JP2015052231A - 太陽電池モジュールの設置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの屋根下地上への設置が容易であり、防水性及び排水性を有するとともに設置コストが安い太陽電池モジュールの設置構造を提供する。【解決手段】屋根下地202上であって屋根の軒棟方向に架台4を複数本平行に設置し、太陽電池モジュール5の短辺の縁部9a及び長辺の縁部に縦フレーム部の支持部及び横フレーム部の支持部を固定して太陽電池モジュール体61を形成したのち、隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63の係止用突部に太陽電池モジュール体61の縦フレーム部の係止部を係止させる。それと同時に、フレーム支持部63のフランジ部に縦フレーム部の脚部10を支持させて、架台4に太陽電池モジュール体61を設置する。【選択図】図12

Description

本発明は、太陽電池モジュールの設置構造、詳しくは屋根への太陽電池モジュールの施工が容易な設置構造に関する。
近年、地球環境に配慮したクリーンエネルギーである太陽光を利用して発電を行い、二酸化炭素(CO)の排出量を減らそうとするエコの意識が世の中で高まっている。そのため、自宅の屋根に太陽光で発電する太陽電池モジュールを設置し、調理・給湯・空調などのシステムをすべて電気でまかなう家庭も年々増加している。
従来の自宅の屋根に太陽電池モジュールを設置する構造としては、屋根材の上に固定された架台等の取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置するいわゆる屋根置き型の設置構造や、屋根材であるベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する構造等が存在する。
特開2007−224538号公報 特開2006−328887号公報 特開平09−186354号公報
しかし、屋根材の上に固定された取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置する従来の設置構造は、まず始めに屋根材の上に架台等の多くの取付金具をネジ等により固定しなければならないため、太陽電池モジュールの取付作業に多くの時間を必要としていた。また、上記方法は屋根材にネジ孔を開けるため、そのネジ孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因となっていた。また、架台等の取付金具と太陽電池モジュールの重さによって屋根材を傷め易いという欠点があるとともに、取付金具の部品数が多いためコストが高くなるという欠点もあった。
一方、太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する従来の設置構造は、まず始めにベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールを取付けて太陽電池モジュール一体型屋根材を作成する必要があり、太陽電池モジュール一体型屋根材を設置する前段階の作業が煩雑であるため、多くの時間を要していた。
また、太陽電池モジュール一体型屋根材は、屋根材に孔を開けてその孔に太陽電池パネルから伸びる出力ケーブル等を通し、屋根材の裏面側で他の屋根材の太陽電池パネルと電気的に接続する構造であるため、太陽電池モジュール一体型屋根材の作成に手間がかかるとともに、屋根材に開けた孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因ともなっていた。
更に、屋根材の平均寿命が太陽電池モジュールの平均寿命よりもかなり短いため、屋根材だけの交換が必要となる場合があるが、その場合であっても太陽電池モジュール一体型屋根材の全体を交換しなければならず、費用が割高になってしまうという欠点もある。
そこで本発明は、上記のような従来の欠点を解消するものであり、太陽電池モジュールの設置が容易であり、防水性及び排水性を有するとともに、コストが安い太陽電池モジュールの設置構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、縦フレーム部と横フレーム部と架台とからなる屋根下地上に太陽電池モジュールを設置するための太陽電池モジュールの設置構造であって、前記縦フレーム部は係止部と支持部とを有し、前記横フレーム部は支持部を有し、前記架台は土台部と該土台部に立設されたフレーム支持部とを有し、前記太陽電池モジュールの短辺及び長辺の縁部が前記縦フレーム部の前記支持部及び前記横フレーム部の前記支持部に支持されるとともに固定されて太陽電池モジュール体が形成され、前記屋根下地上の軒棟方向に複数本の前記架台が互いに平行に設置され、前記太陽電池モジュール体の前記縦フレーム部の前記係止部が前記架台の前記フレーム支持部の係止用突部と係止することで、設置された複数本の前記架台の間に前記太陽電池モジュール体が設置されていることを特徴とする。また、請求項2に係る発明は、前記縦フレーム部は脚部を有し、該脚部が前記架台の前記フレーム支持部が有するフランジ部に支持されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記太陽電池モジュールの設置構造の周囲が雨水の浸入を防止する部材等によって覆われ、全体が防水性を有することを特徴とする。また、請求項4に係る発明は、屋根の軒先部に軒先部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項5に係る発明は、屋根の棟部に棟部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項6に係る発明は、屋根の袖部にケラバ部材が設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部と下辺フレーム部のいずれか一方が突出部を有し、他方が該突出部と嵌合可能な凹部を有することを特徴とする。また、請求項8に係る発明は、前記架台は、前記土台部の幅方向の両端付近に、前記架台の全長に亘って延びる仕切り部を有することを特徴とする。また、請求項9に係る発明は、前記上辺フレーム部または前記下辺フレーム部のいずれか一方が雨樋部を有することを特徴とする。また、請求項10に係る発明は、前記縦フレーム部及び前記横フレーム部の前記支持部は、該支持部の支持溝内に突出する膨出部を有することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、前記架台の前記係止用突部の上面と、該上面と係止する前記縦フレーム部の前記係止部の底面とのいずれか一方または両方が突起部を有することを特徴とする。また、請求項12に係る発明は、前記架台の底板部の裏面に波状面を有することを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、前記上辺フレーム部及び前記下辺フレーム部は底板部を有し、いずれか一方の前記底板部が段部を有することを特徴とする。また、請求項14に係る発明は、前記架台の前記フランジ部はその上面に係止片を有することを特徴とする。また、請求項15に係る発明は、前記上辺フレーム部または前記下辺フレーム部のいずれか一方が有する前記突出部の先端部が断面略半円状または断面略三角形状であることを特徴とする。
また、請求項16に係る発明は、前記上辺フレーム部の上面または前記下辺フレーム部の上面に雪止め部を有することを特徴とする。
上記より、請求項1及び請求項2に係る発明によれば、屋根上に太陽電池モジュールを容易にそして安定的に設置することができるとともに、作業者の屋根上での作業時間を短縮できるため、作業者の安全を確保することができる。また、意匠性の高い太陽電池モジュールの設置構造を提供することができる。
また、請求項3ないし請求項12に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置構造全体が高い防水性及び排水性を有するため屋根下地上に屋根材を葺く必要がなくなり、新築住宅等への太陽電池モジュールの設置コストを削減することができるとともに、屋根下地上への重量の負担を軽減することができる。また、屋根下地上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮でき、作業者の安全性を確保することができる。
また、請求項13ないし請求項15に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置作業が容易になり作業時間を短縮できるとともに、架台からの太陽電池モジュールの脱落を防ぎ、安全に設置作業を行うことが可能となる。
また、請求項16に係る発明によれば、太陽電池モジュールの上に積もった雪が一気に滑り落ちずに雪止め部で堰き止められるため、不意な落雪による事故を防止することができるとともに、太陽電池モジュールの設置構造内への雪解け水の浸入を防止することができる。
本発明に係る設置構造に使用する太陽電池モジュール体の斜視図である。 図1のA−A線矢印方向から見た一部断面斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する縦フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する下辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と上辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する架台の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する軒先部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する棟部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用するケラバ部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造を軒側から見た設置状態断面図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す断面図である。 本発明に係る設置構造の軒先部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の棟部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の袖部付近を軒側から見た断面図である。 本発明に係る設置構造の斜視図である。
以下、本発明を図1から図17に従って説明する。尚、以下では本発明に係る実施態様を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る太陽電池モジュールの設置構造(以下「設置構造」という。)1は、屋根201の屋根下地202上に縦フレーム部2、横フレーム部3及び架台4を介して太陽電池モジュールモジュール(以下「PVモジュール」という。)5を設置する構造である。
図1等に示すPVモジュール5は、一般に使用されている単結晶シリコン系のPVモジュールや多結晶シリコン系のPVモジュール5である。このPVモジュール5は、縦方向の一対の短辺及び横方向の一対の長辺を有する平面視略長方形状であって、薄板状に形成されたものである。そして、表面側6には太陽電池セルが配置され、裏面側8には電極ボックスが配置されるとともに、そこから他のPVモジュール5と電気的に接続するための端子ケーブルが伸びている(図示せず)。
縦フレーム部2は、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの二つからなる。この左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bは、PVモジュール5の左側の短辺及び右側の短辺の縁部9aを覆う部材である。
図3に示す2aは左辺レーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の短辺よりもやや長く形成されている。また、左辺フレーム部2aは、上下方向に延びる脚部10を有するとともに、その上方には係止部11及び支持部12が設けられている。
脚部10は左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。そして、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、脚部10の下端部13には断面半円形状の曲面が形成されている。また、脚部10の長手方向の両端付近には、横フレーム部4と連結するためのネジ孔14が二つずつ形成されている。
尚、脚部10の長手方向の両端付近には支持部12が設けられていない。そのため、このネジ孔14を介して左辺フレーム部2aに後述する横フレーム部3である上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3bをネジ30aで固定し連結することができる。
係止部11は、脚部10の上方であって左辺フレーム部2aの幅方向Bの左側B1に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。また、係止部11は脚部10の上端部に設けられた上段係止部11aと、そのすぐ下部に設けられた下段係止部11bからなる。これら上段係止部11a及び下段係止部11bは、左辺フレーム部2aを架台4に係止させるための部材であり、脚部10に対して直角に設けられている。
また、上段係止部11aの方が下段係止部11bよりも幅方向Bの左側B1方向に長く形成されている。そして、上段係止部11aの先端部15aには平面が形成されており、下段係止部11bの先端部15bには断面略半円形状の曲面が形成されている。
そして、下段係止部11bの底面16bには、架台4に左辺フレーム部2aを設置した際に、架台4と左辺フレーム部2aの間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部19が左辺フレーム部2aの全長に亘って二本設けられている。また、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部19は断面略半円状に形成されている。尚、突起部19の本数は一本でも三本以上でもよいが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部19を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部19が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際の労力が軽減される。
一方、支持部12は脚部10の上方であって幅方向Bの右側B2に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、支持部12は脚部10の上端に設けられた上方支持部12aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部12bからなる。
そして、これらの上方支持部12aと下方支持部12bは脚部10に対して直角でほぼ等しい長さに設けられ、上方支持部12aと下方支持部12bとの間にはPVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝20が形成されている。
この支持溝20にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入することにより、PVモジュール5の短辺の縁部9aに左辺フレーム部2aを固定することができる。尚、支持溝20にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝20内への雨水の浸入を防止することができる。
また、脚部10と上方支持部12aが形成する隅部には、支持溝20内に突出する断面略長方形状の膨出部22が支持溝20内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21を流し込んだ支持溝20の奥までPVモジュール5の短辺の縁部9aを挿入したときに、PVモジュール5の縁部9aによって余分な接着剤21が膨出部22と下方支持部12bの間の隙間23に押し込まれる。そして、その余分な接着剤21はその隙間23を通って支持溝20内の接着剤21の足りない場所に流れ込むため、接着剤21を支持溝20内に均等に行き渡らせることができるとともに、支持溝20内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、支持溝20内に膨出部22が形成されているため、支持溝20内にPVモジュール5の短辺の縁部9aを膨出部22に当接するまで挿入しても、図12に示すように、PVモジュール5の表面側6の縁部9a付近が膨出部22に当接するだけであって、裏面側8の縁部9a付近はシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、左辺フレーム部2aに接触することがない。
そのため、PVモジュール5の裏面側8の縁部9a付近に配置されPVモジュール5を形成するPVセル同士を結合しているタブリボンやハンダ部分が、金属製の縦フレーム部2aと接触することがないため、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、PVモジュール5の右側の短辺の縁部9aを挿入するための右辺フレーム部2bは、図3に示す左辺フレーム部2aと左右対称の構造となっている。そのため、以下では右辺フレーム部2aの部位の名称及び符号については、左辺フレーム部2aの対応する部位の名称及び符号と同一のものを使用する。尚、右辺フレーム部2bの材質も左辺フレーム部2aと同様に鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
横フレーム部3には上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bがあり、その上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bは、PVモジュール5の上側及び下側の長辺の縁部9bを覆う部材である。
図4に示す3aは上辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この上辺フレーム部3aの下部には、上辺フレーム部3aの幅方向Cに延びる底板部25が全長に亘って設けられている。そして、その底板部25の真ん中から幅方向Cのやや右側C2寄りの位置において垂直に延びる起立部26が全長に亘って設けられている。
そして、その起立部26の中段及び下端であってその左側C1には、上辺フレーム部3aの幅方向Cの左側C1に開口する断面略C字状のタッピングホール28がネジ受けとして設けられている。これにより、上辺フレーム部3aの両端面29に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部25の幅方向Cの右側C2には断面略逆L字状の段部31が設けられており、底板部25の厚さ分だけ一段高くなっている。そのため、その段部31の下方には隙間32が形成されている。尚、上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近には、段部31の平面部31aが設けられていない。これは、後述する雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水を架台4の排水部71へ導く際に、雨水の流れを遮らないためである。
また、段部31の平面部31aには、上辺フレーム部3aをネジ30b等により固定するための切欠き部33が二カ所設けられている。この切欠き部33は、平面部31aの先端部31bに向かって開口しU字状に形成されている。尚、本実施例では切欠き部33は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部33を設けることで、この切欠き部33を介して上辺フレーム部3aを屋根201の屋根下地202上に設置された補助桟木203に固定することができる。また、上辺フレーム部3aを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで上辺フレーム部3aを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部26の上方であってその左側C1には、支持部34が上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。また、支持部34は起立部26の上端部に設けられた上方支持部34aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部34bからなる。そして、これらの上方支持部34aと下方支持部34bは底板部25に対して水平に設けられ、その上方支持部34aと下方支持部34bとの間にはPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝35が形成されている。
この上辺フレーム部3aの支持溝35にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に上辺フレーム部3aを固定することができる。尚、支持溝35にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝35内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部26と上方支持部34aが形成する隅部には、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と同様の、支持溝35内に突出する断面略長方形状の膨出部36が支持溝35内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21が流し込まれた支持溝35内の奥までPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2の場合と同様に、膨出部36と下方支持部34bとの間の隙間37によって接着剤21を支持溝35内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝35内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が上辺フレーム部3aと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
起立部26の中段やや下方であってその右側C2には、断面略くの字状の雨樋部38が設けられている。この雨樋部38は、段部31と同じ側であって上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、雨樋部38は、くの字状に折り曲げられているため、その内側に雨水を貯めたり、その貯めた水を雨樋部38の両端から排出することができる。
起立部26の上方であってその右側C2には、突出部であるリブ39が設けられている。このリブ39は底板部25に対し水平に設けられているとともに、上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。
そして、このリブ39は、後述する下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された凹部である挿入溝56に挿入して嵌合させるための部材であるが、その挿入溝56に挿入しやすくして上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの嵌合作業を容易にするため、先端部には断面略半円状の曲面40が形成されている。尚、リブ39の先端部の形状は、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入しやすい形状であればよく、断面略三角形状に尖らせた形状であってもよい。
また、リブの上面41の付け根部付近には傾斜面42が設けられている。この傾斜面42は、リブ39の先端部へ向かって下降傾斜するように形成されており、後述する棟部材115や下辺フレーム部3bと隙間なく連結させるために設けられている。
一方、図5に示す3bは下辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この下辺フレーム部3bの下部には、下辺フレーム部3bの幅方向Dに延びる底板部44が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。そして、その底板部44のほぼ真ん中において垂直に延びる起立部45が底板部44の全長に亘って設けられている。
そして、その起立部45の中段及び下端であってその左側D1には、下辺フレーム部3bの幅方向Dの左側D1に開口する断面略C字状のタッピングホール46がネジ受けとして設けられている。これにより、下辺フレーム部3bの両端面48に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部44において、起立部45の右側D2の部分であって長手方向の両端付近には底板部44が設けられていない。これは、後述するように上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとを連結させた際に、雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水の流れを遮らずに架台4の排水部71へ導くためである。
また、底板部44の幅方向Dの右側D2には、下辺フレーム部3bをネジ30b等により固定するための切欠き部49が二カ所設けられている。この切欠き部49は、底板部44の幅方向Dの右側D2の先端部50に向かって開口しU字状に形成されている。なお、本実施例では切欠き部49は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部49を設けることで、この切欠き部49を介して下辺フレーム部3bを屋根201の屋根下地202上に設けられた補助桟木203に固定することができる。また、下辺フレーム部3bを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで下辺フレーム部3bを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部45の上方であってその左側D1には、支持部51が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、支持部51は起立部45の上端部に設けられた上方支持部51aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部51bからなる。そして、これらの上方支持部51aと下方支持部51bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方支持部51aと下方支持部51bとの間にはPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝52が形成されている。
この下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に下辺フレーム部3bを固定することができる。尚、支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝52内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部45と上方支持部51aが形成する隅部には、縦フレーム部2及び上辺フレーム部3aと同様の、支持溝52内に突出する断面略長方形状の膨出部53が支持溝52内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着材21を流し込んだ支持溝52内の奥までPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2や上辺フレーム部3aの場合と同様に、膨出部53と下方支持部51bとの間の隙間54によって接着剤21を支持溝52内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝52内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が下辺フレーム部3bと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、起立部45の上方において、支持溝52が開口する起立部45の左側D1とは反対の右側D2に開口する挟持部55が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、挟持部55は起立部45の上端部に設けられた上方挟持部55aと、そのすぐ下部に設けられた下方挟持部55bからなる。そして、これらの上方挟持部55aと下方挟持部55bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方挟持部55aと下方挟持部55bとの間には、凹部である断面略コの字状の挿入溝56が形成されている。この挿入溝56には、上辺フレーム部3aのリブ39が挿入可能であり嵌合させることができる。
また、上方挟持部55aの先端部には、先端部に向かって上昇傾斜する傾斜面58が設けられている。この傾斜面58は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。そのため、傾斜面42と傾斜面58とを隙間なく接触させることができる。
尚、本実施例では上辺フレーム部3aにリブ39が設けられ下辺フレーム部3bに挟持部55が設けられているが、上辺フレーム部3aに挟持部55が設けられ下辺フレーム部3bにリブ39が設けられていてもよい。
また、下辺フレーム部3bの上面59には、横長略長方形状の雪止め部60が起立部45に沿って二カ所に設けられている。この雪止め部60により、PVモジュール5の表面側6に積もった雪が一気に滑り落ちずに堰き止められるため、屋根201からの不意な落雪による事故を防止することができる。
上記構造により、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bが連結可能となっている。具体的には、図13に示すように、下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56に上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、上辺フレーム部3aの底板部25の段部31に形成された隙間32に下辺フレーム部3bの底板部44を挿入して係止させる。
また、挿入溝56の奥までリブ39を挿入して、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42を当接させることで、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間に隙間が生じないように密着させながら連結する事ができる。
これにより、降雨時であっても上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができる。尚、挿入溝56の幅をリブ39の厚さとほぼ同じにして隙間をなくすことで、雨水が浸入するのを更に防止することができる。
また、仮に下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は雨樋部38に確実に流れ落ち、雨樋部38の両端から後述する架台4の排水部71に確実に流れ落ちるため、浸入した雨水を設置構造1の外に排水することが可能となっている。
尚、本実施例においては上辺フレーム部3aの底板部25に段部31が設けられているが、下辺フレーム部3bの底板部44に段部31が設けられていてもよい。また、雨樋部38が上辺フレーム部3aの起立部26に設けられているが、下辺フレーム部3bの起立部45に設けられていてもよい。
また、本実施例では雪止め部60は下辺フレーム部3bの上面59に設けられているが、上辺フレーム部3aの上面43に設けられていてもよい。但し、上辺フレーム部3aの上面43に設けられている場合には、雪止め部60に堰き止められて溜まった雪や雨水が上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から浸入する可能性もあるため、下辺フレーム部3bの上面59に設けられている方が望ましい。
上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの連結時に、図13に示すように、上辺フレーム部3aの上面43と下辺フレーム部3bの上面59とが面一になることが望ましい。面一にして段差をなくすことで、降雨時に上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59に雨水が吹き寄せられて溜まる事がないため、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記構造により、縦フレーム部2と横フレーム部3の連結が可能となっている。具体的には、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの長手方向の両端付近においては支持部12が設けられていないため、図6及び図7に示すように、脚部10の側面17に上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48を当接させることができる。そして、ネジ孔14にネジ30aを挿入して上辺フレーム部3aのタッピングホール28及び下辺フレーム部3bのタッピングホール46に螺合することで、縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することができる。
このとき、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の側面17、上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48はそれぞれ平面であるため、ぴったりと密着して隙間が無い状態となる。また、図13に示すように、左辺フレーム部2a(右辺フレーム部2b)の支持部12の長手方向の両端面と、上辺フレーム部3aの支持部34の先端部または下辺フレーム部2bの支持部51の先端部は接した状態となる。そのため、縦フレーム部2と横フレーム部3の間からの雨水の浸入を防止することができる。
また、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と横フレーム部3(上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3b)の連結時に、縦フレーム部2の上面24、上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59がほぼ同じ高さとなることが望ましい。
ほぼ同じ高さにして段差をなるべくなくすことで、降雨時に雨水が吹き寄せられて溜まりにくくなるため、縦フレーム部2と横フレーム部3との間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記のようにPVモジュール5の四辺の縁部9に縦フレーム部2及び横フレーム部3をシリコン等の接着剤21で固定するとともに、縦フレーム部2及び横フレーム部3をネジ30aにより連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成することができる。
尚、本実施例においては、縦フレーム部2及び横フレーム部3は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図8に示す4は、PVモジュール体61を支えるための架台である。架台4は、土台部62とフレーム支持部63からなり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の長尺の部材である。
土台部62を形成する底板部64は、架台4の幅方向Eに延びるとともに全長に亘って設けられている。そして、その底板部64の幅方向Eの両端には、両端面65に向かって下降傾斜する傾斜面66が全長に亘って設けられている。また、この傾斜面66には、架台4を屋根201の屋根下地202上に固定するためのネジ孔68が架台4の長手方向Fに沿って複数箇所に設けられている。
尚、このネジ孔68は傾斜面66に対して直角に設けられているため、図12に示すように、架台4を屋根下地202上へ固定するときにネジ孔68にネジ30c等を挿入しやすく、ネジ30c等の締め付け作業も容易になっている。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置には、フレーム支持部63側の斜め上方に開口する断面略C字状のタッピングホール72が架台4の全長に亘って設けられている。これにより、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピン(図示せず)を挿入することで架台4を連続的につなぐことができ、長さの長い架台4が必要な場合にも対応することができる。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置であって傾斜面66の上部において、底板部64に対して約60度の角度で底板部64の幅方向Eの両端に向かって上昇傾斜する仕切り部69が底板部64の全長に亘って設けられている。この仕切り部69と底板部64と後述するフレーム支持部63の起立部70とによって排水部71が形成され、流れ込んできた雨水を本発明に係る設置構造1の外に排出する役割を果たす。尚、この仕切り部69は、架台4の中段ぐらいの高さまで延設されているため、より多くの雨水を排出することが可能となっている。
尚、図8に示す底板部64の裏面73は平面であるが、底板部64の長手方向Fに連続する波状の凹凸をその裏面73の全体に亘って施してもよい。裏面73を波状とすることで、毛細管現象により底板部64の裏面73と屋根下地202との間に雨水が浸入するのを防止することができる。
フレーム支持部63は起立部70と係止用突部74とフランジ部75とからなる。具体的には、底板部64の中央において底板部64に対し垂直に延びる起立部70が底板部64の全長に亘って設けられている。そして、その起立部70の上端部には上段係止用突部74aが、その上段係止用突部74aのすぐ下部には下段係止用突部74bが、起立部70の中段やや下方にはフランジ部75がそれぞれ底板部64に対し水平に設けられるとともに、起立部70の全長に亘って設けられている。
また、上段係止用突部74a、下段係止用突部74b及びフランジ部75は、起立部70から左右に均等な幅で幅方向Eに突出するように設けられている。そして、フランジ部75の幅は上段係止用突部74a及び下段係止用突部74bの幅よりも広く形成されている。
左右の両上段係止用突部74aの上面76aには、架台4に縦フレーム部2を設置した際に、架台4と縦フレーム部2の間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部78が上段係止用突部74aの全長に亘って二本ずつ設けられている。また、架台4に縦フレーム部2を設置する際に縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部78は断面略半円状に形成されている。尚、突起部78の本数は一本でも三本以上でも良いが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部78を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部78が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に縦フレーム部2(PVモジュール体61)を設置する際の労力が軽減される。
また、左右の両フランジ部75の上面79であってその幅方向Eの端部には、上方へ突出する係止片80がフランジ部75の全長に亘って設けられている。
上記のような構成とすることで、架台4のフレーム支持部63に縦フレーム部2を支持させて、PVモジュール体61を設置することが可能となる。具体的には、図12に示すように、PVモジュール体61の縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13を架台4のフランジ部75の上面79に当接させる。
それと同時に、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの上段係止部11aの底面16aと架台4の上段係止用突部74aの上面76aとを対峙させて係止させつつ、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとを対峙させて係止させる。これにより、架台4のフレーム支持部63の三カ所で縦フレーム部2を支持させることができるため、PVモジュール体61を安定的に設置することができる。
また、縦フレーム部2とフレーム支持部63は、上記のように三カ所で接しているため、安定した状態でPVモジュール体61の縦フレーム部2を架台4のフレーム支持部63上の所望の位置までスライドさせて設置することができる。
また、上記のように架台4にPVモジュール体61を設置する際に、PVモジュール体61が屋根201の桁行方向Gにずれそうな場合であっても、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の係止片80に衝突するため、PVモジュール体61が架台4から脱落するのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
尚、架台4の左右両側にPVモジュール体61を支持させたときに、図12に示すように、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの互いの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの平面同士が隙間なく当接して、左辺フレーム部2aの上面24と右辺フレーム部2bの上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、降雨時における設置構造1内への雨水の浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上面24に溜まるのを防止することができる。
また、架台4の上段係止用突部74aと下段係止用突部74bの間に形成された隙間81に、PVモジュール体61の縦フレーム部2の下段係止部11bを挿入した状態とすることで、PVモジュール体61の上下方向への移動が上段係止用突部74aと下段係止用突部74bによって抑制されるため、PVモジュール体61を架台4に設置する際にPVモジュール体61が強風により吹きあがるのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
また、突起部19は、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bではなく、その底面16bと対峙する架台4の下段係止用突部74bの上面76bに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。また、突起部78は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aではなく、その上面76aと対峙する縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。尚、上記のように対峙する両面に突起部をそれぞれ設ける場合には、縦フレーム部2を架台4に設置したときにそれぞれの突起部同士が衝突しない位置に設ける必要がある。
また、架台4の上段係止用突部74aの先端部82a及び下段係止用突部74bの先端部82bには曲面が形成されている。更に、縦フレーム部2の下段係止部11bの先端部15bにも曲面が形成されている。これらの曲面により、架台4に縦フレーム部2をスムーズに設置することができるとともに、架台4や縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止することができる。
架台4のフランジ部75の上面79の高さは、底板部64の上面83よりも20mm以上高いことが望ましい。上記の高さとすることで、架台4にPVモジュール体61を設置した後であっても、底板部64の上面83付近や屋根下地202付近の通気性を確保できるため、屋根下地202の野地板204の腐食の原因となる湿気や、PVモジュール5の発電効率を低下させる熱気が滞留するのを防止することができる。
また、仕切り部69の高さは、架台4の排水部71に多くの雨水が流れ込んだ場合であってもその雨水を設置構造1の外に排出できるように、なるべく高く形成されていることが望ましいが、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、仕切り部69が上辺フレーム部3aの底板部25及び下辺フレーム部3bの底板部44に接触しないような高さとする必要がある。
尚、架台4の長さは数メートルあり、どこで切断しても同じ断面となるように形成されているため、現場で必要な長さに切断して使用することが可能である。
上記のように仕切り部69が設けられているため、図12に示すように、架台4にPVモジュール体61を設置した後、当接する左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水を設置構造1の外へ排出することができる。
具体的には、先端部15a,15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aとの間に形成された隙間84aに流れ込む。このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78が縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84aを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84aに流れ込んだ場合には、雨水は架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、左右の上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の下段係止部11bの上面18に流れ落ち、更には縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84bに流れ込む。
このとき、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた二本の突起部19が架台4の下段係止用突部74bの上面76bと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の更なる内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18または隙間84bを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84bに流れ込んだ場合には、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた突起部19をくぐり抜け、下段係止用突部74bの先端部82bから架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちる。
このとき、縦フレーム部2の脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の上面79と当接しているため、雨水の設置構造1の更なる内部への浸入が防止される。そのため、雨水はフランジ部75の上面79を通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水は縦フレーム部2の脚部10の下端部13をくぐり抜け、フランジ部75の係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ちる。そして、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
尚、本実施例においては、架台4は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図9に示す101は軒先部材である。この軒先部材101は、屋根201の軒先部205に沿って設置する長さの長い部材であり、PVモジュール体61の上を流れ落ちてきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部へ浸入するのを防止するとともに、その雨水を軒下へ流れ落とすためのものである。また、この軒先部材101は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
軒先部材101は、先端部104に向かって下降傾斜するルーフ部102と、そのルーフ部102の途中からルーフ部102と同じ側に下降傾斜する傾斜部103と、ルーフ部102及び傾斜部103と交わる底面部105を有し、これら3つの部材によって断面略扇状の筒状体に形成されている。そして、軒先部材101の長さは、横フレーム部3よりもやや長く形成されている。
また、ルーフ部102は、屋根下地202上に設置されたPVモジュール体61上を流れ落ちてきた雨水を軒下へ確実に流れ落とすため、その先端部104が底面部105よりも下方へ突出して延設されている。
そして、ルーフ部102と底面部105とが交わって形成される鋭角の隅部には、筒状体の内側に開口するタッピングホール106が軒先部材101の全長に亘って設けられている。そのため、軒先部材101を軒先部205に一直線に並べてそれぞれのタッピングホール106に一本の細長い円柱状のピン108を挿入することで、軒先部材101を屋根201の桁行方向Gにつなぐことができる。
また、底面部105は傾斜部103と交わる位置よりも突出する突出部105aを有する。そのため、図14に示すように、階段状の係止具109をネジ110a等により補助桟木203に固定することによって係止具109が形成する隙間に、底面部105の突出部105aを挿入することで、軒先部材101を補助桟木203に固定することができる。
尚、軒先部材101の筒状体の内部には、ルーフ部102の途中から傾斜部103と底面部105が交わる鈍角の隅部にかけて、軒先部材101の強度を保つための補強部111が設けられている。
ルーフ部102の上端部112には、軒先部材101の長手方向Hに沿って挿入部113が延設されている。この挿入部113の両端は切り欠きかれ、軒先部材101の全長よりも少し短く形成されている。また、挿入部113の長さは、下辺フレーム部3bの挟持部55の長さとほぼ同じであり、挿入部113の厚さは、下辺フレーム部3bの挿入溝56の幅とほぼ同じである。
そのため、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させることにより、下辺フレーム部3bに軒先部材101を固定することができる。尚、下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、挿入部113においては、ルーフ部102の上端部112から挿入部113の上端部113aに向かって下降傾斜する傾斜面114が設けられている。この傾斜面114は、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と同じ角度で傾斜している。
そのため、図14に示すように、最も軒先部205側に設置されたPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56の奥まで軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させると、下辺フレーム部3bの傾斜面58と挿入部113の傾斜面114とが隙間なく接するようになっており、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、ルーフ部102の挿入部113を下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入して嵌合させたときに、下辺フレーム部の3bの上面59とルーフ部102の上部の上面107とが面一になるため、雨水が溜まることなく軒下へ流れ落ちる。また、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
ルーフ部102の長手方向Hの両端であってその上方の角部115には、軒先部材101を架台4の上段係止突部74aに固定するためのネジ孔116が設けられている。そのため、軒先部材101はネジ孔116を介してネジ110b等により架台4の上段係止突部74aに固定することができる。
図10に示す117は棟部材である。この棟部材117は、喚起棟206の喚起棟板213上を流れ落ちてきた雨水や喚起棟206付近に降ってきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部に浸入するのを防止するため、屋根201の棟部210に設けられた喚起棟206付近に設置される長さの長い部材である。また、この棟部材117は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
棟部材117は、長辺部118及び短辺部119を有し、その長辺部118と短辺部119が断面略L字状を形成している。そしてその長さは、PVモジュール体61の左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bのそれぞれの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間の距離とほぼ同じである。また、長辺部118の縁部118a付近には、複数のネジ孔120が棟部材117の長手方向Iに一列に設けられている。
また、棟部材117の長辺部118の縁部118aには、縁部118aに向かって上昇傾斜する傾斜面121が設けられている。この傾斜面121は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。
そのため、図15に示すように、最も棟部210側に設置されたPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆いつつ、リブ39の傾斜面42と棟部材117の傾斜面121とが接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110c等により棟部材117を上辺フレーム部3a及び縦フレーム部2に固定することができる。
上記のように固定することで、棟部材117と上辺フレーム部3aまたは縦フレーム部2との隙間を最小限にして固定することができる。そのため、棟部材117上に流れ落ちてきた雨水はPVモジュール体61上に流れ落ちるため、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、棟部材117の長辺部118の裏面122には、長辺部118に対し垂直に延びる係止部123が棟部材117の長手方向Iの両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。そのため、上記のように棟部材117を固定する際に、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させると、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と棟部材117に設けられた傾斜面121とが接するとともに棟部材117がリブ39の上面41からずれ落ちることがないため、容易に固定することができる。
図11に示す124はケラバ部材である。このケラバ部材124は、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水が設置構造1の内部に浸入するのを防止するために、屋根201の袖部208のケラバ包みに設置される長尺の部材である。また、このケラバ部材124は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
そして、ケラバ部材124は立ち上り部125を有し、階段状になっている。また、このケラバ部材124の上段部126の幅Kは、架台4の左右の上段係止用突部74aの幅kよりもやや広めに形成されている。また、ケラバ部材124の上段部126には、ケラバ部材124の長手方向Lに一列に複数のネジ孔128が設けられている。
そのため、図16に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4の上段係止用突部74aの上面76aを、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うとともに、袖部208の屋根材207の上面211をケラバ部材124の下段部132の裏面133で覆うようにして設置し、複数のネジ孔128を介してネジ110d等により架台4の上段係止用突部74aにケラバ部材124を固定することができる。
また、ケラバ部材124の上段部126の端面129は平面であるため、ケラバ部材124を架台4の袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aに固定した場合に、ケラバ部材124の上段部126の端面129と、架台4のもう一方の上段係止用突部74aと係止する縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとが隙間なく当接して、ケラバ部材124の上段部126の上面130と縦フレーム部2の上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、ケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水の設置構造1の内部への浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2の上面24及びケラバ部材124の上段部126の上面130に溜まることによる設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は架台4の下端部85から排出される。
具体的には、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84cに流れ込む。
このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78は縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aやケラバ部材124の上段部126の裏面131と接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84cを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84cに流れ込んだ場合であって、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2側に流れ落ちた雨水は、上記の雨水が隙間84aに流れ込んだ場合と同様にして架台4の下端部85から排出される。
一方、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えてケラバ部材124側に流れ落ちた雨水は、架台4の上段係止用突部74aの先端部82aからフランジ部75の上面79に流れ落ち、その上面79を通って、架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水はフランジ部75の上面に設けられた係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ち、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
ケラバ部材124の下段部132の裏面133には、断面略半円状の小さな突起部134がケラバ部材124の全長に亘って二本設けられている。また、上記のようにケラバ部材124を架台4に固定したとき、ケラバ部材124の下段部132の裏面133に設けられた突起部134は袖部208のケラバ包みを形成する屋根材207の上面211と接している。そのため、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間からの毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。
また、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部への浸入した場合であっても、上記の上段係止用突部74aの上面76aからケラバ部材124側に流れ落ちた雨水と同様に、架台4のフランジ部75の上面79や排水部71へと流れ落ち、フランジ部75の上面79や底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
次に、本発明に係る設置構造1の屋根下地202上への設置方法について説明する。屋根201には、一面に張られた野地板204の上にルーフィング等の防水シート209が敷設された屋根下地202が形成されており、その上にまず架台4を設置する。この架台4は、図17に示すように、屋根201の軒棟方向M(傾斜方向)に設置するとともに、軒先部205付近から棟部210付近にかけて設置し、底板部64のネジ孔68を介してネジ30cにより屋根下地202上に固定する。
また、架台4は屋根下地202上に等間隔かつ平行に複数本設置する。このときの架台4と架台4の距離は、横フレーム部3の長さよりもやや長めであり、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に設置する。
尚、架台4の長さが一本では足りない場合には、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピンを挿入して連続的につないで対応する。
また、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、横フレーム部3が下方にたわむのを防止するとともにPVモジュール体61を固定するための補助桟木203を屋根下地202上に設置する。具体的には、図17に示すように、架台4と架台4の間において軒先部205付近から棟部210付近にかけて補助桟木203を架台4と平行に複数本設置し、釘135等により屋根下地202上に固定する。
次に、軒先部205における補助桟木203上において、軒先部材101を設置する位置を決定し、図14に示すように、係止具109をネジ110aにより固定する。そして、係止具109が形成する隙間に軒先部材101の底面部105の突出部105aを挿入することで軒先部材101を補助桟木203に固定する。
このとき、ルーフ部102の角部115で架台4の上段係止用突部74aの上面76aを覆うように軒先部材101を設置し、角部115に形成されたネジ孔116を介してネジ110bにより軒先部材101を架台4の上段係止用突部74aにも固定する。
そして、上記作業を繰り返し行い、図17に示すように、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に複数の軒先部材101を固定するとともに、隣り合う軒先部材101のそれぞれのタッピングホール106に一本の円柱状のピン108を挿入することで、隣り合う軒先部材101同士をつなぐ。
次に、PVモジュール5を用意し、その四辺に縦フレーム部2及び横フレーム部3を固定する。具体的には、まず縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの支持溝20、横フレーム部3である上辺フレーム部3aの支持溝35、そして下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込む。
そして、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを左辺フレーム部2aの支持溝20に、右側の短辺の縁部9aを右辺フレーム部2bの支持溝20にそれぞれ挿入するとともに、上側の長辺の縁部9bを上辺フレーム部3aの支持溝35に、下側の長辺の縁部9bを下辺フレーム部3bの支持溝52にそれぞれ挿入することでPVモジュール5に固定する。そして、上記のようにネジ30aにより縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成する。尚、このPVモジュール体61は、設置するPVモジュール5の数だけ形成する。
次に、屋根下地202上の袖部208の一番近くに設置された架台4とそれと隣り合う架台4の上端部86において、図12及び図16に示すように、第一段目のPVモジュール体61(最も軒先部205側に設置されるPVモジュール体61)の縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の脚部10の下端部13を、上記隣り合う二つの架台4,4のフランジ部75の上面79にそれぞれ当接させるとともに、縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aを架台4の上段係止用突部74aの上面76aに、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bを架台4の下段係止用突部74bの上面76bにそれぞれ係止させることにより、第一段目のPVモジュール体61を上記隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に支持させる。
そして、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせ、架台4の下端部85付近まで移動させる。そして、第一段目に設置されるPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込み、図14に示すように、先に軒先部205に設置されている軒先部材101の挿入部113をその挿入溝56に挿入して嵌合させる。このとき、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と軒先部材101の挿入部113に設けられた傾斜面114が当接するまで挿入する。
そして、図13に示すように、上辺フレーム部3aの平面部31aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第一段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
次に、架台4に第二段目のPVモジュール体61を設置する。具体的には、第一段目のPVモジュール体61を設置した隣り合う二つの架台4,4の上端部86において、上記第一段目のPVモジュール体61の場合と同様にして、その隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に第二段目のPVモジュール体61を支持させるとともに、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせながら移動させる。
そして、第二段目のPVモジュール体61を第一段目のPVモジュール体61の直上まで移動させたときに、それぞれのPVモジュール5の裏面側8に設けられた端子ケーブルを接続して、第一段目のPVモジュール体5と第二段目のPVモジュール体5を電気的に接続する。
そして、図13に示すように、第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56に第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの段部31が形成する隙間32に第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの底板部44を挿入する。このとき、第一段目のPVモジュール体61を固定しているネジ30bに第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの切欠き部49を係止させて動かないように固定する。
そして、第二段目のPVモジュール体61における下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と、第一段目のPVモジュール体61における上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42が当接するまでリブ39を挿入溝56に挿入し、第一段目のPVモジュール体61と第二段目のPVモジュール体61とを連結させる。
その後、第二段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第二段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
尚、第三段目以降のPVモジュール体61を設置する場合は、上記の第二段目のPVモジュール体61を設置する場合と同様に、架台4にPVモジュール体61を設置する作業、PVモジュール5同士を電気的に接続する作業、上段に位置するPVモジュール体61と下段に位置するPVモジュール体61とを連結する作業及びPVモジュール体61を補助桟木203に固定する作業を繰り返し行う。これにより、屋根201の軒棟方向MにPVモジュール5を連続して面一に設置することができ、意匠性の高い見た目も綺麗な設置構造1とすることができる。
そして、隣り合う二つの架台4,4の間の全てにおいて、上記PVモジュール体61の設置作業を行う。このとき、図12に示すように、架台4の左右両側に支持されたPVモジュール体61,61の隣り合う縦フレーム部2,2(右辺フレーム部2bと左辺フレーム部2a)の上段係止部11aの先端部15a同士を隙間なく当接させて、架台4の左右の上段係止用突部74a,74aの上面76aを完全に覆うように設置し固定する。これにより、屋根201の桁行方向GにもPVモジュール5を連続して面一に設置することができる。その後、屋根201の桁行方向GにおいてもPVモジュール5同士を電気的に接続し、すべてのPVモジュールを電気的に接続する。
次に、図16及び図17に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4における袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aの全面を、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うようにしてケラバ部材124を架台4に設置する。また、ケラバ部材124を複数設置する場合には、隣り合うケラバ部材124の長手方向Iの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔128を介してネジ110dにより架台4にケラバ部材124を固定する。
そして、屋根201の両端の袖部208に屋根材207でケラバ包みを形成する。このとき、ケラバ包みを形成する屋根材207の上面211がケラバ部材124の下段部132の裏面133により覆われるとともに、その裏面133に設けられた二本の突起部134が屋根材207の上面211と接するようにケラバ包みを形成する。
次に、屋根201の棟部210において、図15及び図17に示すように、最も棟部210側に設置された全てのPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆うようにして棟部材117をPVモジュール体61に設置する。
このとき、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させるとともに、棟部材117に設けられた傾斜面121を上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42に当接させながら設置する。また、隣り合う棟部材117の長手方向Lの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110cにより棟部材117をPVモジュール体61に固定する。
最後に、屋根201の棟部210において、図15に示すように、喚起棟206を設置する。このとき、棟部材117の短辺部119が喚起棟板213の下に潜り込むように喚起棟206を設置する。
上記設置構造1によれば、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止できるとともに、仮に雨水が設置構造1の内部に侵入した場合であっても、設置構造1の外部に排水することができる。
具体的に説明すると、上辺フレーム3aと下辺フレーム部3bとの隙間(下辺フレーム部3bの挿入溝56)から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は雨樋部38に流れ落ちる(図13参照)。そして、雨水は雨樋部38の両端から架台4の排水部71へと流れ落ち(図12参照)、その後、架台4の下端部85から屋根下地202の防水シート209上に流れ落ち、最後は軒先部205から唐草部212を伝って地面へと流れ落ちる(図14参照)。
また、隣り合うPVモジュール体61,61の当接する縦フレーム部2,2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aの間に形成された隙間84a、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図12参照)。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84c、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図16参照)。
また、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合には、その雨水は上記のように、架台4のフランジ部75の上面79または底板部64の上面83のいずれか一方または両方を通って架台4の下端部85から排出される。
本発明に係る設置構造1は、上記のように雨水の浸入を防止する構造を有するとともに、浸入した雨水を排水する構造を有するため、屋根材としての役割も果たす。よって、本発明に係る設置構造1は、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、屋根201にPVモジュール5を設置する際のコストを削減することができる。また、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮することができるとともに、屋根下地202上にかかる重量の負担を軽減することができる。
そして、上記のように本発明に係る設置構造1は、屋根201の屋根下地202上へのPVモジュール5の設置作業が非常に容易であるため、作業者のPVモジュール5の設置労力が軽減されるとともに、作業者の屋根201上での作業時間を短縮できるため作業者の安全性が確保できる。
尚、本発明に係る設置構造1は、屋根201の勾配角度に関わらず屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。そのため、屋根201の角度が地面に対し水平であっても垂直であっても、屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。
1 設置構造 74 係止用突部
2 縦フレーム部 75 フランジ部
3 横フレーム部 78 突起部
4 架台 80 係止片
5 PVモジュール 81 隙間
9 縁部 84 隙間
10 脚部 101 軒先部材
11 係止部 102 ルーフ部
12 支持部 103 傾斜部
14 ネジ孔 105 底面部
19 突起部 106 タッピングホール
20 支持溝 108 ピン
22 膨出部 109 係止具
25 底板部 110 ネジ
26 起立部 111 補強具
28 タッピングホール 113 挿入部
31 段部 114 傾斜面
33 切欠き部 115 角部
34 支持部 116 ネジ孔
35 支持溝 117 棟部材
36 膨出部 118 長辺部
38 雨樋部 119 短辺部
39 リブ 120 ネジ孔
42 傾斜面 121 傾斜面
44 底板部 123 係止部
45 起立部 124 ケラバ部材
46 タッピングホール 125 立ち上がり部
49 切欠き部 126 上段部
51 支持部 128 ネジ孔
52 支持溝 132 下段部
53 膨出部 134 突起部
55 挟持部 135 釘
56 挿入溝 201 屋根
58 傾斜面 202 屋根下地
60 雪止め部 203 補助桟木
61 PVモジュール体 204 野地板
62 土台部 205 軒先部
63 フレーム支持部 206 喚起棟
64 底板部 207 屋根材
66 傾斜面 208 袖部
68 ネジ孔 209 防水シート
69 仕切り部 210 棟部
70 起立部 212 唐草部
71 排水部 213 喚起棟板
72 タッピングホール
本発明は、太陽電池モジュールの設置構造、詳しくは屋根への太陽電池モジュールの施工が容易な設置構造に関する。
近年、地球環境に配慮したクリーンエネルギーである太陽光を利用して発電を行い、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らそうとするエコの意識が世の中で高まっている。そのため、自宅の屋根に太陽光で発電する太陽電池モジュールを設置し、調理・給湯・空調などのシステムをすべて電気でまかなう家庭も年々増加している。
従来の自宅の屋根に太陽電池モジュールを設置する構造としては、屋根材の上に固定された架台等の取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置するいわゆる屋根置き型の設置構造や、屋根材であるベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する構造等が存在する。
特開2007−224538号公報 特開2006−328887号公報 特開平09−186354号公報
しかし、屋根材の上に固定された取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置する従来の設置構造は、まず始めに屋根材の上に架台等の多くの取付金具をネジ等により固定しなければならないため、太陽電池モジュールの取付作業に多くの時間を必要としていた。また、上記方法は屋根材にネジ孔を開けるため、そのネジ孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因となっていた。また、架台等の取付金具と太陽電池モジュールの重さによって屋根材を傷め易いという欠点があるとともに、取付金具の部品数が多いためコストが高くなるという欠点もあった。
一方、太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する従来の設置構造は、まず始めにベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールを取付けて太陽電池モジュール一体型屋根材を作成する必要があり、太陽電池モジュール一体型屋根材を設置する前段階の作業が煩雑であるため、多くの時間を要していた。
また、太陽電池モジュール一体型屋根材は、屋根材に孔を開けてその孔に太陽電池パネルから伸びる出力ケーブル等を通し、屋根材の裏面側で他の屋根材の太陽電池パネルと電気的に接続する構造であるため、太陽電池モジュール一体型屋根材の作成に手間がかかるとともに、屋根材に開けた孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因ともなっていた。
更に、屋根材の平均寿命が太陽電池モジュールの平均寿命よりもかなり短いため、屋根材だけの交換が必要となる場合があるが、その場合であっても太陽電池モジュール一体型屋根材の全体を交換しなければならず、費用が割高になってしまうという欠点もある。
そこで本発明は、上記のような従来の欠点を解消するものであり、太陽電池モジュールの設置が容易であり、防水性及び排水性を有するとともに、コストが安い太陽電池モジュールの設置構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、屋根下地上に太陽電池モジュールを設置するための太陽電池モジュールの設置構造であって、太陽電池モジュールと縦フレーム部と横フレーム部と架台とからなり、前記縦フレーム部は上段係止部及び下段係止部からなる係止部と支持部とを有する枠部材であり、前記横フレーム部は支持部を有する枠部材であり、前記架台は長手方向に排水部が形成された長尺な土台部と、該土台部の中央に立設され全長に亘って左右均等な幅で水平方向に突出する上段係止用突部及び下段係止用突部からなる係止用突部が設けられたフレーム支持部とを有するとともに、前記係止用突部は前記排水部の上方に配置され、前記太陽電池モジュールの短辺及び長辺の縁部が前記縦フレーム部の前記支持部及び前記横フレーム部の前記支持部に支持されるとともに固定されて太陽電池モジュール体が形成され、前記屋根下地上の軒棟方向に互いに平行に設置された複数本の前記架台の上端部において、前記架台の前記上段係止用突部及び前記下段係止用突部の上面に前記縦フレーム部の前記上段係止部及び前記下段係止部の底面をそれぞれ係止させスライドさせることで前記縦フレーム部が前記架台の所望の位置に支持され、設置された複数本の前記架台の間に複数の前記太陽電池モジュール体が設置されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記太陽電池モジュールの設置構造の周囲が雨水の浸入を防止する部材等によって覆われ、全体が防水性を有することを特徴とする。また、請求項4に係る発明は、屋根の軒先部に軒先部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項5に係る発明は、屋根の棟部に棟部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項6に係る発明は、屋根の袖部にケラバ部材が設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部と下辺フレーム部のいずれか一方が突出部を有し、他方が該突出部と嵌合可能な凹部を有することを特徴とする。また、請求項8に係る発明は、前記架台は、前記土台部の幅方向の両端付近に、前記架台の全長に亘って延びる仕切り部が設けられ、該仕切り部と前記フレーム支持部とで前記架台の全長に亘って前記排水部が形成されていることを特徴とする。また、請求項9に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部または下辺フレーム部の起立部に、該起立部に沿って雨樋部が設けられていることを特徴とする。また、請求項10に係る発明は、前記縦フレーム部及び前記横フレーム部の前記支持部は、該支持部の支持溝内に突出する膨出部を有することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、前記架台の前記上段係止用突部の上面と前記縦フレーム部の前記上段係止部の底面のいずれか一方または両方、及び前記架台の前記下段係止用突部の上面と前記縦フレーム部の前記下段係止部の底面のいずれか一方または両方が突起部を有することを特徴とする。また、請求項12に係る発明は、前記架台の底板部の裏面に波状面を有することを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、前記上辺フレーム部及び前記下辺フレーム部は底板部を有し、いずれか一方の前記底板部が段部を有することを特徴とする。また、請求項14に係る発明は、前記架台の前記フランジ部はその上面に係止片を有することを特徴とする。また、請求項15に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部または下辺フレーム部のいずれか一方が有する前記突出部の先端部が断面略半円状または断面略三角形状であることを特徴とする。
また、請求項16に係る発明は、前記上辺フレーム部の上面または前記下辺フレーム部の上面に雪止め部を有することを特徴とする。
上記より、請求項1及び請求項2に係る発明によれば、屋根上に太陽電池モジュールを容易にそして安定的に設置することができるとともに、作業者の屋根上での作業時間を短縮できるため、作業者の安全を確保することができる。また、排水性を有するとともに意匠性の高い太陽電池モジュールの設置構造を提供することができる。
また、請求項3ないし請求項12に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置構造全体が高い防水性及び排水性を有するため屋根下地上に屋根材を葺く必要がなくなり、新築住宅等への太陽電池モジュールの設置コストを削減することができるとともに、屋根下地上への重量の負担を軽減することができる。また、屋根下地上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮でき、作業者の安全性を確保することができる。
また、請求項13ないし請求項15に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置作業が容易になり作業時間を短縮できるとともに、架台からの太陽電池モジュールの脱落を防ぎ、安全に設置作業を行うことが可能となる。
また、請求項16に係る発明によれば、太陽電池モジュールの上に積もった雪が一気に滑り落ちずに雪止め部で堰き止められるため、不意な落雪による事故を防止することができるとともに、太陽電池モジュールの設置構造内への雪解け水の浸入を防止することができる。
本発明に係る設置構造に使用する太陽電池モジュール体の斜視図である。 図1のA−A線矢印方向から見た一部断面斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する縦フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する下辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と上辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する架台の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する軒先部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する棟部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用するケラバ部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造を軒側から見た設置状態断面図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す断面図である。 本発明に係る設置構造の軒先部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の棟部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の袖部付近を軒側から見た断面図である。 本発明に係る設置構造の斜視図である。
以下、本発明を図1から図17に従って説明する。尚、以下では本発明に係る実施態様を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る太陽電池モジュールの設置構造(以下「設置構造」という。)1は、屋根201の屋根下地202上に縦フレーム部2、横フレーム部3及び架台4を介して太陽電池モジュールモジュール(以下「PVモジュール」という。)5を設置する構造である。
図1等に示すPVモジュール5は、一般に使用されている単結晶シリコン系のPVモジュールや多結晶シリコン系のPVモジュール5である。このPVモジュール5は、縦方向の一対の短辺及び横方向の一対の長辺を有する平面視略長方形状であって、薄板状に形成されたものである。そして、表面側6には太陽電池セルが配置され、裏面側8には電極ボックスが配置されるとともに、そこから他のPVモジュール5と電気的に接続するための端子ケーブルが伸びている(図示せず)。
縦フレーム部2は、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの二つからなる。この左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bは、PVモジュール5の左側の短辺及び右側の短辺の縁部9aを覆う部材である。
図3に示す2aは左辺レーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の短辺よりもやや長く形成されている。また、左辺フレーム部2aは、上下方向に延びる脚部10を有するとともに、その上方には係止部11及び支持部12が設けられている。
脚部10は左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。そして、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、脚部10の下端部13には断面半円形状の曲面が形成されている。また、脚部10の長手方向の両端付近には、横フレーム部4と連結するためのネジ孔14が二つずつ形成されている。
尚、脚部10の長手方向の両端付近には支持部12が設けられていない。そのため、このネジ孔14を介して左辺フレーム部2aに後述する横フレーム部3である上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3bをネジ30aで固定し連結することができる。
係止部11は、脚部10の上方であって左辺フレーム部2aの幅方向Bの左側B1に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。また、係止部11は脚部10の上端部に設けられた上段係止部11aと、そのすぐ下部に設けられた下段係止部11bからなる。これら上段係止部11a及び下段係止部11bは、左辺フレーム部2aを架台4に係止させるための部材であり、脚部10に対して直角に設けられている。
また、上段係止部11aの方が下段係止部11bよりも幅方向Bの左側B1方向に長く形成されている。そして、上段係止部11aの先端部15aには平面が形成されており、下段係止部11bの先端部15bには断面略半円形状の曲面が形成されている。
そして、下段係止部11bの底面16bには、架台4に左辺フレーム部2aを設置した際に、架台4と左辺フレーム部2aの間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部19が左辺フレーム部2aの全長に亘って二本設けられている。また、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部19は断面略半円状に形成されている。尚、突起部19の本数は一本でも三本以上でもよいが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部19を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部19が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際の労力が軽減される。
一方、支持部12は脚部10の上方であって幅方向Bの右側B2に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、支持部12は脚部10の上端に設けられた上方支持部12aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部12bからなる。
そして、これらの上方支持部12aと下方支持部12bは脚部10に対して直角でほぼ等しい長さに設けられ、上方支持部12aと下方支持部12bとの間にはPVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝20が形成されている。
この支持溝20にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入することにより、PVモジュール5の短辺の縁部9aに左辺フレーム部2aを固定することができる。尚、支持溝20にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝20内への雨水の浸入を防止することができる。
また、脚部10と上方支持部12aが形成する隅部には、支持溝20内に突出する断面略長方形状の膨出部22が支持溝20内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21を流し込んだ支持溝20の奥までPVモジュール5の短辺の縁部9aを挿入したときに、PVモジュール5の縁部9aによって余分な接着剤21が膨出部22と下方支持部12bの間の隙間23に押し込まれる。そして、その余分な接着剤21はその隙間23を通って支持溝20内の接着剤21の足りない場所に流れ込むため、接着剤21を支持溝20内に均等に行き渡らせることができるとともに、支持溝20内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、支持溝20内に膨出部22が形成されているため、支持溝20内にPVモジュール5の短辺の縁部9aを膨出部22に当接するまで挿入しても、図12に示すように、PVモジュール5の表面側6の縁部9a付近が膨出部22に当接するだけであって、裏面側8の縁部9a付近はシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、左辺フレーム部2aに接触することがない。
そのため、PVモジュール5の裏面側8の縁部9a付近に配置されPVモジュール5を形成するPVセル同士を結合しているタブリボンやハンダ部分が、金属製の縦フレーム部2aと接触することがないため、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、PVモジュール5の右側の短辺の縁部9aを挿入するための右辺フレーム部2bは、図3に示す左辺フレーム部2aと左右対称の構造となっている。そのため、以下では右辺フレーム部2aの部位の名称及び符号については、左辺フレーム部2aの対応する部位の名称及び符号と同一のものを使用する。尚、右辺フレーム部2bの材質も左辺フレーム部2aと同様に鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
横フレーム部3には上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bがあり、その上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bは、PVモジュール5の上側及び下側の長辺の縁部9bを覆う部材である。
図4に示す3aは上辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この上辺フレーム部3aの下部には、上辺フレーム部3aの幅方向Cに延びる底板部25が全長に亘って設けられている。そして、その底板部25の真ん中から幅方向Cのやや右側C2寄りの位置において垂直に延びる起立部26が全長に亘って設けられている。
そして、その起立部26の中段及び下端であってその左側C1には、上辺フレーム部3aの幅方向Cの左側C1に開口する断面略C字状のタッピングホール28がネジ受けとして設けられている。これにより、上辺フレーム部3aの両端面29に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部25の幅方向Cの右側C2には断面略逆L字状の段部31が設けられており、底板部25の厚さ分だけ一段高くなっている。そのため、その段部31の下方には隙間32が形成されている。尚、上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近には、段部31の平面部31aが設けられていない。これは、後述する雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水を架台4の排水部71へ導く際に、雨水の流れを遮らないためである。
また、段部31の平面部31aには、上辺フレーム部3aをネジ30b等により固定するための切欠き部33が二カ所設けられている。この切欠き部33は、平面部31aの先端部31bに向かって開口しU字状に形成されている。尚、本実施例では切欠き部33は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部33を設けることで、この切欠き部33を介して上辺フレーム部3aを屋根201の屋根下地202上に設置された補助桟木203に固定することができる。また、上辺フレーム部3aを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで上辺フレーム部3aを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部26の上方であってその左側C1には、支持部34が上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。また、支持部34は起立部26の上端部に設けられた上方支持部34aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部34bからなる。そして、これらの上方支持部34aと下方支持部34bは底板部25に対して水平に設けられ、その上方支持部34aと下方支持部34bとの間にはPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝35が形成されている。
この上辺フレーム部3aの支持溝35にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に上辺フレーム部3aを固定することができる。尚、支持溝35にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝35内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部26と上方支持部34aが形成する隅部には、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と同様の、支持溝35内に突出する断面略長方形状の膨出部36が支持溝35内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21が流し込まれた支持溝35内の奥までPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2の場合と同様に、膨出部36と下方支持部34bとの間の隙間37によって接着剤21を支持溝35内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝35内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が上辺フレーム部3aと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
起立部26の中段やや下方であってその右側C2には、断面略くの字状の雨樋部38が設けられている。この雨樋部38は、段部31と同じ側であって上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、雨樋部38は、くの字状に折り曲げられているため、その内側に雨水を貯めたり、その貯めた水を雨樋部38の両端から排出することができる。
起立部26の上方であってその右側C2には、突出部であるリブ39が設けられている。このリブ39は底板部25に対し水平に設けられているとともに、上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。
そして、このリブ39は、後述する下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された凹部である挿入溝56に挿入して嵌合させるための部材であるが、その挿入溝56に挿入しやすくして上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの嵌合作業を容易にするため、先端部には断面略半円状の曲面40が形成されている。尚、リブ39の先端部の形状は、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入しやすい形状であればよく、断面略三角形状に尖らせた形状であってもよい。
また、リブの上面41の付け根部付近には傾斜面42が設けられている。この傾斜面42は、リブ39の先端部へ向かって下降傾斜するように形成されており、後述する棟部材115や下辺フレーム部3bと隙間なく連結させるために設けられている。
一方、図5に示す3bは下辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この下辺フレーム部3bの下部には、下辺フレーム部3bの幅方向Dに延びる底板部44が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。そして、その底板部44のほぼ真ん中において垂直に延びる起立部45が底板部44の全長に亘って設けられている。
そして、その起立部45の中段及び下端であってその左側D1には、下辺フレーム部3bの幅方向Dの左側D1に開口する断面略C字状のタッピングホール46がネジ受けとして設けられている。これにより、下辺フレーム部3bの両端面48に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部44において、起立部45の右側D2の部分であって長手方向の両端付近には底板部44が設けられていない。これは、後述するように上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとを連結させた際に、雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水の流れを遮らずに架台4の排水部71へ導くためである。
また、底板部44の幅方向Dの右側D2には、下辺フレーム部3bをネジ30b等により固定するための切欠き部49が二カ所設けられている。この切欠き部49は、底板部44の幅方向Dの右側D2の先端部50に向かって開口しU字状に形成されている。なお、本実施例では切欠き部49は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部49を設けることで、この切欠き部49を介して下辺フレーム部3bを屋根201の屋根下地202上に設けられた補助桟木203に固定することができる。また、下辺フレーム部3bを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで下辺フレーム部3bを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部45の上方であってその左側D1には、支持部51が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、支持部51は起立部45の上端部に設けられた上方支持部51aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部51bからなる。そして、これらの上方支持部51aと下方支持部51bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方支持部51aと下方支持部51bとの間にはPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝52が形成されている。
この下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に下辺フレーム部3bを固定することができる。尚、支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝52内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部45と上方支持部51aが形成する隅部には、縦フレーム部2及び上辺フレーム部3aと同様の、支持溝52内に突出する断面略長方形状の膨出部53が支持溝52内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着材21を流し込んだ支持溝52内の奥までPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2や上辺フレーム部3aの場合と同様に、膨出部53と下方支持部51bとの間の隙間54によって接着剤21を支持溝52内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝52内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が下辺フレーム部3bと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、起立部45の上方において、支持溝52が開口する起立部45の左側D1とは反対の右側D2に開口する挟持部55が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、挟持部55は起立部45の上端部に設けられた上方挟持部55aと、そのすぐ下部に設けられた下方挟持部55bからなる。そして、これらの上方挟持部55aと下方挟持部55bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方挟持部55aと下方挟持部55bとの間には、凹部である断面略コの字状の挿入溝56が形成されている。この挿入溝56には、上辺フレーム部3aのリブ39が挿入可能であり嵌合させることができる。
また、上方挟持部55aの先端部には、先端部に向かって上昇傾斜する傾斜面58が設けられている。この傾斜面58は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。そのため、傾斜面42と傾斜面58とを隙間なく接触させることができる。
尚、本実施例では上辺フレーム部3aにリブ39が設けられ下辺フレーム部3bに挟持部55が設けられているが、上辺フレーム部3aに挟持部55が設けられ下辺フレーム部3bにリブ39が設けられていてもよい。
また、下辺フレーム部3bの上面59には、横長略長方形状の雪止め部60が起立部45に沿って二カ所に設けられている。この雪止め部60により、PVモジュール5の表面側6に積もった雪が一気に滑り落ちずに堰き止められるため、屋根201からの不意な落雪による事故を防止することができる。
上記構造により、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bが連結可能となっている。具体的には、図13に示すように、下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56に上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、上辺フレーム部3aの底板部25の段部31に形成された隙間32に下辺フレーム部3bの底板部44を挿入して係止させる。
また、挿入溝56の奥までリブ39を挿入して、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42を当接させることで、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間に隙間が生じないように密着させながら連結する事ができる。
これにより、降雨時であっても上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができる。尚、挿入溝56の幅をリブ39の厚さとほぼ同じにして隙間をなくすことで、雨水が浸入するのを更に防止することができる。
また、仮に下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は雨樋部38に確実に流れ落ち、雨樋部38の両端から後述する架台4の排水部71に確実に流れ落ちるため、浸入した雨水を設置構造1の外に排水することが可能となっている。
尚、本実施例においては上辺フレーム部3aの底板部25に段部31が設けられているが、下辺フレーム部3bの底板部44に段部31が設けられていてもよい。また、雨樋部38が上辺フレーム部3aの起立部26に設けられているが、下辺フレーム部3bの起立部45に設けられていてもよい。
また、本実施例では雪止め部60は下辺フレーム部3bの上面59に設けられているが、上辺フレーム部3aの上面43に設けられていてもよい。但し、上辺フレーム部3aの上面43に設けられている場合には、雪止め部60に堰き止められて溜まった雪や雨水が上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から浸入する可能性もあるため、下辺フレーム部3bの上面59に設けられている方が望ましい。
上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの連結時に、図13に示すように、上辺フレーム部3aの上面43と下辺フレーム部3bの上面59とが面一になることが望ましい。面一にして段差をなくすことで、降雨時に上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59に雨水が吹き寄せられて溜まる事がないため、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記構造により、縦フレーム部2と横フレーム部3の連結が可能となっている。具体的には、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの長手方向の両端付近においては支持部12が設けられていないため、図6及び図7に示すように、脚部10の側面17に上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48を当接させることができる。そして、ネジ孔14にネジ30aを挿入して上辺フレーム部3aのタッピングホール28及び下辺フレーム部3bのタッピングホール46に螺合することで、縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することができる。
このとき、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の側面17、上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48はそれぞれ平面であるため、ぴったりと密着して隙間が無い状態となる。また、図13に示すように、左辺フレーム部2a(右辺フレーム部2b)の支持部12の長手方向の両端面と、上辺フレーム部3aの支持部34の先端部または下辺フレーム部2bの支持部51の先端部は接した状態となる。そのため、縦フレーム部2と横フレーム部3の間からの雨水の浸入を防止することができる。
また、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と横フレーム部3(上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3b)の連結時に、縦フレーム部2の上面24、上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59がほぼ同じ高さとなることが望ましい。
ほぼ同じ高さにして段差をなるべくなくすことで、降雨時に雨水が吹き寄せられて溜まりにくくなるため、縦フレーム部2と横フレーム部3との間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記のようにPVモジュール5の四辺の縁部9に縦フレーム部2及び横フレーム部3をシリコン等の接着剤21で固定するとともに、縦フレーム部2及び横フレーム部3をネジ30aにより連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成することができる。
尚、本実施例においては、縦フレーム部2及び横フレーム部3は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図8に示す4は、PVモジュール体61を支えるための架台である。架台4は、土台部62とフレーム支持部63からなり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の長尺の部材である。
土台部62を形成する底板部64は、架台4の幅方向Eに延びるとともに全長に亘って設けられている。そして、その底板部64の幅方向Eの両端には、両端面65に向かって下降傾斜する傾斜面66が全長に亘って設けられている。また、この傾斜面66には、架台4を屋根201の屋根下地202上に固定するためのネジ孔68が架台4の長手方向Fに沿って複数箇所に設けられている。
尚、このネジ孔68は傾斜面66に対して直角に設けられているため、図12に示すように、架台4を屋根下地202上へ固定するときにネジ孔68にネジ30c等を挿入しやすく、ネジ30c等の締め付け作業も容易になっている。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置には、フレーム支持部63側の斜め上方に開口する断面略C字状のタッピングホール72が架台4の全長に亘って設けられている。これにより、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピン(図示せず)を挿入することで架台4を連続的につなぐことができ、長さの長い架台4が必要な場合にも対応することができる。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置であって傾斜面66の上部において、底板部64に対して約60度の角度で底板部64の幅方向Eの両端に向かって上昇傾斜する仕切り部69が底板部64の全長に亘って設けられている。この仕切り部69と底板部64と後述するフレーム支持部63の起立部70とによって排水部71が形成され、流れ込んできた雨水を本発明に係る設置構造1の外に排出する役割を果たす。尚、この仕切り部69は、架台4の中段ぐらいの高さまで延設されているため、より多くの雨水を排出することが可能となっている。
尚、図8に示す底板部64の裏面73は平面であるが、底板部64の長手方向Fに連続する波状の凹凸をその裏面73の全体に亘って施してもよい。裏面73を波状とすることで、毛細管現象により底板部64の裏面73と屋根下地202との間に雨水が浸入するのを防止することができる。
フレーム支持部63は起立部70と係止用突部74とフランジ部75とからなる。具体的には、底板部64の中央において底板部64に対し垂直に延びる起立部70が底板部64の全長に亘って設けられている。そして、その起立部70の上端部には上段係止用突部74aが、その上段係止用突部74aのすぐ下部には下段係止用突部74bが、起立部70の中段やや下方にはフランジ部75がそれぞれ底板部64に対し水平に設けられるとともに、起立部70の全長に亘って設けられている。
また、上段係止用突部74a、下段係止用突部74b及びフランジ部75は、起立部70から左右に均等な幅で幅方向Eに突出するように設けられている。そして、フランジ部75の幅は上段係止用突部74a及び下段係止用突部74bの幅よりも広く形成されている。
左右の両上段係止用突部74aの上面76aには、架台4に縦フレーム部2を設置した際に、架台4と縦フレーム部2の間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部78が上段係止用突部74aの全長に亘って二本ずつ設けられている。また、架台4に縦フレーム部2を設置する際に縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部78は断面略半円状に形成されている。尚、突起部78の本数は一本でも三本以上でも良いが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部78を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部78が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に縦フレーム部2(PVモジュール体61)を設置する際の労力が軽減される。
また、左右の両フランジ部75の上面79であってその幅方向Eの端部には、上方へ突出する係止片80がフランジ部75の全長に亘って設けられている。
上記のような構成とすることで、架台4のフレーム支持部63に縦フレーム部2を支持させて、PVモジュール体61を設置することが可能となる。具体的には、図12に示すように、PVモジュール体61の縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13を架台4のフランジ部75の上面79に当接させる。
それと同時に、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの上段係止部11aの底面16aと架台4の上段係止用突部74aの上面76aとを対峙させて係止させつつ、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとを対峙させて係止させる。これにより、架台4のフレーム支持部63の三カ所で縦フレーム部2を支持させることができるため、PVモジュール体61を安定的に設置することができる。
また、縦フレーム部2とフレーム支持部63は、上記のように三カ所で接しているため、安定した状態でPVモジュール体61の縦フレーム部2を架台4のフレーム支持部63上の所望の位置までスライドさせて設置することができる。
また、上記のように架台4にPVモジュール体61を設置する際に、PVモジュール体61が屋根201の桁行方向Gにずれそうな場合であっても、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の係止片80に衝突するため、PVモジュール体61が架台4から脱落するのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
尚、架台4の左右両側にPVモジュール体61を支持させたときに、図12に示すように、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの互いの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの平面同士が隙間なく当接して、左辺フレーム部2aの上面24と右辺フレーム部2bの上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、降雨時における設置構造1内への雨水の浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上面24に溜まるのを防止することができる。
また、架台4の上段係止用突部74aと下段係止用突部74bの間に形成された隙間81に、PVモジュール体61の縦フレーム部2の下段係止部11bを挿入した状態とすることで、PVモジュール体61の上下方向への移動が上段係止用突部74aと下段係止用突部74bによって抑制されるため、PVモジュール体61を架台4に設置する際にPVモジュール体61が強風により吹きあがるのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
また、突起部19は、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bではなく、その底面16bと対峙する架台4の下段係止用突部74bの上面76bに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。また、突起部78は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aではなく、その上面76aと対峙する縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。尚、上記のように対峙する両面に突起部をそれぞれ設ける場合には、縦フレーム部2を架台4に設置したときにそれぞれの突起部同士が衝突しない位置に設ける必要がある。
また、架台4の上段係止用突部74aの先端部82a及び下段係止用突部74bの先端部82bには曲面が形成されている。更に、縦フレーム部2の下段係止部11bの先端部15bにも曲面が形成されている。これらの曲面により、架台4に縦フレーム部2をスムーズに設置することができるとともに、架台4や縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止することができる。
架台4のフランジ部75の上面79の高さは、底板部64の上面83よりも20mm以上高いことが望ましい。上記の高さとすることで、架台4にPVモジュール体61を設置した後であっても、底板部64の上面83付近や屋根下地202付近の通気性を確保できるため、屋根下地202の野地板204の腐食の原因となる湿気や、PVモジュール5の発電効率を低下させる熱気が滞留するのを防止することができる。
また、仕切り部69の高さは、架台4の排水部71に多くの雨水が流れ込んだ場合であってもその雨水を設置構造1の外に排出できるように、なるべく高く形成されていることが望ましいが、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、仕切り部69が上辺フレーム部3aの底板部25及び下辺フレーム部3bの底板部44に接触しないような高さとする必要がある。
尚、架台4の長さは数メートルあり、どこで切断しても同じ断面となるように形成されているため、現場で必要な長さに切断して使用することが可能である。
上記のように仕切り部69が設けられているため、図12に示すように、架台4にPVモジュール体61を設置した後、当接する左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水を設置構造1の外へ排出することができる。
具体的には、先端部15a,15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aとの間に形成された隙間84aに流れ込む。このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78が縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84aを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84aに流れ込んだ場合には、雨水は架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、左右の上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の下段係止部11bの上面18に流れ落ち、更には縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84bに流れ込む。
このとき、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた二本の突起部19が架台4の下段係止用突部74bの上面76bと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の更なる内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18または隙間84bを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84bに流れ込んだ場合には、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた突起部19をくぐり抜け、下段係止用突部74bの先端部82bから架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちる。
このとき、縦フレーム部2の脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の上面79と当接しているため、雨水の設置構造1の更なる内部への浸入が防止される。そのため、雨水はフランジ部75の上面79を通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水は縦フレーム部2の脚部10の下端部13をくぐり抜け、フランジ部75の係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ちる。そして、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
尚、本実施例においては、架台4は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図9に示す101は軒先部材である。この軒先部材101は、屋根201の軒先部205に沿って設置する長さの長い部材であり、PVモジュール体61の上を流れ落ちてきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部へ浸入するのを防止するとともに、その雨水を軒下へ流れ落とすためのものである。また、この軒先部材101は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
軒先部材101は、先端部104に向かって下降傾斜するルーフ部102と、そのルーフ部102の途中からルーフ部102と同じ側に下降傾斜する傾斜部103と、ルーフ部102及び傾斜部103と交わる底面部105を有し、これら3つの部材によって断面略扇状の筒状体に形成されている。そして、軒先部材101の長さは、横フレーム部3よりもやや長く形成されている。
また、ルーフ部102は、屋根下地202上に設置されたPVモジュール体61上を流れ落ちてきた雨水を軒下へ確実に流れ落とすため、その先端部104が底面部105よりも下方へ突出して延設されている。
そして、ルーフ部102と底面部105とが交わって形成される鋭角の隅部には、筒状体の内側に開口するタッピングホール106が軒先部材101の全長に亘って設けられている。そのため、軒先部材101を軒先部205に一直線に並べてそれぞれのタッピングホール106に一本の細長い円柱状のピン108を挿入することで、軒先部材101を屋根201の桁行方向Gにつなぐことができる。
また、底面部105は傾斜部103と交わる位置よりも突出する突出部105aを有する。そのため、図14に示すように、階段状の係止具109をネジ110a等により補助桟木203に固定することによって係止具109が形成する隙間に、底面部105の突出部105aを挿入することで、軒先部材101を補助桟木203に固定することができる。
尚、軒先部材101の筒状体の内部には、ルーフ部102の途中から傾斜部103と底面部105が交わる鈍角の隅部にかけて、軒先部材101の強度を保つための補強部111が設けられている。
ルーフ部102の上端部112には、軒先部材101の長手方向Hに沿って挿入部113が延設されている。この挿入部113の両端は切り欠きかれ、軒先部材101の全長よりも少し短く形成されている。また、挿入部113の長さは、下辺フレーム部3bの挟持部55の長さとほぼ同じであり、挿入部113の厚さは、下辺フレーム部3bの挿入溝56の幅とほぼ同じである。
そのため、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させることにより、下辺フレーム部3bに軒先部材101を固定することができる。尚、下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、挿入部113においては、ルーフ部102の上端部112から挿入部113の上端部113aに向かって下降傾斜する傾斜面114が設けられている。この傾斜面114は、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と同じ角度で傾斜している。
そのため、図14に示すように、最も軒先部205側に設置されたPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56の奥まで軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させると、下辺フレーム部3bの傾斜面58と挿入部113の傾斜面114とが隙間なく接するようになっており、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、ルーフ部102の挿入部113を下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入して嵌合させたときに、下辺フレーム部の3bの上面59とルーフ部102の上部の上面107とが面一になるため、雨水が溜まることなく軒下へ流れ落ちる。また、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
ルーフ部102の長手方向Hの両端であってその上方の角部115には、軒先部材101を架台4の上段係止突部74aに固定するためのネジ孔116が設けられている。そのため、軒先部材101はネジ孔116を介してネジ110b等により架台4の上段係止突部74aに固定することができる。
図10に示す117は棟部材である。この棟部材117は、喚起棟206の喚起棟板213上を流れ落ちてきた雨水や喚起棟206付近に降ってきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部に浸入するのを防止するため、屋根201の棟部210に設けられた喚起棟206付近に設置される長さの長い部材である。また、この棟部材117は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
棟部材117は、長辺部118及び短辺部119を有し、その長辺部118と短辺部119が断面略L字状を形成している。そしてその長さは、PVモジュール体61の左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bのそれぞれの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間の距離とほぼ同じである。また、長辺部118の縁部118a付近には、複数のネジ孔120が棟部材117の長手方向Iに一列に設けられている。
また、棟部材117の長辺部118の縁部118aには、縁部118aに向かって上昇傾斜する傾斜面121が設けられている。この傾斜面121は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。
そのため、図15に示すように、最も棟部210側に設置されたPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆いつつ、リブ39の傾斜面42と棟部材117の傾斜面121とが接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110c等により棟部材117を上辺フレーム部3a及び縦フレーム部2に固定することができる。
上記のように固定することで、棟部材117と上辺フレーム部3aまたは縦フレーム部2との隙間を最小限にして固定することができる。そのため、棟部材117上に流れ落ちてきた雨水はPVモジュール体61上に流れ落ちるため、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、棟部材117の長辺部118の裏面122には、長辺部118に対し垂直に延びる係止部123が棟部材117の長手方向Iの両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。そのため、上記のように棟部材117を固定する際に、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させると、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と棟部材117に設けられた傾斜面121とが接するとともに棟部材117がリブ39の上面41からずれ落ちることがないため、容易に固定することができる。
図11に示す124はケラバ部材である。このケラバ部材124は、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水が設置構造1の内部に浸入するのを防止するために、屋根201の袖部208のケラバ包みに設置される長尺の部材である。また、このケラバ部材124は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
そして、ケラバ部材124は立ち上り部125を有し、階段状になっている。また、このケラバ部材124の上段部126の幅Kは、架台4の左右の上段係止用突部74aの幅kよりもやや広めに形成されている。また、ケラバ部材124の上段部126には、ケラバ部材124の長手方向Lに一列に複数のネジ孔128が設けられている。
そのため、図16に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4の上段係止用突部74aの上面76aを、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うとともに、袖部208の屋根材207の上面211をケラバ部材124の下段部132の裏面133で覆うようにして設置し、複数のネジ孔128を介してネジ110d等により架台4の上段係止用突部74aにケラバ部材124を固定することができる。
また、ケラバ部材124の上段部126の端面129は平面であるため、ケラバ部材124を架台4の袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aに固定した場合に、ケラバ部材124の上段部126の端面129と、架台4のもう一方の上段係止用突部74aと係止する縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとが隙間なく当接して、ケラバ部材124の上段部126の上面130と縦フレーム部2の上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、ケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水の設置構造1の内部への浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2の上面24及びケラバ部材124の上段部126の上面130に溜まることによる設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は架台4の下端部85から排出される。
具体的には、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84cに流れ込む。
このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78は縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aやケラバ部材124の上段部126の裏面131と接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84cを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84cに流れ込んだ場合であって、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2側に流れ落ちた雨水は、上記の雨水が隙間84aに流れ込んだ場合と同様にして架台4の下端部85から排出される。
一方、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えてケラバ部材124側に流れ落ちた雨水は、架台4の上段係止用突部74aの先端部82aからフランジ部75の上面79に流れ落ち、その上面79を通って、架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水はフランジ部75の上面に設けられた係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ち、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
ケラバ部材124の下段部132の裏面133には、断面略半円状の小さな突起部134がケラバ部材124の全長に亘って二本設けられている。また、上記のようにケラバ部材124を架台4に固定したとき、ケラバ部材124の下段部132の裏面133に設けられた突起部134は袖部208のケラバ包みを形成する屋根材207の上面211と接している。そのため、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間からの毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。
また、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部への浸入した場合であっても、上記の上段係止用突部74aの上面76aからケラバ部材124側に流れ落ちた雨水と同様に、架台4のフランジ部75の上面79や排水部71へと流れ落ち、フランジ部75の上面79や底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
次に、本発明に係る設置構造1の屋根下地202上への設置方法について説明する。屋根201には、一面に張られた野地板204の上にルーフィング等の防水シート209が敷設された屋根下地202が形成されており、その上にまず架台4を設置する。この架台4は、図17に示すように、屋根201の軒棟方向M(傾斜方向)に設置するとともに、軒先部205付近から棟部210付近にかけて設置し、底板部64のネジ孔68を介してネジ30cにより屋根下地202上に固定する。
また、架台4は屋根下地202上に等間隔かつ平行に複数本設置する。このときの架台4と架台4の距離は、横フレーム部3の長さよりもやや長めであり、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に設置する。
尚、架台4の長さが一本では足りない場合には、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピンを挿入して連続的につないで対応する。
また、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、横フレーム部3が下方にたわむのを防止するとともにPVモジュール体61を固定するための補助桟木203を屋根下地202上に設置する。具体的には、図17に示すように、架台4と架台4の間において軒先部205付近から棟部210付近にかけて補助桟木203を架台4と平行に複数本設置し、釘135等により屋根下地202上に固定する。
次に、軒先部205における補助桟木203上において、軒先部材101を設置する位置を決定し、図14に示すように、係止具109をネジ110aにより固定する。そして、係止具109が形成する隙間に軒先部材101の底面部105の突出部105aを挿入することで軒先部材101を補助桟木203に固定する。
このとき、ルーフ部102の角部115で架台4の上段係止用突部74aの上面76aを覆うように軒先部材101を設置し、角部115に形成されたネジ孔116を介してネジ110bにより軒先部材101を架台4の上段係止用突部74aにも固定する。
そして、上記作業を繰り返し行い、図17に示すように、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に複数の軒先部材101を固定するとともに、隣り合う軒先部材101のそれぞれのタッピングホール106に一本の円柱状のピン108を挿入することで、隣り合う軒先部材101同士をつなぐ。
次に、PVモジュール5を用意し、その四辺に縦フレーム部2及び横フレーム部3を固定する。具体的には、まず縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの支持溝20、横フレーム部3である上辺フレーム部3aの支持溝35、そして下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込む。
そして、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを左辺フレーム部2aの支持溝20に、右側の短辺の縁部9aを右辺フレーム部2bの支持溝20にそれぞれ挿入するとともに、上側の長辺の縁部9bを上辺フレーム部3aの支持溝35に、下側の長辺の縁部9bを下辺フレーム部3bの支持溝52にそれぞれ挿入することでPVモジュール5に固定する。そして、上記のようにネジ30aにより縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成する。尚、このPVモジュール体61は、設置するPVモジュール5の数だけ形成する。
次に、屋根下地202上の袖部208の一番近くに設置された架台4とそれと隣り合う架台4の上端部86において、図12及び図16に示すように、第一段目のPVモジュール体61(最も軒先部205側に設置されるPVモジュール体61)の縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の脚部10の下端部13を、上記隣り合う二つの架台4,4のフランジ部75の上面79にそれぞれ当接させるとともに、縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aを架台4の上段係止用突部74aの上面76aに、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bを架台4の下段係止用突部74bの上面76bにそれぞれ係止させることにより、第一段目のPVモジュール体61を上記隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に支持させる。
そして、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせ、架台4の下端部85付近まで移動させる。そして、第一段目に設置されるPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込み、図14に示すように、先に軒先部205に設置されている軒先部材101の挿入部113をその挿入溝56に挿入して嵌合させる。このとき、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と軒先部材101の挿入部113に設けられた傾斜面114が当接するまで挿入する。
そして、図13に示すように、上辺フレーム部3aの平面部31aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第一段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
次に、架台4に第二段目のPVモジュール体61を設置する。具体的には、第一段目のPVモジュール体61を設置した隣り合う二つの架台4,4の上端部86において、上記第一段目のPVモジュール体61の場合と同様にして、その隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に第二段目のPVモジュール体61を支持させるとともに、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせながら移動させる。
そして、第二段目のPVモジュール体61を第一段目のPVモジュール体61の直上まで移動させたときに、それぞれのPVモジュール5の裏面側8に設けられた端子ケーブルを接続して、第一段目のPVモジュール体5と第二段目のPVモジュール体5を電気的に接続する。
そして、図13に示すように、第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56に第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの段部31が形成する隙間32に第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの底板部44を挿入する。このとき、第一段目のPVモジュール体61を固定しているネジ30bに第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの切欠き部49を係止させて動かないように固定する。
そして、第二段目のPVモジュール体61における下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と、第一段目のPVモジュール体61における上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42が当接するまでリブ39を挿入溝56に挿入し、第一段目のPVモジュール体61と第二段目のPVモジュール体61とを連結させる。
その後、第二段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第二段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
尚、第三段目以降のPVモジュール体61を設置する場合は、上記の第二段目のPVモジュール体61を設置する場合と同様に、架台4にPVモジュール体61を設置する作業、PVモジュール5同士を電気的に接続する作業、上段に位置するPVモジュール体61と下段に位置するPVモジュール体61とを連結する作業及びPVモジュール体61を補助桟木203に固定する作業を繰り返し行う。これにより、屋根201の軒棟方向MにPVモジュール5を連続して面一に設置することができ、意匠性の高い見た目も綺麗な設置構造1とすることができる。
そして、隣り合う二つの架台4,4の間の全てにおいて、上記PVモジュール体61の設置作業を行う。このとき、図12に示すように、架台4の左右両側に支持されたPVモジュール体61,61の隣り合う縦フレーム部2,2(右辺フレーム部2bと左辺フレーム部2a)の上段係止部11aの先端部15a同士を隙間なく当接させて、架台4の左右の上段係止用突部74a,74aの上面76aを完全に覆うように設置し固定する。これにより、屋根201の桁行方向GにもPVモジュール5を連続して面一に設置することができる。その後、屋根201の桁行方向GにおいてもPVモジュール5同士を電気的に接続し、すべてのPVモジュールを電気的に接続する。
次に、図16及び図17に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4における袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aの全面を、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うようにしてケラバ部材124を架台4に設置する。また、ケラバ部材124を複数設置する場合には、隣り合うケラバ部材124の長手方向Iの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔128を介してネジ110dにより架台4にケラバ部材124を固定する。
そして、屋根201の両端の袖部208に屋根材207でケラバ包みを形成する。このとき、ケラバ包みを形成する屋根材207の上面211がケラバ部材124の下段部132の裏面133により覆われるとともに、その裏面133に設けられた二本の突起部134が屋根材207の上面211と接するようにケラバ包みを形成する。
次に、屋根201の棟部210において、図15及び図17に示すように、最も棟部210側に設置された全てのPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆うようにして棟部材117をPVモジュール体61に設置する。
このとき、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させるとともに、棟部材117に設けられた傾斜面121を上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42に当接させながら設置する。また、隣り合う棟部材117の長手方向Lの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110cにより棟部材117をPVモジュール体61に固定する。
最後に、屋根201の棟部210において、図15に示すように、喚起棟206を設置する。このとき、棟部材117の短辺部119が喚起棟板213の下に潜り込むように喚起棟206を設置する。
上記設置構造1によれば、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止できるとともに、仮に雨水が設置構造1の内部に侵入した場合であっても、設置構造1の外部に排水することができる。
具体的に説明すると、上辺フレーム3aと下辺フレーム部3bとの隙間(下辺フレーム部3bの挿入溝56)から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は雨樋部38に流れ落ちる(図13参照)。そして、雨水は雨樋部38の両端から架台4の排水部71へと流れ落ち(図12参照)、その後、架台4の下端部85から屋根下地202の防水シート209上に流れ落ち、最後は軒先部205から唐草部212を伝って地面へと流れ落ちる(図14参照)。
また、隣り合うPVモジュール体61,61の当接する縦フレーム部2,2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aの間に形成された隙間84a、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図12参照)。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84c、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図16参照)。
また、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合には、その雨水は上記のように、架台4のフランジ部75の上面79または底板部64の上面83のいずれか一方または両方を通って架台4の下端部85から排出される。
本発明に係る設置構造1は、上記のように雨水の浸入を防止する構造を有するとともに、浸入した雨水を排水する構造を有するため、屋根材としての役割も果たす。よって、本発明に係る設置構造1は、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、屋根201にPVモジュール5を設置する際のコストを削減することができる。また、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮することができるとともに、屋根下地202上にかかる重量の負担を軽減することができる。
そして、上記のように本発明に係る設置構造1は、屋根201の屋根下地202上へのPVモジュール5の設置作業が非常に容易であるため、作業者のPVモジュール5の設置労力が軽減されるとともに、作業者の屋根201上での作業時間を短縮できるため作業者の安全性が確保できる。
尚、本発明に係る設置構造1は、屋根201の勾配角度に関わらず屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。そのため、屋根201の角度が地面に対し水平であっても垂直であっても、屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。
1 設置構造 74 係止用突部
2 縦フレーム部 75 フランジ部
3 横フレーム部 78 突起部
4 架台 80 係止片
5 PVモジュール 81 隙間
9 縁部 84 隙間
10 脚部 101 軒先部材
11 係止部 102 ルーフ部
12 支持部 103 傾斜部
14 ネジ孔 105 底面部
19 突起部 106 タッピングホール
20 支持溝 108 ピン
22 膨出部 109 係止具
25 底板部 110 ネジ
26 起立部 111 補強具
28 タッピングホール 113 挿入部
31 段部 114 傾斜面
33 切欠き部 115 角部
34 支持部 116 ネジ孔
35 支持溝 117 棟部材
36 膨出部 118 長辺部
38 雨樋部 119 短辺部
39 リブ 120 ネジ孔
42 傾斜面 121 傾斜面
44 底板部 123 係止部
45 起立部 124 ケラバ部材
46 タッピングホール 125 立ち上がり部
49 切欠き部 126 上段部
51 支持部 128 ネジ孔
52 支持溝 132 下段部
53 膨出部 134 突起部
55 挟持部 135 釘
56 挿入溝 201 屋根
58 傾斜面 202 屋根下地
60 雪止め部 203 補助桟木
61 PVモジュール体 204 野地板
62 土台部 205 軒先部
63 フレーム支持部 206 喚起棟
64 底板部 207 屋根材
66 傾斜面 208 袖部
68 ネジ孔 209 防水シート
69 仕切り部 210 棟部
70 起立部 212 唐草部
71 排水部 213 喚起棟板
72 タッピングホール
本発明は、太陽電池モジュールの設置構造、詳しくは屋根への太陽電池モジュールの施工が容易な設置構造に関する。
近年、地球環境に配慮したクリーンエネルギーである太陽光を利用して発電を行い、二酸化炭素(CO2 )の排出量を減らそうとするエコの意識が世の中で高まっている。そのため、自宅の屋根に太陽光で発電する太陽電池モジュールを設置し、調理・給湯・空調などのシステムをすべて電気でまかなう家庭も年々増加している。
従来の自宅の屋根に太陽電池モジュールを設置する構造としては、屋根材の上に固定された架台等の取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置するいわゆる屋根置き型の設置構造や、屋根材であるベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する構造等が存在する。
特開2007−224538号公報 特開2006−328887号公報 特開平09−186354号公報
しかし、屋根材の上に固定された取付金具によって太陽電池モジュールを支持しながら設置する従来の設置構造は、まず始めに屋根材の上に架台等の多くの取付金具をネジ等により固定しなければならないため、太陽電池モジュールの取付作業に多くの時間を必要としていた。また、上記方法は屋根材にネジ孔を開けるため、そのネジ孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因となっていた。また、架台等の取付金具と太陽電池モジュールの重さによって屋根材を傷め易いという欠点があるとともに、取付金具の部品数が多いためコストが高くなるという欠点もあった。
一方、太陽電池モジュールが固定された太陽電池モジュール一体型屋根材を用いて屋根を葺きながら設置する従来の設置構造は、まず始めにベース材上に固定部材を介して太陽電池モジュールを取付けて太陽電池モジュール一体型屋根材を作成する必要があり、太陽電池モジュール一体型屋根材を設置する前段階の作業が煩雑であるため、多くの時間を要していた。
また、太陽電池モジュール一体型屋根材は、屋根材に孔を開けてその孔に太陽電池パネルから伸びる出力ケーブル等を通し、屋根材の裏面側で他の屋根材の太陽電池パネルと電気的に接続する構造であるため、太陽電池モジュール一体型屋根材の作成に手間がかかるとともに、屋根材に開けた孔から雨水が浸入する可能性があり、雨漏りや野地板の腐食の原因ともなっていた。
更に、屋根材の平均寿命が太陽電池モジュールの平均寿命よりもかなり短いため、屋根材だけの交換が必要となる場合があるが、その場合であっても太陽電池モジュール一体型屋根材の全体を交換しなければならず、費用が割高になってしまうという欠点もある。
そこで本発明は、上記のような従来の欠点を解消するものであり、太陽電池モジュールの設置が容易であり、防水性及び排水性を有するとともに、コストが安い太陽電池モジュールの設置構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、屋根下地上に太陽電池モジュールを設置するための太陽電池モジュールの設置構造であって、太陽電池モジュールと縦フレーム部と横フレーム部と架台とからなり、前記縦フレーム部は上段係止部及び下段係止部からなる係止部と支持部とを有する枠部材であり、前記横フレーム部は支持部を有する枠部材であり、前記架台は長手方向に排水部が形成された長尺な土台部と、該土台部の中央に立設され全長に亘って左右均等な幅で水平方向に突出する上段係止用突部及び下段係止用突部からなる係止用突部が設けられたフレーム支持部とを有するとともに、前記係止用突部は前記排水部の上方に配置され、前記太陽電池モジュールの短辺及び長辺の縁部が前記縦フレーム部の前記支持部及び前記横フレーム部の前記支持部に支持されるとともに固定されて太陽電池モジュール体が形成され、前記屋根下地上の軒棟方向に互いに平行に設置された複数本の前記架台の上端部において、前記架台の前記上段係止用突部及び前記下段係止用突部の上面に前記縦フレーム部の前記上段係止部及び前記下段係止部の底面をそれぞれ係止させスライドさせることで前記縦フレーム部が前記架台の所望の位置に支持され、設置された複数本の前記架台の間に複数の前記太陽電池モジュール体が設置されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記太陽電池モジュールの設置構造の周囲が雨水の浸入を防止する部材等によって覆われ、全体が防水性を有することを特徴とする。また、請求項4に係る発明は、屋根の軒先部に軒先部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項5に係る発明は、屋根の棟部に棟部材が設けられていることを特徴とする。また、請求項6に係る発明は、屋根の袖部にケラバ部材が設けられていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部と下辺フレーム部のいずれか一方が突出部を有し、他方が該突出部と嵌合可能な凹部を有することを特徴とする。また、請求項8に係る発明は、前記架台は、前記土台部の幅方向の両端付近に、前記架台の全長に亘って延びる仕切り部が設けられ、該仕切り部と前記フレーム支持部とで前記架台の全長に亘って前記排水部が形成されていることを特徴とする。また、請求項9に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部または下辺フレーム部の起立部に、該起立部に沿って雨樋部が設けられていることを特徴とする。また、請求項10に係る発明は、前記縦フレーム部及び前記横フレーム部の前記支持部は、該支持部の支持溝内に突出する膨出部を有することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、前記架台の前記上段係止用突部の上面と前記縦フレーム部の前記上段係止部の底面のいずれか一方または両方、及び前記架台の前記下段係止用突部の上面と前記縦フレーム部の前記下段係止部の底面のいずれか一方または両方が突起部を有することを特徴とする。また、請求項12に係る発明は、前記架台の底板部の裏面に波状面を有することを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部及び下辺フレーム部は底板部を有し、いずれか一方の前記底板部が段部を有することを特徴とする。また、請求項14に係る発明は、前記架台のフランジ部はその上面に係止片を有することを特徴とする。また、請求項15に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部または下辺フレーム部のいずれか一方が有する突出部の先端部が断面略半円状または断面略三角形状であることを特徴とする。
また、請求項16に係る発明は、前記横フレーム部の上辺フレーム部の上面または下辺フレーム部の上面に雪止め部を有することを特徴とする。
上記より、請求項1及び請求項2に係る発明によれば、屋根上に太陽電池モジュールを容易にそして安定的に設置することができるとともに、作業者の屋根上での作業時間を短縮できるため、作業者の安全を確保することができる。また、排水性を有するとともに意匠性の高い太陽電池モジュールの設置構造を提供することができる。
また、請求項3ないし請求項12に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置構造全体が高い防水性及び排水性を有するため屋根下地上に屋根材を葺く必要がなくなり、新築住宅等への太陽電池モジュールの設置コストを削減することができるとともに、屋根下地上への重量の負担を軽減することができる。また、屋根下地上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮でき、作業者の安全性を確保することができる。
また、請求項13ないし請求項15に係る発明によれば、太陽電池モジュールの設置作業が容易になり作業時間を短縮できるとともに、架台からの太陽電池モジュールの脱落を防ぎ、安全に設置作業を行うことが可能となる。
また、請求項16に係る発明によれば、太陽電池モジュールの上に積もった雪が一気に滑り落ちずに雪止め部で堰き止められるため、不意な落雪による事故を防止することができるとともに、太陽電池モジュールの設置構造内への雪解け水の浸入を防止することができる。
本発明に係る設置構造に使用する太陽電池モジュール体の斜視図である。 図1のA−A線矢印方向から見た一部断面斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する縦フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する下辺フレーム部の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と上辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する左辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す拡大斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する架台の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する軒先部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用する棟部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造に使用するケラバ部材の斜視図である。 本発明に係る設置構造を軒側から見た設置状態断面図である。 本発明に係る設置構造に使用する上辺フレーム部と下辺フレーム部の連結状態を示す断面図である。 本発明に係る設置構造の軒先部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の棟部付近の断面図である。 本発明に係る設置構造の袖部付近を軒側から見た断面図である。 本発明に係る設置構造の斜視図である。
以下、本発明を図1から図17に従って説明する。尚、以下では本発明に係る実施態様を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る太陽電池モジュールの設置構造(以下「設置構造」という。)1は、屋根201の屋根下地202上に縦フレーム部2、横フレーム部3及び架台4を介して太陽電池モジュールモジュール(以下「PVモジュール」という。)5を設置する構造である。
図1等に示すPVモジュール5は、一般に使用されている単結晶シリコン系のPVモジュールや多結晶シリコン系のPVモジュール5である。このPVモジュール5は、縦方向の一対の短辺及び横方向の一対の長辺を有する平面視略長方形状であって、薄板状に形成されたものである。そして、表面側6には太陽電池セルが配置され、裏面側8には電極ボックスが配置されるとともに、そこから他のPVモジュール5と電気的に接続するための端子ケーブルが伸びている(図示せず)。
縦フレーム部2は、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの二つからなる。この左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bは、PVモジュール5の左側の短辺及び右側の短辺の縁部9aを覆う部材である。
図3に示す2aは左辺レーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の短辺よりもやや長く形成されている。また、左辺フレーム部2aは、上下方向に延びる脚部10を有するとともに、その上方には係止部11及び支持部12が設けられている。
脚部10は左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。そして、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、脚部10の下端部13には断面半円形状の曲面が形成されている。また、脚部10の長手方向の両端付近には、横フレーム部4と連結するためのネジ孔14が二つずつ形成されている。
尚、脚部10の長手方向の両端付近には支持部12が設けられていない。そのため、このネジ孔14を介して左辺フレーム部2aに後述する横フレーム部3である上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3bをネジ30aで固定し連結することができる。
係止部11は、脚部10の上方であって左辺フレーム部2aの幅方向Bの左側B1に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの全長に亘って設けられている。また、係止部11は脚部10の上端部に設けられた上段係止部11aと、そのすぐ下部に設けられた下段係止部11bからなる。これら上段係止部11a及び下段係止部11bは、左辺フレーム部2aを架台4に係止させるための部材であり、脚部10に対して直角に設けられている。
また、上段係止部11aの方が下段係止部11bよりも幅方向Bの左側B1方向に長く形成されている。そして、上段係止部11aの先端部15aには平面が形成されており、下段係止部11bの先端部15bには断面略半円形状の曲面が形成されている。
そして、下段係止部11bの底面16bには、架台4に左辺フレーム部2aを設置した際に、架台4と左辺フレーム部2aの間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部19が左辺フレーム部2aの全長に亘って二本設けられている。また、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際に架台4が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部19は断面略半円状に形成されている。尚、突起部19の本数は一本でも三本以上でもよいが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部19を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部19が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に左辺フレーム部2aを設置する際の労力が軽減される。
一方、支持部12は脚部10の上方であって幅方向Bの右側B2に設けられているとともに、左辺フレーム部2aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、支持部12は脚部10の上端に設けられた上方支持部12aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部12bからなる。
そして、これらの上方支持部12aと下方支持部12bは脚部10に対して直角でほぼ等しい長さに設けられ、上方支持部12aと下方支持部12bとの間にはPVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝20が形成されている。
この支持溝20にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを挿入することにより、PVモジュール5の短辺の縁部9aに左辺フレーム部2aを固定することができる。尚、支持溝20にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝20内への雨水の浸入を防止することができる。
また、脚部10と上方支持部12aが形成する隅部には、支持溝20内に突出する断面略長方形状の膨出部22が支持溝20内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21を流し込んだ支持溝20の奥までPVモジュール5の短辺の縁部9aを挿入したときに、PVモジュール5の縁部9aによって余分な接着剤21が膨出部22と下方支持部12bの間の隙間23に押し込まれる。そして、その余分な接着剤21はその隙間23を通って支持溝20内の接着剤21の足りない場所に流れ込むため、接着剤21を支持溝20内に均等に行き渡らせることができるとともに、支持溝20内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、支持溝20内に膨出部22が形成されているため、支持溝20内にPVモジュール5の短辺の縁部9aを膨出部22に当接するまで挿入しても、図12に示すように、PVモジュール5の表面側6の縁部9a付近が膨出部22に当接するだけであって、裏面側8の縁部9a付近はシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、左辺フレーム部2aに接触することがない。
そのため、PVモジュール5の裏面側8の縁部9a付近に配置されPVモジュール5を形成するPVセル同士を結合しているタブリボンやハンダ部分が、金属製の縦フレーム部2aと接触することがないため、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、PVモジュール5の右側の短辺の縁部9aを挿入するための右辺フレーム部2bは、図3に示す左辺フレーム部2aと左右対称の構造となっている。そのため、以下では右辺フレーム部2aの部位の名称及び符号については、左辺フレーム部2aの対応する部位の名称及び符号と同一のものを使用する。尚、右辺フレーム部2bの材質も左辺フレーム部2aと同様に鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
横フレーム部3には上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bがあり、その上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bは、PVモジュール5の上側及び下側の長辺の縁部9bを覆う部材である。
図4に示す3aは上辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この上辺フレーム部3aの下部には、上辺フレーム部3aの幅方向Cに延びる底板部25が全長に亘って設けられている。そして、その底板部25の真ん中から幅方向Cのやや右側C2寄りの位置において垂直に延びる起立部26が全長に亘って設けられている。
そして、その起立部26の中段及び下端であってその左側C1には、上辺フレーム部3aの幅方向Cの左側C1に開口する断面略C字状のタッピングホール28がネジ受けとして設けられている。これにより、上辺フレーム部3aの両端面29に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部25の幅方向Cの右側C2には断面略逆L字状の段部31が設けられており、底板部25の厚さ分だけ一段高くなっている。そのため、その段部31の下方には隙間32が形成されている。尚、上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近には、段部31の平面部31aが設けられていない。これは、後述する雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水を架台4の排水部71へ導く際に、雨水の流れを遮らないためである。
また、段部31の平面部31aには、上辺フレーム部3aをネジ30b等により固定するための切欠き部33が二カ所設けられている。この切欠き部33は、平面部31aの先端部31bに向かって開口しU字状に形成されている。尚、本実施例では切欠き部33は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部33を設けることで、この切欠き部33を介して上辺フレーム部3aを屋根201の屋根下地202上に設置された補助桟木203に固定することができる。また、上辺フレーム部3aを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで上辺フレーム部3aを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部26の上方であってその左側C1には、支持部34が上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。また、支持部34は起立部26の上端部に設けられた上方支持部34aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部34bからなる。そして、これらの上方支持部34aと下方支持部34bは底板部25に対して水平に設けられ、その上方支持部34aと下方支持部34bとの間にはPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝35が形成されている。
この上辺フレーム部3aの支持溝35にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に上辺フレーム部3aを固定することができる。尚、支持溝35にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝35内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部26と上方支持部34aが形成する隅部には、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と同様の、支持溝35内に突出する断面略長方形状の膨出部36が支持溝35内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着剤21が流し込まれた支持溝35内の奥までPVモジュール5の上側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2の場合と同様に、膨出部36と下方支持部34bとの間の隙間37によって接着剤21を支持溝35内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝35内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が上辺フレーム部3aと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
起立部26の中段やや下方であってその右側C2には、断面略くの字状の雨樋部38が設けられている。この雨樋部38は、段部31と同じ側であって上辺フレーム部3aの長手方向の両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。また、雨樋部38は、くの字状に折り曲げられているため、その内側に雨水を貯めたり、その貯めた水を雨樋部38の両端から排出することができる。
起立部26の上方であってその右側C2には、突出部であるリブ39が設けられている。このリブ39は底板部25に対し水平に設けられているとともに、上辺フレーム部3aの全長に亘って設けられている。
そして、このリブ39は、後述する下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された凹部である挿入溝56に挿入して嵌合させるための部材であるが、その挿入溝56に挿入しやすくして上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの嵌合作業を容易にするため、先端部には断面略半円状の曲面40が形成されている。尚、リブ39の先端部の形状は、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入しやすい形状であればよく、断面略三角形状に尖らせた形状であってもよい。
また、リブの上面41の付け根部付近には傾斜面42が設けられている。この傾斜面42は、リブ39の先端部へ向かって下降傾斜するように形成されており、後述する棟部材115や下辺フレーム部3bと隙間なく連結させるために設けられている。
一方、図5に示す3bは下辺フレーム部であり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の枠部材である。そして、その長さはPVモジュール5の長辺とほぼ同じ長さに形成されている。
この下辺フレーム部3bの下部には、下辺フレーム部3bの幅方向Dに延びる底板部44が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。そして、その底板部44のほぼ真ん中において垂直に延びる起立部45が底板部44の全長に亘って設けられている。
そして、その起立部45の中段及び下端であってその左側D1には、下辺フレーム部3bの幅方向Dの左側D1に開口する断面略C字状のタッピングホール46がネジ受けとして設けられている。これにより、下辺フレーム部3bの両端面48に、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bをネジ30aにより固定し連結することができる。
また、底板部44において、起立部45の右側D2の部分であって長手方向の両端付近には底板部44が設けられていない。これは、後述するように上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとを連結させた際に、雨樋部38の両端から流れ落ちてきた雨水の流れを遮らずに架台4の排水部71へ導くためである。
また、底板部44の幅方向Dの右側D2には、下辺フレーム部3bをネジ30b等により固定するための切欠き部49が二カ所設けられている。この切欠き部49は、底板部44の幅方向Dの右側D2の先端部50に向かって開口しU字状に形成されている。なお、本実施例では切欠き部49は二カ所に設けられているが、それ以上の箇所に設けてもよい。
上記のように切欠き部49を設けることで、この切欠き部49を介して下辺フレーム部3bを屋根201の屋根下地202上に設けられた補助桟木203に固定することができる。また、下辺フレーム部3bを固定しているネジ30bを完全に外さないで緩めるだけで下辺フレーム部3bを補助桟木203から取り外しできるため、屋根201に設置されたPVモジュール5の取り外しの時間を短縮できるとともに、作業者の屋根201上での作業時間も短縮できるため、作業者の安全性を確保することができる。
起立部45の上方であってその左側D1には、支持部51が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、支持部51は起立部45の上端部に設けられた上方支持部51aと、そのすぐ下部に設けられた下方支持部51bからなる。そして、これらの上方支持部51aと下方支持部51bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方支持部51aと下方支持部51bとの間にはPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入し支持するための断面略コの字状の支持溝52が形成されている。
この下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、PVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入することにより、PVモジュール5に下辺フレーム部3bを固定することができる。尚、支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、支持溝52内への雨水の浸入を防止することができる。
また、起立部45と上方支持部51aが形成する隅部には、縦フレーム部2及び上辺フレーム部3aと同様の、支持溝52内に突出する断面略長方形状の膨出部53が支持溝52内の全長に亘って設けられている。
そのため、シリコン等の接着材21を流し込んだ支持溝52内の奥までPVモジュール5の下側の長辺の縁部9bを挿入したときに、縦フレーム部2や上辺フレーム部3aの場合と同様に、膨出部53と下方支持部51bとの間の隙間54によって接着剤21を支持溝52内に均等に行き渡らせることができるため、支持溝52内への雨水の浸入をより確実に防止することができる。
また、図13に示すように、PVモジュール5の裏面側8の縁部9b付近がシリコン等の接着剤21に周りを覆われた状態となるため、PVセルのタブリボン等が下辺フレーム部3bと接触することが無く、PVセルで作られた電気が漏電するのを防止することができる。
一方、起立部45の上方において、支持溝52が開口する起立部45の左側D1とは反対の右側D2に開口する挟持部55が下辺フレーム部3bの全長に亘って設けられている。また、挟持部55は起立部45の上端部に設けられた上方挟持部55aと、そのすぐ下部に設けられた下方挟持部55bからなる。そして、これらの上方挟持部55aと下方挟持部55bは底板部44に対して水平に設けられ、その上方挟持部55aと下方挟持部55bとの間には、凹部である断面略コの字状の挿入溝56が形成されている。この挿入溝56には、上辺フレーム部3aのリブ39が挿入可能であり嵌合させることができる。
また、上方挟持部55aの先端部には、先端部に向かって上昇傾斜する傾斜面58が設けられている。この傾斜面58は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。そのため、傾斜面42と傾斜面58とを隙間なく接触させることができる。
尚、本実施例では上辺フレーム部3aにリブ39が設けられ下辺フレーム部3bに挟持部55が設けられているが、上辺フレーム部3aに挟持部55が設けられ下辺フレーム部3bにリブ39が設けられていてもよい。
また、下辺フレーム部3bの上面59には、横長略長方形状の雪止め部60が起立部45に沿って二カ所に設けられている。この雪止め部60により、PVモジュール5の表面側6に積もった雪が一気に滑り落ちずに堰き止められるため、屋根201からの不意な落雪による事故を防止することができる。
上記構造により、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bが連結可能となっている。具体的には、図13に示すように、下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56に上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、上辺フレーム部3aの底板部25の段部31に形成された隙間32に下辺フレーム部3bの底板部44を挿入して係止させる。
また、挿入溝56の奥までリブ39を挿入して、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42を当接させることで、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間に隙間が生じないように密着させながら連結する事ができる。
これにより、降雨時であっても上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができる。尚、挿入溝56の幅をリブ39の厚さとほぼ同じにして隙間をなくすことで、雨水が浸入するのを更に防止することができる。
また、仮に下辺フレーム部3bの挟持部55に形成された挿入溝56から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は雨樋部38に確実に流れ落ち、雨樋部38の両端から後述する架台4の排水部71に確実に流れ落ちるため、浸入した雨水を設置構造1の外に排水することが可能となっている。
尚、本実施例においては上辺フレーム部3aの底板部25に段部31が設けられているが、下辺フレーム部3bの底板部44に段部31が設けられていてもよい。また、雨樋部38が上辺フレーム部3aの起立部26に設けられているが、下辺フレーム部3bの起立部45に設けられていてもよい。
また、本実施例では雪止め部60は下辺フレーム部3bの上面59に設けられているが、上辺フレーム部3aの上面43に設けられていてもよい。但し、上辺フレーム部3aの上面43に設けられている場合には、雪止め部60に堰き止められて溜まった雪や雨水が上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から浸入する可能性もあるため、下辺フレーム部3bの上面59に設けられている方が望ましい。
上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bの連結時に、図13に示すように、上辺フレーム部3aの上面43と下辺フレーム部3bの上面59とが面一になることが望ましい。面一にして段差をなくすことで、降雨時に上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59に雨水が吹き寄せられて溜まる事がないため、上辺フレーム部3aと下辺フレーム部3bとの間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記構造により、縦フレーム部2と横フレーム部3の連結が可能となっている。具体的には、縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの長手方向の両端付近においては支持部12が設けられていないため、図6及び図7に示すように、脚部10の側面17に上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48を当接させることができる。そして、ネジ孔14にネジ30aを挿入して上辺フレーム部3aのタッピングホール28及び下辺フレーム部3bのタッピングホール46に螺合することで、縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することができる。
このとき、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の側面17、上辺フレーム部3aの端面29及び下辺フレーム部3bの端面48はそれぞれ平面であるため、ぴったりと密着して隙間が無い状態となる。また、図13に示すように、左辺フレーム部2a(右辺フレーム部2b)の支持部12の長手方向の両端面と、上辺フレーム部3aの支持部34の先端部または下辺フレーム部2bの支持部51の先端部は接した状態となる。そのため、縦フレーム部2と横フレーム部3の間からの雨水の浸入を防止することができる。
また、縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)と横フレーム部3(上辺フレーム部3a及び下辺フレーム部3b)の連結時に、縦フレーム部2の上面24、上辺フレーム部3aの上面43及び下辺フレーム部3bの上面59がほぼ同じ高さとなることが望ましい。
ほぼ同じ高さにして段差をなるべくなくすことで、降雨時に雨水が吹き寄せられて溜まりにくくなるため、縦フレーム部2と横フレーム部3との間から雨水が浸入するのを防止することができるとともに、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
また、上記のようにPVモジュール5の四辺の縁部9に縦フレーム部2及び横フレーム部3をシリコン等の接着剤21で固定するとともに、縦フレーム部2及び横フレーム部3をネジ30aにより連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成することができる。
尚、本実施例においては、縦フレーム部2及び横フレーム部3は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図8に示す4は、PVモジュール体61を支えるための架台である。架台4は、土台部62とフレーム支持部63からなり、全体が厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成された金属製の長尺の部材である。
土台部62を形成する底板部64は、架台4の幅方向Eに延びるとともに全長に亘って設けられている。そして、その底板部64の幅方向Eの両端には、両端面65に向かって下降傾斜する傾斜面66が全長に亘って設けられている。また、この傾斜面66には、架台4を屋根201の屋根下地202上に固定するためのネジ孔68が架台4の長手方向Fに沿って複数箇所に設けられている。
尚、このネジ孔68は傾斜面66に対して直角に設けられているため、図12に示すように、架台4を屋根下地202上へ固定するときにネジ孔68にネジ30c等を挿入しやすく、ネジ30c等の締め付け作業も容易になっている。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置には、フレーム支持部63側の斜め上方に開口する断面略C字状のタッピングホール72が架台4の全長に亘って設けられている。これにより、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピン(図示せず)を挿入することで架台4を連続的につなぐことができ、長さの長い架台4が必要な場合にも対応することができる。
また、底板部64の幅方向Eの両端よりやや内寄りの位置であって傾斜面66の上部において、底板部64に対して約60度の角度で底板部64の幅方向Eの両端に向かって上昇傾斜する仕切り部69が底板部64の全長に亘って設けられている。この仕切り部69と底板部64と後述するフレーム支持部63の起立部70とによって排水部71が形成され、流れ込んできた雨水を本発明に係る設置構造1の外に排出する役割を果たす。尚、この仕切り部69は、架台4の中段ぐらいの高さまで延設されているため、より多くの雨水を排出することが可能となっている。
尚、図8に示す底板部64の裏面73は平面であるが、底板部64の長手方向Fに連続する波状の凹凸をその裏面73の全体に亘って施してもよい。裏面73を波状とすることで、毛細管現象により底板部64の裏面73と屋根下地202との間に雨水が浸入するのを防止することができる。
フレーム支持部63は起立部70と係止用突部74とフランジ部75とからなる。具体的には、底板部64の中央において底板部64に対し垂直に延びる起立部70が底板部64の全長に亘って設けられている。そして、その起立部70の上端部には上段係止用突部74aが、その上段係止用突部74aのすぐ下部には下段係止用突部74bが、起立部70の中段やや下方にはフランジ部75がそれぞれ底板部64に対し水平に設けられるとともに、起立部70の全長に亘って設けられている。
また、上段係止用突部74a、下段係止用突部74b及びフランジ部75は、起立部70から左右に均等な幅で幅方向Eに突出するように設けられている。そして、フランジ部75の幅は上段係止用突部74a及び下段係止用突部74bの幅よりも広く形成されている。
左右の両上段係止用突部74aの上面76aには、架台4に縦フレーム部2を設置した際に、架台4と縦フレーム部2の間からの雨水の浸入を防止するための小さな突起部78が上段係止用突部74aの全長に亘って二本ずつ設けられている。また、架台4に縦フレーム部2を設置する際に縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止するため、突起部78は断面略半円状に形成されている。尚、突起部78の本数は一本でも三本以上でも良いが、毛細管現象による雨水の浸入を防止するためには、複数本であることが望ましい。
また、上記のように突起部78を設けて架台4と縦フレーム部2の接触面積を小さくすることで、突起部78が無い場合に比べて接触面の面圧が上がり摩擦係数が減少するため、架台4に縦フレーム部2(PVモジュール体61)を設置する際の労力が軽減される。
また、左右の両フランジ部75の上面79であってその幅方向Eの端部には、上方へ突出する係止片80がフランジ部75の全長に亘って設けられている。
上記のような構成とすることで、架台4のフレーム支持部63に縦フレーム部2を支持させて、PVモジュール体61を設置することが可能となる。具体的には、図12に示すように、PVモジュール体61の縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13を架台4のフランジ部75の上面79に当接させる。
それと同時に、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの上段係止部11aの底面16aと架台4の上段係止用突部74aの上面76aとを対峙させて係止させつつ、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとを対峙させて係止させる。これにより、架台4のフレーム支持部63の三カ所で縦フレーム部2を支持させることができるため、PVモジュール体61を安定的に設置することができる。
また、縦フレーム部2とフレーム支持部63は、上記のように三カ所で接しているため、安定した状態でPVモジュール体61の縦フレーム部2を架台4のフレーム支持部63上の所望の位置までスライドさせて設置することができる。
また、上記のように架台4にPVモジュール体61を設置する際に、PVモジュール体61が屋根201の桁行方向Gにずれそうな場合であっても、左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の係止片80に衝突するため、PVモジュール体61が架台4から脱落するのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
尚、架台4の左右両側にPVモジュール体61を支持させたときに、図12に示すように、左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの互いの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの平面同士が隙間なく当接して、左辺フレーム部2aの上面24と右辺フレーム部2bの上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、降雨時における設置構造1内への雨水の浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上面24に溜まるのを防止することができる。
また、架台4の上段係止用突部74aと下段係止用突部74bの間に形成された隙間81に、PVモジュール体61の縦フレーム部2の下段係止部11bを挿入した状態とすることで、PVモジュール体61の上下方向への移動が上段係止用突部74aと下段係止用突部74bによって抑制されるため、PVモジュール体61を架台4に設置する際にPVモジュール体61が強風により吹きあがるのを防止することができ、作業者が安全に設置作業を行うことができる。
また、突起部19は、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bではなく、その底面16bと対峙する架台4の下段係止用突部74bの上面76bに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。また、突起部78は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aではなく、その上面76aと対峙する縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aに設けてもよいし、その両面に設けてもよい。尚、上記のように対峙する両面に突起部をそれぞれ設ける場合には、縦フレーム部2を架台4に設置したときにそれぞれの突起部同士が衝突しない位置に設ける必要がある。
また、架台4の上段係止用突部74aの先端部82a及び下段係止用突部74bの先端部82bには曲面が形成されている。更に、縦フレーム部2の下段係止部11bの先端部15bにも曲面が形成されている。これらの曲面により、架台4に縦フレーム部2をスムーズに設置することができるとともに、架台4や縦フレーム部2が傷ついて錆びるのを防止することができる。
架台4のフランジ部75の上面79の高さは、底板部64の上面83よりも20mm以上高いことが望ましい。上記の高さとすることで、架台4にPVモジュール体61を設置した後であっても、底板部64の上面83付近や屋根下地202付近の通気性を確保できるため、屋根下地202の野地板204の腐食の原因となる湿気や、PVモジュール5の発電効率を低下させる熱気が滞留するのを防止することができる。
また、仕切り部69の高さは、架台4の排水部71に多くの雨水が流れ込んだ場合であってもその雨水を設置構造1の外に排出できるように、なるべく高く形成されていることが望ましいが、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、仕切り部69が上辺フレーム部3aの底板部25及び下辺フレーム部3bの底板部44に接触しないような高さとする必要がある。
尚、架台4の長さは数メートルあり、どこで切断しても同じ断面となるように形成されているため、現場で必要な長さに切断して使用することが可能である。
上記のように仕切り部69が設けられているため、図12に示すように、架台4にPVモジュール体61を設置した後、当接する左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水を設置構造1の外へ排出することができる。
具体的には、先端部15a,15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aとの間に形成された隙間84aに流れ込む。このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78が縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84aを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84aに流れ込んだ場合には、雨水は架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、左右の上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の下段係止部11bの上面18に流れ落ち、更には縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84bに流れ込む。
このとき、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた二本の突起部19が架台4の下段係止用突部74bの上面76bと接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の更なる内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18または隙間84bを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84bに流れ込んだ場合には、雨水は縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bに設けられた突起部19をくぐり抜け、下段係止用突部74bの先端部82bから架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちる。
このとき、縦フレーム部2の脚部10の下端部13が架台4のフランジ部75の上面79と当接しているため、雨水の設置構造1の更なる内部への浸入が防止される。そのため、雨水はフランジ部75の上面79を通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水は縦フレーム部2の脚部10の下端部13をくぐり抜け、フランジ部75の係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ちる。そして、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
尚、本実施例においては、架台4は鋼板またはアルミニウム合金などの金属で形成されているが、プラスチック等の樹脂で形成されていてもよい。
図9に示す101は軒先部材である。この軒先部材101は、屋根201の軒先部205に沿って設置する長さの長い部材であり、PVモジュール体61の上を流れ落ちてきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部へ浸入するのを防止するとともに、その雨水を軒下へ流れ落とすためのものである。また、この軒先部材101は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
軒先部材101は、先端部104に向かって下降傾斜するルーフ部102と、そのルーフ部102の途中からルーフ部102と同じ側に下降傾斜する傾斜部103と、ルーフ部102及び傾斜部103と交わる底面部105を有し、これら3つの部材によって断面略扇状の筒状体に形成されている。そして、軒先部材101の長さは、横フレーム部3よりもやや長く形成されている。
また、ルーフ部102は、屋根下地202上に設置されたPVモジュール体61上を流れ落ちてきた雨水を軒下へ確実に流れ落とすため、その先端部104が底面部105よりも下方へ突出して延設されている。
そして、ルーフ部102と底面部105とが交わって形成される鋭角の隅部には、筒状体の内側に開口するタッピングホール106が軒先部材101の全長に亘って設けられている。そのため、軒先部材101を軒先部205に一直線に並べてそれぞれのタッピングホール106に一本の細長い円柱状のピン108を挿入することで、軒先部材101を屋根201の桁行方向Gにつなぐことができる。
また、底面部105は傾斜部103と交わる位置よりも突出する突出部105aを有する。そのため、図14に示すように、階段状の係止具109をネジ110a等により補助桟木203に固定することによって係止具109が形成する隙間に、底面部105の突出部105aを挿入することで、軒先部材101を補助桟木203に固定することができる。
尚、軒先部材101の筒状体の内部には、ルーフ部102の途中から傾斜部103と底面部105が交わる鈍角の隅部にかけて、軒先部材101の強度を保つための補強部111が設けられている。
ルーフ部102の上端部112には、軒先部材101の長手方向Hに沿って挿入部113が延設されている。この挿入部113の両端は切り欠きかれ、軒先部材101の全長よりも少し短く形成されている。また、挿入部113の長さは、下辺フレーム部3bの挟持部55の長さとほぼ同じであり、挿入部113の厚さは、下辺フレーム部3bの挿入溝56の幅とほぼ同じである。
そのため、下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込むとともに、軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させることにより、下辺フレーム部3bに軒先部材101を固定することができる。尚、下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着剤21を流し込んでいるため、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、挿入部113においては、ルーフ部102の上端部112から挿入部113の上端部113aに向かって下降傾斜する傾斜面114が設けられている。この傾斜面114は、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と同じ角度で傾斜している。
そのため、図14に示すように、最も軒先部205側に設置されたPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56の奥まで軒先部材101の挿入部113を挿入して嵌合させると、下辺フレーム部3bの傾斜面58と挿入部113の傾斜面114とが隙間なく接するようになっており、挿入溝56内への雨水の浸入を防止することができる。
また、ルーフ部102の挿入部113を下辺フレーム部3bの挟持部55の挿入溝56に挿入して嵌合させたときに、下辺フレーム部の3bの上面59とルーフ部102の上部の上面107とが面一になるため、雨水が溜まることなく軒下へ流れ落ちる。また、意匠性の高い見た目の綺麗な設置構造1とすることができる。
ルーフ部102の長手方向Hの両端であってその上方の角部115には、軒先部材101を架台4の上段係止突部74aに固定するためのネジ孔116が設けられている。そのため、軒先部材101はネジ孔116を介してネジ110b等により架台4の上段係止突部74aに固定することができる。
図10に示す117は棟部材である。この棟部材117は、喚起棟206の喚起棟板213上を流れ落ちてきた雨水や喚起棟206付近に降ってきた雨水がPVモジュール体61と屋根下地202との間から設置構造1の内部に浸入するのを防止するため、屋根201の棟部210に設けられた喚起棟206付近に設置される長さの長い部材である。また、この棟部材117は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
棟部材117は、長辺部118及び短辺部119を有し、その長辺部118と短辺部119が断面略L字状を形成している。そしてその長さは、PVモジュール体61の左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2bのそれぞれの上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間の距離とほぼ同じである。また、長辺部118の縁部118a付近には、複数のネジ孔120が棟部材117の長手方向Iに一列に設けられている。
また、棟部材117の長辺部118の縁部118aには、縁部118aに向かって上昇傾斜する傾斜面121が設けられている。この傾斜面121は、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と同じ角度で傾斜している。
そのため、図15に示すように、最も棟部210側に設置されたPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆いつつ、リブ39の傾斜面42と棟部材117の傾斜面121とが接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110c等により棟部材117を上辺フレーム部3a及び縦フレーム部2に固定することができる。
上記のように固定することで、棟部材117と上辺フレーム部3aまたは縦フレーム部2との隙間を最小限にして固定することができる。そのため、棟部材117上に流れ落ちてきた雨水はPVモジュール体61上に流れ落ちるため、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、棟部材117の長辺部118の裏面122には、長辺部118に対し垂直に延びる係止部123が棟部材117の長手方向Iの両端付近以外のほぼ全長に亘って設けられている。そのため、上記のように棟部材117を固定する際に、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させると、上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42と棟部材117に設けられた傾斜面121とが接するとともに棟部材117がリブ39の上面41からずれ落ちることがないため、容易に固定することができる。
図11に示す124はケラバ部材である。このケラバ部材124は、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水が設置構造1の内部に浸入するのを防止するために、屋根201の袖部208のケラバ包みに設置される長尺の部材である。また、このケラバ部材124は、厚さの薄い鋼板またはアルミニウム合金で形成されている。
そして、ケラバ部材124は立ち上り部125を有し、階段状になっている。また、このケラバ部材124の上段部126の幅Kは、架台4の左右の上段係止用突部74aの幅kよりもやや広めに形成されている。また、ケラバ部材124の上段部126には、ケラバ部材124の長手方向Lに一列に複数のネジ孔128が設けられている。
そのため、図16に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4の上段係止用突部74aの上面76aを、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うとともに、袖部208の屋根材207の上面211をケラバ部材124の下段部132の裏面133で覆うようにして設置し、複数のネジ孔128を介してネジ110d等により架台4の上段係止用突部74aにケラバ部材124を固定することができる。
また、ケラバ部材124の上段部126の端面129は平面であるため、ケラバ部材124を架台4の袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aに固定した場合に、ケラバ部材124の上段部126の端面129と、架台4のもう一方の上段係止用突部74aと係止する縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとが隙間なく当接して、ケラバ部材124の上段部126の上面130と縦フレーム部2の上面24が面一な平面を形成し、架台4の左右の上段係止用突部74aの上面76aが完全に覆われる構造になっている。
そのため、ケラバ包みを形成する屋根材207の上を流れ落ちてきた雨水やケラバ包み付近に降ってきた雨水の設置構造1の内部への浸入を防止することができるとともに、雨水が吹き寄せられて縦フレーム部2の上面24及びケラバ部材124の上段部126の上面130に溜まることによる設置構造1の内部への雨水の浸入を防止することができる。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aとの間から雨水が浸入した場合であっても、その雨水は架台4の下端部85から排出される。
具体的には、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から浸入した雨水は、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84cに流れ込む。
このとき、左右の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた二本の突起部78は縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aやケラバ部材124の上段部126の裏面131と接しているため、毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。そのため、雨水は隙間84cを通って架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が隙間84cに流れ込んだ場合であって、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えて、上段係止用突部74aの先端部82aから縦フレーム部2側に流れ落ちた雨水は、上記の雨水が隙間84aに流れ込んだ場合と同様にして架台4の下端部85から排出される。
一方、架台4の上段係止用突部74aの上面76aに設けられた突起部78を乗り越えてケラバ部材124側に流れ落ちた雨水は、架台4の上段係止用突部74aの先端部82aからフランジ部75の上面79に流れ落ち、その上面79を通って、架台4の下端部85から排出される。
また、より多くの雨水が架台4のフランジ部75の上面79に流れ落ちた場合には、雨水はフランジ部75の上面に設けられた係止片80を乗り越えて排水部71へと流れ落ち、底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
ケラバ部材124の下段部132の裏面133には、断面略半円状の小さな突起部134がケラバ部材124の全長に亘って二本設けられている。また、上記のようにケラバ部材124を架台4に固定したとき、ケラバ部材124の下段部132の裏面133に設けられた突起部134は袖部208のケラバ包みを形成する屋根材207の上面211と接している。そのため、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間からの毛細管現象を含めた設置構造1の内部への雨水の浸入が防止される。
また、袖部208の屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部への浸入した場合であっても、上記の上段係止用突部74aの上面76aからケラバ部材124側に流れ落ちた雨水と同様に、架台4のフランジ部75の上面79や排水部71へと流れ落ち、フランジ部75の上面79や底板部64の上面83を通って架台4の下端部85から排出される。
次に、本発明に係る設置構造1の屋根下地202上への設置方法について説明する。屋根201には、一面に張られた野地板204の上にルーフィング等の防水シート209が敷設された屋根下地202が形成されており、その上にまず架台4を設置する。この架台4は、図17に示すように、屋根201の軒棟方向M(傾斜方向)に設置するとともに、軒先部205付近から棟部210付近にかけて設置し、底板部64のネジ孔68を介してネジ30cにより屋根下地202上に固定する。
また、架台4は屋根下地202上に等間隔かつ平行に複数本設置する。このときの架台4と架台4の距離は、横フレーム部3の長さよりもやや長めであり、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に設置する。
尚、架台4の長さが一本では足りない場合には、二つの架台4,4を一直線に並べそれぞれのタッピングホール72に一本の円柱状の細長いピンを挿入して連続的につないで対応する。
また、架台4にPVモジュール体61を設置したときに、横フレーム部3が下方にたわむのを防止するとともにPVモジュール体61を固定するための補助桟木203を屋根下地202上に設置する。具体的には、図17に示すように、架台4と架台4の間において軒先部205付近から棟部210付近にかけて補助桟木203を架台4と平行に複数本設置し、釘135等により屋根下地202上に固定する。
次に、軒先部205における補助桟木203上において、軒先部材101を設置する位置を決定し、図14に示すように、係止具109をネジ110aにより固定する。そして、係止具109が形成する隙間に軒先部材101の底面部105の突出部105aを挿入することで軒先部材101を補助桟木203に固定する。
このとき、ルーフ部102の角部115で架台4の上段係止用突部74aの上面76aを覆うように軒先部材101を設置し、角部115に形成されたネジ孔116を介してネジ110bにより軒先部材101を架台4の上段係止用突部74aにも固定する。
そして、上記作業を繰り返し行い、図17に示すように、屋根201の桁行方向Gの幅一杯に複数の軒先部材101を固定するとともに、隣り合う軒先部材101のそれぞれのタッピングホール106に一本の円柱状のピン108を挿入することで、隣り合う軒先部材101同士をつなぐ。
次に、PVモジュール5を用意し、その四辺に縦フレーム部2及び横フレーム部3を固定する。具体的には、まず縦フレーム部2である左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2bの支持溝20、横フレーム部3である上辺フレーム部3aの支持溝35、そして下辺フレーム部3bの支持溝52にシリコン等の接着剤21を流し込む。
そして、PVモジュール5の左側の短辺の縁部9aを左辺フレーム部2aの支持溝20に、右側の短辺の縁部9aを右辺フレーム部2bの支持溝20にそれぞれ挿入するとともに、上側の長辺の縁部9bを上辺フレーム部3aの支持溝35に、下側の長辺の縁部9bを下辺フレーム部3bの支持溝52にそれぞれ挿入することでPVモジュール5に固定する。そして、上記のようにネジ30aにより縦フレーム部2と横フレーム部3とを連結することで、図1及び図2に示すPVモジュール体61を形成する。尚、このPVモジュール体61は、設置するPVモジュール5の数だけ形成する。
次に、屋根下地202上の袖部208の一番近くに設置された架台4とそれと隣り合う架台4の上端部86において、図12及び図16に示すように、第一段目のPVモジュール体61(最も軒先部205側に設置されるPVモジュール体61)の縦フレーム部2(左辺フレーム部2a及び右辺フレーム部2b)の脚部10の下端部13を、上記隣り合う二つの架台4,4のフランジ部75の上面79にそれぞれ当接させるとともに、縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aを架台4の上段係止用突部74aの上面76aに、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bを架台4の下段係止用突部74bの上面76bにそれぞれ係止させることにより、第一段目のPVモジュール体61を上記隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に支持させる。
そして、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせ、架台4の下端部85付近まで移動させる。そして、第一段目に設置されるPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56にシリコン等の接着材21を流し込み、図14に示すように、先に軒先部205に設置されている軒先部材101の挿入部113をその挿入溝56に挿入して嵌合させる。このとき、下辺フレーム部3bの上方挟持部55aに設けられた傾斜面58と軒先部材101の挿入部113に設けられた傾斜面114が当接するまで挿入する。
そして、図13に示すように、上辺フレーム部3aの平面部31aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第一段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
次に、架台4に第二段目のPVモジュール体61を設置する。具体的には、第一段目のPVモジュール体61を設置した隣り合う二つの架台4,4の上端部86において、上記第一段目のPVモジュール体61の場合と同様にして、その隣り合う二つの架台4,4のフレーム支持部63に第二段目のPVモジュール体61を支持させるとともに、軒先部205に向かってPVモジュール体61をスライドさせながら移動させる。
そして、第二段目のPVモジュール体61を第一段目のPVモジュール体61の直上まで移動させたときに、それぞれのPVモジュール5の裏面側8に設けられた端子ケーブルを接続して、第一段目のPVモジュール体5と第二段目のPVモジュール体5を電気的に接続する。
そして、図13に示すように、第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの挿入溝56に第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39を挿入して嵌合させるとともに、第一段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの段部31が形成する隙間32に第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの底板部44を挿入する。このとき、第一段目のPVモジュール体61を固定しているネジ30bに第二段目のPVモジュール体61の下辺フレーム部3bの切欠き部49を係止させて動かないように固定する。
そして、第二段目のPVモジュール体61における下辺フレーム部3bの上方挟持部55aの先端部に設けられた傾斜面58と、第一段目のPVモジュール体61における上辺フレーム部3aのリブ39の上面41に設けられた傾斜面42が当接するまでリブ39を挿入溝56に挿入し、第一段目のPVモジュール体61と第二段目のPVモジュール体61とを連結させる。
その後、第二段目のPVモジュール体61の上辺フレーム部3aの切欠き部33の位置にネジ30bを打って補助桟木203に上辺フレーム部3aを固定することにより、第二段目のPVモジュール体61の設置が完了する。
尚、第三段目以降のPVモジュール体61を設置する場合は、上記の第二段目のPVモジュール体61を設置する場合と同様に、架台4にPVモジュール体61を設置する作業、PVモジュール5同士を電気的に接続する作業、上段に位置するPVモジュール体61と下段に位置するPVモジュール体61とを連結する作業及びPVモジュール体61を補助桟木203に固定する作業を繰り返し行う。これにより、屋根201の軒棟方向MにPVモジュール5を連続して面一に設置することができ、意匠性の高い見た目も綺麗な設置構造1とすることができる。
そして、隣り合う二つの架台4,4の間の全てにおいて、上記PVモジュール体61の設置作業を行う。このとき、図12に示すように、架台4の左右両側に支持されたPVモジュール体61,61の隣り合う縦フレーム部2,2(右辺フレーム部2bと左辺フレーム部2a)の上段係止部11aの先端部15a同士を隙間なく当接させて、架台4の左右の上段係止用突部74a,74aの上面76aを完全に覆うように設置し固定する。これにより、屋根201の桁行方向GにもPVモジュール5を連続して面一に設置することができる。その後、屋根201の桁行方向GにおいてもPVモジュール5同士を電気的に接続し、すべてのPVモジュールを電気的に接続する。
次に、図16及び図17に示すように、袖部208の一番近くに設置された架台4における袖部208側の上段係止用突部74aの上面76aの全面を、ケラバ部材124の上段部126の裏面131で覆うようにしてケラバ部材124を架台4に設置する。また、ケラバ部材124を複数設置する場合には、隣り合うケラバ部材124の長手方向Iの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔128を介してネジ110dにより架台4にケラバ部材124を固定する。
そして、屋根201の両端の袖部208に屋根材207でケラバ包みを形成する。このとき、ケラバ包みを形成する屋根材207の上面211がケラバ部材124の下段部132の裏面133により覆われるとともに、その裏面133に設けられた二本の突起部134が屋根材207の上面211と接するようにケラバ包みを形成する。
次に、屋根201の棟部210において、図15及び図17に示すように、最も棟部210側に設置された全てのPVモジュール体61の上辺フレーム部3aのリブ39の上面41及びその上辺フレーム部3aの両側に位置する縦フレーム部2の上面24を、棟部材117の長辺部118の裏面122で覆うようにして棟部材117をPVモジュール体61に設置する。
このとき、棟部材117の係止部123を上辺フレーム部3aのリブ39の先端の曲面40に当接させるとともに、棟部材117に設けられた傾斜面121を上辺フレーム部3aのリブ39に設けられた傾斜面42に当接させながら設置する。また、隣り合う棟部材117の長手方向Lの端面同士が隙間なく当接するように設置する。そして、ネジ孔120を介してネジ110cにより棟部材117をPVモジュール体61に固定する。
最後に、屋根201の棟部210において、図15に示すように、喚起棟206を設置する。このとき、棟部材117の短辺部119が喚起棟板213の下に潜り込むように喚起棟206を設置する。
上記設置構造1によれば、設置構造1の内部への雨水の浸入を防止できるとともに、仮に雨水が設置構造1の内部に侵入した場合であっても、設置構造1の外部に排水することができる。
具体的に説明すると、上辺フレーム3aと下辺フレーム部3bとの隙間(下辺フレーム部3bの挿入溝56)から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は雨樋部38に流れ落ちる(図13参照)。そして、雨水は雨樋部38の両端から架台4の排水部71へと流れ落ち(図12参照)、その後、架台4の下端部85から屋根下地202の防水シート209上に流れ落ち、最後は軒先部205から唐草部212を伝って地面へと流れ落ちる(図14参照)。
また、隣り合うPVモジュール体61,61の当接する縦フレーム部2,2(左辺フレーム部2aと右辺フレーム部2b)の上段係止部11a,11aの先端部15a,15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aの間に形成された隙間84a、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図12参照)。
また、ケラバ部材124の端面129と縦フレーム部2の上段係止部11aの先端部15aの間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合は、その雨水は上記のように、架台4の上段係止用突部74aの上面76aと縦フレーム部2の上段係止部11aの底面16aまたはケラバ部材124の上段部126の裏面131との間に形成された隙間84c、縦フレーム部2の下段係止部11bの上面18、縦フレーム部2の下段係止部11bの底面16bと架台4の下段係止用突部74bの上面76bとの間に形成された隙間84b、フランジ部75の上面79、底板部64の上面83のいずれか一つまたは複数を通って架台4の下端部85から排出される(図16参照)。
また、屋根201の袖部208においてケラバ包みを形成する屋根材207とケラバ部材124との間から雨水が設置構造1の内部に浸入した場合には、その雨水は上記のように、架台4のフランジ部75の上面79または底板部64の上面83のいずれか一方または両方を通って架台4の下端部85から排出される。
本発明に係る設置構造1は、上記のように雨水の浸入を防止する構造を有するとともに、浸入した雨水を排水する構造を有するため、屋根材としての役割も果たす。よって、本発明に係る設置構造1は、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、屋根201にPVモジュール5を設置する際のコストを削減することができる。また、屋根下地202上に屋根材を葺く必要がないため、作業者の屋根上での作業時間を短縮することができるとともに、屋根下地202上にかかる重量の負担を軽減することができる。
そして、上記のように本発明に係る設置構造1は、屋根201の屋根下地202上へのPVモジュール5の設置作業が非常に容易であるため、作業者のPVモジュール5の設置労力が軽減されるとともに、作業者の屋根201上での作業時間を短縮できるため作業者の安全性が確保できる。
尚、本発明に係る設置構造1は、屋根201の勾配角度に関わらず屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。そのため、屋根201の角度が地面に対し水平であっても垂直であっても、屋根下地202上にPVモジュール5を設置することができる。
1 設置構造 74 係止用突部
2 縦フレーム部 75 フランジ部
3 横フレーム部 78 突起部
4 架台 80 係止片
5 PVモジュール 81 隙間
9 縁部 84 隙間
10 脚部 101 軒先部材
11 係止部 102 ルーフ部
12 支持部 103 傾斜部
14 ネジ孔 105 底面部
19 突起部 106 タッピングホール
20 支持溝 108 ピン
22 膨出部 109 係止具
25 底板部 110 ネジ
26 起立部 111 補強具
28 タッピングホール 113 挿入部
31 段部 114 傾斜面
33 切欠き部 115 角部
34 支持部 116 ネジ孔
35 支持溝 117 棟部材
36 膨出部 118 長辺部
38 雨樋部 119 短辺部
39 リブ 120 ネジ孔
42 傾斜面 121 傾斜面
44 底板部 123 係止部
45 起立部 124 ケラバ部材
46 タッピングホール 125 立ち上がり部
49 切欠き部 126 上段部
51 支持部 128 ネジ孔
52 支持溝 132 下段部
53 膨出部 134 突起部
55 挟持部 135 釘
56 挿入溝 201 屋根
58 傾斜面 202 屋根下地
60 雪止め部 203 補助桟木
61 PVモジュール体 204 野地板
62 土台部 205 軒先部
63 フレーム支持部 206 喚起棟
64 底板部 207 屋根材
66 傾斜面 208 袖部
68 ネジ孔 209 防水シート
69 仕切り部 210 棟部
70 起立部 212 唐草部
71 排水部 213 喚起棟板
72 タッピングホール

Claims (16)

  1. 縦フレーム部と横フレーム部と架台とからなる屋根下地上に太陽電池モジュールを設置するための太陽電池モジュールの設置構造であって、前記縦フレーム部は係止部と支持部とを有し、前記横フレーム部は支持部を有し、前記架台は土台部と該土台部に立設されたフレーム支持部とを有し、前記太陽電池モジュールの短辺及び長辺の縁部が前記縦フレーム部の前記支持部及び前記横フレーム部の前記支持部に支持されるとともに固定されて太陽電池モジュール体が形成され、前記屋根下地上の軒棟方向に複数本の前記架台が互いに平行に設置され、前記太陽電池モジュール体の前記縦フレーム部の前記係止部が前記架台の前記フレーム支持部の係止用突部と係止することで、設置された複数本の前記架台の間に前記太陽電池モジュール体が設置されていることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
  2. 前記縦フレーム部は脚部を有し、該脚部が前記架台の前記フレーム支持部が有するフランジ部に支持されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  3. 前記太陽電池モジュールの設置構造の周囲が雨水の浸入を防止する部材等によって覆われ、全体が防水性を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  4. 屋根の軒先部に軒先部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  5. 屋根の棟部に棟部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  6. 屋根の袖部にケラバ部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  7. 前記横フレーム部の上辺フレーム部と下辺フレーム部のいずれか一方が突出部を有し、他方が該突出部と嵌合可能な凹部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  8. 前記架台は、前記土台部の幅方向の両端付近に、前記架台の全長に亘って延びる仕切り部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  9. 前記上辺フレーム部または前記下辺フレーム部のいずれか一方が雨樋部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュール設置構造。
  10. 前記縦フレーム部及び前記横フレーム部の前記支持部は、該支持部の支持溝内に突出する膨出部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュール設置構造。
  11. 前記架台の前記係止用突部の上面と、該上面と係止する前記縦フレーム部の前記係止部の底面とのいずれか一方または両方が突起部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項10までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュール設置構造。
  12. 前記架台の底板部の裏面に波状面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項11までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  13. 前記上辺フレーム部及び前記下辺フレーム部は底板部を有し、いずれか一方の前記底板部が段部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項12までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュール設置構造。
  14. 前記架台の前記フランジ部はその上面に係止片を有することを特徴とする請求項1ないし請求項13までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュール設置構造。
  15. 前記上辺フレーム部または前記下辺フレーム部のいずれか一方が有する前記突出部の先端部が断面略半円状または断面略三角形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項14までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  16. 前記上辺フレーム部の上面または前記下辺フレーム部の上面に雪止め部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項15までのいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
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