JP2015051725A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤのトレッド面を視認することなく、タイヤから発せられる芳香によりタイヤの摩耗状態を把握できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】空気入りタイヤ10のトレッド部12は、アンダートレッドゴム部24のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部26が配置されることで構成されている。キャップトレッドゴム部26は、香料を含有し摩耗することにより芳香を発散する香料含有ゴム組成物層42を少なくとも一層有している。
【選択図】図1
【解決手段】空気入りタイヤ10のトレッド部12は、アンダートレッドゴム部24のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部26が配置されることで構成されている。キャップトレッドゴム部26は、香料を含有し摩耗することにより芳香を発散する香料含有ゴム組成物層42を少なくとも一層有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤの摩耗状態を芳香で知らせるようにした空気入りタイヤに関する。
従来、サマータイヤの摩耗状態は、ウェアインジケータを視認することで把握される。また、スタッドレスタイヤなどのスノータイヤでは、プラットホームを視認することで冬用タイヤとしての性能が発揮される状態であるか否かが把握される。
したがって、何れの場合も、タイヤのトレッド面を視認しなければタイヤの摩耗状態を把握することができない。
一方、香料を含有したゴム組成物をタイヤに設け、タイヤに長期間、芳香性を持続させる空気入りタイヤは、種々提案されている。
したがって、何れの場合も、タイヤのトレッド面を視認しなければタイヤの摩耗状態を把握することができない。
一方、香料を含有したゴム組成物をタイヤに設け、タイヤに長期間、芳香性を持続させる空気入りタイヤは、種々提案されている。
本発明は、上記のタイヤから発する芳香に着目して案出されたものであって、本発明の目的は、タイヤのトレッド面を視認することなく、タイヤから発せられる芳香によりタイヤの摩耗状態を把握できる空気入りタイヤを提供することにある。
前記目的を達成するため本発明はアンダートレッドゴム部のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部が配置されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記キャップトレッドゴム部は、香料を含有し摩耗することにより香料を発散する香料含有ゴム組成物層を少なくとも一層有することを特徴とする。
本発明によれば、タイヤが摩耗して香料含有ゴム組成物層がトレッド面に露出すると、香料含有ゴム組成物層が有する香料の芳香が発散され、タイヤの摩耗状態が車の使用者に把握される。
タイヤ半径方向における香料含有ゴム組成物層の位置は、車の使用者に知らせるべきタイヤ摩耗状態に応じて適宜決定される。
例えば、トレッド部のタイヤの摩耗寿命位置に香料含有ゴム組成物層を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、ウェアインジケータを視認することなく、タイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握される。
あるいは、トレッド部のタイヤの摩耗寿命の50%の位置に香料含有ゴム組成物層を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層を、タイヤの摩耗寿命の50%の位置とタイヤの摩耗寿命位置とにそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる最初の芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握され、また、次の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
タイヤ半径方向における香料含有ゴム組成物層の位置は、車の使用者に知らせるべきタイヤ摩耗状態に応じて適宜決定される。
例えば、トレッド部のタイヤの摩耗寿命位置に香料含有ゴム組成物層を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、ウェアインジケータを視認することなく、タイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握される。
あるいは、トレッド部のタイヤの摩耗寿命の50%の位置に香料含有ゴム組成物層を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層を、タイヤの摩耗寿命の50%の位置とタイヤの摩耗寿命位置とにそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる最初の芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握され、また、次の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド部12と、トレッド部12の両端からタイヤ半径方向内側に延びるサイドウォール部14と、各サイドウォール部14のタイヤ半径方向内側の端部に位置する不図示のビード部とを備えている。
カーカス16は2層構造で、トレッド部12から両側のサイドウォール部14を経てビード部に至り、ビード部で折り返され、カーカス16のタイヤ半径方向内側にインナーライナー18が設けられている。
図1に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド部12と、トレッド部12の両端からタイヤ半径方向内側に延びるサイドウォール部14と、各サイドウォール部14のタイヤ半径方向内側の端部に位置する不図示のビード部とを備えている。
カーカス16は2層構造で、トレッド部12から両側のサイドウォール部14を経てビード部に至り、ビード部で折り返され、カーカス16のタイヤ半径方向内側にインナーライナー18が設けられている。
トレッド部12の内部でカーカス16のタイヤ半径方向外側に2層構造のベルト層20が設けられ、ベルト層20のタイヤ半径方向外側に2層構造のベルトカバー層22が設けられ、ベルトカバー層22のタイヤ幅方向(タイヤ軸方向)外側は3層構造となっている。
トレッド部12には、ベルトカバー層22のタイヤ半径方向外側にアンダートレッドゴム部24が配置され、アンダートレッドゴム部24のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部26が配置され、サイドウォール部14には、サイドウォールゴム部28が配置されている。
また、トレッド部12のタイヤ幅方向の両側には、キャップトレッドゴム部26のタイヤ半径方向内側にウィングゴム部30が配置されている。
トレッド部12には、ベルトカバー層22のタイヤ半径方向外側にアンダートレッドゴム部24が配置され、アンダートレッドゴム部24のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部26が配置され、サイドウォール部14には、サイドウォールゴム部28が配置されている。
また、トレッド部12のタイヤ幅方向の両側には、キャップトレッドゴム部26のタイヤ半径方向内側にウィングゴム部30が配置されている。
トレッド面12Aには、タイヤ赤道Cの両側でそれぞれタイヤ周方向に延在する一対のクラウン周方向主溝32と、各クラウン周方向主溝32よりもタイヤ軸方向外側でそれぞれタイヤ周方向に延在する一対のショルダー周方向主溝34とが形成されている。
そして、一対のクラウン周方向主溝32の間がクラウン陸部36となっており、クラウン周方向主溝32とショルダー周方向主溝34との間がミドル陸部38となっており、ショルダー周方向主溝34とトレッド接地端との間がショルダー陸部40となっている。
そして、一対のクラウン周方向主溝32の間がクラウン陸部36となっており、クラウン周方向主溝32とショルダー周方向主溝34との間がミドル陸部38となっており、ショルダー周方向主溝34とトレッド接地端との間がショルダー陸部40となっている。
キャップトレッドゴム部26には香料含有ゴム組成物層42が設けられている。
図1〜図4に示す実施の形態では、香料含有ゴム組成物層42は、トレッド全幅にわたる幅を有している。
ここで、トレッド全幅( タイヤ接地幅)とは、空気入りタイヤを正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤのトレッド面が路面と接地する領域であるタイヤ接地域のタイヤ幅方向の最大幅である。 なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
図1〜図4に示す実施の形態では、香料含有ゴム組成物層42は、トレッド全幅にわたる幅を有している。
ここで、トレッド全幅( タイヤ接地幅)とは、空気入りタイヤを正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤのトレッド面が路面と接地する領域であるタイヤ接地域のタイヤ幅方向の最大幅である。 なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
香料含有ゴム組成物層42は、ゴム組成物に香料が混入されたものである。詳細には、香料含有ゴム組成物層42は、ゴム組成物に、香料が封入された多数のマイクロカプセルが混入されて構成されている。それらマイクロカプセルは摩耗することにより破壊され、香料から芳香が発散される。
香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物は、キャップトレッドゴム部26と同一組成のゴム組成物が用いられ、タイヤ特性が損なわれないように図られている。したがって、香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物の組成は、香料含有ゴム組成物層42が設けられる空気入りタイヤ10のキャップトレッドゴム部26の組成に応じて決定される。
また、マイクロカプセルを用いることで、香料の芳香がタイヤの所望摩耗位置まで消失せず、タイヤの所望摩耗位置で香料の芳香が確実に発散されるように図られている。
香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物は、キャップトレッドゴム部26と同一組成のゴム組成物が用いられ、タイヤ特性が損なわれないように図られている。したがって、香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物の組成は、香料含有ゴム組成物層42が設けられる空気入りタイヤ10のキャップトレッドゴム部26の組成に応じて決定される。
また、マイクロカプセルを用いることで、香料の芳香がタイヤの所望摩耗位置まで消失せず、タイヤの所望摩耗位置で香料の芳香が確実に発散されるように図られている。
次に、前記香料が封入されたマイクロカプセルについて説明する。
本発明で使用されるマイクロカプセルは、芯物質の香料を壁材で包んだ球状物質である。
本発明で使用されるマイクロカプセルの製造方法は、特に制限されず、公知のマイクロカプセル化方法を採用することができる。具体的には化学的製法(界面重合法、in situ重合法、オリフィス法)、物理化学的方法(コアセルベーション法)、機械的・物理的方法(気中懸濁被覆法、噴霧乾燥法、高速気流中衝撃法)等が挙げられる。マイクロカプセルの壁材としては架橋または未架橋のアクリル系樹脂、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン等の各種高分子化合物が挙げられる。
本発明で使用されるマイクロカプセルにおいて、その粒径は、5〜300μmが好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。
また、該マイクロカプセルの壁材の厚さは、例えば1〜20μmが好ましく、3〜15μmがさらに好ましい。
本発明で使用されるマイクロカプセルは、芯物質の香料を壁材で包んだ球状物質である。
本発明で使用されるマイクロカプセルの製造方法は、特に制限されず、公知のマイクロカプセル化方法を採用することができる。具体的には化学的製法(界面重合法、in situ重合法、オリフィス法)、物理化学的方法(コアセルベーション法)、機械的・物理的方法(気中懸濁被覆法、噴霧乾燥法、高速気流中衝撃法)等が挙げられる。マイクロカプセルの壁材としては架橋または未架橋のアクリル系樹脂、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアミド、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン、アラビアゴム、デンプン等の各種高分子化合物が挙げられる。
本発明で使用されるマイクロカプセルにおいて、その粒径は、5〜300μmが好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。
また、該マイクロカプセルの壁材の厚さは、例えば1〜20μmが好ましく、3〜15μmがさらに好ましい。
本発明で使用する香料は、芳香が発散できるものであれば、その種類および使用量は特に限定されないが、ゴムとの混練や加硫等の加工中に蒸発逸散したり、分解変質したりすることがないように沸点が190℃以上のものが特に好ましい。
具体的には、ヘリオトロープ系、ジャスミン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー系、ムスク系からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。
さらに具体的な香料として、下記のパチュリ油を主体とするオリエンタルベースにローズ系、アンバー系、ムスク系及びジャスミン系の香料成分を、溶剤のジオクチルフタレート(DOP)と共に上乗せしたタブ(TABU)タイプの香料がある。
オリエンタルベース:パチュリ油、ハーコリン(メチルアビエテート methylabietate)、バニリン、エチルバニリン
クマリンローズ系香料成分:フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール(iso-Bornyl methoxycyclohexanol)
アンバー系香料成分:テトラハイドロパラメチルキノリン
ムスク系香料成分:ガラクソリッド、ムスクケトン
ジャスミン系香料成分:α−アミルシンナムアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート
レモン系香料:例えばミカン科のレモンの果皮及び果汁を、水蒸気蒸留法、熱水蒸留法、有機溶媒抽出法、圧搾法、不揮発性溶剤抽出法、超臨界流体抽出法等により抽出した成分あるいは当該成分の合成品。
また、下記ヘリオトロープ系香料成分を主香調とし、ジャスミン系香料成分、さらに高調性、拡散性を付与するため、ローズ系香料成分やオレンジフラワー系香料成分を溶媒のDOPと一緒に加えたアメシスト(AMETHYST)タイプの香料が挙げられ、これらは甘くて重厚であり、好適である。
ヘリオトロープ系香料成分:ヘリオトロピン、ムスクケトン、クマリン、エチルバニリン、アセチルセドレン、ハーコリン(メチルアビエテート)、オイゲノール、メチルヨノン
ローズ系香料成分:ダマスコン−β、ダマスコン−α、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール
オレンジフラワー系香料成分:メチルアンスラニレート、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン
ジャスミン系香料成分:メチルジヒドロジャスモネート
具体的には、ヘリオトロープ系、ジャスミン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー系、ムスク系からなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することができる。
さらに具体的な香料として、下記のパチュリ油を主体とするオリエンタルベースにローズ系、アンバー系、ムスク系及びジャスミン系の香料成分を、溶剤のジオクチルフタレート(DOP)と共に上乗せしたタブ(TABU)タイプの香料がある。
オリエンタルベース:パチュリ油、ハーコリン(メチルアビエテート methylabietate)、バニリン、エチルバニリン
クマリンローズ系香料成分:フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール(iso-Bornyl methoxycyclohexanol)
アンバー系香料成分:テトラハイドロパラメチルキノリン
ムスク系香料成分:ガラクソリッド、ムスクケトン
ジャスミン系香料成分:α−アミルシンナムアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート
レモン系香料:例えばミカン科のレモンの果皮及び果汁を、水蒸気蒸留法、熱水蒸留法、有機溶媒抽出法、圧搾法、不揮発性溶剤抽出法、超臨界流体抽出法等により抽出した成分あるいは当該成分の合成品。
また、下記ヘリオトロープ系香料成分を主香調とし、ジャスミン系香料成分、さらに高調性、拡散性を付与するため、ローズ系香料成分やオレンジフラワー系香料成分を溶媒のDOPと一緒に加えたアメシスト(AMETHYST)タイプの香料が挙げられ、これらは甘くて重厚であり、好適である。
ヘリオトロープ系香料成分:ヘリオトロピン、ムスクケトン、クマリン、エチルバニリン、アセチルセドレン、ハーコリン(メチルアビエテート)、オイゲノール、メチルヨノン
ローズ系香料成分:ダマスコン−β、ダマスコン−α、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール
オレンジフラワー系香料成分:メチルアンスラニレート、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン
ジャスミン系香料成分:メチルジヒドロジャスモネート
なお本発明の効果が向上するという観点から、前記香料は、前記香料含有ゴム組成物層42の100重量部に対して例えば0.1重量部以上50重量部以下の割合で配合されるのが好ましく、0.5重量部以上20重量部以下の割合で配合されるのがさらに好ましい。なおここでいう香料とは、香料が封入されたマイクロカプセル全体を指す。
キャップトレッドゴム部26および香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物に用いられるゴム成分としては、架橋可能なゴム成分で、単独または2種以上の混合物である。かかるゴム成分には、例えば、天然ゴム(NR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどを用いることができる。また前記ゴム組成物には、通常ゴム組成物に配合されるカーボンブラックおよび/またはシリカ、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑化剤、軟化剤、その他ゴム用に一般的に配合されている各種配合剤を配合することができる。これらの補強剤および添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
タイヤ半径方向における香料含有ゴム組成物層42の位置は、車の使用者に知らせるべきタイヤ摩耗状態に応じて適宜決定される。
すなわち、タイヤ半径方向において車の使用者に知らせるべきタイヤ摩耗状態の箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤの摩耗により香料含有ゴム組成物層42がトレッド面12Aに露出した際に、カプセルが破壊されて香料の芳香が発散され、車の使用者にタイヤ摩耗状態が知らされる。
すなわち、タイヤ半径方向において車の使用者に知らせるべきタイヤ摩耗状態の箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤの摩耗により香料含有ゴム組成物層42がトレッド面12Aに露出した際に、カプセルが破壊されて香料の芳香が発散され、車の使用者にタイヤ摩耗状態が知らされる。
より詳細に説明すると、図1に示すように、香料含有ゴム組成物層42を、アンダートレッドゴム部24よりもタイヤ半径方向外側の範囲R1に設けると、すなわち、キャップトレッドゴム部26が、香料含有ゴム組成物層42を有していると、次の効果が奏される。
例えば、トレッド面12Aからタイヤ半径方向内側でクラウン周方向主溝32の溝深さの95%の箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの慣らし運転が終了し、タイヤの摩耗寿命がほぼ100%残っていることが車の使用者に把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤの摩耗寿命の50%の位置とタイヤの摩耗寿命位置とにそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる最初の芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握され、また、次の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤの摩耗寿命の1/3の位置毎にそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる1回目、2回目の芳香により、タイヤの摩耗寿命が2/3、1/3になったことが車の使用者に把握され、3回目の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
例えば、トレッド面12Aからタイヤ半径方向内側でクラウン周方向主溝32の溝深さの95%の箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの慣らし運転が終了し、タイヤの摩耗寿命がほぼ100%残っていることが車の使用者に把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤの摩耗寿命の50%の位置とタイヤの摩耗寿命位置とにそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる最初の芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握され、また、次の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
あるいは、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤの摩耗寿命の1/3の位置毎にそれぞれ配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる1回目、2回目の芳香により、タイヤの摩耗寿命が2/3、1/3になったことが車の使用者に把握され、3回目の芳香によりタイヤの摩耗寿命が零となり、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
また、図2に示すように、香料含有ゴム組成物層42を、キャップトレッドゴム部26とアンダートレッドゴム部24との境界面よりもタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命の40%の位置P1よりタイヤ半径方向内側となる範囲R2に配置すると、次のような効果が奏される。
例えば、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の40%の位置P1に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、プラットホームを視認することなく、タイヤがあと10%摩耗することで、冬用タイヤの性能が発揮されなくなることが車の使用者に把握され、そろそろタイヤを交換しなければならないことが把握される。
また、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の50%の位置に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、プラットホームを視認することなく、冬用タイヤの性能が発揮されなくなったことが車の使用者に把握され、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
例えば、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の40%の位置P1に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、プラットホームを視認することなく、タイヤがあと10%摩耗することで、冬用タイヤの性能が発揮されなくなることが車の使用者に把握され、そろそろタイヤを交換しなければならないことが把握される。
また、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の50%の位置に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、プラットホームを視認することなく、冬用タイヤの性能が発揮されなくなったことが車の使用者に把握され、タイヤを交換しなければならないことが把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、タイヤの摩耗寿命の50%の位置に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、タイヤの摩耗寿命の100%の位置、すなわち、タイヤの摩耗寿命位置に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、タイヤを交換しなくてはならないことが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42を、キャップトレッドゴム部26とアンダートレッドゴム部24との境界面に配置した場合、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、使用できないタイヤであることが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、タイヤの摩耗寿命の100%の位置、すなわち、タイヤの摩耗寿命位置に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、タイヤを交換しなくてはならないことが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42を、キャップトレッドゴム部26とアンダートレッドゴム部24との境界面に配置した場合、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、使用できないタイヤであることが車の使用者に把握される。
また、図3に示すように、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤの摩耗寿命の60%の位置P2よりタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命の40%の位置P1よりタイヤ半径方向内側となる範囲R3に配置すると、次のような効果が奏される。
すなわち、上述のように、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の40%の位置P1に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、そろそろタイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握され、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の50%の位置に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、タイヤの摩耗寿命の50%の位置に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握される。
すなわち、上述のように、空気入りタイヤ10がスタッドレスタイヤの場合、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の40%の位置P1に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、そろそろタイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握され、香料含有ゴム組成物層42をタイヤの摩耗寿命の50%の位置に配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤを交換しなければならないことが車の使用者に把握される。
また、空気入りタイヤ10がサマータイヤの場合、タイヤの摩耗寿命の50%の位置に香料含有ゴム組成物層42を配置すると、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命が半分になったことが車の使用者に把握される。
また、図4に示すように、香料含有ゴム組成物層42を、キャップトレッドとアンダートレッドゴム部24との境界面よりもタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命位置P3よりタイヤ半径方向内側となる範囲R4に配置すると、次のような効果が奏される。
香料含有ゴム組成物層42を範囲R4内のいずれの箇所に配置しても、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、使用できないタイヤであることが車の使用者に把握される。
香料含有ゴム組成物層42を範囲R4内のいずれの箇所に配置しても、タイヤが摩耗していくことで発せられる芳香により、タイヤの摩耗寿命がなく、使用できないタイヤであることが車の使用者に把握される。
空気入りタイヤ10は自動車やバス、トラックなど、空気入りタイヤ10が装着される車両に応じてその内径、外径、幅が種々決定されるが、香料含有ゴム組成物層42のタイヤ半径方向に沿った厚さが0.1mmに満たないと、芳香を十分に発散するに足る量の香料(香料が封入されたマイクロカプセル)を保持する上で不利となる。
また、香料含有ゴム組成物層42の厚さが5mmを超えると、タイヤ特性に影響を及ぼすことが考えられる。
そのため、香料含有ゴム組成物層42の厚さは、タイヤ半径方向において0.1mm以上で5mm以下が好ましい。
また、香料含有ゴム組成物層42の厚さが5mmを超えると、タイヤ特性に影響を及ぼすことが考えられる。
そのため、香料含有ゴム組成物層42の厚さは、タイヤ半径方向において0.1mm以上で5mm以下が好ましい。
また、タイヤ幅方向に沿った香料含有ゴム組成物層42の幅が1mmに満たないと、芳香を十分に発散するに足る量の香料(香料が封入されたマイクロカプセル)を保持する上で不利となる。
また、タイヤ幅方向においてトレッド全幅よりも超えた香料含有ゴム組成物層42の部分は、タイヤが摩耗してもマイクロカプセルが破壊されにくく、香料から芳香が発散されにくい。
そのため、タイヤ幅方向における香料含有ゴム組成物層42の幅は、1mm以上でトレッド全幅以下が好ましい。
また、タイヤ幅方向においてトレッド全幅よりも超えた香料含有ゴム組成物層42の部分は、タイヤが摩耗してもマイクロカプセルが破壊されにくく、香料から芳香が発散されにくい。
そのため、タイヤ幅方向における香料含有ゴム組成物層42の幅は、1mm以上でトレッド全幅以下が好ましい。
また、香料含有ゴム組成物層42の長さがタイヤ全周の0.1%に満たないと、芳香を十分に発散するに足る量の香料(香料が封入されたマイクロカプセル)を保持する上で不利となる。
また、香料含有ゴム組成物層42の長さは、芳香を十分に発散する観点から、タイヤ全周以下で十分である。
そのため、タイヤ周方向における香料含有ゴム組成物層42の長さは、香料含有ゴム組成物層42が設けられた箇所におけるタイヤ全周の0.1%以上100%以下が好ましい。
また、香料含有ゴム組成物層42の長さは、芳香を十分に発散する観点から、タイヤ全周以下で十分である。
そのため、タイヤ周方向における香料含有ゴム組成物層42の長さは、香料含有ゴム組成物層42が設けられた箇所におけるタイヤ全周の0.1%以上100%以下が好ましい。
特に、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤ半径方向における異なった箇所に複数層設ける場合、上述のように香料含有ゴム組成物層42の厚さ、幅、長さを適宜設定すると、複数の香料含有ゴム組成物層42を、タイヤ特性を損なうことなく配置する上で有利となる。
すなわち、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤ半径方向における異なった箇所に複数層設ける場合、香料含有ゴム組成物層42の幅や長さを適宜設定し、また、幅や長さに応じて香料含有ゴム組成物層42の厚さを適宜設定し、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向における位置を適宜ずらして複数の香料含有ゴム組成物層42を配置できるので、タイヤ特性を損なうことなくタイヤ半径方向における異なった箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置する上で有利となる。
すなわち、香料含有ゴム組成物層42を、タイヤ半径方向における異なった箇所に複数層設ける場合、香料含有ゴム組成物層42の幅や長さを適宜設定し、また、幅や長さに応じて香料含有ゴム組成物層42の厚さを適宜設定し、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向における位置を適宜ずらして複数の香料含有ゴム組成物層42を配置できるので、タイヤ特性を損なうことなくタイヤ半径方向における異なった箇所に香料含有ゴム組成物層42を配置する上で有利となる。
例えば、タイヤの摩耗寿命の1/3の位置毎にそれぞれ香料含有ゴム組成物層42を設ける場合、香料含有ゴム組成物層42の幅、長さを適宜設定する。
そして、図5(A)、(B)に示すように、タイヤの摩耗寿命が1/3減ったことを知らせる第1の香料含有ゴム組成物層42Aをクラウン陸部36に配置する。
また、タイヤの摩耗寿命が2/3減ったことを知らせる第2の香料含有ゴム組成物層42Bをミドル陸部38に、第1の香料含有ゴム組成物層42とタイヤ周方向における位相をずらして配置する。
また、タイヤの摩耗寿命が零であることを知らせる第3の香料含有ゴム組成物層42Cをショルダー陸部40に、第1、第2の香料含有ゴム組成物層42A、42Bとタイヤ周方向における位相をずらして配置する。
このように、第1〜第3の香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cの幅や長さを適宜設定し、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向における位置を適宜変えることで、タイヤ特性を損なうことなく香料含有ゴム組成物層42を複数設ける上で有利となる。
この場合、図5(A)、(C)に示すように、第1〜第3の香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cの長さをタイヤ全周の長さとし、タイヤ半径方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向における位置を適宜変えることで、タイヤ特性を損なうことなく香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cを複数設けるようにしてもよい。
そして、図5(A)、(B)に示すように、タイヤの摩耗寿命が1/3減ったことを知らせる第1の香料含有ゴム組成物層42Aをクラウン陸部36に配置する。
また、タイヤの摩耗寿命が2/3減ったことを知らせる第2の香料含有ゴム組成物層42Bをミドル陸部38に、第1の香料含有ゴム組成物層42とタイヤ周方向における位相をずらして配置する。
また、タイヤの摩耗寿命が零であることを知らせる第3の香料含有ゴム組成物層42Cをショルダー陸部40に、第1、第2の香料含有ゴム組成物層42A、42Bとタイヤ周方向における位相をずらして配置する。
このように、第1〜第3の香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cの幅や長さを適宜設定し、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向における位置を適宜変えることで、タイヤ特性を損なうことなく香料含有ゴム組成物層42を複数設ける上で有利となる。
この場合、図5(A)、(C)に示すように、第1〜第3の香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cの長さをタイヤ全周の長さとし、タイヤ半径方向から見て重ならないように、タイヤ幅方向における位置を適宜変えることで、タイヤ特性を損なうことなく香料含有ゴム組成物層42A、42B、42Cを複数設けるようにしてもよい。
図6は、実施の形態に係る空気入りタイヤ10の試験結果を示す図表である。
試験タイヤとしてタイヤサイズ215/65Rの空気入りタイヤ10(サマータイヤ)を1本、6.5JJのリムに内圧200kPaでリム組みし、乗用車に装着して走行させた。
新品時と、所定の摩耗量となった時点毎に、空気入りタイヤ10を、幅2m、高さ2m、奥行き1.5mのステンレス鋼板製の無臭ボックスに収容し、無臭ボックスの嗅ぎ穴から、5人のパネラーが評香し、次の基準により判定し、5人のパネラーの評価を加点した。
-2:ゴム基材の臭いがより強調された。
-1:コム基材の臭いがそのまま残っていた。
0:ゴム基材の臭いが消滅(マスキング効果)していた。
+1:マスキング効果に加え、好ましい芳香が付香されていた。
+2:マスキング効果に加え、より好ましい芳香が付香されていた。
試験タイヤとしてタイヤサイズ215/65Rの空気入りタイヤ10(サマータイヤ)を1本、6.5JJのリムに内圧200kPaでリム組みし、乗用車に装着して走行させた。
新品時と、所定の摩耗量となった時点毎に、空気入りタイヤ10を、幅2m、高さ2m、奥行き1.5mのステンレス鋼板製の無臭ボックスに収容し、無臭ボックスの嗅ぎ穴から、5人のパネラーが評香し、次の基準により判定し、5人のパネラーの評価を加点した。
-2:ゴム基材の臭いがより強調された。
-1:コム基材の臭いがそのまま残っていた。
0:ゴム基材の臭いが消滅(マスキング効果)していた。
+1:マスキング効果に加え、好ましい芳香が付香されていた。
+2:マスキング効果に加え、より好ましい芳香が付香されていた。
従来例は、香料含有ゴム組成物層42を設けていない従来の空気入りタイヤである。
実施例1〜6は、図6に示す各位置に香料含有ゴム組成物層42を設けた空気入りタイヤ10である。
試験に用いた空気入りタイヤ10のキャップトレッドゴム部26の組成、すなわち、香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物の組成は次のとおりである。
実施例1〜6は、図6に示す各位置に香料含有ゴム組成物層42を設けた空気入りタイヤ10である。
試験に用いた空気入りタイヤ10のキャップトレッドゴム部26の組成、すなわち、香料含有ゴム組成物層42を構成するゴム組成物の組成は次のとおりである。
天然ゴム:RSS#3
SBR:Nipol 1220、日本ゼオン(株)製
カーボンブラック:N220
老化防止剤:サントフレックス6PPD、フレキシス社製
酸化亜鉛:酸化亜鉛3種、正同化学工業(株)製
ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日油(株)製
アロマオイル:エキストラクト4号、昭和シェル石油(株)製
加硫促進剤:サントキュアNS、フレキシス社製
硫黄:油処理イオウ、鶴見化学工業(株)製
香料が封入されたマイクロカプセル:平均粒径が80μmであり、壁材の厚さが8μmのアクリル系粒子の未膨張物(EXPANCEL091DE−80、エクスパンセル社製)に、ローズ系香料を混入したもの
SBR:Nipol 1220、日本ゼオン(株)製
カーボンブラック:N220
老化防止剤:サントフレックス6PPD、フレキシス社製
酸化亜鉛:酸化亜鉛3種、正同化学工業(株)製
ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日油(株)製
アロマオイル:エキストラクト4号、昭和シェル石油(株)製
加硫促進剤:サントキュアNS、フレキシス社製
硫黄:油処理イオウ、鶴見化学工業(株)製
香料が封入されたマイクロカプセル:平均粒径が80μmであり、壁材の厚さが8μmのアクリル系粒子の未膨張物(EXPANCEL091DE−80、エクスパンセル社製)に、ローズ系香料を混入したもの
実施例1〜6の香料含有ゴム組成物層42は、図5(A)に示すクラウン陸部36に配置した。
また、実施例1〜6の香料含有ゴム組成物層42のタイヤ幅方向に沿った幅を2cmとし、タイヤ半径方向に沿った厚さを2mmとした。
また、実施例1〜6の香料含有ゴム組成物層42のタイヤ幅方向に沿った幅を2cmとし、タイヤ半径方向に沿った厚さを2mmとした。
図6から、キャップトレッドゴム部26に香料含有ゴム組成物層42を設けると、タイヤの摩耗が、香料含有ゴム組成物層42が配置された所定の箇所まで進むと、タイヤから発せられる芳香によりタイヤの摩耗状態を把握できることが明らかである。
また実施例3、4から、ゴム組成物に対して香料が0.1重量%混入されている場合も、10重量%混入されている場合も、芳香の効果が発揮されることが明らかであり、実施例3、4、6から、香料の含まれる割合が大きいほど芳香の効果が大きいことが明らかである。
また実施例5、6から、香料含有ゴム組成物層42の構成が同一であるとき、キャップトレッドゴム部26に設けられる香料含有ゴム組成物層42の容量が大きいほど、芳香の効果が大きいことが明らかである。
また実施例3、4から、ゴム組成物に対して香料が0.1重量%混入されている場合も、10重量%混入されている場合も、芳香の効果が発揮されることが明らかであり、実施例3、4、6から、香料の含まれる割合が大きいほど芳香の効果が大きいことが明らかである。
また実施例5、6から、香料含有ゴム組成物層42の構成が同一であるとき、キャップトレッドゴム部26に設けられる香料含有ゴム組成物層42の容量が大きいほど、芳香の効果が大きいことが明らかである。
10……空気入りタイヤ
12……トレッド部
13……サイドウォール部
16……カーカス
20……ベルト層
22……ベルトカバー層
24……アンダートレッドゴム部
26……キャップトレッドゴム部
36……クラウン陸部
38……ミドル陸部
40……ショルダー陸部
42,42A、42B、42C……香料含有ゴム組成物層
12……トレッド部
13……サイドウォール部
16……カーカス
20……ベルト層
22……ベルトカバー層
24……アンダートレッドゴム部
26……キャップトレッドゴム部
36……クラウン陸部
38……ミドル陸部
40……ショルダー陸部
42,42A、42B、42C……香料含有ゴム組成物層
Claims (12)
- アンダートレッドゴム部のタイヤ半径方向外側にキャップトレッドゴム部が配置されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、
前記キャップトレッドゴム部は、香料を含有し摩耗することにより芳香を発散する香料含有ゴム組成物層を少なくとも一層有する、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、キャップトレッドゴム部とアンダートレッドゴム部との境界面よりもタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命の40%の位置よりタイヤ半径方向内側となる範囲に配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、タイヤの摩耗寿命の60%の位置よりタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命の40%の位置よりタイヤ半径方向内側となる範囲に配置されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、キャップトレッドとベーストレッドとの境界面よりもタイヤ半径方向外側で、かつ、タイヤの摩耗寿命位置よりタイヤ半径方向内側となる範囲に配置されている、
ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 - タイヤ半径方向における前記香料含有ゴム組成物層の厚さは、0.1mm以上5mm以下である、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - タイヤ幅方向における前記香料含有ゴム組成物層の幅は、1mm以上でトレッド全幅以下である、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - タイヤ周方向における前記香料含有ゴム組成物層の長さは、前記香料含有ゴム組成物層が設けられた箇所におけるタイヤ全周の0.1%以上100%以下である、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、トレッド全幅よりも小さい寸法の幅で、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ半径方向およびタイヤ幅方向の異なった箇所にそれぞれタイヤ周方向の全周にわたり配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、トレッド全幅よりも小さい寸法の幅でかつタイヤ全周よりも短い長さで、タイヤ半径方向から見て重ならず、かつ、タイヤ幅方向から見て重ならないように、タイヤ半径方向およびタイヤ幅方向の異なった箇所にそれぞれタイヤ周方向に間隔をおいて複数配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料含有ゴム組成物層は、キャップトレッドゴム部と同一のゴム組成物に、香料が封入されたマイクロカプセルが混入されることで構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料は、前記ゴム組成物100重量部に対して0.1重量部以上50重量部以下の割合で配合されている、
ことを特徴とする請求項10記載の空気入りタイヤ。 - 前記香料は、ヘリオトロープ系、ジャスミン系、ローズ系、オレンジフラワー系、アンバー系、ムスク系からなる群より選ばれる少なくとも一種である、
請求項1〜11の何れか1項記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013185967A JP2015051725A (ja) | 2013-09-09 | 2013-09-09 | 空気入りタイヤ |
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Publications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT201800021031A1 (it) * | 2018-12-24 | 2020-06-24 | Bridgestone Europe Nv Sa | Pneumatico con strisce posizionate al di sotto del battistrada per la riduzione del rumore dei pneumatici |
KR20210039426A (ko) * | 2018-08-02 | 2021-04-09 | 게이츠 코포레이션 | 마모 표시 층을 갖는 고무 제품 |
-
2013
- 2013-09-09 JP JP2013185967A patent/JP2015051725A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210039426A (ko) * | 2018-08-02 | 2021-04-09 | 게이츠 코포레이션 | 마모 표시 층을 갖는 고무 제품 |
KR102594437B1 (ko) * | 2018-08-02 | 2023-10-26 | 게이츠 코포레이션 | 마모 표시 층을 갖는 고무 제품 |
IT201800021031A1 (it) * | 2018-12-24 | 2020-06-24 | Bridgestone Europe Nv Sa | Pneumatico con strisce posizionate al di sotto del battistrada per la riduzione del rumore dei pneumatici |
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