JPWO2013047528A1 - フォトレジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体(以下、「[A]重合体」とも称する)、及び
[B]酸発生体
を含有し、
[B]酸発生体から発生する酸のファンデルワールス体積が、2.1×10−28m3以上であるフォトレジスト組成物である。
(1)当該フォトレジスト組成物を用い、基板上にレジスト膜を形成する工程、
(2)フォトマスクを介した放射線照射により、上記レジスト膜を露光する工程、及び
(3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有する。
本発明のフォトレジスト組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。また、当該フォトレジスト組成物は、好適成分として後述する[C]酸拡散制御剤及び[D]フッ素原子含有重合体を含有することができる。さらに、当該フォトレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない限りその他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分を詳述する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。また、[A]重合体は、構造単位(II)を有することが好ましい。さらに、[A]重合体は、本発明の効果を損なわない限り、構造単位(I)及び構造単位(II)以外の、その他の構造単位を有してもよい。なお、[A]重合体は、各構造単位を2種以上有していてもよい。以下、各構造単位を詳述する。
構造単位(I)は、上記式(1)で表される構造単位である。当該フォトレジスト組成物は、[A]重合体が上記特定構造を含む構造単位(I)を有し、かつ上記特定構造を有する[B]酸発生体を含有することで、MEEF性能及びLWR性能に優れる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロデカン構造、メチルシクロヘキサン構造、エチルシクロヘキサン構造等の単環式飽和炭化水素構造;
シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造、シクロペンタジエン構造、シクロヘキサジエン構造、シクロオクタジエン構造、シクロデカジエン構造等の単環式不飽和炭化水素構造;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造、ビシクロ[2.2.2]オクタン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン構造、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン構造、アダマンタン構造等の多環式飽和炭化水素構造;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテン構造、ビシクロ[2.2.2]オクテン構造、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン構造、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセン構造、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン構造等の多環式不飽和炭化水素構造等が挙げられる。また、これらの構造の炭素−炭素間に上記2価のヘテロ原子含有基を含む1価の基、上記炭化水素基及び2価のヘテロ原子含有基を含む基が有する水素原子を1価のヘテロ原子含有基及び/又はハロゲン原子で置換した基が含まれるもの等が挙げられる。
[A]重合体は、上記式(2)で表される構造単位(II)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が、上記構造単位(II)をさらに有することで、当該フォトレジスト組成物は感度等を向上させることができる。
[A]重合体は、構造単位(I)以外の構造単位であって、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含む構造単位(III)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が、構造単位(III)をさらに有することで、レジスト膜の基板への密着性等を高めることができる。
[A]重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成できる。合成方法としては、例えば単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
当該フォトレジスト組成物は、[B]酸発生体を含有する。[B]酸発生体は、露光により酸を発生する化合物又は重合体であって、この発生する酸のファンデルワールス体積が2.1×10−28m3以上であることを特徴とする。なお、[A]重合体が、構造単位(II)をさらに有する場合等、構造単位(II)中に存在する酸解離性基を解離させカルボキシ基を発生させる。その結果、[A]重合体の極性が増大し、露光部における[A]重合体が現像液に対して可溶性となる。
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、7−オキサノルボルニル基、7−アザノルボルニル基、シクロヘキサンラクトニル基等の単環の脂環構造を有する基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、ノルボルナンラクトニル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基等の多環の脂環構造を有する基等が挙げられる。
当該フォトレジスト組成物は、[C]酸拡散制御剤を含有することが好ましい。[C]酸拡散制御剤は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。当該フォトレジスト組成物が、[C]酸拡散制御剤をさらに含有することで、パターン現像性、LWR性能及びMEEF性能により優れるレジストパターンを形成することができる。
[D]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を含む重合体であって、[A]重合体よりもフッ素原子含有割合が高い重合体である。当該フォトレジスト組成物は、[D]フッ素原子含有重合体を含有することで、レジスト膜の疎水性がより向上し、液浸露光を行った場合、レジスト膜中の酸発生剤や酸拡散制御剤等の液浸媒体への溶出を抑制することができる。
構造単位(IV)は、下記式(6)で表される構造単位である。
構造単位(V)は、下記式(7)で表される構造単位である。
シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の単環式飽和炭化水素;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等の多環式飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン等の多環式炭化水素から(m+1)個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
構造単位(VI)は、下記式(8)で表される構造単位である。
[D]フッ素原子含有重合体は、他の構造単位として、エッチング耐性を高めるために上記構造単位(II)、現像液への可溶性を高めるために上記構造単位(III)等を有してもよい。なお、[D]フッ素原子含有重合体は、他の構造単位を2種以上有してもよい。
[D]フッ素原子含有重合体は、例えば所定の各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。なお、これらの溶媒は、2種以上を併用してもよい。
当該フォトレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、偏在化促進剤、界面活性剤、増感剤等のその他の任意成分を含有してもよい。なお、当該フォトレジスト組成物は、上記その他の任意成分を2種以上含有してもよい。
偏在化促進剤は、[D]フッ素原子含有重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有する。当該フォトレジスト組成物は、この偏在化促進剤を含有することで、[D]フッ素原子含有重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。結果として、LWR性能、現像欠陥、パターン倒れ耐性等のレジスト基本特性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことができる。このような偏在化促進剤としては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物が用いられ、例えばラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。市販品としては、例えばKP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。
増感剤は、[B]酸発生体の生成量を増加する作用を示すものであり、当該フォトレジスト組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
当該フォトレジスト組成物は、例えば有機溶媒中で[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、[D]フッ素原子含有重合体及び必要に応じてその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。また、得られた混合液を孔径0.20μm程度のフィルターでろ過することが好ましい。なお、当該フォトレジスト組成物は、好ましくは適当な有機溶媒に溶解又は分散させた状態で用いられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール類;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル類等が挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、(1)当該フォトレジスト組成物を用い、基板上にレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」とも称する)、(2)フォトマスクを介した放射線照射により、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「工程(2)」とも称する)、及び(3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「工程(3)」とも称する)を有する。当該レジストパターン形成方法を用いると、MEEF及びLWRが小さい微細なレジストパターンを形成することができる。以下、各工程を詳述する。
本工程では、当該フォトレジスト組成物を基板上に塗布して、レジスト膜を形成する。基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や、特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の下層反射防止膜を基板上に形成してもよい。
本工程では、工程(1)で形成したレジスト膜の所望の領域にマスクを介して露光する。また、本工程は必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより露光を行ってもよい。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行う。第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部において真円状のコンタクトホールパターンが形成しやすくなる。
本工程では、露光後加熱されたレジスト膜を、現像液で現像する。現像後は水等で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。
化合物の1H−NMR分析並びに重合体の13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(JNM−EX400、日本電子製)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを使用した。
[合成例1]化合物(M−9)の合成
滴下漏斗及びコンデンサーを備え乾燥させた1Lの三口反応器に、亜鉛粉末(Aldrich製 粒子径150μm以下)13.1g(200mmol)を添加し、アルゴン雰囲気にした後、テトラヒドロフラン(THF)240mLを加えマグネチックスターラーで攪拌しながら、クロロトリメチルシラン1.9mL(15mmol)を加え、20℃〜25℃で30分間撹拌した。そこへ、2−メチルテトラヒドロフラン−3−オン20.0g(200mmol)をTHF40mLに溶解させた溶液を添加した。次に、エチル(2−ブロモメチル)アクリレート34.8g(180mmol)のTHF50mL溶液を滴下した。滴下後、室温で2時間攪拌した。ガスクロマトグラフィーにより反応終了を確認した後、塩化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルを加え分液した。得られた有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。その後、有機層を乾燥後、減圧濃縮した。その後、減圧蒸留を行い、透明油状物として下記式(M−9)で表される化合物(6−メチル−3−メチレン−1,7−ジオキサスピロ[4.4]ノナン−2−オン)20.4g(収率67%、純度99%)を得た。
まず、20Lの反応器に、1,4−シクロヘキサンジオール1,004g(8.64mol)を添加し、そこへTHFを4,320mLを加え、メカニカルスターラーで攪拌した。反応器にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム21.71g(86.39mmol)、続いて3,4−ジヒドロ‐2H−ピラン726.73g(8.64mol)を加え室温にて12時間反応させた。その後、トリエチルアミン17.28g(170.77mmol)を加えて反応を停止させ、濃縮した。濃縮液をヘキサンと水で分液し、得られた水層にNaClを飽和するまで加えた後、塩化メチレンにて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、下記式(M−10−A)で表される化合物(M−10−A)を737g(3.68mol、収率43%)得た。
1H−NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:テトラメチルシラン)δ:1.24−1.91(m、13H)、1.94−2.05(m、2H)、3.45−3.53(m、1H)、3.59−3.70(m、1H)、3.71−3.78(m、1H)、3.87−3.95(m、1H)、4.67−4.71(m、1H)
1H−NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:テトラメチルシラン)δ:1.51−2.16(m、10H)、2.22−2.35(m、2H)、2.50−2.69(m、2H)、3.49−3.56(m、1H)、3.88−3.95(m、1H)、4.05−4.11(m、1H)、4.74−4.78(m、1H)
1H−NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:テトラメチルシラン)δ:1.51−2.17(m、14H)、2.72(dt、J=8.8、2.8Hz、2H)、3.52−3.47(m、1H)、3.67−3.75(m、1H)、3.85−3.95(m、1H)、4.65(t、J=3.6Hz、0.5H)、4.73(t、J=3.6Hz、0.5H)、5.60−5.64(m、1H)、6.22−6.26(m、1H)
1H−NMR(測定溶媒:重クロロホルム,基準物質:テトラメチルシラン)δ:1.51−2.09(m、8H)、2.72(t、J=2.8Hz,1H)、2.76(t、J=2.8Hz,1H)、3.67−3.77(m、0.5H)、3.96−4.04(m、0.5H)、5.62−5.68(m、1H)、6.22−6.28(m、1H)
[A]重合体及び[D]フッ素原子含有重合体の合成に用いた各単量体を下記に示す。
[合成例3]
上記化合物(M−9)7.3g(20モル%)、化合物(M−1)18.2g(50モル%)及び化合物(M−5)14.5g(30モル%)を80gの2−ブタノンに溶解し、ラジカル開始剤としてのAIBN3.56g(単量体の総モル数に対して10モル%)を添加して単量体溶液を調製した。引き続き、40gの2−ブタノンを入れた200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。800gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を160gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した。重合体(A−1)のMwは4,500であり、Mw/Mnは1.4であった。13C−NMR分析の結果、(M−9)、(M−1)、(M−5)に由来する各構造単位の含有割合はそれぞれ18モル%、48モル%、34モル%であった。
下記表1に示す種類及び量の単量体とラジカル開始剤とを用いた以外は、合成例3と同様に操作して、各重合体を合成した。なお、用いた単量体の合計質量は40gとした。合成した各重合体のMw及びMw/Mnを表1に併せて示す。「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。
[合成例12]
上記化合物(M−2)43g(70モル%)及び化合物(M−6)17g(30モル%)を、2−ブタノン60gに溶解し、AIBN3.87gを投入した単量体溶液を準備した。30gの2−ブタノンを投入した300mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応器を攪拌しながら80℃に加熱し、上述のように準備した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、600gのメタノール:水=8:2の溶液へ投入して樹脂を沈殿させた。上澄みの溶液を除いた後、沈殿した樹脂にメタノール120gを加え、樹脂を洗浄した。上澄み液を除いた後に、50℃にて17時間乾燥して、重合体(D−1)を合成した。重合体(D−1)は、Mwが4,800であり、Mw/Mnが1.4、フッ素原子含有割合が4質量%であった。なお、フッ素原子含有割合は13C−NMR分析により測定した。構造単位(II)及び構造単位(IV)の含有割合は、それぞれ68.5モル%及び31.5モル%であった。
上記化合物(M−2)14.3g(30モル%)及び化合物(M−7)45.7g(70モル%)を、2−ブタノン60gに溶解し、AIBN3gを投入した単量体溶液を準備した。30gの2−ブタノンを投入した300mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応器を攪拌しながら80℃に加熱し、上述のように準備した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、600gのメタノール:水=8:2の溶液へ投入して樹脂を沈殿させた。上澄みの溶液を除いた後、沈殿した樹脂にメタノール120gを加え、樹脂を洗浄した。上澄み液を除いた後に、50℃にて17時間乾燥して、重合体(D−2)を合成した。重合体(D−2)は、Mwが4,200であり、Mw/Mnが1.3、フッ素原子含有割合が5質量%であった。構造単位(II)及び構造単位(V)の含有割合は、それぞれ32モル%及び68モル%であった。
上記化合物(M−4)11.4g(30モル%)及び化合物(M−8)48.6g(70モル%)を、2−ブタノン60gに溶解し、AIBN2.4gを投入した単量体溶液を準備した。30gの2−ブタノンを投入した300mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応器を攪拌しながら80℃に加熱し、上述のように準備した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷することにより30℃以下に冷却し、600gのメタノール:水=8:2の溶液へ投入して樹脂を沈殿させた。上澄みの溶液を除いた後、沈殿した樹脂にメタノール120gを加え、樹脂を洗浄した。上澄み液を除いた後に、50℃にて17時間乾燥して、重合体(D−3)を合成した。重合体(D−3)は、Mwが4,500であり、Mw/Mnが1.4、フッ素原子含有割合が5質量%であった。構造単位(II)及び構造単位(VI)の含有割合は、それぞれ29モル%及び71モル%であった。
各フォトレジスト組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
各構造式と、発生する酸のファンデルワールス体積とを下記に示す。
B−1:下記式(B−1)で表される化合物(ファンデルワールス体積:3.34×10−28m3)
B−2:下記式(B−2)で表される化合物(ファンデルワールス体積:3.93×10−28m3)
B−3:下記式(B−3)で表される化合物(ファンデルワールス体積:2.94×10−28m3)
b−1:下記式(b−1)で表される化合物(ファンデルワールス体積:1.65×10−28m3)
b−2:下記式(b−2)で表される化合物(ファンデルワールス体積:2.02×10−28m3)
b−3:下記式(b−3)で表される化合物(ファンデルワールス体積:1.65×10−28m3)
C−1:下記式(C−1)で表される化合物
C−2:下記式(C−2)で表される化合物
C−3:下記式(C−3)で表される化合物
C−4:下記式(C−4)で表される化合物
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:シクロヘキサノン
F−1:γ−ブチロラクトン
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)11質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−3)5質量部、[D]フッ素原子含有重合体としての(D−1)3質量部、及び偏在化促進剤としての(F−1)30質量部を混合し、得られた混合液を孔径0.20μmのフィルターでろ過してフォトレジスト組成物を調製した。
表3に示す種類及び含有量の各成分を混合したこと以外は実施例1と同様に操作して各フォトレジスト組成物を調製した。
12インチのシリコンウェハ表面に、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、日産化学製)を用いて、膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、各フォトレジスト組成物を塗布した後、表3に記載の温度で60秒間ソフトベーク(SB)を行い、膜厚75nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR S610C、NIKON製)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Annularの条件により、マスクパターンを介して露光した。露光後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を、下記表3に示すPEB温度で60秒間行った。その後、2.38質量%のTMAH水溶液により現像し、水で洗浄、乾燥し、ポジ型のレジストパターンを形成した。なお、このポジ型のレジストパターンは、ターゲット寸法が50nmライン100nmピッチ形成用のマスクを介して形成した線幅50nmの1:1のラインアンドスペースである。レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(CG−4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。上記パターン形成の際、寸法50nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅50nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量(mJ/cm2)を最適露光量とした。
上記形成したレジストパターンについて、以下の評価を実施した。結果を表3に合わせて示す。
上記最適露光量を感度(mJ/cm2)として評価した。感度が50(mJ/cm2)以下である場合、良好であると判断できる。
レジストパターンを、走査型電子顕微鏡(CG4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用い、パターン上部から観察した。ライン幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR(nm)とした。LWRの値が5.5(nm)以下の場合、形成されたレジストパターンの形状は良好であると判断できる。なお、ライン幅の測長にも、走査型電子顕微鏡(CG4000、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
上記走査型電子顕微鏡を用い、上記最適露光量において、5種類のマスクサイズ(48.0nmL/100nmP、49.0nmL/100nmP、50.0nmL/100nmP、51.0nmL/100nmP、52.0nmL/100nmP)で解像されるパターン寸法を測定した。その測定結果を、横軸にマスクサイズ、縦軸に各マスクサイズで形成された線幅をプロットし、最小二乗法によりグラフの傾きを求め、この傾きをMEEFとした。MEEFは、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを示す。MEEFの値が3.5以下である場合、良好であると判断できる。
Claims (9)
- [A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体、及び
[B]酸発生体
を含有し、
[B]酸発生体から発生する酸のファンデルワールス体積が、2.1×10−28m3以上であるフォトレジスト組成物。
- [B]酸発生体から発生する酸が、炭素数6〜15の脂環構造を有する請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
- [B]酸発生体がカチオンとアニオンとを含み、このアニオンが下記式(3)で表される請求項1記載のフォトレジスト組成物。
- 上記アニオンが、アダマンタン構造及びノルボルナン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する請求項3に記載のフォトレジスト組成物。
- 上記式(1)におけるR2、R3、R4及びR5のうち少なくとも1つが炭素数1〜20の1価の有機基であり、この1価の有機基が、ヘテロ原子及びハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
- 上記式(1)におけるR4及びR5が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の環構造を表す請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
- 上記環構造が、極性基を有する請求項6に記載のフォトレジスト組成物。
- (1)請求項1に記載のフォトレジスト組成物を用い、基板上にレジスト膜を形成する工程、
(2)フォトマスクを介した放射線照射により、上記レジスト膜を露光する工程、及び
(3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有するレジストパターン形成方法。
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