<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遊技機について各図を参照して説明する。
[遊技機の基本構成]
以下、遊技機の基本的な構成について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「表(前)」、「裏(後)」、「内」、及び、「外」は、特に断らない限り、遊技機1を遊技者側から見た場合における各方向を示すものとする。
図1は、本実施形態の遊技機1の全体を示す模式図である。図2は、遊技機1に配される遊技盤70を示す模式図である。
図1に示す遊技機1は、所謂パチンコ機である。この遊技機1には、遊技盤70が機内部に配置されている。遊技盤70上には、遊技球Pを射出する打球装置20がそのハンドル部分を前面に露出させて設けられている。ここで遊技盤70上とは遊技盤70の盤面上をいう。遊技機1は、遊技者が打球装置20のハンドルを操作することで遊技球Pを遊技盤70上に射出する。そして、遊技盤70上には、入賞口76等のポケットが配されており、遊技盤70上を転動流下する遊技球Pがこの入賞口76等に入球した場合に、所定数の遊技球Pを払い出す。遊技機1は、上皿30や下皿40を備えており、遊技球Pは、この上皿30や下皿40に払い出されて貯留される。
このような遊技機1は、機体の外郭をなす縦長方形状の外枠10を備えている。外枠10は、遊技ホールの島設備に取り付け固定される。外枠10の下部は、合成樹脂製の腰板ユニット11で構成されている。外枠10の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするために縦長方形状の中枠12が開閉可能に取り付けられている。外枠10には、一方の側縁部にヒンジ機構13が設けられており、中枠12は、ヒンジ機構13に枢支されることで開閉可能となっている。
中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤70を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上皿30とが、横開き状態で開閉可能に組み付けられている。この前枠14と上皿30も外枠10に設けられたヒンジ機構13で枢支されることで開閉可能となっている。中枠12の前面側において上皿30の下方には、下皿40や打球装置20のハンドルが装着されている。
上皿30には、その左方側に機内部から払出される遊技球Pの上皿払出口31が設けられている。入賞等により払い出された遊技球Pは、上皿払出口31から上皿30に排出される。そして、上皿30に貯留されている遊技球Pは、機内へ取り込まれて、打球装置20によって遊技盤70に向けて発射される。上皿30の前面には、上皿球抜きボタン32が設けられている。上皿30と下皿40とは、図示しない球抜き通路で繋がっている。球抜き通路は、上皿球抜きボタン32の押下操作によって開通し、上皿30に貯留されている遊技球Pを下皿40に向けて流下させる。
遊技機1は、入賞、図柄変動、大当り状態、リーチ状態などの各種遊技の状態に応じた各種の演出を行う。遊技機1の前面側には、各種音声を出力して音声演出を行うスピーカ50が配置されている。スピーカ50は、前枠14や中枠12の裏面に装着されており、装着部位に対応する遊技機1の表面には図示しない放音孔が複数形成されている。各スピーカ50は、効果音等の各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行う。また、前枠14のほぼ全周を囲むように装飾ランプ75(図2参照)が配置されている。各装飾ランプ75は、LEDランプ等の発光体を備え、遊技の状態に応じて点灯または消灯して、発光装飾に基づく遊技演出を行う。
図2に示すように、遊技盤70の前面には、外レール71と内レール72が敷設されている。外レール71と内レール72は、パチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域74を遊技盤70上に区画形成する。内レール72は、外レール71の内側に敷設されている。外レール71と内レール72とは、遊技盤70の左下方から左上方に向かって延設されており、打球装置20から射出された遊技球Pを遊技領域74に誘導する円弧状の誘導路73を形成している。
遊技盤70の遊技領域74には、複数の入賞口76が配されている。これらの各入賞口76は、遊技盤70から前方向に直立し、上方に開口を有するポケット形状を有する。ポケット内部には、遊技球Pを検知するセンサが配されている。遊技機1は、入賞口76に遊技球Pが入球すると、センサがこの入球を検知したことを契機として所定球数の遊技球Pが上皿30に払い出される。遊技盤70の遊技領域74の最下部には、いずれの入賞口76にも入球せずにアウト球となった遊技球Pが入球するアウト球口77が配設されている。このアウト球口77は、アウト球を回収して内部へ送出し、機外排出を行うために設けられている。
遊技盤70の遊技領域74には、中央に開口を有した大型の枠体であるセンター役物100が装着されている。センター役物100には遊技球が転動し得るステージが設けられている。
遊技領域74内には、始動口79が設けられている。この始動口79は、遊技盤70から前方向に直立し、上方に開口を有するポケット形状を有する。ポケット内部には、遊技球Pを検知するセンサが配されている。遊技機1は、始動口79に遊技球Pが入球すると、センサがこの入球を検知したことを契機として図柄変動ゲームを開始する。
センター役物100の開口には、図柄表示部78が配置されている。図柄表示部78には、複数種類の図柄を変動させて複数列の図柄からなる図柄組み合わせを導出する図柄変動ゲームなどの表示演出の画像が表示される。
図柄変動ゲームにおいて図柄表示部78では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と称す)を複数列で変動させて各列に飾図が表示される。飾図は、図柄表示部78で行われる表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
図柄表示部78には、図柄変動ゲームで導出される3列の図柄毎に対応して、各列の図柄を停止表示させる3つの図柄表示位置HP1,HP2,HP3が定められている。停止表示では、図柄表示部78の各図柄表示位置HP1〜HP3において図柄の種類を遊技者が識別可能な状態で図柄が表示される。この停止表示には図柄が一時的に停止している一旦停止表示と、図柄が確定的に停止している確定停止表示とがある。
そして、図柄表示部78では、図柄変動ゲームが開始すると図柄が変動表示されるとともに、変動の停止によって各列の図柄表示位置HP1〜HP3に1つの図柄が一旦停止表示され、その後に図柄変動ゲームが終了すると各列の図柄表示位置HP1〜HP3に1つの図柄が確定停止表示される。変動表示では、図柄表示部78において図柄が予め定めた表示順序にしたがって変動しながら表示される。
図柄変動ゲームでは、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾図として表示可能とされている。そして、図柄表示部78で図柄変動ゲームが開始すると、各列の図柄は、予め定められた表示順序で図柄表示部78の上方から下方にスクロールさせながら変動表示されるようになっている。
図柄表示部78には、当該図柄表示部78に定められる3つの図柄表示位置HP1〜HP3を結んでなる組み合わせ有効ラインLが形成されている。なお、図2では、説明の便宜上、各図柄表示位置HP1〜HP3、及び有効ラインLを図示しているが、実機においては、これらの図柄表示位置HP1〜HP3、及び有効ラインLが目視可能な状態で表示されている必要はない。有効ラインLに停止表示された3つの図柄からなる図柄組み合わせが、大当りか否かを遊技者に認識させるための有効な図柄組み合わせとなる。
図柄変動ゲームでは、有効ラインLに停止表示させる3列の飾図を同一の飾図として形成した図柄組み合わせを、内部抽選で大当りを決定した場合に図柄表示部78に確定停止表示させる飾図の大当り図柄としている。例えば、飾図による大当りの図柄組み合わせは、[111]や[777]などである。一方、有効ラインLに停止表示させる3列の飾図を同一の飾図とせずに形成した図柄組み合わせを、内部抽選ではずれを決定した場合に演出表示装置に確定停止表示させる飾図のはずれ図柄としている。3列の飾図が同一の飾図とならない場合には、3列の飾図の全てが異なる場合や、2列の飾図が同一で、かつ1列の飾図が異なる場合が含まれる。例えば、飾図のはずれ図柄組み合わせは、[123]、[115]、[767]や[889]などである。
さらに遊技領域74には、大入賞口80が配されている。大入賞口80は、開閉動作可能な開閉扉80aで閉じられている。開閉扉80aは、図柄変動ゲームで大当りが決定されると、予め定めた開放時間や開放回数で開動作し、遊技球Pの入球を許容する。そして、大入賞口80には、遊技球Pを検知するセンサが設けられており、遊技機1は、大入賞口80への入球を検知すると、所定球数の遊技球Pを払い出す。
センター役物100は、遊技機1の前後方向に所定の厚みを有しており、遊技盤70の前面から少なくとも遊技球Pの直径以上の厚み分突出して取り付けられている。センター役物100の枠体は、枠体上部100a及び枠体下部100bを有する。枠体上部100aは、図柄表示部78の上方において遊技領域74を左右に横断している。枠体下部100bは、図柄表示部78の下方において遊技領域74を左右に横断している。センター役物100のステージ122を転動する遊技球が勢い余って、裏ユニット70a(図4参照)側に飛び出さないように仕切壁としての役割を担う仕切板120が設けられている。仕切板120は、図柄表示部78の表示を妨げないように透光性を有している。
遊技盤70は裏ユニット70aを有している。なお、裏ユニット70aを含めて遊技盤70という場合がある。
裏ユニット70aは遊技盤70の背面に配設されている。裏ユニット70aの背面に図柄表示部78が取り付けられている。裏ユニット70aにはセンター役物100の開口に対応するように開口部が設けられている。裏ユニット70aの開口部に図柄表示部78が取り付けられる。
裏ユニット70aは、それと遊技盤70との間にスペースが画成されるように略コ字状に形成されている。画成されたスペースは、様々な部品を設けるための設置スペースとして用いられる。遊技盤70は、遊技盤70を介して図柄表示部78を視認することが可能なように、例えばアクリル樹脂材で形成され、その全体が透過性を有している。
設置スペースには様々な部品が設けられるから、設けられる装置および部品は、可能な限り小型であることが好ましい。そのためには、可動演出装置200を構成する構成部品の数をできるだけ少なくすると共に、構成部品を設置スペースに有効に配置する必要がある。
図2は遊技盤70の正面図である。図2に示すように、遊技盤70の左端上部および右端下部には、他の可動体300を含み、他の可動体300を駆動する駆動機構が配置される。以下、左端上部に装着された駆動機構を「左上の駆動機構」といい、右端下部に装着された駆動機構を「右下の駆動機構」という場合がある。
図3は可動演出装置200の後方斜視図である。図3に示すように、左右の可動演出装置200が互いに向かい合うように構成される。
以下、左側に配置された可動演出装置を「左側の可動演出装置」といい、右側に配置された可動演出装置を「右側の可動演出装置」という場合がある。
図4は裏ユニット70aの後方斜視図である。可動演出装置200は、裏ユニット70aに前方から装着される。左側の可動演出装置200が裏ユニット70aの左端部に装着され、右側の可動演出装置200が裏ユニット70aの右端部に装着される。
左側および右側の可動演出装置200は、基本的に同じ構成を有する。
以下、右側の可動演出装置200を主に説明し、左側の可動演出装置200については、異なる構成について説明する。なお、以下の説明において、右側の可動演出装置を、単に「可動演出装置」という場合がある。
[可動演出装置200]
可動演出装置200について、図3、図5、および、図6を参照して説明する。図5は可動演出装置200の前方斜視、図6は、可動体300が取り付けられる被ガイド部370が退避位置にあるときの可動演出装置200の正面図である。図6に、可動体300が取り除かれることにより前方から見える被ガイド部370を示す。
図3、図5、および、図6に示すように、可動演出装置200は、複数の可動体300、一つの動力源M、第1ベース213、および、第2ベース500を有する。
〔第1ベース213〕
図7は可動演出装置200の本体210の正面図である。図7に示す可動演出装置200の本体210は、裏ユニット70aに固定される。可動演出装置200の本体210は、青色で透光性を有する樹脂材により略枠形状に形成され、上枠部211と、下枠部212と、右側枠部213と、左側枠部214とを有する。右側枠部213は第1ベースとして用いられる。以下、右側枠部213を「第1ベース」という場合がある。
図7に示すように、上枠部211、下枠部212、右側枠部213および左側枠部214により枠内空間が形成される。なお、枠内空間の中央の位置を「中央位置」という場合がある。図7に中央位置を“O”で示す。
枠内空間はセンター役物100の開口に対応して配置される。前述するように、センター役物100の開口に裏ユニット70aの開口部が対応し、裏ユニット70aの開口部に図柄表示部78が設けられる。なお、図柄表示部78には上述する飾図の他にキャラクタ(後述する)が表示される。図柄表示部78によりそのほぼ真ん中にキャラクタが表示されるとき、そのキャラクタは、中央位置Oに表示されるようになる。
(ガイド部220)
可動演出装置200において、第1ベース(右側枠部)213の上段部、中段部、および、下段部にはガイド部220が配置される。
図6に示すように、上段部に配置された上段のガイド部220は、長溝を有する。長溝の長手方向は、右から左(右側枠部213の右端部から中央位置O)に向かって斜め下方の方向(進出方向)である。ガイド部220は、約73mmの長さと、約8mmの溝幅とを有する。上段のガイド部220により、可動体300の被ガイド部370(後述する)が、その右端側とその左端側との間に案内される。長溝の長手方向を「ガイド部の長手方向」という場合がある。
図8は被ガイド部370が進出位置にあるときの可動演出装置200の正面図、図9は可動体300が進出位置にあるときの可動演出装置200の前方斜視図、図10は可動体300が進出位置にあるときの可動演出装置200の後方斜視図である。
被ガイド部370は上段のガイド部220の左端側である進出位置(図8、図9、図10参照)と上段のガイド部220の右端側である退避位置(図3、図5、図6参照)との間に案内される。さらに、ここでガイド部220に案内される被ガイド部370は、左側および右側の筒状部372(後述する)である。被ガイド部370が上段のガイド部220により案内される構成は、中段のガイド部220および下段のガイド部220においても同じである。
中段部に配置された中段のガイド部220は、長溝を有する。長溝の長手方向は、右から左(右側枠部213の右端部から中央位置O)に向かって略水平方向である。ガイド部220は、約70mmの長さと、約8mmの溝幅とを有する。中段のガイド部220により、被ガイド部370がその右端側と左端側との間に案内される。長溝の長手方向を「ガイド部の長手方向」という場合がある。
下段部に配置された下段のガイド部220は、長溝を有する。長溝の長手方向は、右から左(右側枠部213の右端部から中央位置O)に向かって斜め上方の方向である。ガイド部220は、約73mmの長さと、約8mmの溝幅とを有する。下段のガイド部220は、上段のガイド部220と対照的に配置される。下段のガイド部220により、被ガイド部370がその右端側と左端側との間に案内される。長溝の長手方向を「ガイド部の長手方向」という場合がある。
〔可動体300〕
図5〜図8に示すように、可動体300は、被ガイド部370を介して上段、中段、および、下段のガイド部220に案内される。可動体300について、図11〜図14を参照して説明する。図11は可動体300の分解斜視図、図12は可動体300の右側面図、図13は可動体300の底面図、図14は図10のA-A線断面図である。
図11は、可動体300を斜め後方から見たときの分解斜視図である。図11において、紙面の上が後方であり、紙面の下が前方である。図11から図14に示すように、可動体300は、本体310と、被ガイド部370と、リング390と、回路基板400と、ケーブル406と、障壁部材380とを有する。
(本体310)
本体310は、樹脂材により形成される。本体310は、可動体300の本体として、前方に面する前壁部311、周壁部350、および、段差部360を備える。以下、本体310と回路基板400等との位置関係について説明するとき、前後方向を「高さ」、「高さ方向」、「深さ」あるいは「深さ方向」という場合がある。
前壁部311は、略平板状で、略二等辺三角形状(槍先形状)の外形を有する。前壁部311の周辺部は、等辺部および底辺部を有する。前壁部311は、底辺部を右手、頂角部を左手にして配置される。なお、可動体300は、槍先形状を中央位置Oに向けて配置される(図5、図9参照)。
前壁部311は、透光性を有する透光部312と、透光性を有しない非透光部313とを有する。透光部312と非透光部313とにより所望の模様が描かれる。非透光部313は、樹脂製の本体310に金属メッキした部分である。透光部312は、金属メッキをしない部分である。前壁部311は、右端部から左端部に向かって徐々に後方にわずかに傾斜するように形成される。
周壁部350は、周辺部から後方に立ち上がるように形成される。等辺部から後方に立ち上がった周壁部を「等辺壁部」という場合がある。底辺部から後方に立ち上がった周壁部を「底辺壁部」という場合がある。
図15は被ガイド部370の位置で断面にされた可動体300の断面図である。図15に、第1ベース213の前面である基準面を “BP”で示す。図15において、紙面の上が前方であり、紙面の下が後方である。
図11〜図15に示すように、等辺壁部351および底辺壁部352の後端面は、第1ベース213の前面(略垂直面)に沿うように形成される。基準面BPから等辺壁部351および底辺壁部352の後端面までは、約4.5mmの距離がある。すなわち、基準面BPと後端面との間には約4.5mmの隙間Sが設けられる。この約4.5mmの隙間Sには、板厚約4mmの第2ベース500(後述する)が介装される。
段差部360は、底辺壁部352の後端面から右方に約4mm〜5mm延ばされたものである。基準面BPから段差部360までは、約4.5mmの距離がある。すなわち、段差部360と基準面BPとの間にも約4.5mmの隙間Sが設けられる。この隙間Sにも、第2ベース500が介装される。
すなわち、第2ベース500は、基準面BPと可動体300(等辺壁部351および底辺壁部352の後端面並びに段差部360)との間の隙間Sに介装される。
段差部360と前壁部311の中央部との高低差は、約10mmである。
前壁部311の中央部および段差部360には座部320が設けられる。座部320は、前壁部311から後方に突設される。中央部に設けられた座部320と段差部360に設けられた座部320との間の距離は、約23mmである。
中央部に設けられた座部320は、軸形状を有し、後方に突設される。座部320は、直径約7mmの基端部321と、直径約5mmであって長さ約5mmの先端部322と、を有する。段差部360に設けられた座部320は、軸形状を有し、後方に突設される。座部320は、直径約7mmの基端部321と、直径約5mmであって長さ約3mmの先端部322と、を有する。
中央部に設けられた座部320および段差部360に設けられた座部320において、先端部322は、基準面BPから後方に約2.5mmだけ突出する。このように、先端部322を前後方向で同じ位置まで突出させることで、それが嵌合する被ガイド部370の筒状部372(後述する)の高さ(前後方向の位置)を同じにすることが可能となる。
中央部に設けられた座部320の先端部322の長さ(約5mm)が、段差部360に設けられた座部320の先端部322の長さ(約3mm)より、約2mmだけ長い理由については、2mm長い方の先端部322に板厚2mmのリング390(後述する)が外嵌されるためである。
(被ガイド部370)
図11〜図15に示すように、被ガイド部370は、可動体300の本体310の後方に配置される。被ガイド部370は、プレート部371と、2つの筒状部372とを有する。プレート部371と2つの筒状部372とは樹脂材により一体的に成形される。プレート部371は長尺形状で、約34mmの長さと、約2mmの板厚と、約11mmの板幅と、を有する。2つの筒状部372間の距離は、約23mm(座部320間の距離と同じ)である。2つの筒状部372は、同じ形状を有し、前方に突設される。筒状部372は、直径約5mmの内径部373、直径約8mmの外径部374を有する。内径部373は、約2.5mmの深さを有する。
中央部に設けられた座部320の先端部322が一方の筒状部372の内径部373に内嵌され、ねじ止めされる。段差部360に設けられた座部320の先端部322が他方の筒状部372の内径部373に内嵌され、ねじ止めされる。この筒状部372の外径約8mmの外径部374が溝幅約8mmのガイド部220に内嵌される。
中央部に設けられた座部320の先端部322は、長さ約5mmであり、筒状部372の内径部373の深さは約3mmであるため、座部320の先端部322が約2mmだけ内径部373から出ている。内径部373から出ている約2mm出た先端部322(直径約5mm)に、樹脂製のリング390が外嵌される。さらに、リング390は、約5mmの内径、約2mmの厚さを有する。このリング390と、プレート部371とにより、ガイド部220の側縁を前後から挟むことで、被ガイド部370がガイド部220から抜け止めされる。被ガイド部370が可動体300の本体310の座部320とねじ止めされるため、可動体300がガイド部220から抜け止めされる。
(回路基板400)
図11〜図15に示すように、回路基板400は、本体310の前壁部311の背後に配置される。
回路基板400の板厚は約1.5mmである。回路基板400は、本体310の周壁部350に囲まれた空間に後方から嵌め込まれるような外形を有する。周壁部350に回路基板400が嵌め込まれることで、前壁部311、周壁部350および回路基板400により、内部空間が生まれる。その内部空間は、開口部315(後述する)を通して、外部と連通する。
回路基板400の左端部にはロケート穴401が穿設される。回路基板400の中央部には貫通穴402および下穴403が穿設される。
ロケート穴401は、約2mmの直径を有する。ロケート穴401に対応して、本体310の前壁部311に段付きピン330が設けられる。段付きピン330は、前壁部311から後方に突設される。段付きピン330は、直径約3mmの基端部331と、直径約2mmであって長さ約3mmの先端部332とを有する。基端部331の高さは、本体310の周壁部350より約3mm低い。先端部332は、本体310の周壁部350とほぼ同じ高さ(前後方向で同じ位置)を有する。回路基板400が本体310に嵌め込まれたとき、先端部332がロケート穴401に嵌め込まれる。さらに、基端部331が回路基板400に当接される。それにより、回路基板400が左右、上下、および前後の方向に位置決めされる。
貫通穴402は、約8mmの直径を有する。回路基板400が本体310に嵌め込まれたとき、前壁部311の中央部に設けられた座部320の基端部321(直径約7mm)が貫通穴402に通される。
下穴403は、約2.5mmの直径を有する。下穴403に対応して、本体310の前壁部311にボス部340が設けられる。ボス部340は、前壁部311から後方に突設される。ボス部340は、段付きピン330の基端部331と同じ高さ(周壁部350より約3mm低い)を有する。ボス部340は、ねじ穴を有する。回路基板400が本体310に嵌め込まれたとき、回路基板400の前面側がボス部340に当接される。さらに、下穴403に通されたねじがねじ穴に螺合されることで、回路基板400が本体310にねじ止めされる。
回路基板400が本体310に嵌め込まれ、さらに、ねじ止めされる。前壁部311、周壁部350および回路基板400により囲まれる内部空間が形成される。基準面BPから回路基板400の後面までの高さは約5.5mmである。基準面BPから周壁部350の後端面までの高さは4.5mmであるから、回路基板400は、周壁部350の後端面より約1mmだけ前方の位置に固定される。そのため、回路基板400が周壁部350の後端面より後方に出っ張らない。
回路基板400の前面には、前壁部311を後方から照明可能な6個の光源404が搭載される。そのうちの1個を図15に示す。光源404は、前述の内部空間に納められる。そのため、光源404からの光は、前壁部311に設けられた透光部312を通してのみ前方に出射され、外部に漏れない。回路基板400の前面の右端部にはソケット405が設けられる。
(ケーブル406、開口部315)
図11から図15に示すように、底辺壁部352は、後方から切り欠かれた溝部を有する。溝部の上下幅は、約8mmである。さらに、基準面BPから溝部の上辺縁(前辺縁)までの高さは、約10mmである。基準面BPから回路基板400の前面までの高さが約7.5mmであるから、溝部の上辺縁と回路基板400の前面との間の隙間は、約2.5mm(=10−7.5)となる。すなわち、底辺壁部352の溝部と回路基板400とにより、右方から見たとき、上下幅約8mm×前後幅約2.5mmの開口部315が形成される。この開口部315を通して、前壁部311、周壁部350および回路基板400により囲まれた内部空間が外部(右方)に開放される。
前述する溝部により段差部360が切り欠かれる。段差部360が切り欠かれることにより、開口部315は、前方にも開放される。前方から見たとき、上下幅約8mm×左右幅約5mmの開口部315が形成される。この開口部315により、段差部360の後方と前方とが連通する。
線径約1mmの4本のケーブル406が用いられる。4本のケーブル406は横並びにされ、ケーブル406の両端部にはプラグが設けられる。プラグは、6mm×4mmの矩形状の断面形状を有する。
一方のプラグは回路基板400上のソケット405に電気的に接続される。ケーブル406は、ソケット405から開口部315(上下幅約8mm×前後幅約2.5mm)を通って右方に延ばされ、かつ、段差部360の前方を通って裏ユニット70a側に延ばされる。ケーブル406を通じて光源404に電力が供給される。本体310と回路基板400との組み付け時に、仮に、ケーブル406が段差部360の後方を通ったとしても、上下幅約8mm×左右幅約5mmの開口部315にプラグを後方から前方に通すことで、ケーブル406を段差部360の前方に通すことが可能となる。
(障壁部材380)
図11から図15に示すように、段差部360において、前述する溝部により切り欠かれることなく残された部分が、障壁部材380となる。障壁部材380は、板厚約2mm(本体310と同じ板厚)×上下幅約20mm×左右幅約3mmの細長な部材である。
段差部360に座部320を介して被ガイド部370の筒状部372が連結され、筒状部372が第2ベース500の保持部530(後述する)に案内される関係で、障壁部材380が第2ベース500の保持部530の前方に位置するようになる。さらに、障壁部材380(段差部360)の前方を通ってケーブル406が延ばされる。したがって、障壁部材380は、ケーブル406と第2ベース500との間を仕切るように配置される。障壁部材380によりケーブル406と第2ベース500とが仕切られるので、可動体300が移動されるときに、ケーブル406が第2ベース500の保持部530(後述する)に巻き込まれることがなく、可動体300が円滑に案内可能となる。
障壁部材380は、無着色で透光性を有する樹脂材により成形される。そのため、障壁部材380が目立たず、遊技者に違和感が生じさせない。さらに、障壁部材380は、段差部360の一部であり、段差部360は本体310の周壁部350から延設された部分であるため、障壁部材380は、本体310と一体的に形成されることとなる。それにより、障壁部材380が本体310と別個に製造されるときに比して、障壁部材380の製造コストおよび組立コストが低減可能となる。
〔第2ベース500〕
図6および図7に示すように、第1ベース(右側枠部)213の上端部(上枠部211の右端部でもある)には、ガイド用軸部230が設けられる。ガイド用軸部230は、樹脂材により、可動体300の本体310(上枠部211および右側枠部213)と一体的に成形される。ガイド用軸部230は、約5mmの直径を有する。左右2つのガイド用軸部230は、約43mm隔てて配置される。
図16は第2ベース500の正面図である。図6、図7および図16に示すように、第2ベース500は、第1ベース213の前方に配置される。第2ベース500は、青色で透光性を有する樹脂材により略板状に成形され、右側枠部213に沿って配置される。第2ベース500の上端部は、上枠部211に沿って延設される。第2ベース500の上端部には、被ガイド用溝510およびラックギア520が設けられる(図16参照)。第2ベース500を、第1ベース213と同じ系統の材料により成形したので、その色合いや質感が第1ベース213と同じとなり、第1ベース213に対し第2ベース500が目立たない。
(被ガイド用溝510、ラックギア520)
図6、図7および図16に示すように、ラックギア520は、左右方向(被ガイド用溝510と平行な方向)に連設された歯部を有する。ラックギア520は、モータMにより回転されるピニオン(後述する)に噛み合わされることにより、モータMの回転を第2ベース500の左右方向の直線運動に変換するものである。
被ガイド用溝510は、ラックギア520の下方に配置され、長溝を有する。長溝の長手方向は、左右方向である。被ガイド用溝510は、約5mmの溝幅、および、約88mmの溝長さを有する。図6に示すように、被ガイド用溝510に第1ベース213のガイド用軸部230が相対的に移動可能に嵌合されることにより、第2ベース500の上下方向の移動が規制される。それにより、第2ベース500は、安定的に、かつ、左右方向に約40mm(=88−43−5)往復移動されるように構成される。
ガイド用軸部230は、ねじ穴を有する。ねじ穴には、約8mm径の座付きねじが螺合される。それにより、第2ベース500は、前後方向の移動が規制される。ガイド用軸部230および座付きねじにより、第2ベース500の左右方向の移動のみが許容され、上下方向および前後方向の移動が規制されるため、ラックギア520とピニオン(後述する)との噛み合いが維持される。
被ガイド用溝510にガイド用軸部230が相対的に移動可能に嵌合されることにより、第2ベース500は、右端側位置と中央側位置との間を往復移動されるように構成される。ここで、「右端側位置」とは、略枠形状に形成された可動演出装置200の本体310の右側枠の位置に相当し、「中央側位置」とは、右側枠から中央位置Oに寄った位置に相当する。
(保持部530)
図6および図16に示すように、第2ベース500には、保持部530が設けられる。
保持部530は、上段、中段、および、下段のガイド部220に対応して設けられる。
保持部530は、長溝を有する。保持部530は、約8mmの溝幅を有する。長溝の長手方向を「保持部の長手方向」という場合がある。
保持部530は、被ガイド部370(可動体300)が案内される方向(ガイド部220の長手方向でもある)に対し交差する方向に所定の長さを有する遊びが設けられる。保持部530は、この遊びにより、ガイド部220に沿って進出退避を可能に被ガイド部370を介して可動体300を保持する。なお、前述するように、被ガイド部370は2つの筒状部372を有し、2つの筒状部372が上段、中段および下段のガイド部220により案内されるが、保持部530により案内されるのは2つのうちの右側の筒状部372である。保持部530の「遊び」は、第2ベース500が左右方向へ直線移動されたとき、第1ベース213上の被ガイド部370を斜め方向に移動可能にするためのものである。
ここで、「被ガイド部370が案内される方向に対し交差する方向」とは、被ガイド部370が案内される方向に対し一致する方向または平行な方向以外の方向である。案内される方向と交差する方向とがなす角度(後述する頂角β)は、交差することのみを考慮すれば、0°より大きく180°より小さければよいが(0°<β<180°)、第2ベース500の移動に対し被ガイド部370が効率よく移動されること、および、被ガイド部370が円滑に案内されることを考慮すれば、頂角βの許容範囲が必然的に定められる。頂角βの許容範囲については後述する。ここで、「効率」とは、被ガイド部370の移動距離を第2ベース500の移動距離で割った値をいう。その値が高いほど、効率がよいと言える。
保持部530により案内される筒状部372としては、左右いずれの筒状部372であってもよいが、右側の筒状部372にしたのは、右側の筒状部372を案内する保持部530が、左側の筒状部372を案内する保持部530よりも右側に配置されることで、右端側位置における第2ベース500を裏ユニット70aの右端に寄せることができ、中央側位置における第2ベース500を中央位置O側に大きく進出させずに済み、第2ベース500を目立たせない効果があるためである。
以下、上段、中段および下段のガイド部220とそれに対応する保持部530とにより案内される被ガイド部370の位置や移動や速度を説明するとき、そのときの「被ガイド部370」とは「右側の筒状部372」のことをいう。さらに、被ガイド部370の位置や移動や速度は、可動体300の位置や移動や速度でもあることはいうまでもない。
(上段のガイド部220および保持部530による案内)
先ず、上段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について説明する。その後に、この構成と異なる点を主に、中段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成、および、下段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について説明する。なお、上段のガイド部220を単に「ガイド部220」という場合がある。
上段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530により被ガイド部370は次のように案内される。第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、被ガイド部370は、保持部530(長溝の右側縁)に押されて、保持部530によりその一端側の位置A(後述する)から他端側の位置B(後述する)に案内される。このとき、被ガイド部370は、保持部530により、一端側の位置C(後述する)から他端側の位置D(後述する)に案内される。
これに対し、第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、被ガイド部370は、保持部530(長溝の左側縁)に押されて、ガイド部220によりその他端側の位置Bから一端側の位置Aに案内される。このとき、被ガイド部370は、保持部530により、他端側の位置Dから一端側の位置Cに案内される。
図17は、上段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370がどのように案内されるかを示す概念図である。図17に、位置A、位置B、位置C(位置Aと同一位置)、位置D、位置C´、位置D´(位置Bと同一位置)を示す。なお、これらの位置Aから位置D´は、被ガイド部370である右側の筒状部372の中心軸の位置に相当する。
ここで、位置Aは、上段のガイド部220の一端側の位置であって、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。さらに、位置Bは、上段のガイド部220の他端側の位置であって、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。さらに、位置Cは、保持部530の一端側の位置であって、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。さらに、位置Dは、保持部530の他端側の位置であって、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。さらに、位置C´は、保持部530の一端側の位置であって、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。さらに、位置D´は、保持部530の他端側の位置であって、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置である。
なお、位置Aおよび位置Cは、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置であるため一致する。位置A、Cを「退避位置」という場合がある。さらに、位置Bおよび位置D´は、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置であるため一致する。位置B、D´を「進出位置」という場合がある。
第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370は、保持部530から力を付与され、ガイド部220および保持部530により案内される。このとき、被ガイド部370は、位置A(位置C)から位置B(位置D´)に移動される。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が効率よく移動されるかどうかについて、さらに、被ガイド部370が円滑に案内されるかどうかについて説明する。
位置C´D´間の距離(位置CD間の距離)を“a”、位置CC´間の距離を“b”、位置AB間の距離を“c”とすると、距離a,b,cの関係は、次の式で表される。
ここで、α、β、γは、位置A、B、C´を頂点とする三角形における頂角である。
頂角αは、第2ベース500が移動される方向と被ガイド部370が案内される方向(ガイド部220の長手方向)とが成す角度(前述するガイド部220の傾斜角度と同じ)、頂角βは、被ガイド部370が案内される方向と保持部530の長手方向とが成す角度、頂角γは、第2ベース500が移動される方向と保持部530の長手方向とが成す角度である。
頂角αが30°一定であるとき(α=30°)、頂角βは、60°〜90°であることが好ましい。さらに、頂角βは、70°〜80°であることが好ましく、さらに、頂角βは75°であることが好ましい。
(頂角βを75°とした場合)
次に、頂角βを75°(β=75°)とした場合に、被ガイド部370が効率よく移動されるかどうか、および、被ガイド部370が円滑に案内されるかどうかについて図18を参照して説明する。
図18は、頂角αが30°一定であるとき(α=30°)、頂角βを75°した場合に、被ガイド部370の距離、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を示す図である。図18に示す位置A,B、C´は、図17に示すそれらと同じである。
式(1)に、b=40、α=30°、β=75°、γ=75°を代入すると、被ガイド部370が保持部530に案内されるときの距離aが求められる。
これは、第2ベース500が40mm移動されるとき(b=40mm)、被ガイド部370が保持部530に沿って約20.7mm移動されることを意味する。
さらに、被ガイド部370がガイド部220に案内されるときの距離cが求められる。
これは、第2ベース500が40mm移動されるとき(b=40mm)、被ガイド部370が同じ距離40mm移動されることを意味する。それにより、被ガイド部370が効率よく移動される。
第2ベース500が40mm移動されるときの時間をt[sec]とすると、第2ベース500の速度vは、次の式で求められる。
このときの被ガイド部370の速度も同じくvとなる。
被ガイド部370が保持部530に沿って移動されるとき、被ガイド部370が保持部530から摩擦抵抗力を受ける。図18に、被ガイド部370が保持部530から受ける(保持部530により被ガイド部370が案内される方向とは反対方向の)摩擦抵抗力を“R”とし、ガイド部220により被ガイド部370が案内される方向を“D1”とし、摩擦抵抗力RのD1方向の成分を“R1”とする。摩擦抵抗力Rは、被ガイド部370が保持部530から受ける垂直抗力Nに動摩擦係数μを乗算した値である(R=μ*N)。図18では、垂直抗力Nを省略し、摩擦抵抗力Rの大きさを強調して示す。動摩擦係数μは、保持部530および被ガイド部370に用いられる樹脂材の種類により異なるが、一般的には約0.2〜約0.5である。さらに、図18に示す摩擦抵抗力Rの方向(正方向)は、被ガイド部370が位置A(位置C)から位置B(位置D´)に移動されるときのものであるが、被ガイド部370が位置Bから位置Aに移動されるとき、摩擦抵抗力Rの方向が逆方向になることはいうまでもない。摩擦抵抗力Rの方向が逆方向のときでも、被ガイド部370が案内されるときの円滑性について、正方向のときと同様のことがいえるため、摩擦抵抗力Rの方向が逆方向のときの説明を省略する。さらに、円滑性については動摩擦と同様のことが静摩擦についてもいえるため、静摩擦のときの円滑性についての説明を省略する。以下の頂角βを90°や60°としたときでも同様のことがいえるため、摩擦抵抗力Rの方向が逆方向のときの説明や静摩擦のときの説明を省略する。なお、被ガイド部370がガイド部220からも摩擦抵抗を受けるが、この摩擦抵抗は、頂角βが変わっても、ほぼ同じであるため、ここでは考慮しないものとする。以下、中段のガイド部220および下段のガイド部220においも同様である。
成分R1は次の式で表される。
β=75°を式(5)に代入すると、成分R1が求められる。
R1=0.26*R
成分R1の方向は、被ガイド部370が案内される方向D1と反対であることから、被ガイド部370が案内されるときの円滑性が低下するが、成分R1の大きさが摩擦抵抗力Rの約1/4であるから、被ガイド部370の円滑な案内に支障を来さない範囲である。
(頂角βを90°とした場合)
被ガイド部370が案内されるときの円滑性を低下させないためには、頂角βを大きくすればよい。図19は、頂角βが90°のとき、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を示す図である。図19に示す位置A、B、C´は、図17に示すそれらと同じである。図19において、頂角βが90°のとき、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を“R”とし、被ガイド部370が案内される方向を“D1”とし、摩擦抵抗力RのD1方向の成分を“R1”とする。
β=90°を式(5)に代入すると、成分R1が求められる。
R1=0*R=0
成分R1が0であるため、被ガイド部370が案内されるときの円滑性が低下しない。
頂角βが90°のとき、第2ベース500の移動距離を“b´”とすると、距離b´は、次の式で表される。
式(6)にc=40を代入すると、距離b´が求められる。
b´=40/cos30°≒46
これは、被ガイド部370を40mm移動させるには、第2ベース500を約46mm(位置CC´´間の距離)移動させる必要があることを示す。頂角βの90°は、被ガイド部370が効率よく移動されるために許容できる限界値である。
頂角βが90°より大きい場合(β>90°)、頂角βを大きくするほど、被ガイド部370が効率よく移動されないという問題点が生じる。さらに、被ガイド部370の移動量に比して第2ベース500の移動量が大きいため、第2ベース500を右端側位置から中央側位置に大きく移動させる必要があり、第2ベース500の取付スペースが左右方向(幅方向)に広がるという問題点も生じる。
(頂角βを60°とした場合)
被ガイド部370が効率よく移動されるためには、頂角βを小さくすればよい。図20は、頂角βが60°のとき、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を示す図である。図20に示す位置A、B、C´は、図17に示すそれらと同じである。
図20に示すように、頂角βが60°のとき、被ガイド部370を40mm移動させるには、第2ベース500を約34.6mm(位置CC´´´間の距離)移動させれば足りる。
図20において、頂角βが60°のとき、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を“R”とし、被ガイド部370が案内される方向を“D1”とし、摩擦抵抗力RのD1方向の成分を“R2”とする。成分R2は次の式で表される。
β=60°を式(7)に代入すると、成分R2が求められる。
R2=0.5*R
成分R2の方向は、被ガイド部370が案内される方向D1と反対であって、成分R2の大きさは、摩擦抵抗力Rの1/2にもなることから、被ガイド部370が案内されるときの円滑性が低下する。頂角βの60°が、被ガイド部370を円滑に案内するために許容できる限界値である。
頂角βが60°より小さい場合(β<60°)、頂角βを小さくするほど、被ガイド部370が案内されるときの円滑性が大幅に低下するという問題点が生じる。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、ガイド部220により案内された被ガイド部370の位置について図21を参照して説明する。図21は、第2ベース500が右端側位置と中央側位置との間に移動されたときの被ガイド部370の位置を示す図である。図21に、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B”で示し、さらに、中央位置を“O”で示す。
図21に示すように、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置Aから中央位置Oに向かって位置Bまで案内される。第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置Bから中央位置Oとは反対の方向に向かって位置Aまで案内される。位置Aから中央位置Oに向かう方向を図21に“D1”で示す。位置OBの間の距離を“e”とすると、距離eは、約146mmである(e=146mm)。
以上に、頂角βを60°から90°までの範囲にした場合、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、保持部530により被ガイド部370が効率よく移動され、かつ、被ガイド部370が円滑に案内されることを説明した。
なお、第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されるときも、同じように、保持部530により被ガイド部370が効率よく移動され、かつ、被ガイド部370が円滑に案内されるため、その説明を省略する。中段のガイド部220および下段のガイド部220おいても同様である。
さらに、位置OB間の距離eが約146mmであることも説明した。さらに、頂角βを75°した場合、被ガイド部370の移動距離を“L1”とすれば、移動距離L1は40mmであり、第2ベース500が1秒間に右端側位置から中央側位置に移動されると仮定すれば、被ガイド部370の移動速度を“v”とすると、移動速度vは40mm/secである。これらを図22に一覧にして示す。
(中段のガイド部220および保持部530による案内)
次に、中段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について図21を参照して説明する。
中段のガイド部220が用いられるとき、被ガイド部370が案内される方向(ガイド部220の長手方向)と、第2ベース500が移動される方向とが一致するため、頂角(両方の角度が成す角度)αは、0である(α=0)。式(1)より、a=b*sinα/sinβである。これに、α=0を代入すると、被ガイド部370が保持部530に案内される距離aが求められる。
a=b*0/sinβ=0
距離aが遊びの「所定の長さ」に相当する。距離aが0であることは(a=0)、中段のガイド部220に対応して設けられる保持部530において、遊びを設ける必要がないことを意味し、遊びの「所定の長さ」は、0を含むことを意味する。
次に、中段のガイド部220により被ガイド部370が案内されるときの被ガイド部370の移動距離および速度について図21を参照して説明する。
図21に、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A´”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B´”で示す。
図21に示すように、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に40mm移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370が中段のガイド部220により位置A´から中央位置Oに向かって位置B´に案内される。第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置B´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´まで案内される。位置A´から中央位置Oに向かう方向を図21に“D2”で示す。
中段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離(位置A´B´間の距離)は40mmである。これは、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるときの距離に等しい。
前述するように、上段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が案内されるときの距離は40mmであるため、中段のガイド部220および上段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離は、共に40mmとなって等しい。
さらに、中段のガイド部220および上段のガイド部220により被ガイド部370が案内されるときの距離が等しいため、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370は、同じ速度vで移動される。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が効率よく移動されるかどうかについて、さらに、被ガイド部370が円滑に案内されるかどうかについて説明する。
被ガイド部370が案内される方向(ガイド部220の長手方向)と保持部530の長手方向との成す角度は90°であるから、頂角βは90°あるといえる。頂角βを90°とした場合、被ガイド部370が円滑に案内されることは、上段のガイド部において、説明したので、その説明を省略する。さらに、前述するように、被ガイド部370の移動距離が40mmであるため、被ガイド部370が効率よく案内されるといえる。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、中段のガイド部220により案内された被ガイド部370の位置について説明する。
位置OB´間の距離fは、約146mmである。これは、上段のガイド部220における位置OBの間の距離eと同じである(f=e)。
したがって、上段および中段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、かつ、退避位置A´から中央位置Oより等距離にある進出位置B´まで案内される。さらに、第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、被ガイド部370(可動体300)が同時に、同じ速度vで、進出位置B´から退避位置A´まで案内される。
以上に、中段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、保持部530により被ガイド部370が効率よく移動され、かつ、被ガイド部370が円滑に案内されることを説明した。さらに、位置OB´間の距離fが約146mmであることも説明した。さらに、被ガイド部370の移動距離L1は40mmであり、被ガイド部370の移動速度vは40mm/secである。これらを図22に一覧にして示す。
(下段のガイド部220および保持部530による案内)
次に、下段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について図21を参照して説明する。
下段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530は、中段のガイド部220を間にして、上段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530と対照的に配置される(すなわち、頂角βは75°)。さらに、下段のガイド部220および保持部530により案内される被ガイド部370の動きは、上段のガイド部220および保持部530により案内される被ガイド部370の動きと対照的である。
図21に、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A´´”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B´´”で示す。
図21に示すように、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に40mm移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370が下段のガイド部220により位置A´´から中央位置Oに向かって位置B´´に案内される。第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置B´´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´´まで案内される。位置A´´から中央位置Oに向かう方向を図21に“D3”で示す。
下段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離(位置A´´B´´間の距離)は40mmである。これは、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるときの距離に等しい。
前述するように、上段および中段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が案内されるときの距離は40mmであるため、上段、中段および下段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離は、共に40mmとなって等しい。
さらに、上段のガイド部220、中段のガイド部220および上段のガイド部220により被ガイド部370が案内されるときの距離が等しいため、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370は、同じ速度vで移動される。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が効率よく移動されるかどうかについて、さらに、被ガイド部370が円滑に案内されるかどうかについて説明する。
前述したように、下段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530は、上段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530と対照的に配置されるから、頂角βは90°ある。頂角βを90°とした場合、被ガイド部370が円滑に案内されることは、上段のガイド部において、説明したので、その説明を省略する。さらに、前述するように、被ガイド部370の移動距離が40mmであるため、被ガイド部370が効率よく案内されるといえる。
次に、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、下段のガイド部220により案内された被ガイド部370の位置について説明する。
位置OB´´の間の距離gは、約146mmである。これは、上段のガイド部220における位置OBの間の距離eと同じであり、中段のガイド部220における位置OB´の間の距離fとも同じである(g=e=f)。
したがって、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されたとき、上段、中段、および下段のガイド部220に対応する保持部530から3つの被ガイド部370(可動体300)に互いに異なる方向D1、D2、D3の力が付与され、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、かつ、退避位置A´´から中央位置Oより等距離にある進出位置B´´まで案内される。さらに、第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動されたとき、上段、中段、および下段のガイド部220に対応する保持部530から3つの被ガイド部370(可動体300)に方向D1、D2、D3とは反対の方向の力が付与され、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、進出位置B´´から退避位置A´´まで案内される。
以上に、下段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、保持部530により被ガイド部370が効率よく移動され、かつ、被ガイド部370が円滑に案内されることを説明した。
さらに、位置OB´´間の距離gが約146mmであることも説明した。さらに、被ガイド部370の移動距離L1は40mmであり、被ガイド部370の移動速度vは40mm/secである。これらを図22に一覧にして示す。
〔動力源M〕
3つの可動体300(被ガイド部370)が案内される領域を、図21に位置A、A´、A´´、B´´、B´、Bで囲まれる領域として示す。この領域を含む領域が可動体300の被案内領域となる。被案内領域の下方には、他の可動体300を含み、当該可動体300を駆動するための駆動機構が配置される。
動力源Mは、被案内領域を間にして駆動機構とは反対側(被案内領域の上方)に配置される。動力源Mは、電動モータであって、第1ベース213の上端部(上枠部211の右端部でもある)に配置される。電動モータの出力軸は、減速ギア(それぞれ図示せず)を介してピニオンに噛み合わされる。ピニオンは、ラックギア520に噛み合わされる。
電動モータMによりピニオンの時計回りに回転されると、ラックギア520が繰り込まれる。それにより、第2ベース500が左方向に移動される。電動モータMによりピニオンの反時計回りに回転されると、ラックギア520が繰り込まれる。それにより、第2ベース500が右方向に移動される。
[左側の可動演出装置200]
以上に右側の可動演出装置200について説明した。次に、左側の可動演出装置200について、右側の可動演出装置200と異なる構成について説明する。左側の可動演出装置200は、中央位置Oを中心にして右側の可動演出装置200と対照的に配置される。
〔第1ベース214〕
第1ベースとして、左側枠部214が用いられる。左側枠部を「第1ベース」という場合がある。第1ベース(左側枠部)214の上段部、中段部、および、下段部にはガイド部220が配置される。上段のガイド部220は、可動体300の被ガイド部370を左から右に向かって斜め下方に案内する。中段のガイド部220は、被ガイド部370を左から右に向かって略水平方向に案内する。下段のガイド部220は、上段のガイド部220と対照的に配置され、被ガイド部370を右から左に向かって斜め上方に案内する。
〔可動体300〕
可動体300は、上段、中段、および、下段のガイド部220に対応して設けられる。可動体300は、槍先形状を中央位置O(後述する)に向けて配置される。
〔第2ベース500〕
第2ベース500は、被ガイド用溝510にガイド用軸部230が相対的に移動可能に嵌合されることにより、左端側位置と中央側位置との間を往復移動されるように構成される。ここで、「左端側位置」とは、左側枠の位置に相当する。
(上段のガイド部220および保持部530による案内)
次に、上段のガイド部220とそれに対応する保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について、図23を参照して説明する。図23は、第2ベース500が左端側位置と中央側位置との間に移動されたときの被ガイド部370の位置を示す図である。図23に、第2ベース500が右端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B”で示し、さらに、中央位置を“O”で示す。
上段のガイド部220とそれに対応する保持部530とにより被ガイド部370が案内されるように構成される。
図23に示すように、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置Aから中央位置Oに向かって位置Bまで案内される。第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置Bから中央位置Oとは反対の方向に向かって位置Aまで案内される。
位置Aから中央位置Oに向かう方向を図23に“D4”で示す。位置OBの間の距離を“h”とすると、距離hは、約146mmである(h=146mm)。
(中段のガイド部220および保持部530による案内)
次に、中段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について図23を参照して説明する。図23に、第2ベース500が左端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A´”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B´”で示す。
図23に示すように、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に40mm移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370が中段のガイド部220により位置A´から中央位置Oに向かって位置B´に案内される。第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置B´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´まで案内される。位置A´から中央位置Oに向かう方向を図23に“D5”で示す。
中段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離(位置A´B´間の距離)は40mmである。これは、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるときの距離に等しい。
前述するように、上段のガイド部220において、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が案内されるときの距離は40mmであるため、中段のガイド部220および上段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離は、共に40mmとなって等しい。
さらに、中段のガイド部220および上段のガイド部220により被ガイド部370が案内されるときの距離が等しいため、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370は、同じ速度vで移動される。
次に、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されたとき、中段のガイド部220により案内された被ガイド部370の位置について説明する。
位置OB´間の距離iは、約146mmである。これは、上段のガイド部220における位置OBの間の距離hと同じである(i=h)。
したがって、上段および中段のガイド部220において、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されたとき、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、かつ、退避位置A´から中央位置Oより等距離にある進出位置B´まで案内される。さらに、第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動されたとき、被ガイド部370(可動体300)が同時に、同じ速度vで、進出位置B´から退避位置A´まで案内される。
(下段のガイド部220および保持部530による案内)
次に、下段のガイド部220とそれに対応して設けられた保持部530とにより被ガイド部370が案内される構成について図23を参照して説明する。
下段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530は、中段のガイド部220を間にして、上段のガイド部220およびそれに対応して設けられた保持部530と対照的に配置される。さらに、下段のガイド部220および保持部530により案内される被ガイド部370の動きは、上段のガイド部220および保持部530により案内される被ガイド部370の動きと対照的である。
図23に、第2ベース500が左端側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“A´´”で示し、第2ベース500が中央側位置に移動されたときの被ガイド部370の位置を“B´´”で示す。
図23に示すように、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に40mm移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370が中段のガイド部220により位置A´´から中央位置Oに向かって位置B´´に案内される。第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動されたとき、保持部530から力を付与され、被ガイド部370はガイド部220により位置B´´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´´まで案内される。位置A´´から中央位置Oに向かう方向を図23に“D6”で示す。
中段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離(位置A´´B´´間の距離)は40mmである。これは、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されるときの距離に等しい。
前述するように、上段および中段のガイド部220において、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370が案内されるときの距離は40mmであるため、上段、中段および下段のガイド部220において、被ガイド部370が案内されるときの距離は、共に40mmとなって等しい。
さらに、上段のガイド部220、中段のガイド部220および下段のガイド部220により被ガイド部370が案内されるときの距離が等しいため、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されるとき、被ガイド部370は、同じ速度vで移動される。
次に、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されたとき、下段のガイド部220により案内された被ガイド部370の位置について説明する。
位置OB´´の間の距離jは、約146mmである。これは、上段のガイド部220における位置OBの間の距離hと同じであり、中段のガイド部220における位置OB´の間の距離iとも同じである(j=h=i)。
したがって、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動されたとき、上段、中段、および下段のガイド部220に対応する保持部530から3つの被ガイド部370(可動体300)に互いに異なる方向D4、D5、D6の力が付与され、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、かつ、退避位置A´´から中央位置Oより等距離にある進出位置B´´まで案内される。さらに、第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動されたとき、上段、中段、および下段のガイド部220に対応する保持部530から3つの被ガイド部370(可動体300)に方向D4、D5、D6とは反対の方向の力が付与され、被ガイド部370(可動体300)は、同時に、同じ速度vで、進出位置B´´から退避位置A´´まで案内される。
〔動力源M〕
3つの可動体300(被ガイド部370)が案内される領域を、図23に位置A、A´、A´´、B´´、B´、Bで囲まれる領域として示す。この領域を含む領域が可動体300の被案内領域となる。被案内領域の上方には、他の可動体300を含み、当該可動体300を駆動するための駆動機構が配置される。
動力源Mは、被案内領域を間にして駆動機構とは反対側(被案内領域の下方)に配置される。動力源Mは、電動モータであって、第1ベース214の下端部(下枠部212の左端部でもある)に配置される。電動モータMの出力軸は、減速ギア(それぞれ図示せず)を介してピニオンに噛み合わされる。ピニオンは、ラックギア520に噛み合わされる。
電動モータMによりピニオンの時計回りに回転されると、ラックギア520が繰り込まれる。それにより、第2ベース500が左方向に移動される。電動モータMによりピニオンの反時計回りに回転されると、ラックギア520が繰り込まれる。それにより、第2ベース500が右方向に移動される。
以上に、左側の可動演出装置200について説明した。左側の可動演出装置200においても、右側の可動演出装置200と同様に、上段、中段および下段のガイド部220において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動されるとき、保持部530により被ガイド部370が効率よく移動され、かつ、被ガイド部370が円滑に案内される。さらに、被ガイド部370の移動距離L1は40mmであり、被ガイド部370の移動速度vは40mm/secである。さらに、距離h、i、jが約146mmである(図22参照)。
右側および左側の可動演出装置200は、図柄表示部78と連動するように構成される。例えば、図柄表示部78により中央位置Oにキャラクタが表示されたとき、右側の可動演出装置200において、第2ベース500が右端側位置から中央側位置に移動され、槍先形状の3つの可動体300が、異なる方向からキャラクタに向かって、キャラクタから等距離の位置まで同時に同じ速度vで移動されることにより、さらに、左側の可動演出装置200において、第2ベース500が左端側位置から中央側位置に移動され、槍先形状の3つの可動体300が、異なる方向からキャラクタに向かって、キャラクタから等距離の位置まで同時に同じ速度vで移動されることにより、中央位置Oに表示されたキャラクタに向かって6つの可動体300が迫ることで、中央位置Oおよびその周辺に大きな変化が生じるように演出される。
キャラクタが表示されないとき、右側の可動演出装置200において、第2ベース500が中央側位置から右端側位置に移動され、3つの可動体300が、キャラクタから遠ざかる方向に向かって、同時に同じ速度vで移動されることにより、さらに、左側の可動演出装置200において、第2ベース500が中央側位置から左端側位置に移動され、3つの可動体300が、キャラクタから遠ざかる方向に向かって、同時に同じ速度vで移動されることにより、中央位置Oからキャラクタおよび6つの可動体300が消えることで、中央位置Oおよびその周辺に大きな変化が生じるように演出される。
なお、前記第1の実施形態では、右側の可動演出装置200における可動体300が右から左に向かって斜めにあるいは略水平方向に移動され、左側の可動演出装置200における可動体300が左から右に向かって斜めにあるいは略水平方向に移動される構成を示したが、可動体300の移動方向はこれに限らない。可動体300が上下方向に移動されるように可動演出装置200を構成してもよい。
<第2実施形態>
次に、遊技機の第2実施形態について図24を参照して説明する。
第2実施形態では、第1実施形態の遊技機と異なる構成について主に説明し、同じ構成についての説明を省略する。
第1実施形態では、右側に配置された第2ベース500が移動されることにより、右側に配置された3つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動され、左側に配置された第2ベース500が移動されることにより、左側に配置された3つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動される構成を示した。これに対し、第2実施形態では、一つの第2ベース500が移動されることにより、右側および左側に配置された全部で6つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動されるように構成される。
図24は、第2ベース500に設けられた保持部530を概念的に示す正面図である。図24に、第2ベース500を省略してその回転方向を示す。さらに、図24に保持部530をハッチングを付して示し、中央位置を“O”で示す。
(保持部530、ガイド部220、被ガイド部370)
図24に示すように、第2ベース500に保持部530が設けられる。第2ベース500は、動力源Mからの動力を受けて軸回りに回転されるように構成される。保持部530は、軸の周囲から軸の位置に向かって渦巻き状に延ばされた溝形状を有する。保持部530は、約8mmの溝幅を有する。保持部530に被ガイド部370である外径約8mmの筒状部372が嵌合される。第2実施形態では、第2ベース500の回転中心である軸は、中央位置Oに設けられる。
図24に示すように、右側に上段、中段および下段の被ガイド部370が配置される。左側に上段、中段および下段の被ガイド部370が配置される。図24に、上段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A”で示し、進出したときの位置を“B”で示し、さらに、中段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A´”で示し、進出したときの位置を“B´”で示し、さらに、下段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A´´”で示し、進出したときの位置を“B´´”で示す。
上段の被ガイド部370を位置A、B間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。さらに、中段の被ガイド部370を位置A´、B´間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。さらに、下段の被ガイド部370を位置A´´、B´´間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。
保持部530は2つ設けられる。2つの保持部530は、二つ巴の形に配置される。一方の保持部530は、右側に配置される上段、中段および下段の被ガイド部370を案内するものである。他方の保持部530は、左側に配置される上段、中段および下段の被ガイド部370を案内するものである。
したがって、第2実施形態においても、上段、中段および下段のガイド部220およびそれに対応する保持部530により、複数の被ガイド部370が案内されるように構成される。
次に、上段のガイド部220とそれに対応する保持部530とにより被ガイド部370が案内されるとき、被ガイド部370が保持部530から受ける摩擦抵抗力について図25を参照して説明する。
第2ベース500が中央位置Oを中心に反時計方向に回転されるとき、被ガイド部370がガイド部220に沿って移動されると共に、被ガイド部370が保持部530に沿って移動される。このとき、被ガイド部370は保持部530から摩擦抵抗力を受ける。なお、被ガイド部370はガイド部220から摩擦抵抗を受けるが、頂角βが変わってもほぼ同じであるという第1実施形態と同様の理由からここでは考慮しない。
図25は、第2ベース500が回転されるとき、被ガイド部370および保持部530の動きを概念的に示す図である。
図25に示すように、第2ベース500が中央位置Oを中心に反時計方向に回転されるとき、被ガイド部370はガイド部220に沿って位置Aから位置Bに移動される。さらに、被ガイド部370は保持部530に沿って位置C´から位置D´に移動される。さらに、保持部530の一端である位置Cは位置C´に移動される。
さらに、頂角αは、第2ベース500が移動される方向と被ガイド部370が案内される方向(ガイド部220の長手方向)とが成す角度(前述するガイド部220の傾斜角度と同じ)、頂角βは、被ガイド部370が案内される方向と保持部530の長手方向とが成す角度、頂角γは、第2ベース500が移動される方向と保持部530の長手方向とが成す角度である。
被ガイド部370が効率よく移動されること、および、被ガイド部370が円滑に案内されることから、頂角αが90°一定であるとき(α=90°)、頂角βは、60°〜90°であることが好ましい。さらに、頂角βは、70°〜80°であることが好ましく、さらに、頂角βは75°であることが好ましい。
図25は、頂角βが75°のとき、被ガイド部370が受ける摩擦抵抗力を示す図である。図25に、被ガイド部370が保持部530から受ける摩擦抵抗力を“R”とし、被ガイド部370が案内される方向を“D1”とし、摩擦抵抗力RのD1方向の成分を“R1”とする。さらに、位置AB間の距離を“c”とし、位置CC´間の距離を“b”とし、位置AO間の距離を“r”とする。
成分R1は、上記の式(5)で求められる。
R1=0.26*R
成分R1の大きさが摩擦抵抗力Rの約1/4であるから、被ガイド部370の円滑な案内に支障を来さない。
次に、被ガイド部370が効率よく移動されるかどうかについては、距離bと距離cとの関係について調べればよい。
なお、距離bは、次の式で求められる。
ここで、θは、被ガイド部370が位置Aから位置Bに案内されるときの第2ベース500の回転角である。
次に、距離b(=rθ)と距離cとの関係について図26を参照して説明する。
c/bは、次の式で求められる。
ここで、c/bは、効率に相当する。この「効率」を“p”とする。
さらに、式(8)および式(9)により、効率pは次の式で表される。
式(10)から、頂角βが大きくなるほど、cotβの値が小さくなるから、効率pが小さくなって、被ガイド部370が効率よく移動できないことがわかる。
図26は、頂角βに対する効率p等を表した図である。図26に、一例として、頂角βが75°、80°、85°のときの効率p等を示す。
図26に示すように、頂角βが75°のとき、効率pは0.27となる。これは、第2ベース500が1回転されると、被ガイド部370が距離rの0.84倍の距離まで移動されることを意味する。そのため、被ガイド部370が効率よく移動されることとなる。
同じく、頂角βが80°のとき、効率pは0.18となる。これは、第2ベース500が1回転されると、被ガイド部370が距離rの0.55倍の距離まで移動されることを意味する。
同じく、頂角βが85°のとき、効率pは0.09となる。これは、第2ベース500が1回転されると、被ガイド部370が距離rの0.27倍の距離まで移動されることを意味する。なお、この距離に不足があれば、第2ベース500を2回転すればよい。それにより、0.55倍の距離まで移動される(図26参照)。
〔動作〕
次に、可動体300の動作について説明する。なお、被ガイド部370の位置や移動は、可動体300の位置や移動に相当することはいうまでもない。
図24において、動力源Mからの動力を受けて、第2ベース500が中央位置Oを中心として反時計回りに回転されると、保持部530により上段の被ガイド部370が位置Aから中央位置Oに向かって位置Bまで移動される。さらに、保持部530により中段の被ガイド部370が位置A´から中央位置Oに向かって位置B´まで移動される。さらに、保持部530により下段の被ガイド部370が位置A´´から中央位置Oに向かって位置B´´まで移動される。
上段、中段および下段の被ガイド部370が位置B、B´、B´´まで移動されたとき、第2ベース500の回転が停止される。上段、中段および下段の被ガイド部370の移動速度は、第2ベース500の回転速度および保持部530の渦巻き状の溝形状の形による。
次に、第2ベース500が中央位置Oを中心として時計回りに回転されると、保持部530により上段の被ガイド部370が位置Bから中央位置Oとは反対の方向に向かって位置Aまで移動される。さらに、保持部530により中段の被ガイド部370が位置B´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´まで移動される。さらに、保持部530により下段の被ガイド部370が位置B´´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´´まで移動される。
上段、中段および下段の被ガイド部370が位置A、A´、A´´まで移動されたとき、第2ベース500の回転が停止される。上段、中段および下段の被ガイド部370の移動速度は、第2ベース500の回転速度および保持部530の渦巻き状の溝形状の形による。
第2実施形態では、一つの第2ベース500により、6つの被ガイド部370が移動されるように構成されるため、より簡単な構成により、複数の可動体300を一度に動かすことが可能となる。さらに、渦巻き状の保持部530をどのような形にするかによって、可動体300が移動されるときの速度に変化を持たせることが可能となる。
<第3実施形態>
次に、遊技機の第3実施形態について図27を参照して説明する。第3実施形態では、第1および第2実施形態の遊技機と異なる構成について主に説明し、同じ構成についての説明を省略する。
第1実施形態では、右側に配置された第2ベース500が移動されることにより、右側に配置された3つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動され、左側に配置された第2ベース500が移動されることにより、左側に配置された3つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動される構成を示した。
さらに、第2実施形態では、2つの保持部530を有する一つの第2ベース500が移動されることにより、右側および左側に配置された全部で6つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動される構成を示した。
これに対し、第3実施形態では、一つの保持部530を有する一つの第2ベース500が移動されることにより、右側および左側に配置された全部で6つの可動体300が退避位置と進出位置との間に移動されるように構成される。
なお、第2実施形態では、可動体300を退避位置と進出位置との間に移動させるために、第2ベース500が1回転されたのに対し、第3実施形態では第2ベース500が2回転される(図26に示す頂角βが85°のときを参照)。
図27は、第2ベース500に設けられた保持部530を概念的に示す正面図である。図27に、第2ベース500を省略してその回転方向を示す。さらに、図27に、保持部530をハッチングを付して示し、中央位置を“O”で示す。さらに、図27に、上段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A”で示し、進出したときの位置を“B”で示し、さらに、中段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A´”で示し、進出したときの位置を“B´”で示し、さらに、下段の被ガイド部370が退避したときの位置を“A´´”で示し、進出したときの位置を“B´´”で示す。
(保持部530、ガイド部220、被ガイド部370)
図27に示すように、第2ベース500に保持部530が設けられる。第2ベース500は、動力源Mからの動力を受けて軸回りに回転されるように構成される。
保持部530は、軸の周囲から軸の位置に向かって渦巻き状に延ばされた溝形状を有する。保持部530は、約8mmの溝幅を有する。保持部530に被ガイド部370である外径約8mmの筒状部372が嵌合される。第3実施形態では、第2ベース500の回転中心である軸は、中央位置Oに設けられる。
保持部530は第2ベース500に1つ設けられる。保持部530は、右側に配置される上段、中段および下段の被ガイド部370、並びに、左側に配置される上段、中段および下段の被ガイド部370を案内するものである。
上段の被ガイド部370を位置A、B間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。さらに、中段の被ガイド部370を位置A´、B´間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。さらに、下段の被ガイド部370を位置A´´、B´´間に案内するためのガイド部220(図示省略)が設けられる。
したがって、第3実施形態においても、上段、中段および下段のガイド部220およびそれに対応する保持部530により、複数の被ガイド部370が案内されるように構成される。
〔動作〕
次に、可動体300の動作について説明する。なお、被ガイド部370の位置や移動は、可動体300の位置や移動に相当することはいうまでもない。
図27において、動力源Mからの動力を受けて、第2ベース500が中央位置Oを中心として反時計回りに回転されると、保持部530により、左右に配置された上段の被ガイド部370が位置Aから中央位置Oに向かって位置Bまで移動される。さらに、保持部530により、左右に配置された中段の被ガイド部370が位置A´から中央位置Oに向かって位置B´まで移動される。さらに、保持部530により、左右に配置された下段の被ガイド部370が位置A´´から中央位置Oに向かって位置B´´まで移動される。
上段、中段および下段の被ガイド部370が位置B、B´、B´´まで移動されたとき、第2ベース500の回転が停止される。上段、中段および下段の被ガイド部370の移動速度は、第2ベース500の回転速度および保持部530の渦巻き状の溝形状の形による。
次に、第2ベース500が中央位置Oを中心として時計回りに回転されると、保持部530により、左右に配置された上段の被ガイド部370が位置Bから中央位置Oとは反対の方向に向かって位置Aまで移動される。さらに、保持部530により、左右に配置された中段の被ガイド部370が位置B´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´まで移動される。さらに、保持部530により、左右に配置された下段の被ガイド部370が位置B´´から中央位置Oとは反対の方向に向かって位置A´´まで移動される。
上段、中段および下段の被ガイド部370が位置A、A´、A´´まで移動されたとき、第2ベース500の回転が停止される。上段、中段および下段の被ガイド部370の移動速度は、第2ベース500の回転速度および保持部530の渦巻き状の溝形状の形による。
第3実施形態では、複数の可動体300(被ガイド部370)が中央位置Oからあらゆる方面の位置に配置されていても、それらを一つの保持部530に移動可能に嵌合させることで、一つの保持部530により動かすことが可能となる。さらに、渦巻き状の保持部530の形によっては、複数の可動体300が時間をずらして退避位置と進出位置との間に移動されるため、可動体300に対し遊技者に面白味を持たせることが可能となる。
前記実施形態においては、複数の可動体300が退避位置から進出位置に移動されるとき、移動される方向の先(目標位置)として、中央位置O(枠内空間の中央の位置)を示したが、これに限らない。目標位置としては、枠内空間のいずれの位置であってもよい。