JP2015050366A - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ベース部と、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射させるビーム折り返し用ミラーを有するミラーマウントとを備え、ミラーマウントは、底面がベース部の表面に熱硬化性接着剤により固定されており、熱硬化性接着剤を介して対向するミラーマウントの底面とベース部の表面とにより、熱硬化性接着剤に気泡が噛み込むことを抑制するための気泡噛み込み抑制形状が形成されている半導体レーザ装置。
【選択図】 図3
Description
ベース部と、
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射させるビーム折り返し用ミラーを有するミラーマウントとを備え、
前記ミラーマウントは、底面が前記ベース部の表面に熱硬化性接着剤により固定されており、
前記熱硬化性接着剤を介して対向する前記ミラーマウントの前記底面と前記ベース部の前記表面とにより、前記熱硬化性接着剤に気泡が噛み込むことを抑制するための気泡噛み込み抑制形状が形成されていることを特徴とする。
本発明者は、その理由として、仮固定時に熱硬化性接着剤に気泡が噛み込むと、その後の熱硬化工程において気泡が膨張し、これによりミラーマウントが位置ずれを起こすと推察している。すなわち、本発明では、仮固定時に熱硬化性接着剤に気泡が噛み込むことを抑制することにより、気泡の膨張によるミラーマウントの位置ずれが抑制されたと推察している。
従来、ミラーマウント100の底面101は平面であり、ミラーマウント100が接着剤104を介して固定されるベース部102の表面103も平面である。ミラーマウント100の底面101とベース部102の表面103とは、平行となるように接着剤104を介して固定される。ここでは、接着剤として紫外線硬化樹脂が含有された熱硬化性接着剤を用いる場合について説明する。
次に、図9(b)に示すように、ミラーマウント100をベース部102方向に降下させる。この際、ミラーマウント100の底面101がベース部102の表面103に平行な状態を保つように、降下させる。その後、ミラーマウント100の底面101とベース部102の表面103とが所定の距離となった時点で降下を停止する。ミラーマウント100の底面101とベース部102の表面103とを平行な状態を保ちながら近づけるため、表面の波打った接着剤104の凹部上面に空気が閉じ込められ、気泡106となる。
次に、図9(c)に示すように、この状態で紫外線照射装置108を用いて紫外線を照射し、接着剤104の露出している部分を硬化させる。この紫外線による硬化は、ミラーマウント100とベース部102との間から露出した部分のみを硬化させる工程である。
次に、接着剤104を熱硬化させる。このとき、加熱により気泡106が膨張し、接着剤104が完全に熱硬化していない状態(加熱による昇温により粘度のみ上昇し、熱硬化反応が進行していない状態)でミラーマウント100が押し動かされ、その後、そのまま熱硬化が完了する。その結果、図9(d)に示すように、ミラーマウント100が傾く。
本発明者は、このようなメカニズムにより、ミラーマウントの位置ずれが発生するものと推察している。そして、上記本発明の構成により、気泡の膨張によるミラーマウントの位置ずれが抑制されたと推察している。
図1は、第1実施形態に係る半導体レーザ装置を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示した半導体レーザ装置を光ファイバーに接続した様子を示す断面平面図である。
図3に示すように、ミラーマウント20の底面23は、中央部23bが突出するように2つの平面23aが交差した山型の形状を有している。本実施形態では、ミラーマウント20の底面23の形状が、中央部23bが突出するように2つの平面23aが交差した形状(以下、「凸状V字型」ともいう)となっており、平面23aがベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成している。平面23aがベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成しているため、半導体レーザ装置10の製造において、ベース部12aにミラーマウント20を仮固定する際、前記傾斜部に沿って、熱硬化性接着剤26上の気泡が外部へと排出され、熱硬化性接着剤26に気泡が噛み込むことが抑制されている。その結果、本実施形態に係る半導体レーザ装置10は、ミラー24の位置ずれが抑制されている。
ミラーマウントの位置を微調整する工程と、
微調整後にミラーマウントとベース部との位置関係を相対的に遠ざけるように移動した後、熱硬化性接着剤を塗布する工程と、
熱硬化性接着剤の塗布後に、ミラーマウントとベース部の位置関係を微調整後の位置関係に戻し、ミラーマウントをベース部に仮固定する工程とを含む。
(サンプルA)
ミラーマウントの底面の形状が凸状V字型のものとして、横幅10mm、縦幅5mm、高さの最も長い部分h1(図5参照)15mm、高さの最も短い部分h2(図5参照)14.5mmのものを準備した。これをサンプルAとした。
(サンプルB)
ミラーマウントの底面の形状が平面のものとして、横幅10mm、縦幅5mm、高さ15mmのものを準備した。これをサンプルBとした。
なお、横幅は、図4に示したx軸方向の長さ、縦幅はy軸方向の長さ、高さはz軸方向の長さをいう。
上記にて説明したクランプ装置、及び、方法にてミラーマウントを筐体に仮固定した後、熱硬化性接着剤を熱硬化させた。なお、筐体には、ベース部の表面が平面であるものを用いた。
実施例1では、サンプルAを用い、仮固定時のミラーマウントの底面とベース部表面との間の離間距離を0.5mmとした。
比較例1では、サンプルBを用い、仮固定時のミラーマウントの底面とベース部表面との間の離間距離を0.5mmとした。
比較例2では、サンプルBを用い、仮固定時のミラーマウントの底面とベース部表面との間の離間距離を0.2mmとした。
比較例3では、サンプルBを用い、仮固定時のミラーマウントの底面とベース部表面との間の離間距離を2mmとした。
なお、ミラーマウントの底面の形状が凸状V字型である場合、ミラーマウントの底面とベース部表面との間の離間距離d(図3参照)は、ベース部表面からミラーマウントの底面の最も遠い箇所までの距離とした。
本評価では、熱硬化性接着剤としてEML社製の製品名:OPTOCAST3411を用い、紫外線照射量は、180J/cm2、熱硬化時の加熱温度及び時間は、110℃にて30分間とした。
熱硬化前後でのミラーマウントの角度変化量を表1に示す。なお、表1中、角度変化量とは、z軸に回転方向の変化量を示している。
また、比較例1に対してミラーマウントの底面とベース部表面との間の距離を短くした比較例2においても、長くした比較例3においても角度変化量の大きな改善はみられないことがわかる。このことより、ミラーマウントの底面とベース部表面とがいずれも平面であり平行である場合には、その離間距離を変更しても角度変化量が改善されないことがわかる。
以上より、上記角度変化量は、ミラーマウントの底面とベース部表面との離間距離ではなく、ミラーマウントの底面を凸状V字型とすることにより改善されたことがわかる。
第2実施形態に係る半導体レーザ装置において、ミラーマウント70の底面73は、図6(a)に示すように、一端から他端に向けて傾斜した平面73aからなる。ミラーマウント70の底面73の形状が、一端から他端に向けて傾斜した平面73aからなり、平面73aがベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成している。平面73aがベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成しているため、当該半導体レーザ装置の製造において、ベース部12aにミラーマウント70を仮固定する際、熱硬化性接着剤26に気泡が噛み込むことが抑制されている。その結果、当該半導体レーザ装置は、ミラーの位置ずれが抑制されている。
第3実施形態に係る半導体レーザ装置において、ミラーマウント80の底面83は、図7(a)に示すように、中央部83bが突出するU字形状を有している。ミラーマウント80の底面83の形状が、中央部83bが突出するU字形状を有しており、前記U字形状は、ベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成している。前記U字形状がベース部12aの表面13に対して非平行となる傾斜部を形成しているため、当該半導体レーザ装置の製造において、ベース部12aにミラーマウント80を仮固定する際、熱硬化性接着剤26に気泡が噛み込むことが抑制されている。その結果、当該半導体レーザ装置は、ミラーの位置ずれが抑制されている。
第4実施形態に係る半導体レーザ装置において、ミラーマウント90の底面93には、図8(a)に示すように、中央に凹溝93aが形成されている。ミラーマウント90の底面93に凹溝93aが形成されているため、凹溝93aの下側と熱硬化性接着剤26との間は、外部と連通しており気泡が閉じ込められることがない。すなわち、凹溝93aの下側と熱硬化性接着剤26との間においては、気泡の噛み込みがないため、熱硬化性接着剤全体として気泡の噛み込みが抑制される。
12 筐体
12a ベース部
12b 長辺側側壁
12c 短辺側側壁
13 (ベース部の)表面
14 レーザーマウント
15 (短辺側側壁に形成された)貫通穴
16 半導体レーザ素子
16a レーザ光
20、70、80、90 ミラーマウント
23、73、83、93 (ミラーマウントの)底面
24 ミラー(ビーム折り返し用ミラー)
26 熱硬化性接着剤
Claims (3)
- ベース部と、
半導体レーザ素子と、
前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射させるビーム折り返し用ミラーを有するミラーマウントとを備え、
前記ミラーマウントは、底面が前記ベース部の表面に熱硬化性接着剤により固定されており、
前記熱硬化性接着剤を介して対向する前記ミラーマウントの底面と前記ベース部の表面とにより、前記熱硬化性接着剤に気泡が噛み込むことを抑制するための気泡噛み込み抑制形状が形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記ミラーマウントの底面が、前記ベース部の表面に対して非平行となる傾斜部を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 前記ミラーマウントの底面に溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
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