JP2012219581A - 基礎構造、及びこれを備えた構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛直支持力を確保しつつ、施工性を向上することができる基礎構造、及びこれを備えた構造物を得ることを目的とする。
【解決手段】柱状改良体40T1〜40T4は、各建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重に応じて、その耐力(杭耐力)が設計されている。具体的には、建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重の設計値に応じて、各柱状改良体40T1〜40T4に添加されるセメントミルク中の固化材の添加量が増減されている。即ち、各建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重の設計値に応じて、柱状改良体40T1〜40T4の単位体積当たりの固化材の添加量が異なっている。これにより、本実施形態では、耐力(鉛直支持力)が異なる4種類の柱状改良体40T1〜40T4により、ユニット建物11が支持されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、基礎構造、及びこれを備えた構造物に関する。
建物の基礎工法として、柱状地盤改良工法が知られている(例えば、特許文献1)。この種の柱状地盤改良工法では、オーガ等の掘削機によって、その先端からセメントミルクを噴出しながら地盤を掘削し、掘削土とセメントミルクを地中で撹拌、混合することにより柱状改良体が造成される。
特開2010−163842号公報
ここで、一般に柱状改良体は、その断面積(杭径)に対する耐力(長期許容杭耐力)が一定となるように設計される。従って、例えば、同一断面積の複数の柱状改良体によって建物を支持する場合、各柱状改良体には、単位体積当たりに同じ量のセメントミルクが添加され、全ての柱状改良体の耐力が同一になるように設計される。そのため、建物のうち、鉛直荷重が1本の柱状改良体の鉛直支持力を超える部位では、複数の柱状改良体を造成して所定の鉛直支持力を確保しなければならず、施工が煩雑化していた。
本発明は、上記の事実を考慮し、鉛直支持力を確保しつつ、施工性を向上することができる基礎構造、及びこれを備えた構造物を得ることを目的とする。
請求項1に記載の基礎構造は、地中に構築され、建物を支持する第1柱状改良体と、地中に構築され、前記建物を支持すると共に、前記第1柱状改良体と断面積が同一とされた第2柱状改良体と、備え、前記第1柱状改良体と前記第2柱状改良体とは、各々の下端部における単位体積当たりの固化材の添加量が異なっている。
請求項1に記載の基礎構造によれば、断面積が同一とされた第1柱状改良体及び第2柱状改良体を備えている。これらの第1柱状改良体と第2柱状改良体とは、各々の下端部における単位体積当たりの固化材の添加量が異なっている。これにより、第1柱状改良体の下端部の圧縮強度と第2柱状改良体の下端部の圧縮強度とが異なっている。
ここで、第1柱状改良体の下端部には、建物から伝達される鉛直荷重に加えて、第1柱状改良体の上部の重量(自重)が鉛直荷重として伝達される。そのため、第1柱状改良体の下端部では、その上端部と比較して必要となる圧縮強度(以下、「必要圧縮強度」という)が大きくなる。従って、第1柱状改良体の耐力は、その下端部の圧縮強度に基づいて設計される。これと同様に、第2柱状改良体の耐力は、その下端部の圧縮強度に基づいて設計される。
このように、第1柱状改良体の耐力及び第2柱状改良体の耐力は、各々の下端部の圧縮強度に基づいて設計されるため、例えば、第2柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量を、第1柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量よりも多くすることにより、第2柱状改良体の耐力を第1柱状改良体の耐力よりも大きくすることができる。従って、建物のうち、鉛直荷重が第1柱状改良体の鉛直支持力を超える部位を第2柱状改良体で支持し、その他の部位を第1柱状改良体で支持することにより、従来のように鉛直荷重が1本の柱状改良体の鉛直支持力を超える部位を複数の柱状改良体で支持する構成と比較して、第1柱状改良体及び第2柱状改良体の本数を低減することができる。よって、施工性が向上する。
また、第1柱状改良体と第2柱状改良体とは、断面積が同一であるため、同じ掘削機を用いて施工することができる。従って、施工性が更に向上する。
請求項2に記載の基礎構造は、請求項1に記載の基礎構造において、前記第1柱状改良体及び前記第2柱状改良体の少なくとも一方は、前記下端部よりも上端部の単位体積当たりの固化材の添加量が少なくなっている。
請求項2に記載の基礎構造によれば、第1柱状改良体及び第2柱状改良体の少なくとも一方は、下端部よりも上端部の単位体積当たりの固化材の添加量が少なくなっている。ここで、前述したように第1柱状改良体の下端部では、その上端部と比較して必要圧縮強度が大きくなる。換言すると、第1柱状改良体の上端部では、その下端部と比較して必要圧縮強度が小さくなる。
従って、例えば、第1柱状改良体において、下端部よりも上端部の単位体積当たりの固化材の添加量を少なくすることにより、その全長に渡って均一に固化材を添加した柱状改良体と比較して、所定の鉛直支持力を確保しつつ、固化材の添加量を低減することができる。よって、材料コストを削減することができる。
請求項3に記載の基礎構造は、請求項2記載の基礎構造において、前記第1柱状改良体及び前記第2柱状改良体の少なくとも一方は、前記下端部から前記上端部に向けて単位体積当たりの固化材の添加量が段階的に少なくなっている。
請求項3に記載の基礎構造によれば、例えば、第1柱状改良体において、その下端部から上端部に向けて単位体積当たりの固化材の添加量を段階的に少なくすることにより、その全長に渡って均一に固化材を添加した柱状改良体と比較して、所定の鉛直支持力を確保しつつ、固化材の添加量を更に低減することができる。
請求項4に記載の基礎構造は、請求項1〜3の何れか1項に記載の基礎構造において、前記第1柱状改良体と前記第2柱状改良体とは、軸方向の長さが同一である。
請求項4に記載の基礎構造によれば、第1柱状改良体の軸方向の長さと、第2柱状改良体の軸方向の長さとを同一にしたことにより、第1柱状改良体の掘削深度と第2柱状改良体の掘削深度とが同一になるため、施工管理が容易となる。従って、施工性が更に向上する。
請求項5に記載の構造物は、請求項1〜4の何れか1項に記載の基礎構造が適用された基礎と、前記第1柱状改良体に支持される第1支持部と、前記第2柱状改良体に支持され、鉛直荷重が前記第1支持部の鉛直荷重よりも大きい第2支持部と、を有する建物と、を備え、前記第2柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量が、前記第1柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量よりも多くなっている。
請求項5に記載の構造物によれば、建物の第1支持部は、第1柱状改良体によって支持される。一方、鉛直荷重が第1支持部よりも鉛直荷重が大きい第2支持部は、第2柱状改良体によって支持される。この第2柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量は、第1柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量よりも多くなっている。従って、従来のように鉛直荷重が1本の柱状改良体の鉛直支持力を超える部位を複数の柱状改良体で支持する構成と比較して、第1柱状改良体及び第2柱状改良体の本数を低減することができる。よって、施工性が向上する。
請求項6に記載の構造物は、請求項5に記載の構造物において、前記建物は、複数の建物ユニットを有して構成されたユニット建物である。
請求項6に記載の構造物によれば、複数の建物ユニットを有して構成されたユニット建物を支持する基礎の施工性を向上することができる。従って、コスト削減、及び工期の短縮化を図ることができる。
以上説明したように、本発明に係る基礎構造、及びこれを備えた構造物によれば、鉛直支持力を確保しつつ、施工性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る構造物を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る基礎を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る基礎を示す図2の3−3線断面図である。 材齢と柱状改良体の一軸圧縮強さとの関係を示すグラフである。 比較例に係る基礎を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る基礎の変形例を示す図3に相当する一部拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る基礎構造、及びこれを備えた構造物について説明する。なお、各図において適宜示される矢印Xは、平面視にて構造物の長手方向を示し、矢印Yは平面視にて矢印X方向と直交する構造物の短手方向を示し、矢印Zは構造物の高さ方向(上下方向)を示している。
図1には、一実施形態に係る構造物10が示されている。構造物10は、建物としてのユニット建物11と、本実施形態に係る基礎構造が適用された基礎30を備えている。ユニット建物11は、複数の建物ユニット18を有して構成されている。各建物ユニット18は、後述する基礎30の上に、長手方向(矢印X方向)及び短手方向(矢印Y方向)に隣接して設置されている。各建物ユニット18は、複数の柱12と、隣接する柱12の上端部に渡された複数の天井大梁14と、柱12の下端部に渡された複数の床大梁16を有し、これらの柱12、天井大梁14、及び床大梁16を箱形形状に連結して構成されている。
なお、図1には、一例として、ユニット建物11の1階が示されているが、ユニット建物11は、複数の建物ユニット18を高さ方向(矢印Z方向)に積み上げて複数階にすることも可能である。また、建物ユニット18の数、配置、形状、及び構成等は、上記したものに限らず、適宜変更可能である。
図2に示されるように、ユニット建物11を支持する基礎30は、布基礎としての内側布基礎34及び外周布基礎36と、地盤20中(地中)に構築され、内側布基礎34及び外周布基礎36を支持する複数の柱状改良体40T1〜40T4と、を備えている。
内側布基礎34は平面視にて格子状に形成されており、地盤20中に埋設されたフーチング34Aと、フーチング34Aから立ち上げられ、地上へ露出された基礎本体34Bと備えている。一方、外周布基礎36は、内側布基礎34を囲むように枠状に形成され、ユニット建物11(図1参照)の外周部を支持しており、内側布基礎34と同様に、地盤20中に埋設されたフーチング36Aと、フーチング36Aから立ち上げられ、地上へ露出された基礎本体36Bを備えている。なお、内側布基礎34の基礎本体34Bの幅は、外周布基礎36の基礎本体36Bの幅よりも広くなっている。
このように構成された内側布基礎34及び外周布基礎36の上には、柱12(図1参照)が内側布基礎34の2つの交差部C1、内側布基礎34と外周布基礎36との6つの交差部C2、及び外周布基礎36の4つの角部C3の上にそれぞれ位置するように、各建物ユニット18が設置されている。これらの建物ユニット18の柱12から内側布基礎34及び外周布基礎36の各交差部C1,C2及び角部C3へ伝達される鉛直荷重は、柱12の位置によって異なっている。
なお、各交差部C1,C2及び角部C3の符号の末尾に付されたK1〜K4は、柱12から伝達される鉛直荷重の大小関係を示しており、K2〜K4は、K1へ伝達される鉛直荷重の2倍、3倍、4倍の鉛直荷重が伝達されることを意味する。また、K1には、第1支持部としての柱12から鉛直荷重が伝達され、K2〜K4には、第2支持部としての柱12から鉛直荷重が伝達される。
内側布基礎34及び外周布基礎36の各交差部C1,C2、及び角部C3は、柱状改良体40T1〜40T4によってそれぞれ支持されている。第1柱状改良体としての柱状改良体40T1、及び第2柱状改良体としての40T2〜40T4は、湿式の柱状地盤改良工法によって地盤20中に構築されている。具体的には、オーガ等の掘削機によって、その先端から水にセメント系の固化材を混ぜ合わせたセメントミルクを噴出しながら地盤を掘削し、掘削土とセメントミルクを地盤20中で撹拌、混合することにより造成されている。
また、図3に示されるように、各柱状改良体40T1〜40T4(柱状改良体40T1は図示しない)は、各々の断面積(杭径D)及び軸方向の長さ(杭長L)が全て同一にされると共に、その全長(杭長L)に渡って均一になるように固化材が添加されている。なお、ここでいう杭径D及び杭長Lが同一とは、完全同一だけでなく、施工誤差等に起因する僅かな相違を含む概念である。また、各柱状改良体40T1〜40T4の杭径Dは、地盤20から決定される鉛直支持力よりも、柱状改良体40T1〜40T4の鉛直支持力が大きくなるように設定されている。
ここで、柱状改良体40T1〜40T4は、各建物ユニット18の柱12(図1参照)から伝達される鉛直荷重に応じて、その耐力(杭耐力)が設計されている。具体的には、各建物ユニット18の柱12(図1参照)から伝達される鉛直荷重の設計値に応じて、柱状改良体40T1〜40T4に添加されるセメントミルク中の固化材の添加量が増減されている。即ち、各建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重の設計値に応じて、各柱状改良体40T1〜40T4の単位体積当たりの固化材の添加量が異なっている。これにより、本実施形態では、耐力(鉛直支持力)が異なる4種類の柱状改良体40T1〜40T4が造成されている。
下記表1には、一例として、本実施形態における各柱状改良体40T1〜40T4の耐力が示されている。なお、各柱状改良体40T1〜40T4の符号の末尾に付されたT1〜T4は、柱状改良体40の耐力の大小関係を示しており、T2〜T4は、T1の耐力の2倍、3倍、4倍の耐力を有することを意味する。
Figure 2012219581
また、本実施形態では、一例として、下記式(1)及び式(2)から算出される長期許容杭耐力Rに安全率を乗じたものを耐力とした。また、下記表2には、一例として、柱状改良体40T1の耐力の設計例が示されており、図4には、柱状改良体40T1の設計に用いた一軸圧縮強さqucが示されている。
Figure 2012219581

ただし、
:長期許容杭耐力
:設計基準強度(kN/m
m :qucとVとを関連付ける定数
V :一軸圧縮強さの変動係数
uc:施工実績から得られた一軸圧縮強さ(kN/m
である。
Figure 2012219581
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る基礎30は、断面積(杭径D)が同一にされた複数の柱状改良体40T1〜40T4を備えている。これらの柱状改良体40T1〜40T4の耐力は、各建物ユニット18の柱12(図1参照)から伝達される鉛直荷重に応じて設計されている。具体的には、上記表1に示されるように、柱状改良体40T1〜40T4に添加される単位体積当たりの固化材の添加量が、150kg/m、250kg/m、350kg/m、450kg/mとされている。これにより、各柱状改良体40T1〜40T4の耐力は、柱状改良体40T1から柱状改良体40T2、柱状改良体40T3、柱状改良体40T4の順に大きくなり、柱状改良体40T4で最大になっている。また、柱状改良体40T2〜40T4の耐力は、柱状改良体40T1の耐力の2倍、3倍、4倍になるように設計されている。
このように各建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重に応じて、柱状改良体40T1〜40T4の耐力を設計することにより、例えば、柱状改良体40T1〜40T4の耐力を全て同一した構成と比較して、柱状改良体40T1〜40T4の本数を低減することができる。
ここで、図5に示される比較例に係る基礎100を用いてより詳細に説明する。なお、比較例に係る基礎100において、本実施形態と同様の構成のものは同符号を付すると共に、その説明を適宜省略する。
図5に示されるように、比較例に係る基礎100では、内側布基礎34及び外周布基礎36の各交差部C1,C2及び角部C3を支持する複数の柱状改良体102を備えている。これらの柱状改良体102は、その断面積(杭径)及び耐力が全て同一とされており、各建物ユニット18の柱12から交差部C1,C2及び角部C3へ伝達される鉛直荷重に応じて、交差部C1,C2及び角部C3へ配分されている。
具体的には、ユニット建物11の柱12から伝達される鉛直荷重が最小となる角部C3K1は1本の柱状改良体102で支持されており、ユニット建物11の柱12から伝達される鉛直荷重が角部C3K1の4倍となる交差部C1K4は4本の柱状改良体102で支持されている。このように比較例に係る基礎100では、各建物ユニット18の柱12から交差部C1,C2及び角部C3へ伝達される鉛直荷重に応じて、柱状改良体102の本数を増減することにより、所定の鉛直支持力を確保している。
これに対して本実施形態に係る基礎30では、図2に示されるように、建物ユニット18の柱12(図1参照)から内側布基礎34及び外周布基礎36の各交差部C1,C2及び角部C3へ伝達される鉛直荷重に応じて、交差部C1,C2及び角部C3を支持する柱状改良体40T1〜40T4の耐力が増減されている。従って、前述した比較例に係る基礎100(図5参照)と比較して、柱状改良体40T1〜40T4の本数を削減することができる。よって、基礎30の施工性を向上することができ、また、コスト削減及び工期の短縮化を図ることができる。
また、各柱状改良体40T1〜40T4は杭径Dが同一であるため、同じ掘削機を用いて施工することができる。更に、各柱状改良体40T1〜40T4の杭長Lを同一にしたことにより、各柱状改良体40T1〜40T4の掘削深度が同一になるため、施工管理が容易となる。従って、施工性が更に向上する。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、図2に示されるように、内側布基礎34及び外周布基礎36の交差部C1,C2及び角部C3を1本の柱状改良体40T1〜40T4で支持したがこれに限らない。例えば、ユニット建物11の柱12から伝達される鉛直荷重が角部C3K1の4倍となる交差部C1K4を、2本の柱状改良体40T2で支持しても良いし、2本の柱状改良体40T1と1本の柱状改良体40T2で支持しても良い。これにより、比較例に係る基礎100(図5参照)と比較して、柱状改良体40T1〜40T4の本数を低減することができる。
また、上記実施形態では、各柱状改良体40T1〜40T4に、その全長に渡って均一になるように固化材を添加したがこれに限らない。例えば、図6に示されるように、柱状改良体50T4の下端部(先端部)から上端部に向けて単位体積当たりの固化材の添加量を段階的に少なくしても良い。
具体的には、柱状改良体50T4は、単位体積当たりの固化材の添加量が異なる4つの改良部50A〜50Dを上下方向に有している。各改良部50A〜50Dの単位体積当たりの固化材の添加量は、改良部50Aから改良部50Dへ向けて順に少なくなっており、本変形例では一例として、450kg/m、430kg/m、410kg/m、390kg/mとなっている。
ここで、柱状改良体50T4の改良部50Aには、建物ユニット18の柱12から伝達される鉛直荷重に加えて、改良部50B〜50Dの重量(自重)が鉛直荷重として伝達される。そのため、柱状改良体50T4の改良部50Aでは、改良部50B〜50Dと比較して必要となる圧縮強度(以下、「必要圧縮強度」という)が大きくなる。一方、改良部50Dの必要圧縮強度は、改良部50A〜50Cの重量を差し引いた分だけ小さくなる。即ち、柱状改良体50T4の必要圧縮強度は、改良部50Aから改良部50Dへ向かうに従って小さくなる。
従って、本変形例のように各改良部50A〜50Dの重量を考慮し、各改良部50A〜50Dに添加される単位体積当たりの固化材の添加量を改良部50Aから改良部50Dへ向けて順に少なくすることにより、所定の鉛直支持力を確保しつつ、固化材の材料コストを削減することができる。
なお、本変形例では、単位体積当たりの固化材の添加量に応じて、柱状改良体50T4を上下方向に4つの改良部50A〜50Dを設けたがこれに限らない。少なくとも柱状改良体50T4の下端部に対して上端部における単位体積当たり固化材の添加量が少なくなっていれば良く、単位体積当たりの固化材の添加量が異なる改良部の数や長さは適宜変更可能である。
また、本変形例は、上記実施形態における何れの柱状改良体40T1〜40T4にも適用可能である。この場合、各柱状改良体40T1〜40T4の耐力の比較は、各々の下端部の圧縮強度に基づいて行われる。前述したように柱状改良体40T1〜T4の耐力は、必要圧縮強度が最大となる各柱状改良体40T1〜T4の下端部の圧縮強度に基づいて設計されるためである。
また、上記実施形態では、各柱状改良体40T1〜40T4の杭長Lを同一にしたが、柱状改良体40T1〜40T4の間で杭長Lを異なる値に設定しても良い。この場合、各柱状改良体40T1〜40T4の耐力の比較(大小関係)は、杭長Lに起因する耐力の増減分を加算して行えば良い。
更に、上記実施形態では、各柱状改良体40T1〜40T4を湿式の柱状地盤改良工法で構築したが、乾式の柱状地盤改良工法で構築することも可能である。
更にまた、上記実施形態に係る基礎構造は、ユニット建物11に限らず、種々の構造の建物に適用可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
11 ユニット建物(建物)
12 柱(第1支持部,第2支持部)
18 建物ユニット
30 基礎
40T1 柱状改良体(第1柱状改良体)
40T2 柱状改良体(第2柱状改良体)
40T3 柱状改良体(第2柱状改良体)
40T4 柱状改良体(第2柱状改良体)
50T4 柱状改良体(第1柱状改良体,第2柱状改良体)

Claims (6)

  1. 地中に構築され、建物を支持する第1柱状改良体と、
    地中に構築され、前記建物を支持すると共に、前記第1柱状改良体と断面積が同一とされた第2柱状改良体と、
    備え、
    前記第1柱状改良体と前記第2柱状改良体とは、各々の下端部における単位体積当たりの固化材の添加量が異なっている基礎構造。
  2. 前記第1柱状改良体及び前記第2柱状改良体の少なくとも一方は、前記下端部よりも上端部の単位体積当たりの固化材の添加量が少なくなっている請求項1に記載の基礎構造。
  3. 前記第1柱状改良体及び前記第2柱状改良体の少なくとも一方は、前記下端部から前記上端部に向けて単位体積当たりの固化材の添加量が段階的に少なくなっている請求項2記載の基礎構造。
  4. 前記第1柱状改良体と前記第2柱状改良体とは、軸方向の長さが同一である請求項1〜3の何れか1項に記載の基礎構造。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の基礎構造が適用された基礎と、
    前記第1柱状改良体に支持される第1支持部と、前記第2柱状改良体に支持され、鉛直荷重が前記第1支持部の鉛直荷重よりも大きい第2支持部と、を有する建物と、
    を備え、
    前記第2柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量が、前記第1柱状改良体における下端部の単位体積当たりの固化材の添加量よりも多くなっている構造物。
  6. 前記建物は、複数の建物ユニットを有して構成されたユニット建物である請求項5に記載の構造物。
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JP2017125298A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 株式会社適正地盤設計協会 地盤改良工法およびそれによって得られた改良地盤

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