JP2015041655A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理の歩留まりを向上させたプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供する。【解決手段】真空容器内部に配置された処理室と、この処理室内に配置されウエハがその上面に載せられるステージと、前記処理室内の前記ステージ上方の空間にプラズマを生成するため供給される電界の生成手段と、前記処理室内に処理用のガスを供給するための処理ガス供給手段と、前記処理室を減圧するための排気手段と、前記ステージの温度を調節する温度調節手段と、前記ウエハ上方にバイアス電位を形成するために前記ステージに印加される高周波電力を供給する高周波電源とを備え、前記処理室内に前記処理用のガスを供給して形成した前記プラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記高周波電力の供給を停止した状態で、前記処理室内に不活性ガスの導入を開始し前記電界の強度を小さくして前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ用基板等の製造に用いられる処理室内に設置されたステージの製造方法と、これを用いたプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスやフラットパネルディスプレイなどの製造工程では、所望のパターンを形成するために、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)やプラズマエッチング等の加工技術が用いられている。このようなプラズマ処理装置では、ウエハ等の被処理基板を処理室内に配置されたステージに設置し、例えば、Ar,O2 ,N2 ,CHF3 ,CH4 ,C5F8 ,C4F8 ,CF4 ,SF6 ,NF3 ,HBr,Cl2 ,BCl3 等の処理ガスを処理室に供給する。
処理室内の圧力は、ターボ分子ポンプとドライポンプを組み合わせた排気手段と、例えばバタフライバルブ等の圧力調整手段によって所望の圧力に調整される。処理室が所望の圧力に到達した後に、プラズマ生成用のソース高周波電力を印加して処理ガスをプラズマ化し、入射イオン制御用のバイアス高周波電力を被処理基板に印加することによって被処理基板に成膜やエッチングを行う。
プラズマエッチングでは、種類の異なる膜が積層された被処理基板を処理するため、膜種に応じたエッチング条件が必要となる。加工寸法の微細化によって、所望なエッチング形状を満たすためのエッチング条件がますます厳しくなっている。エッチング条件のパラメータの一例としては、ガス種、圧力、ソース高周波電力、バイアス高周波電力、ステージ温度等があり、例えば特許文献1に記載では、ステージ内に形成したヒータや被処理基板とステージ表面の間に供給するHeガスの圧力によってエッチングする膜種毎にステージ温度を変更する方法が示されている。また、同じ膜種であっても、エッチング処理の初期と中盤と終盤でエッチング条件が異なる場合があり、例えばエッチング処理の終盤では、エッチングしている膜の下層にある膜との選択比が必要になるため、下層の膜がエッチングされにくい条件に変更する場合がある。
このように、1枚の被処理基板を処理するための処理条件は複数のエッチングステップによって構成されている。マスク形状に沿って積層膜をエッチングして所望のパターンを形成していくが、例えばエッチング中にパターン上に異物が付着すると、この異物がマスクとなってパターンのショートや断線の原因となり、デバイス欠陥が生じることになり歩留まりが悪化する。積層膜は複数のエッチングステップによって処理されるため、エッチング中に異物が付着する確率が高くなり、歩留まりが更に悪化する可能性がある。そのため、エッチング中の異物付着を抑制する方法が提案されている。
例えば、特許文献2に記載のように、第一の処理ステップと第二の処理ステップの間に、プラズマ放電を継続させるための移行ステップを設ける方法がある。また、特許文献3に記載のように、プラズマをONおよびOFFさせる際に、ウエハ上に凸型のシースを形成する方法がある。
特開2010-187023号公報 特開2007-287924号公報 特開2007-81208号公報
例えば特許文献1に記載しているような、エッチングする膜種毎にステージ温度を変更する処理方法では、温度変更に時間がかかるため、所定の温度に達するまで次の膜のエッチングを開始することができない。つまり、特許文献2に記載の方法では、移行ステップでアルゴン(Ar)プラズマを生成することにより、第一の処理ステップから第二の処理ステップまで放電を維持しているため、膜種毎にステージ温度を変えるような場合では温度変更が完了するまで移行ステップのArプラズマを維持することになる。
Arプラズマを放電している最中はバイアス高周波電力の印加を停止しているものの、長時間のArプラズマにウエハが曝されることになるため、膜にダメージを与える可能性がある。積層膜の各層の膜厚が薄い場合は、その影響が顕著になる。
したがって、エッチング中の異物付着を抑制する方法として、処理ステップと処理ステップの間を放電で継続することは好ましくない。また、この従来技術では第一の処理ステップから第二の処理ステップに移行する際の異物付着について着目しているが、処理ステップの最終ステップでは、エッチングガスによるプラズマによって処理を終了している。この際、処理が終了した際のプラズマOFF時にシースにトラップされていた異物がウエハに付着してしまい処理の歩留まりが損われてしまうことについては、これらの従来技術では何ら考慮されていない。
さらに、特許文献3に記載の従来技術では、プラズマをONおよびOFFさせる際にバイアス高周波電力を印加することによって、ウエハ上に凸型のシースを形成している。しかしながら、例えばプラズマをOFFする際、処理対象の膜のエッチング処理が終了しても、プロセスガスによるプラズマを維持した状態で異物除去ステップ用としてバイアス高周波電力をわずかに印加するため、ウエハへのイオンの引き込みを促進することになり膜のエッチングが進行する。
さらに、マスク形状も変化するためエッチングした加工形状が所期のものと異なってしまう虞がある。このような影響は積層膜の各層の膜厚が薄い場合に顕著になる。このような所期の加工の結果が得られず許容範囲外となった場合にも、処理の歩留まりが損われることになる。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、処理の歩留まりを向上させたプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的は、真空容器内部に配置された処理室と、この処理室内に配置されウエハがその上面に載せられるステージと、前記処理室内の前記ステージ上方の空間にプラズマを生成するため供給される電界の生成手段と、前記処理室内に処理用のガスを供給するための処理ガス供給手段と、前記処理室を減圧するための排気手段と、前記ステージの温度を調節する温度調節手段と、前記ウエハ上方にバイアス電位を形成するために前記ステージに印加される高周波電力を供給する高周波電源とを備え、前記処理室内に前記処理用のガスを供給して形成した前記プラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記高周波電力の供給を停止した状態で、前記処理室内に不活性ガスの導入を開始し前記電界の強度を小さくして前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理装置により達成される。
また、上記目的は、真空容器内部に配置された処理室内に配置されたステージ上面にウエハを載置し、前記処理室内を減圧しつつ処理用のガスを供給し前記処理室内に電界を供給して前記ステージ上方の空間にプラズマを生成して、前記ステージに高周波電源から高周波電力を供給して前記ウエハ上方にバイアス電位を形成つつ、前記ウエハを処理するプラズマ処理方法であって、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記高周波電力の供給を停止した状態で、前記処理室内に不活性ガスの導入を開始し前記電界の強度を小さくして前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理方法により達成される。
本発明の第1の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が単層膜を処理する際の時間の経過に対する動作の流れを示すタイムチャートである。 図1に示す実施例のマイクロ波の強度の変化に対する処理ガスの解離の状態の変化を示すグラフである。 図2に示す実施例に係るプラズマ処理装置が単層膜を処理する際の時間の経過に対する別の動作の流れを示すタイムチャートである。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が複層膜を処理する際の時間の経過に対する動作の流れを示すタイムチャートである。 図5に示す複層膜を処理する際の時間の経過に対する別の動作の流れを示すタイムチャートである。 図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が実施した処理において異物を低減できる効果を検証した結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態を以下図面を用いて説明する。
本発明の実施例を図1乃至7を用いて説明する。本実施例は、半導体デバイスの製造や検査の分野に限定されるものではなく、フラットパネルディスプレイの製造や、プラズマを用いた処理装置等、様々な分野に適用可能であるが、ここでは、半導体デバイス製造用のプラズマエッチング装置を例にとって実施例を示す。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。本実施例に係るプラズマ処理装置は、電界としてマイクロ波を用いたものであって、真空容器内部の処理室内にマイクロ波とコイルにより発生させた磁界とを供給し、処理室内のガスをECR(ELECTRON CYCLOTRON RESONANCE:電子サイクロトロン共鳴)によって励起してプラズマを形成して、処理室内に配置された半導体ウエハ等の基板状の試料をエッチングする装置である。
本図において、円筒形を有した真空容器1内部の空間であってプラズマ15が形成されて被処理基板であるウエハ4に処理が実施される円筒形の処理室7の下方には、ウエハ4がその上面に載置されるステージ6が配置されている。ステージ6内部には、プラズマ処理中にウエハ4にバイアス電位形成用の高周波電力が印加される金属等の導電性を有した円板または円筒形の電極用の部材が配置されており、この電極は高周波電力を印加するためのバイアス高周波電源14がインピーダンス整合機13を介して電気的に接続されている。
処理室7は処理または内部でウエハが搬送されている状態では、内部が排気されて減圧され所定の真空度に維持されている。このような真空度を維持するために、処理室7の上部には上記の真空度の内部と外部との圧力差による外力に耐えられる強度を有した円板状の石英製のセラミックプレート3が配置されている。さらに、このセラミックプレート3の下方には、これの下面と間隙8を有して配置され、中央部に処理ガスを処理室7内に導入するための複数の貫通穴9が配置された円板形状を有したシャワープレート2が備えられている。
処理室7内に導入される処理ガスは、図示しないガス源から間隙8と連結された管路を通して、管路上に配置されたガス流量制御手段10により流量が調節されつつ間隙8に供給され、均一に供給されるべく間隙8内で拡散した後複数の貫通穴9から下方の処理室7に向けて供給される。真空容器1の下方にはターボ分子ポンプ等の排気ポンプである排気手段12が処理室7内部と連通するよう連結されており、排気手段12と処理室7の下部の排気用の円形の開口との間には圧力検出手段11と処理室7からの排気の流量や速度を複数の板状のフラップを軸周りに回転させて流路の断面積を増減することで調節する処理室7内の圧力調整手段であるバタフライバルブ16とが備えられている。
処理室7のセラミックプレート3の上方には、マイクロ波を処理室7まで伝搬させるための導波管21とこの導波管21の一端部に配置されマイクロ波を発振して出力するマグネトロン発振器20とが備えられている。また、処理室7の上方と側方とにこれを囲んで配置された磁場発生手段であるソレノイドコイル22と23が備えられている。
本実施例では、マグネトロン発振器20から発振されたマイクロ波は導波管21内を伝搬し、セラミックプレート3およびシャワープレート2を介して処理室7内部に導入される。処理室7内部でマイクロ波によって生じる電界とソレノイドコイル22、23により発生する磁界との相互作用によってECR(ELECTRON CYCLOTRON RESONANCE:電子サイクロトロン共鳴)が生起され、処理ガスの分子または原子が励起されてステージ6上方の処理室7内部の空間にプラズマ15が生成される。
図2を用いて、本実施例の動作を説明する。図2は、図1に示す実施例が単層膜を処理する際の時間の経過に対する動作の流れを示すタイムチャートである。
点aは、エッチング処理を行う前を示している。この時点では、処理室7の圧力を調整するためのバタフライバルブ16の開度は100%になっており、処理室7は高真空状態にある。
点bは、ウエハ4の表面に予め配置された処理対象の膜が単層膜である場合のエッチング条件において、プロセスガスが処理室7に供給され始める時点を示している。そして、点bからcまでの間の期間は、処理室7の圧力を調整するためバタフライバルブ16が動作し開度が当初の100%から変化していることを示している。
処理室7内に処理ガスが供給されつつ排気手段12による処理室7内の排気が実施され、これらのバランスにより処理室7の圧力が所定の圧力に達して安定したと判定された点cにおいて、処理室7内にマイクロ波の電界とソレノイドコイル22,23からの磁界とが供給され、処理ガスを用いてプラズマが生成される。この状態でバイアス高周波電力がステージ6内の電極に印加されることにより、ウエハ4上に形成されたバイアス電位とプラズマの電位との電位差に応じて、ウエハ4上に荷電粒子であるイオンが引き込まれて単層膜のエッチング処理が開始される。
点dは、単層膜のエッチングが終了した時点を示しており、この時点でエッチング処理が終了され、バイアス高周波電力の供給が停止(OFF)され、処理ガスの供給が停止される。本実施例では、この時点で、エッチング処理中に処理室7内に発生した反応生成物等の粒子がウエハ4に付着して異物となることを抑制するために、処理ガスと不活性ガスとを切替えて処理室7内に供給しつつ、かつマイクロ波の電界の強度を低減させた状態で処理室7内にプラズマを生成する。この際、上記高周波電力はステージ6には供給されていない(OFFの状態の)である。
処理ガスと不活性ガスとの供給を切替える際に、バタフライバルブ16の開度は全開(100%)まで動作させずに、例えば、単層膜のエッチング時のもの、あるいは不活性ガスが安定して放電する条件のものをバタフライバルブ16の開度として用いている。処理室7内に供給されるガスを処理ガスから不活性ガスに変化させる目的は、ウエハ4への生成物等処理室7内の粒子の付着および処理室7の状態の変化を抑制するためである。
以下、ウエハ4への異物の生起(粒子の付着)を抑制する点について、まず、シースによる異物のトラップ効果及びラジカルによるリフトオフによる異物の生起を説明する。処理ガスを用いて生成されたプラズマは、内側で解離の反応が起きるため、その電子温度が低下しウエハ4上に形成されるシースの電位が下がることになる。その結果、シースの厚さが小さくなるため、シースによる異物のトラップ効果が小さくなり、異物がウエハに付着する可能性が高くなる。
一方、不活性ガスによるプラズマでは、解離反応が起こらないか、その程度が処理ガスのものと比べて十分に小さいため、上記電子温度の低下を抑制することができシース電位の低下も抑制できる。そのため、プロセスガスによるプラズマと比較して、シースの厚さを厚くすることができ、シースによる異物のトラップ効果が得られ、異物がウエハに付着することを抑制することができる。
また、エッチング処理が終了しても処理ガスによるプラズマが維持された場合、プラズマ中のラジカルにより処理室7の内壁がエッチングまたはスパッタリングされ、このような内壁表面とプラズマとの相互作用によって処理室7内壁に付着していた反応生成物等の付着物が遊離(リフトオフ)してしまい、処理室7内に放出されたこのような元は付着物の粒子や欠片がウエハ4上に落下して汚染を生起する虞がある。一方、不活性ガスによるプラズマでは処理室7内壁と反応するラジカルが発生しないかその量は処理ガスのものと比べて十分に小さいためリフトオフを抑制することができ、このような汚染を低減することができる。
次に、本実施例の処理室の状態変化を抑制する点について述べる。エッチング処理が終了しても処理ガスによるプラズマが維持された場合、プラズマ中で生成された反応生成物は、処理室7の内壁の表面に付着して内壁表面の反応生成物の状態(例えば堆積の量等)が変化する虞がある。更に、プラズマ中のラジカルが処理室7内壁に到達することで、処理室7内壁に既に付着していた反応生成物の組成が変化する可能性がある。
このような処理室7内壁とプラズマとの相互作用による内壁の表面の状態の変化は、次のエッチング処理中の処理室7内の条件を変化させ、例え同じエッチング条件を実現したとしても、エッチング結果としての加工形状に影響を及ぼすことになる。同様に、プラズマ中の反応生成物やラジカルがエッチング対象となる膜やその上方のマスクに到達すると、これらの組成や状態を変化させてしまう虞がある。これらについても次のエッチング処理の加工形状に影響を及ぼすことになる。
一方、不活性ガスによるプラズマは、ラジカルが発生しないか処理ガスのものと比べて十分に小さいため、プラズマ中での反応生成物の生成は十分に小さくされていることから、上記のような処理室7内壁の相互作用による状態の変化や、エッチング対象となる膜の表面の組成や状態の変化を抑制することができる。以上のことから、単層膜のエッチング終了後に処理ガスに換えて不活性ガスを処理室7内に導入にすることによって、異物のウエハ4への付着や処理室7内壁や膜表面の状態の変化を抑制することができる。
本実施例において、導入するマイクロ波の強度を低減する目的は、エッチングするための処理ガスと不活性ガスとの供給を切替える際の処理ガスの解離を抑制するためである。処理ガスの解離の状態と不活性ガスのプラズマ生成時のマイクロ波の強度の関係を図3に示す。
図3は、図1に示す実施例のマイクロ波の強度の変化に対する処理ガスの解離の状態の変化を示すグラフである。本図に示す例では、処理ガスとしてCF4を、不活性ガスとしてARを用いたものであり、マイクロ波の強度を表わすパラメータとしてマイクロ波を生成するための電力を、さらにCF4ガスの解離の状態を示すパラメータとしてウエハ4表面のSiとフッ素ラジカルとが反応して生成されるSiF(波長440nm)の発光の強度を用いている。
この結果から、マイクロ波を生成する電力の増加とともにSiFの発光の強度は大きく増加していることが分かる。つまり、マイクロ波の強度を増加することにより処理ガスの解離が進んでいることを示している。
処理ガスの解離が進むと、処理室7内壁の表面の状態の変化や膜の表面の組成や状態の変化を引き起こし、エッチング形状に影響を及ぼすことになる。また、解離の反応によって電子温度が低下するとシースによる異物のトラップ効果が小さくなり、異物がウエハに付着する可能性が高くなる。そのため、不活性ガスのプラズマを生成、維持するためのマイクロ波を生成する電力は500W以下が好ましい。
不活性ガスによるプラズマの生成時にバイアス形成用の高周波電力を印加しない(OFFにする)目的は、不活性ガスのプラズマによるエッチング対象となる膜やマスクのエッチング進行を避けるためである。不活性ガスのプラズマであってもバイアス高周波電力をわずかにでも印加すると膜のエッチングが進行してしまう。微細化の進展により、配線幅の加工寸法の許容値が厳しくなるとその影響は計り知れない。
バイアス高周波電力をOFFにするもう一つの目的は、不活性ガスのプラズマ中のイオンが処理室7内壁に入射することによって内壁の表面の材料や堆積物がスパッタリングされた結果、これらの材料の粒子や欠片が処理室7内部に遊離、放出されることを抑制するためである。また、不活性ガスを導入して形成するプラズマは、シースでトラップされた異物をウエハ上方からガスの流れに乗せて取り除くために、少なくとも1秒以上形成を維持する。(点d〜点e)

上記不活性ガスのプラズマを維持することによって、シースでトラップされていた異物がウエハ4の上方からガス流れによって取り除かられたと判定された後に、マイクロ波の電力または供給を停止しプラズマを消失させる(点e)。単層膜のエッチング処理が終了したと判定された後に、処理室7内の残留ガスを排除するためにバタフライバルブ16の開度を全開(100%)にして処理室7内部を排気する(点e〜f)。
上記の処理によって次のような作用が得られる。処理室7に導入するガスを処理ガスから不活性ガスに切替えることによって電子温度の低下を抑制しシースによるトラップ効果の低減を抑制する。さらに、処理室7の内壁表面からの粒子や欠片の放出を抑制する。
また、プラズマ生成時のラジカルや反応生成物の発生を抑制し処理室7内壁表面やエッチング形状への相互作用による影響を抑制する。さらには、処理ガスと不活性ガスとの切替えの際の処理ガスの解離を抑制するため、不活性ガスによるプラズマを生成するためのマイクロ波の電力(強度)を低減し、かつその状態を1秒以上維持することによって、処理室7内をウエハ4表面の中心部から外周部に向けて流れた後に円筒形のステージ6の外周側壁を下方の排気開口に向けて流れる不活性ガスの流れに乗せてシースでトラップされている異物原因の物質をウエハ4の上方から取り除くことができる。
一方、エッチング処理の終了に引き続き、ステージに設置したウエハの静電吸着を解除(除電)するための処理を行う場合は、例えば点dから点eまでの期間でシースにトラップされていた異物の原因となる物質をウエハ4の上方から取り除く工程を実施した後に、不活性ガスによるプラズマを維持した状態で解除(除電)の工程を行えば良い。
以上、本実施例によれば、単層膜のエッチングにおいてスループットを低下させることがなく、エッチング処理に伴うウエハへの異物付着を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。なお、本実施例では、単層膜を1つのエッチングステップで処理した場合のシーケンスを示したが、単層膜のエッチングを複数のエッチングステップで構成した場合においても、本発明を適用することが可能であるのは言うまでもない。また、プロセスガスと不活性ガスの供給の切替えは前者の停止と後者の開始とを同時またはこれと見做せる程度に短い時間内に行ってもよいが、各々の供給の量の低減/増大を徐々に行って切替えてもよい。
図4を用いて、処理ガスと不活性ガスの供給を徐々に切替えるエッチング処理の処理の流れを説明する。図4は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が単層膜を処理する際の時間の経過に対する別の動作の流れを示すタイムチャートであって、処理ガスの供給と不活性ガスの供給とを前者から後者に一時またはこれと見做せる程度の短時間で切替えるのではなく、徐々に前者の供給の量を減らし後者を増加させる例を表したものである。
処理室7に導入するガスを処理ガスから不活性ガスに切替える場合、図4に示す例では処理ガスの供給量を徐々に少なくし、不活性ガスの供給量を徐々に多くして処理室7内に導入するガスを一方の組成或いは流量のものから他方のものに連続的に切替える(点d〜d’)。不活性ガスから処理ガスに切替える場合も同様である。
このような切替において、ガスの供給は途中にその影響が無視できる程度の短時間の停止が有って断続的に行われても良いが供給毎の供給量と供給される期間での相互の供給量の変化は連続的なものにされる。このように処理ガスと不活性ガスの供給とを徐々に切替える場合は、シャワープレート2が破損しないように処理ガスと不活性ガスの総流量を制御し、間隙8内の圧力が上昇し過ぎないように調整する必要がある。
次に、複数の膜が上下に積層された膜構造(以下、積層膜と呼ぶ)をエッチングする際の処理の工程の流れをついて図5を用いて説明する。図5は、本実施例の第3のエッチング処理シーケンスの一例を示す図であって、上方に配置された第一の膜及び下方に配置された第二の膜を処理する際のエッチング処理の時間の変化に対する工程の変化を示している。第一及び第二の膜は各々を構成する材料やその組成が異なった種類ものである。
点aは、第一の膜のエッチング処理を行う前の時点を示している。ここでは、処理室7の圧力を調整するためのバタフライバルブ16の開度が100%になっており、処理室7内部は高い真空度の状態に維持されている。
点bは、第一の膜のエッチング条件の処理ガスが処理室7に供給され始めた時点を示しており、点bから点cまでの期間は、処理室7内部の圧力を調整するためバタフライバルブ16が回転、動作してその開度が変化していることを示している。
処理ガスが供給され、処理室7の圧力が所定の圧力に達したと判定された点cにおいて、マイクロ波を処理室7に導入してプラズマを生成し、さらにウエハ4にイオンを引き込むためのバイアス高周波電力を印加することによって第一の膜のエッチング処理が開始される。
点dは、第一の膜のエッチングが終了する時点を示しており、このエッチング処理の終了が判定されるとバイアス高周波電力が停止(OFFに)され、処理ガスの供給が停止する。さらに、ステージ6の温度を第一の膜の温度から第二の膜の温度へ変更を開始する。
ステージ6の内部には図示しない温度を調節する手段が配置されており、第一の膜のエッチング処理中もステージ6の温度を当該処理の条件に合致したものとなるように調節している。そして、第一の膜のエッチング処理の終了に合わせてステージ6の温度を第二の温度となるよう調節を開始する。
温度の調節手段としては、例えば、ステージ6を構成する円板または円筒形状の金属製の部材の内部にその中心周りに螺旋状または多重の円弧状に配置された冷媒用通路と冷媒を所定の温度に調節する冷媒温度調節器とを有し所定の温度に調節された冷媒を冷媒用通路に供給して循環させる冷媒循環供給装置や、ステージ6の金属製の円板部材内部の上部あるいはステージ6の上面であってウエハ4がその上に載せられる載置面を構成する誘電体製の被膜の内部に配置され中心部とリング状の外周側部の複数の領域に配置され通電されて発熱するヒータを用いることができる。さらには、ステージ6内部の前記冷媒用通路を冷凍サイクルに連結し当該通路内に内部で蒸発または凝縮する冷媒を循環、供給してステージ6内部の冷媒用通路での熱交換によって冷媒を相変化させ潜熱の吸収/放出させてステージ6を冷却または加熱装置として動作させる構成を備えても良い。
本実施例でステージ6の温度の変更に必要な時間は、例えば5秒から15秒程度であるが、第一の膜と第二の膜のステージ温度の差が大きいほど変更時間は長くなるため、後述する不活性ガスによるプラズマを生成する時点(点e)や第二の膜の処理の条件に合わせた調圧を終了する時刻(点f)を経過した後に、ステージ6の温度の変更が終了するようにしても良い(点f’)。なお、ステージ6の温度の変更を開始するタイミングは、後述する不活性ガスによるプラズマ生成が終了した後でもステージ6の温度の変化率によっては第一のエッチング処理の終了前でも良く、より短時間で第二の膜のエッチング処理が開始できる温度調節の開始時刻を選択できる。
ここで、第一のエッチング処理中に発生した生成物等の粒子がウエハ4に付着することを抑制するために、本実施例では処理ガスと不活性ガスとの供給を切替え、かつマイクロ波の強度を低減させた状態で処理室7内でプラズマを生成する。この際、バイアス電位形成用の高周波電力は停止した状態である。また、処理ガスの供給から不活性ガスの供給に換える際のバタフライバルブ16の開度は、全開(100%)まで動作させずに、例えば、バタフライバルブ16の開度として、第一の膜のエッチング時の開度や第二の膜のエッチング時の開度、あるいは、不活性ガスが安定して放電する条件の開度を用いる。
処理ガスから不活性ガスに移行する目的は、図2に示した実施例と同様に、ウエハへの異物の付着および処理室内壁面の状態の変化を抑制するためである。このため、不活性ガスを導入して形成するプラズマは、シースでトラップされている異物をウエハ4の上方から取り除くために少なくとも1秒以上維持される(点d〜点e)。
不活性ガスを導入して形成されるプラズマによって、シースでトラップされている異物をウエハ4の上方から取り除いた後に、マイクロ波の導入を停止(形成用の電力をOFF)してプラズマを消失させる。プラズマ消失後に処理室7へ供給されるガスを不活性ガスから第二の膜のエッチング条件に合致する処理ガスに切り替える(点e)。
上記の工程では、処理室7内部にはガスが供給され続けることになり、プラズマの消失した状態で処理室7内壁から異物原因となる粒子や欠片が放出されることがあっても、処理室7内部でのウエハ4またはステージ6の中心部から外周側に向いその側壁の表面に沿って流れるガス流によってこれらの物質を処理室7の下方から外部に流出させることができ、ウエハ4への異物の付着を抑制することができる。また、プラズマを消失させて不活性ガスから第二の膜の処理条件に合った処理ガスに切替えることにより、プラズマを維持した状態で処理ガスを供給した場合に生じるインピーダンス整合機のマッチング調整の時間が必要ないため、スループットの低下を抑制することができる。
時点eから点fまでの期間は、処理室7内部の圧力を調整するためバタフライバルブ16が回転、動作して開度が変化し排気用の開口の断面積を変化させていることを示している。不活性ガスの供給から処理ガスの供給に切替えることによって、処理室7内部はある程度の圧力を維持した状態でこれらのガスの供給の遷移を実施することになるため、プラズマを維持した状態で処理ガスを供給した時のインピーダンス整合機のマッチング調整にかかる時間よりも圧力調整の時間が短くなるのは明らかである。
第二の膜の処理用の処理ガスが供給され、処理室7内部の圧力が所定の圧力に達した点fにおいても、ステージ6の温度が変更中である場合、ステージ温度の変更が完了する時点f’まで、圧力は点fの状態が維持される。一方、圧力の調整が完了する前に第二の膜の処理に適したステージ6の温度への変更が完了した場合は、圧力の調整が完了を待ってその終了の時点で次の工程へ進む。
第二の膜の処理に適した圧力の調整とステージ温度の変更との両者が完了した点f’において、マイクロ波の電界を生成する電力が印加されてマイクロ波の電界が処理室7内部に供給されてプラズマが生成され、さらに高周波電力がステージ6の内部の電極に印加されてウエハ4にイオンを引き込むためのバイアス電位が形成されて、第二の膜のエッチング処理が開始される。
点gにおいて、第二の膜のエッチングの終了が判定される。第一の膜のエッチングが終了した際と同様に、第二の膜のエッチング処理の終了の判定に伴ってバイアス電位形成のための高周波電力のステージ6への供給が停止され、第二の膜の処理のための処理ガスの供給が停止される。さらに、第二の膜の処理に適した温度から次のウエハの第一の膜の処理に適した温度となるようにステージ6の温度の変更が開始される。
本実施例ではステージ温度の変更に必要な時間は例えば5秒から15秒程度であるが、処理の条件によって異なるものとなることは言う迄もなく、第一の膜の処理に適したステージ6の温度と第二の膜の処理に適した温度との差が大きいほど変更時間は長くなる。次のウエハ4の処理に適したステージ6の温度の変更を開始するタイミングは、例えば処理中のウエハ4の当該処理が終わった時点(点i)でも良く、処理が終了したウエハ4がステージ6上面から上昇させて処理室7内からの搬出が開始されて次の未処理のウエハ4が搬入されてステージ6上面に載せられて吸着保持されるまでの期間(図示せず)或いは次のウエハ4の第一の膜の処理が開始される時点までの期間でも良い。
本例においても、第二のエッチング処理が終了した後に当該処理中に発生した異物の原因となる粒子等の物質がウエハに付着することを抑制するために、処理室7内への処理ガスの供給と不活性ガスの供給とを切替え、かつ、マイクロ波をその電界の強度を低減させて供給し、不活性ガスを供給した状態でプラズマを生成する。この際、バイアス電位形成用の高周波電力は停止した状態である。
他の条件は、上記実施例の場合と同様である。また、処理ガスから不活性ガスに移行する目的および、マイクロ波の電界の強度を低減する目的および、高周波電力をOFFする目的は上述した通りである。
さらに、不活性ガスを供給して形成されるプラズマは、シースでトラップされている異物をウエハ上方から除外するために少なくとも1秒以上維持される(点g〜点h)。不活性ガスを供給して形成されるプラズマによって、シースでトラップされている異物の原因となる物質をウエハ4の上方から取り除いた後に、マイクロ波の電界の供給を停止Fしプラズマを消失させる(点h)。
このように本例のエッチング処理では、第一の膜のエッチングの開始から第二の膜のエッチングの終了までの間は、処理室7内にガスが供給され続ける。このことにより、プラズマの消失時に処理室7の内壁から異物の原因となる粒子等物質が放出されることがあっても、処理室7内のガスの流れによって異物原因となる物質を排出することができ、ウエハ4への異物の付着を抑制することができる。また、処理室7内にガスが供給され続けることにより、処理室7内部所定の圧力が維持されることになり、バタフライバルブ16の動作の時間、すなわち、処理のステップ間等の不活性ガスと処理ガスとの切替えの際の圧力の調整に要する時間を短縮することができ、スループットの低下を抑制することができる。
なお、本例でも全ての膜のエッチング処理が終了した後に、処理室7内の残留ガスを排除するためにバタフライバルブ16の開度を全開(100%)にする(点h〜i)。一方、エッチング処理の終了に引き続き、ステージに設置したウエハの静電吸着を解除(除電)するための処理を行う場合は、例えば点gから地点hまでのシースでトラップされていた異物をウエハ上方から除外する処理ステップの後に、不活性ガスによるプラズマを維持した状態で、除電ステップを行えばよい。
以上、本実施例によれば、スループットを低下させることがなく、エッチング処理に伴うウエハへの異物付着を抑制でき、歩留まりを向上させることができる。なお、本実施例では、2層の膜をエッチングするための処理シーケンスを説明したが、2層以上の積層膜のエッチングにおいても本発明を適用することが可能であるのは言うまでもない。また、積層膜であっても、そのうちの1層の膜のエッチングに複数のエッチングステップで構成された場合においても、本例を適用することが可能であるのは言うまでもない。
また、上記の通り、処理ガスと不活性ガスとの供給の切替えは前者の停止と後者の開始とを同時またはこれと見做せる程度に短い時間内に行ってもよいが、徐々に切替えてもよい。図6は、処理ガスと不活性ガスの供給を徐々に切替えるエッチング処理の一例を示したタイムチャートである。
第一または第二の膜の処理用の処理ガスから不活性ガスに切替える場合に、図6に示すように処理ガスの供給量を徐々に少なくし、不活性ガスの供給量を徐々に多くしてもよい(点d〜d’及び、点g〜g’)。不活性ガスから処理ガスに切替える場合も同様である。このように処理ガスと不活性ガスとの供給を徐々に切替える場合は、シャワープレート2が破損しないように処理ガスと不活性ガスの総流量を制御し、間隙8内の圧力が上昇し過ぎないように調整する必要がある。
次に、本発明による処理シーケンスを適用した場合の異物低減効果を図7を用いて説明する。図7は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置が実施した処理において異物を低減できる効果を検証した結果を示すグラフである。
第一の膜および第二の膜のエッチング処理では、所望のエッチング形状を得ることができるように、処理室7内部の圧力は例えば0.2〜2.0Paの範囲にされ、マイクロ波の電界を形成する電力は、500〜1500Wの範囲で選択される。一方、第一の膜の処理と第二の膜の処理との間(ウエハ4毎の処理の間も含む)での処理室7内部の圧力は、例えば1.0〜2.0Paの範囲に調節され、不活性ガスを導入してプラズマを形成するためのマイクロ波の電力は放電維持可能であり、かつ処理ガスの解離を抑制することができる例えば200〜500Wの範囲に調節される。
本図において、その上面には図5,6に示す処理の対象と同じ第一、第二の膜を上下に配置した膜構造が配置されたウエハ4を処理した場合を示している。条件1は、第一の膜のエッチング処理終了後に処理ガスの供給を停止し不活性ガスの供給を行わずに処理室7内を高真空排気した場合の異物付着率である。条件2は、第一の膜を処理した後に不活性ガスを供給するがプラズマを生成しない場合の異物の付着率である。なお、条件2では当該不活性ガスの供給を停止した後に処理室7内部を排気して処理に適した値より高い真空度まで排気して減圧している。
条件3は、条件2において第一の膜の処理終了後に不活性ガスを供給した後不活性ガスから第二の膜に適した処理ガスの供給に切替える場合の異物の付着率である。本条件では不活性ガスの供給を停止した後第二の膜の処理の開始前には処理室7内を高い真空度まで排気していない。
条件4は、条件2において第一の膜の処理の終了後に第二の膜の処理の開始前に不活性ガスを供給してプラズマを生成した場合の異物付着率である。本条件では不活性ガスの供給を停止した後は処理室7内部を高い真空度まで排気して減圧している。
条件5は、上記実施例の処理を実施した場合のウエハ4への異物の付着率である。本条件では、第一の膜のエッチング処理の終了後に処理室7の内部に不活性ガスの供給を開始して、不活性ガスを導入しつつ処理室7内部にプラズマを生成する。この際処理室7内のプラズマは消失していない。当該プラズマを少なくとも1秒以上維持した後に消失させ、処理室7内部へのガスの供給を不活性ガスの供給から処理ガスの供給に切替えている。なお、本条件では、第二の膜の処理前に処理室7内を高い真空度まで排気し減圧していない。
条件6は、条件5において、第二の膜用の処理ガスの供給後に処理室7内を高い真空度まで排気している。
図7に示すグラフでは、条件1における異物の付着率を100とした時の他の各条件の異物の付着率を示している。本図の条件1と条件2の比較から、第一の膜のエッチング処理が終了して不活性ガスを供給する構成の有無に依っては、異物付着量にほとんど差がなく当該構成のみでは異物を低減する作用が小さいことが判る。
一方で、条件2と条件3の比較から、不活性ガスを導入しつつプラズマの生成に関わらず、処理ガスの供給と不活性ガスの供給とを切替えることによって、異物の付着率は約40%低減することが判る。このことは、エッチング処理において、エッチング処理の各ステップ間のバタフライバルブ16の開度の動作を抑制し、処理室7内部にガスを連続的に供給し続けることにより、処理室7内壁から放出される異物の原因となる物質がウエハ4に付着することを抑制できることを示している。
条件2と条件4の比較から、不活性ガスを供給してプラズマを生成することで異物の付着率は20%低減することが判る。つまり、不活性ガスを供給してプラズマを生成することで、ウエハ4への異物の付着を抑制できることを示している。
条件5は、条件3と条件4を組み合わせた条件であり、上記の例を適用した場合の処理である。この条件では、条件1と比べて異物の付着率が60%以上低減している。つまり、不活性ガスを供給してプラズマを生成し、且つ処理ガスの供給と不活性ガスの供給を切替えて処理室7内にガスを供給し続けることによって、ウエハ4への異物の付着を抑制する高い効果を得ることができたと言える。
また、条件5と条件6の比較から、条件5と同様の工程を実施した後に、第二の膜のエッチング処理前に高い真空度まで排気を追加すると、異物の付着率が40%から80%に悪化することが判る。この結果から、処理室7内部にガスを供給し続けることは、ウエハへの異物付着を抑制する効果があると言える。
このように、上記実施例に係るプラズマエッチング装置では、処理の工程の終了後に処理ガスの供給と不活性ガスの供給とを切替えるとともに導入するマイクロ波の強度を低くして、処理室7内に形成されるプラズマを処理ガスによるプラズマから不活性ガスを導入したて形成したプラズマに連続的に遷移させる。このことにより、シースでトラップされている異物の原因となる物質をウエハ4の上方から取り除くことができる。
さらに、不活性ガスを導入し形成したプラズマを消失させた後は不活性ガスの供給と次の処理用の処理ガスの供給とを切替えることで、処理の開始から終了まで処理室内へのガス供給を継続する。このことによって、プラズマが消失した状態でもウエハ4への異物の付着を抑制することが可能となり、ウエハ4のエッチング処理の結果得られる半導体デバイスの性能や処理の歩留まりを向上させることができる。
2…シャワープレート、3…セラミックプレート、4…ウエハ、6…ステージ、7…処理室、8…間隙、9…貫通穴、10…ガス流量制御手段、11…圧力検出手段、12…排気手段、13…インピーダンス整合機、14…バイアス高周波電源、15…プラズマ、16…バタフライバルブ、20…マグネトロン発振器、21…導波管、22…ソレノイドコイル、23…ソレノイドコイル。

Claims (8)

  1. 真空容器内部に配置された処理室と、この処理室内に配置されウエハがその上面に載せられるステージと、前記処理室内の前記ステージ上方の空間にプラズマを生成するため供給される電界の生成手段と、前記処理室内に処理用のガスを供給するための処理ガス供給手段と、前記処理室を減圧するための排気手段と、前記ステージの温度を調節する温度調節手段と、前記ウエハ上方にバイアス電位を形成するために前記ステージに印加される高周波電力を供給する高周波電源とを備え、前記処理室内に前記処理用のガスを供給して形成した前記プラズマを用いて前記ウエハを処理するプラズマ処理装置であって、
    前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記高周波電力の供給を停止した状態で、前記処理室内に不活性ガスの導入を開始し前記電界の強度を小さくして前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、当該膜の処理用のガスの供給と前記不活性ガスの供給とを切替えて前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置において、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記温度調節手段を用いて次の処理に用いられる値となるように前記ステージの温度を調節しつつ、前記不活性ガスを供給して形成したプラズマを少なくとも1秒以上維持した後に当該プラズマを消失させるプラズマ処理装置。
  4. 請求項1乃至3に記載のプラズマ処理装置であって、前記不活性ガスを供給して形成したプラズマを消失させた後に、前記不活性ガスの供給を次の処理に用いる前記処理用ガスの供給に切り替えるとともに、前記処理室内の圧力を前記次の処理で用いられる圧力になるように調整するプラズマ処理装置。
  5. 真空容器内部に配置された処理室内に配置されたステージ上面にウエハを載置し、前記処理室内を減圧しつつ処理用のガスを供給し前記処理室内に電界を供給して前記ステージ上方の空間にプラズマを生成して、前記ステージに高周波電源から高周波電力を供給して前記ウエハ上方にバイアス電位を形成つつ、前記ウエハを処理するプラズマ処理方法であって、
    前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記高周波電力の供給を停止した状態で、前記処理室内に不活性ガスの導入を開始し前記電界の強度を小さくして前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理方法。
  6. 請求項5に記載のプラズマ処理方法において、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、当該膜の処理用のガスの供給と前記不活性ガスの供給とを切替えて前記処理室内にプラズマを所定の期間だけ形成するプラズマ処理方法。
  7. 請求項5または6に記載のプラズマ処理方法において、前記ウエハの処理対象の膜の処理の終了後、前記温度調節手段を用いて次の処理に用いられる値となるように前記ステージの温度を調節しつつ、前記不活性ガスを供給して形成したプラズマを少なくとも1秒以上維持した後に当該プラズマを消失させるプラズマ処理方法。
  8. 請求項5乃至7に記載のプラズマ処理方法であって、前記不活性ガスを供給して形成したプラズマを消失させた後に、前記不活性ガスの供給を次の処理に用いる前記処理用ガスの供給に切り替えるとともに、前記処理室内の圧力を前記次の処理で用いられる圧力になるように調整するプラズマ処理方法。
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