JP2015043498A - 車載用回路基板保持構造 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、例えばアンテナ装置に用いられるアンテナ素子は自動車のフロントガラスやリアガラス等に設置されため、極力雑音の影響を受けず良好なアンテナ特性が得られるように、車載用回路基板は車両のピラーやガラス上部等、車室外でガラス近傍の、スペースが十分にとれない場所に設置される場合がある。従って、車載用回路基板を保持するときには全体として小型化を図ることがもとめられる。
以下、本発明の車載用回路基板保持構造の一実施形態について、図1〜6を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1の外観を示す斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1において、モールド部材M1で覆う前の回路基板2および保持部材3の形態を示す斜視図である。図2には、以下の説明の便宜のために、座標系を定義してあり各図の説明で参照される。
以下では、本実施形態の車載用回路基板保持構造1が、車両に搭載されるアンテナ装置に使用される回路基板を保持する構造である場合を例として説明する。そのようなアンテナ装置に用いられるアンテナ素子は自動車のフロントガラスやリアガラス等に設置されるため、極力雑音の影響を受けず良好なアンテナ特性が得られるように、車載用回路基板保持構造1は、車両のピラーやガラス上部等、車室外でガラス近傍のスペースが十分にとれない場所に設置される。そのため、本実施形態の車載用回路基板保持構造1は、外力に対する回路基板の機械的強度を確保し、防水性に優れ、かつ全体として小型化を図ることを意図している。
図3に示すように、回路基板2の一方の端部近傍にはアンテナ素子からの第1ケーブルC1が接続され、回路基板2の他方の端部近傍にはAM/FM/DAB等のチューナからの第2ケーブルC2が接続されている。第1ケーブルC1および第2ケーブルC2は、例えば半田付けによって回路基板2と接続される。この例では、第2ケーブルC2が回路基板2の実装面S1に接続され、第1ケーブルC1が回路基板2の実装面S1とは反対側の対向面S2に接続される。なお、ケーブルC1内の導線は、回路基板2の図示しない孔部を通して実装面S1と半田付けされる。回路基板2の実装面S1には、増幅回路やフィルタ回路のための様々な素子が実装されている。本実施形態では、回路基板2の実装面S1が片面である片面実装の場合について例示するが、対向面S2にも素子が実装される両面実装であってもよい。
なお、本実施形態では、第1ケーブルC1および第2ケーブルC2が回路基板2に接続される場合について説明するが、第1ケーブルC1および第2ケーブルC2の少なくともいずれか一方を回路基板2に接続しない場合もある。例えば、回路基板2から直接アンテナ素子に接触する端子が設けられている場合や、アンテナ素子と回路基板2との素子が容量結合する構成をとる場合には、アンテナ素子と回路基板2を接続するための第1ケーブルC1を要しない。
側壁部50,60のコの字状部51,61が設けられている端とは反対側の端に、第2支持部53,63が設けられる。第2支持部53,63は、側壁部50,60の上端から−y方向に突出する突条で構成され、回路基板2の実装面S1を支持するために設けられている。
なお、傾斜部42および延長部43を設けることは必須ではない。車載用回路基板保持構造1を例えば両面テープによって車体に固定し、接地を例えば第2ケーブルC2の途中で行ってもよい。
回路基板2を保持部材3に保持させるときには先ず、回路基板2の第1突起部11,21を上方から、保持部材3の側壁部50,60の開口50c,60cに挿入する。それによって、図5の状態S1に示すように、コの字状部51,61の載置面51a,61aに回路基板2の第1突起部11,21が載置され、かつ回路基板2の対向面S2が保持部材3の第1支持部52,62に支持される。この状態では、回路基板2の第2突起部12,22は、第2支持部53,63から前後方向(y軸方向)で離間した位置にあるため、第2支持部53,63に支持されていない。
なお、モールド部材M1を成形する領域は、図1に示したように、回路基板2の全体と、保持部材3のうち少なくとも一部でよい。つまり、保持部材3の全体をモールド部材M1で覆う必要はない。
また、回路基板2が保持部材3に嵌め込まれた状態でモールド部材によって成形する構成としたため、カバー等の部品が必要なく、全体として小型化とし、かつ防水性にも優れた車載用回路基板保持構造を実現することができる。本実施形態の車載用回路基板保持構造1は小型で、かつ防水性に優れているため、車両の車室外の任意の場所に設置させることができる。
なお、上述した実施形態では、一対のコの字状部51,61が設けられている場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、コの字状部が側壁部50,60のいずれか一方にのみ設けられている場合であっても、回路基板2を保持することが可能である。
第2の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Aによる回路基板2Aの保持態様を説明する斜視図である。
第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1では、保持部材3の側壁部50,60の上端から−y方向に突出する突条で構成される第2支持部53,63と、回路基板2の第2突起部12,22とが接触することによって、回路基板の実装面S1を支持する場合について例示したが、回路基板の実装面の支持方法は、この場合に限られない。つまり、第2支持部は突条でなくてもよいし、回路基板に第2突起部を設けなくてもよい。
図7に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Aが保持部材3Aに矢印の方向に挿入されて保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Aと、保持部材3Aの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。第1の実施形態とは異なり、保持部材3Aの側壁部50A,60Aの第2支持部53A,63Aは、内側に折り曲げられて形成されている。回路基板2Aは矢印の方向から保持部材3Aに挿入されることによって、回路基板2Aの第1突起部11A,21Aが、側壁部50A,60Aのコの字状部51A,61Aに挟持されるとともに、回路基板2Aの実装面S1が第2支持部53A,63Aの下面と面接触して実装面S1が支持される。なお上述したように、図7において、第2支持部53A,63Aを設けなくてもよい。
また、図7では、保持部材3Aに第1支持部52A,62Aが設けられ、回路基板2Aの対向面を支持する構成を示しているが、第1支持部52A,62Aはなくてもよい。
上述した各実施形態に係る車載用回路基板保持構造では、保持部材のコの字状部が側壁部の基準面に沿って形成される場合について例示したが、コの字状部の向きは側壁部の基準面に沿った向きに限られない。例えば、コの字状部が上述した各実施形態とは異なり、内側を向くように(つまり、y軸から見てコの字状となるように)形成されていてもよい。その場合、コの字状部の位置は保持部材の端部に限られない。
第3の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図8を参照して説明する。図8は、第3の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Cによる回路基板2Cの保持態様を説明する斜視図である。
第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1では、保持部材3の側壁部50,60の第1支持部52,62、および、第2支持部53,63によって、それぞれ、回路基板2の実装面S1および対向面S2を支持する場合について例示したが、第1支持部および第2支持部を設けなくてもよい。つまり、コの字状部のみによって回路基板を支持するようにしてもよい。
図8に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Cが保持部材3Cに矢印の方向に挿入されて保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Cと、保持部材3Cの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。第1の実施形態とは異なり、保持部材3Cに第1支持部および第2支持部は形成されていない。回路基板2Cは矢印の方向から保持部材3Cに挿入されることによって、回路基板2Cの第1突起部11C,21Cが、側壁部50C,60Cのコの字状部51C,61Cに挟持される。この例では、コの字状部51C,61Cのみによって回路基板2Cを支持するため、コの字状部51C,61Cに挟持される第1突起部11C,21Cの長手方向の長さを比較的長くとっているが、この長さは適宜設定してよい。
本実施形態において、コの字状部51C,61Cは保持部材3Cの端部に設けなくてもよい。すなわち、コの字状部51C,61Cは保持部材3Cの長手方向の所望の位置に設けることができる。
なお、上述した各実施形態において、保持部材のコの字状部の位置が回路基板の第1ケーブルC1と長手方向で反対側に設けられている場合について例示したが、コの字状部は第1ケーブルC1と長手方向で同じ側に設けられていてもよい。
第4の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図9を参照して説明する。図9は、第4の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Fによる回路基板2Fの保持態様を説明する斜視図である。
第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1では、回路基板が矩形である場合について例示したが、回路基板は矩形に限られない。例えば回路基板は正方形でもよいし、台形であってもよい。
図9は回路基板が台形の場合の例を示している。図9に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Fが保持部材3Fに矢印の方向に挿入されて保持された後に、回路基板2Fと、保持部材3Fの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。
図9に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Fが保持部材3Fに保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Fと、保持部材3Fの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。第1の実施形態とは異なり、回路基板2Fは全体として台形形状で構成されているため、保持部材3Fのコの字状部51Fとコの字状部61F、および、第1突起部11Fと第1突起部21Fはそれぞれ、長手方向の長さが異なっている。
第5の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図10を参照して説明する。図10は、第5の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Gによる回路基板2Gの保持態様を説明する斜視図である。
第1の実施形態に係る車載用回路基板保持構造1では、回路基板が矩形である場合について例示したが、回路基板は矩形に限られない。例えば回路基板は円形あるいは楕円形であってもよい。
図10は回路基板が円形の場合の例を示している。図10に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Gが保持部材3Gに矢印の方向に挿入されて保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Gと、保持部材3Gの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。
本実施形態の保持部材3Gは、全体として立方体あるいは直方体の形態であり、矩形あるいは正方形の基部41Gに対して側壁部50G,60G,70Gが形成されている。回路基板2Gは側壁部70Gと対向する方向から保持部材3Gに挿入される。側壁部70Gには、円形の回路基板2Gの直径よりも短い幅のスリット700Gが開口しており、回路基板2Gがスリット700Gに嵌め込まれ、回路基板2Gの実装面S1が両面から挟み込むようにして保持される。
第6の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図11を参照して説明する。図11は、第6の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Hによる回路基板2Hの保持態様を説明する斜視図である。
本実施形態に係る車載用回路基板保持構造は、回路基板が円形あるいは楕円形である場合の回路基板の保持構造について第5の実施形態とは別の例を示す。
図11は回路基板が円形の場合の例を示している。図11に示すように、本実施形態の車載用回路基板保持構造では、回路基板2Hが保持部材3Hに矢印の方向に挿入されて保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Hと、保持部材3Hの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。
本実施形態の保持部材3Hには、基部41Hから上方に2個以上の突起30H(図11の例では、4個)が設けられる。保持部材3Hの突起30Hは、例えば切削加工によって成形される。この突起30Hは、上方にいくにつれて径が小さくなるようにテーパー形状となっている。一方、回路基板2Hの実装面S1には、2個以上の孔20H(図11の例では、4個)が設けられる。この孔20Hを保持部材3Hの突起30Hに上から嵌め込むことによって、回路基板2Hが保持部材3Hに保持される。
図11では円形の回路基板の場合を例示したが、本実施形態の保持方法は、回路基板の形態に関わらず適用することができる。すなわち、回路基板の形態に関わらず、回路基板に孔部を設け、保持部材に回路基板の孔部に対応する突起を設けることで、両者を結合することができる。なお、回路基板に突起を設け、保持部材に孔部を設けてもよい。
第7の実施形態に係る車載用回路基板保持構造について、図12を参照して説明する。図12は、第7の実施形態の車載用回路基板保持構造において、保持部材3Lによる回路基板2Lの保持態様を説明する斜視図である。
上述した各実施形態に係る車載用回路基板保持構造に用いられる保持部材は、導電性の平板を成形し、あるいはさらに切削加工することによって製造されるが、保持部材はこのような平板状の形態に限られない。
図12に示す保持部材3Lは、線状の導電性材料からなり、全体が回路基板2Lを挟持するような形態で成形されている。導電性材料としては、線状であっても回路基板2Lの特に捩り方向、および曲げ方向の強度を向上させることができるような材料(例えば、鋼等の金属又は、POM等の硬質樹脂)が選択される。保持部材3Lは、細線の金属材料をプレスすることで作製することができる。本実施形態の車載用回路基板保持構造は、回路基板2Lが保持部材3Lに矢印の方向に挿入されて保持された後に両者を半田付けし、回路基板2Lと、保持部材3Lの少なくとも一部とをモールド部材で覆うことによって製造される。
上述した各実施形態において、保持部材は導電性の材料に限られず、非導電性の材料を用いて成形してもよい。例えば硬度の高いプラスチック材料によって保持部材を成形することによって、金属等の導電性材料によって形成した場合と同程度の強度を確保することができる。
上述した各実施形態では、車両に搭載されるアンテナ装置に使用される回路基板を保持する構造である場合を例として説明したが、本発明の適用範囲はアンテナ装置に限定されず、本発明は他の用途の回路基板を保持するために利用することができる。
2…回路基板
S1…実装面
S2…対向面
11,21…第1突起部
12,22…第2突起部
3…保持部材
41…基部
41a…通過孔
42…傾斜部
43…延長部
43a…締結用孔
50,60…側壁部
50a,60a…通過孔
50b,60b…切欠き
50c,60c…開口
51,61…コの字状部
51a,61a…載置面
52,62…第1支持部
53,63…第2支持部
C1…第1ケーブル
C2…第2ケーブル
M1…モールド部材
Claims (8)
- アンテナ素子からの信号を処理するための回路基板と、
前記回路基板を、実装面の両面から挟み込むようにして保持する保持部材と、
前記回路基板と、前記保持部材の少なくとも一部とを覆うモールド部材と、
を備えた、車載用回路基板保持構造。 - 前記保持部材は、前記回路基板を挟持するコの字状部、を備えたことを特徴とする、
請求項1に記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記保持部材は、基部と、当該基部の端から基部に対して垂直に延びる側壁部と、を有し、
前記コの字状部が、前記側壁部に設けられていることを特徴とする、
請求項2に記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記保持部材は、前記回路基板の実装面又は対向面のいずれか一方の面を支持する支持部、を備えたことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記回路基板には、少なくとも一方の側面に前記保持部材によって回路基板を支持するための突起部、を備えたことを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記回路基板には、ケーブルが接続されており、
回路基板と前記保持部材との間には、側面視において前記ケーブルを通過させるための空隙が設けられていることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記回路基板にはケーブルが接続されており、実装面を基準とした場合に、前記保持部材の上端が、前記ケーブルの上端よりも高い位置に設けられていることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載された車載用回路基板保持構造。 - 前記保持部材には、前記モールド部材を成形するときにモールド部材の材料を通過させるための通過孔が設けられていることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれかに記載された車載用回路基板保持構造。
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