JP2015050557A - 撮像素子搭載用基板及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基体と金属平板とが剥離することを抑制することができる撮像素子搭載用基板及び撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像素子搭載用基板1は、撮像素子搭載部11を有し、第1の辺2aおよび第2の辺2bを有する絶縁基体2と、絶縁基体2の主面に設けられ、上面視した際に第1の辺2aより外側に位置する第1外側領域4aを有する金属平板4と、を有しており、金属平板4は、第1外側領域4aに貫通孔6または切り欠きを有しており、第2の辺2bより外側に貫通孔6または切り欠きを有しておらず、第1の辺2a側における絶縁基体2と金属平板4との接合領域5aの幅は、第2の辺2b側における絶縁基体2と金属平板4との接合領域5bの幅より大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばCCD(Charge Coupled Device)型またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型等の撮像素子が搭載される撮像素子搭載用基板お
よび撮像装置に関するものである。
従来からCCD型またはCMOS型等の撮像素子を撮像素子搭載用基板に搭載した撮像装置が知られている。撮像素子搭載用基板は、開口を有する絶縁基体と、その開口周辺の縁に取り付けられた金属平板とを有する。開口内部には撮像素子が搭載され、この開口は光学フィルタや透明な蓋体等で封止される。金属平板は、平面視した際に絶縁基体の外縁よりも外側に位置する外側領域を有している。
撮像素子搭載用基板の金属平板の外側領域には厚み方向に貫通孔が設けられており、この貫通孔内にビス等を挿通し、異物除去を行うための振動装置等の外部装置と撮像素子搭載用基板とを固定するということが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−28665号公報
しかしながら、近年、撮像機器の小型化に伴い、撮像素子搭載用基板の小型化が求められてきており、絶縁基体と金属平板との接合領域と、金属平板に設けられた貫通孔との距離が小さくなってきている。このような撮像素子搭載用基板を用いた撮像装置に固定された振動装置等の外部装置の使用時や撮像装置を持ち運び使用する際に外部装置から撮像素子搭載用基板に伝達される振動が、貫通孔からの距離が近い絶縁基体と金属平板との接合領域に大きく集中し、絶縁基体と金属平板とが剥離してしまう可能性が懸念されていた。
本発明の目的は、絶縁基体と金属平板とが剥離することを抑制することができる撮像素子搭載用基板及び撮像装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る撮像素子搭載用基板は、撮像素子搭載部を有し、第1の辺および第2の辺を有する絶縁基体と、該絶縁基体の主面に設けられ、上面視した際に前記第1の辺より外側に位置する第1外側領域を有する金属平板と、を有しており、前記金属平板は
、前記第1外側領域に貫通孔または切り欠きを有しており、前記第2の辺より外側に貫通孔または切り欠きを有しておらず、前記第1の辺側における前記絶縁基体と前記金属平板との接合領域の幅は、第2の辺側における前記絶縁基体と前記金属平板との接合領域の幅より大きい。
本発明の他の態様に係る撮像装置は、上述の撮像素子搭載用基板と、前記撮像素子搭載部に実装された撮像素子とを有する。
本発明の一態様に係る撮像素子搭載用基板における金属平板は、第1外側領域に貫通孔または切り欠きを有しており、第2の辺より外側に貫通孔または切り欠きを有しておらず
、第1の辺側における絶縁基体と金属平板との接合領域の幅は、第2の辺側における絶縁基体と金属平板との接合領域の幅より大きい。この構成により、撮像装置に固定した振動装置などの外部装置の使用時や撮像装置を持ち運び使用する際に外部装置から撮像素子搭載用基板に伝達される振動が、貫通孔から近い距離にある絶縁基体と金属平板との接合領域に大きく伝達されたとしても、接合領域の幅を広くして絶縁基体と金属平板との接合を強固にしているので、絶縁基体と金属平板とが剥離する可能性を低減させることができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)のX−X線に対応する断面図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る撮像素子搭載用基板の他の例の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)のX−X線に対応する断面図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の他の例の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)のX−X線に対応する断面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)のX−X線に対応する断面図であり、(c)は、(b)のB部を拡大した縦断面図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係る撮像装置の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)のX−X線に対応する断面図であり、(c)は、(a)のC部を拡大した上面図である。
以下、本発明のいくつかの例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、撮像素子搭載用基板に撮像素子が実装された装置を撮像装置と呼ぶ。
(第1の実施形態)
図1および図2を参照して本発明の第1の実施形態における撮像装置21及び、撮像素子搭載用基板1について説明する。本実施形態における撮像装置21は、撮像素子搭載用基板1と撮像素子搭載用基板1の撮像素子搭載部11に実装された撮像素子10とを備えている。撮像装置21は、いずれの方向が上方若しくは下方とされてもよいものであるが、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面若しくは下面の語を用いるものとする。また、図1(a)のような上面図においては、便宜的に、y方向の正側を上方として、上側若しくは下側の語を用いることとし、x方向の正側を右方として、右側若しくは左側の語を用いることとする。
撮像素子搭載用基板1は、第1の辺2aおよび第2の辺2bを有する絶縁基体2と、絶縁基体2の上面に設けられた撮像素子接続用パッド3と、絶縁基体2の上面に設けられた接合領域5に接合された金属平板4とを有している。図1に示す例では、金属平板4は、開口を有している。金属平板4は、上面視した際に、第1の辺2aより外側に位置する第1外側領域4aを有しており、第1外側領域4aに貫通孔6または切り欠き7を有しており、第2の辺2bより外側に貫通孔6または切り欠き7を有していない。また、図1に示す例では、絶縁基体2は凹部8を有しており、凹部8底面に撮像素子搭載部11を有している。撮像素子搭載用基板1は、凹部8の周囲の絶縁基体2の上面に設けられた接合領域5に、開口が凹部8と重なるように金属平板4が接合されている。図2に示す例では、絶縁基体2は平板状であり中央部に撮像素子搭載部11を有している。撮像素子搭載用基板1は、絶縁基体2の撮像素子搭載部11を囲うように設けられた接合領域5に、撮像素子搭載部11が金属平板4の開口から露出するように金属平板4が接合されている。
絶縁基体2は例えば、酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結
体,窒化アルミニウム質焼結体,窒化珪素質焼結体,ガラスセラミックス焼結体等の電気絶縁性セラミックス、またはエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,フェノール樹脂,ポリエステル樹脂または四フッ化エチレン樹脂を始めとするフッ素系樹脂等の樹脂(プラスティックス)から成る略四角形の絶縁層を複数上下に積層して形成されている。
図1に示す例のように、絶縁基体2は、第1の辺2aと第2の辺2bを有する枠部と、枠部の下面に設けられた基部を有している。図1に示す例においては、枠部は、中央に開口を有する絶縁体層であり、基部は、開口を有さない絶縁体層であり、絶縁基体2は、枠部と基部とによって上面に凹部8が設けられている。
枠部を形成する絶縁体層は、図1に示すように2層でも良いし、単層または3層以上でも良い。図1に示す例では、枠部を形成する絶縁体層は2層であり、下層の開口面積を上層の開口面積より小さくすることで、下層の上面と上層の内周面とで段差が設けられている。この段差を構成する下層の上面には、撮像素子接続用パッド3が設けられている。なお、枠部を構成する上層および下層の開口面積を同じにすることによって、段差を設けないような構成としても良い。この場合には、凹部8の底面となる基部の上面に撮像素子接続用パッド3を設ければ良い。
図1(b)において、絶縁基体2の基部を形成する絶縁体層は、枠部と同様に、2層以上であってもよい。図1に示す例では、基部の下面に外部端子9が設けられている。絶縁基体2内部には配線導体が設けられていても良いし、その配線導体によって、外部端子9と撮像素子接続用パッド3とが電気的に接続されていても良い。なお、外部端子9は、絶縁基体2の側面または上面に設けられていても良い。
撮像素子接続用パッド3は、図1に示す例では、枠部の段差を構成する下層の上面に設けられている。このとき、撮像素子接続用パッド3は、段差に複数設けられていても良い。また、複数の撮像素子接続用パッド3は、1つの段差に設けられていても良いし、複数の段差にわたって設けられていても良い。
また、撮像素子接続用パッド3は図2に示す例のように基部の上面に設けられていてもよい。図2に示す例においては、枠部を省略することによって図1に示す例と比べて、絶縁基体2の軽量化を行うことが可能となる。このような場合、外部装置として振動装置を用いる場合に、絶縁基体2の軽量化により、振動による絶縁基体2と金属平板4とを接合している接合領域5に発生する応力を小さくすることができ、絶縁基体2と金属平板4と
が剥離する可能性を低減させることができる。また、絶縁基体2を軽量化し撮像素子搭載用基板1全体の軽量化を行うことによって振動させやすくなるため、図1の例と同程度の異物除去を行う際に必要な振動を小さくすることができる。振動を小さくすることによって絶縁基体2と金属平板4との接合領域5にかかる力が小さくなるため、寿命を延ばすことが可能となる。
撮像素子接続用パッド3および外部端子9は、絶縁基体2が電気絶縁性セラミックスから成る場合には、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等のメタライズから成る。また、外部端子9および撮像素子接続用パッド3は、絶縁基体2が樹脂から成る場合には、銅(Cu),金(Au),アルミニウム(Al),ニッケル(Ni),クロム(Cr),モリブデン(Mo)またはチタン(Ti)およびそれらの合金等の金属材料から成る。
撮像素子接続用パッド3、外部端子9を保護して酸化防止をするとともに、撮像素子10や外部回路基板との電気的接続を良好なものとする撮像素子接続用パッド3、外部端子9の露出する表面に、厚さ0.5〜10μmのNiめっき層を被着させるか、またはこのNi
めっき層および厚さ0.5〜3μmの金(Au)めっき層を順次被着させてもよい。
金属平板4は、絶縁基体2の上面に設けられた接合領域5に熱硬化性樹脂や低融点ガラス等からなる接合部材13により接合されている。金属平板4は、上面視した際に絶縁基体2の第1の辺2aより外側に位置する第1外側領域4aを有する。第1外側領域4aは、貫通孔6または切り欠き7を有している。また、図1および図2の示す例においては、金属平板4は、上面視した際に、第2の辺2bより外側に位置する第2外側領域4bを有しており、第2外側領域4bには貫通孔6または切り欠き7が設けられていない。また、第1の辺2a側の接合領域の幅W1は第2の辺2b側の接合領域5の幅W2に比べて大きい。(W1>W2)
また、第1の辺2a側の接合領域5aの幅W1は、第2の辺2b側の接合領域5bの幅W2と比較して、例えば、W2<W1<(3×W2)であると絶縁基体2と金属平板4とを接合する接合材13の厚みばらつきを抑えることができ、より強固に接合できるため、絶縁基体2と金属平板4との剥離をより低減させることができるため好ましい。
貫通孔6または切り欠き7は、例えば、撮像装置21と外部装置とを固定する際に固定用の孔として用いられる。外部装置が、例えば、レンズに付着した異物を除去するための振動する振動装置である場合、異物を除去する際の振動が、貫通孔6または切り欠き7から撮像素子搭載用基板1に伝達する。また、外部装置が振動装置でない場合は、撮像装置21が実装されたカメラ等を使用する際に発生する振動が、貫通孔6および切り欠き7から撮像素子搭載用基板1に伝達する。このとき、第1の辺2a側の接合領域5aの幅W1が、第2の辺2b側の接合領域5bの幅W2に比べて大きいことによって、撮像装置21に固定した振動装置等の外部装置の使用時や撮像装置21を持ち運び使用する際に外部装置から撮像素子搭載用基板1に伝達される振動が、貫通孔6から近い距離にある絶縁基体2と金属平板4との接合領域5に大きく伝達されたとしても、接合領域5の幅を広くして絶縁基体2と金属平板4との接合を強固にしているので、絶縁基体2と金属平板4との剥離する可能性を低減させることができ、小型で信頼性に優れた撮像素子搭載用基板1とすることができる。
また、2つの第1外側領域4aが絶縁基体2を挟んで対向していることで、例えば、撮像素子21と振動装置等の外部装置とをバランス良く固定することで、撮像装置21に振動装置から振動が加わった場合においても、撮像装置21の一方に偏った大きな応力やひずみが発生することを低減させることができる。
また、貫通孔6および切り欠き7は、絶縁基体2と金属平板4とを接合する場合や撮像素子搭載用基板1に撮像素子10に実装する場合の位置合わせ用としても用いられる。
金属平板4は、絶縁基体2が電気絶縁性セラミックスから成る場合、ステンレス(SUS)や、Fe−Ni−Co合金、42アロイ,銅(Cu),銅合金等の金属等から成る。ここで、絶縁基体2として熱膨張率が約5〜10(×10-6/℃)である酸化アルミニウム質焼結体を用いる場合、金属平板4として、熱膨張率が約10(×10-6/℃)のステンレス(SUS410)を用いると、使用時に絶縁基体2と金属平板4との熱膨張差が小さくなるので
撮像素子搭載用基板1の歪みを小さくすることができ、高温環境での使用において金属平板4と絶縁基体2との剥離をより低減させることができる。また、熱膨張率が約5(×10-6/℃)であるFe−Ni−Co合金、または42アロイを、金属平板4の材料として使用した場合も、絶縁基体2との熱膨張差が小さくなるので好ましい。特に、ステンレス(SUS410)は、耐腐食性を有するので好適に金属平板4として使用される。
接合部材13には、撮像素子10の実装時や作動時の熱によって変性しないものを用いると、撮像素子10の実装時や作動時に絶縁基体2と金属平板4とが剥離することを良好
に抑制させることができる。
第1外側領域4aに設けられる貫通孔6は、少なくとも1つが円形状であることが好ましい。貫通孔6にビス等を挿通して金属平板4をレンズ筐体に固定する際に、貫通孔6の形状がビス等の横断面形状に一致していた方が利便性の点で好ましいからである。
また、図1および図2に示すように、撮像素子搭載用基板1は絶縁基体2の全辺において、第1外側領域4aまたは第2外側領域4bを有していると、振動によって、撮像装置21が外部筐体等と接触した場合において、絶縁基体2への直接的な接触を抑制できるので、絶縁基体2の損傷を低減させることができる。また外部筐体等と撮像装置21とが側面にて接触した際に絶縁基体2と金属平板4との接合領域5に力が加わることを低減させることができる。
図3に示される例においては、撮像素子搭載用基板1は、絶縁基体2が枠部のみで形成されており、撮像素子接続用パッド3は、絶縁基体2と金属平板4との接合主面とは反対側の主面に設けられている。図3に示す例の撮像素子搭載用基板1は、絶縁基体2の平面視における寸法を大きくすることなく絶縁基体2と金属平板4との接合領域5を全体的に大きくすることができるので、絶縁基体2と金属平板4との接合強度を高めることができ、絶縁基体2と金属平板4との剥離をより良好に低減させることができる。
撮像素子搭載用基板1には、撮像素子10が搭載されている。撮像素子10は例えば、CCD型撮像素子またはCMOS型撮像素子である。図1に示す例においては、撮像素子10の各電極は、接続部材12(ボンディングワイヤ)によって撮像素子接続用パッド3に電気的に接続されている。図3に示す例においては、撮像素子10の各電極と撮像素子接続用パッド3とを接続する接続部材12として、金バンプまたはハンダ等が使用される。
次に、本実施形態の撮像素子搭載用基板1の製造方法について説明する。
(1)まず、絶縁基体2を構成する枠部および基部となるセラミックグリーンシートを形成する。例えば、酸化アルミニウム(Al)質焼結体である絶縁基体2を得る場合には、Alの粉末に焼結助材としてシリカ(SiO),マグネシア(MgO)またはカルシア(CaO)等の粉末を添加し、さらに適当なバインダー、溶剤および可塑剤を添加し、次にこれらの混合物を混錬してスラリー状となす。その後、従来周知のドクターブレード法またはカレンダーロール法等の成形方法によって多数個取り用のセラミックグリーンシートを得る。
(2)スクリーン印刷法等によって、得られたセラミックグリーンシートに撮像素子接続用パッド3や内部配線導体、外部端子9となる部分に金属ペーストを塗布および充填する。この金属ペーストは、絶縁基体2となるセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、段差に設けられる撮像素子接続用パッド3、絶縁基体2の下面または内部となる部位に設けられる外部端子9、もしくは内部配線、貫通導体を含む配線導体が形成される。この金属ペーストは、タングステン,モリブデン,マンガン,銀または銅等の金属粉末に適当な溶剤およびバインダーを加えて混練することによって、適度な粘度に調整して作製される。なお、金属ペーストは、絶縁基体2との接合強度を高めるために、ガラス、セラミックスを含んでいても構わない。
(3)各絶縁層となるセラミックグリーンシートを積層して加圧することによりセラミックグリーンシート積層体を作製する。
(4)このセラミックグリーンシート積層体を約1500〜1800℃の温度で焼成して、枠部と基部とを含む絶縁基体2が複数配列された多数個取り基板を得る。なお、この工程によって、前述した金属ペーストは、撮像素子接続用パッド3、外部端子9、または配線導体となる。
(5)焼成して得られた多数個取り基板を複数の絶縁基体2に分断する。この分断においては、絶縁基体2の外縁となる箇所に沿って多数個取り基板に分割溝を形成しておき、この分割溝に沿って破断させて分割する方法、またはスライシング法等により絶縁基体2の外縁となる箇所に沿って切断する方法等を用いることができる。なお、分割溝は、焼成後にスライシング装置により多数個取り基板の厚みより小さく切り込むことによって形成することができるが、多数個取り基板用のセラミックグリーンシート積層体にカッター刃を押し当てたり、スライシング装置によりセラミックグリーンシート積層体の厚みより小さく切り込んだりすることによって形成してもよい。
(6)絶縁基体2の主面に接合される金属平板4を用意する。金属平板4は、金属からなる板材に、従来周知のスタンピング金型を用いた打ち抜き加工やエッチング加工等により、中央部の開口または外周部の貫通孔6、または切り欠き7を形成することによって作製される。しかる後、金属平板4がFe−Ni−Co合金や42アロイ,Cu,銅合金等の金属から成る場合には、その表面にニッケルめっき層および金めっき層を被着してもよい。これにより、金属平板4の表面の酸化腐食を有効に防止することができる。
(7)接合部材13を介して、金属平板4を絶縁基体2に接合する工程。この工程では、ペースト状の熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法やディスペンス法等で絶縁基体2または金属平板4のいずれか一方の接合面に塗布しトンネル式の雰囲気炉またはオーブン等で乾燥させた後、絶縁基体2と金属平板4とを重ねた状態でトンネル式の雰囲気炉またはオーブン等に通炉させ約150℃で約90分間、加熱することで接合部材を完全に熱硬化させ、絶
縁基板2と金属平板4とを強固に接着させる。
このとき、例えば、金属平板4に設けられた貫通孔6または切り欠き7と絶縁基体2の枠部とを、位置合わせの基準として用いることで、精度よく接合することができる。また、撮像素子搭載用基板1に撮像素子10を実装する際や、撮像装置21にレンズ筐体等を実装する際においても同じ貫通孔6または切り欠き7を位置合わせ用の穴として用いることで絶縁基体2と金属平板4、絶縁基体2と撮像素子10、金属平板4とレンズ筐体、撮像素子10とレンズ筐体との位置合わせが容易となり、撮像素子10の光軸を容易に合わせることができる為好ましい。
この貫通孔6または切り欠き7は、撮像装置21に振動装置等の外部装置を固定するための貫通孔としても用いられる。貫通孔6または切り欠き7を、位置合わせ用と固定用とに用いることで、撮像素子10の受光面とレンズとの光学的な軸を精度よく合わせることができ、また振動装置が振動した後も軸がずれることを抑制することができる。
接合部材13は、例えばビスフェノールA型液状エポキシ樹脂,ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂,フェノールノボラック型液状樹脂等からなる主剤に、球状の酸化珪素等から成る充填材,テトラヒドロメチル無水フタル酸等の酸無水物などを主とする硬化剤および着色剤としてカーボン紛末等を添加し遠心攪拌機等を用いて混合,混練してペースト状とすることによって得られる。
また、接合部材13としては、この他にも例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールA変性エポキシ樹脂,ビスフェノールF型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂,特殊ノボラック型エポキシ
樹脂,フェノール誘導体エポキシ樹脂,ビスフェノール骨格型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂にイミダゾール系やアミン系,リン系,ヒドラジン系,イミダゾールアダクト系,アミンアダクト系,カチオン重合系,ジシアンジアミド系等の硬化剤を添加したもの等を使用することができる。
また、接合部材13は、樹脂以外にも低融点ガラスを用いることができる。低融点ガラスは、例えば、酸化鉛56〜66質量%、酸化硼素4〜14質量%、酸化珪素1〜6質量%および酸化亜鉛1〜11質量%を含むガラス成分に、フィラーとして酸化ジルコニウムシリカ系化合物を4〜15質量%添加したものが用いられる。これらの組成を有するガラス粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加混合してガラスペーストを得る。このガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷法により絶縁基体2や金属平板4のいずれか一方の接合面に所定厚みに積層印刷塗布し、これを約430℃の温度で焼成することによって前述の絶縁基板2また
は金属平板4の表面に接合部材が固着される。この後、金属平板4と絶縁基板2とを重ねた状態でトンネル式の雰囲気炉またはオーブン等に通炉させ約470℃に加熱することで接
合部材を溶融して固着させ、絶縁基板2と金属平板4とを強固に接合して撮像素子搭載用基板1を作製する。
上記(1)〜(7)の工程によって、撮像素子搭載用基板1が得られる。
このようにして形成された撮像素子搭載用基板1には撮像素子10が実装され、撮像素子10が実装された撮像素子搭載用基板1が外部回路基板(図示せず)に搭載されることにより、撮像素子10が撮像素子接続用パッド3、外部端子9などを介して外部回路基板に電気的に接続される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による撮像素子搭載用基板1および撮像装置21について、図4を参照しつつ説明する。
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、第1の辺2a側における2つの接合領域5aの幅がそれぞれ異なる点と、2つの第1外側領域4aが隣接して形成されている点、絶縁基体2の第2の辺2bと金属平板4との外縁とが平面透視において一致している点である。
図4に示される例のように、金属平板4は第1外側領域4aを複数有しており、かつ絶縁基体2の第2の辺2bと金属平板4との外縁が一致している。このように、絶縁基体2の第2の辺2bと金属平板4の外縁とが一致していることによって、第1の実施形態における撮像装置21と比較して、撮像装置21の小型化と軽量化を行うことが可能となり、また軽量化することによって振動による撮像装置21に発生する応力を小さくすることが可能となる。そのため、絶縁基体2と金属平板4との剥離をより良好に低減させることができる。
また、図4(c)に図4(b)のB部を拡大した縦断面図を示す。図4(c)の示す例のように接合部材13の外側の表面が縦断面視において凸となるように膨らんでいる形状であると、振動装置等から振動が加えられた際に接合部材13が金属平板4と絶縁基体2との振動の差を吸収しやすくなるため、絶縁基体2と金属平板4との剥離を低減しやすくなる。このような接合材13の外側の表面が凸となるように膨らんでいる形状は、接合材13の塗布量を多くする、もしくは、絶縁基体2と金属平板4との端部を揃えることで形成することができる。
また、図4に示される例において、図4(a)のy正方向側に位置する第1外側領域4
aを第1外側領域4a1、図4(a)のx負方向側に位置する第1外側領域4aを第1外側領域4a2とする。また、第1外側領域4a1側における接合領域5を接合領域5(5a1)、第1外側領域4a2側における接合領域5を接合領域5(5a2)とし、それぞれの幅をW11およびW12とする。このとき、一方の第1外側領域4a1側における接合領域5(5a1)の幅W11は、他方の第1外側領域4a2側における接合領域5(5a2)の幅W12よりも大きく、一方の第1外側領域4a1に設けられた貫通孔6または切り欠き7の平面視における総面積は、他方の第1外側領域4a2に設けられた貫通孔6または切り欠き7の平面視における総面積よりも大きい。例えば、図4に示す例において、一方の第1外側領域4a1とは、図4(a)のy正方向側に位置する第1外側領域4aを示しており、他方の第1外側領域4a2とは、図4(a)のx負方向側に位置する第1外側領域4aを示している。ここで、平面透視における総面積とは、一方の第1外側領域4a1においては、貫通孔6と切り欠き7との平面透視における面積の総和であり、他方の第1外側領域4a2においては、貫通孔6の平面透視における面積を示している。一方の第1外側領域4a1は他方の第1外側領域4a2と比較して、貫通孔6または切り欠き7の平面視における総面積が大きいことで、撮像装置21と外部装置とを固定する際、より固定箇所の数が多くまたは、固定用のビス等の固定補助部材の大きさが大きくなり、金属平板4と固定補助部材との接合面積が大きくなる。このような場合、撮像装置21と外部装置との固定時の応力もしくは外部装置から発生する振動が、より一方の第1外側領域4a1に加えられやすいため、一方の第1外側領域4a1側における接合領域5の幅W11を、他方の第1外側領域4a2側における接合領域5の幅W12よりも大きくすることで、絶縁基体2と金属平板4との剥離を効果的に低減させることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による撮像素子搭載用基板1および撮像装置21について、図5を参照しつつ説明する。
本実施形態における撮像装置21において、第1の実施形態の撮像装置21と異なる点は、絶縁基体2の形状、撮像素子1の実装位置、金属平板4に設けられた貫通孔6の位置である。
図5に示す撮像装置21は、絶縁基体2が枠部のみで形成されており、絶縁基体2の下面に金属平板4が接合され、凹部8を形成しており、撮像素子10は、金属平板4とに直接実装され、凹部8内に収納されている。
図5(c)に示す例のように、金属平板4は、角部Aの外側に貫通孔6が設けられている。ここで角部Aの外側とは、y正方向の第1外側領域4aから、x負方向の第1外側領域4aにかけての部分である。このように角部Aの外側に設けられた貫通孔6の面積は、y正方向側の第1外側領域4aと、x負方向側の第1外側領域4aとで、どのような割合とするかについて、以下に示す一例を用いて説明する。なお、貫通孔6を、y正方向側の第1
外側領域4a側の領域と、x負方向側の第1外側領域4a側の領域とに分ける仮想線とし
ては、絶縁基体2の角部Aから金属平板4の外縁に向けて延出させた、絶縁基体2の外縁となす角度が135度である仮想線Nを用いるものとする。
図5(c)に、図5(a)のC部の拡大した上面図を示す。図5(c)に示すように、撮像素子搭載用基板1は、前述した仮想線Nを跨ぎ、かつ、仮想線Nを挟んで隣接して設けられた2つの第1の外側領域4aを跨いで設けられた貫通孔6を有している。また、図5に示す例において、図5(a)のy正方向側に位置する接合領域5(5a)の幅をW13とし、図5(a)のx負方向側に位置する接合領域5(5a)の幅をW14とする。このような場合において、仮想線Nを跨ぐ貫通孔6は、仮想線Nで分割された面積がそれぞれの第1外側領域4aに属すると考えるとよい。ここで、図5に示す例においては、x負
方向側に設けられた第1外側領域4aおよびy正方向側に設けられた第1外側領域4aのそれぞれに設けられた、仮想線Nを跨いでいない貫通孔6の面積が等しいと仮定する。仮想線Nを跨ぐ貫通孔6は図5(c)に示すように仮想線Nで分割された、1つ目の分割領域6aと2つ目の分割領域6bとに分けて考えることができる。1つ目の分割領域6aと2つ目の分割領域6bとでは、1つ目の分割領域6aの方が面積が広い為、x負方向側に設けられた第1外側領域4aに設けられた貫通孔6の総面積が大きいとし、x負方向側の第1外側領域側における接合領域5の幅W14をy正方向側の第2外側領域側における接合領域5の幅W13よりも大きくすることで、絶縁基体2と金属平板4との接合強度をそれぞれの接合領域5で良好なものとすることができ、絶縁基体2と金属平板4との剥離を良好に低減させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、種々の変形は可能である。
例えば、絶縁基体2は、セラミック材料以外に、樹脂材料を使用しても良い。絶縁基体2が、樹脂材料から成る場合は、所定の形状に成形できるような金型を用いて、トランスファーモールド法またはインジェクションモールド法等によって成形することによって絶縁基体2を形成することができる。また、絶縁基体2は、例えばガラスエポキシ樹脂のように、ガラス繊維から成る基材に樹脂を含浸させたものであってもよい。この場合には、ガラス繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させることによって絶縁基体2を形成できる。
また、例えば、絶縁基体2の枠部の開口の形状は矩形状でなく円形状やその他の多角形状であってもかまわない。
また、本実施形態における撮像素子接続用パッド3、外部端子9の配置、数、形状などは指定されない。
また、本実施形態における金属平板4の外側領域5の形状、配置、面積、個数などは指定されない。
また、本実施形態において、平面透視において撮像装置21は撮像素子10と重なる位置にガラスや水晶等から成る透明な蓋体やフィルター等を有していてもよい。
1・・・・・・撮像素子搭載用基板
2・・・・・・絶縁基体
2a・・・・・第1の辺
2b・・・・・第2の辺
3・・・・・・撮像素子接続用パッド
4・・・・・・金属平板
4a・・・・・第1外側領域
4b・・・・・第2外側領域
5・・・・・・接合領域
5a・・・・・第1の接合領域
5b・・・・・第2の接合領域
6・・・・・・貫通孔
6a・・・・・1つ目の分割領域
6b・・・・・2つ目の分割領域
7・・・・・・切り欠き
8・・・・・・凹部
9・・・・・・外部端子
10・・・・・撮像素子
11・・・・・撮像素子搭載部
12・・・・・接続部材
13・・・・・接合部材
21・・・・・撮像装置

Claims (8)

  1. 撮像素子搭載部を有し、第1の辺および第2の辺を有する絶縁基体と、
    該絶縁基体の主面に設けられ、上面視した際に前記第1の辺より外側に位置する第1外
    側領域を有する金属平板と、
    を有しており、
    前記金属平板は、前記第1外側領域に貫通孔または切り欠きを有しており、前記第2の辺より外側に貫通孔または切り欠きを有しておらず、
    前記第1の辺側における前記絶縁基体と前記金属平板との接合領域の幅は、第2の辺側における前記絶縁基体と前記金属平板との接合領域の幅より大きい
    撮像素子搭載用基板。
  2. 前記金属平板は、上面視した際に前記第2の辺より外側に位置する第2外側領域を有している
    請求項1に記載の撮像素子搭載用基板。
  3. 前記絶縁基体の前記第2の辺と、前記金属平板の外縁が一致している
    請求項1に記載の撮像素子搭載用基板。
  4. 前記第1外側領域が複数設けられている
    請求項1〜3のいずれかに記載の撮像素子搭載用基板。
  5. 前記複数設けられた第1外側領域のうち、少なくとも2つが前記絶縁基体を挟んで対向している
    請求項4に記載の撮像素子搭載用基板。
  6. 前記複数設けられた第1外側領域は、一方の第1領域および他方の第1領域を含んでおり、
    前記一方の第1外側領域側における前記接合領域の幅は、前記他方の外側領域側における前記接合領域の幅より大きく、
    前記一方の第1外側領域に設けられた前記貫通孔または前記切り欠きの総面積は、前記他方の第1外側領域に設けられた前記貫通孔または前記切り欠きの総面積よりも大きい
    請求項4または請求項5に記載の撮像素子搭載用基板。
  7. 前記貫通孔または前記切り欠きは位置固定用として使用される
    請求項1〜6のいずれかに記載の撮像素子搭載用基板。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の撮像素子搭載用基板と、
    前記撮像素子搭載部に実装された撮像素子と、
    を備えている撮像装置。
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