JP2015051884A - サファイア単結晶の製造方法 - Google Patents

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直人 望月
健太郎 松尾
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健太郎 松尾
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祐一 池田
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勝也 小川
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Abstract

【課題】 チョクラルスキー法でサファイア単結晶を製造する従来技術では、原料溶融液の再使用を繰り返すに従って原料溶融液の不純物濃度が高まり、泡が発生する問題があった。【解決手段】 チョクラルスキー法を用いてサファイア単結晶を育成するに際し、原料アルミナとして、Na、Fe及びGaがいずれも2ppmw以下の原料を用いることで、原料溶融液の不純物濃度の上昇を抑制し、従来より多くの泡のない単結晶体を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、エピタキシャル成長用基板や光学材料として使用されるサファイア単結晶の製造方法に関する。
サファイア(酸化アルミニウム)単結晶体は、窒化物系化合物半導体やシリコンのエピタキシャル成長用基板、高強度の窓材等として広く利用されている。近年、省エネルギーの観点からLEDテレビやLED照明などとしてLEDの需要が拡大傾向にあることから、特に窒化物系化合物半導体エピタキシャル成長用のサファイア基板の需要が拡大している。
サファイア単結晶体の作製方法にはベルヌーイ法、EFG(Edge−defined Film−fed Growth)法、チョクラルスキー法、キロポーラス法、HEM(Heat Exchange Method)法などが知られている。
現在、直径150mmの大型基板(当該業者は一般にこれを6インチ基板と呼ぶ)の材料となるサファイア単結晶体の成長方法として最も一般的なのはキロポーラス法である。キロポーラス法は融液成長法の一種で、原料溶融液面に接触させた種結晶体を引上げず、或いは1mm/時間以下の極端に遅い速度で引上げつつ、ヒーター出力を徐々に下げて坩堝を冷却することにより、原料溶融液面下で単結晶体を成長させる方法であり、優れた結晶特性を有する大口径の単結晶体を比較的容易に得ることができる。
しかし、キロポーラス法は結晶方位ごとに異なる成長速度の影響を大きく受けることが知られており、サファイア単結晶の場合、c軸(ミラー指数<0001>)方向に結晶を成長させることが難しく、a軸(同<11−20>)を下面に向けた種結晶を溶融液に接触させ、a軸方向に結晶成長させることが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
このようにして得られたa軸を成長方向とするサファイア単結晶体から窒化物系化合物半導体のエピタキシャル成長に用いられるc面のサファイア単結晶基板を得るためには、コアドリル等を用いて該単結晶体の側面方向であるc軸方向から希望の直径を持つ円柱体を切り抜き、これをマルチワイヤソー等で円板状に切断する必要がある。
一方、チョクラルスキー法はキロポーラス法と同様に融液成長法の一種であるが、原料溶融液面に接触させた種結晶体を0.5〜10mm/時間程度の速度で引上げつつ、引き上げ速度、結晶回転数やヒーター出力を調整することで所望の直径の結晶体を融液面上に成長させる方法である。チョクラルスキー法では、一般にイリジウム製などの坩堝を誘導加熱方式で直接加熱することにより、キロポーラス法で用いられている抵抗加熱方式よりも大きな温度勾配を形成して結晶育成を行う。
このような大きな温度勾配下で結晶育成を行う場合、育成方位ごとの成長速度差が生じにくくなるためにc軸方向に結晶を育成させることが可能になるという利点がある。チョクラルスキー法では、基板に要する直径と任意の長さを有するc軸方向に成長させたサファイア単結晶体を容易に得ることができるため、コアドリルなどで円柱体を切り抜く必要もなく、育成した単結晶体からの基板取得効率が極めて高いという特徴がある。従来、チョクラルスキー法では大型/長尺の結晶育成が困難であると考えられてきたが、近年、研究開発が進んだことで、チョクラルスキー法で大型/長尺のサファイア単結晶体を育成する技術が確立されつつある。
特開2000−82676号 特開2004−83407号 特開2008−207992号 特開平5−294615号
サファイア単結晶を成長させる際、結晶中に微小な気泡が密に集合した泡群が発生しやすいという問題がある。結晶中の泡群発生を抑えるには結晶の引き上げ速度を遅くすることが一般的だが、引き上げ速度を遅くすることは、単結晶体製造に長時間を要することになり好ましくない手段である。また、イリジウム坩堝を用いた高周波加熱方式のチョクラルスキー法を用いてサファイア単結晶を育成した場合、育成後に坩堝に残存する原料溶融液(以下、残メルトと記載)が坩堝に固着してしまい、坩堝を破損させずにこの残メルトを取り出すことが非常に難しいという問題がある。そのため、サファイア単結晶の連続生産に当たっては、この取り出せない残メルトに、単結晶として育成(消費)した分と等量の新規の原料を追加し、次回の結晶育成の原料とするのが通常である。
チョクラルスキー法で単結晶を育成する場合、融液中の不純物は偏析によって液相に残存しやすい傾向があるため、育成終了後の残メルトには不純物が濃縮された状態となる。このことは、連続生産にあたって残メルトの再使用を繰り返すに従って残メルトに不純物が濃縮され、原料溶融液の不純物濃度が増加していくことを示している。原料溶融液の純度の低下が進行すると、結晶育成の固液界面近傍で原料溶融液が組成的過冷却と呼ばれる状態となって結晶の異常成長を引き起こし、結果として育成した単結晶中に泡が混入する原因となる。
原料中の不純物が単結晶中の泡混入の原因となることは一般的によく知られており、Na、Si、Mg、Feの不純物含有量を20ppmw以下に抑えることで、泡の発生を抑制できるとしている(特許文献4)。しかし、上記不純物が20ppmw以下の原料を使用したとしても、残メルトの再使用を繰り返すに従って残メルトに不純物が濃縮され、単結晶内に泡群が発生するという問題がある。
そこで発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究した結果、原料として使用する原料中の不純物のうちNa、Fe及びGaがいずれも2ppmw以下の原料を用いることで、不純物の濃縮を低減し、その結果、泡の混入を抑制しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、融液凝固法でサファイア単結晶を製造するに際し、原料アルミナとして、Na、Fe及びGaがいずれも2ppmw以下の原料を用いることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法である。当該融液凝固法はチョクラルスキー法であることが好ましい。
本発明によれば、繰り返しサファイア単結晶を製造しても泡が混入することが少ないため、従来よりも泡のない単結晶サファイア結晶体を繰り返し製造することがより多く可能となる。
チョクラルスキー法単結晶引上げ炉の構造を示す模式図。
本発明におけるチョクラルスキー法でサファイアインゴットを製造する方法は、公知の方法がそのまま適用できるが、その概略を説明すると以下の通りである。
即ち、チョクラルスキー法でのサファイアインゴット製造はバッチ方式となり、通常、図1に例示する如き結晶育成装置の一例(模式図)を用いて、例えば、直胴部直径50〜160mm、長さ50〜500mm程度のインゴットを原料融液から引き上げる。
この単結晶引上げ装置は、結晶成長炉を構成するチャンバー1を備えており、このチャンバー上壁には、開口部を介して、図示しない駆動機構によって上下動および回転可能な単結晶引上げ棒2が吊設されている。この単結晶引上げ棒の先端には、保持具3を介して種結晶体4が取り付けられており、種結晶体が坩堝5の中心軸上に位置するように配置されている。また、この単結晶引上げ装置の上端には、結晶重量を測定するロードセル6を備えている。
坩堝5は、チョクラルスキー法に用いられる坩堝として公知の形状の坩堝を使用することができる。一般には、上部から見た開口部が円形状であり、円柱状の胴部を持ち、底面の形状が平面状又は碗状又は逆円錐状のものが用いられる。また、坩堝の材質としては、原料溶融液である酸化アルミニウムの融点に耐え、また酸化アルミニウムとの反応性が低いものが適しており、イリジウム、モリブデン、タングステン、レニウムまたはこれらの合金が一般的に用いられる。とりわけ、耐熱性・耐酸化性に優れたイリジウムを使用することが好ましい。
坩堝の周囲には坩堝の底部及び外周を取り囲むように、断熱壁7aが設置されている。また、坩堝上方の単結晶引上げ域の側周部を環囲する断熱壁7bが設置されている。該断熱壁7a,7bは、公知の断熱性の素材、または断熱のための構造が制限なく利用できるが、イットリウム、カルシウム、マグネシウム等を添加して安定化したものを含むジルコニア系およびハフニア系の素材、アルミナ系の素材、カーボン系の素材、タングステン、モリブデンなどの金属板を積層させた反射材等が特に好適に利用できる。
ここで用いられる断熱壁は、内面と外面の温度差が非常に大きい環境下で使用されるため、加熱、冷却の繰り返しによって素材が著しく変形、割れを生じやすい。このような断熱壁の変形や割れによって結晶成長域の温度勾配が刻々と変化すると、安定的な結晶製造を困難にする。そこで、断熱壁は全体を一体の素材で構成するのではなく、いくつかに分割された断熱材の組み合わせで構成することにより、このような変形や応力による断熱壁の割れやそれに伴う温度環境の変化を低減するのが好ましい。
単結晶引上げ域を環囲する断熱壁の上端の開口部は、単結晶引上げ棒の挿入孔が少なくとも穿孔された天井板8により閉塞される。これにより、単結晶引上げ域は、上記断熱壁7a,7bと天井板8とにより形成される単結晶引上げ室内に収まるため、その保熱性が大きく向上する。該天井板は断熱壁と同様、公知の断熱性の素材、または断熱のための構造で形成されていればよい。また、該天井板は、必ずしも平板状である必要はなく、断熱壁の環囲体の上端開口部を後述する穿孔部分を除いて閉塞するものであれば如何なる形状であっても良い。例えば、平板状以外の形状として円錐台状、逆円錐台状、笠状、逆笠状、ドーム状、逆ドーム状等であっても良い。
断熱壁の外周、おおよそ坩堝の高さの位置を環囲して、高周波コイル9が設置されている。該高周波コイルには、図示しない高周波電源が接続される。高周波電源は、一般のコンピュータからなる制御装置に接続され、出力を適宜調節される。該制御装置は、前記ロードセルの重量変化を解析して高周波電源の出力を調整するほかに、結晶引上げ軸や坩堝の回転数、引上げ速度、ガスの流入出のためのバルブ操作なども併せて制御するのが一般的である。
半導体向けサファイア基板用のサファイア単結晶コアを製造するための原料としては、通常、純度4N(99.99%)以上の純度を有する酸化アルミニウム(アルミナ)が用いられる。原料アルミナの製法には、金属アルミニウムからアルミニウムアルコキシドを経て製造されるアルコキシド法、アルミナを苛性ソーダに溶解し抽出することで高純度アルミナを製造するバイヤー法、その他塩酸法や火花放電法などが知られている。それらは何れも4N以上の純度で提供されているが、含有する不純物の元素や含有量は製法によって異なる。よって、グロー放電質量分析法(GD−MS),誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP−AES)や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MASS)などでppmwオーダーまで分析し、使用することが重要である。
本発明においては上記原料アルミナとして、Na、Fe及びGaがいずれも2ppmw以下の原料を用いる必要がある。これらのうちのいずれかの元素でも2ppmwを超えると、製造したサファイア単結晶中に泡が混入しやすくなってしまう。
また該原料の嵩密度はなるべく高いものが坩堝に多くの原料を充填することができ、また炉内での原料の飛散を抑制できるため適している。好ましい原料の嵩密度は1.0g/ml以上、さらに好ましくは2.0g/ml以上である。このような性状の原料としては、酸化アルミニウム粉末をローラープレス等で造粒したものや、破砕サファイア(クラックル、クラッシュサファイア等)が知られている。また、サファイアインゴットからコアを切り出す際に得られるショルダー部やテール部を原料としてリサイクル使用することも好ましい。
該原料を前記結晶成長炉内に設置された前記坩堝内に装入し、加熱により原料溶融液とする。原料が溶融状態に到達するまでの昇温速度は特に限定されないが、50〜200℃/時間であることが好ましい。
結晶引上げ軸先端の種結晶保持具に装着された種結晶を該原料溶融液面に接触させ、ついで徐々に引上げて単結晶体を成長させる。単結晶引上げを実施する際の、種結晶が接触する部分の原料溶融液の温度は、結晶が異常成長を起こさず安定的に成長するためには、必然的に融点よりも僅かに低い温度(過冷却温度)となることが知られている。サファイア単結晶の場合は2000〜2050℃の温度で実施することが好ましい。
引き上げに用いる種結晶は、サファイア単結晶であり、原料溶融液面と接する先端鉛直方向を任意の所望する結晶方位とする。原料溶融液に接触する先端の形状は特に限定されず、平面であっても不特定面で構成されていても良い。また、該種結晶の側面は特に限定されず任意の形状を選択できるが、円柱状、あるいは四角柱状が好ましい。
また、該種結晶の上方には、保持具で保持するための拡大部及び/又はくびれ部及び/又は貫通孔を有するのが一般的である。
成長させる単結晶の品質は、該種結晶の品質に大きく依存するため、その選定には特に注意を要する。種結晶としては、結晶欠陥や転移と呼ばれる結晶構造の不完全部分が極力少ないものが望ましい。結晶構造の良否は、種結晶の先端面又はその近傍をエッチピット密度測定、AFM、X線トポグラフィ等の方法を用いて評価することができる。また、結晶欠陥は残留応力が大きいほど多くなる傾向があることから、クロスニコル観察や応力複屈折などで応力の程度が小さいものを選定することも効果的である。
該種結晶を原料溶融液に接触させた後、種結晶および/又は坩堝の回転数、引上げ速度、高周波コイルの出力等を制御して肩部(拡径部)を形成し、所望の結晶径まで拡径させた後、当該結晶径を維持するように引き上げを行う。
拡径により程度の大きさまでにするかは、どのような大きさの単結晶体を製造するかによって決定されるが、一般にチョクラルスキー法の育成においては結晶径が大きいほどサブグレインや微小な気泡が発生する傾向がある。よって、例えば6インチ級の基板を量産するという観点からは、150〜170mmとするのが好適である。
引上げは通常、0.1〜20mm/時間の速度で行うことができるが、引上げ速度が小さすぎると単位時間あたりの結晶成長量が減少して生産性が悪化し、引上げ速度が大きすぎると育成環境の変動が大きくサブグレインや微小な気泡が発生しやすくなる。生産性と結晶品質の両立を勘案すると、引上げ速度は好ましくは0.5〜10mm/時間、さらに好ましくは1〜5mm/時間である。
単結晶の育成中、種結晶は引上げ軸を中心として0.1〜30回転/分で回転させることが好ましい。また、上記種結晶の回転に併せて、坩堝を該種結晶の回転方向と逆方向又は同方向に同様の回転速度で回転させても良い。
単結晶体引上げ中の炉内圧力は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれでもよいが、常圧下で行うことが簡便である。雰囲気としては窒素、アルゴン等の不活性ガス、または該不活性ガスに0〜10体積%の任意の量の酸素を含む雰囲気が好ましい。
単結晶の直胴部の長さは任意であるが、基板製造用としてはマルチワイヤソーで効率よく加工できるよう、好ましくは200mm以上、さらに好ましくは250mm以上である。直胴部の長さが200mm未満である場合、マルチワイヤソーで効率よく切断する為には複数のコアを精密に方位を揃えて繋ぎ合わせ、全長を200mm以上としてからマルチワイヤソーで切断するといった追加工程を要することになり、製造効率を低下させ、製造コストの上昇に繋がるため好ましくない。一方、500mmを超える長さとすることは、育成中の炉内のホットゾーンの温度環境変化が大きくなりすぎるため安定した育成が困難となる傾向がある。
このようにして所望の直胴部径と長さを有するサファイア単結晶体を引上げた後、該単結晶体を原料溶融液から切り離す。単結晶体を原料溶融液から切り離す方法は特に限定されず、ヒーター出力の増大(原料溶融液の温度の上昇)により切り離す方法、結晶引上げ速度の増加により切り離す方法、坩堝の降下により切り離す方法など、いずれの方法を採用しても良い。なお、単結晶体が原料溶融液から切り離れる瞬間の温度変動(ヒートショック)を小さくするために、ヒーター出力を徐々に上げる、もしくは結晶引上げ速度を徐々に速くすることによって結晶径を徐々に減少させるテール処理を行うことは効果的である。
原料溶融液から切り離された単結晶体は、炉内から取り出せる程度の温度まで冷却される。冷却速度は速いほうが育成工程の生産性を上げることができるが、速すぎると単結晶体の内部に残留する応力歪みが大きくなり、冷却時や後の加工時に破砕やひび割れが発生したり、最終的に得られる基板に異常な反りが発生するおそれがある。逆に、冷却速度が遅すぎると結晶育成炉を占有する時間が長くなり、育成工程の生産性が低下する。これらを勘案し、冷却速度としては、10〜200℃/時間が好ましい。
上記の製造方法によって得られるサファイア単結晶体の、実質的に製品として利用する直胴部には蛍光灯などの室内光で確認可能な気泡はもとより、暗室内で高照度ハロゲンランプを結晶内部に照射することによる、目視によって確認できる微少気泡を全く有さないか、泡を有する部分の垂直方向の長さが全長の3%以下である。
実施例
以下、具体的な実験例を挙げて本発明の実施態様をより詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
イリジウム製の坩堝に、出発原料として表1の実施例に示す不純物が含有する高純度アルミナを50kg投入した。原料を投入した前記坩堝を高周波誘導加熱方式のチョクラルスキー型結晶引上げ炉に設置し、炉内を100Pa以下まで真空排気した後に酸素を1.0体積%含む窒素ガスで大気圧まで導入した。大気圧到達後は、上記と同組成のガスを2.0L/分で炉内に導入しながら、炉内圧力が大気圧を維持するよう排気を行った。坩堝の加熱を開始し、坩堝内の酸化アルミニウム原料が溶融する温度に到達するまで9時間かけて徐々に加熱した。原料溶融液表面の対流の様子(スポークパターン)を参考にヒーター出力を適宜調整した後、先端がc面である四角柱状のサファイア単結晶の種結晶を、1回転/分の速度で回転させながら徐々に降下させ、種結晶の先端を原料溶融液に接触させた。種結晶が溶けず、かつ原料溶融液表面に結晶が成長しないようヒーター出力をさらに微調整した後、引上げ速度2mm/時間の速度で種結晶の引上げを開始した。
ロードセルの重量変化から推測される結晶直径が希望の直径となるよう適宜ヒーター出力を制御しながら結晶成長を行った。直径165mmまでの拡径が終了した後は、直径160〜170mmを維持しながら引上げ速度を3mm/時間に増加させて引き上げを続けた。直胴部の長さが300mmに到達した後、ヒーター出力を徐々に上げてテール処理を行い、その後引上げ速度10mm/分で単結晶を原料溶融液から切り離した。
切り離した単結晶は30時間かけて室温まで冷却した。その結果、鉛直方向にc軸を有する、直径160mm、直胴部の長さが300mmのサファイア単結晶体を得た。この単結晶体の重量はおよそ30kgだった。この単結晶体を暗室にて高照度ハロゲンランプで観察したところ、結晶内部に気泡等は観察されなかった。
前記の高純度アルミナ原料を約30kg加えて、前記の手順で再び結晶育成を行った。この操作を繰り返したところ、連続して10回の泡のない結晶の育成が可能であった。
比較例1
出発原料として表1の比較例1に示す不純物が含有する高純度アルミナを使用したこと以外は、実施例と同様の手順で結晶育成を実施した。その結果、連続して4回の泡のない結晶の育成が可能であったが、以降に育成した結晶では、直胴部において直胴長の3%を越える領域に泡が混入していた。
比較例2
出発原料として表1の比較例2に示す不純物が含有する高純度アルミナを使用したこと以外は、実施例と同様の手順で結晶育成を実施した。その結果、連続して3回の泡のない結晶の育成が可能であったが、4回目以降に育成した結晶では、直胴部において直胴長の3%を越える領域に泡が混入していた。
Figure 2015051884
1:チャンバー
2:単結晶引上げ棒
3:種結晶体保持具
4:種結晶体
5:坩堝
6:ロードセル
7a,7b:断熱壁
8:天井板
9:高周波コイル

Claims (2)

  1. 融液凝固法でサファイア単結晶を製造するに際し、原料アルミナとして、Na、Fe及びGaがいずれも2ppmw以下の原料を用いることを特徴とするサファイア単結晶の製造方法。
  2. 融液凝固法がチョクラルスキー法である請求項1記載のサファイア単結晶の製造方法。
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