JP2015044055A - 外科手術ステープリング器具 - Google Patents

Abstract

【課題】体組織に外科手術ステープルを適用する外科手術ステープリングデバイスを提供すること。【解決手段】ステープラを作動させる可動ハンドルを含むハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置されかつアンビルアセンブリとシェルアセンブリとを含むヘッド部分であって、シェルアセンブリはシェルと複数のステープルを収納するステープルガイドとを含む、ヘッド部分と、ステープルガイドをシェルに取り付ける可撓性係合構造とを備えている、外科手術ステープリング器具。【選択図】図１

Description

（背景）
本出願は、２００９年１０月２８日に出願された仮出願第６１／２５５，５４４号からの優先権を主張し、該仮出願の内容全体が本明細書に参照によって援用される。

（技術分野）
本開示は、概して体組織に外科手術ステープルを適用する外科手術ステープリングデバイスに関する。より詳細には、本開示は、中空の組織器官の内壁に対する円形の吻合および／または治療を実行することに適した外科手術ステープリングデバイスに関する。

（関連技術の背景）
吻合は、別個の中空の器官の部分の外科手術接合である。典型的には、吻合処置は、中空の組織の罹患した部分または欠陥のある部分が除去され、残りの端部分が接合される外科手術の後に行われる。所望の吻合処置に従って、端部分は、円形、端部対端部または側部対側部のいずれかの器官再建方法によって接合され得る。

円形の吻合処置において、器官の切開部分の２つの端部はステープリング器具によって接合され、このステープリング器具は、各器官の切開部分の端部を通って円形のアレイのステープルを打ち込み、同時に、打ち込まれた円形のアレイのステープルの任意の組織内部の芯を抜き、管状の通路を開通させる。中空の器官の円形の吻合を実行する器具の例は、特許文献１、特許文献２、特許文献３、特許文献４、特許文献５、特許文献６、特許文献７、特許文献８、および特許文献９に説明される。典型的には、これらの器具は、近位端に器具を作動させるハンドル部分と、遠位端に配置されるステープル保持構成要素とを有する細長いシャフトを含む。アンビルヘッドが取り付けられたアンビルロッドを含むアンビルアセンブリは、ステープル保持構成要素に隣接して器具の遠位端に取り付けられる。ステープルで留められる、中空の器官の組織の向かい合う端部分は、アンビルヘッドとステープル保持構成要素との間でクランプされる。クランプされた組織は、ステープル保持構成要素から１つ以上のステープルを打ち込むことによってステープルで留められ、その結果、ステープルの端部は、組織を通過し、アンビルヘッドによって変形させられる。環状のナイフが同時に前進させられ、中空の器官内で組織の芯を抜き、器官内で管状の通路を開通させる。

中空の器官の吻合の他に、円形の吻合を実行する外科手術ステープリングデバイスは、直腸における内痔核を治療するために用いられてきた。典型的には、痔治療のために円形のステープリングデバイスを使用している間に、外科手術ステープリングデバイスのアンビルヘッドおよびステープル保持構成要素は、アンビルヘッドおよびステープル保持構成要素が開放位置または接近していない位置の状態で、肛門を通って直腸の中に挿入される。その後、巾着縫合糸が、内痔核組織をアンビルヘッドの方に引くために用いられる。次に、アンビルヘッドおよびステープル保持構成要素は、接近させられ、アンビルヘッドとステープル保持構成要素との間にある痔組織をクランプする。ステープリングデバイスは、発射され、痔組織を除去し、切断組織をステープルで留める。痔核切除術において、痔核が除去される。ステープルの痔核手術は、ステープリングデバイスが直腸内において痔を後退させるように引き、症状を軽減させるために、痔の真上の組織を除去するために用いられる外科手術処置である。ステープルは、上直腸動脈枝の血流を妨げ、組織への血液供給を遮断し、従って、痔を縮小させる。

いくつかの公知の円形ステープラは、シェルアセンブリを有し、シェルアセンブリは、ステープラプッシャと、複数の環状の列になった複数のステープラを収納するステープルガイドとを含む。これらの器具のいくつかにおけるステープルガイドは、超音波によってシェルアセンブリに溶接される。実際的であるが、全く別の取り付け方法が、安全上および製造上の観点から有利であり得る。

米国特許第７，３０３，１０６号明細書 米国特許第６，９４５，４４４号明細書 米国特許第６，０５３，３９０号明細書 米国特許第５，５８８，５７９号明細書 米国特許第５，１１９，９８３号明細書 米国特許第５，００５，７４９号明細書 米国特許第４，６４６，７４５号明細書 米国特許第４，５７６，１６７号明細書 米国特許第４，４７３，０７７号明細書

（概要）
本開示は、一局面においてハンドルアセンブリと、細長い本体部分と、ヘッド部分とを含む外科手術ステープリング器具を提供する。ヘッド部分は、細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置され、アンビルアセンブリとシェルアセンブリとを含む。シェルアセンブリは、シェルと複数のステープルを収納するステープルガイドとを含む。可撓性係合構造は、ステープルガイドをシェルに取り付ける。

一実施形態において、可撓性係合構造は、ステーブルガイドに少なくとも１つのフックを含む。シェルは、ステープルガイドのフックを受容するように構成され、寸法設定されるロッキング孔を含み得る。

別の実施形態において、可撓性係合構造は、シェルに可撓性タブを含む。可撓性タブは、ステーブルガイドに、フックを受容する孔を含み得る。フックは、実質的に剛性であり得る。

別の実施形態において、シェルアセンブリは、遠位に延び、遠位の力をステープルガイドに加える複数の突出部を含む。突出部は、ステープルガイドによって圧縮可能であり得る。

本開示は、別の局面において、ステープラを作動させる可動ハンドルを含むハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置され、アンビルアセンブリとシェルアセンブリとを含むヘッド部分とを備えている外科手術ステープリング器具を提供する。シェルアセンブリは、シェルと、複数のステープルを収納するステープルガイドとを含む。ステープルガイドはタブを含み、シェルアセンブリは、第１のスロット部分と第１のスロット部分に対して斜めになった第２のスロット部分とを有するスロット領域を含む。タブは、ステープルガイドおよびシェルアセンブリを取り付けるために、スロット領域内において可動である。

一実施形態において、第１のスロット領域は実質的に軸方向に延び、第２のスロット領域は実質的に半径方向に延びる。一実施形態において、第２のスロット領域は、タブの外側寸法より小さい寸法を有する直径減少部を有する。

例えば、本発明は以下の項目を提供する。
（項目１）
ステープラを作動させる可動ハンドルを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置され、アンビルアセンブリとシェルアセンブリとを含むヘッド部分であって、該シェルアセンブリはシェルと複数のステープルを収納するステープルガイドとを含む、ヘッド部分と、
該ステープルガイドを該シェルに取り付ける可撓性係合構造と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
（項目２）
上記可撓性係合構造は、上記ステーブルガイド上に少なくとも１つのフックを含む、上記項目に記載の器具。
（項目３）
上記シェルは、上記ステープルガイドの上記フックを受容するように構成され、寸法設定されたロッキング孔を含む、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目４）
上記可撓性係合構造は、上記シェル上に可撓性タブを含む、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目５）
上記可撓性タブは、上記ステーブルガイド上に、フックを受容する孔を含む、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目６）
上記フックは実質的に剛性である、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目７）
上記可撓性タブは、上記シェルの最遠位端に位置を決められる、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目８）
上記ステープルガイドによって圧縮可能な少なくとも１つの可撓性突出部材をさらに備えている、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目９）
上記フックは、斜めの表面を含み、該斜めの表面は、上記フックの屈曲を起こすように、組み立て中に上記ロッキング孔に隣接した壁と係合可能である、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目１０）
上記シェルアセンブリは、遠位に延び、遠位の力を上記ステープルガイドに加える複数の突出部を含む、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目１１）
上記突出部は、上記ステープルガイドによって圧縮可能である、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目１２）
上記突出部は、上記シェルの最遠位端から延びる、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目１３）
ステープラを作動させる可動ハンドルを含むハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、
該細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置され、アンビルアセンブリとシェルアセンブリとを含むヘッド部分であって、該シェルアセンブリはシェルと複数のステープルを収納するステープルガイドとを含み、該ステープルガイドは、タブと、第１のスロット部分および該第１のスロット部分に対して斜めになった第２のスロット部分を有するスロット領域を含むシェルアセンブリとを含み、該タブは、該ステープルガイドおよびシェルアセンブリを取り付けるために、該スロット領域内において可動である、ヘッド部分と
を備えている、外科手術ステープリング器具。
（項目１４）
上記第１のスロット領域は実質的に軸方向に延び、上記第２のスロット領域は実質的に半径方向に延びる、上記項目のいずれか１項に記載の器具。
（項目１５）
上記第２のスロット領域は、上記タブの外側寸法より小さい寸法を有する直径減少部を有する、上記項目のいずれか１項に記載の器具。

(摘要）
近位端を有するハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延びる細長い本体部分と、細長い本体部分の遠位部分に隣接して配置され、アンビルアセンブリおよびシェルアセンブリを含むヘッド部分とを備えている外科手術ステープリング器具。シェルアセンブリは、シェルと複数のステープルを収納するステープルガイドとを含む。可撓性係合構造は、ステープルガイドをシェルに取り付ける。

ここで開示される外科手術ステープリングデバイスの様々な実施形態は、図面を参照して本明細書において開示される。

図１は、接近した位置における本明細書で開示される外科手術ステープリング器具の実施形態の斜視図である。 図２は、図１のステープリング器具のシェルアセンブリの分解組立図である。 図３は、図２のステープルガイドの拡大図である。 図４は、図３に示される領域の詳細な拡大図であり、ステープルガイドの可撓性フックを例示する。 図５は、図１および図２のシェルの拡大図である。 図６は、図５に示される領域の詳細な拡大図であり、傾斜部およびロッキング開口部を示す。 図７は、図２のシェルアセンブリの側面斜視図である。 図８は、図７の線８−８に沿って取られた、図７のシェルアセンブリの断面図である。 図９は、図８に示される領域の詳細な断面のクローズアップ図であり、ステープルガイドの可撓性フックの、シェルのロッキング開口部との係合を示す。 図１０は、ステープルガイドの取り付け前のシェルアセンブリの断面図であり、可撓性フックの屈曲を示す。 図１１は、図１０に示される領域の詳細な断面のクローズアップ図である。 図１２は、図１１に類似したクローズアップ図であり、最終アセンブリにおけるステープルガイドとシェルとの係合を示す。 図１３は、本開示の代替の実施形態のシェルアセンブリおよびステープルガイドの断面図である。 図１４は、図１３に示される領域の詳細なクローズアップ図であり、ステープルガイドの剛性フックを示す。 図１５は、図１３に示される領域の詳細なクローズアップ図であり、シェルの係合タブを示す。 図１６は、フックを屈曲させる、図１３のステープルガイドとシェルとの最初の係合を示すクローズアップ断面図である。 図１７は、図１６に類似したクローズアップ断面図であり、最終アセンブリにおけるステープルガイドとシェルとの係合を示す。 図１８は、本開示の別の代替の実施形態のシェルおよびステープルガイドの分解組立図である。 図１９は、図１８に示される領域の詳細なクローズアップ図であり、ステープルガイドのフックを示す。 図２０は、図１９の２０−２０に沿って取られたクローズアップ断面図であり、最終アセンブリにおけるステープルガイドとシェルとの係合を示す。 図２１は、本開示の別の代替の実施形態のシェルおよびステープルガイドの分解組立図である。 図２２は、図２１に示される領域の詳細な断面のクローズアップ図である。 図２３は、シェルのスロットにおける図２１のステープルガイドのロッキングタブの最初の係合を示すクローズアップ図である。 図２４は、シェルのスロットにおいて半径方向に動く、図２３のロッキングタブのクローズアップ図である。 図２５は、図２４の線２５−２５に沿って取られた断面図である。 図２６は、シェルのスロット内のロッキング位置における図２３のロッキングタブのクローズアップ図である。 図２７は、図２６の線２７−２７に沿って取られた断面図である。

（詳細な説明）
ここで開示される外科手術ステープリング器具の実施形態は、ここで図面を参照して詳細に説明され、図面において同様の参照数字は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。

この説明を通して、用語「近位」は、オペレータにより近い、器具の一部分をいい、用語「遠位」は、オペレータからより遠くに離れている、器具の一部分をいう。

最初に図１を参照すると、ここで開示される外科手術ステープリングデバイスの実施形態が全体に参照番号１０として示される。簡潔にいうと、外科手術ステープリングデバイス１０は、ハンドルアセンブリ１２と、ハンドルアセンブリ１２から延びる湾曲した細長い外部管１５を含む細長い本体部分１４と、外部管１５から延びるヘッド部分１６とを含む。代わりに、例えば痔疾の治療などいくつかの処置において、本体部分は、実質的にまっすぐであり得る。本体部分１４およびヘッド部分１６の長さ、形状および／または直径はまた、特定の外科手術処置に適するように変更され得る。

例示の実施形態において、ハンドルアセンブリ１２は、固定ハンドル１８と、発射トリガ２０と、回転可能接近ノブ２２と、インジケータ２４とを含む。ヘッド部分１６は、アンビルアセンブリ３０と、シェルアセンブリ３１とを含む。アンビルアセンブリ３０は、シェルアセンブリ３１に対して間隔を空けた（接近していない）位置と接近した位置との間で可動である。アンビルアセンブリは、外科手術ステープリング器具１０のアンビルリテイナに取り付けられた（好ましくは可動に取り付けられた）アンビルシャフトを含む。

動作時、接近ノブ２２が、アンビルアセンブリ３０に接続されているアンビルリテイナ３８（図１）と帯を介して機械的に係合されているので、接近ノブ２２の回転は、シェルアセンブリ３１に対して、間隔を空けた位置と接近した位置との間でアンビルアセンブリ３０を移動させる。第１の方向（例えば、時計回り）への接近ノブ２２の回転がアンビルアセンブリ３０を接近した位置に近位に動かし、アンビルとシェルアセンブリとの間の組織をクランプし、第２の反対方向（例えば、反時計回り）への接近ノブ２２の回転がアンビルアセンブリ３０を接近していない位置に遠位に動かすことが想定される。

発射トリガ２０の作動（すなわち、固定ハンドル１８の方向への旋回）は、シェルアセンブリ３１からアンビルアセンブリ３０の方にステープルを排出させる。すなわち、発射トリガ２０は、ステープルプッシャまたはプッシャバック５０（図２）と機械的に協働するように配置され、その結果、発射トリガ２０の作動は、プッシャ５０を前進させ、ステープルガイド６０を通ってステープルガイド６０に環状のアレイで収納されているステープル７０と接触させられる。このことは、ステープル７０をステープルポケットまたはスロット３３から出し、アンビルアセンブリ３０のステープル変形ポケットの中に押し込む。プッシャ５０は複数の遠位に延びるプッシャフィンガ５２を含み、プッシャフィンガ５２はステープル７０と接触し、それらをアンビルと接触するように前進させる。円形ナイフ７４は、プッシャバック５０に対してナイフ７４をしっかりと固定するプッシャバック５０の中央スルーボア５１によって摩擦で保持される。ナイフ７４は、プッシャバック５０と共に前進可能であり、環状の列のステープル７０の間の組織を切断する。スルーボア５１は、シェル３１の内側ガイド部分３５の周りにスライド可能に位置を決められる。プッシャ５０の遠位の円筒形部分５３は、シェル３１の遠位の円筒形部分３４内にスライド可能に位置を決められる。プッシャバック５０の近位端は、プッシャリンク（図示されていない）をロックして係合するように構成される部材５５を含む。シェル３１はまた、通気孔３２を含み得る。

接近アセンブリおよび発射アセンブリなど、外科手術ステープリングデバイス１０の特徴のさらなる詳細は、同一人所有の例えば米国特許第７，３０３，１０６号、第７，２３４，６２４号および第７，１６８，６０４号に開示され、該特許の内容全体は本明細書に参照によって援用される。

図２〜図１２は、ステープルガイド６０をシェルセンブリ３１に取り付ける可撓性係合構造の第１の実施形態を例示する。最初に図３および図４を参照すると、ステープルガイド６０の外側表面上の可撓性フック８０は、近位方法に延び、好ましくはステープルガイド６０の近位端において終結する。フック８０は、ステープルガイド６０のフランジ６１の近位にある。フックは、ステープルガイド６０の外側表面６３と実質的に同一平面であり得る。フック８０は、ステープルガイド６０から延びる長手方向または軸方向の領域８９に対して斜めである斜めの近位表面８２を有する。フック８０は、好ましくはステープルガイド６０と一体的に形成される。しかしながら代わりに、フック８０は、ステープルガイド６０に取り付けられる別個の要素であり得る。好ましくは２つ以上のフックが、シェル３１に沿って間隔を空けた領域で係合するように備え付けられる。例えば、２つのフックがおおよそ１８０度離れて配置され得、３つのフックがおおよそ１２０度離れて配置され得るなど。例示的実施形態は、おおよそ９０度離れて間隔を空けて置かれる４つのフック８０を示す。フックの非等距離間隔を含む他の間隔もまた意図される。

図５、図６および図９を参照すると、シェルセンブリ３１は、好ましくは、シェル３１の遠位縁３１ａからわずかに近位に間隔を空けて置かれるロッキング穴３６を含み、各ロッキング穴３６は、フック８０を受容するように構成されかつそのように寸法設定される。シェル３１の内側壁上の斜めの壁またはランプ３７は、以下に説明されるように、フックの係合を容易にする。

図１０〜図１２を見ることによって理解され得るように、組み立て中ステープルガイド６０が矢印Ａの方向に配置することによってシェルアセンブリ３１に取り付けられるとき、シェル３１の斜めの壁３１の表面がステープルガイド６０のフック８０の斜めの表面８２によって係合されると、各フック８０は、最初に矢印Ｂの方向に半径方向内側に（図１０の配向において下方に）屈曲する。フック８０の近位端が製造時に矢印Ａの方向に十分に遠位に前進すると、フック８０の近位端は、斜めの表面３７を越え、壁３８を越え、ついでもはや半径方向内側に（図１１の図において下方に）付勢されないで、矢印Ｃの方向にフック８０の正常の応力の掛からない状態に半径方向外側に（上方に）動き得、ロッキング孔３６内に延び得る。示されるように、この位置において、フック８０のショルダ８４の壁表面３７ａとの係合は、ステープルガイド６０の遠位の移動を妨げ、シェル３１に固定された位置にステープルガイド６０を保持する（図９も参照されたい）。使用中、器具の操作中またはステープルの発射中にステープルガイドに加えられる遠位の力は、遠位への移動が壁３７ａによって妨げられるので、シェルアセンブリ３１からステープルガイド６０を移動させない。フック８０の各々は、上記の説明と同じ態様で、対応するロッキング孔３６を係合する。好ましくはフック８０がシェル３１の外側表面３９を通過して延びないように孔３６の外側境界（外側直径）を越えて延びないことに注意されたい。

図１３〜図１７に例示される代替の実施形態において、剛性フックが利用される。シェル１１０は、ステープルガイドのフックと協働する構造以外、図２のシェル３１と同一である。より具体的には、シェル１１０は、シェル１１０の遠位端１１２において切欠き１２２、１２４によって形成される可撓性タブ１２０を有する。可撓性タブ１２０は、そこに形成されるロッキング孔１２６を有する。ステープルガイド１４０は、フック構成以外、図２のステープルガイド１４０と同一である。より具体的には、ステープルガイド１４０は、そこに形成されるフック１４２を有し、フック１４２は、好ましくは実質的に剛性である。示されるように、フック１４２は、ステープガイド１４０から近位に延び、ステープルガイド１４０の遠位端において、斜めの近位表面１４４と、ステープルガイド１４０の長手方向軸に実質的に垂直である垂直表面１４７とを有する。長手方向または軸方向の領域１４５は遠位に延びる。複数のタブ１２０がシェル１１０に備え付けられ、各々のタブは、フック１４２を受容するように構成される。

図１６〜図１７を見ることによって理解され得るように、ステープルガイド１４０が組み立て中に矢印Ｄの方向に配置することによってシェルアセンブリ１１０に取り付けられるとき、フック１４２の斜めの表面１４４がタブ１２０の遠位タブ部分１２３の縁１２１を係合すると、シェル１１０のタブ１２０は、最初に、矢印Ｅの方向にシェル１１０から離れるように半径方向に離れて（図１６の配向において上方に）屈曲する。縁１２１は、オプションで、フック１４０の斜めの表面１４２を係合するように斜めにされ得る。フック１４０の斜めの壁１４４が製造時に矢印Ｄの方向に十分に遠位に前進すると、フック１４０の斜めの壁１４４は、縁１２１を越え、遠位タブ部分１２３を越えて通過し、ついで遠位タブ部分１２３は、もはや上方に（半径方向に）付勢されないで、シェル１１０の方に矢印Ｇの方向に下方に（長手方向軸の方に内側に）動き得、それでフック１４２はロッキング孔１２６内に据え付けられる。示されるように、この位置において、フック１４２のショルダ１４５ａの遠位タブ部分１２３の壁１２７との係合は、ステープルガイド１４０の遠位の移動を妨げ、適切な位置にステープルガイド１４０を保持する。使用中、器具の操作中またはステープルの発射中にステープルガイド１４０に加えられる遠位の力は、遠位の移動が壁１２７によって妨げられるので、シェルアセンブリ１１０からステープルガイド１４０を移動させない。

図１８〜図２０の代替の実施形態において、可撓性係合バンプが提供される。ステープルガイド１７０は、図２のステープルガイド６０と同一であり、シェル１８０は、ステープルガイドのフックおよび可撓性バンプと協働する構造以外、図２のシェル３１と同一である。より具体的には、ステープルガイド１７０は、近位に延びる可撓性フック１７２を有する。シェル１８０は、フック１７２を受容するように寸法設定され、構成されるロッキング孔１８２を有する。フック１７２は、ロッキング孔１８２の遠位に位置を決められる壁１８３を通過して挿入されると、屈曲する。壁１８３の遠位端は、好ましくは、フック１７２の斜めの表面１７４と協働する斜めの表面１８５を有し、挿入を容易にする。組み立て中、壁１８３は、図２のフック８４に類似する態様で半径方向に内側にフック１７２を付勢し、フック１７２が壁１８３を越えて近位に通過することを可能にし、次いで
フック１７２は、図２０に示されるようにロッキング孔１８２に受容されるフック１７２の正常位置に戻る。使用中、ステープルガイド１７０に加えられる遠位の力は、遠位の移動がショルダ１７５の壁１８９との係合によって妨げられるので、シェルダアセンブリ１８０からステープルガイド１７０を移動させない。

シェル１８０はまた、一連の可撓性のバンプまたは突出部１８６を有し得、ステープルガイド１７０の固定を強化する。バンプ１８６は、シェル１８０の遠位縁１８７から遠位に延びる。ステープルガイド１７０がシェル１８０に取り付けられたとき、可撓性のバンプまたは突出部１８６は内側に圧される。その結果、組み立て後、バンプ１８６は、ステープルガイド１７０に遠位の力を提供し、それによって、組み立てられたときフック１７２のショルダ１７５とロッキング孔１８２に隣接した壁１８９との間に緩みがある程度まで、壁１８３の表面１８９に対して遠位に（フック１７２ショルダ１７５）を押し付ける。その結果、バンプ／突出部１８６は、シェル１８０に組み立てられたときステープルガイド１７０を遠位方向に付勢するばねに似た機能を果たす。バンプまたは突出部が必要に応じ本明細書に開示される他の実施形態のシェルに備え付けられ得、遠位の付勢力を提供し得ることが理解されるべきである。

図２１〜図２７は、バヨネットマウントを利用してシェルアセンブリにステープルガイドを取り付ける別の代替の実施形態を例示する。シェル２１０は、ステープルガイドのタブと協働する構造以外、図２のシェル３１と同一である。より具体的には、シェル２１０は、スロット領域２１２を有する。スロット領域２１２は、シェル２１０の遠位縁２１４から長手方向（軸方向）に近位に延び、スロット２１２の軸方向スロット領域２１２ａを形成する。スロット２１２はまた、軸方向の領域２１２ａを横切る半径方向に延びる領域２１２ｂを有し、それによって、実質的にＬ形のスロット構成を形成する。ロッキングくぼみ２１３は、半径方向領域２１２ｂの中に延びる。説明を容易にするため、ロッキング凹部または阻止くぼみ２１３は、半径方向領域２１２ｂを２つの区画に分割するものとして考えられ得る。

ステープルガイド２３０は、シェル２１０に取り付けるためのシェル２１０を係合する構造以外、図２のステープルガイド６０と同一である。より具体的には、ステープルガイド２３０は、近位縁２３４にロッキングタブ２３２を有する。図２３〜図２７を見ることによって理解されるように、ステープルガイド２３０が組み立て中に矢印Ｅの方向への配置によってシェルアセンブリ１１０に取り付けられたとき、ロッキングタブ２３２はスロット２１２の軸方向領域２１２ａに入る。ロッキングタブ２３２が軸方向領域２１２ａの縁２１２ｃに挿入された後（図２３を参照されたい）、ステーブルガイド２３０は、次いで回転させられ、図２４の矢印Ｆの方向にスロット２１２の半径方向領域２１２ｂに動かされる。回転は、タブ２３２が図２６に示されるようにブロッキング凹部２１３を通過して押し込まれるまで継続する。すなわち、タブ２３２がスロット２１２の半径方向領域２１２ｂに沿って動くと、タブ２３２はブロッキング凹部２１３を通過して押し込まれ、ブロッキング凹部２１３はスロット２１２の領域２１２ｂの直径減少領域２１２ｆを形成する（領域２１２ｆは、ロッキングタブ２３２の横寸法より小さい寸法を有する）。この直径減少領域２１２ｆを通過して動かされると、ブロッキング凹部（くぼみ）２１３に打ち勝ち、直径減少領域を通過するのに十分な力がシェルガイド２３０の回転によって加えられない限り、領域は、ロッキングタブ２３２の引っ込み、すなわち矢印Ｆの方向の反対方向の動きを妨げる。タブ２３２が屈曲するかまたはブロッキング凹部２１３を形成する引っ込んだ壁が屈曲するかのいずれかになり、それでタブがくぼみを通過するように動き得るように、構造が提供され得ることに注意されたい。使用中、器具の操作またはステープルの発射中にステープルガイド２３０に加えられる遠位の力は、遠位への移動が壁２３３によって妨げられ、切断がステープルガイド２３０をスロット２１２から取り外すためにステープルガイド２３０の逆方向の回転を必要とするので、シェルアセンブリ３１からステープルガイド６０を移動させない。

本明細書において開示される実施形態に対して様々な修正がなされ得ることは理解される。従って、上記の説明は、限定することとして解釈されるべきではなく、単に、開示される実施形態の実例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲および精神内における他の修正を想定する。

１０ 外科手術ステープリングデバイス
１２ ハンドルアセンブリ
１４ 本体部分
１５ 外側管
１６ ヘッド部分
１８ 固定ハンドル
２０ 発射トリガ
２２ 接近ノブ
２４ インジケータ
３０ アンビルアセンブリ
３１ シェルアセンブリ
５０ プッシャバック
６０ ステープルガイド
７０ ステープル

Claims (16)

1. 外科手術器具と共に用いられるシェルアセンブリであって、前記シェルアセンブリは、
   傾斜部とロッキング孔とを含むシェルと、
   複数のステープルを収納するように構成されたステーブルガイドと、
   前記ステーブルガイド上に配置された少なくとも１つの係合特徴であって、前記少なくとも１つの係合特徴は、前記少なくとも１つの係合特徴が前記ロッキング孔と係合する前に前記シェルの傾斜部にスライド可能に接触するように構成された表面を含む、少なくとも１つの係合特徴と
   を含む、シェルアセンブリ。
2. 前記少なくとも１つの係合特徴の前記表面は、前記シェルの外側壁に対して非平行の角度で配置されている、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
3. 前記シェルの前記ロッキング孔は、可撓性タブ上に形成されている、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
4. 前記可撓性タブは、前記シェルの遠位端に隣接して配置されている、請求項３に記載のシェルアセンブリ。
5. 前記少なくとも１つの係合特徴は、剛性である、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
6. 前記ステープルガイドによって圧縮可能な少なくとも１つの可撓性突出部をさらに含む、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
7. 前記ステープルガイドに遠位の力を加えるように構成された複数の遠位に延びる突出部をさらに含む、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
8. 前記複数の遠位に延びる突出部は、前記ステープルガイドによって圧縮可能である、請求項７に記載のシェルアセンブリ。
9. 前記複数の遠位に延びる突出部は、前記シェルの遠位端から延びる、請求項７に記載のシェルアセンブリ。
10. 前記ステープルガイドは、前記ステープルガイド上に環状に配置されたフランジを含み、前記少なくとも１つの係合特徴は、前記フランジの近位に配置されている、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
11. 前記少なくとも１つの係合特徴は、前記ステープルガイドの外側表面と実質的に同一平面である、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
12. 前記少なくとも１つの係合特徴は、前記ステープルガイド上に半径方向に配置された第１の係合特徴および第２の係合特徴を含み、前記ロッキング孔は、第１のロッキング孔および第２のロッキング孔を含み、前記第１の係合特徴および前記第２の係合特徴の各々は、前記第１のロッキング孔および前記第２のロッキング孔のうちの１つと係合するように構成されている、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
13. 前記第１の係合特徴および前記第２の係合特徴は、約１８０度離れて配置されている、請求項１２に記載のシェルアセンブリ。
14. 前記少なくとも１つの係合特徴と前記ロッキング孔との間で係合が起こると、前記少なくとも１つの係合特徴の遠位のショルダが、前記ロッキング孔によって画定された遠位の壁と係合する、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
15. 前記ロッキング孔は、前記シェルの最遠位端から近位方向に間隔を空けて配置されている、請求項１に記載のシェルアセンブリ。
16. 前記シェル内に少なくとも部分的に配置されたプッシャであって、前記ステープルガイドに対して前進可能であるプッシャをさらに含む、請求項１に記載のシェルアセンブリ。

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