JP2015042576A - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

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継真 豊岡
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Abstract

【課題】吸着ベルトを良好に帯電させることができるシート搬送装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】積載されたシート束1の上面に対向配置された吸着ベルト2と、導電性ブレード103などの弾性体および弾性体を保持するホルダ104を有し上記吸着ベルト2を帯電させる帯電ブレード3とを備え、帯電ブレード3により帯電させた吸着ベルト2に上記シート束1の最上位シート1aを静電吸着させた後、吸着ベルト2を無端移動させて、上記吸着ベルト2に吸着した上記最上位シート1aを搬送するシート搬送装置200において、弾性体の上記ホルダからの突き出し量をL、弾性体の幅をc、弾性体の厚さをb、弾性体の体積抵抗をρ、帯電ブレード3に印加する電圧をV、吸着ベルト2と帯電ブレード3との間の放電開始電圧をV、弾性体に流れる電流をIとしたとき、L<(V−V)cb/(Iρ)の関係を満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、シート搬送装置および画像形成装置に関するものである。
積載された原稿や記録紙等のシートを分離して搬送する方法として、吸着ベルトに電界を形成し、これをシートに接触させて吸着し分離する静電吸着分離方式のシート搬送装置が知られている。
特許文献1に記載の静電吸着分離方式のシート搬送装置は、二本のローラに巻き掛けられた誘電体の吸着ベルトと、この吸着ベルトに当接する帯電ブレードを有し帯電ブレードに交番電圧を印加して吸着ベルトに交番電荷を付与する電荷付与手段とを備えている。
給紙の前段階においては、吸着ベルトは、シート束から離間した位置に位置している。シート束の最上位シートを分離して搬送するときは、まず、吸着ベルトを回転させて、吸着ベルトに帯電ブレードを介して交番電荷を付与する。吸着ベルトに交番電荷を付与したら、吸着ベルトの回転を停止し、吸着ベルトをシート束側へ移動させ、吸着ベルトをシート束の最上位シートに接触させ、シート束の最上位シートを吸着ベルトに吸着させる。
シート束上面に接触させた吸着ベルトの表面部分に、シート束の最上位シートが吸着ベルトに吸着したら、吸着ベルトをシート束から離間する方向へ移動させ、吸着ベルトに吸着した最上位シートをシート束から分離する。そして、吸着ベルトを回転駆動させ、吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する。
帯電ブレードは、ゴムなどの弾性体からなる弾性ブレードと、この弾性ブレード保持する金属製のホルダとで構成されている。そして、この金属製のホルダに交番電圧を印加することで、弾性ブレードと吸着ベルト表面との間で放電を発生させて、吸着ベルト表面に交番電荷が付与される。
しかしながら、帯電ブレードの構成によって、所定の交番電圧を印加しても、弾性ブレードと吸着ベルトとの間で放電が発生せず帯電できない場合があった。そこで、本発明者らが鋭意研究した結果、弾性ブレードのホルダからの突き出し量によって、吸着ベルトを帯電できない場合があることがわかった。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吸着ベルトを良好に帯電させることができるシート搬送装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、積載されたシート束の上面に対向配置された吸着ベルトと、弾性体および弾性体を保持するホルダを有し上記吸着ベルトを帯電させる帯電ブレードとを備え、上記帯電ブレードにより帯電させた吸着ベルトに上記シート束の最上位シートを静電吸着させた後、吸着ベルトを無端移動させて、上記吸着ベルトに吸着した上記最上位シートを搬送するシート搬送装置において、上記弾性体の上記ホルダからの突き出し量をL、上記弾性体の幅をc、上記弾性体の厚さをb、上記弾性体の体積抵抗をρ、上記帯電ブレードに印加する電圧をV、上記吸着ベルトと上記帯電ブレードとの間の放電開始電圧をV、上記弾性体に流れる電流をIとしたとき、L<(V−V)cb/(Iρ)の関係を満たすことを特徴とするものである。
本発明によれば、吸着ベルトを良好に帯電させることができる。
本実施形態に係る複写機を示す模式図。 給紙部の概略構成を示す斜視図。 給紙部を示す模式図。 吸着分離ユニットの要部構成を示す図。 ハウジングの分解図。 吸着ベルトを回転駆動する駆動機構の概略構成図。 シート搬送装置を用いたシート搬送動作について説明する図。 吸着分離ユニットの重心と、揺動機構の噛み合い位置との関係を説明する図。 帯電ブレードと帯電電源と吸着ベルトとを示す概略図。 突き出し量の上限値を決定する決定因子について説明する図。 付き出し量の下限値を決定する決定因子について説明する図。
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態の画像形成装置に限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにも適用することができることは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係る複写機100を示す模式図である。
この複写機100は、自動原稿搬送装置59や、原稿読取部58や画像形成部50や給紙部52などを備えている。自動原稿搬送装置59は、原稿トレイ59aに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して原稿読取部58上のコンタクトガラスに自動給紙するものである。原稿読取部58は、自動原稿搬送装置59によってコンタクトガラス上に搬送された原稿を読み取るものである。画像形成部50は、給紙部52から給紙された記録材であるシートに対して、原稿読取部58によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である。給紙部52は、複数枚のシートが積層されたシート束1を収容していて、このシート束1からその最上位に位置する最上位シート1aを画像形成部50に給紙する。
画像形成部50は、潜像担持体として感光体61のまわりに、帯電装置62、現像装置64、転写装置54、感光体クリーニング装置65等を備えている。また、画像形成部50は、感光体61にレーザー光63を照射するための光書込ユニット(不図示)、シート上のトナー画像を定着する定着装置55等を備えている。
上記構成の画像形成部50では、感光体61の回転とともに、まず帯電装置62で感光体61の表面を一様に帯電する。次いで、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等から入力される画像データや、原稿読取部58によって読み取った原稿の画像データに基づく光書込ユニット(不図示)からのレーザー光63を照射して感光体61上に静電潜像を形成する。その後、現像装置64によりトナーを付着させ静電潜像を可視像化することで感光体61上にトナー画像を形成する。
一方、給紙部52は、シートを1枚づつ分離して搬送して、レジストローラ53に突き当てて止める。そして、画像形成部50のトナー画像形成のタイミングに合わせて、レジストローラ53に突き当てて止めたシートを、感光体61と転写装置54とが対向する転写部に送り出す。転写部では、感光体61上のトナー画像が供給されたシートに転写される。トナー画像が転写されたシートは、定着装置55によりトナー画像を定着後、排紙ローラ対56により排紙トレイ57へ排出される。一方、トナー画像転写後の感光体61の表面は、感光体クリーニング装置65で残留トナーを除去して清掃して再度の画像形成に備える。
図2は、給紙部52の概略構成を示す斜視図であり、図3は、給紙部52を示す模式図であり、図4は、吸着分離ユニット110の要部構成を示す図である。
給紙部52は、複数枚のシートを積載して収容するシート材収容部としての給紙カセット11と、給紙カセット11上の複数枚のシートからなるシート束1から最上位に位置する最上位シート1aを分離して搬送するシート搬送装置200とを含んで構成されている。
図3に示すように、給紙カセット11には、積層された複数枚のシート束1を積載する底板7を有している。給紙カセット11の底部と底板7との間には、底板7を支持する支持部材8が回動自在に取り付けられている。また、図2に示すように、給紙部52には、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことを検知するシート検知手段140が設けられている。
シート検知手段140は、装置本体に設けられた軸142に回転自在に支持されたフィラー144と、透過型光学センサ143とで構成されている。支持部材8を不図示の駆動モータにより回動させ、底板7を上昇させると、底板7に積載されたシート束1が上昇し、最上位シート1aがフィラー144と当接する。このとき、透過型光学センサ143の受光部143aは、発光部143bからの光を受光している。さらに、底板7を上昇させると、フィラー144が、発光部143bの光を遮り、受光部143aが光を受光しなくなる。これにより、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことが検知され、支持部材8の回転を停止する。
シート搬送装置200は、吸着分離ユニット110、この吸着分離ユニット110を揺動させる揺動手段たる揺動機構120、及び、吸着ベルト2を無端移動させる駆動機構130などを備えている。吸着分離ユニット110は、図4に示すように、下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6とに張架される吸着ベルト2を備えている。
吸着ベルト2は、10[Ω・cm]以上の抵抗を有する50[μm]程度の厚さのポリエチレンテレフタレートからなる表層と、アルミ蒸着により形成された10[Ω・cm]以下の抵抗を有する導電層とを有する2層構造となっている。
吸着ベルト2を上記のような2層構造とすることで、導電層を接地された対向電極として使用することができ、吸着ベルト2に電荷を与える帯電手段としての帯電ブレード3を、吸着ベルト2の表層に接した位置であればどこでも設けることができる。また、吸着ベルト2の幅方向両側端縁の内側には、寄止め用のリブ23が設けられており、下流側張架ローラ5や上流側張架ローラ6の両側端面とリブ23とが係合し、吸着ベルト2の寄りを防止している。
下流側張架ローラ5は、抵抗値が10[Ω・cm]の導電性ゴム層が表面に設けられ、上流側張架ローラ6は金属ローラである。下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6は、ともに接地されている。
下流側張架ローラ5は、吸着ベルト2からシートを曲率により分離するのに適した小径にされている。すなわち、下流側張架ローラ5の径を小さく設定して曲率を大きくすることにより、吸着ベルト2に吸着されて搬送されたシートが、下流側張架ローラ5から離れて搬送方向下流側のガイド部材10により形成される搬送路Hに入ることができるようになっている。
また、図4に示すように、下流側張架ローラ5の軸5aは、ハウジング20に回転自在に支持されている。上流側張架ローラ6の軸6aは、ハウジング20のハウジング本体部20aに対してシート搬送方向に摺動可能に保持された軸受22に回転支持されている。軸受22は、スプリング21によりシート搬送方向上流側へ付勢されている。これにより、上流側張架ローラ6が、シート搬送方向上流側に付勢され、吸着ベルト2に張力を付与している。
図5は、ハウジング20の分解図である。ハウジング20に設けられた下流側張架ローラ5の軸5aを軸支する軸孔を有する2つの軸孔部20bのうち一方は、ハウジング20のハウジング本体部20aとは別体で設けられている。この別体の軸孔部20bは、固定用ビス20cによって、その一方の軸孔部20bをハウジング本体部に取り付けている。
下流側張架ローラ5の軸5aにハウジング20を組み付け時には、ハウジング本体部に対して一方の軸孔部20bを取り外し、他方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させる。その後、取り外している一方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させつつ、上記一方の軸孔部20bをハウジング本体部20aに固定用ビス20cで取り付け固定する。
図2、図3に示すように、吸着分離ユニット110は、吸着ベルト2を揺動自在に保持するためのブラケット12がベルト幅方向両端に設けられている。各ブラケット12は、上流側張架ローラ6よりもシート搬送方向上流側に設けられた支持軸14に回転自在に支持されている。これにより、吸着分離ユニット110は、後述する揺動機構120により、吸着位置と搬送位置との間を、支持軸14を支点にして揺動することができる。
なお、吸着位置とはシート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に吸着させる位置であり、搬送位置とは吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する位置である。
各ブラケット12には、長穴12aが設けられており、この長穴12aに上流側張架ローラ6の軸6aが貫通している。これにより、上流側張架ローラ6は、ブラケット12に対して移動可能に保持される。一方、下流側張架ローラ5の軸5aは、ブラケット12に設けられた不図示の孔に貫通し、下流側張架ローラ5は、ブラケット12に対して移動不能に保持される。図3に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置にあるとき、上流側張架ローラ6の軸6aは、長穴12aの下端面41aに突き当たっている。
ブラケット12に設けられた長穴12aは、上流側張架ローラ6の軸6aが長穴12a内を移動しても、上流側張架ローラ6の回転中心と下流側張架ローラ5の回転中心との距離が変化しないように、下流側張架ローラ5の回転中心を中心とする円弧形状となっている。その結果、上流側張架ローラ6が、長穴12a内を移動しても、吸着ベルト2の張力が変化することがない。
通常、吸着ベルト2の張力は、5[N]以下でも下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間でスリップすることなく、吸着ベルト2を回転駆動して、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送することが可能である。
一方で、密着力の高いシートなど、特殊な条件のシートを搬送する場合には、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間にてスリップが起こることが考えられる。そのため、上流側張架ローラ6の表面や下流側張架ローラ5の表面の吸着ベルト2に対する摩擦係数を高くして、スリップを生じにくくしておくことが好ましい。
図6は、吸着ベルト2を回転駆動する駆動機構130の概略構成図である。
各ブラケット12を回転自在に支持する支持軸14の一端には、従動第1プーリ26aと、駆動第2プーリ26bとが固定されている。下流側張架ローラ5の一端には従動第2プーリ25が固定されており、従動第1プーリ26aと従動第2プーリ25とには、従動タイミングベルト28が巻き掛けられている。
また、支持軸14よりもシート搬送方向上流側には、駆動モータ24が設けられており、駆動モータ24のモータ軸24aには、駆動第1プーリ27が固定されている。駆動第1プーリ27と駆動第2プーリ26bとには、駆動タイミングベルト29が巻き掛けられている。
駆動モータ24が駆動すると、駆動タイミングベルト29及び従動タイミングベルト28を介して下流側張架ローラ5が回転駆動する。これにより、吸着ベルト2が回転駆動し、上流側張架ローラ6が、吸着ベルト2の内周面の摩擦により従動回転する。
また、本実施形態においては、ブラケット12を支持する支持軸14を中継して、下流側張架ローラ5に駆動モータ24の駆動力が伝達されるようになっている。このように構成することにより、後述するように、吸着分離ユニット110は、支持軸14を支点にして揺動するため、吸着分離ユニット110が揺動しても、下流側張架ローラ5と支持軸14との距離が変動しない。よって、従動タイミングベルト28の張りは維持されて良好に下流側張架ローラ5に駆動力を伝達することができる。
なお、駆動モータ24から上流側張架ローラ6に駆動力が伝達されるように駆動機構130を構成し、吸着ベルト2を回転させる駆動ローラとして上流側張架ローラ6を用いても良い。
また、図2、図3に示すように、給紙部52のシート搬送方向下流側には、ブラケット12を揺動させる揺動手段としての揺動機構120が設けられている。揺動機構120は、各ブラケット12のシート搬送方向下流側端部に形成された第1駆動伝達部としてのラックギヤ部13と、回転軸16に固定され、ラックギヤ部13にそれぞれ噛み合う第2駆動伝達部材たるピニオンギヤ15とを有している。また、揺動機構120は、揺動モータ30を備えている。回転軸16の一端には、揺動モータ30のモータ軸30aに固定されたモータギヤ31と噛み合う従動ギヤ32が設けられている。
また、各ブラケット12に対応させて設けられた各ピニオンギヤ15を、同一の軸部材である回転軸16に固定することにより、揺動モータ30で回転軸16を回転させることで、各ピニオンギヤ15を回転させることができる。これにより、一つの揺動モータ30で、ベルト幅方向両端に設けられた2つのピニオンギヤ15を回転駆動することができ、部品点数を削減することができ、装置を安価にすることができる。また、簡単な構成で、ベルト幅方向両端に設けられたラックアンドピニオンの駆動を同期することができる。
ラックギヤ部13は、支持軸14を中心としたR形状となっている。ブラケット12に形成されたラックギヤ部13は、吸着分離ユニット110の揺動時、支持軸14を中心にして揺動する。よって、ラックギヤ部13を、支持軸14を中心としたR形状とすることにより、吸着分離ユニット110の揺動時もラックギヤ部13とピニオンギヤ15との噛み合いを維持することができる。また、ブラケット12のシート搬送方向下流側端部にラックギヤ部を形成することにより、ブラケット12と別体のラックギヤをブラケット12に取り付ける場合に比べて、部品点数を削減でき、構成を簡素化することができる。また、揺動機構120のラックアンドピニオンのうち、装置側にピニオンを設けることにより、ピニオンへ駆動を伝達するための構成を、ピニオンを吸着分離ユニット110に設けた場合に比べて、簡単にすることができる。
このような構成の揺動機構120では、揺動モータ30を駆動することにより、各ピニオンギヤ15が回転し、ラックギヤ部13が、シート束1に対して接離する方向へ移動する。これにより、各ブラケット12が、支持軸14を支点にして揺動する。
また、各ブラケット12は、補強部材70により連結固定されている。各ブラケット12を、補強部材70により連結固定することにより、一方のブラケット12と他方のブラケット12とを一体的に揺動させることができる。これにより、ブラケット揺動時に各ブラケット12に保持された吸着ベルト2が、捩れてしまうのを抑えて、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが、吸着ベルト2から分離するのを抑制することができる。
次に、本実施形態のシート搬送装置200を用いた基本的なシート搬送動作について、図7を用いて説明する。
図7(a)に示すように、通常、底板7は下降位置にあり、吸着分離ユニット110は吸着位置にある。まず、給紙信号が入ると、揺動モータ30(図2参照)を駆動して、ピニオンギヤ15を図中時計回りに回転駆動させ、支持軸14を支点して図中反時計回り(シート束1から離れる方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。そして、吸着分離ユニット110が搬送位置まで揺動したら、揺動モータ30の駆動を停止する。
図7(b)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置で停止したら、駆動モータ24(図2参照)を駆動させて、吸着ベルト2を無端移動させる。次に、無端移動する吸着ベルト2に帯電ブレード3を介して帯電電源4により交番電圧を印加する。そして、吸着ベルト2の表面に交流電源周波数と吸着ベルト2の周動速度に応じたピッチ(ピッチは5[mm]〜15[mm]程度とするのがよい)で交番する電荷パターンを形成する。帯電電源4は交流の他、直流を高低交互の電位に変化させたものでもよく、矩形波、正弦波などが考えられる。本実施形態では、吸着ベルト2の表面に対して4[kV]の振幅を持った矩形波を印加している。
吸着ベルト2への帯電が完了したら、図7(c)に示すように、吸着ベルト2の回転を停止するとともに、下降位置で待機していた底板7の上昇を開始する。また、これと前後して、揺動モータ30を逆回転させ、ピニオンギヤ15を図中反時計回りに回転させて、支持軸14を支点にして図中時計回り(シート束1に近接する方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。
底板7が上昇し、吸着分離ユニット110が下降していくと、シート束1の最上位シート1aが、吸着ベルト2を介して上流側張架ローラ6に当接する。さらに、底板7を上昇させ、吸着分離ユニット110を下降させていくと、上流側張架ローラ6が、シート束1により押し上げられ、長穴12aの下端面41aに突き当たっていた上流側張架ローラ6は、長穴12aに案内されながら、上方へ移動していく。また、底板7の上昇に伴い、フィラー144が図中反時計回りに回転する。シート束1の最上位シート1aが所定の位置にくると、このフィラー144が、透過型光学センサ143の発光部143bの光を遮る。これにより、透過型光学センサ143がシート束1の最上位シート1aが所定の位置に到達したことを検知し、底板7の上昇を停止する。
また、吸着分離ユニット110が、吸着位置に到達したら、揺動モータ30の回転を停止する。揺動モータ30がステッピングモータの場合は、回転角度(パルス数)に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。揺動モータ30がDCモータの場合は、駆動時間に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。
図7(d)に示すように、底板7の上昇が停止し、吸着分離ユニット110の下降(揺動)が停止すると、吸着ベルト2のシート束1と対向する領域が、シート束1の最上位シート1aと当接する。吸着ベルト2が最上位シート1aと当接すると、誘電体であるシートには吸着ベルト2の表面の電荷パターンにより形成される不平等電界により、Maxwellの応力が働き、シート束1の最上位シート1aが吸着ベルト2に吸着する。
図7(d)に示す状態にて所定時間待機し、吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着したら、揺動モータ30を駆動して、ピニオンギヤ15を時計回りに回転駆動させ、吸着分離ユニット110を、支持軸14を支点にして図中反時計回りに揺動させる。すると、下流側張架ローラ5は、ブラケット12とともにシート束1から離間する方向へ移動する。
一方、上流側張架ローラ6は、自重により、シート束1の上面から動かず、ブラケット12に対して相対的にシート束方向へ移動する。これにより、シート束上面に接触させた吸着ベルト2の表面部分がシート束上面に対して傾斜するように、その表面部分がシート束上面から離間する。これにより、シートが曲げられて、吸着ベルト2の表面部分に吸着している最上位シート1aの部分が、吸着ベルト2の揺動動作に伴ってシート束上面からめくられる。この際、吸着ベルト2に吸着したシートに復元力が働き、最上位シート1aのみを吸着ベルト2に吸着させ、二番目のシート1bをシートの復元力により分離させることができる。
吸着分離ユニット110が、支持軸14を支点にしてさらに図中反時計回りに回動すると、上流側張架ローラ6の軸6aが、長穴12aの下端面41aに突き当たる。このように、上流側張架ローラ6が、長穴12aの下端面41aに突き当たった状態から、さらに吸着分離ユニット110を回動させると、上流側張架ローラ6もブラケット12とともに移動し、上流側張架ローラ6が、シート束1の上面から離間する。
図7(e)に示すように、吸着分離ユニット110がシートを搬送する搬送位置に到達すると、揺動モータ30の駆動を停止する。そして、駆動モータ24を駆動して、吸着ベルト2を無端移動させて、吸着ベルト2に吸着している最上位シート1aを、搬送ローラ対9へ向けて搬送する。吸着ベルト2に静電吸着した最上位シート1aの先端が、吸着ベルト2の下流側張架ローラ5の巻き回し部分に到達すると、曲率分離により吸着ベルト2から分離し、ガイド部材10に案内されながら、搬送ローラ対9へ向けて移動する(図7(e)参照)。
搬送ローラ対9と吸着ベルト2との線速は同一にされており、搬送ローラ対9がタイミングを取って間欠駆動されているような場合は、吸着ベルト2も間欠駆動されるように駆動モータ24を制御する。また、駆動機構130に電磁クラッチを設け、電磁クラッチを制御することにより、吸着ベルト2の駆動を制御してもよい。
また、本実施形態においては、ブラケット12に長穴12aを設けて、この長穴12aに上流側張架ローラ6の軸6aを保持しているが、以下の構成であればよい。すなわち、上流側張架ローラ6が、ブラケット12に対して、下流側張架ローラ5を中心にして揺動可能に保持されている構成であること。また、吸着分離ユニット110が給送位置にあるとき、吸着ベルト2のシート束の上面に対する傾斜角度が、所定の角度となるよう、上流側張架ローラ6を支持する構成であること。この2つの構成を備えていればよい。
電荷パターンによる用紙吸着力は最上位シート1aにのみ作用し、二番目のシート1b以下の紙には作用しない。本給紙方式ではピックアップ手段と用紙との間の摩擦力を利用しないので、吸着ベルト2とシート束1との接触圧は充分小さくすることができるので、摩擦による重送を起こさない。
吸着ベルト2は、最上位シート1aの後端が上流側張架ローラ6の対向位置に達する前に、シート束1より離間され二番目のシート1bが吸着ベルト2に吸着されないようにしている。
また、本実施形態においては、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13とのギヤの噛み合いにより、吸着分離ユニット110を揺動させる。よって、吸着位置から給送位置への揺動および給送位置から吸着位置の揺動いずれも、揺動モータ30の駆動力により行うことができる。これにより、吸着分離ユニット110の自由落下の速度よりも早く、吸着分離ユニットを、吸着位置まで下降させることができる。よって、1枚目のシート搬送後、すばやく、次のシートの吸着動作を開始することができ、シート間隔を短くすることができる。これにより、生産性を高めることができる。
また、本実施形態においては、揺動機構120を、吸着分離ユニット110の揺動の支点である支持軸14から離れたシート搬送方向下流側に設けている。よって、吸着分離ユニット110のシート搬送方向下流側を、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13との噛み合いにより支持することができる。その結果、吸着分離ユニット110が、支持軸14と、揺動機構120とにより両持ち支持され、吸着分離ユニット110を片持ち支持する場合に比べて、吸着分離ユニット110の振動を抑制することができる。これにより、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが、吸着分離ユニット110の振動により、吸着ベルト2から分離してしまうのを抑制することができる。また、吸着分離ユニット110の揺動の支点である支持軸14から最も離れたシート搬送方向下流側端部で、吸着分離ユニット110に駆動力を伝達して、吸着分離ユニット110を揺動させている。このように、駆動力を伝達する箇所を、支持軸14から離すことで、てこの原理により支持軸側(吸着分離ユニット110のシート搬送方向上流側)で駆動力を伝達する場合に比べて、小さい負荷で、吸着分離ユニット110の揺動を行うことができる。これにより、揺動モータ30の大型化を回避することができ、装置の大型化を抑制することができる。また、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13との噛み合い部の磨耗を抑制することができる。
また、吸着分離ユニット110のシート搬送方向下流端部にピニオンギヤ15とラックギヤ部13を設けることで、以下の利点も得ることができる。すなわち、図8に示すように、吸着分離ユニット110の重心Pよりも、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13との噛み合い位置Kをシート搬送方向下流側に設けることができるという利点である。噛み合い位置Kが、吸着分離ユニット110の重心Pよりもシート搬送方向上流側にあると、支持軸14と揺動機構の噛み合いにより支持されていない自由端側(噛み合い位置よりもシート搬送方向下流側)に吸着分離ユニット110の重心Pが位置してしまう。その結果、吸着分離ユニット110を揺動させたとき、吸着分離ユニット自身のイナーシャの影響などにより、吸着分離ユニット110の自由端(シート搬送方向下流側端部)が、噛み合い位置Kから重心位置Pの距離に応じて弾性振動してしまう。また、重心位置Pが自由端側にあるため、吸着分離ユニット110が弾性振動した際の振幅も大きくなり、振動の収束も遅くなってしまう。
しかし、本実施形態のように、噛み合い位置Kを吸着分離ユニット110の重心Pよりもシート搬送方向下流側に設けることにより、吸着分離ユニット110の弾性振動を、両端支持の弾性振動にでき、振動の振幅を小さく、かつ収束を早くすることができる。
また、ピニオンギヤ15のラックギヤ部13との噛み合いにより吸着分離ユニット110の位置が保持されるので、揺動モータ30を精度よく制御することにより、吸着分離ユニットの位置を精度よく制御することができる。これにより、吸着分離ユニット110を給送位置に精度よく位置させることができる。特に、本実施形態においては、揺動機構120をシート搬送方向下流側に設けて、揺動の支点である支持軸14から離れた位置に設けている。よって、支持軸14側(シート搬送方向上流側)に設けた場合に比べて、1ピッチあたりの吸着分離ユニット110の移動量を少なくすることができる。これにより、より高精度な吸着分離ユニット110の位置制御を行うことができる。その結果、吸着分離ユニット110を狙いの給送位置に精度よく位置させることができ、搬送ローラ対9のニップにスムーズに最上位シート1aを搬送することができる。これにより、最上位シート1aの先端が、搬送ローラ対9に突き当って、そのときの振動などにより吸着ベルトから分離してしまうのを防止することができる。
また、ラックギヤ部13と、ピニオンギヤ15とをベルト幅方向両端に設けることにより、吸着分離ユニット110のベルと幅方向両端が、ラックギヤ部13とピニオンギヤ15との噛み合いにより支持される。これにより、吸着分離ユニット110の捩れを抑制することができる。
また、最上位シート1aを搬送後、吸着ベルト2を除電してもよい。これにより、最上位シート1aを、搬送ローラ対9へ搬送した後は吸着ベルト2の影響を受けずに、搬送ローラ対9の搬送力のみによって搬送される。また、吸着ベルト2を除電することによって、二番目のシート1bが、離間した吸着ベルト2に静電吸着するのを抑制することができる。
ここで、周動する吸着ベルト2に交番電圧を印加することにより、帯電した吸着ベルト2の電荷を除電することができる原理を説明する。吸着ベルト2外周面に導電性ブレードを接触させ直流電源により直流電圧を印加した場合、吸着ベルト2は印加される直流電圧がある電圧以下の電圧では帯電されない。この電圧を帯電開始電圧といい、その値Vは吸着ベルト2の厚さ、体積抵抗等により変化する。次に上記の帯電開始電圧Vをピーク値として持つような交番する電圧を帯電ブレード3に印加したところ、帯電している吸着ベルト2の表面電位がほぼ零Vに除電されることが確認されている。これは、印加電圧のピーク値を帯電開始電位Vとすることにより、この印加電圧では誘電体である吸着ベルト2を帯電させる能力はないが、吸着ベルト2に帯電している空間電荷には移動させる力が働き、除電できることを意味する。また、交互に交番する印加電圧を用いることから、吸着ベルト2が(+),(−)のどちらに帯電していても除電効果がある。しかし、帯電開始電圧以下の印加電圧では、除電不足が発生し、帯電開始電圧以上では、印加周波数(120Hz,v/f=1mm周期)の帯電が生じ、零Vに除電できなかった。したがって、帯電電源4の交番電圧はピーク値が吸着ベルト2に対する帯電開始電圧になるように制御すればよいことになる。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
図9は、帯電ブレード3と帯電電源と吸着ベルト2とを示す概略図である。なお、この図9においては、帯電ブレード3を吸着ベルト2の上流側張架ローラ6に巻きついている箇所に当接させている。
図9に示すように、帯電ブレード3は、弾性体からなり四角柱形状の導電性ブレード103と、導電性ブレード103を保持する金属製のホルダ104とで構成されている。また、帯電ブレード3のホルダ104は、交流を発生する帯電電源4に接続されている。帯電ブレード3をブレード状にすることで、ローラ状の帯電ブレードに比べ、ピッチ幅の小さい電荷パターンを形成することが可能となる。これにより、積載されたシート束の最上位シート1aに対する吸着力増加が早く、また、2枚目以降のシートに作用する吸着力の減少が早くなる。そのため、分離動作に要する時間の短縮が図れる点で有利である。また、交番した帯電間隔を小ピッチ化しやすく、吸着ベルト2に微小な波うちなどがあっても、安定した帯電を行えなうことができる。
本実施形態では、導電性ブレード103の形状を四角柱にしているが、形状はこれに限定されるものではなく、円柱、または四角柱以外の多角柱を用いてもよい。
導電性ブレード103を所定量ホルダ104から突き出して、先端を吸着ベルト2の表面に当接させ、導電性ブレードの先端部と吸着ベルト2との間で放電を発生させて、吸着ベルト2の表面を帯電させている。すなわち、本実施形態においては、帯電電源4→ホルダ104→導電性ブレード103のホルダ104から突き出しだ部分→吸着ベルト2という順番に電流が流れていく。かかる構成の帯電ブレード3においては、導電性ブレード103のホルダ104からの突き出し量Lが長すぎると、導電性ブレード103の電流が流れるホルダ104から突き出した突き出し部分の抵抗値Rが大きくなる。その結果、導電性ブレード103と吸着ベルト2との間で放電が起こらずに吸着ベルト2が帯電しない。
そこで、本発明者らは、吸着ベルト2が帯電可能な導電性ブレード103の突き出し量Lについて鋭意研究した。
図10に示すように、ブレードの厚さをb、ブレードの幅(図10の紙面と直交する方向の長さ)をc、ブレードの体積抵抗をρとする。また、帯電ブレード3に印加する印加電圧をV、放電開始電圧をV、流れる電流をIとする。すると、導電性ブレード103の突き出し部分の抵抗値Rは、下記の式(1)で表すことができる。
R=(ρL)/(cb)・・・・(1)
また、印加電圧Vは、放電開始電圧Vと導電性ブレードに使用(消費)される電圧(RI)以上である必要があるので、下記式(2)で表すことができる。
V>V−RI・・・・(2)
上記式(1)と式(2)とから、吸着ベルト2が帯電可能な導電性ブレード103の突き出し量Lは、以下のように表すことができる。
L<{(V−V)cb}/(Iρ)・・・・(3)
上記式3からわかるように、突き出し量Lを短くするほど、印加電圧Vを抑えて、吸着ベルト2を良好に帯電させることが可能となる。しかし、突き出し量Lが短すぎると、導電性ブレード103が吸着ベルト2を押す力が強くなり、吸着ベルト2と駆動ローラ(本実施形態では下流側張架ローラ5)とがスリップしてしまうという別の課題が生じる。
導電性ブレード103のヤング率をE、図11に示すように、導電性ブレードの変形量をΔYとすると導電性ブレード103の吸着ベルト2への押し付け力Pは、下記式(4)で表すことができる。
P=(EcbΔY)/(4L)・・・・(4)
導電性ブレード103と吸着ベルト2との摩擦係数をμ、駆動ローラと吸着ベルト2の摩擦係数をμ、テンションをTとすると、吸着ベルト2が駆動ローラに対してスリップしない条件は、下記式5で表すことができる。
μp<μT・・・・(5)
上記式(4)と式(5)とから、吸着ベルト2が駆動ローラに対してスリップしない突き出し量Lは、下記式6で表すことができる。
L>(μEcbΔY)/(4μT)・・・・(6)
式3と式6とから、吸着ベルト2を良好に帯電でき、かつ、吸着ベルト2が駆動ローラに対してスリップしない突き出し量Lの条件は、下記のようになる。
(μEcbΔY)/(4μT)<L<{(V−V)cb}/(Iρ)・・・(7)
上記式7を満たすように、導電性ブレード103のホルダ104からの突き出し量Lを設定することにより、吸着ベルト2を良好に帯電でき、かつ、吸着ベルト2が駆動ローラに対してスリップしないようにできる。
また、上記では吸着分離ユニット110を揺動させることで、シート束1の最上位シート1aと接触する吸着位置と、シート束1から離間した搬送位置との間を、吸着ベルト2が移動するように構成している。しかし、シート束1を昇降させて、吸着位置と搬送位置とを吸着ベルト2がシート束1に対して相対的に移動するように構成してもよい。この場合は、通常、シート束1を積載する底板7は、シート束1が吸着ベルト2から離間した下降位置にある。給紙信号が入り、吸着ベルト2の表面に交番電荷を付与したら、底板7を上昇させ、シート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に接触させる。吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着したら、底板7を下降させ、シート束1と吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aとを離間させる。シート束1と吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aとが離間したら、吸着ベルト2を無端移動させて、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送ローラ対9へ向けて搬送する。このように、シート束1を積載する底板7を昇降させることにより、吸着ベルト2とシート束とが離間した位置関係の搬送位置関係と、吸着ベルト2がシート束1の最上位シートと接触する位置関係の吸着位置関係をとらせることができる。
また、吸着分離ユニット110を揺動させながら、底板7を下降させることで、シート束と吸着ベルト2とが離間した搬送位置関係をとらせてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
積載されたシート束1の上面に対向配置された吸着ベルト2と、導電性ブレード103などの弾性体および弾性体を保持するホルダ104を有し上記吸着ベルト2を帯電させる帯電ブレード3とを備え、帯電ブレード3により帯電させた吸着ベルト2に上記シート束1の最上位シート1aを静電吸着させた後、吸着ベルト2を無端移動させて、上記吸着ベルト2に吸着した上記最上位シート1aを搬送するシート搬送装置200において、弾性体の上記ホルダからの突き出し量をL、弾性体の幅をc、弾性体の厚さをb、弾性体の体積抵抗をρ、帯電ブレード3に印加する電圧をV、吸着ベルト2と帯電ブレード3との間の放電開始電圧をV、弾性体に流れる電流をIとしたとき、L<(V−V)cb/(Iρ)の関係を満たす。
(態様1)によれば、実施形態で説明したように、上記式を満たすことにより、吸着ベルトを良好に帯電させることができる。
(態様2)
(態様1)において、上記帯電ブレード3を、上記吸着ベルト2に押し付けており、上記弾性体のヤング率をE、上記弾性体の変形量をΔY、上記帯電ブレード3と上記吸着ベルト2との間の摩擦係数をμ、上記吸着ベルト2を張架する複数の張架ローラのうち、上記吸着ベルト2を無端移動させる駆動ローラ(本実施形態では、下流側張架ローラ5)と、上記吸着ベルト2との摩擦係数をμ0、上記吸着ベルト2のテンションをTとしたとき、L>(μEcbΔY)/(4μ0T)の関係を満たす。
(態様2)によれば、実施形態で説明したように、上記関係を満たすことにより、吸着ベルト2が駆動ローラに対してスリップしないようにできる。
(態様3)
(態様1)または(態様2)において、導電性ブレード103などの上記弾性体が四角柱である。
(態様3)によれば、弾性体を四角柱形状にすることで、均一に吸着ベルト2に帯電ブレード3を押し当てることができる。
(態様4)
(態様1)乃至(態様3)において、上記吸着ベルト2と、この吸着ベルト2を張架する下流側張架ローラ5などの第1張架ローラと、この第1張架ローラのシート搬送方向上流側に位置する上流側張架ローラ6などの第2張架ローラとを有する吸着分離ユニット110と、シート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に接触させ吸着させる吸着位置と、この吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する、吸着位置よりもシート束1から離れた搬送位置との間を吸着ベルト2が往復移動するように、吸着分離ユニット110を移動させる揺動機構120などの移動手段とを備えており、上記移動手段は、上記第2張架ローラよりもシート搬送方向上流側に設けられた支点を中心にして上記吸着分離ユニット110を揺動させることで、上記搬送位置と上記吸着位置とを取るように構成した。
(態様4)によれば、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを、シート搬送方向下流側からめくるようにしてシート束1から離間させることができる。これにより、シートのコシで最上位シート1aを分離させることができ、良好に最上位シート1aをシート束から分離することができる。
(態様5)
(態様1)乃至(態様4)いずれかにおいて、上記シート束1の最上位シート1aを上記吸着ベルト2に接触させ吸着させる吸着位置関係と、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する、シート束1から上記吸着ベルトが離間した搬送位置との間を上記シート束1が往復移動するように、シート束1を昇降させる昇降手段(本実施形態では、底板7、支持部材8、支持部材8を回動させる手段で構成)を設けた。
(態様5)によれば、昇降手段を下降させることで、吸着ベルト2に吸着したシート束1の最上位シート1aをシート束1から離間させることができる。
(態様6)
シートに画像を形成する画像形成部50などの画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、前記画像形成手段へ最上位シートを搬送するシート搬送装置200などのシート搬送手段とを備えた複写機100などの画像形成装置において、シート搬送手段として、(態様1)乃至(態様5)いずれかのシート搬送装置を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、良好なシート搬送を行って画像形成を行うことができる。
1:シート束
1a:最上位シート
2:吸着ベルト
3:帯電ブレード
4:帯電電源
5:下流側張架ローラ
6:上流側張架ローラ
7:底板
8:支持部材
9:搬送ローラ対
11:給紙カセット
12:ブラケット
12a:長穴
13:ラックギヤ部
14:支持軸
15:ピニオンギヤ
30:揺動モータ
50:画像形成部
100:複写機
103:導電性ブレード
104:ホルダ
110 :吸着分離ユニット
120:揺動機構
130:駆動機構
140:シート検知手段
200:シート搬送装置
特開2011−1195号公報

Claims (6)

  1. 積載されたシート束の上面に対向配置された吸着ベルトと、
    弾性体および弾性体を保持するホルダを有し上記吸着ベルトを帯電させる帯電ブレードとを備え、
    上記帯電ブレードにより帯電させた吸着ベルトに上記シート束の最上位シートを静電吸着させた後、吸着ベルトを無端移動させて、上記吸着ベルトに吸着した上記最上位シートを搬送するシート搬送装置において、
    上記弾性体の上記ホルダからの突き出し量をL、
    上記弾性体の幅をc、
    上記弾性体の厚さをb、
    上記弾性体の体積抵抗をρ、
    上記帯電ブレードに印加する電圧をV、
    上記吸着ベルトと上記帯電ブレードとの間の放電開始電圧をV
    上記弾性体に流れる電流をIとしたとき、
    L<(V−V)cb/(Iρ)
    の関係を満たすことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 請求項1のシート搬送装置において、
    上記帯電ブレードを、上記吸着ベルトに押し付けており、
    上記弾性体のヤング率をE、
    上記弾性体の変形量をΔY
    上記帯電ブレードと上記吸着ベルトとの間の摩擦係数をμ、
    上記吸着ベルトを張架する複数の張架ローラのうち、上記吸着ベルトを無端移動させる駆動ローラと、上記吸着ベルトとの摩擦係数をμ
    上記吸着ベルトのテンションをTとしたとき、
    L>(μEcbΔY)/(4μT)
    の関係を満たすことを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載のシート搬送装置において、
    上記弾性体が四角柱であることを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかのシート搬送装置において、
    上記吸着ベルトと、該吸着ベルトを張架する第1張架ローラと、該第1張架ローラのシート搬送方向上流側に位置する第2張架ローラとを有する吸着分離ユニットと、
    上記シート束の最上位シートを上記吸着ベルトに接触させ吸着させる吸着位置と、該吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する、該吸着位置よりもシート束から離れた搬送位置との間を該吸着ベルトが往復移動するように、上記吸着分離ユニットを移動させる移動手段とを備えており、
    上記移動手段は、上記第2張架ローラよりもシート搬送方向上流側に設けられた支点を中心にして上記吸着分離ユニットを揺動させることで、上記搬送位置と上記吸着位置とを取るように構成したことを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかのシート搬送装置において、
    上記シート束の最上位シートを上記吸着ベルトに接触させ吸着させる吸着位置関係と、該吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する、シート束から上記吸着ベルトが離間した搬送位置との間を上記シート束が往復移動するように、シート束を昇降させる昇降手段を設けたことを特徴とするシート搬送装置。
  6. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    積載されたシート束から最上位シートを分離し、上記画像形成手段へ上記最上位シートを搬送するシート搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    上記シート搬送手段として、請求項1乃至5いずれかに記載のシート搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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