JP2015042819A - 補強筋及びユニット式建物 - Google Patents

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【課題】作業工数の増大を抑制しながら、アンカー部の周囲と柱設置箇所周辺との双方にて基礎剥落の防止を図ることができる補強筋及びユニット式建物を提供する。【解決手段】基礎11の立ち上がり部13において、そのコーナ部14には建物ユニットの柱が設置され、コーナ部14から互いに直交する方向に延びる各直線部15A,15Bには建物ユニットの床大梁がアンカーボルトにより固定されている。立ち上がり部13には、補強筋40が埋設されている。補強筋40は、アンカーホール19を挟んで立ち上がり部13の厚み方向両側に設けられた一対の水平部42,47a(43,47b)を有している。それら各水平部42,47a(43,47b)のうち出隅16寄りに配置された水平部42(43)は、基礎長手方向X1(X2)において柱21の設置箇所Kと同位置まで延びている。【選択図】図5

Description

本発明は、基礎の立ち上がり部に適用される補強筋及び、この補強筋を用いて構成された基礎上に複数の建物ユニットが設置されてなるユニット式建物に関する。
ユニット式建物は、基礎上に複数の建物ユニットが並設され、それら建物ユニット同士が互いに連結されることにより構築される建物である。建物ユニットは、床梁、天井梁及び柱が直方体状に連結されることにより形成され、各柱がそれぞれ基礎の立ち上がり部上に載置されることにより設置される。また、床梁は基礎の立ち上がり部上において当該基礎に沿って配設され、例えば柱付近の位置でアンカーボルトにより立ち上がり部に固定される。
ここで、地震発生時等において建物ユニットが基礎上で横揺れする場合には、建物ユニットからアンカーボルトを介して伝達される振動及び応力により、アンカーボルトが埋設されている立ち上がり部の厚み方向の角部が剥落するおそれがある。そこで、かかる剥落を防止するための対策として、特許文献1には、立ち上がり部の内部においてアンカーボルトを挟んだ上記厚み方向両側にそれぞれ剥落防止筋を配する技術が提案されている。
特開2011−190590号公報
しかしながら、地震発生時等に建物ユニットが横揺れする場合には、立ち上がり部上に設置された柱の横揺れに伴い、立ち上がり部における柱の設置箇所周辺でも剥落が生じるおそれがある。例えば、柱が斜めに傾いたときに、柱下端の端縁部が立ち上がり部の上面(天端)に線接触して当該上面に局所的に過大な荷重が加わることで立ち上がり部の角部が剥落することが考えられる。
このような問題に対して、上記特許文献1に記載のものは、あくまで立ち上がり部におけるアンカーボルト周辺の剥落を防止するものであり、立ち上がり部における柱設置箇所周辺の剥落まで防止することはできない。また、立ち上がり部において、アンカーボルト周辺と、柱設置箇所周辺とにそれぞれ個別に補強筋を配することも考えられるが、その場合補強筋の配筋作業が煩雑となって作業工数の増大を招くおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業工数の増大を抑制しながら、アンカー部の周囲と柱設置箇所周辺との双方にて基礎剥落の防止を図ることができる補強筋及びユニット式建物を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の補強筋は、鉄筋コンクリート造の基礎における立ち上がり部に適用され、前記立ち上がり部上に設置される建物の柱の設置箇所に対して前記基礎の長手方向にずれた所定のアンカー位置で前記建物を前記立ち上がり部に固定するアンカー部を補強するアンカー部用の補強筋であって、複数の鉄筋が互いに組み合わされて一体化されることにより構成されており、前記立ち上がり部の内部において前記アンカー部を挟んだ前記立ち上がり部の厚み方向両側に設けられ、それぞれが前記鉄筋により構成されるとともに前記基礎の長手方向に延びる一対の剥落防止部を備え、前記一対の剥落防止部のうち少なくともいずれかの剥落防止部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同じ位置まで延びていることを特徴とする。
本発明によれば、一対の剥落防止部がアンカー部を挟んで立ち上がり部の厚み方向両側に設けられているため、アンカー部の周囲における基礎剥落を防止することができる。また、それら一対の剥落防止部のうち少なくともいずれかが、基礎の長手方向において柱の設置箇所まで延びているため、柱の設置箇所周辺における基礎剥落についても防止することができる。そして、補強筋は、複数の鉄筋からなる一体物として構成されているため、当該補強筋を立ち上がり部に配設すればアンカー部の周囲と柱の設置箇所周辺とを一挙に補強することができる。よって、この場合、作業工数の増大を抑制しながら、アンカー部の周囲と柱設置箇所周辺との双方にて基礎剥落の防止を図ることができる。
第2の発明の補強筋は、第1の発明において、前記基礎の前記立ち上がり部は、平面視においてL字状に屈曲されており、前記立ち上がり部において、前記屈曲された部分が前記立ち上がり部の出隅が形成されたコーナ部となっており、前記コーナ部から互いに直交する方向に延びる各部分がそれぞれ非コーナ部となっており、前記コーナ部には前記柱が設置され、前記非コーナ部には前記アンカー位置が設定されており、前記アンカー位置が設定された前記非コーナ部では、前記アンカー部を挟んだ当該非コーナ部の前記厚み方向両側にそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、前記一対の剥落防止部のうち、少なくとも前記厚み方向において前記出隅寄りに配置された前記剥落防止部が当該非コーナ部の長手方向において前記コーナ部における前記柱の設置箇所と同位置まで延びていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎の立ち上がり部が平面視L字状に屈曲された構成にあって、その屈曲部分となるコーナ部上に柱が設置され、そのコーナ部から互いに直交する方向に延びる非コーナ部にアンカー位置が設定されている。そして、そのアンカー位置が設定された非コーナ部において、アンカー部を挟んで非コーナ部(立ち上がり部)の厚み方向両側に設けられた一対の剥落防止部のうち、少なくとも同方向における出隅寄りに配置された剥落防止部が基礎の長手方向において柱の設置箇所と同じ位置まで延びている。これにより、柱の揺れに伴う剥落が特に生じ易いコーナ部の出隅部分において基礎剥落の防止を図ることができる。
第3の発明の補強筋は、第2の発明において、前記各非コーナ部にはそれぞれ前記アンカー位置が設定されているとともに、それら各アンカー位置ごとにそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、前記各非コーナ部においてそれぞれ当該非コーナ部の厚み方向出隅寄りに配置された前記各剥落防止部がそれぞれ当該非コーナ部の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置まで延びており、かつ、前記出隅付近において直角をなして接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、立ち上がり部の各非コーナ部にそれぞれ設定された各アンカー位置ごとに一対の剥落防止部が設けられ、それら各非コーナ部においてそれぞれ出隅寄りに配置された各剥落防止部がそれぞれ柱の設置箇所と同位置まで延び、出隅付近で直角をなして接続されている。この場合、出隅部分での剥落防止効果をより一層高めることができる。
また、上記の構成によれば、各アンカー部の周囲と柱設置箇所周辺とのそれぞれにおける剥落防止を一挙に図ることができるため、これら各部の剥落防止を図る上で作業工数の低減を大いに図ることができる。
第4の発明の補強筋は、第1又は第2の発明において、前記基礎の前記立ち上がり部において、その立ち上がり部が延在する延在方向における前記柱の設置箇所を挟んだ両側にそれぞれ前記アンカー位置が設定されており、それら各アンカー位置ごとにそれぞれ、前記アンカー部を挟んだ前記厚み方向両側に前記一対の剥落防止部が配置されており、それら各剥落防止部のうち少なくともいずれかの剥落防止部が前記柱の設置箇所と同位置まで延びていることを特徴とする。
基礎の立ち上がり部では、その立ち上がり部が延在する延在方向における柱の設置箇所を挟んだ両側にそれぞれアンカー位置が設定される場合がある。本発明では、かかる構成にあって、各アンカー位置ごとにそれぞれ一対の剥落防止部が設けられ、それら各アンカー位置ごとに設けられた各々の剥落防止部のうち少なくともいずれかの剥落防止部が柱の設置箇所まで延びている。この場合、各アンカー部の周囲と柱設置箇所周辺とのそれぞれにおける剥落防止を一挙に図ることができ、これら各部の剥落防止を図る上で作業工数の低減を大いに図ることができる。
第5の発明の補強筋は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記立ち上がり部の内部において前記アンカー部を挟んで前記厚み方向の両側に設けられ、それぞれが前記剥落防止部を有する一対の剥落防止筋と、前記鉄筋により構成され、前記一対の各剥落防止筋を連結する連結部と、を備え、前記連結部は、前記立ち上がり部の内部で前記基礎の長手方向に延びる主筋によって下方から支持されていることを特徴とする。
本発明によれば、剥落防止部を有する剥落防止筋がアンカー部を挟んだ基礎厚み方向両側にそれぞれ設けられ、それら各剥落防止筋が連結部により互いに連結されている。そして、その連結部が基礎の長手方向に延びる主筋によって下方から支持されているため、補強筋を基礎の立ち上がり部に配置する際には補強筋を主筋に支持させた状態で配置でき、その配置作業をし易くすることができる。
また、基礎厚み方向両側の剥落防止筋同士を連結する連結部を主筋に支持させる支持部として兼用したことで、連結部とは別にかかる支持部を設ける場合と比べて、構成の簡素化を図ることができる。
なお、連結部は、主筋の延びる方向に沿って所定の間隔で複数設けることが望ましい。そうすれば、複数の連結部を主筋に支持させることができるため、補強筋を安定した状態で支持することが可能となり、補強筋の配置作業をより一層し易くすることができる。
第6の発明の補強筋は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記一対の各剥落防止部にそれぞれ複数ずつ設けられ、当該剥落防止部よりも下方へ延びる鉛直部と、前記アンカー部を挟んだ前記厚み方向両側でそれぞれ、前記複数の鉛直部に架け渡されて設けられたひび割れ防止部と、を備え、前記厚み方向両側の各ひび割れ防止部のうち少なくともいずれかのひび割れ防止部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同じ位置まで延びていることを特徴とする。
本発明によれば、アンカー部を挟んだ立ち上がり部の厚み方向両側にそれぞれひび割れ防止部が設けられているため、アンカー部の周囲において剥落防止機能に加えてひび割れ防止機能を付与することができる。また、厚み方向両側のひび割れ防止部のうち少なくともいずれかのひび割れ防止部については、基礎の長手方向において柱の設置箇所と同位置まで延びているため、このひび割れ防止部によって柱設置箇所周辺における剥落防止効果を高めることができる。
第7の発明の補強筋は、第6の発明において、前記複数の鉛直部のうち一部の鉛直部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の鉛直部のうち一部の鉛直部については、基礎の長手方向において柱と同位置に配置されているため、その鉛直部によって柱設置箇所周辺での剥落防止効果を高めることができる。
第8の発明の補強筋は、第6又は第7の発明において、前記基礎の前記立ち上がり部は、平面視においてL字状に屈曲されており、前記立ち上がり部において、前記屈曲された部分が前記立ち上がり部の出隅が形成されたコーナ部となっており、前記コーナ部から互いに直交する方向に延びる各部分がそれぞれ非コーナ部となっており、前記コーナ部には前記柱が設置され、前記非コーナ部には前記アンカー位置が設定されており、前記アンカー位置が設定された前記非コーナ部では、前記アンカー部を挟んだ当該非コーナ部の前記厚み方向両側にそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、前記一対の剥落防止部のうち、少なくとも前記厚み方向において前記出隅寄りに配置された前記剥落防止部が前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置まで延びており、その出隅寄りの剥落防止部に設けられた複数の前記鉛直部のうち一部の鉛直部が、前記出隅付近に配置されて、当該出隅に沿って上下に延びていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎の立ち上がり部のコーナ部上に柱が設置された構成において、一部の鉛直部が当該コーナ部の出隅付近に配置され、その出隅に沿って上下に延びているため、特に剥落の生じ易い出隅部分において剥落防止効果を高めることができる。
第9の発明のユニット式建物は、第3の発明の補強筋が埋設された前記立ち上がり部を有する前記基礎と、前記立ち上がり部上に設置された前記建物と、を備え、前記建物は、床梁、天井梁及び柱を有してなる複数の建物ユニットが互いに連結されることにより構成されているユニット式建物であって、前記建物ユニットの前記柱が前記コーナ部上に設置されており、その柱から互いに直交する方向に延びる2つの前記床梁がそれぞれ前記各非コーナ部上において当該非コーナ部に沿って配設され、前記各非コーナ部の前記アンカー位置ではそれぞれ、前記床梁が当該非コーナ部に対して前記アンカー部により固定されていることを特徴とする。
ユニット式建物では、基礎の立ち上がり部のコーナ部上に建物ユニットの柱が設置され、その柱から互いに直交する方向に延びる2つの床梁がそれぞれ非コーナ部においてアンカー部により立ち上がり部(非コーナ部)に固定される場合がある。そこで本発明では、かかる構成に対して第3の発明の補強筋を適用し、当該補強筋によって各アンカー部の周囲と柱設置箇所の周辺とのそれぞれにおいて基礎の補強を図っている。この場合、上記第3の発明と同様の効果をユニット式建物として得ることができる。
基礎上に建物ユニットの柱が設置された状態を示す斜視図。 基礎の配筋構造を示す斜視図。 補強筋の構成を示す斜視図。 立ち上がり部における補強筋の設置状態を示す斜視図。 立ち上がり部における補強筋の設置状態を示す平面図。 立ち上がり部における補強筋の設置状態を示す断面図。 建物ユニットを示す斜視図。 立ち上がり部における補強筋の設置状態を示す平面図。
以下に、本発明を具体化する一実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、建物としてユニット式建物について具体化している。ユニット式建物は複数の建物ユニットが互いに連結されることにより構成される建物である。そこでまず、建物ユニットの構成を図7を用いながら説明する。図7は建物ユニットを示す斜視図である。
図7に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。
本実施形態の建物10は、基礎上に上記の建物ユニット20が複数並べて設置されるとともに、それら複数の建物ユニット20が互いに連結されることにより構成されている。以下、基礎上における建物ユニット20の設置構成について図1に基づいて説明する。なお、図1は、基礎上に建物ユニット20の柱21が設置された状態を示す斜視図である。また、図1では、基礎上から建物ユニット20を離間させた状態で示している。
図1に示すように、基礎11は、鉄筋コンクリート造の布基礎よりなり、床下地盤の内部に埋設されたフーチング部12(図2等参照)と、そのフーチング部12から上方に立ち上がる立ち上がり部13とを有する。基礎11の立ち上がり部13は、その平面視においてL字状をなすように延在している。立ち上がり部13において、L字状に屈曲された屈曲部分がコーナ部14となっており、そのコーナ部14から互いに直交する方向に延びる各部分がそれぞれ直線部15となっている。コーナ部14では、立ち上がり部13の出隅16と入れ隅17とがそれぞれ形成されており、換言するとそれら出隅16と入れ隅17とが対角に位置する四角柱状の部位がコーナ部14となっている。なお、以下においては、上記2つの直線部15のうち一方の直線部15の符号にAを付し、他方の直線部15の符号にBを付す。また、直線部15が非コーナ部に相当する。
立ち上がり部13におけるコーナ部14上には、建物ユニット20の柱21が設置されている。図示は省略するが、柱21は、例えば平板状のセッティングプレートを介してコーナ部14上に設置されている。柱21には、互いに直交する方向へ延びる2つの床大梁23が連結されている。これら各床大梁23のうち一方の床大梁23は直線部15A上において当該直線部15Aに沿って配設され、他方の床大梁23は直線部15B上において当該直線部15Bに沿って配設されている。そして、これら各床大梁23はそれぞれ柱21付近の所定位置で直線部15A,15Bに対してアンカーボルト18により固定されている。この場合、上記各所定位置がそれぞれアンカー位置U1,U2に相当し、それら各アンカー位置U1,U2が柱21の設置箇所Kを挟んで基礎延在方向X(図5参照)両側に配置されている。なお、基礎延在方向Xとは、基礎11の立ち上がり部13がL字状に延在する延在方向のことである。
アンカーボルト18は、床大梁23に対して当該床大梁23から下方に突出した状態で固定され、その突出した下部が立ち上がり部13(直線部15A,15B)に埋設されたアンカーホール19内に挿入されている。アンカーホール19は、シース管よりなり、立ち上がり部13の天端において上方に開口された状態で設けられている。アンカーボルト18は、アンカーホール19に挿入された状態で同ホール19内に充填されたモルタル等の充填剤(グラウト)が固化されることで立ち上がり部13に固定されている。
なお、以下においては、直線部15A側(アンカー位置U1側)のアンカーボルト18及びアンカーホール19の符号にそれぞれAを付し、直線部15B側(アンカー位置U2側)のアンカーボルト18及びアンカーホール19の符号にそれぞれBを付す。また、これらアンカーボルト18とアンカーホール19とによりアンカー部が構成されている。
次に、基礎11の配筋構造について図2に基づいて説明する。図2は、基礎11の配筋構造を示す斜視図である。
図2に示すように、基礎11の内部には基礎配筋が配設されている。基礎配筋は、基礎11の各直線部15A,15Bに対してそれぞれ配設されている。基礎配筋は、フーチング部12において略水平に設けられるベース配筋部31と、ベース配筋部31に対して略垂直に立ち上げられた状態で連結された立ち上がり配筋部32とから構成されている。なお、本実施形態での配筋構造はシングル配筋である。
ベース配筋部31は、基礎11の長手方向に平行に延びる一対のベース配力筋33と、基礎11の幅方向に延びて前記一対のベース配力筋33に溶接等にて固定されている複数本のベース筋34とを備えている。ベース筋34は、基礎11の長手方向に所定間隔をおいて複数設けられている。ベース配力筋33及びベース筋34は、一般に布基礎に用いられる異形鉄筋により構成されている。
立ち上がり配筋部32は、基礎11の長手方向に延びる横鉄筋としての上端主筋36、腹筋37及び下端主筋38と、鉛直方向に延びる縦鉄筋としてのあばら筋39とを備えている。具体的には、立ち上がり配筋部32の上端には上端主筋36が、下端には下端主筋38が、それらの略中央には腹筋37が、それぞれ平行となるように配設されている。そして、これら上端主筋36、腹筋37及び下端主筋38は、あばら筋39に溶接等によって固定されて間隔保持されている。あばら筋39は、基礎11の長手方向に所定間隔をおいて複数形成されている。ベース筋34とあばら筋39とは略同一の間隔で設置されている。これら上端主筋36、腹筋37、下端主筋38及びあばら筋39は、一般的に布基礎に用いられる異形鉄筋によって構成されている。
立ち上がり配筋部32は、下端主筋38がベース配筋部31のベース筋34の上に載置された状態で設けられている。
基礎11の立ち上がり部13には、アンカーホール19(及びアンカーボルト18)を補強する補強筋が埋設されている。以下、この補強筋の構成について図3〜図6に基づいて説明する。図3は補強筋の構成を示す斜視図であり、図4は立ち上がり部13における補強筋の設置状態を示す斜視図であり、図5は同設置状態を示す平面図であり、図6は同設置状態を示す断面図である。なお、図4では便宜上、立ち上がり部13の図示を省略している。また、図6は図5のA−A線断面図に相当する。
また、以下の説明では、補強筋の立ち上がり部13への設置状態を想定し、かかる状態で水平となる方向を水平方向、鉛直となる方向を鉛直方向とする。
図3に示すように、補強筋40は、複数の鉄筋が互いに組み合わされて一体化されることにより構成されている。補強筋40は、全体として平面視L字状の立体形状をなしている。補強筋40は、第1鉄筋41を有している。第1鉄筋41は、水平方向に延びる一対の水平部42,43と、鉛直方向に延びる一対の鉛直部44,45とを有する。一対の水平部42,43は、水平面内で互いに直角に折り曲げられることにより形成されている。鉛直部44は水平部42の端部(水平部43とは反対側の端部)から下方に向けて(鉛直下向きに)延びており、鉛直部45は水平部43の端部(水平部42とは反対側の端部)から下方に向けて(鉛直下向きに)延びている。なお、各水平部42,43はいずれも同じ長さを有し、各鉛直部44,45はいずれも同じ長さを有している。
補強筋40は、一対の第2鉄筋46を有している。第2鉄筋46は、コ字状に折り曲げられて形成されており、水平方向に延びる水平部47と、水平部47の両端部からそれぞれ下方に向けて(鉛直下向きに)延びる一対の鉛直部48,49とを有する。なお、水平部47は、第1鉄筋41の水平部42,43と同じ長さを有し、鉛直部48,49は、第1鉄筋41の鉛直部44,45と同じ長さを有している。
また、以下の説明では便宜上、各第2鉄筋46のうち一方の第2鉄筋46の符号にaを付し、他方の第2鉄筋46の符号にbを付す。また、第2鉄筋46aの各部47〜49の符号にそれぞれaを付し、第2鉄筋46bの各部47〜49の符号にそれぞれbを付す。
第2鉄筋46aは、平面視において第1鉄筋41のL字内側に配置され、その水平部47aが第1鉄筋41の水平部42と平行をなしかつ当該水平部42と同じ高さ位置に位置している。第2鉄筋46aは、その鉛直部49aの上端部(換言すると鉛直部49aと水平部47aとの境界部)において第1鉄筋41の水平部43に対し溶接等により固定されている。
第2鉄筋46bは、平面視において第1鉄筋41のL字内側に配置され、その水平部47bが第1鉄筋41の水平部43と平行をなしかつ当該水平部43と同じ高さ位置に位置している。第2鉄筋46bは、その鉛直部49bの上端部(換言すると鉛直部49bと水平部47bとの境界部)において第1鉄筋41の水平部42に対し溶接等により固定されている。
かかる第2鉄筋46a,46bの配置状態において、各第2鉄筋46a,46bの水平部47a,47bは互いに交差(直交)しており、その交差部51において溶接等により互いに固定されている。なお、この交差部51では、水平部47aが下側、水平部47bが上側に位置した状態で両水平部47a,47bが交差しており、それによって水平部47aが第1鉄筋41の水平部42と同じ高さに位置しているのに対し、水平部47bが第1鉄筋41の水平部43よりも若干高い位置(詳しくは鉄筋の太さ分だけ高い位置)に位置している。
補強筋40は、さらに第3鉄筋53を有している。第3鉄筋53は、コ字状に折り曲げられて形成されており、水平方向に延びる水平部54と、水平部54の両端部からそれぞれ下方に向けて(鉛直下向きに)延びる一対の鉛直部55,56とを有する。水平部54は、第1鉄筋41の各水平部42,43の間の境界部58(屈曲部)と、各第2鉄筋46a,46bの交差部51との間の離間距離と同じ長さを有している。また、鉛直部55,56は、第1鉄筋41の鉛直部44,45及び第2鉄筋46の鉛直部48,49と同じ長さを有している。
第3鉄筋53は、その水平部54が、第1鉄筋41の上記境界部58と各第2鉄筋46a,46bの交差部51とに跨がるようにして配置されており、その配置状態において境界部58及び交差部51に溶接等により固定されている。この場合、水平部54は、第1鉄筋41の各水平部42,43及び各第2鉄筋46a,46bの水平部47a,47bに対してそれぞれ45度の角度をなすように配置されている。そして、本補強筋40は、全体として、この水平部54(第3鉄筋53)を基準とした略対称形状をなしている。
補強筋40には、第1鉄筋41と第2鉄筋46aとを連結する連結筋61と、第1鉄筋41と第2鉄筋46bとを連結する連結筋62とが設けられている。連結筋61は、第1鉄筋41の鉛直部44と第2鉄筋46aの鉛直部48aとに架け渡されて設けられ、詳しくはそれら各鉛直部44,48aの上端部間に架け渡されて設けられている。連結筋61は、それら各鉛直部44,48aに対して溶接等により固定されている。
連結筋62は、第1鉄筋41の鉛直部45と第2鉄筋46bの鉛直部48bとに架け渡されて設けられ、詳しくはそれら各鉛直部45,48bの上端部間に架け渡されて設けられている。連結筋62は、それら各鉛直部45,48bに対して溶接等により固定されている。
補強筋40には、第1鉄筋41の各鉛直部44,45と第3鉄筋53の鉛直部55とに架け渡されるようにしてL字状のひび割れ防止筋64が設けられている。ひび割れ防止筋64は、鉛直部44と鉛直部55とに跨がって第1鉄筋41の水平部42と平行に延びる水平部64aと、鉛直部45と鉛直部55とに跨がって第1鉄筋41の水平部43と平行に延びる水平部64bとを有する。ひび割れ防止筋64は、鉛直部44,45,55の長手方向に所定の間隔で複数(本実施形態では3つ)設けられており、それら各ひび割れ防止筋64がそれぞれ各鉛直部44,45,55に溶接等により固定されている。
また、補強筋40には、各第2鉄筋46a,46bの鉛直部48a,48bと第3鉄筋53の鉛直部56とに架け渡されるようにしてL字状のひび割れ防止筋65が設けられている。ひび割れ防止筋65は、鉛直部48aと鉛直部56とに跨がって第2鉄筋46aの水平部47aと平行に延びる水平部65aと、鉛直部48bと鉛直部56とに跨がって第2鉄筋46bの水平部47bと平行に延びる水平部65bとを有する。ひび割れ防止筋65は、鉛直部48a,48b,56の長手方向に所定の間隔で複数(本実施形態では3つ)設けられており、それら各ひび割れ防止筋65がそれぞれ各鉛直部48a,48b,56に溶接等により固定されている。
続いて、基礎11の立ち上がり部13における補強筋40の設置構成について図4〜図6に基づいて説明する。なお、図5では、立ち上がり部13(コーナ部14)上における柱21の設置箇所K(設置領域)を二点鎖線で示している。
図4及び図5に示すように、補強筋40は、立ち上がり部13のL字部分に沿って埋設されており、平面視にて各アンカー位置U1,U2と柱21の設置箇所Kとをそれぞれ囲むようにして配置されている。補強筋40において、第1鉄筋41の水平部42と第2鉄筋46aの水平部47aとは直線部15Aにてアンカーホール19A(及びアンカーボルト18A)を挟んで直線部15Aの厚み方向(以下、基礎厚み方向Y1という)両側に配置されており、同直線部15Aの長手方向(以下、基礎長手方向X1という)に沿って延びている。また、これら各水平部42,47aは、直線部15Aの厚み方向における中心位置に対して同方向に対称となる位置に配置されている。なお、この場合、各水平部42,47aがそれぞれ剥落防止部に相当し、各水平部42,47aをそれぞれ有する第1鉄筋41及び第2鉄筋46aがそれぞれ剥落防止筋に相当する。
第1鉄筋41の水平部43と第2鉄筋46bの水平部47bとは直線部15Bにおいてアンカーホール19B(及びアンカーボルト18B)を挟んで直線部15Bの厚み方向(以下、基礎厚み方向Y2という)両側に配置されており、同直線部15Bの長手方向(以下、基礎長手方向X2という)に沿って延びている。また、これら各水平部43,47bは、直線部15Bの厚み方向における中心位置に対して同方向に対称となる位置に配置されている。なお、この場合、各水平部43,47bがそれぞれ剥落防止部に相当し、各水平部43,47bをそれぞれ有する第1鉄筋41及び第2鉄筋46bがそれぞれ剥落防止筋に相当する。
ところで、地震発生時等には建物ユニット20からアンカーボルト18を介して伝達される振動(水平力)により、アンカーホール19が埋設されている立ち上がり部13(直線部15A,15B)の厚み方向の角部が剥落するおそれがある。図6には、直線部15Aにおいて剥落のおそれがある箇所(以下、剥落箇所Hという)がドットを付して示されている。剥落箇所Hは、アンカーホール19Aの開口部を起点として所定の斜め角度(例えば約45°)で拡がっており、直線部15Aの屋外側及び屋内側の両方に存在している。また、図示は省略するが、直線部15Bでも、これと同様に、剥落箇所Hが直線部15Bの屋外側及び屋内側の両方に存在している。
直線部15Aにおいて第1鉄筋41の水平部42と第2鉄筋46aの水平部47aとはそれぞれ屋外側及び屋内側の両剥落箇所Hに存在している。また、図示は省略するが、直線部15Bにおいても、第1鉄筋41の水平部43と第2鉄筋46bの水平部47bとがそれぞれ屋外側及び屋内側の両剥落箇所Hに存在している。したがって、本補強筋40によれば、各剥落箇所Hそれぞれにおいて剥落の発生を防止することができる。
図4及び図5に戻って、各ひび割れ防止筋64,65は、その水平部64a,65aが基礎長手方向X1に延びる向きで、かつ、その水平部64b,65bが基礎長手方向X2に延びる向きで配置されている。この場合、基礎長手方向X1に延びる両水平部64a,65aがアンカーホール19Aを挟んで基礎厚み方向Y1両側に配置され、基礎長手方向X2に延びる両水平部64b,65bがアンカーホール19Bを挟んで基礎厚み方向Y2両側に配置されている。これにより、アンカーホール19A,19Bの周囲において基礎11の剥落防止に加えひび割れ防止を図ることもできる。
各連結筋61,62及び第3鉄筋53の水平部54はそれぞれ上端主筋36の上側に当接されており、その当接状態において上端主筋36により下方から支持されている。これにより、本補強筋40は、上端主筋36に対して複数の箇所(具体的には3箇所)で支持された状態となっている。なお、この場合、各連結筋61,62と水平部54とがそれぞれ連結部に相当する。
また、水平部54は、その平面視において、出隅16と入れ隅17とを結ぶ直線に沿って配置され、その両端部がそれぞれ出隅16付近及び入れ隅17付近に位置している。
ここで、本補強筋40は、立ち上がり部13におけるアンカーホール19の周囲だけでなく、柱21の設置箇所K周辺についても補強することが可能となっている。以下、補強筋40についてかかる補強を可能とするための構成について説明する。
図5に示すように、第1鉄筋41の水平部42は、基礎長手方向X1において直線部15Aとコーナ部14とに跨がって延びている。水平部42は、その一部がコーナ部14における柱21の設置箇所Kと基礎長手方向X1において同位置に位置している。具体的には、水平部42は、基礎長手方向X1において柱21の設置箇所K(換言すると柱21)と重複する重複部68を有しており、この重複部68が基礎長手方向X1における柱21の設置箇所Kほぼ全域と重複している。
第1鉄筋41の水平部43は、基礎長手方向X2において直線部15Bとコーナ部14とに跨がって延びている。水平部43は、その一部がコーナ部14における柱21の設置箇所Kと基礎長手方向X2において同位置に位置している。具体的には、水平部43は、基礎長手方向X2において柱21の設置箇所Kと重複する重複部69を有しており、この重複部69が基礎長手方向X2における柱21の設置箇所Kほぼ全域と重複している。そして、これら各水平部42,43(重複部68,69)は、コーナ部14の出隅16付近において互いの境界部58にて接続されている。
このように、各水平部42,43が柱21の設置箇所Kと同位置まで延びている上記の構成によれば、アンカーホール19の周囲だけでなく、柱21の設置箇所K周辺においても基礎剥落の防止を図ることができる。また、かかる構成では、柱21の揺れに伴う剥落が特に生じ易いコーナ部14の出隅16部分において基礎剥落の防止を図ることができる。
また、第2鉄筋46aの水平部47aは、基礎長手方向X1において柱21の設置箇所Kと同位置まで延びており、第2鉄筋46bの水平部47bは、基礎長手方向X2において柱21の設置箇所Kと同位置まで延びている。この場合、コーナ部14において出隅16側だけでなく、入れ隅17側についても基礎剥落の防止を図ることができる。
ひび割れ防止筋64は、その水平部64aが基礎長手方向X1において柱21の設置箇所Kと同位置まで延びており、その水平部64bが基礎長手方向X2において柱21の設置箇所Kと同位置まで延びている。したがって、このひび割れ防止筋64により、柱21の設置箇所K周辺、詳しくは出隅16部分における剥落防止効果を高めることができる。
また、ひび割れ防止筋64を支持する各鉛直部44,45,55のうち、鉛直部55は、基礎長手方向X1,X2において柱21の設置箇所Kと同位置に配置されている。詳しくは、鉛直部55は、コーナ部14の出隅16付近において当該出隅16に沿って上下に延びており、柱21の設置箇所Kにおける当該出隅16寄りの角部と同位置に位置している。したがって、この鉛直部55によっても、出隅16部分における剥落防止効果を高めることができる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
補強筋40において、アンカーホール19A(19B)を挟んで立ち上がり部13の厚み方向両側に一対の水平部42,47a(43,47b)を配置し、それら一対の水平部42,47a(43,47b)をそれぞれ基礎長手方向X1(X2)において柱21の設置箇所Kと同じ位置まで延ばした。これにより、アンカーホール19の周囲だけでなく、柱21の設置箇所K周辺においても基礎剥落の防止を図ることができる。また、補強筋40を複数の鉄筋からなる一体物として構成したため、アンカーホール19の周囲と柱21の設置箇所K周辺とを一挙に補強することができ、その結果配筋作業の工数増大を抑制しながら、アンカーホール19の周囲と柱21の設置箇所K周辺との双方にて基礎剥落の防止を図ることができる。
立ち上がり部13において、その立ち上がり部13が延在する基礎延在方向Xにおける柱21の設置箇所Kを挟んだ両側にそれぞれアンカー位置U1,U2を設定し、それら各アンカー位置U1,U2ごとに一対の水平部42,47a(43,47b)を設けた。この場合、各アンカーホール19A,19Bの周囲と柱21の設置箇所K周辺とのそれぞれにおける剥落防止を一挙に図ることができ、これら各部の剥落防止を図る上で作業工数の低減を大いに図ることができる。
アンカーホール19A(アンカーボルト18A)を挟んで基礎厚み方向Y1両側に配置された第1鉄筋41及び第2鉄筋46aを連結する連結筋61を設け、アンカーホール19B(アンカーボルト18B)を挟んで基礎厚み方向Y2両側に配置された第1鉄筋41及び第2鉄筋46bを連結する連結筋62を設けた。そして、これら各連結筋61,62をそれぞれ上端主筋36により下方から支持するようにした。これにより、補強筋40を基礎11の立ち上がり部13に配置する際には補強筋40を上端主筋36に支持させた状態で配置することができ、その配置作業をし易くすることができる。
また、これらの連結筋61,62(連結部)を上端主筋36に支持させる支持部として兼用したため、連結筋61,62とは別にかかる支持部を設ける場合と比べ、構成の簡素化を図ることができる。
また、連結筋61,62を、上端主筋36の延びる方向(L字状に延びる方向)に沿って複数設けたため、複数の連結筋61,62により補強筋40を安定した状態で支持することができ、その結果補強筋40の配置作業をより一層し易くすることができる。
さらに、各連結筋61,62を、上端主筋36の延びる方向における補強筋40の両端部に配置したため、補強筋40を安定した状態で支持する上で都合がよい。
第3鉄筋53の水平部54を、その平面視にて、出隅16と入れ隅17とを結ぶ直線に沿って延びるように配置したため、コーナ部14の出隅16付近と入れ隅17付近との双方における剥落防止効果を高めることができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、基礎11の立ち上がり部13におけるコーナ部14上に柱21が設置される構成に本発明を適用したが、立ち上がり部13における直線部15上に柱21が設置される構成に本発明を適用してもよい。例えば、図8では、立ち上がり部13における直線部15上に柱21が設置され、その柱21を挟んだ直線部15の長手方向両側にそれぞれアンカーホール19が設けられている。直線部15には、補強筋70が埋設されており、補強筋70は、アンカーホール19を挟んで直線部15の厚み方向両側に配置された一対の水平部71,72(剥落防止部に相当)を有している。これら各水平部71,72は、直線部15の長手方向に沿って各アンカーホール19に跨がるように延びており、その長手方向の両端部にて各連結筋73,74により連結されている。
この場合、各水平部71,72がそれぞれ直線部15の長手方向において柱21の設置箇所Kを跨ぐように配置されるため、各アンカーホール19の周囲のみならず、柱21の設置箇所K周辺においても基礎剥落の防止を図ることができる。また、補強筋70は、各水平部71,72が連結筋73,74により連結された一体物とされているため、各アンカーホール19の周囲と柱21の設置箇所K周辺とを一挙に補強することができる。よって、この場合にも、作業工数の増大を抑制しながら、各アンカーホール19の周囲と柱21の設置箇所K周辺との双方にて基礎剥落の防止を図ることができる。
(2)上記実施形態では、2つのアンカーホール19A,19Bを一の補強筋40によりまとめて補強したが、これら2つのアンカーホール19A,19Bにそれぞれ補強筋を設け、それら各補給筋により各アンカーホール19A,19Bを個別に補強してもよい。その場合にも、それら各補強筋のうち少なくともいずれか一方の補強筋について、その水平部(剥落防止部)を柱21の設置箇所Kまで延ばして設ければ、アンカーホール19の周囲に加えて柱21の設置箇所K周辺を補強することが可能となる。
(3)上記実施形態では、補強筋40において、アンカーホール19を挟んで立ち上がり部13(直線部15)の厚み方向両側に配置された一対の水平部42,47a(43,47b)の両方をそれぞれ柱21の設置箇所Kと同位置まで延ばしたが、それら一対の水平部42,47a(43,47b)のうち出隅16寄りの水平部42(43)だけを柱21の設置箇所Kと同位置まで延ばすようにしてもよい。その場合にも、柱21の揺れに伴う剥落が特に生じ易い出隅16部分における剥落防止を図ることができる。
また、上記実施形態では、補強筋40において、各アンカーホール19A(19B)ごとにそれぞれ設けられた一対の水平部42,47a(43,47b)の両方をそれぞれ柱21の設置箇所Kと同位置まで延ばしたが、各アンカーホール19A,19Bのうちいずれかのアンカーホール(例えば19A)に対して設けられた一対の水平部42,47aのみを柱21の設置箇所Kと同位置まで延ばしてもよい。その場合にも、柱21の設置箇所K周辺における剥落防止効果を得ることができる。
(4)上記実施形態では、補強筋40に、アンカーホール19を挟んで立ち上がり部13の厚み方向両側に配置される一対のひび割れ防止筋64,65を設けたが、これら各ひび割れ防止筋64,65のうちいずれか一方又は両方を不具備としてもよい。例えば、両方のひび割れ防止筋64,65を不具備とすれば、それらを支持する各鉛直部44,45,55(48a,48b,56)についても不具備とすることができるため、補強筋の構成を大いに簡素化することができる。
(5)基礎11の配筋構造をダブル配筋としてもよい。この場合、補強筋40における一対の剥落防止部を2つの主筋を挟んだ基礎厚み方向両側にそれぞれ配置する構成とすることが考えられる。
(6)上記実施形態では、建物ユニット20の床大梁23をアンカーボルト18により基礎11の立ち上がり部13に固定したが、床大梁23以外の部位をアンカーボルト18で固定する構成も考えられる。例えば、柱21の下端部に設けられたエンドプレートを柱21から側方にはみ出して形成し、そのはみ出し部を立ち上がり部13にアンカーボルト18で固定する構成が考えられる。かかる構成においても、建物ユニット20(さらに言うと建物)が柱21の付近にて立ち上がり部13にアンカーボルト18により固定されるため、本発明の補強筋を適用することが可能である。
(7)建物を基礎11の立ち上がり部13にアンカーボルトで固定するにあたっては、そのアンカーボルトを直接立ち上がり部13に埋め込む(埋設させる)構成、すなわちアンカーホール19を用いない構成も考えられる。このような構成では、アンカーボルト(のみ)を補強対象として本発明の補強筋40を設置すればよい。その場合、アンカーボルトがアンカー部に相当する。
(8)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用することができる。要するに、建物の柱が基礎の立ち上がり部上に設置されるとともにその柱付近で建物がアンカー部によって立ち上がり部に固定される構成であれば、本発明を適用することができる。
10…建物、11…基礎、13…立ち上がり部、14…コーナ部、15…非コーナ部としての直線部、16…出隅、18…アンカーボルト、19…アンカーホール、20…建物ユニット、21…柱、23…床梁としての床大梁、36…主筋としての上端主筋、40…補強筋、44…鉛直部、45…鉛直部、48…鉛直部、49…鉛直部、55…鉛直部、56…鉛直部、64…ひび割れ防止筋、65…ひび割れ防止筋、K…柱の設置箇所、U1,U2…アンカー位置。

Claims (9)

  1. 鉄筋コンクリート造の基礎における立ち上がり部に適用され、
    前記立ち上がり部上に設置される建物の柱の設置箇所に対して前記基礎の長手方向にずれた所定のアンカー位置で前記建物を前記立ち上がり部に固定するアンカー部を補強するアンカー部用の補強筋であって、
    複数の鉄筋が互いに組み合わされて一体化されることにより構成されており、
    前記立ち上がり部の内部において前記アンカー部を挟んだ前記立ち上がり部の厚み方向両側に設けられ、それぞれが前記鉄筋により構成されるとともに前記基礎の長手方向に延びる一対の剥落防止部を備え、
    前記一対の剥落防止部のうち少なくともいずれかの剥落防止部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同じ位置まで延びていることを特徴とする補強筋。
  2. 前記基礎の前記立ち上がり部は、平面視においてL字状に屈曲されており、
    前記立ち上がり部において、前記屈曲された部分が前記立ち上がり部の出隅が形成されたコーナ部となっており、前記コーナ部から互いに直交する方向に延びる各部分がそれぞれ非コーナ部となっており、
    前記コーナ部には前記柱が設置され、前記非コーナ部には前記アンカー位置が設定されており、
    前記アンカー位置が設定された前記非コーナ部では、前記アンカー部を挟んだ当該非コーナ部の前記厚み方向両側にそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、
    前記一対の剥落防止部のうち、少なくとも前記厚み方向において前記出隅寄りに配置された前記剥落防止部が当該非コーナ部の長手方向において前記コーナ部における前記柱の設置箇所と同位置まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の補強筋。
  3. 前記各非コーナ部にはそれぞれ前記アンカー位置が設定されているとともに、それら各アンカー位置ごとにそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、
    前記各非コーナ部においてそれぞれ当該非コーナ部の厚み方向出隅寄りに配置された前記各剥落防止部がそれぞれ当該非コーナ部の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置まで延びており、かつ、前記出隅付近において直角をなして接続されていることを特徴とする請求項2に記載の補強筋。
  4. 前記基礎の前記立ち上がり部において、その立ち上がり部が延在する延在方向における前記柱の設置箇所を挟んだ両側にそれぞれ前記アンカー位置が設定されており、
    それら各アンカー位置ごとにそれぞれ、前記アンカー部を挟んだ前記厚み方向両側に前記一対の剥落防止部が配置されており、
    それら各剥落防止部のうち少なくともいずれかの剥落防止部が前記柱の設置箇所と同位置まで延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の補強筋。
  5. 前記立ち上がり部の内部において前記アンカー部を挟んで前記厚み方向の両側に設けられ、それぞれが前記剥落防止部を有する一対の剥落防止筋と、
    前記鉄筋により構成され、前記一対の各剥落防止筋を連結する連結部と、
    を備え、
    前記連結部は、前記立ち上がり部の内部で前記基礎の長手方向に延びる主筋によって下方から支持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の補強筋。
  6. 前記一対の各剥落防止部にそれぞれ複数ずつ設けられ、当該剥落防止部よりも下方へ延びる鉛直部と、
    前記アンカー部を挟んだ前記厚み方向両側でそれぞれ、前記複数の鉛直部に架け渡されて設けられたひび割れ防止部と、を備え、
    前記厚み方向両側の各ひび割れ防止部のうち少なくともいずれかのひび割れ防止部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同じ位置まで延びていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の補強筋。
  7. 前記複数の鉛直部のうち一部の鉛直部は、前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の補強筋。
  8. 前記基礎の前記立ち上がり部は、平面視においてL字状に屈曲されており、
    前記立ち上がり部において、前記屈曲された部分が前記立ち上がり部の出隅が形成されたコーナ部となっており、前記コーナ部から互いに直交する方向に延びる各部分がそれぞれ非コーナ部となっており、
    前記コーナ部には前記柱が設置され、前記非コーナ部には前記アンカー位置が設定されており、
    前記アンカー位置が設定された前記非コーナ部では、前記アンカー部を挟んだ当該非コーナ部の前記厚み方向両側にそれぞれ前記一対の剥落防止部が設けられており、
    前記一対の剥落防止部のうち、少なくとも前記厚み方向において前記出隅寄りに配置された前記剥落防止部が前記基礎の長手方向において前記柱の設置箇所と同位置まで延びており、
    その出隅寄りの剥落防止部に設けられた複数の前記鉛直部のうち一部の鉛直部が、前記出隅付近に配置されて、当該出隅に沿って上下に延びていることを特徴とする請求項6又は7に記載の補強筋。
  9. 請求項3に記載された補強筋が埋設された前記立ち上がり部を有する前記基礎と、
    前記立ち上がり部上に設置された前記建物と、
    を備え、
    前記建物は、床梁、天井梁及び柱を有してなる複数の建物ユニットが互いに連結されることにより構成されているユニット式建物であって、
    前記建物ユニットの前記柱が前記コーナ部上に設置されており、
    その柱から互いに直交する方向に延びる2つの前記床梁がそれぞれ前記各非コーナ部上において当該非コーナ部に沿って配設され、
    前記各非コーナ部の前記アンカー位置ではそれぞれ、前記床梁が当該非コーナ部に対して前記アンカー部により固定されていることを特徴とするユニット式建物。
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