JP5790529B2 - フォトレジスト組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトレジスト組成物、重合体及び化合物に関する。
化学増幅型のフォトレジスト組成物は、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)やArFエキシマレーザー光(波長193nm)等に代表される遠紫外線、電子線等の照射により、露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする化学反応により露光部及び未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる。
ArFエキシマレーザーを光源とするフォトレジスト組成物としては、例えば193nm領域に吸収を有しない脂環式炭化水素を骨格中に有する重合体を含む組成物が知られており、現像コントラストが向上するとされている。このような重合体としては、スピロラクトン構造を有する構造単位を含む重合体が提案されている(特開2005−002248号公報参照)。
しかしながら、従来のフォトレジスト組成物は、有機溶媒現像に用いると、現像時に重合体の溶け残りが起こる場合があり、形成されるレジストパターンのライン幅のばらつきを表す値であるLWR性能(Line Width Roughness)、解像性等を十分に満足することができない。また、上記従来のフォトレジスト組成物は、アルカリ水溶液現像に用いると、LWR性能及び解像性等を十分に満足することができない。
特開2005−002248号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能及び解像性に優れるフォトレジスト組成物を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体(以下、「[A]重合体」とも称する)、及び
[B]酸発生体
を含有するフォトレジスト組成物である。
Figure 0005790529
(式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基又はOR基である。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素数1〜20の炭化水素基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。cは、2又は3である。但し、a、b又はcが2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
[A]重合体が構造単位(I)を有することで、当該フォトレジスト組成物は、LWR性能及び解像性を向上させることができる。当該フォトレジスト組成物が、上記構成を有することで上記効果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、例えば構造単位(I)が有するラクトン環に、少なくとも1つの炭化水素基が結合していることによって、有機溶媒現像の場合は、[A]重合体と有機溶媒との親和性が効果的に向上すること、アルカリ水溶液現像の場合は、[A]重合体のアルカリ水溶液への溶解性が低下し、形成されるレジスト膜の未露光部がアルカリ水溶液に溶解するのを効果的に抑制できること等が考えられる。
[A]重合体は、酸解離性基を含む構造単位(II)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が酸解離性基を含む構造単位(II)をさらに有することにより、当該フォトレジスト組成物は、感度等を向上させることができ、その結果、当該フォトレジスト組成物は、LWR性能及び解像性をより向上させることができる。
当該フォトレジスト組成物は、有機溶媒現像に好適に用いることができる。当該フォトレジスト組成物は、上述したように、上記構成を有することで[A]重合体と有機溶媒との親和性が効果的に向上すると考えられるので、有機溶媒現像に用いると、LWR性能及び解像性を向上させることができる。
当該フォトレジスト組成物は、アルカリ水溶液現像に好適に用いることができる。当該フォトレジスト組成物は、上述したように、上記構成を有することで[A]重合体のアルカリ水溶液への溶解性が低下し、形成されるレジスト膜の未露光部がアルカリ水溶液に溶解するのを効果的に抑制できると考えられるので、アルカリ水溶液現像に用いると、LWR性能及び解像性を向上させることができる。
本発明の重合体は、下記式(1)で表される構造単位(I)を有する。
Figure 0005790529
(式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基又はOR基である。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素数1〜20の炭化水素基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。cは、2又は3である。但し、a、b又はcが2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
当該重合体は、構造単位(I)を有するので、本発明のフォトレジスト組成物の成分として好適に用いることができる。
本発明の化合物は、下記式(i)で表される化合物(以下、「化合物(i)」とも称する)である。
Figure 0005790529
(式(i)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基又はOR基である。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素数1〜20の炭化水素基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。cは、2又は3である。但し、a、b又はcが2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
当該化合物は、上記式(i)で表される構造を有するので、当該重合体中に構造単位(I)を組み込む単量体化合物として好適に用いられる。
本発明のフォトレジスト組成物は、LWR性能及び解像性を向上させることができる。従って、当該フォトレジスト組成物は、更なる微細化が求められるリソグラフィー工程において好適に用いることができる。
<フォトレジスト組成物>
本発明のフォトレジスト組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。また、当該フォトレジスト組成物は、好適成分として、[C]溶媒、[D]酸拡散制御体及び[E]フッ素原子含有重合体を含有することができる。さらに、当該フォトレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分を詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、上記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体である。また、[A]重合体は、酸解離性基を含む構造単位(II)及び/又は構造単位(I)以外の構造単位であって、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(III)を有することが好ましい。さらに、[A]重合体は、本発明の効果を損なわない限り、構造単位(I)、(II)及び(III)以外の、その他の構造単位を有してもよい。なお、[A]重合体は、各構造単位を2種以上有してもよい。以下、各構造単位を詳述する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、上記式(1)で表される構造単位である。構造単位(I)のラクトン環に少なくとも1つの炭化水素基が結合しており、[A]重合体の疎水性が高くなっていると考えられ、その結果、当該フォトレジスト組成物は、LWR性能及び解像性を向上させることができる。当該フォトレジスト組成物が、上記構成を有することで上記効果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、例えば構造単位(I)が有するラクトン環に、少なくとも1つの炭化水素基が結合していることによって、有機溶媒現像の場合は、[A]重合体と有機溶媒との親和性が効果的に向上すること、アルカリ水溶液現像の場合は、[A]重合体のアルカリ水溶液への溶解性が低下し、形成されるレジスト膜の未露光部がアルカリ水溶液に溶解するのを効果的に抑制できること等が考えられる。また、構造単位(I)はラクトン環を有するので、レジスト膜の基板への密着性を高めることができる。
式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基又はOR基である。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素数1〜20の炭化水素基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。cは、2又は3である。但し、a、b又はcが2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R〜Rで表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
上記炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記R〜Rで表される炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化鎖状炭化水素基、炭素数4〜20のフッ素化脂環式炭化水素基、炭素数6〜20のフッ素化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20のフッ素化鎖状炭化水素基としては、上記R〜Rとして例示した鎖状炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部を、フッ素原子で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数4〜20のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロペンチルプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクチルメチル基等が有する水素原子の一部又は全部を、フッ素原子で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数6〜20のフッ素化芳香族炭化水素基としては、上記R〜Rとして例示した芳香族炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部を、フッ素原子で置換した基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば上記R〜Rで例示した炭素数1〜20の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記R〜Rで例示した炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記R、R、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜20の鎖状炭化水素基がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基が特に好ましく、水素原子が最も好ましい。
上記R及びRのうち少なくとも1つが有する炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20の鎖状炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基がより好ましい。
上記R及びRのうち少なくとも1つが有する炭素数1〜20の炭化水素基は、[A]重合体の現像液に対する溶解性を効果的に制御できる観点から、カルボニル基のα位の炭素原子に結合していることが好ましい。
上記R及びRのうち、カルボニル基のα位の炭素原子に結合する基の1つは、構造単位(I)を与える化合物の合成容易性の観点から、水素原子であることが好ましい。
上記R及びRとしては、カルボニル基のα位の炭素原子に結合するRが炭素数1〜20の炭化水素基であり、かつそれ以外のR及びRが水素原子であることが好ましく、カルボニル基のα位の炭素原子に結合するRが炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の鎖状炭化水素基であり、かつそれ以外のR及びRが水素原子であることがより好ましく、カルボニル基のα位の炭素原子に結合するRがメチル基、エチル基又はi−プロピル基であり、かつそれ以外のR及びRが水素原子であることが特に好ましい。
aとしては、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
bとしては、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
cとしては、2又は3が好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−15)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−15)」とも称する)等が挙げられる。
Figure 0005790529
上記式(1−1)〜(1−15)中、Rは、上記式(1)と同義である。
これらのうち、構造単位(I−1)〜(I−3)が好ましい。
[A]重合体における構造単位(I)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%以上80モル%以下が好ましく、3モル%以上70モル%以下がより好ましく、5モル%以上60モル%以下がさらに好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該フォトレジスト組成物のLWR性能及び解像性をより向上させることができる。
<化合物(i)の製造方法>
化合物(i)の製造方法としては、例えばカルボニル基のα位の炭素原子に少なくとも1つの炭素数1〜20の炭化水素基が結合する化合物(i)(以下、「化合物(i−A)」とも称する)の例として、以下の方法が挙げられる。
亜鉛の存在下、下記式(e)で表される環状ケトン化合物に下記式(d)で表されるブロモアルキル置換アクリレートを反応させることにより、下記式(f)で表される化合物が得られる。この(f)化合物を、塩酸等の酸の存在下で加水分解させることにより、下記式(g)で表されるヒドロキシ基含有化合物が得られる。さらに、この(g)化合物の炭素−炭素二重結合を、ナトリウムボロハイドライド等の還元剤を用いて水素化して、下記式(h)で表される化合物が得られる。次いで、この(h)化合物に、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、(メタ)アクリロイルハライド、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸無水物等を反応させることにより、化合物(i−A)を合成することができる。また、化合物(i−A)以外の化合物(i)も、従来公知の方法で合成することができる。
Figure 0005790529
上記スキーム中、R〜R、a及びbは、上記式(i)と同義である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。kは、1又は2の整数である。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である。当該フォトレジスト組成物は、露光部において、構造単位(II)中の酸解離性基が、[B]酸発生体から発生した酸の作用により解離することにより、[A]重合体の現像液に対する溶解性が変化するので、レジストパターンを形成することができる。構造単位(II)における「酸解離性基」とは、例えばカルボキシ基、ヒドロキシ基等の極性基の水素原子を置換する基であって、酸の存在下で解離する基をいう。構造単位(II)としては、酸解離性基を含む限り、特に限定されないが、例えば下記式(2)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005790529
式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R10〜R12は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数4〜20の脂環式炭化水素基である。但し、R10及びR11が、互いに結合して、これらが結合している炭素原子と共に2価の脂環式炭化水素基を形成してもよい。
上記R10〜R12で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
上記R10〜R12で表される炭素数4〜20の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。
上記R10及びR11が互いに結合して形成してもよい2価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンタンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等が挙げられる。
構造単位(II)としては、例えば下記式(2−1)〜(2−11)で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005790529
上記式中、Rは、上記式(2)と同義である。
上記構造単位のうち、上記式(2−3)で表される構造単位が好ましい。
[A]重合体における構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して20モル%〜80モル%が好ましく、30モル%〜70モル%がより好ましい。このような含有割合とすることで、当該フォトレジスト組成物は感度等を向上させることができ、その結果、LWR性能及び解像性をより向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、構造単位(I)以外の構造単位であって、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位である。[A]重合体が、構造単位(III)をさらに有することで、レジスト膜の基板への密着性等を高めることができる。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005790529
Figure 0005790529
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記構造単位のうち、(メタ)アクリル酸ノルボルナンラクトニルエステルに由来する構造単位が好ましい。
[A]重合体における構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜60モル%が好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることでレジスト膜の密着性をより高めることができる。
<他の構造単位>
[A]重合体は、上記以外の他の構造単位を有していてもよい。他の構造単位を与える重合性不飽和単量体としては、例えば国際公開2007/116664A号[0065]〜[0085段落に開示されている単量体等が挙げられる。
上記他の構造単位としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル又は(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルに由来する構造単位が好ましい。
[A]重合体における他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、通常30モル%以下であり、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、ラジカル重合等の常法に従って合成できる。合成方法としては、例えば単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
上記重合における反応温度としては、ラジカル開始剤種によって適宜決定されるが、通常30℃〜180℃であり、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜140℃がより好ましい。滴下時間は、反応温度、ラジカル開始剤の種類、反応させる単量体等によって異なるが、通常30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間は、通常30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
上記ラジカル開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。これらのラジカル開始剤は2種以上を混合して使用できる。
上記重合に用いられる溶媒としては、各単量体の重合を阻害する溶媒以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば限定されない。溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ラクトン系溶媒、ニトリル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、2種以上を併用できる。
重合反応により得られた重合体は、再沈殿法により回収することができる。再沈溶媒としては、アルコール系溶媒等を使用できる。
[A]重合体を合成するための重合反応においては、分子量を調整するために、分子量調整剤を使用できる。分子量調整剤としては、例えばクロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該フォトレジスト組成物の感度、LWR性能等のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。
[A]重合体中の低分子量成分の含有量としては、0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.06質量%以下が特に好ましい。低分子量成分の含有量を上記範囲とすることで、現像コントラストをより向上することができる。なお、低分子量成分とは、分子量1,000未満のものをいう。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がより好ましい。なお、本明細書における重合体のMw及びMnは下記の条件によるGPCにより測定した。
カラム:G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、及びG4000HXL 1本(東ソー製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
当該フォトレジスト組成物は、[B]酸発生体を含有する。[B]酸発生体は、露光により酸を発生し、その酸により[A]重合体の構造単位(II)等が有する酸解離性基などを解離させカルボキシ基等を発生させる。その結果、[A]重合体の極性が増大し、露光部における[A]重合体が、アルカリ水溶液現像の場合は現像液に対して溶解性となり、一方、有機溶媒現像の場合は現像液に対して難溶性となる。当該フォトレジスト組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。これらのうち、スルホニウム塩、ヨードニウム塩が好ましい。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(1−アダマンチル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
これらの[B]酸発生剤のうち、スルホニウム塩が好ましく、トリフェニルスルホニウム2−(1−アダマンチル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートがより好ましい。
これらの[B]酸発生剤は、2種以上を併用することができる。[B]酸発生体が酸発生剤である場合の含有量としては、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、通常0.1質量部以上30質量部以下であり、1質量部以上25質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましい。[B]酸発生体の含有量が0.1質量部未満の場合、フォトレジスト組成物の感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、[B]酸発生体の含有量が30質量部を超えると、露光光に対する透明性が低下し、所望のレジストパターンを得られ難くなるおそれがある。
<[C]溶媒>
当該フォトレジスト組成物は、通常[C]溶媒を含有する。[C]溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し、各成分と反応しないものが好適に用いられる。[C]溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル類等が挙げられる。なお、これらの溶媒は、2種以上を併用することができる。
アルコール類としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール類;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル類等が挙げられる。
エーテル類としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、メトキシベンゼン等が挙げられる。
ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド類としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
これらのうち、エステル類、ケトン類が好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンがより好ましい。
<[D]酸拡散制御体>
当該フォトレジスト組成物は、[D]酸拡散制御体を含有することが好ましい。[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。当該フォトレジスト組成物が、[D]酸拡散制御体をさらに含有することで、当該フォトレジスト組成物は、パターン現像性、LWR性能により優れるレジストパターンを形成することができる。当該フォトレジスト組成物における[D]酸拡散制御体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」とも称する)でも重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えばN−t−アルコキシカルボニル基含有アミノ化合物、3級アミン化合物、4級アンモニウムヒドロキシド化合物等が挙げられる。
上記N−t−アルコキシカルボニル基含有アミノ化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−アミロキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−アミロキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−アミロキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾールN−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミロキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
上記3級アミン化合物としては、例えば
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;
トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
上記4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、例えばテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
[D]酸拡散制御剤としては、露光により分解して酸拡散制御性としての塩基性を失うオニウム塩化合物を用いることもできる。このようなオニウム塩化合物としては、例えば下記式(3−1)で表されるスルホニウム塩化合物、式(3−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 0005790529
上記式(3−1)及び式(3−2)中、R13〜R17は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。Anbは、OH、R18−COO、R18−SO 、又は下記式(4)で表されるアニオンである。R18は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 0005790529
上記スルホニウム塩化合物及びヨードニウム塩化合物としては、例えばトリフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルスルホニウムアセテート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムアセテート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムサリチレート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムハイドロオキサイド、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムアセテート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート等が挙げられる。これらのうち、[D]酸拡散制御剤としては、上記式(3−1)で表されるスルホニウム塩化合物が好ましく、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがより好ましい。
[D]酸拡散制御剤は2種以上を併用してもよい。[D]酸拡散制御体が[D]酸拡散制御剤である場合の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上15質量部以下がより好ましい。[D]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、当該フォトレジスト組成物の解像性、LWR性能がより向上する。
<[E]フッ素原子含有重合体>
当該フォトレジスト組成物は、[E]フッ素原子含有重合体([A]重合体を除く)を含有してもよい。[E]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を有する重合体であって、「表面疎水化重合体」として機能する。「表面疎水化重合体」とは、フォトレジスト組成物に含有させることで、形成されるレジスト膜の表層側に偏在化する傾向を有する副成分の重合体をいう。当該フォトレジスト組成物が、このような[A]重合体と[E]フッ素原子含有重合体とを含有することで、レジスト膜を形成した際に、[E]フッ素原子含有重合体が偏在化して、露光時にレジスト膜表面を疎水化することにより、液浸露光における高速スキャン等を可能にすることができる。
当該フォトレジスト組成物において、[E]フッ素原子含有重合体が表面疎水化重合体として良好に機能するには、[A]重合体よりも、[E]フッ素原子含有重合体のフッ素原子含有率が高いことが好ましい。これにより、より効果的に[E]フッ素原子含有重合体が、レジスト膜の表層側に偏在化する。また、[E]フッ素原子含有重合体のフッ素原子含有率は5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。一方、[A]重合体のフッ素原子含有率としては、5質量%未満が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。なお、フッ素原子含有率は、13C−NMRを用いて重合体の構造を同定し、この構造から算出することができる。
[E]フッ素原子含有重合体は、フッ素原子を含む単量体を少なくとも1種類以上重合することにより形成される。フッ素原子を構造中に含む単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む化合物;側鎖にフッ素原子を含む化合物;主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む化合物が挙げられる。
[E]フッ素原子含有重合体は、下記式(5)で表される構造単位(IV)を有することが好ましい。また、[E]フッ素原子含有重合体は、構造単位(IV)以外の他の構造単位を有してもよい。なお、[E]フッ素原子含有重合体は、各構造単位を2種以上有していてもよい。以下、各構造単位を詳述する。
Figure 0005790529
上記式(5)中、R19は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R20は、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6の1価の鎖状炭化水素基又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。
上記炭素数1〜6の鎖状炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記炭素数4〜20の脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
構造単位(IV)を与える単量体としては、例えばトリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ペンチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ)プロピル(メタ)アクリレート、1−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ)ペンタ(メタ)アクリレート、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ)デシル(メタ)アクリレート、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
[E]フッ素原子含有重合体における構造単位(IV)の含有割合としては、[E]フッ素原子含有重合体を構成する全構造単位に対して、通常5モル%以上であり、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。このような含有割合とすることによって、レジスト膜表面の撥水性をより高めることができる。
[他の構造単位]
[E]フッ素原子含有重合体は、構造単位(IV)以外にも、他の構造単位として例えば現像液に対する溶解速度を制御するために酸解離性基を含む構造単位、構造単位(I)以外のラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位等を有してもよい。なお、[E]フッ素原子含有重合体は、他の構造単位を2種以上有してもよい。
上記酸解離性基を含む構造単位としては、例えば[A]重合体の構造単位(II)と同様の構造単位が挙げられる。
上記ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位としては、例えば[A]重合体の構造単位(III)と同様の構造単位が挙げられる。
[E]フッ素原子含有重合体における他の構造単位の含有割合としては、[E]フッ素原子含有重合体を構成する全構造単位に対して5モル%〜90モル%が好ましく、5モル%〜80モル%がより好ましい。
[E]フッ素原子含有重合体のMwとしては、1,500〜20,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。[E]フッ素原子含有重合体のMwを上記範囲とすることで、[E]フッ素原子含有重合体をより効果的にレジスト膜表面に偏在化させることができる。[E]フッ素原子含有重合体のMwとMnの比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、1〜2が好ましい。
当該フォトレジスト組成物における[E]フッ素原子含有重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。当該フォトレジスト組成物における[E]フッ素原子含有重合体の含有量を上記範囲とすることで、得られるレジスト膜表面の撥水性及び溶出抑制性をより高めることができる。
<[E]フッ素原子含有重合体の合成方法>
[E]フッ素原子含有重合体は、[A]重合体と同様に、例えば各構造単位を与える単量体及びラジカル開始重合開始剤を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間であり、1時間〜24時間が好ましい。
<その他の任意成分>
当該フォトレジスト組成物は、上記成分の他、その他の任意成分として、偏在化促進剤、界面活性剤、増感剤等を含有してもよい。なお、当該フォトレジスト組成物は、上記その他の任意成分を2種以上含有してもよい。
[偏在化促進剤]
偏在化促進剤は、当該フォトレジスト組成物が[E]フッ素原子含有重合体を含有する場合に、この[E]フッ素原子含有重合体をより効率的にレジスト膜表面に偏在化させる効果を有するものである。当該フォトレジスト組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、撥水性添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR、現像欠陥、パターン倒れ耐性等のレジスト基本特性を損なうことなく、レジスト膜からの液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、例えばラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
これらの中で、ラクトン化合物、カーボネート化合物が好ましく、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネートがより好ましく、γ−ブチロラクトンが特に好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。市販品としては、例えばKP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生体の生成量を増加する作用を示すものであり、当該フォトレジスト組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<フォトレジスト組成物の調製方法>
当該フォトレジスト組成物は、例えば[C]溶媒中で[A]重合体、[B]酸発生体、[D]酸拡散制御体、[E]フッ素原子含有重合体及び[F]添加剤を所定の割合で混合することにより調製できる。当該フォトレジスト組成物は通常、使用に際して、全固形分濃度が通常1質量%〜30質量%、好ましくは1.5質量%〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば孔径200nm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
<レジストパターンの形成方法>
当該フォトレジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法は、(1)当該フォトレジスト組成物を用い、基板上にレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」とも称する)、(2)上記レジスト膜を露光する工程(以下、「工程(2)」とも称する)、及び(3)露光された上記レジスト膜を現像する工程(以下、「工程(3)」とも称する)を有する。以下、各工程を詳述する。
[工程(1)]
本工程では、当該フォトレジスト組成物を用い、基板上にレジスト膜を形成する。基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や、特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の下層反射防止膜を基板上に形成してもよい。
塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。なお、形成されるレジスト膜の膜厚としては、通常10nm〜1,000nmであり、10nm〜500nmが好ましい。
当該フォトレジスト組成物を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PBの温度条件としては、当該フォトレジスト組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常30℃〜200℃程度であり、50℃〜150℃が好ましい。
[工程(2)]
本工程では、工程(1)で形成したレジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより露光を行う。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は2回以上行ってもよい。なお、露光の際に用いられる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。露光光がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水が好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を僅かな割合で添加してもよい。この添加剤は、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
露光に使用される露光光としては、[B]酸発生体の種類に応じて適宜選択されるが、例えば紫外線、遠紫外線、EUV(超紫外線)、X線、荷電粒子線等が挙げられる。これらのうち、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)の遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光がより好ましい。露光量等の露光条件は、当該フォトレジスト組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択される。
本工程では、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なうことが好ましい。PEBを行なうことにより、当該フォトレジスト組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行できる。PEB温度としては、通常30℃以上200℃未満であり、50℃以上150℃未満が好ましい。30℃より低い温度では、上記解離反応が円滑に進行しないおそれがあり、一方、200℃以上の温度では、[B]酸発生体から発生する酸が未露光部にまで広く拡散し、良好なパターンが得られないおそれがある。
[工程(3)]
本工程では、工程(2)の後に現像液を用いて現像を行い、レジストパターンを形成する。現像液としては、有機溶媒現像の場合、有機溶媒を80質量%以上含有するネガ型現像液を用いることが好ましい。ネガ型現像液とは低露光部及び未露光部を選択的に溶解・除去させる現像液のことである。ネガ型現像液に含有される有機溶媒は、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。現像液として上記特定有機溶媒を用いることで、当該フォトレジスト組成物の現像液への溶解性がより向上し、LWR性能及び解像性がより向上すると考えられる。
上記炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステルとしては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル等が挙げられる。
上記炭素数3〜10のジアルキルケトンとしては、例えばアセトン、2−ブタノン、メチルイソアミルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン等が挙げられる。
これらのうち、酢酸n−ブチル、メチルアミルケトンが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
また、アルカリ水溶液現像の場合、現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液を用いることが好ましい。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
<重合体>
本発明の重合体は、上記式(1)で表される構造単位(I)を有する。従って、当該重合体は本発明のフォトレジスト組成物の成分として好適に用いることができる。本発明の重合体は、ベース重合体として用いてもよいし、フッ素原子を含む構造単位を含有させて撥水性添加剤として用いてもよい。
<化合物>
本発明の化合物は、上記式(i)で表される。当該化合物は上記式(i)で表される構造を有するので、当該重合体中に構造単位(I)を組み込む単量体化合物として好適に用いることができる。
なお、当該重合体及び当該化合物の詳細な説明は、当該フォトレジスト組成物に含有される[A]重合体の項で行っているので、ここでは省略する。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw、Mn及び分散度(Mw/Mn)測定]
重合体のMw及びMnは、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
カラム:G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、及びG4000HXL 1本(東ソー製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[低分子量成分含有量]
[A]重合体中の低分子量成分(分子量1,000未満の成分)の含有量(質量%)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、Intersil ODS−25μmカラム(4.6mmφ×250mm、ジーエルサイエンス製)を使用し、下記条件により測定した。
溶出溶媒:アクリロニトリル/0.1%リン酸水溶液
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
H−NMR分析、13C−NMR分析]
化合物のH−NMR分析及び13C−NMR分析、重合体の各構造単位含有割合及びフッ素原子含有率を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(JNM−ECX400、日本電子製)を使用して測定した。
<化合物(i)の合成>
化合物(i)は以下のスキームで示す方法で合成した。
Figure 0005790529
[実施例1]化合物(M−1)の合成
20Lの反応器に、1,4−シクロヘキサンジオール1,004g(8.64mol)とテトラヒドロフラン(THF)4,320mLを仕込み、メカニカルスターラーで攪拌した。反応器にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム21.71g(86.39mmol)、続いて3,4−ジヒドロ−2H−ピラン726.73g(8.64mol)を加え、室温にて12時間反応させた。その後、トリエチルアミン17.28g(170.77mmol)を加えて反応を停止させた後、濃縮した。得られた濃縮液をヘキサンと水で分液し、得られた水層にNaClを飽和するまで加えた後、塩化メチレンにて抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮することにより、下記式(Y−1)で表される化合物737g(3.68mol、収率43%)を得た。
Figure 0005790529
5Lの三口反応器に、上記得られた(Y−1)300g(1.5mol)を仕込み、そこへ塩化メチレン1,200mL、1−メチル−2−アザアダマンタン−N−オキシル0.228g(1.5mmol)、臭化カリウム17.85g(150mmol)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液450mLを順次添加し、メカニカルスターラーで攪拌した。反応器を0℃に冷却し、7質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液1,913gと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液450mLを混合した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後0℃にて30分攪拌後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100mLを加えて反応を停止させ、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮することにより、下記式(Y−2)で表される化合物214g(1.07mol、収率71%)を得た。
Figure 0005790529
滴下漏斗及びコンデンサーを備え乾燥させた3Lの三口反応器に、亜鉛粉末(和光特級、和光純薬製)94.1g(1.44mol)を添加し、窒素雰囲気にした後、THF1.3Lを加えマグネチックスターラーで攪拌しながら、クロロトリメチルシラン6.3mL(50mmol)を加え、20℃〜25℃で10分間撹拌した。そこへ、上記得られた(Y−2)199.3g(1.0mol)をTHF100mLに溶解させた溶液を添加した。次に、上記スキームにおけるR及びRが共に水素原子である出発物質(x):エチル(2−ブロモメチル)アクリレート231.7g(1.2mol)をTHF100mLに溶解させた溶液を25℃で滴下漏斗に加え滴下を開始した。3分滴下後、反応液の温度が、40℃まで上昇したため、水浴により反応器を冷却した。続いて反応温度が、30℃〜40℃の範囲を保つように滴下を行った。滴下終了まで2時間を要した。その後30分攪拌した。ガスクロマトグラフィーにより反応終了を確認した後、25℃まで反応液を冷却した。続いて飽和塩化アンモニウム水溶液1Lを加えて混合し、そのまま1時間攪拌し反応を停止した。生じた塩と反応に使われなかった過剰の亜鉛をセライト濾過にて除去し、得られた溶液をエバポレーターを用いて濃縮した。この濃縮液に酢酸エチル、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を攪拌しながら加えたところ、白色沈殿が生じた。そこで、白色沈殿をろ過により除去した後、分液漏斗にて、有機層を分取した。得られた有機層を乾燥後減圧濃縮して固体を得た。この固体を酢酸エチルを溶媒として再結晶し、透明液体として下記式(Y−3)で表される化合物254g(収率95.4%、純度98%)を得た。
Figure 0005790529
1Lの反応器に、上記得られた化合物(Y−3)200g(751mmol)を添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、濃塩酸1.0gをメタノール200mLで希釈した塩酸−メタノール溶液を加え、20〜25℃で30分間撹拌した。ガスクロマトグラフィーで原料消失を確認後、炭酸水素ナトリウム粉末を徐々に加え、溶液のpHが7になるまで中和した。中和に伴って析出してきた塩をろ過した後、酢酸エチル500mLを加え、エバポレーターで溶液を除去し、生成物を濃縮する。この濃縮操作を2回繰り返した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、下記式(Y−4)で表される化合物117g(収率85.5%、純度99%)を得た。
Figure 0005790529
500mLの反応器に、上記で得られた化合物(Y−4)40.0g(220mmol)とメタノール250gを仕込み、マグネチックスターラーで攪拌しながら氷浴にて0℃に冷却した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム10.8g(285mmol)を固体のまま30分かけて少量ずつ添加した。0℃で1時間、室温で3時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。これをジクロロメタンで抽出し、水洗を行い無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記式(Y−5)で表される化合物を透明液体として29.4g(収率72.8%、純度98%)得た。
Figure 0005790529
500mLの反応器に、上記得られた化合物(Y−5)29.4g(160mmol)、トリエチルアミン24.2g(240mmol)、ジメチルアミノピリジン0.39g(3.19mmol)及びジクロロメタン200gを添加し、マグネチックスターラーで攪拌しながら氷浴にて0℃に冷却した。そこに、メタクリル酸クロライド17.5g(168mmol)をジクロロメタン100gに溶解させた溶液を15分かけて滴下した。0℃で1時間、室温で5時間攪拌した後、水を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出した後、水洗を行い無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。カラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記式(M−1)で表される化合物を無色固体として24.2g(収率60.1%、純度99%)合成した。
Figure 0005790529
[実施例2]化合物(M−2)の合成
実施例1において、出発物質(x):エチル(2−ブロモメチル)アクリレートの代わりに、上記スキームにおけるRがメチル基であり、かつRが水素原子である出発物質(x):エチル(2−ブロモメチル−3−メチル)アクリレートを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、下記式(M−2)で表される化合物を合成した。
Figure 0005790529
[実施例3]化合物(M−3)の合成
実施例1において、出発物質(x):エチル(2−ブロモメチル)アクリレートの代わりに、上記スキームにおけるR及びRが共にメチル基である出発物質(x):エチル(2−ブロモメチル−3,3−ジメチル)アクリレートを用いた以外は、実施例1と同様に操作して、下記式(M−3)で表される化合物を合成した。
Figure 0005790529
<重合体の合成>
[A]重合体、[E]フッ素原子含有重合体及び合成例1〜2の重合体の合成に用いた各単量体を下記に示す。なお、化合物(M−1)〜(M−3)は構造単位(I)を、化合物(M−4)は構造単位(II)を、化合物(M−5)は構造単位(III)を、化合物(M−6)は構造単位(IV)を、化合物(M−7)はその他の構造単位をそれぞれ与える。
Figure 0005790529
[[A]重合体の合成]
[実施例4]
化合物(M−1)11.61g(50モル%)及び化合物(M−4)8.39g(50モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、更に、重合開始剤としてのAIBN0.81g(5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(14.4g、収率72%)。重合体(A−1)のMwは7,000であり、Mw/Mnは1.53であった。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)の含有割合及び構造単位(II)の含有割合は、それぞれ51.1モル%及び48.9モル%であった。また、この重合体(A−1)における低分子量成分の含有量は0.05質量%であった。
[実施例5及び6並びに合成例1及び2]
表1に示す種類及び量の単量体を用いた以外は実施例4と同様に操作して、各重合体を合成した。合成した各重合体の収率(%)、低分子量成分の含有量(質量%)、Mw及びMw/Mnを表1に合わせて示す。なお、「−」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す。
Figure 0005790529
[[E]フッ素原子含有重合体の合成]
化合物(M−4)79.9g(70モル%)及び化合物(M−6)20.91g(30モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを投入した単量体溶液を調製した。100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液とした(収率60%)。得られた重合体(E−1)は、Mwが7,200であり、Mw/Mnが2.00であった。13C−NMR分析の結果、重合体(E−1)における構造単位(II)の含有割合及び構造単位(IV)の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。また、この重合体(E−1)における低分子量成分の含有量は0.07質量%であった。
<フォトレジスト組成物の調製>
各フォトレジスト組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
<[B]酸発生剤>
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イル)−1,1−ジフルオロエタン−1−スルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
Figure 0005790529
<[C]溶媒>
C−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
C−2:シクロヘキサノン
<[D]酸拡散制御剤>
D−1:トリフェニルスルホニウム10−カンファ−スルホネート(下記式(D−1)で表される化合物)
Figure 0005790529
<[F]偏在化促進剤>
F−1:γ−ブチロラクトン
[実施例7]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]溶媒としての(C−1)2,240質量部及び(C−2)960質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[E]フッ素原子含有重合体としての(E−1)3質量部、並びに[F]偏在化促進剤としてのγ−ブチロラクトン30質量部を混合し、フォトレジスト組成物(J−1)を調製した。
[実施例8及び9、並びに比較例1及び2]
表2に示す種類、含有量の各成分を用いたこと以外は実施例7と同様に操作して、各フォトレジスト組成物を調製した。
<アルカリ水溶液現像によるレジストパターンの形成>
12インチシリコンウェハ表面に、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、ブルワーサイエンス製)を用いて、膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、スピンコーター(CLEAN TRACK ACT12、東京エレクトロン製)を使用して、上記調製した各フォトレジスト組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR−S610C、ニコン精機カンパニー製)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のTMAH水溶液により現像し、水で洗浄及び乾燥し、ポジ型の各レジストパターンを形成した。レジストパターンの側長には走査型電子顕微鏡(S−9380、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。上記パターン形成の際、寸法40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して線幅40nmの1対1ラインアンドスペースが形成される露光量(mJ/cm)を最適露光量とした。
<有機溶媒現像によるレジストパターンの形成>
現像液を2.38質量%のTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用い、水洗工程を無くしたこと以外は、実施例7〜9並びに比較例1及び2と同様に操作して、ネガ型の各レジストパターンを形成した。
<評価>
上記調製した各フォトレジスト組成物について、上記方法に従ってレジストパターンを形成し、以下の評価を実施した。結果を表2に合わせて示す。なお、形成したレジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(S−9380、日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。
[LWR性能]
上記形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用いパターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど良好であることを示す。このとき、比較例とのLWR性能を比べた際に、10%以上のLWR性能向上が見られたもの(LWR(nm)値が90%以下であったもの)を「A」、10%未満のLWR性能向上であったもの(LWR(nm)値が90%を超えたもの)を「B」と評価した。
[解像性]
上記最適露光量において解像される最小のレジストパターンの寸法を解像性(nm)とした。解像性は、その値が小さいほど良好であることを示す。このとき、比較例との解像性を比べた際に、10%以上の解像性向上が見られたもの(解像性(nm)値が90%以下であったもの)を「A」、10%未満の解像性向上であったもの(解像性(nm)値が90%を超えたもの)を「B」と評価した。
Figure 0005790529
表2の結果から明らかなように、本発明のフォトレジスト組成物は、比較例のものと比べ、有機溶媒現像の場合、アルカリ水溶液現像の場合ともにLWR性能及び解像性に優れることが分かった。
本発明のフォトレジスト組成物は、LWR性能及び解像性を向上させることができる。従って、当該フォトレジスト組成物は、更なる微細化が求められるリソグラフィー工程において好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. [A]下記式(1)で表される構造単位(I)を有する重合体、及び
    [B]酸発生体
    を含有するフォトレジスト組成物。
    Figure 0005790529
    (式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基又はOR基である。Rは、炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20のフッ素化炭化水素基である。但し、R及びRのうち少なくとも1つは、炭素数1〜20の炭化水素基である。a及びbは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。cは、2又は3である。但し、a、b又はcが2以上の場合、複数のR〜Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  2. [A]重合体が、酸解離性基を含む構造単位(II)をさらに有する請求項1に記載のフォトレジスト組成物。
  3. 有機溶媒現像用である請求項1又は請求項2に記載のフォトレジスト組成物。
  4. アルカリ水溶液現像用である請求項1又は請求項2に記載のフォトレジスト組成物。
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