ま 、。
[0059] 構成単位 (a3)は高分子化合物 (A1)の必須成分ではな 、が、これを高分子化合 物 (A1)に含有させる際には、高分子化合物 (A1)を構成する全構成単位の合計に 対して、 5 50モル 好ましくは 10 40モル%含まれていると好ましい。
[0060] 高分子化合物 (A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位 (al)〜(a3 )以外の他の構成単位 (a4)を含んで 、てもよ 、。
構成単位 (a4)は、上述の構成単位 (al)〜(a3)に分類されな!、他の構成単位で あれば特に限定するものではなぐ ArFエキシマレーザー用、 KrFポジエキシマレー ザ一用(好ましくは ArFエキシマレーザー用)等のレジスト用榭脂に用いられるものと して従来力も知られている多数のものが使用可能である。
構成単位 (a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含み、かつ — 低級アルキル)アクリル酸エステルカゝら誘導される構成単位などが好ましヽ。該多環 式基は、例えば、前記の構成単位 (al)の場合に例示したものと同様のものを例示す ることができ、 ArFエキシマレーザー用、 KrFポジエキシマレーザー用(好ましくは Ar Fエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の榭脂成分に用いられるものとして従来 力も知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、ァダマンチル基、テトラシクロドデ力-ル基、イソボル- ル基、ノルボル二ル基カも選ばれる少なくとも 1種以上であると、工業上入手し易いな どの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数 1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル 基で置換されていてもよい。
構成単位 (a4)として、具体的には、下記一般式 (a4— l)〜(a4— 5)の構造のもの を f列示することができる。
[化 24]
(式中、 Rは前記と同じである。 )
[0062] 力かる構成単位 (a4)は、高分子化合物 (A1)の必須成分ではないが、これを高分 子化合物 (A1)に含有させる際には、高分子化合物 (A1)を構成する全構成単位の 合計に対して、構成単位 (a4)を 1〜30モル%、好ましくは 10〜20モル%含有させる と好ましい。
[0063] 高分子化合物 (A1)は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばァゾビスイソブ チ口-トリル (AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等に よって重合させること〖こよって得ることができる。
また、高分子化合物 (A1)には、上記重合の際に、たとえば、 HS -CH -CH
2 2
CH— C (CF ) —OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に一 C (
2 3 2
CF ) OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素
3 2
原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減 や LER (ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
[0064] 高分子化合物(A1)の質量平均分子量(Mw) (ゲルパーミネーシヨンクロマトグラフ
ィ一によるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、本発明の効果 の, 力ら、 3000〜50000力 S好まし <、 5000〜20000力 Sより好まし <、 700〜 15000 が最も好ましい。また分散度(MwZMn)は 1. 0〜5. 0力 S好ましく、 1. 0〜3. 0がより 好ましい。
[0065] 本発明の高分子化合物 (A1)は、ポジ型レジスト組成物における榭脂成分として有 用である。
[0066] 《ポジ型レジスト糸且成物》
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する榭脂 成分 (A) (以下、(A)成分という)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分 (B) (以 下、(B)成分という)とを含むものである。
[0067] < (A)成分 >
本態様のポジ型レジスト組成物は、(A)成分として、上述した本発明の高分子化合 物 (A1)を含有することを特徴とする。
高分子化合物 (A1)は、 1種単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。
(A)成分中、高分子化合物 (A1)の割合は、本発明の効果のためには、好ましくは 50質量%以上、より好ましくは 80〜: LOO質量%であり、最も好ましくは 100質量%で ある。
[0068] 本発明にお 、ては、(A)成分として、高分子化合物 (A1)に加えて、一般に化学増 幅型ポジ型レジスト用榭脂として用いられて!/ヽる榭脂を含有してもよ ヽ。そのような榭 脂としては、例えば、上述した高分子化合物 (A1)において、構成単位 (al— 0)を含 まず、かつ構成単位 (al— 0)以外の構成単位 (al)を有し、任意に上記構成単位 (a 2)〜 (a4)から選択される少なくとも 1種を有する高分子化合物(以下、高分子化合物 (A2)という)が挙げられる。
[0069] 高分子化合物 (A2)として、より具体的には、前記構成単位 (al) (ただし構成単位 ( al -O)を除く)と、構成単位 (a2)及び Z又は構成単位 (a3)とを有する高分子化合 物(以下、高分子化合物 (A2— 1) ヽぅ)が挙げられる。
高分子化合物 (A2—1)中、構成単位 (al)の割合は、高分子化合物 (A2—1)の 全構成単位の合計に対して、 5〜80モル%が好ましぐ 10〜70モル%がより好まし
い。また、構成単位 (a2)の割合は、高分子化合物 (A2—1)の全構成単位の合計に 対して、 5〜50モル0 /0が好ましぐ 10〜40モル0 /0がより好ましい。また、構成単位(a 3)の割合は、高分子化合物 (A2—1)の全構成単位の合計に対して、 5〜80モル% が好ましぐ 10〜60モル%がより好ましい。
高分子化合物 (A2— 1)は、さらに前記構成単位 (a4)を有して 、てもよ 、。 高分子化合物(A2— 1)の質量平均分子量は 5000〜30000力好ましく、 6000〜 20000力より好まし!/ヽ。また分散度(Mw/Mn) iま 1. 0〜5. 0力 ^好ましく、 1. 0〜3. 0がより好ましい。
[0070] 高分子化合物 (A2)は、 1種または 2種以上の榭脂から構成することができ、例えば 上述の様な (メタ)アクリルエステル力 誘導される単位を有する榭脂を 1種または 2種 以上用いてもょ 、し、さらに他の種類の榭脂を混合して用いることもできる。
[0071] ポジ型レジスト組成物中の (A)成分の割合は、目的とするレジスト膜厚によって適 宜調製することができる。
[0072] < (B)成分 >
(B)成分としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型ポジ型レジスト用の酸発 生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、 これまで、ョードニゥム塩やスルホ -ゥム塩などのォ-ゥム塩系酸発生剤、ォキシムス ルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスァリールスルホ-ルジァゾメタン類、 ポリ(ビススルホ -ル)ジァゾメタン類などのジァゾメタン系酸発生剤、ニトロべンジルス ルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など 多種のものが知られて 、る。
[0073] ォ-ゥム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフエ-ルョードニゥムのトリフルォロメタ ンスルホネートまたはノナフルォロブタンスルホネート、ビス(4—tert ブチルフエ- ル)ョードニゥムのトリフルォロメタンスルホネートまたはノナフルォロブタンスルホネー ト、トリフエ-ルスルホ-ゥムのトリフルォロメタンスルホネート、そのヘプタフルォロプ 口パンスルホネートまたはそのノナフルォロブタンスルホネート、トリ(4 メチルフエ- ル)スノレホニゥムのトリフノレオロメタンスノレホネート、そのヘプタフノレォロプロパンスノレ ホネートまたはそのノナフルォロブタンスルホネート、ジメチル(4ーヒドロキシナフチ
ル)スノレホニゥムのトリフノレオロメタンスノレホネート、そのヘプタフノレォロプロパンスノレ ホネートまたはそのノナフルォロブタンスルホネート、モノフエ-ルジメチルスルホ -ゥ ムのトリフルォロメタンスルホネート、そのヘプタフルォロプロパンスルホネートまたは そのノナフルォロブタンスルホネート、ジフエ-ルモノメチルスルホ-ゥムのトリフルォ ロメタンスルホネート、そのヘプタフルォロプロパンスルホネートまたはそのノナフルォ ロブタンスルホネート、(4 メチルフエ-ル)ジフエ-ルスルホ-ゥムのトリフルォロメタ ンスルホネート、そのヘプタフルォロプロパンスルホネートまたはそのノナフルォロブ タンスルホネート、(4—メトキシフエ-ル)ジフエ-ルスルホ-ゥムのトリフルォロメタン スルホネート、そのヘプタフルォロプロパンスルホネートまたはそのノナフルォロブタ ンスルホネート、トリ(4— tert—ブチル)フエ-ルスルホ-ゥムのトリフルォロメタンスル ホネート、そのヘプタフルォロプロパンスルホネートまたはそのノナフルォロブタンス ルホネートなどのフッ素化アルキルスルホン酸イオンをァ-オン部に有するォ -ゥム 塩が挙げられる。
ォキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、 α - (P -トルエンスルホ -ルォ キシィミノ) -ベンジルシア-ド、 a - (p -クロ口ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -ベンジ ルシア-ド、 a - (4-二トロベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -ベンジルシア-ド、 a - (4 -ニトロ- 2-トリフルォロメチルベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -ベンジルシア-ド、 a - (ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -4-クロ口べンジルシア-ド、 a - (ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) - 2, 4-ジクロロべンジルシア-ド、 a - (ベンゼンスルホ -ルォキシィ ミノ)- 2, 6 -ジクロロべンジルシア-ド、 a - (ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ)- 4 -メト キシベンジルシア-ド、 a - (2-クロ口ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -4-メトキシべ ンジルシア-ド、 a - (ベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -チェン- 2-ィルァセトニトリル 、 a - (4-ドデシルベンゼンスルホ -ルォキシィミノ) -ベンジルシア-ド、 a - [ (p-トル エンスルホ -ルォキシィミノ) -4-メトキシフエ-ル]ァセトニトリル、 at - [ (ドデシルペン ゼンスルホ -ルォキシィミノ) -4-メトキシフエ-ル]ァセトニトリル、 at - (トシルォキシィ ミノ) -4-チェ-ルシア-ド、 a - (メチルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロペンテ-ル ァセトニトリル、 (X - (メチルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロへキセ-ルァセトニトリル 、 a - (メチルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロヘプテュルァセトニトリル、 a - (メチル
スルホ -ルォキシィミノ)- 1 -シクロオタテュルァセトニトリル、 ひ -(トリフルォロメチルス ルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロペンテ-ルァセトニトリル、 α - (トリフルォロメチルス ルホ -ルォキシィミノ) -シクロへキシルァセトニトリル、 α - (ェチルスルホ -ルォキシィ ミノ) -ェチルァセトニトリル、 α - (プロピルスルホ -ルォキシィミノ) -プロピルァセトニト リル、 α - (シクロへキシルスルホニルォキシィミノ) -シクロペンチルァセトニトリル、 α - (シクロへキシルスルホ -ルォキシィミノ) -シクロへキシルァセトニトリル、 ひ - (シクロへ キシルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロペンテ-ルァセトニトリル、 α - (ェチルスル ホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロペンテ-ルァセトニトリル、 ひ - (イソプロピルスルホ-ル ォキシィミノ) - 1 -シクロペンテ-ルァセトニトリル、 (X - (η-ブチルスルホ -ルォキシイミ ノ) - 1 -シクロペンテ-ルァセトニトリル、 at - (ェチルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロ へキセ-ルァセトニトリル、 OC - (イソプロピルスルホ -ルォキシィミノ)- 1 -シクロへキセ -ルァセト-トリル、 α - (η-ブチルスルホ -ルォキシィミノ) - 1 -シクロへキセ-ルァセ トニトリル、 α—(メチルスルホ -ルォキシィミノ) フエ-ルァセトニトリル、 α (メチ ルスルホニルォキシィミノ)—ρ—メトキシフエ二ルァセトニトリル、 α (トリフルォロメ チルスルホ -ルォキシィミノ) フエ-ルァセトニトリル、 α (トリフルォロメチルスル ホ -ルォキシィミノ) ρーメトキシフエ-ルァセトニトリル、 ひ (ェチルスルホ -ルォ キシィミノ)—ρ—メトキシフエ-ルァセトニトリル、 (X - (プロピルスルホ-ルォキシイミ ノ) ρ メチルフエ-ルァセトニトリル、 α (メチルスルホ -ルォキシィミノ)—ρ ブ ロモフエ-ルァセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、 α (メチルスルホ -ル ォキシィミノ)一 Ρ—メトキシフエ-ルァセトニトリルが好ましい。
また、下記化学式で表されるォキシムスルホネート系酸発生剤も用いることができる [化 25]
CH3- C=N-0S02-(CH2)3CH3
CH3- C=N-0S02- (CH2)3CH3
[0078] ジァゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスァリールスルホ -ルジァゾメ タン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホ -ル)ジァゾメタン、ビス(p トルェ ンスルホ -ル)ジァゾメタン、ビス( 1 , 1—ジメチルェチルスルホ -ル)ジァゾメタン、ビ ス(シクロへキシルスルホ -ル)ジァゾメタン、ビス(2, 4 ジメチルフエ-ルスルホ-ル )ジァゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジァゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ 1, 3 ビス(フエ-ルスルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)プロパン(ィ匕合物 A、分解 点 135°C)、 1 , 4 ビス(フエ-ルスルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)ブタン(化合物 B、分解点 147°C)、 1, 6 ビス(フエ-ルスルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)へキサ ン(化合物 C、融点 132°C、分解点 145°C)、 1, 10 ビス(フエ-ルスルホ-ルジァゾ メチルスルホ -ル)デカン(ィ匕合物 D、分解点 147°C)、 1 , 2 ビス(シクロへキシルス ルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)ェタン(ィ匕合物 E、分解点 149°C)、 1, 3 ビス(シ クロへキシルスルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)プロパン(ィ匕合物 F、分解点 153°C )、 1, 6 ビス(シクロへキシルスルホ-ルジァゾメチルスルホ -ル)へキサン(ィ匕合物 G、融点 109°C、分解点 122°C)、 1, 10 ビス(シクロへキシルスルホ-ルジァゾメチ ルスルホニル)デカン (ィ匕合物 H、分解点 116°C)などを挙げることができる。
[0079] [化 27]
本発明にお 、ては、中でも (B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをァ ユオンとするォェゥム塩を用いることが好ましレ、。
(B)成分としては、 1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、 2種以上を組み合わ せて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分 100質量部に対し、 0. 5〜30質量部、好ましくは 1 〜 10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、
均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ま 、。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記 (A)成分および (B)成分、および後述する 各種任意成分を、有機溶剤 (以下、(C)成分ということがある)に溶解させて製造する ことができる。
(C)成分としては、有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とする ことができるものであればよぐ従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの 中から任意のものを 1種または 2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、 γ —ブチロラタトン等のラタトン類や、アセトン、メチルェチルケトン、シクロ へキサノン、メチルイソアミルケトン、 2—へプタノンなどのケトン類、エチレングリコー ル、エチレングリコーノレモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコーノレ モノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピ レングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、 モノェチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフエニル エーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジォキサンのような環式ェ 一テル類や、乳酸メチル、乳酸ェチル(EL)、酢酸メチル、酢酸ェチル、酢酸ブチル 、ピルビン酸メチル、ピルビン酸ェチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ オン酸ェチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよぐ 2種以上の混合溶剤として用いてもよい。 また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤と を混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、 PGMEAと極性溶剤との 相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは 1 : 9〜9 : 9 : 1、より好ましく は 2: 8〜8: 2の範囲内とすることが好まし!/、。
より具体的には、極性溶剤として ELを配合する場合は、 PGMEA:ELの質量比が 好ましくは 1: 9〜9: 1、より好ましくは 2: 8〜8: 2であると好まし!/、。
また、有機溶剤として、その他には、 PGMEA及び ELの中カゝら選ばれる少なくとも 1種と γ—プチ口ラタトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前 者と後者の質量比が好ましくは 70: 30-95 : 5とされる。
(C)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に
応じて適宜設定されるものである力 一般的にはレジスト組成物の固形分濃度 2 2 0質量%、好ましくは 5 15質量%の範囲内となる様に用いられる。
[0082] 本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性 などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物 (D) (以下、 ( D)成分と ヽぅ)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意 に用いれば良ぐ例えば、 n キシルァミン、 n プチルァミン、 n—ォクチルアミ ン、 n—ノ-ルァミン、 n—デシルァミン等のモノアルキルァミン;ジェチルァミン、ジ— n—プロピルァミン、ジ—n プチルァミン、ジ—n—ォクチルァミン、ジシクロへキシ ルァミン等のジアルキルァミン;トリメチルァミン、トリエチルァミン、トリ—n—プロピル ァミン、トリー n—ブチルァミン、トリー n キシルァミン、トリー n—ペンチルァミン、ト リー n プチルァミン、トリー n—ォクチルァミン、トリー n—ノニルァミン、トリー n—デ 力-ルァミン、トリ—n—ドデシルァミン等のトリアルキルァミン;ジエタノールァミン、トリ エタノールァミン、ジイソプロパノールァミン、トリイソプロパノールァミン、ジ一 n—オタ タノールァミン、トリー n—ォクタノールァミン等のアルキルアルコールァミンが挙げら れる。これらの中でも、第 2級脂肪族アミンゃ第 3級脂肪族ァミンが好ましぐ特にトリ エタノールアミンゃトリイソプロパノールァミンのような 3級アルキルアルコールァミンが 最も好ましい。
これらは単独で用いてもょ 、し、 2種以上を組み合わせて用いてもょ 、。 (D)成分は、(A)成分 100質量部に対して、通常 0. 01 5. 0質量部の範囲で用 いられる。
[0083] また、本発明のポジ型レジスト組成物には、前記 (D)成分の配合による感度劣化の 防止、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の 成分として、有機カルボン酸又はリンのォキソ酸若しくはその誘導体 (E) (以下、(E) 成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と (E)成分は併用することもで きるし、いずれ力 1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クェン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香 酸、サリチル酸などが好適である。
リンのォキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジー n—ブチルエステル 、リン酸ジフエ-ルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホス ホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸ージー n—ブチルエステル、フエ- ルホスホン酸、ホスホン酸ジフエ-ルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどの ホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フエ-ルホスフィン 酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中 で特にホスホン酸が好まし 、。
(E)成分は、(A)成分 100質量部当り 0. 01〜5. 0質量部の割合で用いられる。
[0084] 本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例え ばレジスト膜の性能を改良するための付加的榭脂、塗布性を向上させるための界面 活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適 宜、添加含有させることができる。
[0085] 《レジストパターン形成方法》
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。 すなわち、まずシリコンゥエーハのような基板上に、上記本発明のポジ型レジスト糸且 成物をスピンナーなどで塗布し、 80〜150°Cの温度条件下、プレベータを 40〜 120 秒間、好ましくは 60〜90秒間施し、これに例えば ArF露光装置などにより、 ArFェキ シマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、 80〜 150°C の温度条件下、 PEB (露光後加熱)を 40〜120秒間、好ましくは 60〜90秒間施す。 次いでこれをアルカリ現像液、例えば 0. 1〜10質量0 /0テトラメチルアンモ-ゥムヒドロ キシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジス トパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止 膜を設けることちできる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、 ArFエキシマレーザー、 KrFエキシマレー ザ一、 Fエキシマレーザー、 EUV (極紫外線)、 VUV (真空紫外線)、 EB (電子線)、
2
X線、軟 X線などの放射線を用いて行うことができる。本発明にカゝかるホトレジスト組 成物は、特に ArFエキシマレーザーに対して有効である。
[0086] 上記本発明の高分子化合物を含有するポジ型レジスト組成物を用いて得られるレ ジストパターンは、 LERが低減されたものである。
本発明により LERが低減されたパターンが形成できる理由としては、定かではな ヽ 力 以下の理由が推測される。すなわち、レジスト組成物には、一般的に、エッチング 耐性が必要とされるが、通常、アクリル系榭脂は、エッチング耐性が低い。そのため、 エッチング耐性の向上のため、(メタ)アクリル酸エステルのエステル部の置換基、たと えば酸解離性溶解抑制基に、ァダマンチル基等の脂肪族環式基を用いることが主 流となっている。しかし、脂肪族環式基は、その嵩高い骨格から、現像液に対する親 和性が低ぐまた、露光部において、酸解離性溶解抑制基が解離した後にレジスト膜 中で溶解阻害作用を発揮し、これらが LERを悪化させていたと推測される。これに対 し、本発明では、酸解離性溶解抑制基として、末端に極性基 Yを含む特定構造の基 を有する構成単位 (al -O)有する高分子化合物を用いるため、現像液に対する親 和性が高まり、また、露光部において、酸解離性溶解抑制基が解離した後の溶解阻 害作用も低減されて ヽることにより、 LERが低減されると推測される。
また、本発明においては、 LERが低減されることにより、高解像性のレジストパター ンが形成できる。
さらに、本発明においては、脂肪族環式基 Xを有することから、エッチング耐性も良 好であると期待される。
実施例
[0087] 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され るものではない。
下記合成例で用いたモノマー成分(下記式(1)〜(3)で表される化合物(1)〜(3) )それぞれの構造を以下に示す。
[0088] [化 28]
[0089] [榭脂合成例 1]
5. Ogの化合物(1)と 2. 2gの化合物(2)とを 70mLのテトラヒドロフランに溶解し、ァ ゾビスイソブチ口-トリル 0. 24gをカ卩えた。 6時間還流した後、反応溶液を 1Lの n—へ ブタンに滴下した。析出した榭脂を濾別、減圧乾燥を行い白色な粉体榭脂を得た。 この榭脂を榭脂 1とし、その構造式を下記に示す。榭脂 1の分子量 (Mw)は 13000 であった。分散度(MwZMn)は 2. 89であった。また、カーボン 13核磁気共鳴スぺ タトル(13C— NMR)を測定した結果、組成比は m:n=0. 50 : 0. 50であった。
[0090] [化 29]
[比較樹脂合成例 1]
9. 9gの化合物(3)と 6. Ogの化合物(2)とを 160mLのテトラヒドロフランに溶解し、 ァゾビスイソブチ口-トリル 0. 63gをカ卩えた。 6時間還流した後、反応溶液を 2Lの n ヘプタンに滴下した。析出した榭脂を濾別、減圧乾燥を行い白色な粉体榭脂を得た
。この榭脂を比較榭脂 1とし、その構造式を下記に示す。比較榭脂 1の分子量 (Mw) は 8700であった。分散度(MwZMn)は 1. 83であった。また、カーボン 13核磁気 共鳴スペクトル (13C— NMR)を測定した結果、組成比は m:n=0. 41 : 0. 59であつ た。
[0092] [化 30]
[0093] [実施例 1]
以下に示す組成と配合量 (質量部)で、榭脂成分、酸発生剤および含窒素有機化 合物を有機溶剤に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
榭脂成分:榭脂 1 100質量部
酸発生剤:トリフエ-ルスルホ-ゥムノナフルォロ(n—ブタン)スルホネート(以下、 TPS— PFBSと略記する) 3質量部
含窒素有機化合物:トリエタノールァミン 0. 30質量部
有機溶剤: PGMEA/EL = 6/4 1250質量部
[0094] [比較例 1]
以下に示す組成と配合量 (質量部)で、榭脂成分、酸発生剤および含窒素有機化 合物を有機溶剤に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
榭脂成分:比較榭脂 1 100質量部
酸発生剤: TPS— PFBS 3質量部
含窒素有機化合物:トリエタノールァミン 0. 30質量部
有機溶剤: PGMEA/EL = 6/4 1250質量部
[0095] 上記実施例 1および比較例 1で得られたポジ型レジスト組成物について、以下の手 順でレジストパターンを形成し、その評価を行った。
まず、 8インチのシリコンゥエーハ上に有機反射防止膜用材料 (ブリューヮーサイエ ンス社製、商品名 ARC— 29)を塗布し、 225°Cで 60秒間焼成して膜厚 77nmの反 射防止膜を形成して基板とした。
該基板上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いて均一に塗 布し、ホットプレート上で 120°C、 90秒間プレベータして、乾燥させることにより、膜厚 250nmのレジスト層を形成した。ついで、 ArF露光装置(波長193nm) NSR—S30 2 (Nikon社製、 NA (開口数) =0. 60, 2/3輪帯照明)を用い、マスクを介して選択 的に露光した。
そして、 120°C、 90秒間の条件で PEB処理し、さらに 23°Cにて 2. 38質量%テトラ メチルアンモニゥムヒドロキシド水溶液で 30秒間パドル現像し、その後 30秒間、純水 を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行って、 130nmのラインアンドスペース(1 : 1)の レジストパターン (以下、 LZSパターンと 、う)を形成した。
[0096] 下記の評価を行!、、その結果を表 1に示した。
<感度 >
1: 1の 130nmLZSパターンが形成される際の露光量を求めた。
<解像性 >
上記で求めた感度における限界解像度を求めた。
<LER>
1: 1の 130nmの LZSパターンについて、 LERを示す尺度である 3 σを求めた。な お、 3 σは、側長 SEM (日立製作所社製,商品名「S— 9220」)により、試料のレジス トパターンの幅を 32箇所測定し、その結果力も算出した標準偏差( σ )の 3倍値 (3 σ )である。この 3 σは、その値力 、さいほどラフネスが小さぐ均一幅のレジストパター ンが得られたことを意味する。
[0097] [表 1] 感度 解像性 LER
樹脂成分
(mJ/cnt2) (nm)
実施例 1 樹脂 1 34 120 4. 0 比較例 1 比較樹脂 1 32 120 7. 9
[0098] 上記の結果力も明らかなように、高分子化合物 (A1)に相当する榭脂 1を用いた実 施例 1のポジ型レジスト組成物により、 LERが大幅に低減されたレジストパターンが形 成された。また、感度および解像性も充分に優れたものであった。
産業上の利用可能性
[0099] LERの低減されたパターンを形成できるポジ型レジスト組成物を構成できる高分子 化合物、該高分子化合物を含有するポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト 組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供できる。