JP2015046506A - 鉄基軟磁性材料とその製造方法及び鉄基軟磁性コア - Google Patents

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塚原 誠
Makoto Tsukahara
誠 塚原
及川 勝成
Masanari Oikawa
勝成 及川
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Abstract

【課題】良好な磁性を保持しながら、低コスト化が図れ、且つ、高い電気抵抗を有し渦電流損失が発生し難い鉄基軟磁性材料を提供する。【解決手段】鉄を主成分とする母相Mと、モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含み、母相Mの結晶粒どうしの境界に沿って結晶粒を仕切る粒界相Gと、を備えた鉄基軟磁性材料である。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばモーターや変圧器などの磁心材料として用いられる鉄基軟磁性材料とその製造方法及び鉄基軟磁性コアに関する。
鉄基軟磁性材料は、一般的に透磁率の高い材料を意味し、モーターや変圧器などの磁心材料として広く使用されている。磁心材料に交流磁界を印加して磁化する場合、磁束の変化を妨げる向きに電流が流れて電気エネルギーが損失する、所謂「渦電流損失」が生じる。このため、この渦電流損失が発生し難い鉄基軟磁性材料、即ち高い電気抵抗を有する鉄基軟磁性材料の開発が望まれている。また、近年の電気自動車の普及や電子機器の利用拡大に伴い、より複雑な形状に加工し易く、且つ低コストで製造可能な鉄基軟磁性材料のニーズが高まっている。
従来の軟磁性材料としては、例えば、特許文献1及び2に示すものが知られている。ここでは、鉄系磁性材を加熱して溶解し、適量の硫黄(S)等を添加して鋳型で鋳造することによって、硫化鉄(FeS)等が、鉄(Fe)を主成分とする母相の結晶粒どうしの境界に沿って三次元網目構造状に析出する。その結果、母相の結晶粒が、硫化鉄(FeS)等からなる粒界相によって細かく仕切られることで電気抵抗が高められ、渦電流損失の発生が抑えられる。
特開2004−327762号公報 特開2005−347430号公報
鋳造法は生産性に優れた加工方法であり、また鉄系磁性材は磁気特性が良く安価な素材である。このため、従来の鉄基軟磁性材料では、良好な磁気特性を保持しながら、形状自由度の向上と低コスト化が実現されている。しかしながら、従来の鉄基軟磁性材料には、その電気抵抗をより増加させて、渦電流損失の発生をより確実に抑えるという点において改善する余地が残されていた。
本発明の目的は、良好な磁気特性を保持しながら、低コスト化が図れ、且つ、渦電流損失が発生し難い鉄基軟磁性材料を提供すること、さらには形状自由度の高い鉄基軟磁性材料を提供することにある。
本発明に係る鉄基軟磁性材料の特徴構成は、鉄を主成分とする母相と、モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含み、前記母相の結晶粒どうしの境界に沿って当該結晶粒を仕切る粒界相と、を備えた点にある。
本構成のように母相の主成分が鉄であると、高い飽和磁束密度や低い損失(コア損失)という良好な磁気特性が保持され、さらに、鉄は安価な素材であり低コスト化が図れる。
また、粒界相がモリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含むので、粒界相には鉄(Fe)及び、モリブデン(Mо)又はタングステン(W)の硫化物が生成される。すなわち、モリブデン又はタングステンが存在するため、硫化鉄(FeS)のみであることはない。硫化物としては、硫化鉄(FeS)、及び鉄(Fe)・モリブデン(Mо)・タングステン(W)の少なくとも2つの金属元素による複合硫化物である。
二硫化モリブデン(MоS2)の比抵抗は、1.5×105〜7.0×105[Ω・cm]であり、二硫化タングステン(WS2)の比抵抗は、7.7×103[Ω・cm]であり、硫化鉄(FeS)の比抵抗は、5.8×10-2〜1.5×10-1[Ω・cm]である。すなわち、二硫化モリブデン(MоS2)及び二硫化タングステン(WS2)のそれぞれの比抵抗は、硫化鉄(FeS)の比抵抗よりも高いので、本構成における粒界相の固有抵抗は、硫化鉄(FeS)からなる粒界相の固有抵抗よりも高くなると推察される。その結果、本発明の鉄基軟磁性材料は、硫化鉄(FeS)からなる粒界相を備える従来の鉄基軟磁性材料よりも高い電気抵抗を有することとなる。さらに、本構成のごとく、粒界相が、母相の結晶粒どうしの境界(結晶粒界)に沿ってその結晶粒を仕切ることによって、電気抵抗のさらなる上昇化が図られ、磁化したときの渦電流損失が発生し難い。
他の特徴構成は、前記モリブデンの含有量が、5重量%以上10重量%以下である点にある。
モリブデンの含有量が多いと、母相の結晶粒における鉄中のモリブデン固溶量が増加するので、飽和磁束密度の低下や損失の増加を招き、好ましくない。一方、モリブデンの含有量が少なすぎると、母相の結晶粒を十分に仕切る粒界相のモリブデン濃度が低下し、電気抵抗の上昇化が図られない。
本構成のようにモリブデンの含有量を5重量%以上10重量%以下とすることで、仕切り構造における粒界相の途切れを抑制すると共に、飽和磁束密度の低下や損失の増加を防止することができる。
他の特徴構成は、前記タングステンの含有量が、5重量%以上10重量%以下である点にある。
粒界相には、硫化鉄(FeS)やσ相(FeW)が確認された。このσ相(FeW)は、靱性を低下させることも知られている。このため、FeW相が過大とならないようタングステンの含有量は少ない方が良い。また、タングステンの含有量が多いと、母相の結晶粒における鉄中のタングステン固溶量が増加するので、飽和磁束密度の低下や損失の増加を招き、好ましくない。一方、タングステンの含有量が少なすぎると、母相の結晶粒を十分に仕切る粒界相のタングステン濃度が低下し、電気抵抗の上昇化が図られない。
本構成のようにタングステンの含有量を5重量%以上10重量%以下とすることで、仕切り構造における粒界相の途切れを抑制すると共に、靱性の低下や損失の増加を防止することができる。
他の特徴構成は、前記硫黄の含有量が、0.6重量%以上6重量%以下である点にある。
硫黄が多いと粒界相の硫化物は多く形成され、所望の仕切り構造が形成され易い。一方、粒界相に対する母相の比率が小さくなると鉄の含有量が少なくなり、飽和磁束密度の低下や損失の増加を招く。本構成のように硫黄の含有量を0.6重量%以上6重量%以下とすることで、飽和磁束密度の低下や損失の増加を招かず、且つ、所望の仕切り構造を形成することができる。よって、良好な磁気特性を保持しつつ、磁化したときの渦電流損失が発生し難い。
本発明にかかる鉄基軟磁性材料の製造方法の特徴構成は、前記モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを溶解した後、鋳造する点にある。
例えば、鉄基軟磁性材料が積層鋼板の場合、磁場が鋼板の面に平行にかかるように用いる必要があるという制限があり、鋼板の面方向の断面形状が変化する複雑形状を得ることが困難であった。本構成によれば、生産性の良い鋳造法によって、鉄を主成分とする結晶粒が粒界相により三次元的に絶縁される構造に製造されるため、磁場の方向に対する自由度が向上する。
他の特徴構成は、前記鋳造後の鋳塊を、前記粒界相が液相であり、前記母相が固相である所定温度で保持して急冷する点にある。
本構成によれば、母相は固相のままであるが、粒界相が液相となるため、粒界相の濡れ性が増加し、母相の結晶粒界への侵入が促される。その結果、途切れた粒界相同士がつながり易くなり、連続的で途切れが無いか、あるいは途切れが少ない仕切り構造が形成されるため、より一層の電気抵抗の上昇化を図れる。
また、本構成のように粒界相が液相であり母相が固相である所定温度で保持して急冷することによって、粒界相に形成されたFeMо46相、FeW相を消滅させるとともに、硫化鉄(FeS)相にモリブデン(Mо)又はタングステン(W)を固溶させることができる。このため、仕切り構造が確実に形成され、良好な磁気特性を保持することができる。
他の特徴構成は、前記鋳造する際、前記粒界相が液相であり、前記母相が固相である所定温度で保持して急冷する点にある。
他の特徴構成は、前記所定温度は、1000℃以上1300℃以下である点にある。
所定温度が1000℃より小さいと粒界相の硫化物が溶解せず、所定温度が1300℃より大きいと母相が溶解し始める。すなわち、本構成のような所定温度で鋳塊を保持することで、粒界相が溶解して液相となり、母相は固相のままとなるので、粒界相の硫化物を母相の結晶粒界へ確実に侵入させることができる。よって、所望の仕切り構造が形成され、確実に電気抵抗の上昇化を図ることができる。
他の特徴構成は、上記特徴構成の方法で製造された鉄基軟磁性材料で構成される鉄基軟磁性コアである点にある。
本構成の鉄基軟磁性コアは、良好な磁気特性を保持しながら、低コスト化が図れ、且つ、渦電流損失が発生し難く、形状自由度も高い。
試料1(比較例)の鋳塊材のSEM写真(低倍率)である。 試料2の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料3の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料4の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料2の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料3の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料4の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料3の鋳塊材の光学顕微鏡写真(拡大)である。 試料4の鋳塊材の光学顕微鏡写真(拡大)である。 試料5の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料6の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料7の鋳塊材の光学顕微鏡写真(低倍率)である。 試料5の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料6の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料7の鋳塊材の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料5の鋳塊材のSEM写真(拡大)である。 試料6の鋳塊材のSEM写真(拡大)である。 試料7の鋳塊材のSEM写真(拡大)である。 試料2の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料2の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料3の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料3の熱処理材(1100℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料3の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料4の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料4の熱処理材(1100℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料4の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料5の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料5の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料6の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料6の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料7の熱処理材(1000℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料7の熱処理材(1300℃)の光学顕微鏡写真(高倍率)である。 試料5の熱処理材(1300℃)のSEM写真(拡大)である。 試料7の熱処理材(1300℃)のSEM写真(拡大)である。 試料1、4、7における電気抵抗値を示す図である。 鉄基軟磁性コアの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の鉄基軟磁性材料は、鉄(Fe)を主成分とする母相、並びにモリブデン(Mо)及びタングステン(W)のうちの少なくともいずれか一方と鉄(Fe)と硫黄(S)とを含む粒界相を備え、粒界相によって、母相の結晶粒どうしの境界(結晶粒界)に沿って結晶粒が仕切られていることを特徴とする。ここで、母相の結晶粒とは、原子が一定の方向に並んでいる粒のことであり、各結晶粒どうしは原子の方向に規則性を持たない。
鉄を主成分とする母相としては、例えば、純鉄、Fe−Si系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Ni−Mo系合金、又はFe−Si−Al系合金等の鉄系磁性材の結晶粒を主成分とするものを使用することができる。またこれらの鉄系磁性材の結晶粒を任意に組み合わせて主成分として構成したものを使用しても良い。
粒界相は、モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含むため、粒界相には鉄(Fe)及び、モリブデン(Mо)又はタングステン(W)が硫化物を生成するが、モリブデン又はタングステンが存在するため、硫化鉄(FeS)のみであることはない。硫化物としては、硫化鉄(FeS)、及び鉄(Fe)・モリブデン(Mо)・タングステン(W)の少なくとも2つの金属元素による複合硫化物である。また、複合硫化物が2種類以上粒界相に生成されることもある。これらの硫化物は、母相の結晶粒界に沿って三次元網目構造状を形成し、その結果、母相の結晶粒が、これらの硫化物からなる粒界相によって細かく仕切られる。
尚、本発明において、粒界相が母相の結晶粒を仕切るとは、粒界相が母相の結晶粒を連続的に途切れること無く囲い込むことによって植物細胞組織における細胞壁のような構造を形成することだけでなく、粒界相が母相の結晶粒を断続的に囲い込むような構造をも含むことを意味する。以下、本明細書において、このように母相の結晶粒が粒界相によって仕切られている構造を「仕切り構造」と称する。
本発明の鉄基軟磁性材料は、モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方、硫黄、及び不可避元素のそれぞれを少量含み、残部は上記鉄系磁性材で構成される。
モリブデンの含有量は、5重量%以上10重量%以下であることが望ましい。モリブデンの含有量がこの範囲より少ない場合、「仕切り構造」において途切れ箇所が増加して、電気抵抗の上昇効果が得られ難くなる。また、モリブデンの含有量がこの範囲より多い場合、粒界相が過剰になり飽和磁束密度が低下する、あるいは母相の結晶粒にモリブデン金属が析出し、所望の「仕切り構造」が形成されず電気抵抗が低下するので好ましくない。
タングステンの含有量は、5重量%以上10重量%以下であることが望ましい。タングステン含有量がこの範囲より少ない場合、「仕切り構造」において途切れ箇所が増加して、電気抵抗の上昇効果が得られ難くなる。また、タングステンの含有量がこの範囲より多い場合、粒界相が過剰になり飽和磁束密度が低下する、あるいは母相の結晶粒にタングステン金属が析出し、所望の「仕切り構造」が形成されず電気抵抗が低下するので好ましくない。なお、モリブデン及びタングステンを任意に含有し、モリブデン及びタングステンの含有量を5重量%以上10重量%以下としても良い。これは、モリブデン及びタングステンは第6族元素であるため双方の化学的特性が似通っており、双方を混合しても所望の「仕切り構造」を得ることができるからである。
硫黄の含有量は、0.6重量%以上6重量%以下であることが望ましい。硫黄の含有量をこの範囲に設定することによって、高い飽和磁束密度や低い損失(コア損失)という良好な磁気特性を保持しつつ、電気抵抗の上昇効果が得られる「仕切り構造」をより確実に形成することができる。
(鉄基軟磁性材料の製造方法)
本発明の鉄基軟磁性材料は、以下の(1)秤量工程、(2)溶解工程、(3)鋳造工程、及び(4)熱処理急冷工程を順に実施することによって製造することができる。尚、(4)熱処理急冷工程については必要に応じて実施するようにしても良い。
(1)秤量工程
原料となる、鉄系磁性材、硫黄、モリブデン、及びタングステンを秤量する。秤量は、従来公知の秤量方法及び秤量装置を用いて実施することができる。尚、硫黄の原料は、硫化鉄・二硫化モリブデン・二硫化タングステンの硫化物を用いても良い。
(2)溶解工程
原料の溶解は、従来公知の溶解方法及び溶解装置を用いて実施することができるが、高周波真空誘導溶解炉を用いて溶解する場合を以下に例示する。
秤量した原料を、アルミナ製るつぼに入れ、真空引きを行った後、るつぼの周囲に巻かれたコイルに高周波電流を流すことにより、るつぼ内の原料に渦電流を発生させ、そのジュール熱によって溶解する。更に溶湯内にも渦電流が発生し、ジュール熱が生じることで、溶湯の加熱をすることができる。尚、溶湯内に含まれる酸素や、溶解中に炉内部等から混入する酸素を除去するために、例えば、アルミニウムや希土類元素などの酸化し易い金属元素を添加して溶解するようにしても良い。
(3)鋳造工程
鋳造は、従来公知の鋳造方法及び鋳造装置を用いて実施することができるが、砂型を用いて鋳造する場合を以下に例示する。先ず、けい砂(粘土分の少ない鋳物用の砂)をケイ酸塩などの無機接着剤で結着させて砂型を作製する。砂型の作製方法としては、ロストワックス法などが挙げられる。ロストワックス法では、ワックスを製品形状に成型して、その表面を鋳砂でコーティングする。そして中のワックスを溶出させた後、これを焼き固めて砂型とする。
この砂型に、溶解工程によって溶解した原料(溶湯)を流し込み所望の形状に鋳造する。このとき、硫化鉄(FeS)といった硫化物、あるいはモリブデン(Mо)及びタングステン(W)のうちの少なくとも一方の金属元素と鉄元素(Fe)を含む複合硫化物が、鉄(Fe)の結晶粒を主成分とする母相の結晶粒界に沿って三次元網目構造状に析出する。その結果、母相の結晶粒が、これらの硫化物からなる粒界相によって細かく仕切られ、母相に「仕切り構造」が形成される。
鋳塊の取り出しは、鋳塊の周りの砂型を粉砕・除去することによって行われ、その後必要に応じてバリの除去や加工を行う。
(4)熱処理急冷工程
熱処理急冷工程では、鋳造後の鋳塊を、例えば、従来公知の電気炉内に入れ、所定の熱処理温度で所定時間保持した後、室温付近の油又は水あるいは氷水の中に投入して急冷する。尚、熱処理は、鋳塊の表面の酸化を防ぐために、アルゴン(Ar)や窒素などの不活性気体雰囲気下で行うことが望ましい。
熱処理温度は、粒界相の硫化物の融点よりも高く、且つ母相の融点より低い温度に設定される。例えば、鋳塊の組成がFe−5重量%〜10重量%Mо−1.6重量%Sの場合(モリブデン5重量%〜10重量%、硫黄1.6重量%を含み、残部が鉄であることを意味する、以下同様)は、1000℃〜1300℃が望ましく、Fe−5重量%〜10重量%W−1.6重量%Sの場合は、1000℃〜1300℃が望ましい。また、熱処理温度の保持時間は、鋳塊の組成の違いによって、適宜設定することができるが、およそ0.5時間〜5時間が望ましい。
熱処理の間、母相は固相のままであるが、粒界相の硫化物が融解して液相となるため、粒界相の濡れ性が増加し、母相の結晶粒界への侵入が促される。その結果、途切れた粒界相の硫化物同士がつながり易くなり、連続的で途切れが無いか、あるいは途切れが少ない「仕切り構造」が形成される。尚、粒界相の濡れ性の改善に有効な熱処理の保持温度については、統合型熱力学計算システム(THERMO-CALC)を用いることによってある程度予測することができる。
上述の熱処理急冷工程は、鋳造後の鋳塊に対して実施されるものであるが、これに限定されるものではなく、上記熱処理急冷工程を、鋳造工程の凝固過程において実施しても良い。この場合、例えば、鋳造工程で使用する砂型の上部開口部の熱輻射を測定することで、砂型内の鋳塊の温度を把握しつつ、砂型内の鋳塊を高周波によって加熱することによって、粒界相の硫化物の融点よりも高く、且つ母相の融点より低い所定の熱処理温度に設定し、所定時間保持すれば良い。そして、所定時間経過後、保持温度環境下で砂型を粉砕・除去した後、室温付近の油又は水、あるいは氷水の中に投入して急冷する。
以下、本発明の鉄基軟磁性材料の実施例について説明する。
(1)鉄基軟磁性材料の作製
以下の表1に示す組成を有する試料1〜7について、鉄基軟磁性材料を作製した。尚、試料1は、モリブデン及びタングステンのいずれも含まない従来の鉄基軟磁性材料(比較例)であり、一方、試料2〜7は、モリブデン又はタングステンのいずれかを含む本発明の鉄基軟磁性材料の実施例である。
各試料1〜7の質量はすべて300gとし、溶解には、高周波真空溶解炉(富士電波工業株式会社製)とアルミナ製るつぼを使用した。秤量した鉄を入れたるつぼを炉内に設置して約25Paまで真空引きを行った後、アルゴン(Ar)を導入した。そして、出力を10Aまで上げた後、10分おきに2Aずつ出力を上げ、20Aで鉄(Fe)を溶解させた。完全に鉄を溶解した後、秤量したモリブデン(Mо)及びタングステン(W)をそれぞれ添加し、3分保持後に秤量した硫化鉄(FeS)を添加してさらに3分保持した後、通電をとめてそのまま炉冷したものを鋳塊材(as-cast材)とした。
次いで、試料2〜7の鋳塊材のそれぞれをファインカッターで小片状に切断し、石英管に真空封入した。封入した鋳塊材を、1000℃、1100℃、1300℃の各熱処理温度で1時間保持した後、氷水上で石英管を割って急冷したものを熱処理材とした。
(2)試料1〜7の鋳塊材(as-cast材)について
各試料の鋳塊材を樹脂埋めし、耐水研磨紙#180〜#2400を用いて湿式研磨した後、粒径0.3μmのアルミナ粉でバフ研磨した。次いで、5%ナイタールを用いてエッチングを行った。このエッチング済みの各試料の鋳塊材を走査電子顕微鏡(SEM)または光学顕微鏡で観察し、粒界相Gと母相Mの組成分析を、試料2〜4は電子プローブ微子分析器(EPMA)により、試料1及び試料5〜7はエネルギー分散型X線分析(EDX)により実施した。尚、粒界相G及び母相Mのそれぞれについて、3か所点分析してその平均値を算出した。結果を以下の表2及び表3に示す。

表2及び表3に示すように、試料1の粒界相Gは、硫黄を豊富に含み、母相Mには硫黄がほとんど含まれていないことが確認された。また、試料2〜4の粒界相Gは、モリブデン又はタングステンと硫黄とを含んでおり、母相Mは、鉄が大部分を占めることが確認された。さらに、試料3〜4の粒界相Gには、他の硫化物とは形状や色調が異なる別の相K(以下、別相Kと言う。)が確認された。この別相Kは、表2に示すような元素構成比率から、FeMо46に近い組成を有する相であると考えられる。また、試料5〜7の粒界相Gには、硫化鉄(FeS)以外の別相Kが確認され、表3に示すような元素構成比率から、σ相(FeW)に近い組成を有する相であると考えられる。
図1に示すように、試料1の鋳塊材では、硫化鉄からなる粒界相Gは、球状化する傾向を示した。一方、図2〜図7に示すように、試料2〜4の鋳塊材では、粒界相Gの三次元網目構造状の形成が促され途切れが少なくなり、母相Mの結晶粒が粒界相Gによってより細かく仕切られることが確認された。また、図10〜図15に示すように、試料5〜7の鋳塊材では、粒界相Gの三次元網目構造状の形成が促され途切れが少なくなり、母相Mの結晶粒が粒界相Gによってより細かく仕切られることが確認された。この「仕切り構造」は、モリブデン又はタングステンの含有量が増加するに従って途切れが少なくなる傾向であり、所望の「仕切り構造」を得るには、モリブデン又はタングステンの含有量は5重量%以上であることが望ましい。
一方、図8及び図9に示す通り、モリブデンの含有量が増加するに従って、粒界相Gの「仕切り構造」が乱れ、鋸歯状に広がった形状となる。また、図16〜図18に示す通り、タングステンの場合、粒界相Gに、色調の異なる相が形成されている。これらは、別相K(FeMо46、FeW)が形成されたからである。その結果、均一な「仕切り構造」を確実に形成することが困難となる。また、σ相(FeW)は、靱性を低下させることも知られている。このため、後述する熱処理急冷工程によって別相Kを消滅させるのが好適である。なお、モリブデン又はタングステンの含有量は、所望の「仕切り構造」を形成しつつ別相Kが過大とならない程度の5重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
(3)試料2〜7の熱処理材について
試料2〜5及び試料7のそれぞれについて1300℃の熱処理急冷工程を実行して生成された熱処理材について、上記(2)欄と同様にして組成分析を行った。結果を、表4及び表5に示す。
表4及び表5に示すように、熱処理温度を1300℃で再度昇温して冷却した場合、別相Kが消滅した。これは、熱処理によって別相K(FeMо46、FeW)が融解して、鉄(Fe)・モリブデン(Mо)・タングステン(W)の少なくとも2つの金属元素による複合硫化物が再生成された結果であると考えられる。なお、表4に示すように、粒界相中の酸素元素は、試料2〜4の研磨過程で表面が酸化されたものである。
また、図19〜図32に示すように、試料2〜7の熱処理材についても鋳塊材と同様に「仕切り構造」が確認された。
次に、試料2〜7のそれぞれの熱処理材を光学顕微鏡で観察してその組織写真を撮影した。その写真中の結晶粒界に侵入している粒界相Gの二面角を画像解析ソフトのWin Roofを用いて測定した。無作為に25箇所を測定し、その平均値を各試料の値とした。この二面角の値が小さいほど硫化物は母相Mの結晶粒界への侵入度が大きいことを示し、粒界相Gの濡れ性が大きいこと示す。
試料2〜4では、図示しないが1000℃〜1300℃において二面角の急激な減少が確認された。図21〜図26に示すように、試料3及び試料4では、1000℃において「仕切り構造」が断続的に形成されている箇所が見受けられるが、1100℃及び1300℃において「仕切り構造」の途切れが改善されている。この点から、モリブデンを含有する粒界相Gにおいては、濡れ性が一層向上するように、1100℃〜1300℃で熱処理することがより好ましい。また、試料5〜7においては、図27〜図32に示すように、1000℃〜1300℃において、「仕切り構造」が良好に形成されていた。
図6及び図7と図23及び図26との比較から明らかなように、試料3〜4の鋳塊材における鋸歯状に広がった形状であった別相Kが、熱処理後において消滅している。これは、熱処理によって別相K(FeMо46)が融解すると共に粒界相Gが融解して互いに液相となり、母相Mの結晶粒界への侵入が促された結果、硫化物同士がつながり、急冷によって粒界相Gが再生成されたからである。
また、試料5及び試料7では、図16及び図18と図33及び図34との比較から明らかなように、鋳塊材における色調の異なる別相Kが、熱処理後において消滅している。すなわち、モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含む粒界相Gに形成された別相Kは、熱処理急冷工程によって消滅することが確認された。
図35には、試料1(Mо、Wなし)の鋳塊材、試料4(10%Mо)・試料7(10%W)の鋳塊材及び熱処理材について四端子法により電気抵抗を測定した測定結果を示す。試料4・7の鋳塊材及び熱処理材の電気抵抗はいずれも、試料1の鋳塊材の電気抵抗よりも十分高いことが確認され、モリブデン又はタングステンを含有する鉄基軟磁性材料は、モリブデン又はタングステンを含有しない従来の鉄基軟磁性材料よりも磁化したときの渦電流損失が発生し難い。
以上より、粒界相Gの濡れ性が改善される熱処理温度1000℃〜1300℃とすることで、別相Kを消滅させて「仕切り構造」を確実に形成し、渦電流損失が発生し難い良好な磁気特性を保持する鉄基軟磁性材料を製造することができた。
(4)硫黄の含有量について
上述の表2〜表5に示されるように、母相Mには、硫黄はほとんど含まれず、硫黄は、硫化鉄(FeS)、及び鉄(Fe)・モリブデン(Mо)・タングステン(W)の少なくとも2つの金属元素による複合硫化物として、粒界相Gに存在する。
本発明の鉄基軟磁性材料が、高い飽和磁束密度や低い損失(コア損失)という良好な磁気特性を持つためには、母相Mの体積分率が高いほど良く、一方で、交流電圧を流して磁化する場合の渦電流損失を抑えるためには、粒界相Gによる「仕切り構造」を備えることが重要となる。これを実現するためには、母相Mに対して粒界相Gの体積分率が2%〜20%であることが望ましい。表2〜表5に示すように、粒界相Gの体積分率は、モリブデン含有量やタングステン含有量に依存しないことが分かる。また、モリブデン含有量やタングステン含有量が、全体の数%以下であることから、仮に、母相Mを純鉄とし、粒界相Gを硫化鉄とすると、硫黄の含有量として望ましいのは、1at%〜10at%であり、これは0.6重量%〜6.0重量%に相当する。
(5)鉄基軟磁性コア
図36において、本発明の鉄基軟磁性材料を鉄基軟磁性コア(磁心材料)として作製した場合を例示する。従来の鉄基軟磁性コアは、電磁鋼板を積層した積層鋼板、高荷重での圧粉成形体、あるいは樹脂等のバインダとの複合材料(ダストコア)を用いて作製されていた。しかしながら、積層鋼板では、磁場が鋼板の面に平行にかかるように用いる必要があるという制限があり、鋼板の面方向の断面形状が変化する複雑形状を得ることが困難であった。また、圧粉成形体も断面形状が変化する場合の成形が困難であるという制限があった。また、複合材料は、バインダのために、飽和磁束密度が小さいという欠点や、磁性粉からの発熱が逃げ難く高温になり易いという欠点があった。
本発明の鉄基軟磁性材料は、鋳造法によって製造することができるため、従来懸念されていた、上述の問題点が解決され、チョークコイルなどに用いられる複雑な構造の鉄基軟磁性コアも本発明によれば、容易に実現できる。
本発明の鉄基軟磁性材料は、モーターや変圧器などの磁心材料に利用することができる。
M 母相
G 粒界相
K 粒界相中に形成された別の相(別相)

Claims (9)

  1. 鉄を主成分とする母相と、
    モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを含み、前記母相の結晶粒どうしの境界に沿って当該結晶粒を仕切る粒界相と、を備えた鉄基軟磁性材料。
  2. 前記モリブデンの含有量が、5重量%以上10重量%以下である請求項1に記載の鉄基軟磁性材料。
  3. 前記タングステンの含有量が、5重量%以上10重量%以下である請求項1又は2に記載の鉄基軟磁性材料。
  4. 前記硫黄の含有量が、0.6重量%以上6重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄基軟磁性材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄基軟磁性材料を、前記モリブデン及びタングステンのうちの少なくともいずれか一方と鉄と硫黄とを溶解した後、鋳造して製造する方法。
  6. 前記鋳造後の鋳塊を、前記粒界相が液相であり、前記母相が固相である所定温度で保持して急冷する請求項5に記載の方法。
  7. 前記鋳造する際、前記粒界相が液相であり、前記母相が固相である所定温度で保持して急冷する請求項5に記載の方法。
  8. 前記所定温度は、1000℃以上1300℃以下である請求項6又は7に記載の方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法で製造された鉄基軟磁性材料で構成される鉄基軟磁性コア。
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WO2017169178A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 アイシン精機株式会社 鉄基軟磁性材料、鉄基軟磁性材料の製造方法及び鉄基軟磁性コア

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