JP2015048611A - 木質柱の柱脚部接合構造 - Google Patents

木質柱の柱脚部接合構造 Download PDF

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Toshihiro Kusunoki
楠  寿博
歩 畔柳
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Abstract

【課題】本発明は、地震時における木質柱の割裂を抑制することができる木質柱の柱脚部接合構造を得ることを目的とする。
【解決手段】木質柱の柱脚部接合構造10は、基礎14に固定された下側ベースプレート42と、木質柱12の下面12Lにラグスクリュー26で固定された上側ベースプレート22とを備えている。上側ベースプレート22には、下側ベースプレート42にスライド可能に支持された支持枠32が設けられている。下側ベースプレート42には、支持枠32とスライド可能に連結されると共に当該支持枠32の浮き上がりを抑制する連結枠48が設けられている。また、下側ベースプレート42からは、木質柱12の下面の中央部に形成された凹部28に、上側ベースプレート22と干渉しないように嵌め込まれたシェアキー52が立ち上げられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質柱の柱脚部接合構造に関する。
木質柱の下面(木口)に固定される上部ベースプレートと、基礎に固定される下部ベースプレートと、上部ベースプレートと下部ベースプレートとを連結するリブプレートとを備え、木質柱を基礎に固定する柱脚金物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された上部ベースプレートの上面には、木質柱の下面中央部に形成された凹部に嵌め込まれる突起が設けられており、この突起を介して地震時に木質柱と基礎との間でせん断力が伝達されるようになっている。
また、木質柱の下面外周部には、複数の雌ねじボルトが捩じ込まれている。これらの雌ねじボルトの雌ねじ部に、上部ベースプレートに形成されたボルト孔を介してボルトを締結することにより、上部ベースプレートが木質柱の下面に固定されている。そして、地震時には、複数の雌ねじボルトの引張力によって、木質柱と基礎との間で曲げモーメントが伝達されるようになっている。
さらに、上部ベースプレートのボルト孔の径は、地震時にボルト孔の周縁部がボルトの軸部に当接しないように、当該軸部の径よりも大きくなっている。これにより、地震時に、雌ねじボルトにせん断力が伝達され、木質柱の外周部に割裂が発生することが抑制されている。
特開2008−255627号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、上部ベースプレートの突起を介して木質柱と基礎との間でせん断力を伝達する際に、当該突起が木質柱の外周側へめり込む可能性がある。このように突起が木質柱の外周側へめり込むと、上部ベースプレートに対して木質柱が水平方向にずれ、雌ねじボルトにせん断力が伝達されて木質柱に割裂が発生する虞がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、地震時における木質柱の割裂を抑制することができる木質柱の柱脚部接合構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の木質柱の柱脚部接合構造は、下部躯体に固定された下側ベースプレートと、木質柱の下面に棒状部材で固定された上側ベースプレートと、前記上側ベースプレートに設けられ、前記下側ベースプレートにスライド可能に支持された支持部と、前記下側ベースプレートに設けられ、前記支持部とスライド可能に連結されると共に該支持部の浮き上がりを抑制する連結部と、前記下側ベースプレートから立ち上げられ、前記木質柱の下面の中央部に形成された凹部に、前記上側ベースプレートと干渉しないように嵌め込まれた嵌込部と、を備えている。
請求項1に係る木質柱の柱脚部接合構造によれば、地震時には、下側ベースプレートに設けられた連結部が上側ベースプレートの支持部の浮き上がりを抑制することにより、木質柱と下部躯体との間で曲げモーメントが伝達される。また、下側ベースプレートから立ち上げられた嵌込部が、木質柱の下面の中央部に形成された凹部と水平方向に係合することにより、木質柱と下部躯体との間でせん断力が伝達される。
ここで、上側ベースプレートの支持部は、下側ベースプレートにスライド可能に支持されている。これにより、地震時に嵌込部が木質柱の外周側へめり込んだときに、木質柱の下面に固定された上側ベースプレートが木質柱と一体に下側ベースプレート上をスライドする。したがって、木質柱と上側ベースプレートとの水平方向の相対変位が抑制されるため、棒状部材に発生するせん断力が低減される。
さらに、下側ベースプレートの嵌込部は、上側ベースプレートと干渉しないように木質柱の凹部に嵌め込まれている。これにより、地震時に嵌込部が木質柱の外周側へめり込んだときに、上側ベースプレートが嵌込部に当接することが抑制される。したがって、嵌込部から上側ベースプレートを介して棒状部材に伝達されるせん断力も低減される。よって、地震時における木質柱の割裂を抑制することができる。
請求項2に記載の木質柱の柱脚部接合構造は、請求項1に記載の木質柱の柱脚部接合構造において、前記下側ベースプレートには、前記支持部のスライド量を制限するストッパ部が設けられている。
請求項2に係る木質柱の柱脚部接合構造によれば、下側ベースプレートに上側ベースプレートの支持部のスライド量を制限するストッパ部を設けたことにより、下側ベースプレートに対する上側ベースプレートのスライド量を所定値以内に抑えることができる。したがって、木質柱の耐震性能を高めることができる。
請求項3に記載の木質柱の柱脚部接合構造は、請求項1または請求項2に記載の木質柱の柱脚部接合構造において、前記嵌込部が、前記上側ベースプレートに形成された貫通孔を通して前記凹部に嵌め込まれている。
請求項3に係る木質柱の柱脚部接合構造によれば、下側ベースプレートから立ち上げられた嵌込部を、上側ベースプレートに形成された貫通孔を通して木質柱の凹部に嵌め込むことにより、嵌込部と上側ベースプレートとの干渉を抑制することができる。
以上説明したように、本発明に係る木質柱の柱脚部接合構造によれば、地震時における木質柱の割裂を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る木質柱の柱脚部接合構造が適用された木質柱を示す図3の1−1線断面図である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1に示される接合治具を示す側面図である。 図3の5−5線断面図である。 (A)は図1に示される上側治具のスライド前の状態を示し、(B)は上側治具のスライド後の状態を示す図5に対応する断面図である。 本発明の一実施形態に係る木質柱の変形例を示す図1に対応する断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る木質柱の柱脚部接合構造について説明する。
(木質柱の柱脚部接合構造)
図1には、本実施形態に係る木質柱の柱脚部接合構造10が適用された木質柱12が示されている。木質柱12は、例えば、木製の集成材や単板積層材等によって断面矩形状に形成されている。この木質柱12は、下部躯体としての基礎14の上面14Uに形成された収容凹部16内に接合治具20を介して設置されている。接合治具20は、互いに連結される上側治具20U及び下側治具20Lを備えている。なお、基礎14の上面14Uには、二点鎖線で示されるように、接合治具20を覆い隠すカバー材18を設けても良い。
(上側治具)
上側治具20Uは、木質柱12の下面(木口面)12Lに固定される上側ベースプレート22と、下側治具20Lと連結されると共に当該下側治具20Lに支持される支持部としての支持枠32とを有している。
上側ベースプレート22は矩形状の鋼板等で形成されており、木質柱12の下面12Lに重ねられている。この上側ベースプレート22の外周部には、複数の取付孔24が形成されている。これらの取付孔24を介してラグスクリュー26の軸部26Aを木質柱12の下面12Lにおける外周部に捻じ込み、ラグスクリュー26の頭部26Bを取付孔24の周縁部に係止させることにより、上側ベースプレート22が木質柱12の下面12Lに固定されている。
なお、ラグスクリュー26の軸部26Aの長さは、接合治具20を介して木質柱12の柱脚部と基礎14との間で曲げモーメントを伝達可能な長さに設定されている。また、ラグスクリュー26は、図2に示されるように、木質柱12の柱脚部の外周部に、所定の間隔を空けて複数捻じ込まれている。
図1に示されるように、上側ベースプレート22の中央部には、円形状の貫通孔30が形成されている。この貫通孔30によって、木質柱12の下面12Lにおける中央部に形成された断面円形状の凹部28が露出されている。この凹部28には、貫通孔30を介して後述するシェアキー52が嵌め込まれるようになっている。
上側ベースプレート22の下面には、下方へ突出する支持枠32が設けられている。支持枠32は矩形の枠状に形成されており、貫通孔30を囲むように溶接等によって上側ベースプレート22の下面に固定されている。
図3に示されるように、支持枠32の各側壁部32Sには、連結ボルト34が挿入される挿入孔36が形成されている。挿入孔36は、図4に示されるように、水平方向に延びる長孔とされており、連結ボルト34の軸部34Aの水平方向の変位を許容する一方で、上下方向の変位は拘束可能になっている。
(下側治具)
図1に示されるように、下側治具20Lは、基礎14に固定される下側ベースプレート42と、上側治具20Uの支持枠32と連結される連結部としての連結枠48と、木質柱12との間でせん断力を伝達する嵌込部としてのシェアキー52とを有している。
下側ベースプレート42は矩形状の鋼板等で形成されており、基礎14の収容凹部16内に設置されている。この下側ベースプレート42の外周部は、アンカーボルト44及びナット46によって収容凹部16の底部16Lに曲げモーメントMを伝達可能に固定されている。この下側ベースプレート42の上面には、前述した上側治具20Uの支持枠32がスライド可能に載置されている。
なお、下側ベースプレート42の上面に摩擦低減処理を施したり、滑り材を取り付けたりすることにより、支持枠32との間に発生する摩擦力を低減し、支持枠32の滑りを易くしても良い。
図3に示されるように、下側ベースプレート42の上面には、上側治具20Uの支持枠32と連結される連結枠48が設けられている。連結枠48は矩形の枠状に形成されており、シェアキー52を囲むように上側ベースプレート22の上面に溶接等によって固定されている。この連結枠48は、上側治具20Uの支持枠32内に挿入されている。
連結枠48の各側壁部48Sには、支持枠32の挿入孔36に対応するネジ孔50が形成されている。これらのネジ孔50に挿入孔36を介して連結ボルト34の軸部(ネジ部)34Aを捻じ込むことにより、連結枠48と支持枠32とが水平方向に相対変位可能に連結されている。また、地震時に、連結ボルト34の軸部34Aが挿入孔36の周縁部と上下方向に係合することにより、支持枠32の浮き上がりが抑制されるようになっている。つまり、地震時に、連結ボルト34が挿入孔36と上下方向に係合することにより、連結ボルト34を介して木質柱12の柱脚部と基礎14との間で曲げモーメントMが伝達されるようになっている。
ここで、図5に示されるように、支持枠32と連結枠48とは、対向する各々の側壁部32S,48Sの間に、支持枠32のスライドを許容するスライド用隙間Sを空けた状態で配置されている。また、連結ボルト34の頭部34Bと支持枠32の側壁部32Sとの間にも、支持枠32のスライドを許容するスライド用隙間Sが形成されている。
スライド用隙間Sは、スライド用隙間Sよりも若干大きくなっており、連結ボルト34の頭部34Bよりも先に支持枠32の側壁部32Sが連結枠48の側壁部48Sに当接するようになっている。そして、ストッパ部としての連結枠48の側壁部48Sに支持枠32の側壁部32Sが当接することにより、連結枠48に対する支持枠32のスライドが制限されるようになっている。つまり、スライド用隙間Sが許容する範囲内で、支持枠32が連結枠48に対して水平2方向へ相対変位(スライド)可能になっている。
また、図6(A)に示されるように、下側ベースプレート42の上面における中央部には、円筒状に形成されたシェアキー52が設けられている。シェアキー52は連結枠48の内側に配置され、その下端部が溶接等によって下側ベースプレート42に固定されている。このシェアキー52は、下側ベースプレート42の上面から立ち上げられており、その上部が前述した上側ベースプレート22の貫通孔30を介して木質柱12の凹部28に隙間なく嵌め込まれている。これにより、地震時に、シェアキー52を介して木質柱12の柱脚部と基礎14との間でせん断力が伝達可能になっている。
また、貫通孔30は、凹部28及びシェアキー52の上部よりも大きくされており、地震時に凹部28にシェアキー52がめり込んだときに、貫通孔30の周縁部がシェアキー52に当接しないようになっている。つまり、上側ベースプレート22とシェアキー52とは、水平方向の縁が切られている。
さらに、シェアキー52の上部と貫通孔30の周縁部との隙間Dは、前述したスライド用隙間Sにシェアキー52の曲げ変形量を加えた値よりも大きくなっている(D+シェアキー52の曲げ変形量>S)。これにより、地震時に凹部28にシェアキー52がめり込んだときに、貫通孔30の周縁部がシェアキー52に当接する前に、支持枠32の側壁部32Sが連結枠48の側壁部48Sに当接し、連結枠48に対する支持枠32の水平方向の相対変位(スライド)が制限されるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に示されるように、上側治具20Uの支持枠32と下側治具20Lの連結枠48とは、複数の連結ボルト34によって連結されている。そして、地震時に、木質柱12に曲げモーメントMが作用すると、連結ボルト34が支持枠32に形成された挿入孔36の周縁部と上下方向に係合することにより、上側治具20Uの浮き上がりが抑制される。この連結ボルト34を介して木質柱12の柱脚部と基礎14との間で曲げモーメントMが伝達される。
一方、図6(A)に示されるように、下側治具20Lの下側ベースプレート42の中央部からは、シェアキー52が立ち上げられている。このシェアキー52の上部は、木質柱12の下面における中央部に形成された凹部28に隙間なく嵌め込まれている。このシェアキー52の上部が、地震時に木質柱12の凹部28と水平方向に係合することにより、シェアキー52を介して木質柱12の柱脚部と基礎14との間でせん断力が伝達される。
ここで、木質柱12は木造であるため、シェアキー52の上部が木質柱12の凹部28と水平方向に係合したときに、図6(B)に示されるように、シェアキー52の上部が木質柱12の外周側(ラグスクリュー26側)へめり込む可能性がある。この際、仮に上側治具20Uが下側治具20Lに固定されていると、上側ベースプレート22に対して木質柱12が水平方向にずれ、ラグスクリュー26にせん断力Qが伝達されて木質柱12の外周部に割裂が発生する可能性がある。
これに対して本実施形態における上側治具20Uは、支持枠32を介して下側治具20Lの下側ベースプレート42にスライド可能に支持されており、スライド用隙間S(図5参照)が許容する範囲内で下側治具20Lに対して水平方向に相対変位可能になっている。したがって、シェアキー52が木質柱12の外周側へめり込んだときに、例えば、上側治具20Uが木質柱12と一体に下側ベースプレート42上を矢印a方向へスライドする。これにより、上側ベースプレート22と木質柱12との水平方向のずれが抑制されるため、ラグスクリュー26に伝達されるせん断力Qが低減される。
また、上側ベースプレート22の貫通孔30は、シェアキー52の上部よりも大きくされている。つまり、上側ベースプレート22とシェアキー52とは水平方向の縁が切られている。これにより、シェアキー52が木質柱12の外周側へめり込んだときに、シェアキー52が貫通孔30の周縁部に当接することが抑制される。したがって、シェアキー52から上側ベースプレート22を介してラグスクリュー26に伝達されるせん断力Qが低減される。
このように本実施形態では、地震時に、ラグスクリュー26に伝達されるせん断力Qが低減されるため、木質柱12の外周部に発生する割裂を抑制することができる。
さらに、上側治具20Uの支持枠32が、下側治具20Lの連結枠48に当接すると、連結枠48に対する支持枠32の水平方向の相対変位(スライド)が制限される。そのため、下側治具20Lに対する上側治具20U及び木質柱12の水平方向のスライド量を所定値(スライド用隙間S)以内に抑えることができる。したがって、木質柱12の耐震性能を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、スライド用隙間S(シェアキー52の曲げ変形を考慮)が貫通孔30の周縁部とシェアキー52の上部との隙間Dよりも小さくなっている。これにより、貫通孔30の周縁部がシェアキー52に当接する前に、下側治具20Lに対する上側治具20U及び木質柱12の水平方向の相対変位が制限される。したがって、貫通孔30の周縁部がシェアキー52の上部に当接することをより確実に抑制することができる。
なお、地震時には、木質柱12にせん断力と曲げモーメントが同時に作用する。そのため、支持枠32は、連結ボルト34の軸部34Aと上下方向に係合した状態で、下側ベースプレート42上をスライドする。したがって、支持枠32と連結ボルト34の軸部34Aとの係合部には、支持枠32のスライドに抵抗する摩擦力が発生する。そして、支持枠32をスライドさせようとする力が大きくなると、上側ベースプレート22に対して木質柱12が水平方向にずれる可能性がある。しかし、木質柱12に作用する曲げモーメントMにより木質柱12と共に支持枠32が傾き、上記係合部では連結ボルト34の軸部34Aが支持枠32の挿入孔36の周縁部に面ではなく点または線接触となる可能性が高い。この場合、上記係合部に発生する摩擦力は小さく、無視することができる。
また、本実施形態では、従来技術(例えば、特許文献1)のように、上側ベースプレート22の取付孔24の周縁部がラグスクリュー26の軸部26Aに当接しないように取付孔24の径を大きくする必要がなく、取付孔24の径をラグスクリュー26の軸部26Aの径に応じて設定することができる。したがって、取付孔24を意図的に大きくした場合に懸念されるような、ラグスクリュー26の頭部26Bの取付孔24からの抜け出し(地震時または強風時)を抑制することができる。
また、木質柱12の柱脚部に対する上側治具20Uの固定方法としては、例えば、木質柱12の下面に形成されたスリットに接合プレートを挿し込み、木質柱12の側面から接合プレートを貫通するボルトやドリフトピン等を使用することが考えられる。しかしながら、特にボルトの場合、ボルト頭が柱脚部の側面に現わしになるため、柱脚部の外観を損ねる可能性がある。また、木質柱12の柱脚部の側面に、仕上げ材や耐火被覆材を貼付することが困難になる可能性がある。
これに対して本実施形態では、木質柱12の下面12Lにラグスクリュー26を捩じ込むことにより当該下面12Lに上側ベースプレート22を固定するため、柱脚部の外観が良好になる。また、木質柱12の側面に、仕上げ材や耐火被覆材を容易に貼付することができる。
さらに、本実施形態では、工場等において木質柱12の下面12Lに接合治具20を予め固定しておくことにより、現場では下側治具20Lを基礎14に固定するだけで良くなるため、施工性を向上させることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、スライド用隙間Sをスライド用隙間Sよりも小さくし、連結枠48の側壁部48Sをストッパ部とした例を示したが、これとは逆に、スライド用隙間Sをスライド用隙間Sよりも小さくし、連結ボルト34の頭部34Bをストッパ部としても良い。また、連結ボルト34の軸部34Aが挿入される挿入孔36の周縁部をストッパ部とすることも可能である。なお、ストッパ部は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
また、上記実施形態では、上側治具20Uの支持枠32及び下側治具20Lの連結枠48を枠状に形成した例を示したが、これらの形状は適宜変更可能である。また、連結部材としての連結ボルト34に替えて、連結枠48の側壁部48Sから突出する連結ピン等を用いても良い。さらに、シェアキー52の配置や形状も適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、上側ベースプレート22に、木質柱12の凹部28を露出させる貫通孔30を形成した例を示したが、これに限らない。上側ベースプレート22には、例えば、貫通孔30に替えてU字形状の溝等を形成しても良い。また、上側ベースプレート22を2つに分割し、その間から凹部28を露出させても良い。
また、上記実施形態では、棒状部材としてラグスクリュー26を用いた例を示したが、これに限らない。棒状部材としては、例えば、雌ネジボルトや、グルードインロッド工法における異形鉄筋等を用いても良い。なお、グルードインロッド工法とは、木質柱12の下面12Lに形成された取付孔24に異形鉄筋等を挿入した状態でエポキシ樹脂等の接着剤を充填することにより、木質柱12に異形鉄筋等を固定する工法である。
また、上記実施形態における木質柱12には、耐火構造を適用しても良い。例えば、図7には、耐火構造が適用された木質柱62が示されている。この木質柱62は、断面略矩形に形成されており、長期荷重を支持する心部(荷重支持部)62Aと、心部62Aを被覆する燃え止まり層62Bと、燃え止まり層62Bを被覆する燃え代層62Cとを有している。
心部62Aは、木製の集成材等によって長期荷重を支持可能に形成されている。この心部62Aの外側(外周)に、燃え止まり層62Bが設けられている。燃え止まり層62Bは、火災時における燃え代層62Cの燃焼を停止(自然鎮火)させることにより、心部62Aの燃焼を抑制する層であり、モルタル板等の不燃材料を有して構成されている。
燃え止まり層62Bの外側(外周)には、燃え代層62Cが配置されている。燃え代層62Cは、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、心部62Aへの火災熱の侵入を抑制する層であり、木製の集成材等によって形成されている。このように耐火構造が適用された木質柱62に、上記実施形態に係る木質柱の柱脚部接合構造10を適用しても良い。
なお、図7に示される例では、木質柱62の心部62Aの外周部にラグスクリュー26の軸部26Aを捩じ込むことにより、木質柱62の下面62Lに上側ベースプレート22が固定されている。つまり、ラグスクリュー26の軸部26Aは、燃え止まり層62B及び燃え代層62Cの内側に位置している。これにより、心部62Aと基礎14との間で曲げモーメントを伝達可能にしつつ、ラグスクリュー26の軸部26Aに対する火災熱の影響を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、基礎14に木質柱12を接合した例を示したが、これに限らない。木質柱12は、下部躯体としての床スラブや柱の柱頭部(仕口部)に接合しても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 木質柱
12L 下面
14 基礎(下部躯体)
22 上側ベースプレート
26 ラグスクリュー(棒状部材)
28 凹部
30 貫通孔
32 支持枠(支持部)
42 下側ベースプレート
48 連結枠(連結部)
48S 側壁部(ストッパ部)
52 シェアキー(嵌込部)
62 木質柱

Claims (3)

  1. 下部躯体に固定された下側ベースプレートと、
    木質柱の下面に棒状部材で固定された上側ベースプレートと、
    前記上側ベースプレートに設けられ、前記下側ベースプレートにスライド可能に支持された支持部と、
    前記下側ベースプレートに設けられ、前記支持部とスライド可能に連結されると共に該支持部の浮き上がりを抑制する連結部と、
    前記下側ベースプレートから立ち上げられ、前記木質柱の下面の中央部に形成された凹部に、前記上側ベースプレートと干渉しないように嵌め込まれた嵌込部と、
    を備えた柱脚部接合構造。
  2. 前記下側ベースプレートには、前記支持部のスライド量を制限するストッパ部が設けられている、
    請求項1に記載の木質柱の柱脚部接合構造。
  3. 前記嵌込部が、前記上側ベースプレートに形成された貫通孔を通して前記凹部に嵌め込まれている、
    請求項1または請求項2に記載の木質柱の柱脚部接合構造。
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