(第1実施形態)
以下、本発明の画像読取装置およびこれを備えた画像形成装置を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置が搭載された画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
第1実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、原稿を読み取る画像読取装置120を備えた画像形成装置100であって、画像読取装置120として、本発明に係る画像読取装置の構成を採用したものである。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
画像形成装置100は、図1に示すように、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙(例えば、記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、画像読取装置120とにより構成されている。
装置本体110は、露光ユニット1、現像装置2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、転写部6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
装置本体110の上部には、原稿読取部90が設けられている。
原稿読取部90の上側には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿台ガラス(原稿載置台)92が設けられ、その原稿台ガラス92の上側には画像読取装置120が取り付けられている。
画像読取装置120は、第1読取ガラス92aの上に自動で原稿を搬送する。
また、画像読取装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、原稿台ガラス(原稿載置台)92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。すなわち、画像読取装置120は原稿押え装置として機能している。
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。
従って、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器を用いても良い。
露光ユニット1は、外部から入力した画像データまたは原稿から読み取って得られた画像データに応じて、帯電された感光体ドラム3を露光することにより、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム3の表面に形成する画像書込み装置であり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたLSU(レーザスキャニングユニット)として構成される。
また、露光ユニット1には、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。
また、露光ユニット1としては、上述した構成の他に発光素子をアレイ状に並べた、例えば、ELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
このように構成された露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム3の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。
現像装置2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(Y,M,C,K)のトナーにより顕像化するものである。
感光体ドラム3は、円筒状を呈し、露光ユニット1の上方に配設され、その表面がクリーナユニット4によりクリーニングされ、クリーニングされた表面が帯電器5により均一に帯電される。
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
感光体ドラム3の上方に配置されている転写部6は、無端状の中間転写ベルト(無端ベルト)61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、Y,M,C,Kの各色に対応して4本設けられている。
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動するように構成されている。
中間転写ベルト61は、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成され、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61上に順次重ね合わせて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。
各中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61に対して感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与えるようにされている。詳しくは、中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。尚、第1実施形態では、転写電極としてローラ形状の中間転写ローラ64を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
上述したように、各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト61上に積層される。積層された画像情報としてのトナー像は、中間転写ベルト61とともに搬送されて、搬送される用紙と中間転写ベルト61との接触位置(2次転写位置,所定位置)に移動し、この接触位置に配置されている転写ローラ10によって用紙上に転写される。
この時、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは、所定ニップで互いに圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナー像を用紙に転写させるための2次転写バイアスが印加される。この2次転写バイアスは、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧である。
さらに、上記所定ニップを定常的に得るために、2次転写位置にて中間転写ベルト61に圧接する転写ローラ10もしくは2次転写位置にて中間転写ベルト61の裏側に圧接する中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
上述した転写工程において、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われずに中間転写ベルト61に残存したトナーは、次工程で形成されるトナー像に対してトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように構成されている。
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、中間転写ベルト61が搬送される経路上で、中間転写ベルト搬送方向において転写ローラ10より下流側で感光体ドラム3よりも上流側に設けられている。
中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、装置本体110の外側部には、外側より用紙を供給可能な手差し給紙カセット82が設けられている。
この手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を複数枚積載することができる。装置本体110の上方には、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積するための排紙トレイ91が設けられている。
排紙トレイ91は、装置本体110の上方で画像読取装置120に対向して構成されている。そして、画像読取装置120が装置本体110に対して回動することで排紙トレイ91の上方が開放可能に構成されている。
また、装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の用紙を転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81乃至手差し給紙カセット82から排紙トレイ91に到る用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
搬送ローラ12a〜12dは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って設けられている。尚、搬送ローラ12bは、用紙を排紙トレイ91に排出する排紙ローラとして機能するため、排紙ローラと称する。
ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端と用紙の先端を合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する機能を有している。すなわち、レジストローラ13によって、搬送される用紙上の所定の位置に中間転写ベルト61上のトナー像が転写されるように整合される。
定着ユニット7は、定着ローラ70として1対のヒートローラ71と加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転搬送するようになっている。
ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、対向して配置されて、ヒートローラ71と加圧ローラ72との圧接箇所には、定着ニップ部が形成されている。
ヒートローラ71は、所定の定着温度となるように制御部(図示せず)によって温度制御される。この制御部は、ヒートローラ71の周囲に設けられたヒートローラ71の温度と検出する図示しない温度検出器(非接触式のサーミスタ)からの検出信号に基づいてヒートローラ71の表面温度が160〜200℃の範囲となるように制御する。
また、ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着することにより、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させる機能を有している。また、ヒートローラ71には、図1に示すように、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
一方、加圧ローラ72も、ヒートローラ71と同様に円筒状の金属製の芯金の周面に弾性層が設けられて構成されている。そして、ヒートローラ71に対して所定の圧力で当接されるようになっている。
次に、第1実施形態の画像形成装置100の特徴的な画像読取装置120の構成について図面を参照して説明する。
図2は第1実施形態の画像形成装置に備わる画像読取装置の特徴的な原稿押え部ロック機構の構成を示す説明図、図3は前記画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
第1実施形態の画像読取装置120は、図1,図2に示すように、原稿を読み取る原稿読取部90と、原稿読取部90の原稿を読み取る位置に原稿を載置する原稿台ガラス92と、原稿台ガラス92に載置した原稿を押さえる原稿押え部121とを備えている。
原稿押え部121は、その上部に読み取り原稿が積載可能な読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿が積載可能な読み取り済原稿積載部123を備えている。符号125は原稿挿入口、符号126は原稿排出口を示す。
読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123には、原稿が載置されているか否かを検出する原稿在籍センサ153(図3を参照)が設けられている。この原稿在籍センサ153は、原稿を検出するものであれば、機械式または電気的によるものであってもよい。
そして、原稿押え部121は、原稿台ガラス92に対して回動することで原稿台ガラス92の上部を開放可能に構成されている。
また、画像読取装置120は、図2に示すように、原稿押え部121の開閉動作を規制する原稿押え部ロック機構130を備えることを特徴としている。
原稿押え部ロック機構130は、原稿押え部121の開閉動作を規制するものであり、その構成として、画像読取装置120の原稿読取部90側には、原稿押え部121をロックするロック部材131、ロック部材131を開放側に付勢する引っ張りばね132、ロック部材131をロック状態に作動させるための引っ張りばね133とソレノイド134が設けられ、原稿押え部121側には、ロック部材131が係合されるロック部材係合部135が設けられている。
ロック部材131は、部材の略中央部で原稿読取部90側に回転可能に軸支され、一端部にはロック部材係合部135に係合する略L字状のロック部131aが形成され、他端部131bは引っ張りばね132とソレノイド134側の引っ張りばね133が取付けられている。
ロック部材係合部135は、原稿押え部121の下側内部に構成され、ロック部材131が動作時に回動してロック部131aと係合部135aとが係合するように構成されている。
次に、第1実施形態の画像読取装置120の特徴的な電気的構成についてブロック図を参照して説明する。
画像読取装置120は、図3に示すように、電気的構成として、画像読取装置120の動作を制御する制御部150、原稿読取部90、駆動モータ151、原稿搬送部152、原稿在籍センサ153、ソレノイド(駆動手段)134などを備えている。
制御部150は、画像読取装置120の各部動作を制御する。
また、制御部150は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づき、ソレノイド134の動作を制御して原稿押え部ロック機構130の開放動作を制御する原稿押え部ロック制御機能1501を備えている。
具体的には、制御部150は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づき、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に原稿が存在している場合は、ロック部材131がロック状態となるようにソレノイド134を動作して、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に原稿が存在していない場合は、ロック部材131が解除状態となるようにソレノイド134を動作するように制御する。
以上のように構成したので、第1実施形態によれば、原稿読取部90と、原稿台ガラス92と、原稿押え部121とを備え、原稿押え部121には、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123を備えた画像読取装置120において、原稿押え部121の開閉動作を規制する原稿押え部ロック機構130を備えるとともに、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されているか否かを検出する原稿在籍センサ153を備え、制御部150の機能として原稿押え部ロック制御機能1501を備えることで、制御部150により原稿在籍センサ153の検出結果に基づき、ソレノイド134によるロック/解除動作を制御するようにしたので、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されている時には、原稿押え部ロック機構130をロック状態にすることで、原稿押え部121の開放動作ができないようにして、画像読取装置120に積載された原稿の落下飛散を防止することができる。
なお、第1実施形態では、原稿押え部ロック機構130の構成としてソレノイド134により電気的にロック/解除動作を行うようにしているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図4は本発明の第2実施形態の画像読取装置の特徴的な原稿押え部ロック機構の構成を示す説明図、図5は図4のA部の断面図により構成を説明する部分詳細図である。
第2実施形態に係る画像形成装置200は、図4に示すように、第1実施形態の画像読取装置220の原稿押え部ロック機構130の構成に換えて、画像読取装置220に手動式ロック装置230を備えたことを特徴としたものである。
手動式ロック装置230は、図4,図5に示すように、原稿押え部221の開閉動作を規制するものであり、その構成として、画像読取装置220の原稿読取部90側には、原稿押え部221をロックするロック部材231、ロック部材231をロック側に付勢するねじりコイルばね232が設けられ、原稿押え部221側には、ロック部材231が係合されるロック部材係合部235が設けられている。
ロック部材231は、部材の略中央部を支点として原稿読取部90側の回転軸234に回転可能に軸支され、一端部にはロック部材係合部235に係合する略L字状のロック部231aが形成され、他端部231bは手指で操作可能に直線的に構成されている。
ロック部材係合部235は、図5に示すように、原稿押え部221の側面下部にロック部材231のロック部231aが収容されるように窪んで構成され、ロック部材231が動作時に回動してロック部231aと係合部235aとが係合するように構成されている。
ねじりコイルばね232は、回転軸234に支持され、一端部232aがロック部材231のロック部231a側に取付けられ、他端部232bが原稿読取部90側に取付けられて、ロック部材231のロック部231aをロック部材係合部235側に付勢するようにされている。
なお、ねじりコイルばね232の構成や取り付けは、ロック部231aをロック部材係合部235側に付勢する構成であれば、上記構成に限定するものではない。
ロック部材係合部235の係合部235aの下側端部とロック部材231のロック部231aの上側端部は、同じような傾斜角度を有するテーパ面235a1,231a1で形成されている。
ロック部材231が通常位置の時、すなわち、図5中の2点鎖線の状態の時に、原稿押え部221が開放された状態から閉じた状態になるとき、係合部235aのテーパ面235a1とロック部231aのテーパ面231a1とが当接する。さらに、原稿押え部221が閉じる方向に下降すると、係合部235aのテーパ面235a1に沿ってロック部231aのテーパ面231a1が外側(図5中で右側)に押し出された後(実線の状態)、ねじりコイルばね232の反力によりロック部231aが係合部235aと係合してロック状態(2点鎖線の状態)となる。
ロック状態を解除する場合は、図5に示すように、ユーザの手指でロック部材231を操作することでロック解除することができる。
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、画像読取装置220に手動式ロック装置230を設けたことで、不用意に原稿押え部221の開放操作を行うことを防止して、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に残された原稿が落下して飛散したり汚れたりすることを防止することができる。そして、原稿押え部221の開放操作を行う際には、簡単な操作で原稿押え部221のロック/解除操作を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。
図6は本発明の第3実施形態の画像形成装置に備わる画像読取装置ロック機構の構成を示す説明図、図7は前記画像読取装置の電気的構成を示すブロック図である。
第3実施形態に係る画像形成装置300は、図6に示すように、原稿を読み取る画像読取装置320を搭載した画像形成装置300において、画像読取装置320を、画像形成装置300の装置本体310の上部に配置して、装置本体310に対して回動することで上方へ開放可能に構成したものである。そして、画像読取装置320の開閉動作を規制する画像読取装置ロック機構330を備えたことを特徴としている。
なお、第3実施形態の画像形成装置300の構成は、第1実施形態の画像形成装置100の構成と同様な構成を有するため、第1実施形態の説明を参照するものとして説明を省略する。また、同一の構成および機能を有する構成要素は、同一の符号を付することで説明を省略する。
画像形成装置300は、装置本体310の上部に画像読取装置320が配置され、装置本体310の上方で画像読取装置320に対向して排紙トレイ91が構成されている。そして、画像読取装置320が装置本体310に対して回動することで排紙トレイ91の上方が開放可能に構成されている。
次に、第3実施形態の画像形成装置300の特徴的な画像読取装置320と画像読取装置ロック機構330の構成について図面を参照して説明する。
第3実施形態の画像読取装置320は、図6に示すように、第1実施形態の画像読取装置120と同様に、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123には、原稿が載置されているか否かを検出する原稿在籍センサ153(図7を参照)が設けられている。
そして、画像読取装置320の下方には、図6に示すように、画像読取装置320の開閉動作を規制する画像読取装置ロック機構330が設けられている。
画像読取装置ロック機構330は、画像形成装置300の装置本体310側には、画像読取装置320をロックするロック部材331、ロック部材331を開放側に付勢する引っ張りばね332、ロック部材331をロック状態に作動させるための引っ張りばね333とソレノイド334が設けられ、原稿読取部90側には、ロック部材331が係合されるロック部材係合部335が設けられている。
ロック部材331は、部材の略中央部で装置本体310側に回転可能に軸支され、一端部にはロック部材係合部335に係合する略L字状のロック部331aが形成され、他端部331bは引っ張りばね332とソレノイド334側の引っ張りばね333が取付けられている。
ロック部材係合部335は、原稿読取部90の下側内部に構成され、ロック部材331が動作時に回動してロック部331aと係合部335aとが係合するように構成されている。
次に、第3実施形態の画像読取装置320の特徴的な電気的構成についてブロック図を参照して説明する。
画像読取装置320は、図7に示すように、電気的構成として、画像読取装置320の動作を制御する制御部350、原稿読取部90、駆動モータ351、原稿搬送部352、原稿在籍センサ153、ソレノイド(駆動手段)334などを備えている。
制御部350は、画像読取装置320の各部動作を制御する。
また、制御部350は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づき、ソレノイド334の動作を制御して画像読取装置ロック機構330の開放動作を制御する画像読取装置ロック制御機能3501を備えている。
具体的には、制御部350は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づき、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に原稿が存在している場合は、ロック部材331がロック状態となるようにソレノイド334を動作して、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に原稿が存在していない場合は、ロック部材331が解除状態となるようにソレノイド334を動作するように制御する。
以上のように構成したので、第3実施形態によれば、画像読取装置320を搭載した画像形成装置300において、画像読取装置320の開閉動作を規制する画像読取装置ロック機構330を備えるとともに、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されているか否かを検出する原稿在籍センサ153を備え、制御部350の機能として画像読取装置ロック制御機能3501を備えることで、制御部350により原稿在籍センサ153の検出結果に基づき、ソレノイド334によるロック/解除動作を制御するようにしたので、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されている時には、画像読取装置ロック機構330をロック状態にすることで、画像読取装置320の開放動作ができないようにして、画像読取装置320に積載された原稿の落下飛散を防止することができる。
なお、第3実施形態に係る画像形成装置300の構成に加えて、第1実施形態に係る画像読取装置120における原稿押え部ロック機構130を組合せたものであってもよい。
このように構成することで、原稿押え部121を開放操作する場合においても、画像読取装置を開放操作する場合においても、不用意に開放操作を行うことで、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に残された原稿が落下して飛散したり汚れたりすることを防止することができる。
また、第3実施形態に係る画像形成装置300の画像読取装置ロック機構330と、第1実施形態に係る画像読取装置120の原稿押え部ロック機構130とを組合せて採用する場合、画像読取装置ロック機構330と原稿押え部ロック機構130とを連動させて制御するようにしてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。
図8は本発明の第4実施形態の画像読取装置の特徴的な画像読取装置ロック機構の構成を示す説明図である。
第4実施形態に係る画像形成装置400は、図8に示すように、第3実施形態の画像読取装置320の画像読取装置ロック機構330の構成に換えて、手動式ロック装置430を備えたことを特徴としたものである。
手動式ロック装置430は、図8に示すように、画像読取装置420の開閉動作を規制するものであり、その構成として、画像形成装置の装置本体410側には、画像読取装置420をロックするロック部材431が設けられ、画像読取装置420側には、ロック部材431が係合されるロック部材係合部435が設けられている。
なお、手動式ロック装置430の具体的な構成は、第2実施形態の画像読取装置220における手動式ロック装置230と同様な構成を有するため、第2実施形態の説明を参照するものとして説明を省略する。
以上のように構成したので、第4実施形態によれば、画像読取装置420を搭載した画像形成装置400において、画像読取装置420に手動式ロック装置430を設けたことで、不用意に画像読取装置420の開放操作を行うことを防止して、読み取り原稿積載部122または読み取り済原稿積載部123に残された原稿が落下して飛散したり汚れたりすることを防止することができる。そして、画像読取装置420の開放操作を行う際には、簡単な操作で画像読取装置420のロック/解除操作を行うことができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図面を参照して説明する。
図9は本発明の第5実施形態の画像形成装置に備わる画像読取装置の構成を示す説明図、図10は前記画像読取装置の開閉機構の構成を示す説明図、図11は前記画像読取装置を構成する操作パネルの構成を示す説明図、図12は前記画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
第5実施形態に係る画像形成装置500は、図9に示すように、原稿を読み取る画像読取装置520を搭載した画像形成装置であって、表示画面(表示手段)562を有する操作部560を備えた画像読取装置520を装置本体510の上部に配置して、装置本体510に対して回動することで上方へ開放可能に構成したものである。そして、原稿押え部121の開閉動作を規制する原稿押え部ロック機構130を備えるとともに、図10に示すように、画像読取装置520を開放する画像読取装置開閉機構(駆動手段)540を備えることを特徴としている。
なお、第5実施形態の画像形成装置500の構成は、第1実施形態の画像形成装置100の構成と同様な構成を有するため、第1実施形態の説明を参照するものとして説明を省略する。また、第5実施形態の画像読取装置520は、操作部560以外の構成は第1実施形態の画像読取装置320の構成と同様な構成を有するため、第3実施形態の説明を参照するものとして説明を省略する。また、同一の構成および機能を有する構成要素は、同一の符号を付することで説明を省略する。
画像読取装置520は、図10に示すように、回転軸521により一端側を支点として画像形成装置500の上部に回動自在に軸支されて、画像形成装置500上部に設けられた排紙トレイ91(図1参照)の上部を開閉可能に構成されている。
操作部560は、図10、図11に示すように、画像形成装置500の操作側に突出形成されている。そして、操作部560には、図11に示すように、操作パネル561、操作スイッチ562、スタートスイッチ563等が配置されている。
また、操作パネル561は、表示部571と入力部572を具備する表示画面570を備えている。
表示部571は、画像(情報)を表示するためのもので、例えば、バックライト付きの液晶表示装置(図示省略)等を備えて構成され、入力部572の下側に重ねて構成される。
入力部572は、ユーザからの入力を検出するもので、例えば、透明な電極を設けた透明なシートを対向させて設け、その接触により電圧を測定し、入力位置を検出するアナログ抵抗膜方式のタッチパネルを備えて構成され、表示部571の上に重ねて設けられる。
また、操作パネル561には、画像読取装置520を開放する指示を受付ける開閉スイッチキー(受付手段)580が配置されている。
次に、第5実施形態の画像形成装置500の特徴的な画像読取装置開閉機構540の構成について図面を参照して説明する。
画像読取装置開閉機構540は、図10に示すように、画像読取装置520を開閉するための支持部材を構成する第1支持部材541,第2支持部材542と、支持部材を変移させる駆動モータ(開閉モータ)543と、開閉モータ543と支持部材とを連結する連結部材(例えば、ワイヤー)544とを備えて構成されている。
第1支持部材541と第2支持部材542とは、それぞれの一端部が連結軸545によって回動可能に連結されている。
第1支持部材541の他端部は、回転軸546によって装置本体510側に回動可能に軸支されている。第2支持部材542の他端部は、回転軸547によって画像読取装置520側(原稿読取部90側)に回動可能に軸支されている。
また、第1支持部材541と第2支持部材542は、図示しない付勢部材によって「く」の字状(破線部)に配置されて、画像読取装置520が装置本体510側に閉塞するように付勢されている。本実施形態では、第1支持部材541と第2支持部材542とを「I」の字状(2点鎖線部)に変位した位置が、画像読取装置520を開放した状態の位置としている。
連結部材544は、連結軸545と駆動モータ543とを連結している。
駆動モータ543は、例えば、直流モータを用いることで、印加する電圧の正負を入れ替えることにより、正回転、逆回転を行うことができる。
次に、画像読取装置開閉機構540による画像読取装置520の開閉動作について説明する。
画像読取装置520を開放する場合は、図12に示すように、制御部550が画像読取装置520の開放指示を受付けると、駆動モータ543を正回転させて、連結部材544を引き込む方向(図10の右方向)に駆動する。これにより、第1支持部材541と第2支持部材542は「く」の字状から「I」の字状に略一直線状に変位することで、図10の2点鎖線に示すように、画像読取装置520を押上げて開放する。
画像読取装置520を閉じる場合は、駆動モータ543を逆回転させて、連結部材544を弛める方向(図10の左方向)に駆動する。これにより、第1支持部材541と第2支持部材542は図示しない付勢部材によって「く」の字状になるように付勢されるので、「I」の字状から「く」の字状に変位することで、画像読取装置520は閉じた状態となる。
このようにして、画像読取装置520の開閉動作は、ユーザの手動操作によることなく、駆動モータ543により自動的に行うことができる。
次に、第5実施形態の画像形成装置500の特徴的な電気的構成についてブロック図を参照して説明する。
画像形成装置500は、図12に示すように、電気的構成として、画像形成装置500の動作を制御する制御部550、画像読取装置520、画像読取装置520における原稿在籍センサ153、画像読取装置開閉機構540の駆動モータ543、操作部560、画像形成部501、記憶部502などを備えて構成されている。
操作部560は、画面表示や画面上でタッチ操作が可能な表示画面570、画像読取装置520の開閉動作を選択指示する開閉スイッチキー580などを備えている。
制御部550は、画像形成装置500および画像読取装置520の各部動作を制御する。また、画像読取装置520により読取られた画像データを記憶部502に記憶して、その画像データに基づき画像を生成するように画像形成部501を制御する。
また、制御部550は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づき、ソレノイド134の動作を制御して原稿押え部ロック機構130の開放動作を制御する原稿押え部ロック制御機能5501と、原稿在籍センサ153および開閉スイッチキー580からの出力信号に基づいて、駆動モータ543による画像読取装置520の開閉動作を制御する駆動モータ制御機能5502とを備えている。
具体的には、原稿押え部ロック制御機能5501は、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づいて、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123の何れにも原稿が存在しないと判断された場合は、ソレノイド134を原稿押え部ロック機構130を解除する方向に駆動して原稿押え部121を開放可能な状態にする。
一方、原稿在籍センサ153からの出力信号により、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123の何れかに原稿が存在していると判断された場合は、ソレノイド134を原稿押え部ロック機構130をロック状態にする方向に駆動して原稿押え部121を開放不可能な状態にする。
また、駆動モータ制御機能5502は、原稿在籍センサ153からの出力信号および開閉スイッチキー580からの出力信号に基づいて、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123の何れにも原稿が存在しないと判断され、開閉スイッチキー580により画像読取装置520を開放する指示が選択されたときには、駆動モータ543を駆動して画像読取装置520を開放する。
すなわち、駆動モータ制御機能5502は、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123のうちの何れか一方に原稿が存在すると判断された場合は、開閉スイッチキー580により画像読取装置520を開放することが指示された場合であっても、駆動モータ543を駆動しないため、画像読取装置520は開放しない。
一方、画像読取装置520を閉じる場合は、開閉スイッチキー580により画像読取装置520を閉じる指示が選択されたときに、画像読取装置520を閉じる方向(連結部材544を弛める方向)に駆動モータ543を駆動させる。これにより、画像読取装置520は、図示しない付勢部材によって閉じた状態となる。
画像読取装置520の開放速度は、一定速度で開放するように制御してもよい。
また、開放動作の初期はゆっくりと開放して、所定量が開放した後に、速度を速めて開放するように制御してもよい。このように構成することで、ユーザが操作部560を覗き込んでいた場合に、画像読取装置520が開放することで顔等に接触することが抑制できる。
次に、第5実施形態の画像形成装置500において、画像読取装置520を開放操作する手順についてフローチャートに沿って説明する。
図13は第5実施形態の画像形成装置において画像読取装置を開放する操作手順を示すフローチャート、図14は図13のフローチャートに続く一部の処理を示す説明図、図15は図13のフローチャートに続く一部の処理を示す説明図である。
第5実施形態の画像形成装置500において、例えば、出力処理時に排紙トレイ91付近で紙詰まりが発生した場合に、画像読取装置520を開放する操作ついて説明する。
図13に示すように、まず、画像読取装置520において、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されているか否かが判断される(ステップS1)。
ステップS1において、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されていると判断された場合は、丸1に進み、図14に示すように、画像読取装置520に載置されている原稿を取り出して(ステップS11)、原稿在籍センサ153による検知がない状態にして(ステップS12)、ステップS2に進む。
一方、ステップS1において、読み取り原稿積載部122および/または読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されていないと判断された場合は、そのままステップS2に進む。
ステップS2では、ユーザにより開閉スイッチキー580が押されているか否かが判断される。
ステップS2において、開閉スイッチキー580が押されていないと判断された場合は、丸3に進み、画像読取装置520を開放すること無く処理は終了する。
一方、ステップS2において、開閉スイッチキー580が押されていると判断された場合は、開閉スイッチキー580が点灯して(ステップS3)、駆動モータ制御機能5502により駆動モータ543が駆動して画像読取装置520を開放する(ステップS4)。
開閉スイッチキー580は、点灯することで画像読取装置520が開放することを通知する通知手段として機能するように構成されている。
そして、ユーザは、排紙トレイ91の上方が開放されて作業し易くなった状態で、排紙トレイ91や排紙口付近の紙詰まりを排除する(ステップS5)。
そして、ステップS6において、ユーザにより再び開閉スイッチキー580が押されたか否かが判断される。
ステップS6において、開閉スイッチキー580が押されていないと判断された場合は、駆動モータ543は駆動しないため、図15に示すように、ユーザが画像読取装置520を手動で閉じて(ステップS13)、画像読取装置520の開閉処理は終了する。
一方、ステップS6において、開閉スイッチキー580が押されていると判断された場合は、駆動モータ制御機能5502により駆動モータ543が逆回転に駆動して、画像読取装置520を閉じて(ステップS7)、画像読取装置520の開閉処理は終了する。
以上のように構成したので、第5実施形態によれば、表示画面570を具備する操作部560を有する画像読取装置520を備えた画像形成装置500において、装置本体510の上部に画像読取装置520を配置して、装置本体510に対して回動することで上方へ開放可能に構成し、原稿押え部121の開閉動作を規制する原稿押え部ロック機構130を備えるとともに、画像読取装置520を開放する画像読取装置開閉機構540を備え、操作部560に画像読取装置520を開放する指示を受付ける開閉スイッチキー580を配置し、制御部550の機能として、原稿押え部ロック制御機能5501と、駆動モータ543の動作を制御する駆動モータ制御機能5502と、を備えることで、画像読取装置520上に原稿が無く、画像読取装置520が開放可能な状態のときに、画像読取装置520を自動で開閉できるので、作業性の向上を図ることができる。特に、大容量の原稿を読み取ることが可能な大重量の画像読取装置でも容易に開放できるので、延いては、排紙された記録紙を容易に取り出すことができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図面を参照して説明する。
図16は本発明の第6実施形態の画像形成装置に備わる画像読取装置の開閉機構の構成を示す説明図である。
第6実施形態に係る画像形成装置600は、図16に示すように、画像形成装置500における画像読取装置開閉機構540に換えて、画像読取装置620の開閉機構としてユーザの画像読取装置620を開放する動作を補助する補助手段を備えたことを特徴とするものである。
補助手段としては、例えば、ガススプリングやガスダンパー等を用いることができる。
第6実施形態では、図16に示すように、補助手段としてガススプリング640を用いている。
ガススプリング640は、圧縮ガスやオイルが封入されたチューブ640aと、チューブ640aから伸縮可能なロッド640bとを備えている。ロッド640bは、圧縮ガスの圧力により常に伸びる方向に付勢されている。
チューブ640aは、一端部が装置本体610側の支軸640cに回動可能に軸支され、ロッド640bは、一端部が画像読取装置520側の支軸640dに回動可能に軸支されている。
ロッド640bの一端部を軸支する支軸640dは、回転軸621より画像読取装置520の開口側(図16中左側)に配置されているため、画像読取装置520は、ガススプリング640により開口する方向に付勢されている。
そして、ガススプリング640は、排紙トレイ91上に排紙される記録紙が占有する領域外、すなわち排紙トレイ91や排紙口91aを回避した位置に設けられている。
このように構成したので、第6実施形態によれば、画像形成装置500に画像読取装置520を開放する動作を補助するガススプリング640を設けたことで、ユーザが手動でも容易に上下方向に開閉することができる。
なお、補助手段の構成として、ガススプリング640を設けることは一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図面を参照して説明する。
図17は本発明の第7実施形態の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図、図18は本発明の第7実施形態の画像形成装置に備わる画像読取装置を構成する操作パネルの表示画面に表示される画像読取装置を開放するときのメッセージの一例を示す説明図、図19は前記表示画面に表示される画像読取装置を閉じるときのメッセージの一例を示す説明図、図20は前記表示画面に表示される画像読取装置に関する情報の一例を示す説明図、図21は前記表示画面に表示される画像読取装置の開閉を許可するメッセージの一例を示す説明図である。
第7実施形態に係る画像形成装置700は、図17に示すように、第5実施形態の画像形成装置500の構成に加えて、制御部550の機能として、原稿在籍センサ153および開閉スイッチキー580からの出力信号に基づいて、画像読取装置520の開閉動作に関する通知を表示画面に表示させる機能(以下、「開閉動作通知機能」と称する。)5503を備えたことを特徴とするものである。
画像読取装置520の操作パネル561の表示画面570は、図18に示すように、画像読取装置520の開閉動作に関するメッセージを通知する通知手段として機能するように構成されている。
また、表示画面570は、メッセージが表示されるとともに、画像読取装置520の開閉動作に関する実行スイッチが表示されるように構成されている。
次に、画像形成装置500において、画像読取装置520を開放する処理が実行されるときに、操作パネル561の表示画面570に表示される画像読取装置520の開閉動作に関する通知について説明する。
(画像読取装置を開放する場合)
画像読取装置520を開放する場合は、開閉スイッチキー580を操作して画像読取装置520を開放する指示を行う。
開閉スイッチキー580により画像読取装置520を開放する処理が選択されると、原稿在籍センサ153からの出力信号に基づいて、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123の何れにも原稿が存在しないと判断された場合は、開閉動作通知機能5503により、図18に示すように、表示画面570に「画像読取装置を開放できます。開放のアイコンをタッチして下さい。」というメッセージ571aと、「開放」アイコン571bが表示される。
一方、原稿在籍センサ153により、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123の何れかに原稿が存在している判断された場合は、開閉動作通知機能5503により、図19に示すように、表示画面570に「画像読取装置に原稿が載置されています。画像読取装置の開放はできません。原稿を取り除いてから画像読取装置を開放して下さい。」というメッセージ572aが表示される。
(画像読取装置を閉じる場合)
画像読取装置520を閉じる場合は、開閉スイッチキー580を操作して画像読取装置520を閉じる指示を行う。
開閉スイッチキー580により画像読取装置520を閉じる処理が選択されると、開閉動作通知機能5503により、図20に示すように、表示画面570に「画像読取装置を開放できます。開放のアイコンをタッチして下さい。」というメッセージ573aと、「閉じる」アイコン573bが表示される。
(画像読取装置を開閉可能にする場合)
ユーザの責任の下で、画像読取装置520に原稿が載置されているか否かに関わらず、画像読取装置520の開閉を可能にする場合は、図21に示すように、開閉スイッチキー580を操作した後に、上下キー590を操作して表示画面570にメッセージを表示させる。
開閉スイッチキー580が操作された後に、上下キー590が操作されると、開閉動作通知機能5503により、図21に示すように、「画像読取装置の原稿有無に関わらず画像読取装置を開閉可能にします。」というメッセージ574aと、「原稿検知解除」アイコン574bが表示される。
「原稿検知解除」アイコン574bをタッチ操作することで、常時、開閉スイッチキー580を押下することで画像読取装置520の開閉操作を行うことができる。
これにより、画像読取装置520の使用頻度が少ないユーザの場合は、容易に排紙トレイ91の記録紙や、排紙口のジャム紙を常時容易に取り去ることができる。
原稿検知解除の設定を解除する場合は、再び、「原稿検知解除」アイコン574bをタッチ操作することで解除される。
なお、原稿検知解除が設定されている時は、「原稿検知解除」アイコン574bを赤色に点灯したり、設定されていない時は無地(点灯しない)となるようにしたりしてもよい。
また、「原稿検知解除」アイコン574bを開閉スイッチキー580と同様に、テンキー等を用いた固定キーとして設けてもよい。テンキーを用いた場合でも、原稿検知解除が選択されると、テンキーが赤色に点灯したり、点滅したりするようにしてもよい。
次に、第7実施形態の画像形成装置700において、画像読取装置520を開放操作する手順についてフローチャートに沿って説明する。
図22は第7実施形態の画像形成装置において画像読取装置を開放する操作手順を示すフローチャート、図23は図22のフローチャートに続く一部の処理を示す説明図、図24は図22のフローチャートに続く一部の処理を示す説明図である。
第7実施形態の画像形成装置700において、例えば、出力処理時に排紙トレイ91付近で紙詰まりが発生した場合に、画像読取装置520を開放する操作ついて説明する。
図22に示すように、まず、画像読取装置520において、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されているか否かが判断される(ステップS101)。
ステップS101において、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されていると判断された場合は、丸1に進み、図23に示すように、表示画面570に「画像読取装置に原稿が載置されています。画像読取装置を開放できません。原稿を取り除いてから画像読取装置を開放して下さい。」というメッセージが表示される(ステップS111)。そして、画像読取装置520に載置されている原稿を取り出して(ステップS112)、原稿在籍センサ153による検知がない状態にして(ステップS113)、ステップS102に進む。
一方、ステップS101において、読み取り原稿積載部122および読み取り済原稿積載部123に原稿が載置されていないと判断された場合は、そのままステップS102に進む。
ステップS102では、ユーザにより開閉スイッチキー580が押されているか否かが判断される。
ステップS102において、開閉スイッチキー580が押されていないと判断された場合は、丸3に進み、画像読取装置520を開放すること無く処理は終了する。
一方、ステップS102において、開閉スイッチキー580が押されていると判断された場合は、図18に示すように、「画像読取装置を開放できます。「開放」のアイコンをタッチして下さい。」という画像読取装置を開放するメッセージと、「開放」アイコン571bが表示される(ステップS103)。そして、「開放」アイコン571bが押されたか否かが判断される(ステップS104)。
ステップS104において、「開放」アイコン571bが押されていないと判断された場合は、丸3に進み、画像読取装置520を開放すること無く処理は終了する。
一方、ステップS104において、「開放」アイコン571bが押されたと判断された場合は、駆動モータ制御機能5502により駆動モータ543が駆動して画像読取装置520を開放する(ステップS105)。
そして、ユーザは、排紙トレイ91の上方が開放されて作業し易くなった状態で、排紙トレイ91や排紙口付近の紙詰まりを排除する(ステップS106)。
そして、ステップS107において、ユーザにより再び開閉スイッチキー580が押されたか否かが判断される。
ステップS107において、開閉スイッチキー580が押されていないと判断された場合は、駆動モータ543は駆動しないため、図24に示すように、ユーザが画像読取装置520を手動で閉じて(ステップS114)、画像読取装置520の開閉処理は終了する。
一方、ステップS107において、開閉スイッチキー580が押されていると判断された場合は、駆動モータ制御機能5502により駆動モータ543が逆回転に駆動して、画像読取装置520を閉じて(ステップS108)、画像読取装置520の開閉処理は終了する。
以上のように構成したので、第7実施形態によれば、第5実施形態の画像形成装置500の構成に加えて、制御部550の機能として、開閉動作通知機能5503を備えることで、表示画面570に画像読取装置520を開閉操作に関するメッセージを表示するようにしたので、ユーザは表示画面570を見るだけで、画像読取装置520の状況(原稿が載置されているか否か)を確認することができる。そして、画像読取装置520の開閉操作を行う「開放」アイコン571bや「閉じる」アイコン573bを表示するようにしたので、画像読取装置520の状況(原稿が載置されているか否か)を確認したうえで、画像読取装置520を自動で開閉できるので、誤操作することなく作業性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、制御部550は、原稿在籍センサ153の検出結果に基づいて、原稿押え部121や画像読取装置520の開放動作を制御しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、制御部550による原稿押え部ロック機構130や画像読取装置ロック機構330の制御、画像読取装置開閉機構540の制御を、原稿在籍センサ153の検出結果に依ることなく、開閉スイッチキー580やアイコン等により開閉操作ができるように設定してもよい。
このように構成することで、画像読取装置520の回動設定をユーザが自由に選択でき、特に、印刷ボリュームの少ないユーザが操作し易いように選択余地を広げることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。