JP2015042158A - 釣り竿の尻栓取付構造 - Google Patents
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釣りを行っている途中で、針掛かりした魚が横走りしたり、水中に潜り込みを行う場合に、釣り人は魚の動きを抑える(矯める)為に、膝を前方に向けて少し折り曲げ腰を落として腹に尻栓を当て付け、釣り竿を操作することがある。
このような場合には、尻栓の摘み操作部が腹に強く押し付けられているので、釣り人が釣り竿を左右や前後に操作する場合に尻栓が緩み操作されることがある。
また、その他の理由で尻栓が緩みを生じている場合があり、そのことに気付かずに釣りを続けていると、尻栓を紛失することもある。
請求項1に係る発明の特徴構成は、元竿の竿尻端部に中間取付体を外嵌する状態で固着するとともに、前記中間取付体の内部空間に嵌入された前記元竿の竿尻端部の内側に尻栓を螺着し、前記尻栓を装着した前記元竿を前記中間取付体に対して、前記尻栓の竿尻側端が前記中間取付体の竿尻端より竿先側に位置する状態に装着し、前記中間取付体の外周面に環状の係合用突条体を立設し、その係合用突条体に係合する係合凹部を形成した握り部を前記中間取付体に係合させて、前記握り部で前記中間取付体を被覆するとともに、前記中間取付体に対して前記握り部を取り外し可能に装着してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
尻栓を元竿の竿尻端部の内周面に螺合し、更に、竿尻端部の外周面に中間取付体を外嵌固着してある。このような構成によって、元竿の竿尻端部は中間取付体の内側で外部に表出することはなく、石や岩等の他物に接触して傷つくことはない。特に、中間取付体に対して更に握り部を被覆させているので、多重に保護されている。しかも、尻栓の螺着部位も中間取付体の内側に存在するので、従来技術等に比べて、砂等を噛むことは少ない。
そして、中間取付体を被覆する状態で握り部を形成しているので、握り部は元竿の径に比べて大きなものとなり、例えば、一方の手でリールシート部分を持ち、他方の手で握り部を握って魚を抜きあげる場合等に他方の手のグリップ力が高められているので、容易にかつ素早く抜きあげることができる。
握り部については、前記中間取付体の外周面に環状の係合用突条体を立設し、その係合用突条体に係合する係合凹部を形成してあるので、その係合状態においては、係合用突条体との係合を解除することはなく、前記中間取付体に対して握り部は遊転可能である。そして、握り部は釣り人が意志を持って離脱力を加えれば、取り外し可能である。
したがって、握り部が釣り人の体等に接触しても自由回転するだけで、何ら操作力は及ぼさない。それに加えて、前記尻栓の竿尻側端が前記中間取付体の竿尻端より突出しないように竿先側に位置する状態に装着してあるので、握り部が回転しても尻栓にその握り部が接触することはなく、尻栓が緩み操作されることはない。
不測に尻栓が外れて紛失することを防止できるとともに、元竿の尻栓を装着した外周面部の保護と、元竿を握った場合に、グリップ性能を高める釣り竿の尻栓取付構造を提供することができた。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記中間取付体の係合用突条体の外周面における周方向の180度相対向する二か所に、前記外周面の円弧の一部を切除したカット部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、前記中間取付体の係合用突条体は、環状のものであるが、全周に亘って同じ高さの突条が形成されている訳ではなく、一部外周面の切除されたカット部がある。このカット部を180度相対向する二か所に設けることによって、カット部に対応した握り部を摘まんで、竿軸芯に直交する軸芯周りで握り部を回転させると、中間取付体の係合用突条体に握り部の係合凹部を係合させて装着することができ、かつ、係合離脱させることが容易に行える。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記元竿にリールシートを有し、前記係合用突条体の外周面における周方向の180度相対向する二か所に、前記外周面の円弧の一部を切除したカット部を形成し、前記カット部を前記リールシートが装着してある円周方向での設置位相に対して90度異なる位相に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
図7に示すように、魚を釣り上げる場合には、図外の左手でリールシート部位を握り、右手で元竿の竿尻端部に装着した握り部部位を握って抜きあげようとする。そうすると、右手は図示する矢印のように、斜め前方下向きに握り部を押し下げ、釣り竿全体のバランスを保持しようとする。
しかし、本願発明においては、図7(b)に示すように、前記カット部2aを前記リールシート6が装着してある円周方向での設置位相に対して90度異なる位相に形成してあるので、前記リールシート6が装着してある円周方向での設置位相にはカット部2aの形成していない部分が位置している。これによって、握り部が図示する押し下げ力に対抗することができ、容易には取り外されることはない。一方、握り部を取り外して元竿内の水抜き等を行う場合には、図7(a)の状態から90度振出竿を回転させて、その状態で図の矢印方向に力を強く加えると握り部を中間取付体2から容易に取り外すことができる。
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記中間取付体の竿先端部の外周面と前記中間取付体より竿先側に突出する元竿の外周面とに亘って、装飾リング体を外嵌装着し、前記装飾リング体の内周面に元竿の外周面に外嵌する小径部と前記中間取付体の竿先端部の外周面に外嵌する大径部とを形成し、前記装飾リング体の竿尻側端面を前記中間取付体の外周面から突出する環状突条体に当接させてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
装飾リング体によって、中間取付体の竿先端と元竿の外周面との間に形成される段差が被覆されて、元竿外周面との間に滑らかに繋がる外装を形成することができた。
しかも、装飾リング体は、前記中間取付体の外周面から突出する環状突条体に当接させてあるので、中間取付体を基準とした取り合いを正確なものにできる。
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記中間取付体の竿尻端部に、その中間取付体内に内嵌されている元竿の竿尻端を当接させる段差部を形成している点にあり、その作用効果は次の通りである。
この段差を形成することによって、元竿と中間取付体との連結位置決め状態が明確になり、請求項1で記載した「前記尻栓の竿尻側端が前記中間取付体の竿尻端より突出しないように竿先側に位置する状態に装着し」とする構成も容易に形成できる。
尻栓の摘み本体部を回転させて、前記摘み本体部の竿先端面が前記元竿の竿尻端面に竿尻側から当接した時点で、尻栓の位置決めができ、請求項1で記載した「前記尻栓の竿尻側端が前記中間取付体の竿尻端より突出しないように竿先側に位置する状態に装着し」とする構成も容易に形成できる。
請求項7に係る発明の特徴構成は、前記中間取付体における竿先端の内周面に、肉厚内に入り込む凹入溝を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
元竿の竿尻端部を中間取付体内に挿入して接着剤を流し込んで固着する際に、その凹入溝が接着剤の溜り場となり、接着剤の塗布をより有効なものにできる。
磯竿等に使用される釣り竿Aの構成について説明する。図1に示すように、元竿1にリールシート6を装着し、元竿1の竿尻端に尻栓3を覆う握り部4を設けて、釣り竿Aを構成してある。
これによって、請求項3の作用効果の項で示したように、図7において、魚を釣り上げる場合には、図外の左手でリールシート部位を握り、右手で握り部4を握って抜きあげようとする場合に、右手は矢印のように、斜め前方下向きに握り部4を押し下げて、振出竿全体のバランスを保持しようとする。
しかし、本願発明においては、図3(c)、及び、図7(b)に示すように、前記カット部2a、2aをリールシート6が装着してある円周方向での設置位相に対して90度異なる位相に形成してある。それによって、リールシート6が装着してある円周方向での設置位相にはカット部2aの形成していない部分が位置している。
図2に示すように、小径内周面部2Dの段差部2bから竿尻端開口までの長さは、元竿1の竿尻端に取り付けた尻栓3の竿尻端が、小径内周面部2Dの竿尻端開口より竿尻側に突出しない長さに設定してある。
この凹入溝4eによって接着剤の溜り場を形成し、接着剤を元竿周面に広く行き渡らせるようにしてある。
図2に示すように、竿先開口4Aから竿尻側に向けて一定内径の内周面4Bが形成された筒状部4Cを備え、尻栓3、中間取付体2、元竿1を収納する内部空間を形成してある。
筒状部4Cにおける竿先側端面4aから内部空間に入り込んだ位置に、肉厚内に入り込む係合凹部4Dを形成してある。係合凹部4Dは、図8(a)に示すように、断面が略台形に近い形状に形成された環状溝であり、中間取付体2の係合用突条体2Bに係合する。係合凹部4Dの断面形状は、内周面での開口部aが幅広い(握り部の軸線方向に沿った)もので、外周面側に入り込んで行く程幅bが狭くなる略台形状に形成してある。
図2に示すように、握り部4の内周面4Bの奥側端は、中間取付体2に装着した状態でその中間取付体2の竿尻側端より僅かに竿尻側に離間する状態に形成してある。しかも、握り部4の内周面4Bと中間取付体2の外周面との間に僅かな隙間fを形成して、中間取付体2に対して握り部4を周方向に回転自在に装着してある。
但し、必ずしも隙間fを形成する必要はなく、握り部4の内周面4Bと中間取付体2の外周面とが接触する状態であっても、握り部4が中間取付体2に対して回転可能で、かつ、取り外し可能である構成を取っていればよい。
図8(b)に示すように、略台形状のものであるが、壁の傾斜を二段階に切り替えるものである。つまり、入口側に近い壁cでは緩い傾斜に形成し、次に、奥側の壁dでは、急な傾斜のものにして、係合凹部4Dを係合用突条体2Bに係合させる際には、緩やかな傾斜で導入しやすくし、係合が完了した状態では、緊密に密着して握り部4の軸線方向でのガタツキを抑制する構成とすることができる。
図8(c)に示すように、丸みを帯びた孔eに形成してもよい。係合凹部4Dを係合用突条体2Bに係合させる際には、緩やかな傾斜で導入しやすくし、係合が完了した状態でも緩やかな係合状態を維持して握り部4の自由な動きを抑制しない構成とすることができる。
ただし、閉塞端部4Eであっても、竿尻端面に竿先側に向かう凹入部4Fが形成してあり、筒状部4Cとの剛性の違いが大きくならないように構成してある。凹入部4Fの外側に軸線Xに直交する平坦面4bが形成してある。
握り部4の外周面には、軸線方向に沿った二か所に環状の鍔部4G、4Gが突設形成してあり、握った場合に、手指の滑り止めとして機能する。
図5(d)に示すように、小径部5Aは、竿先側から中間位置を越えて竿尻側に入った状態で内部空間を形成してあり、元竿1の外周面に外嵌される。大径部5Bは、中間取付体2における大径環状突条体2Aより竿先側に位置する外周面に外嵌される。
このように、装飾リング体5は、元竿1の竿尻端部1Aの外周面と中間取付体2の外周面とに亘って外嵌されて、元竿1と握り部4との外周面を段差のない状態で連続させる構成をとっている。
段差部5dと中間取付体2との間に間隙を形成することによって、その間隙を、中間取付体2が元竿1に接着固定される際の接着剤の溜り部に形成してある。
(1) 本願発明は、リールシート6を有していない釣り竿にも適用できる。したがって、カット部2a、2a同士は、竿軸芯Xを挟んで円周方向180度離れて形成されているだけでよい。
1A 竿尻端部
2 中間取付体
2B 係合用突条体
2b 段差部
3 尻栓
3A 摘み本体部
3B 螺着部
4 握り部
4D 係合凹部
5 装飾リング体
5A 小径部
5B 大径部
5d 段差部
Claims (7)
- 元竿の竿尻端部に中間取付体を外嵌する状態で固着するとともに、前記中間取付体の内部空間に嵌入された前記元竿の竿尻端部の内側に尻栓を螺着し、前記尻栓を装着した前記元竿を前記中間取付体に対して、前記尻栓の竿尻側端が前記中間取付体の竿尻端より竿先側に位置する状態に装着し、前記中間取付体の外周面に環状の係合用突条体を立設し、その係合用突条体に係合する係合凹部を形成した握り部を前記中間取付体に係合させて、前記握り部で前記中間取付体を被覆するとともに、前記中間取付体に対して前記握り部を取り外し可能に装着してある釣竿の尻栓取付構造。
- 前記中間取付体の係合用突条体の外周面における周方向の180度相対向する二か所に、前記外周面の円弧の一部を切除したカット部を形成してある請求項1記載の釣竿の尻栓取付構造。
- 前記元竿にリールシートを有し、前記係合用突条体の外周面における周方向の180度相対向する二か所に、前記外周面の円弧の一部を切除したカット部を形成し、前記カット部を前記リールシートが装着してある円周方向での設置位相に対して90度異なる位相に形成してある請求項1記載の釣竿の尻栓取付構造。
- 前記中間取付体の竿先端部の外周面と前記中間取付体より竿先側に突出する元竿の外周面とに亘って、装飾リング体を外嵌装着し、前記装飾リング体の内周面に元竿の外周面に外嵌する小径部と前記中間取付体の竿先端部の外周面に外嵌する大径部とを形成し、前記装飾リング体の竿尻側端面を前記中間取付体の外周面から突出する環状突条体に当接させてある請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の釣竿の尻栓取付構造。
- 前記中間取付体の竿尻端部に、その中間取付体内に内嵌されている元竿の竿尻端を当接させる段差部を形成している請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の釣竿の尻栓取付構造。
- 前記尻栓を、前記元竿の竿尻端部内周面に螺着される螺着部と、螺着部を支持している摘み本体部とで構成し、螺着部を元竿に螺着した状態で、前記摘み本体部の竿先端面を前記元竿の竿尻端面竿尻側から当接させて位置決めしてある請求項5記載の釣竿の尻栓取付構造。
- 前記中間取付体における竿先端部の内周面に、肉厚内に入り込む凹入溝を形成してある請求項1〜6の内のいずれか一項に記載の釣竿の尻栓取付構造。
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