JP2015043267A - ワイヤハーネスの製造装置及びその製造方法 - Google Patents

ワイヤハーネスの製造装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】端子付電線の端部の配置位置に多少のばらつきが生じる場合においても、コネクタのキャビティへの端子挿入の不良を防ぐ。
【解決手段】端子付電線9の端部領域900を挟む第一挟持部21は、直線経路R0に沿って第一方向へ移動中に光センサが端子92を検知してから既定距離分だけさらに移動する。第二挟持部31は、第一方向に直交する第二方向に沿って端部領域900を挟み、第一挟持部21から端子付電線9の支持を受け継ぐ。第三挟持部4は、第一方向及び第二方向に直交する第三方向に沿って両側から端子92を挟み、第二挟持部31から一時的に端子92の支持を受け継いだ後に引き渡す。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の端子付電線と端子付電線各々の端子を内包するコネクタとを備えるワイヤハーネスの製造装置及びその製造方法に関する。
自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスは、複数の端子付電線と端子付電線各々の端子を内包するコネクタとを備える場合が多い。端子付電線は、電線及びその電線の端部に接続された端子を有する。コネクタには、それぞれ端子付電線の端子を収容する複数のキャビティが形成されている。
ワイヤハーネスの製造工程において、複数の端子付電線各々の端子が、コネクタにおける複数のキャビティ各々に挿入される。例えば、特許文献1が示すように、ワイヤハーネスの製造工程において、端子付電線の端子をコネクタのキャビティに挿入する装置が用いられる。
特許文献1が示す装置は、ハウジング(コネクタ)を保持する保持治具を水平方向及び鉛直方向に移動させる移動支持部を備える。移動支持部は、端子収容室(キャビティ)が端子の挿入方向に沿うようにハウジングを位置決めする。
さらに、特許文献1が示す装置は、複数対の挟持部材を有する棒状の竿を備え、挟持部材は、端子付電線の電線を挟む。さらに、特許文献1が示す装置は、端子付電線における端子及び電線を挟み持って移動させる挿入ユニットを備える。
なお、竿の挟持部材は、端子付電線の電線における端子寄りの部分を弾性力によって挟んで留める電線留め部の一例である。
特許文献1が示す装置において、挿入ユニットは、端子付電線の端子及び電線をチャックするチャックユニットとそれらチャックユニットを鉛直方向及び挿入方向に沿って移動させる移動ユニットとを備える。挿入ユニットは、挟持部材から端子付電線を取り外すとともに、取り外した端子付電線の端子を、移動支持部によって位置決めされたハウジング(コネクタ)の端子収容室(キャビティ)に挿入する。
さらに、特許文献1が示す装置において、1つのハウジングに対する複数の端子の挿入が完了すると、チャックユニットが端子付電線の電線をチャックした状態のまま、移動支持部が保持治具を下降させる。これにより、ハウジング(コネクタ)が保持治具から離脱する。
特開2009−64722号公報
ところで、特許文献1が示す装置は、端子付電線の端部が、竿の挟持部材(電線留め部)によって予め定められた初期位置に十分に高い位置精度で配置されていることを前提としている。従って、挟持部材が端子付電線を挟む位置のばらつきなどにより、初期位置における端子付電線の端部の配置位置にばらつきが生じると、ハウジング(コネクタ)の端子収容室(キャビティ)への端子挿入の不良が生じやすい。
また、端子を異なる方向から撮影する複数のカメラ及びカメラの画像を処理して端子の位置を検出する画像処理装置などを採用することは、装置の調整の複雑化及び高コスト化に繋がるため好ましくない。
本発明は、予め定められた初期位置における端子付電線の端部の配置位置に多少のばらつきが生じる場合においても、比較的簡易な構成によって端子付電線の端子を正しく位置決めし、コネクタのキャビティへの端子挿入の不良を防ぐことを目的とする。
第1態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、それぞれ電線及び上記電線の端部に接続された端子を有する複数の端子付電線と上記端子付電線各々の上記端子を収容する複数のキャビティが形成されたコネクタとを備えるワイヤハーネスを製造する装置である。第1態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、以下に示される各構成要素を備える。
(1)第1の構成要素は、上記端子付電線における上記端子から上記電線の上記端子寄りの部分に亘る端部領域の一部を挟み持つ第一挟持部である。この第一挟持部は、予め定められた起点位置において、上記端子の先端が第一方向を向く状態の上記端子付電線における上記端部領域の一部を、上記第一方向に直交する第二方向に沿って両側から挟み持つ。
(2)第2の構成要素は、検出光を出力する発光部及び上記検出光を受光する受光部を有し、上記検出光を遮る物体を検知する光センサである。上記発光部は、上記第一方向及び上記第二方向に直交する第三方向から見て上記起点位置を通る直線経路に直交する平面に沿って上記検出光を出力する。
(3)第3の構成要素は、上記第一挟持部を移動させることによって上記端子付電線の上記端部領域を予め定められた第一中継位置へ移動させる第一挟持部移送機構である。この第一挟持部移送機構は、上記第一挟持部を上記直線経路に沿って上記第一方向へ移動させ、その移動の途中で上記光センサが上記端子を検知してから予め定められた距離分だけさらに上記第一挟持部を上記第一方向へ移動させる動作を少なくとも行う。これにより、上記第一挟持部移送機構は、上記端子付電線の上記端部領域を上記第一中継位置へ移動させる。
(4)第4の構成要素は、上記第一中継位置において上記第一挟持部が挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部及び上記電線の一部の各々を上記第二方向に沿って両側から挟み持つ第二挟持部である。この第二挟持部は、上記第一中継位置において上記第一挟持部から上記端子付電線の支持を受け継ぐ。
(5)第5の構成要素は、上記第二挟持部が挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部を上記第三方向に沿って両側から挟み持つ第三挟持部である。この第三挟持部は、上記端子付電線の上記端子の支持を上記第二挟持部から一時的に受け継いだ後に上記第二挟持部へ引き渡す。
(6)第6の構成要素は、上記第二挟持部が上記第三挟持部から受け継いで挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部及び上記電線の一部の各々を挟み持つ第四挟持部である。この第四挟持部は、上記第二挟持部から上記端子付電線の支持を受け継ぐ。
(7)第7の構成要素は、上記第四挟持部が上記第二挟持部から上記端子付電線の支持を受け継いだ位置と予め設定された上記コネクタ各々の上記キャビティの位置との比較により定まる移動手順に従って上記第四挟持部を移動させる第四挟持部移送機構である。この第四挟持部移送機構は、上記移動手順に従って上記第四挟持部を移動させることにより、上記端子付電線の上記端子を上記コネクタ各々の上記キャビティに挿入する。
第2態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、第1態様に係るワイヤハーネスの製造装置の一態様である。第2態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、上記第二挟持部及び上記第三挟持部の少なくとも一方を上記第一方向に沿って移動させる第二第三挟持部位置関係変更機構をさらに備える。これにより、上記第二第三挟持部位置関係変更機構は、上記第二挟持部が挟み持つ上記端子付電線の上記端子と上記第三挟持部との位置関係を、第一位置関係と第二位置関係との間で変化させる。上記第一位置関係は、上記第三挟持部が上記第一方向において上記端子から離れている位置関係である。上記第二位置関係は、上記端子が上記第三挟持部の挟み位置に位置する位置関係である。第2態様において、上記第一挟持部移送機構は、上記第一挟持部を上記第三方向へ予め定められた距離だけ移動させた後に上記直線経路に沿って上記第一方向へ移動させ、さらに上記第三方向の反対方向へ予め定められた距離だけ移動させる。これにより、上記第一挟持部移送機構は、上記端子付電線の上記端部領域を上記第一中継位置へ移動させる。
第3態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、第1態様又は第2態様に係るワイヤハーネスの製造装置の一態様である。第3態様に係るワイヤハーネスの製造装置は、以下に示される第二挟持部移送機構とコネクタ配列部材移送機構とをさらに備える。上記第二挟持部移送機構は、上記第二挟持部を上記第二方向に沿って移動させる。これにより、上記第二挟持部移送機構は、上記第二挟持部を、上記第三挟持部から上記端子の支持を受け継ぐ予め定められた第二中継位置と、上記第四挟持部へ上記端子付電線の支持を引き渡す予め定められた第三中継位置との間で移動させる。上記コネクタ配列部材移送機構は、複数のコネクタを少なくとも一列に並ぶ状態で支持するコネクタ配列部材を、複数の上記コネクタが上記第二方向に沿って並ぶ状態で支持するとともに上記第二方向に沿って移動させる機構である。上記コネクタ配列部材移送機構は、上記コネクタ配列部材を移動させることにより、上記コネクタ各々の上記キャビティ各々を選択的に上記第二方向において上記第三中継位置に揃う終点位置に位置決めする。この場合、上記第四挟持部移送機構は、上記第三中継位置から上記終点位置へ上記第一方向及び上記第三方向に沿う平面に沿って上記第四挟持部を移動させる。
第4態様に係るワイヤハーネの製造方法は、複数の上記端子付電線と上記コネクタとを備えるワイヤハーネスを製造する方法である。第4態様に係るワイヤハーネの製造方法は、以下に示される各工程を含む。
(1)第1の工程は、上記端子付電線における上記端子から上記電線の上記端子寄りの部分に亘る端部領域の一部を、第一挟持部が挟み持つ工程である。この第一挟持部は、予め定められた起点位置において、上記端子の先端が第一方向を向く状態の上記端子付電線における上記端部領域の一部を、上記第一方向に直交する第二方向に沿って両側から挟み持つ。
(2)第2の工程は、検出光を出力する発光部及び上記検出光を受光する受光部を有する光センサにより、上記検出光を遮る物体を検知する工程である。上記発光部は、上記第一方向及び上記第二方向に直交する第三方向から見て上記起点位置を通る直線経路に直交する平面に沿って上記検出光を出力する。
(3)第3の工程は、上記第一挟持部を移動させる機構が、上記端子付電線の上記端部領域を予め定められた中継位置へ移動させる工程である。上記第一挟持部を移動させる機構は、上記第一挟持部を上記直線経路に沿って上記第一方向へ移動させ、その移動の途中で上記光センサが上記端子を検知してから予め定められた距離分だけさらに上記第一挟持部を上記第一方向へ移動させる。これにより、上記端子付電線の上記端部領域が上記中継位置へ移動する。
(4)第4の工程は、上記中継位置において上記第一挟持部が挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部及び上記電線の一部の各々を、第二挟持部が上記第二方向に沿って両側から挟み持つ工程である。本工程において、上記第二挟持部は、上記第一挟持部から上記端子付電線の支持を受け継ぐ。
(5)第5の工程は、上記第二挟持部が挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部を、第三挟持部が上記第三方向に沿って両側から一時的に挟み持つ工程である。本工程において、上記第三挟持部は、上記端子付電線の上記端子の支持を上記第二挟持部から一時的に受け継いだ後に上記第二挟持部へ引き渡す。
(6)第6の工程は、上記第二挟持部が上記第三挟持部から受け継いで挟み持つ上記端子付電線の上記端部領域における上記端子の一部及び上記電線の一部の各々を、第四挟持部が挟み持つ工程である。本工程において、上記第四挟持部は、上記第二挟持部から上記端子付電線の支持を受け継ぐ。
(7)第7の工程は、上記第四挟持部を移動させる機構が、上記第四挟持部を移動させることにより、上記端子付電線の上記端子を上記コネクタ各々の上記キャビティに挿入する工程である。本工程において、上記第四挟持部を移動させる機構は、上記第四挟持部が上記第二挟持部から上記端子付電線の支持を受け継いだ位置と予め設定された上記コネクタ各々の上記キャビティの位置との比較により定まる移動手順に従って上記第四挟持部を移動させる。
以下の説明において、起点位置に配置される端子付電線の端子の位置のばらつきのうち、第一方向、第二方向及び第三方向各々における位置のばらつきのことを、それぞればらつきの第一成分、第二成分及び第三成分と称する。
上記の各態様によれば、光センサが、直線経路に沿って第一方向へ移動する端子付電線の端子の先端が検出光の位置に到達したことを検知する。そして、端子付電線の端部領域は、光センサが端子を検知した位置から予め定められた距離分だけさらに第一方向へ移動して中継位置(第一中継位置)に到達する。これにより、起点位置における端子の位置のばらつきの第一成分は、中継位置(第一中継位置)に到達した時点において解消されている。
さらに、上記の各態様によれば、端子付電線の支持を受け継ぐ第二挟持部が、端子付電線の端部領域における端子の一部及び電線の一部を第二方向に沿って両側から挟み持つ。これにより、起点位置における端子の位置のばらつきの第二成分は、第二挟持部が端子付電線の支持を受け継いだ時点において解消される。
さらに、上記の各態様によれば、端子付電線の端子の支持を一時的に受け継ぐ第三挟持部が、端子付電線の端子の一部を第三方向に沿って両側から挟み持つ。これにより、起点位置における端子の位置のばらつきの第三成分は、第三挟持部が端子の支持を受け継いだ時点において解消される。
以上のようにして端子の位置のばらつきが解消された後、第四挟持部は、第二挟持部から端子付電線の端部領域の支持を受け継ぎ、受け継いだ位置と予め設定されたコネクタ各々のキャビティの位置との比較により定まる移動手順に従って移動する。これにより、端子付電線の端子がキャビティ内に正常に挿入される。
従って、上記の各態様によれば、起点位置(予め定められた初期位置)における端子付電線の端部の配置位置に多少のばらつきが生じる場合においても、端子付電線の端子を正しく位置決めし、コネクタのキャビティへの端子挿入の不良を防ぐことができる。
さらに、上記の各態様は、複数のカメラ及び画像処理装置などの調整が複雑で高コストの装置を要することなく、透過型の光センサ及び機械的な機構を含む比較的簡易な構成によって実現可能である。
ところで、端子付電線の端部領域は、起点位置において、電線を第二方向に沿って両側から挟んで留める電線留め部によって支持されることが考えられる。この場合、端子付電線の端部領域を電線留め部から取り外すために、第一挟持部を少なくとも第一方向及び第三方向の各々に沿って移動させる機構(第一挟持部移送機構)が必要となる。
そして、第2態様においては、第一挟持部が第一方向及び第三方向の各々に沿って移動し、第二挟持部及び第三挟持部の少なくとも一方が第一方向に沿って移動する。後述するように、このような移動を実現する機構は、相互に干渉することなくコンパクトに配置することが可能である。
また、第3態様においては、第二挟持部は、第三挟持部から端子の支持を受け継ぐ既定の位置(第二中継位置)と第四挟持部へ端子付電線の支持を引き渡す既定の位置(第三中継位置)との間で第二方向に沿って移動する。さらに、コネクタのキャビティは、第四挟持部が第二挟持部から端子付電線の支持を受け継ぐ既定の位置(第三中継位置)に対し第二方向において揃う位置(終点位置)に位置決めされる。
従って、第3態様によれば、第一挟持部から受け渡された端子付電線の端子をコネクタのキャビティに挿入する機構を、3次元の移送機構を要することなく比較的簡易な機構の組合せにより実現可能である。即ち、端子をキャビティに挿入する機構を、コネクタの各々を移動させる一次元の移送機構(コネクタ配列部材移送機構)と、第二挟持部を移動させる一次元もしくは二次元の移送機構(第二挟持部移送機構、又は第二挟持部移送機構及び第二第三挟持部位置関係変更機構の組合せ)と、第四挟持部を移動させる二次元の移送機構(第四挟持部移送機構)との組合せにより実現可能である。
さらに、第3態様によれば、後述するように、第一挟持部及び第四挟持部の各々を移動させる二次元の移送機構が干渉することなく並行して動作することができ、ワイヤハーネスの生産効率が高まる。
実施形態に係るワイヤハーネス製造装置100の概略斜視図である。 ワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 作動位置移行工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 挟持開始工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第一移送一次工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第一移送二次工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第一受け渡し工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第二移送工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第二受け渡し工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第三移送工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第三受け渡し工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第四移送一次工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 第四移送二次工程を行うワイヤハーネス製造装置100の概略平面図である。 電線配列部材に留められた端子付電線の端部の平面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<ワイヤハーネスの製造装置>
まず、図1,2を参照しつつ、実施形態に係るワイヤハーネス製造装置100の構成について説明する。ワイヤハーネス製造装置100は、複数の端子付電線9とコネクタ8とを備えるワイヤハーネスを製造する装置である。特に、本実施形態におけるワイヤハーネス製造装置100は、複数の端子付電線9と複数のコネクタ8とを備えるワイヤハーネスを製造する装置である。
なお、便宜上、図1及び図2の相互間において、各構成要素の表示は、形状及び大きさなどの詳細については必ずしも整合していない。また、図2において、図1に示される一部の機構の表示が省略されている。
ワイヤハーネス製造装置100は、電線配列部材移送機構1、端子挿入機構2〜5、コネクタ配列部材移送機構6、光センサ7及び制御部10を備えている。また、端子挿入機構2〜5は、第一挟持部関連機構2、第二挟持部関連機構3、第三挟持部4及び第四挟持部関連機構5を含む。
<端子付電線>
端子付電線9各々は、電線91及び電線91の端部に接続された端子92を有する。電線91は、線状の導体及びその導体の周囲を覆う絶縁被覆を有する絶縁電線である。端子92は、金属などの導電性の部材である。本実施形態における端子92は、圧着端子であり、電線91の導体に圧着された導体圧着部と、電線91の絶縁被覆の部分に圧着された被覆圧着部とを有する。
<コネクタ>
コネクタ8各々は、端子付電線9各々の端子92を収容する複数のキャビティ81が形成された部材である。コネクタ8の外形をなす本体は非導電性の部材であり、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、又はポリアミド(PA)などの合成樹脂の部材である。また、コネクタ8が、キャビティ81に挿入された端子付電線9の端子92と接触する不図示のバスバーを本体内に内包している場合もある。
<電線配列部材移送機構>
電線配列部材移送機構1は、電線配列部材90を取り外し可能に保持しつつ移動させる機構である。電線配列部材90は、長尺な基部901と、基部901から起立して形成された複数の電線留め部902とを有している。電線留め部902各々は、端子付電線9の電線91における端子92寄りの部分を弾性力によって挟んで留める一対の部材を含む。
複数の電線留め部902は、基部901において一列に並んで形成されている。また、電線配列部材90において、電線留め部902各々は、端子付電線9各々の端子92の先端が同じ方向を向く状態で、端子付電線9各々の電線91を挟んで留めている。電線留め部902の配列方向は、端子付電線9各々の端子92の先端が向く方向に直交する方向である。
例えば、電線留め部902の一対の部材は、それら自体が弾性変形可能な部材であり、弾性変形により生じる弾性力によって電線91を挟んで留める。或いは、電線留め部902の一対の部材は、不図示のバネなどの弾性体によって相互に近接する方向への弾性力が加えられている。
通常、電線配列部材90に留められた端子付電線9各々は、その両端部各々に端子92が接続されている。そして、電線配列部材90は、複数の端子付電線9の両端部各々における電線91の部分を電線留め部902で支持している。従って、電線配列部材90は、端子付電線9の本数の2倍の箇所において、電線留め部902によって電線91を挟んでいる。
電線配列部材移送機構1は、固定座11とリニアアクチュエータ12とを備えている。固定座11は、電線配列部材90を取り外し可能に保持する部分である。固定座11には、電線配列部材90を保持するとともに、その保持を解除可能な構造を有する電線配列部材ロック機構111が設けられている。電線配列部材ロック機構111としては、例えば係り合い構造によって相手部材を保持すること、及びその保持を解除することが可能な周知のロック機構が採用され得る。
なお、図2においては、電線配列部材ロック機構111の表示は省略されている。
以下の説明において、電線配列部材90が固定座11に保持された状態において電線配列部材90に支持された端子付電線9各々の端子92の先端が向く方向を第一方向と称する。本実施形態では、第一方向は水平方向である。
また、電線配列部材90が固定座11に保持された状況下において電線留め部902の配列方向に沿う一の方向のことを第二方向と称する。第二方向は第一方向に直交する。本実施形態では、第二方向も水平方向である。各図に示される座標軸において、X軸正方向が第一方向であり、Y軸正方向が第二方向である。
従って、固定座11は、電線配列部材90に支持された端子付電線9各々の端子92の先端が第一方向を向くとともに電線留め部902の配列方向が第一方向に直交する第二方向に沿う状態で保持する。
リニアアクチュエータ12は、固定座11を第二方向に沿って、即ち、Y軸方向に沿って移動させる。リニアアクチュエータ12は、固定座11を第二方向に沿って移動させることにより、電線配列部材90の電線留め部902各々を選択的に予め定められた起点位置P0に位置決めする。リニアアクチュエータ12は、例えば、周知のボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
電線配列部材90が固定座11に保持された状態において、電線留め部902各々の位置、即ち、電線留め部902に留められた電線91各々の位置は既知である。例えば、複数の電線留め部902が固定座11の基準位置から等間隔で一列に並んでいることが考えられる。この場合、目的の電線留め部902が端から何番目であるかを示す番号が指定されれば、目的の電線留め部902及びそれに留められている電線91を起点位置P0へ移動させるためのリニアアクチュエータ12の動作量(固定座11の移送方向及び移送距離)が定まる。
図2が示すように、電線配列部材移送機構1は、電線配列部材90全体が起点位置P0から外れる第一待避位置A1と電線配列部材90の一部が起点位置P0に位置する第一作動位置A2とに亘る範囲で、電線配列部材90を第一方向に沿って移動させることができる。
複数の端子付電線9の端部を支持する電線配列部材90、即ち、電線配列部材90のモジュールは、例えば、1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスごとに用意される。
ワイヤハーネス製造装置100が実行する工程よりも前の工程において、端子付電線9各々の端部が、手作業により、又は他の装置によって電線配列部材90の電線留め部902各々に留められる。そして、電線配列部材90のモジュールは、他の工程の場所からワイヤハーネス製造装置100の場所まで搬送され、電線配列部材移送機構1に装着される。
図14は、電線配列部材90に留められた端子付電線9の端部の平面図である。図14が示すように、電線配列部材90のモジュールにおいて、電線留め部902各々が端子付電線9の電線91を挟む位置のばらつきが生じ得る。図14におけるΔx1及びΔx2は、端子付電線9の端部における電線留め部902から張り出した部分の長さのばらつきを表す。
電線留め部902各々が端子付電線9の電線91を挟む位置のばらつきの原因は、例えば、端子付電線9の端部を電線留め部902に留める工程のばらつき、或いは電線配列部材90の搬送中に端子付電線9に加わる外力による位置ずれなどである。
電線留め部902各々が電線91を挟む位置のばらつきは、電線配列部材移送機構1によって起点位置P0に配置された端子付電線9の端部の位置のばらつきとなる。また、電線留め部902の深さ方向における電線91の位置のばらつきも考えられる。さらに、電線91の端部に対する端子92の接続精度のばらつきにより、端子92が電線91の長手方向に対してわずかに傾斜している場合がある。その傾斜のばらつきも、端子92の位置のばらつきとなり得る。
後述するように、ワイヤハーネス製造装置100は、そのような端子付電線9の端部の位置のばらつきを、端子付電線9の端子92がコネクタ8のキャビティ81に到達する前に修正する機能を備えている。
以下の説明において、端子付電線9における端子92から電線91の端子92寄りの部分に亘る領域のことを端部領域900と称する。
<コネクタ配列部材移送機構>
コネクタ配列部材移送機構6は、コネクタ配列部材80を取り外し可能に保持しつつ移動させる機構である。コネクタ配列部材80は、複数のコネクタ8各々を取り外し可能な状態で保持する不図示の保持機構を有している。
コネクタ配列部材80は、複数のコネクタ8を少なくとも一列に並ぶ状態で支持する。図1,2が示す例では、コネクタ配列部材80は、複数のコネクタ8を一列に並ぶ状態で支持している。しかしながら、コネクタ配列部材80が、2段以上に積み重なり各段ごとに一列に並んだ複数のコネクタ8を支持していることも考えられる。
コネクタ配列部材80は、複数のコネクタ8をそれらのキャビティ81の入口が同じ方向を向く状態で支持する。より具体的には、コネクタ配列部材80は、複数のコネクタ8各々のキャビティ81の入口が同じ方向を向くとともに、コネクタ8の配列方向がキャビティ81各々の入口が向く方向に対して直交する状態で、複数のコネクタ8を支持している。
コネクタ配列部材移送機構6は、固定座61とリニアアクチュエータ62とを備えている。固定座61は、コネクタ配列部材80を取り外し可能に保持する部分である。固定座61には、コネクタ配列部材80を保持するとともに、その保持を解除可能な構造を有するコネクタ配列部材ロック機構611が設けられている。コネクタ配列部材ロック機構611は、例えば、電線配列部材ロック機構111と同様のロック機構が採用される。
固定座61は、コネクタ配列部材80に支持された複数のコネクタ8が電線留め部902の配列方向に平行に並ぶ状態で、コネクタ配列部材80を取り外し可能に保持する。この場合、固定座61は、複数のコネクタ8が第二方向に沿って並び、かつ、複数のコネクタ8のキャビティ81各々の入口が第一方向の反対方向(X軸負方向)に向く状態でコネクタ配列部材80を保持する。
なお、図2が示す例では、コネクタ配列部材80の固定座61は、コネクタ8が嵌め入れられた構造を有しているが、図2においてはその構造の表示は省略されている。さらに、図2においては、コネクタ配列部材ロック機構611の表示も省略されている。
リニアアクチュエータ62は、固定座61を第二方向に沿って、即ち、Y軸方向に沿って移動させる。リニアアクチュエータ62は、固定座61を第二方向に沿って移動させることにより、コネクタ配列部材80が支持するコネクタ8各々のキャビティ81各々を選択的に予め定められた終点位置P4に位置決めする。リニアアクチュエータ62は、例えば、周知のボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
終点位置P4は、第二方向における位置である。終点位置P4は、第二方向において後述する第三中継位置P3に揃う位置である。即ち、終点位置P4を表す第二方向における座標P4yは、第三中継位置P3の第二方向における座標と一致する。
コネクタ配列部材80が固定座61に保持された状態において、コネクタ8各々のキャビティ81各々の位置は既知である。コネクタ配列部材80上におけるキャビティ81各々の位置は、固定座61におけるコネクタ8各々が保持された位置と、コネクタ8各々の形状の仕様とによって定まる。
例えば、制御部10において、コネクタ8各々におけるキャビティ81各々の識別コードと識別コード各々に対応した固定座61上の位置データとが予め設定されている。この場合、目的のキャビティ81の識別コードが指定されれば、識別コードに対応するキャビティ81の第二方向における位置データを参照することにより、目的のキャビティ81を終点位置P4へ移動させるためのリニアアクチュエータ62の動作量(固定座61の移送方向及び移送距離)が定まる。
なお、目的のキャビティ81は、端子92の挿入先であり、コネクタ配列部材80に支持された複数のコネクタ8各々の複数のキャビティ81から順次選択される。終点位置P4において、複数のキャビティ81が第三方向に沿って並んで形成されている場合、目的のキャビティ81は第三方向に沿って並ぶ複数のキャビティ81のうちの1つである。
図2が示すように、コネクタ配列部材移送機構6は、コネクタ配列部材80全体が終点位置P4から外れる第二待避位置A3とコネクタ配列部材80の一部が終点位置P4に位置する第二作動位置A4とに亘る範囲で、コネクタ配列部材80を第一方向に沿って移動させることができる。
図2が示すように、第一作動位置A2から見た第一待避位置A1の方向は、第二作動位置A4から見た第二待避位置A3の方向と同じである。本実施形態では、第二待避位置A3は、第一待避位置A1から見て第一方向(X軸正方向)に位置している。
複数のコネクタ8を支持するコネクタ配列部材80、即ち、コネクタ配列部材80のモジュールは、例えば、1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスごとに用意される。
ワイヤハーネス製造装置100が実行する工程よりも前の工程において、複数のコネクタ8が、コネクタ8各々の形状の仕様に応じて予め作製されたコネクタ配列部材80に取り付けられる。そして、コネクタ配列部材80のモジュールは、他の工程の場所からワイヤハーネス製造装置100の場所まで搬送され、コネクタ配列部材移送機構6に装着される。
<光センサ>
光センサ7は、透過型の光学センサであり、発光部71及び受光部72を有している。発光部71は、第一方向及び第二方向に直交する第三方向から見て起点位置P0を通る直線経路R0に直交する平面に沿って検出光73を出力する。検出光73は、平面に沿うシート光である。
なお、各図に示される座標軸において、Z軸正方向が第三方向である。本実施形態では、第三方向は鉛直上方向である。
光センサ7の受光部72は、検出光73を受光する。光センサ7は、受光部72の受光レベルが予め設定されたレベルを下回るか否かを検知することにより、検出光73を遮る物体を検知するセンサである。ワイヤハーネス製造装置100において、光センサ7は、検出光73を遮る端子付電線9の端子92の先端部分を検知する。
<端子挿入機構>
端子挿入機構2〜5は、端子付電線9の端子92を終点位置P4に位置する目的のキャビティ81に挿入する機構である。端子挿入機構2〜5は、端子付電線9の端部領域900の一部を挟み持って移動させることにより、起点位置P0の電線留め部902から端子付電線9の端部領域900を取り外すとともに、取り外した端子付電線9の端部領域900の端子92を、終点位置P4に位置する目的のキャビティ81に挿入する。
なお、図2においては、便宜上、端子挿入機構2〜5に関し、端子付電線9の端部領域900の一部を挟み持つ部分のみが模式的に表示され、その他の機構の表示は省略されている。
<第一挟持部関連機構>
端子挿入機構2〜5の第一挟持部関連機構2は、端子付電線9における端部領域900の一部を挟み持って移動させることにより、端部領域900を起点位置P0から予め定められた第一中継位置P1へ移動させる機構である。
第一挟持部関連機構2は、第一挟持部21、第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23を含む。
第一挟持部21は、起点位置P0において、端子92の先端が第一方向を向く状態の端子付電線9における端部領域900の一部を、第二方向に沿って両側から挟み持つ機構である。
第一挟持部21は、一対の第一対向部材211と、一対の第一対向部材211を第二方向(Y軸方向)に沿って相互に近接及び離隔させる第一離接アクチュエータ212とを有している。
一対の第一対向部材211各々は、根元部から2分岐した分岐部を有している。そして、一対の第一対向部材211の分岐部が、端子付電線9の電線91における電線留め部902が挟む部分の両側の2箇所を挟んで支持する。
第一離接アクチュエータ212は、一対の第一対向部材211を第二方向に沿って相互に近接又は離隔させる。これにより、第一離接アクチュエータ212は、一対の第一対向部材211の状態を、電線91を挟み持つ状態と電線91の挟持を解除する状態とのいずれかに切り替える。第一離接アクチュエータ212は、例えばソレノイドアクチュエータ又はボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
第一挟持部関連機構2の第三方向移送機構22は、第一挟持部21を第三方向に沿って移動させる機構である。また、第一挟持部関連機構2の第一方向移送機構23は、第一挟持部21を第一方向に沿って移動させる機構である。
第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23は、起点位置P0を通り、かつ、第一方向及び第三方向に沿う平面に沿って第一挟持部21を移動させる。従って、第一中継位置P1は、起点位置P0を通り、かつ、第一方向及び第三方向に沿う平面内に存在する。
本実施形態においては、第三方向移送機構22が第一挟持部21を直接支持しつつ第三方向に沿って移動させ、第一方向移送機構23が第三方向移送機構22を支持しつつ第一方向に沿って移動させる。
例えば、第一方向移送機構23は、第三方向移送機構22を第一方向に沿って移動可能に支持するスライド支持部231と、第三方向移送機構22を第三方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ232とを備えている。第三方向移送機構22及びリニアアクチュエータ232は、例えば、周知のボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23が端子付電線9の端部領域900を起点位置P0から第一中継位置P1まで移動させる途中で、第一方向移送機構23は、直線経路R0に沿って端子付電線9の端部領域900を移動させる。第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23のより具体的な動作については後述する。
なお、第一挟持部関連機構2の第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23は、第一挟持部21を移動させることによって端子付電線9の端部領域900を第一中継位置P1へ移動させる第一挟持部移送機構の一例である。
<第二挟持部関連機構>
端子挿入機構2〜5の第二挟持部関連機構3は、第一中継位置P1において端子付電線9の端部領域900の支持を第一挟持部21から受け継ぐ機構である。さらに、第二挟持部関連機構3は、第三挟持部4との間で一時的に端子付電線9の端子92の支持の受け渡しを行った後に、第四挟持部関連機構5へ端子付電線9を引き渡す。
第二挟持部関連機構3は、第二挟持部31、第一方向移送機構32及び第二方向移送機構33を含む。
第二挟持部31は、第一中継位置P1において第一挟持部21が挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部及び電線91の一部の各々を第二方向(Y軸方向)に沿って両側から挟み持つ。そして、第二挟持部31は、第一中継位置P1において第一挟持部21から端子付電線9の端部領域900の支持を受け継ぐ。
第二挟持部31は、前第二挟持部31aと後第二挟持部31bとを含む。前第二挟持部31a及び後第二挟持部31bの各々は、一対の第二対向部材311と、一対の第二対向部材311を第二方向(Y軸方向)に沿って相互に近接及び離隔させる第二離接アクチュエータ312とを有している。
前第二挟持部31aの一対の第二対向部材311は、端子付電線9の端部領域900における端子92の一部を挟んで支持する。一方、後第二挟持部31bの一対の第二対向部材311は、端子付電線9の端部領域900における電線91の一部を挟んで支持する。
第二挟持部31は、前第二挟持部31a及び後第二挟持部31bを有しているため、端子付電線9の端子92を挟み持つ動作及びその挟持を解除する動作と、端子付電線9の電線91を挟み持つ動作及びその挟持を解除する動作とを個別に行うことができる。
第二離接アクチュエータ312は、一対の第二対向部材311を第二方向に沿って相互に近接又は離隔させる。これにより、第二離接アクチュエータ312は、一対の第二対向部材311の状態を、端子付電線9の端部領域900を挟み持つ状態と端部領域900の挟持を解除する状態とのいずれかに切り替える。第二離接アクチュエータ312は、例えばソレノイドアクチュエータ又はボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
第二挟持部関連機構3の第一方向移送機構32は、第二挟持部31を第一方向に沿って移動させる機構である。また、第二挟持部関連機構3の第二方向移送機構33は、第二挟持部31を第二方向に沿って移動させる機構である。
第一方向移送機構32は、第二挟持部31を第一中継位置P1から予め定められた第二中継位置P2へ移動させる。また、第二方向移送機構33は、第二挟持部31を第二中継位置P2から予め定められた第三中継位置P3へ移動させる。さらに、第一方向移送機構32及び第二方向移送機構33は、第二挟持部31を第三中継位置P3から第一中継位置P1へ移動させる。
本実施形態においては、第一方向移送機構32は、第二挟持部31を第一方向に沿って移動可能に支持するスライド支持部321と、スライド支持部321を第一方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ322とを備えている。
さらに、本実施形態において、第二方向移送機構33は、第二挟持部31及び第一方向移送機構32を第二方向に沿って移動可能に支持するスライド支持部331と、スライド支持部331を第二方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ332とを備えている。
<第三挟持部>
端子挿入機構2〜5の第三挟持部4は、予め定められた第二中継位置P2において、第二挟持部31が挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部を第三方向に沿って両側から挟み持つ。この第三挟持部4は、端子付電線9の端子92の支持を、第二挟持部31から一時的に受け継いだ後に第二挟持部31へ引き渡す。
第三挟持部4は、一対の第三対向部材41と、一対の第三対向部材41を第三方向(Z軸方向)に沿って相互に近接及び離隔させる第三離接アクチュエータ42とを有している。本実施形態においては、第三挟持部4は固定されている。
一対の第三対向部材41は、端子付電線9の端部領域900における端子92の一部を挟んで支持する。
第三離接アクチュエータ42は、一対の第三対向部材41を第三方向に沿って相互に近接又は離隔させる。これにより、第三離接アクチュエータ42は、一対の第三対向部材41の状態を、端子付電線9の端子92を挟み持つ状態と端子92の挟持を解除する状態とのいずれかに切り替える。第三離接アクチュエータ42は、例えばソレノイドアクチュエータ又はボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
なお、第二挟持部関連機構3の第一方向移送機構32は、第二挟持部31及び第三挟持部4の少なくとも一方を第一方向に沿って移動させる第二第三挟持部位置関係変更機構の一例である。
即ち、第一方向移送機構32は、第二挟持部31が挟み持つ端子付電線9の端子92と第三挟持部4との位置関係を、第一位置関係と第二位置関係との間で変化させる。第一位置関係は、第三挟持部4が第一方向において端子92から離れている位置関係である。第二位置関係は、端子92が第三挟持部4の挟み位置に位置する位置関係である。
本実施形態においては、端子付電線9の端部領域900が第一中継位置P1に位置するときに、端子92と第三挟持部4との位置関係が第一位置関係となる。また、端子付電線9の端部領域900が第二中継位置P2に位置するときに、端子92と第三挟持部4との位置関係が第二位置関係となる。
<第四挟持部関連機構>
端子挿入機構2〜5の第四挟持部関連機構5は、予め定められた第三中継位置P3において端子付電線9の端部領域900の支持を第二挟持部31から受け継ぐ機構である。さらに、第四挟持部関連機構5は、端子付電線9の端部領域900を挟み持って移動させることにより、端子付電線9の端子92を終点位置P4に位置するコネクタ8のキャビティ81に挿入する。
第四挟持部関連機構5は、第四挟持部51、第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53を含む。
第四挟持部51は、第三中継位置P3において、第二挟持部31が第三挟持部4から受け継いで挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部及び電線91の一部の各々を挟み持つ。そして、第四挟持部51は、第三中継位置P3において第二挟持部31から端子付電線9の端部領域900の支持を受け継ぐ。
第四挟持部51は、前第四挟持部51aと後第四挟持部51bとを含む。前第四挟持部51a及び後第四挟持部51bの各々は、一対の第四対向部材511と、一対の第四対向部材511を第二方向(Y軸方向)に沿って相互に近接及び離隔させる第四離接アクチュエータ512とを有している。
前第四挟持部51aの一対の第四対向部材511は、端子付電線9の端部領域900における端子92の一部を挟んで支持する。一方、後第四挟持部51bの一対の第四対向部材511は、端子付電線9の端部領域900における電線91の一部を挟んで支持する。
第四挟持部51は、前第四挟持部51a及び後第四挟持部51bを有しているため、端子付電線9の端子92を挟み持つ動作及びその挟持を解除する動作と、端子付電線9の電線91を挟み持つ動作及びその挟持を解除する動作とを個別に行うことができる。
第四離接アクチュエータ512は、一対の第四対向部材511を第二方向に沿って相互に近接又は離隔させる。これにより、第四離接アクチュエータ512は、一対の第四対向部材511の状態を、端子付電線9の端部領域900を挟み持つ状態と端部領域900の挟持を解除する状態とのいずれかに切り替える。第四離接アクチュエータ512は、例えばソレノイドアクチュエータ又はボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52は、第四挟持部51を第三方向に沿って移動させる機構である。第三方向移送機構52は、前第四挟持部51aを第三方向に沿って移動させる前第三方向移送機構52aと、後第四挟持部51bを第三方向に沿って移動させる後第三方向移送機構52bとを含む。
第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52は、前第三方向移送機構52a及び後第三方向移送機構52bを有しているため、前第四挟持部51aを第三方向に沿って移動させる動作と、後第四挟持部51bを第三方向に沿って移動させる動作とを個別に行うことができる。
第四挟持部関連機構5において、第三方向移送機構52は、それぞれ既知の第三中継位置P3と終点位置P4に存在する目的のキャビティ81の位置との間の第三方向における距離差の分だけ第四挟持部51を第三方向(Z軸正方向)へ移動させる。もちろん、距離差がゼロの場合、第三方向移送機構52は第四挟持部51を移動させない。
さらに、第四挟持部関連機構5において、第一方向移送機構53は、それぞれ既知の第三中継位置P3及び終点位置P4に存在する目的のキャビティ81の入口の位置との間の第一方向における距離差と、目的のキャビティ81の奥行き寸法との和に応じた距離だけ第四挟持部51を第一方向(X軸正方向)へ移動させる。
以上に示された第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53の動作により、端子付電線9の端子92は、第三中継位置P3から移動して終点位置P4に存在する目的のキャビティ81に挿入される。
本実施形態においては、第三方向移送機構52は、第二挟持部31を第一方向に沿って移動可能に支持するスライド支持部321と、スライド支持部321を第一方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ322とを備えている。
本実施形態においては、第三方向移送機構52が第四挟持部51を直接支持しつつ第三方向に沿って移動させ、第一方向移送機構53が第三方向移送機構52を支持しつつ第一方向に沿って移動させる。
例えば、第一方向移送機構53は、第三方向移送機構52を第一方向に沿って移動可能に支持するスライド支持部531と、第三方向移送機構52を第三方向に沿って移動させるリニアアクチュエータ532とを備えている。第三方向移送機構52及びリニアアクチュエータ532は、例えば、周知のボールネジ式の電動アクチュエータなどである。
なお、第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53は、第四挟持部51を移動させることによって端子付電線9の端子92をコネクタ8各々のキャビティ81に挿入する第四挟持部移送機構の一例である。
また、第二挟持部関連機構3の第二方向移送機構33は、第二挟持部31を第二方向に沿って移動させる第二挟持部移送機構の一例である。第二方向移送機構33は、第二挟持部31を、第三挟持部4から端子82の支持を受け継ぐ第二中継位置P2と、第四挟持部51へ端子付電線9の支持を引き渡す第三中継位置P3との間で移動させる。
なお、図1が示すように、ワイヤハーネス製造装置100は、電線引っ掛け部70も備えている。電線引っ掛け部70は、不図示の駆動機構により駆動されて終点位置P4と第三中継位置P3との間において変位し、既に端子92がキャビティ81に挿入されている端子付電線9の電線91を引っ掛けて終点位置P4から遠ざける。これにより、コネクタ8から延び出た電線91が、新たな端子付電線9の端子92の挿入の邪魔になることが防がれる。
<制御部>
制御部10は、光センサ7の検出信号を参照しつつ、電線配列部材移送機構1、端子挿入機構2〜5及びコネクタ配列部材移送機構6における各アクチュエータを制御する装置である。なお、図2においては、制御部10の表示は省略されている。
制御部10は、演算部101と記憶部102と信号インターフェース103とを備えている。演算部101と記憶部102及び信号インターフェース103の各々とは電気的に接続されている。
演算部101は、予め記憶部102に記録された制御プログラムに従って、各アクチュエータに対する制御指令を導出する処理を実行するCPU(Central Processing Unit)を含む素子又は回路である。
記憶部102は、演算部101が参照する制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリである。例えば、記憶部102は、制御プログラムに加え、既定経路移送データ、端子−キャビティ対応データ、電線位置データ及びキャビティ位置データなどのデータを記憶している。
既定経路移送データは、端子付電線9の端部領域900を既定の経路に沿って起点位置P0から直線経路R0まで移動させるための第一挟持部関連機構2のアクチュエータの作動手順を表すデータを含む。さらに、既定経路移送データは、端部領域900を光センサ7で端子92が検出されたときの位置から第一中継位置P1及び第二中継位置P2を経て第三中継位置P3まで既定の経路に沿って移動させるための第二挟持部関連機構3のアクチュエータの作動手順を表すデータも含む。
端子−キャビティ対応データは、電線配列部材90における電線91を挟む電線留め部902各々の識別コードと端子92の挿入先を表すキャビティ81各々の識別コードとの対応関係を表すデータである。さらに、端子−キャビティ対応データは、起点位置P0への位置決めの対象となる電線留め部902の順番も表す。
電線位置データは、電線配列部材90における電線留め部902各々の位置を特定するために必要なデータを含む。即ち、電線位置データは、電線留め部902各々を起点位置P0に移動させるときに電線配列部材移送機構1のリニアアクチュエータ12の動作量を特定するために必要なデータを含む。
また、キャビティ位置データは、コネクタ配列部材80に支持されたコネクタ8各々のキャビティ81各々の第二方向(Y軸方向)及び第三方向(Z軸方向)の各々における位置及び奥行き寸法を特定するために必要なデータを含む。この場合、キャビティ81各々の入口の第一方向(X軸方向)における位置は全て同じ既知の位置である。
即ち、キャビティ位置データにおけるキャビティ81各々の第二方向の位置のデータは、コネクタ配列部材80に支持されたコネクタ8各々のキャビティ81各々を終点位置P4に移動させるときにコネクタ配列部材移送機構6のリニアアクチュエータ62の動作量を特定するために必要なデータである。
また、キャビティ位置データにおけるキャビティ81各々の第三方向の位置及び奥行き寸法のデータは、端子付電線9の端子92を第三中継位置P3から目的のキャビティ81内へ移動させるときに第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53の動作量を特定するために必要なデータである。
信号インターフェース103は、光センサ7の受光部72から検出信号を入力し、その検出信号を演算部101へ伝送する。さらに、信号インターフェース103は、演算部101が導出した各アクチュエータに対する制御指令を入力し、その制御指令を各アクチュエータの駆動信号へ変換して出力する。
<ワイヤハーネスの製造工程>
次に、図3〜12を参照しつつ、ワイヤハーネス製造装置100が実行するワイヤハーネスの製造工程の一例について説明する。ワイヤハーネス製造装置100は、複数の端子付電線9とそれらの端部に接続された複数のコネクタ8とを含むワイヤハーネスの製造工程のうち、端子付電線9各々の端子92をコネクタ8各々のキャビティ81各々に挿入する端子挿入工程を実行する。
なお、便宜上、図3〜12において、端子挿入機構2〜5に関し、端子付電線9の端部領域900の一部を挟み持つ部分のみが模式的に表示され、その他の機構の表示は省略されている。さらに、図4〜12において、電線配列部材移送機構1及びコネクタ配列部材移送機構6の表示は省略されている。
また、便宜上、図4〜12は、第一挟持部21、第二挟持部31、第三挟持部4及び第四挟持部51に関し、端子付電線9の端部領域900を挟み持っている状態を黒塗りで示し、端子付電線9の端部領域900の挟持を解除している状態を白抜きで示している。
端子挿入工程は、起点・終点位置決め工程、挟持開始工程、第一移送一次工程、第一移送二次工程、第一受け渡し工程、第二移送工程、第二受け渡し工程、第三移送工程、第三受け渡し工程、第四移送一次工程及び第四移送二次工程を含む。
なお、各工程において動作する機構は、制御部10において記憶部102に記憶された制御プログラムを実行する演算部101の制御指令に従って動作する。その際、制御部10の演算部101は、記憶部102に記憶された各種データ及び光センサ7の検出結果を参照しつつ信号インターフェース103を通じて各機構に制御信号を出力することにより、各機構に上記の各工程を実行させる。
また、上記の各工程が実行される前に、電線配列部材移送機構1が固定座11を第一待避位置A1に配置させた状態で、電線配列部材90のモジュールが固定座11に固定される。さらに、コネクタ配列部材移送機構6が固定座61を第二待避位置A3に配置させた状態で、コネクタ配列部材80のモジュールが固定座61に固定される。
<起点・終点位置決め工程>
起点・終点位置決め工程は、起点位置決め工程と終点位置決め工程とを含む。
図3が示すように、起点位置決め工程は、電線配列部材移送機構1が、電線配列部材90の電線留め部902各々を選択的に起点位置P0に位置決めする工程である。本工程において、制御部10は、記憶部102の端子−キャビティ対応データに基づいて、起点位置P0に移動させるべき目的の電線留め部902を順次特定する。
そして、電線配列部材移送機構1が、電線配列部材90を第二方向に沿って移動させることにより、制御部10が特定した目的の電線留め部902を起点位置P0に位置させる。
一方、終点位置決め工程は、コネクタ配列部材移送機構6が、コネクタ配列部材80を第二方向に沿って移動させることにより、コネクタ8各々のキャビティ81各々を選択的に第二方向の終点位置P4に位置決めする工程である。本工程において、制御部10は、記憶部102の端子−キャビティ対応データに基づいて、終点位置P4に移動させるべき目的のキャビティ81を順次特定する。
そして、コネクタ配列部材移送機構6が、コネクタ配列部材80を第二方向に沿って移動させることにより、制御部10が特定した目的のキャビティ81を終点位置P4に位置させる。なお、前回の目的のキャビティ81と今回の目的のキャビティ81とが第三方向に沿って並んでいる場合、コネクタ配列部材移送機構6は、本工程においてコネクタ配列部材80を移動させない。
例えば、起点位置決め工程及び終点位置決め工程は並行して行われる。また、それらの工程が順次行われてもよい。
制御部10が目的の電線留め部902を順次特定するごとに、起点・終点位置決め工程が実行される。そして、起点・終点位置決め工程が実行されるごとに、後述する挟持開始工程、第一移送一次工程、第一移送二次工程、第一受け渡し工程、第二移送工程、第二受け渡し工程、第三移送工程、第三受け渡し工程、第四移送一次工程及び第四移送二次工程が行われる。
図3が示す工程は、1回目の起点・終点位置決め工程であり、この工程は、作動位置移行工程でもある。
図3が示すように、作動位置移行工程は、電線配列部材移送機構1が複数の端子付電線9の端部領域900を支持する電線配列部材90を第一待避位置A1から第一作動位置A2へ移動させる第一作動位置移行工程を含む。
さらに、作動位置移行工程は、コネクタ配列部材移送機構6が複数のコネクタ8を支持するコネクタ配列部材80を第二待避位置A3から第二作動位置A4へ移動させる第二作動位置移行工程も含む。
例えば、第一作動位置移動工程及び第二作動位置移動工程は並行して行われる。また、それらの工程が順次行われてもよい。
<挟持開始工程>
図4が示すように、挟持開始工程は、第一挟持部21が、予め定められた起点位置P0において、端子92の先端が第一方向を向く状態の端子付電線9における端部領域900の一部を挟み持つ工程である。本実施形態においては、第一挟持部21は、端子付電線9の端部領域900における電線91の2箇所を、第二方向に沿って両側から挟み持つ。
第一挟持部21が挟み持つ電線91の2箇所は、電線留め部902が挟む部分の両側の2箇所である。これにより、電線91を挟み持つ第一挟持部21が第三方向へ移動した際に、電線91は、曲がることなく電線留め部902から円滑に外れやすい。
<第一移送一次工程>
図5が示すように、第一移送一次工程は、第一挟持部関連機構2の第三方向移送機構22が、第一挟持部21を第三方向へ予め定められた距離だけ移動させた後に、第一挟持部関連機構2の第一方向移送機構23が直線経路R0に沿って第一方向へ移動させる工程である。
本工程において、第一方向移送機構23が第一挟持部21を既定の直線経路R0に沿って第一方向へ移動させ、その移動の途中で光センサ7が端子92の先端部を検知すると、第一方向移送機構23及び第三方向移送機構22が実行する工程は、次の第一移送二次工程へ移行する。
例えば、本工程において、第一挟持部関連機構2の第一方向移送機構23は、第一挟持部21を既定の直線経路R0に沿って予め定められた第一距離だけ第一速度で移動させる。ここで第一距離は、端子付電線9の初期位置のばらつきに関わらず、端子92が検出光73に到達しない範囲で設定される。続いて、第一方向移送機構23は、光センサ7が端子92の先端部を検出するまで第一挟持部21を既定の直線経路R0に沿って第一速度よりも遅い第二速度で移動させる。
上記の動作は、光センサ7の検出結果に応じて第一方向移送機構23を制御するフィードバック制御の遅れに起因して、端子92の位置決め誤差が無視できないほど大きくなることを防ぐ。さらに、上記の動作は、端子92の位置決め誤差を抑制しつつ、端子付電線9の移送速度を速め、工程の実行時間を短縮する。
なお、少なくとも第一移送一次工程が実行されているときに、光センサ7が検出光73を遮る物体(端子92の先端部)を検知する工程が実行されている。
<第一移送二次工程>
図6が示すように、第一移送二次工程は、第一挟持部関連機構2の第一方向移送機構23が、光センサ7が端子92を検出した時点から第一挟持部21を直線経路R0に沿って第一方向へ予め定められた距離だけ移動させた後に、第一挟持部関連機構2の第三方向移送機構22が予め定められた距離だけ第三方向の反対方向(Z軸負方向)へ移動させる工程である。本工程により、端子付電線9の端部領域900が第一中継位置P1へ移動する。
<第一受け渡し工程>
図7が示すように、第一受け渡し工程は、第二挟持部31が、第一中継位置P1において、第一挟持部21が挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部及び電線91の一部の各々を、第二方向に沿って両側から挟み持つ工程である。
さらに、本工程において、第一挟持部21は、電線91の挟持を解除する。これにより、第二挟持部31は、第一挟持部21から端子付電線9の支持を受け継ぐ。
<第二移送工程>
図8が示すように、第二移送工程は、第二挟持部関連機構3の第一方向移送機構32が、予め定められた距離だけ第二挟持部31を第一方向へ移動させる工程である。本工程において、第一方向移送機構32は、端子付電線9の端部領域900を、第三挟持部4から離れている第一中継位置P1から第三挟持部4の挟み位置である第二中継位置P2へ移動させる。
<第二受け渡し工程>
図9が示すように、第二受け渡し工程は、第二中継位置P2において、第三挟持部4が、第二挟持部31が挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部を、第三方向に沿って両側から一時的に挟み持つ工程である。
さらに、本工程において、前第二挟持部31aは、第三挟持部4が端子92を挟み持ったときに一時的に端子92の挟持を解除し、再び端子92を挟み持つ。即ち、第三挟持部4は、端子付電線9の端子92の支持を第二挟持部31から一時的に受け継いだ後に第二挟持部31へ引き渡す。
なお、本工程において、後第二挟持部31bが、前第二挟持部31aと同様に、第三挟持部4が端子92を挟み持ったときに一時的に電線91の挟持を解除し、再び電線91を挟み持つことも考えられる。
<第三移送工程>
図10が示すように、第三移送工程は、第二挟持部関連機構3の第二方向移送機構33が、第二挟持部31を第二方向へ予め定められた距離だけ移動させる工程である。これにより、第二方向移送機構33は、第二挟持部31を既定の第二中継位置P2から既定の第三中継位置P3へ移動させる。前述したように、第二中継位置P2は、第二挟持部31が第三挟持部4から端子92の支持を受け継ぐ位置であり、第三中継位置P3は、第二挟持部31が第四挟持部51へ端子付電線9の支持を引き渡す位置である。
<第三受け渡し工程>
図11が示すように、第三受け渡し工程は、第三中継位置P3において、第四挟持部51が、第二挟持部31が第三挟持部4から受け継いで挟み持つ端子付電線9の端部領域900における端子92の一部及び電線91の一部の各々を挟み持つ工程である。
さらに、本工程において、第二挟持部31は、第四挟持部51が端子付電線9の端部領域900を挟み持ったときに端部領域900の挟持を解除する。これにより、第四挟持部51は、第二挟持部31から端子付電線9の支持を受け継ぐ。
<第四移送一次工程>
図12が示すように、第四移送一次工程は、第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53が、第四挟持部51を移動させることによって端子付電線9の端子92の先端部を第三中継位置P3から終点位置P4のキャビティ81内へ移動させる工程である。
本工程において、第三方向移送機構52は、それぞれ既知の第三中継位置P3と目的のキャビティ81の位置との間の第三方向における距離差の分だけ第四挟持部51を第三方向(Z軸正方向)へ移動させる。もちろん、距離差がゼロの場合、第三方向移送機構52は第四挟持部51を移動させない。
さらに、本工程において、第四挟持部関連機構5の第一方向移送機構53は、それぞれ既知の第三中継位置P3及び終点位置P4に存在する目的のキャビティ81の入口の位置との間の第一方向における距離差に応じた距離だけ第四挟持部51を第一方向(X軸正方向)へ移動させる。これにより、端子92の先端部が目的のキャビティ81内に挿入される。
以上に示したように、第四移送一次工程において、第四挟持部関連機構5の第三方向移送機構52及び第一方向移送機構53は、第四挟持部51が第二挟持部31から端子付電線9の支持を受け継いだ第三中継位置P3と予め設定されたコネクタ8各々のキャビティ81の位置との比較により定まる移動手順に従って第四挟持部51を移動させる。
<第四移送二次工程>
図13が示すように、第四移送二次工程は、後第四挟持部51bが端部領域900の電線91を挟み持つ状態で、第四挟持部関連機構5の第一方向移送機構53が、後第四挟持部51bを目的のキャビティ81の奥行き寸法に応じた距離だけさらに第一方向へ移動させる工程である。
本工程において、前第四挟持部51aは端子92の挟持を解除し、第四挟持部関連機構5の前第三方向移送機構52aは、前第四挟持部51aをコネクタ8と干渉しない位置まで第三方向へ移動させる。
ワイヤハーネス製造装置100が、以上に示された各工程を実行することにより、端子付電線9の1つの端子92がコネクタ8のキャビティ81に挿入される。そして、ワイヤハーネス製造装置100は、コネクタ配列部材80に支持された複数のコネクタ8各々のキャビティ81に対する端子92の挿入が完了するまで、以上に示された各工程の実行を繰り返す。
コネクタ配列部材80に支持された複数のコネクタ8各々のキャビティ81に対する端子92の挿入が完了すると、コネクタ配列部材移送機構6は、コネクタ配列部材80を第二作動位置A4から第二待避位置A3へ移動させる。さらに、電線配列部材移送機構1が、電線配列部材90を第一作動位置A2から第一待避位置A1へ移動させる。
そして、第一待避位置A1及び第二待避位置A3において、電線配列部材90及びコネクタ配列部材80の取り替えが行われる。第二待避位置A3においてコネクタ配列部材移送機構6から取り外されたコネクタ配列部材80は、1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスを構成する複数のコネクタ8を、端子付電線9の端子92が挿入された状態で一括して支持している。
第二待避位置A3において取り外されたコネクタ配列部材80は、それぞれ端子付電線9の端子92が挿入された複数のコネクタ8を支持した状態のまま、次の工程の場所へ搬送される。
<作用及び効果>
上記の実施形態において、端子付電線9の端部領域900を移動させる端子挿入機構2〜5は、予め定められた起点位置P0で支持された端子付電線9の端部領域900を挟み持って移動させることにより、端子付電線9の端子92を予め定められた終点位置P4に位置するキャビティ81に挿入する。
また、上記の実施形態においては、例えば、1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスごとに、複数の端子付電線9の端部領域900を支持する電線配列部材90のモジュール及び複数のコネクタ8を支持するコネクタ配列部材80のモジュールが用意される。さらに、それら電線配列部材90のモジュール及びコネクタ配列部材80のモジュールがワイヤハーネス製造装置100に装着される。これにより、1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスごとに、端子付電線各々の端子をコネクタのキャビティ各々に挿入する工程が1つのまとまった工程として実行される。
ところで、電線配列部材90のモジュール及びコネクタ配列部材80のモジュールは、端子付電線9の端部領域900一つ一つに比べて大きく重い。そのため電線配列部材90及びコネクタ配列部材80を二次元もしくは三次元の方向に移動させる機構を採用することは、装置の大型化及び高コスト化を招く。
上記の実施形態においては、電線配列部材90及びコネクタ配列部材80の各々の移動は、一次元の移送機構で実現可能であり、それ以外の移送機構は、ごく軽量な端子付電線9の端部領域900を移動させるだけでよい。このことは、装置の小型化及び低コスト化に寄与する。
従って、上記の実施形態は、複数の端子付電線9各々の端子92を複数のコネクタ8のキャビティ81各々に挿入する工程を1組のワイヤハーネス又は1組のサブワイヤハーネスごとに1つのまとまった工程として実行することに適している。
また、上記の実施形態によれば、電線配列部材90は、それ全体が起点位置P0から外れる第一待避位置A1とその一部が起点位置P0に位置する第一作動位置A2とに亘る範囲で第一方向に沿って移動可能である。この場合、電線配列部材90の装着及び取り外しの作業を、端子挿入機構2〜5が邪魔にならない第一待避位置A1で行うことが可能となる。従って、電線配列部材90の装着及び取り外しの作業が容易となる。
同様に、上記の実施形態によれば、コネクタ配列部材80は、それ全体が終点位置P4から外れる第二待避位置A3とその一部が終点位置P4に位置する第二作動位置A4とに亘る範囲で第一方向に沿って移動可能である。この場合、コネクタ配列部材80の装着及び取り外しの作業を、端子挿入機構2〜5が邪魔にならない第二待避位置A3で行うことが可能となる。従って、コネクタ配列部材80の装着及び取り外しの作業が容易となる。
また、上記の実施形態によれば、光センサ7が、既定の直線経路R0に沿って第一方向へ移動する端子付電線9の端子92の先端部が検出光73の位置に到達したことを検知する。そして、端子付電線9の端部領域900は、光センサ7が端子92を検知した位置から予め定められた距離分だけさらに第一方向へ移動して第一中継位置P1に到達する。これにより、起点位置P0における端子の位置のばらつきの第一方向の成分は、第一中継位置P1に到達した時点において解消されている。
さらに、上記の実施形態によれば、端子付電線9の支持を受け継ぐ第二挟持部31が、端子付電線9の端部領域900における端子92の一部及び電線91の一部を第二方向に沿って両側から挟み持つ。これにより、起点位置P0における端子92の位置のばらつきの第二方向の成分は、第二挟持部31が端子付電線9の支持を受け継いだ時点において解消される。
さらに、上記の実施形態によれば、端子付電線9の端子92の支持を一時的に受け継ぐ第三挟持部4が、端子付電線9の端子92の一部を第三方向に沿って両側から挟み持つ。これにより、起点位置P0における端子92の位置のばらつきの第三方向の成分は、第三挟持部が端子の支持を受け継いだ時点において解消される。
以上のようにして端子92の位置のばらつきが解消された後、第四挟持部51は、第二挟持部31から端子付電線9の端部領域900の支持を受け継ぎ、受け継いだ第三中継位置P3と予め設定されたコネクタ8各々のキャビティ81の位置との比較により定まる移動手順に従って移動する。これにより、端子付電線9の端子92がキャビティ81内に正常に挿入される。
従って、上記の実施形態によれば、起点位置P0における端子付電線9の端部領域900の配置位置に多少のばらつきが生じる場合においても、端子付電線9の端子92を正しく位置決めし、コネクタ8のキャビティ81への端子挿入の不良を防ぐことができる。
さらに、上記の実施形態は、複数のカメラ及び画像処理装置などの調整が複雑で高コストの装置を要することなく、透過型の光センサ7及び機械的な機構を含む比較的簡易な構成によって実現可能である。
また、端子付電線9の端部領域900は、起点位置P0において、電線91を第二方向に沿って両側から挟んで留める電線留め部902によって支持されている。この場合、端子付電線9の端部領域900を電線留め部902から取り外すために、第一挟持部21を少なくとも第一方向及び第三方向の各々に沿って移動させる機構(第三方向移送機構22及び第一方向移送機構23)が必要となる。
そして、上記の実施形態においては、第一挟持部21が第一方向及び第三方向の各々に沿って移動し、第二挟持部31が第一方向に沿って移動する。このような移動を実現する第一挟持部関連機構2と第二挟持部関連機構3とは、相互に干渉することなくコンパクトに配置することが可能である。
また、第二挟持部関連機構3の第一方向移送機構32が、第三挟持部4を第一方向に沿って移動させる機構に置き換えられても同様のことが言える。即ち、第一方向移送機構32が、第二挟持部31及び第三挟持部4の少なくとも一方を第一方向に沿って移動させることにより、第二挟持部31が挟み持つ端子付電線9の端子92と第三挟持部4との位置関係を、前述した第一位置関係と第二位置関係との間で変化させればよい。
なお、第二挟持部31及び第三挟持部4の少なくとも一方を第一方向に沿って移動させる第一方向移送機構32が、第二第三挟持部位置関係変更機構の一例である。
また、上記の実施形態においては、第二挟持部31は、既定の第二中継位置P2と既定の第三中継位置P3との間で第二方向に沿って移動する。さらに、コネクタ8における目的のキャビティ81は、既定の第三中継位置P3に対し第二方向において揃う終点位置P4に位置決めされる。
従って、上記の実施形態によれば、第一挟持部21から受け渡された端子付電線9の端子82をコネクタ8のキャビティ81に挿入する機構を、3次元の移送機構を要することなく比較的簡易な機構の組合せにより実現可能である。
即ち、端子92をキャビティ81に挿入する機構を、一次元の移送機構(コネクタ配列部材移送機構6)と、二次元の移送機構(第一方向移送機構32及び第二方向移送機構33の組合せ)と、二次元の移送機構(第四挟持部移送機構)との組合せにより実現可能である。
さらに、上記の実施形態によれば、以下に示すように、第一挟持部21及び第四挟持部51の各々を移動させる二次元の移送機構が干渉することなく並行して動作することができ、ワイヤハーネスの生産効率が高まる。
即ち、ワイヤハーネス製造装置100は、第二挟持部関連機構3の第二方向移送機構33を備えている。そのため、第一挟持部関連機構2と第四挟持部関連機構とが、第二方向(Y軸方向)において離れて配置されており相互に干渉しない。
従って、図10〜13が示すように、ワイヤハーネス製造装置100は、例えば、ある端子付電線9の端部領域900についての第三受け渡し工程から第四移送二次工程までの各工程と、次の端子付電線9の端部領域900についての起点・終点位置決め工程から第一受け渡し工程までの各工程、或いは起点・終点位置決め工程から第二受け渡し工程までの各工程とを並行して実行することができる。その結果、ワイヤハーネスの生産効率が高まる。
<応用例>
ワイヤハーネス製造装置100が、電線配列部材移送機構1を備えていないことも考えられる。例えば、ベルトコンベアが、電線91の端部に端子92を圧着する圧着装置から起点位置P0へ端子付電線9の端部領域900を挟む電線留め部902を移送することが考えられる。この場合、圧着装置が、端子92を電線91の端部に圧着するごとに、端子付電線9における端部領域900の電線91の部分をベルトコンベアの電線留め部902に挿入する。さらに、ベルトコンベアが、圧着装置から引き受けた端子付電線9の端部領域900を起点位置P0へ移送する。
また、ワイヤハーネス製造装置100が、第二挟持部関連機構3の第一方向移送機構32の代わりに、第二挟持部31を第三方向に沿って移動させる機構を備えることも考えられる。この場合、第一挟持部関連機構2は、第一挟持部21を第三挟持部4の挟み位置(第二中継位置P2)まで第一方向に沿う直線経路に沿って移動させる。この場合、第一中継位置P1と第二中継位置P2とは同じ位置である。
そして、第二挟持部31は、移動機構によって一時的に第三方向の反対方向(Z軸負方向)へ移動し、第一挟持部21が挟み持つ端子付電線9の端部領域900との接触を避ける。
なお、本発明に係るワイヤハーネスの製造装置及びその方法は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
1 電線配列部材移送機構
10 制御部
100 ワイヤハーネス製造装置
101 演算部
102 記憶部
103 信号インターフェース
11 固定座
111 電線配列部材ロック機構
12 リニアアクチュエータ
2〜5 端子挿入機構
2 第一挟持部関連機構
21 第一挟持部
211 第一対向部材
212 第一離接アクチュエータ
22 第三方向移送機構(第一挟持部移送機構)
23 第一方向移送機構(第一挟持部移送機構)
231 スライド支持部
232 リニアアクチュエータ
3 第二挟持部関連機構
31 第二挟持部
311 第二対向部材
312 第二離接アクチュエータ
31a 前第二挟持部
31b 後第二挟持部
32 第一方向移送機構(第二第三位置関係変更機構)
321 スライド支持部
322 リニアアクチュエータ
33 第二方向移送機構(第二挟持部移送機構)
331 スライド支持部
332 リニアアクチュエータ
4 第三挟持部
41 第三対向部材
42 第三離接アクチュエータ
5 第四挟持部関連機構
51 第四挟持部
511 第四対向部材
512 第四離接アクチュエータ
51a 前第四挟持部
51b 後第四挟持部
52 第三方向移送機構(第四挟持部移送機構)
52a 前第三方向移送機構
52b 後第三方向移送機構
53 第一方向移送機構(第四挟持部移送機構)
531 スライド支持部
532 リニアアクチュエータ
6 コネクタ配列部材移送機構
61 固定座
611 コネクタ配列部材ロック機構
62 リニアアクチュエータ
7 光センサ
70 電線引っ掛け部
71 発光部
72 受光部
73 検出光
8 コネクタ
80 コネクタ配列部材
81 キャビティ
82 端子
9 端子付電線
90 電線配列部材
900 端子付電線の端部領域
901 電線配列部材の基部
902 電線留め部
91 電線
92 端子
A1 第一待避位置
A2 第一作動位置
A3 第二待避位置
A4 第二作動位置
P0 起点位置
P1 第一中継位置
P2 第二中継位置
P3 第三中継位置
P4 終点位置
R0 直線経路

Claims (4)

  1. それぞれ電線及び前記電線の端部に接続された端子を有する複数の端子付電線と前記端子付電線各々の前記端子を収容する複数のキャビティが形成されたコネクタとを備えるワイヤハーネスの製造装置であって、
    予め定められた起点位置において、前記端子の先端が第一方向を向く状態の前記端子付電線における前記端子から前記電線の前記端子寄りの部分に亘る端部領域の一部を前記第一方向に直交する第二方向に沿って両側から挟み持つ第一挟持部と、
    前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向から見て前記起点位置を通る直線経路に直交する平面に沿って検出光を出力する発光部及び前記検出光を受光する受光部を有し、前記検出光を遮る物体を検知する光センサと、
    前記第一挟持部を前記直線経路に沿って前記第一方向へ移動させ、その移動の途中で前記光センサが前記端子を検知してから予め定められた距離分だけさらに前記第一挟持部を前記第一方向へ移動させる動作を少なくとも行うことにより、前記端子付電線の前記端部領域を予め定められた第一中継位置へ移動させる第一挟持部移送機構と、
    前記第一中継位置において前記第一挟持部が挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部及び前記電線の一部の各々を前記第二方向に沿って両側から挟み持ち、前記第一挟持部から前記端子付電線の支持を受け継ぐ第二挟持部と、
    前記第二挟持部が挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部を前記第三方向に沿って両側から挟み持ち、前記端子付電線の前記端子の支持を前記第二挟持部から一時的に受け継いだ後に前記第二挟持部へ引き渡す第三挟持部と、
    前記第二挟持部が前記第三挟持部から受け継いで挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部及び前記電線の一部の各々を挟み持ち、前記第二挟持部から前記端子付電線の支持を受け継ぐ第四挟持部と、
    前記第四挟持部が前記第二挟持部から前記端子付電線の支持を受け継いだ位置と予め設定された前記コネクタ各々の前記キャビティの位置との比較により定まる移動手順に従って前記第四挟持部を移動させることにより、前記端子付電線の前記端子を前記コネクタ各々の前記キャビティに挿入する第四挟持部移送機構と、を備えるワイヤハーネスの製造装置。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスの製造装置であって、
    前記第二挟持部及び前記第三挟持部の少なくとも一方を前記第一方向に沿って移動させることにより、前記第二挟持部が挟み持つ前記端子付電線の前記端子と前記第三挟持部との位置関係を、前記第三挟持部が前記第一方向において前記端子から離れている第一位置関係と前記端子が前記第三挟持部の挟み位置に位置する第二位置関係との間で変化させる第二第三挟持部位置関係変更機構をさらに備え、
    前記第一挟持部移送機構は、
    前記第一挟持部を前記第三方向へ予め定められた距離だけ移動させた後に前記直線経路に沿って前記第一方向へ移動させ、さらに前記第三方向の反対方向へ予め定められた距離だけ移動させることにより、前記端子付電線の前記端部領域を前記第一中継位置へ移動させる、ワイヤハーネスの製造装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネスの製造装置であって、
    前記第二挟持部を前記第二方向に沿って移動させることにより、前記第二挟持部を、前記第三挟持部から前記端子の支持を受け継ぐ予め定められた第二中継位置と前記第四挟持部へ前記端子付電線の支持を引き渡す予め定められた第三中継位置との間で移動させる第二挟持部移送機構と、
    複数のコネクタを少なくとも一列に並ぶ状態で支持するコネクタ配列部材を、複数の前記コネクタが前記第二方向に沿って並ぶ状態で支持するとともに前記第二方向に沿って移動させることにより、前記コネクタ各々の前記キャビティ各々を選択的に前記第二方向において前記第三中継位置に揃う終点位置に位置決めするコネクタ配列部材移送機構と、をさらに備え、
    前記第四挟持部移送機構は、前記第三中継位置から前記終点位置へ前記第一方向及び前記第三方向に沿う平面に沿って前記第四挟持部を移動させる、ワイヤハーネスの製造装置。
  4. それぞれ電線及び前記電線の端部に接続された端子を有する複数の端子付電線と前記端子付電線各々の前記端子を収容する複数のキャビティが形成されたコネクタとを備えるワイヤハーネスの製造方法であって、
    予め定められた起点位置において、前記端子の先端が第一方向を向く状態の前記端子付電線における前記端子から前記電線の前記端子寄りの部分に亘る端部領域の一部を、第一挟持部が前記第一方向に直交する第二方向に沿って両側から挟み持つ工程と、
    前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向から見て前記起点位置を通る直線経路に直交する平面に沿って検出光を出力する発光部及び前記検出光を受光する受光部を有する光センサにより、前記検出光を遮る物体を検知する工程と、
    前記第一挟持部を移動させる機構が、前記第一挟持部を前記直線経路に沿って前記第一方向へ移動させ、その移動の途中で前記光センサが前記端子を検知してから予め定められた距離分だけさらに前記第一挟持部を前記第一方向へ移動させることにより、前記端子付電線の前記端部領域を予め定められた中継位置へ移動させる工程と、
    前記中継位置において前記第一挟持部が挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部及び前記電線の一部の各々を、第二挟持部が前記第二方向に沿って両側から挟み持ち、前記第二挟持部が前記第一挟持部から前記端子付電線の支持を受け継ぐ工程と、
    前記第二挟持部が挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部を、第三挟持部が前記第三方向に沿って両側から一時的に挟み持ち、前記第三挟持部が前記端子付電線の前記端子の支持を前記第二挟持部から一時的に受け継いだ後に前記第二挟持部へ引き渡す工程と、
    前記第二挟持部が前記第三挟持部から受け継いで挟み持つ前記端子付電線の前記端部領域における前記端子の一部及び前記電線の一部の各々を第四挟持部が挟み持ち、前記第四挟持部が前記第二挟持部から前記端子付電線の支持を受け継ぐ工程と、
    前記第四挟持部を移動させる機構が、前記第四挟持部が前記第二挟持部から前記端子付電線の支持を受け継いだ位置と予め設定された前記コネクタ各々の前記キャビティの位置との比較により定まる移動手順に従って前記第四挟持部を移動させることにより、前記端子付電線の前記端子を前記コネクタ各々の前記キャビティに挿入する工程と、を含むワイヤハーネスの製造方法。
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