JP2015041344A - 忘れ物防止システム、旅客自動車の乗務員に対する情報提供方法、コンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】忘れ物防止システム1は、可視光では撮像できない部位を含むタクシー車内の撮像を赤外線を用いて行うカメラ10を備える。忘れ物防止システム1は、赤外線画像のうち解像度の高い特定波長の赤外線画像をもとに、乗客が乗車していないときには存在しない物体の有無を乗客の降車の際に解析する。物体が有る場合には、警告部40により、タクシーの乗務員に忘れ物が発生した可能性があることを警告する。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2には、忘れ物として検知すべき物品のリストを記憶しておき、乗客が降車した際に車両内の物品を判別し、判別した物品がリストに含まれる場合に当該物品を忘れ物として検知する車載装置が提案されている。物品の判別は、撮像装置により撮像された乗客の乗車前後の画像の差分に基づいて行われる。
また、可視光による撮像では、撮像装置からみて何らかの物体の影になったり、トランクルームなどのように暗い部分では、忘れ物の検知が困難となる。さらに、従来の撮像装置による撮像では、天候(晴天、曇天)、時間帯(日中、夜間)、走行環境(トンネル等の有無)、太陽光の角度によって、映り方が異なる。そのため、撮像時の光量のムラによって物体の認識処理に誤差が生じたり、影を物体と誤認識したりする場合がある。
この忘れ物防止システムは、コンピュータプログラムと、このコンピュータプログラムを読み込み可能なコンピュータとの協働により実現することができる。また、このコンピュータにより、旅客自動車の乗務員に対する情報提供方法を実施することができる。
また、赤外線画像に映された物体の解析結果に基づいて忘れ物の可能性がある物体や乗客の判別を行うので、画像を保持したり、画像同士を比較する場合に比べて、処理の負荷を著しく軽減させることができる。そのため、乗客の忘れ物の可能性の有無を迅速に判別することができる。
図1は、本実施形態の忘れ物防止システムの構成図である。この忘れ物防止システム1は、旅客自動車の一例であるタクシーに搭載されており、乗客の忘れ物の有無をタクシーの乗務員に通知する。
但し、カメラ10の数量、配置は、本例に限らず、コスト及び忘れ物の検知精度を考慮して、適宜設けられる。
インタフェース21、CPU22、RAM23、ROM24及びHDD25は、バスを介して相互にデータの送受信が可能に接続されている。
インタフェース21は、警告部40にも接続されている。警告部40は、スピーカ41及び警告灯42に接続される。
制御部20は、画像管理部101、通知部104、メータ管理部105、波長毎の画像解析部201〜204、解析結果比較部205〜208、解析結果保持部209〜212、判別部300として機能する。
メータ管理部105におけるこれらの機能動作については、後述する。
有効にする波長は、車内へのカメラ10の取付位置、カメラ10の性能、走行時間帯、天候、車内へ入射される太陽光の状況のような撮像環境に応じた実測結果に基づき、個別に設定する。例えば、さまざまな季節、天候、時間帯第1赤外線画像又は第2赤外線画像を波長A、波長B、波長C、波長D毎に解析した結果、解析結果同士の比較が最も容易な波長の解析結果が波長A,波長Dのものであったする。この場合、波長B、波長Cについては無効フラグを立て、あるいは、波長A及び波長Dの画像解析について有効フラグを立て、波長A及び波長Dの画像解析結果だけがフィルタリングされるようにする。
他方、タクシーが賃走状態から支払状態に変化し、乗客が降車したにも関わらず「変化有り」の情報が入力されている場合は、直前に乗車した乗客の忘れ物の可能性がある物体が存在すると判別する。また、タクシーが空車状態であるにも関わらず、「乗客有り」の情報が入力される場合、あるいは、タクシーが賃走状態であるにも関わらず、「変化無し」の情報が入力される場合は、タクシーメータ30の変更し忘れの可能性があると判別する。
報知情報の場合、警告情報は、乗客にその旨が知得されることがないようにするため、警告灯42の作動信号として生成される。この作動信号により、警告等42が例えば赤色で点滅する。また、判別部300の判別結果が「変化有り」の場合、警告情報は、「忘れ物が存在する可能性があります。」という音声メッセージであり、スピーカ41から合成音声により出力される。
なお、警告情報の出力は、スピーカ41又は警告等42以外の出力装置であってもよい。
図3は、カメラ10の具体的な配置及び撮像部位の説明図である。図3(a)は、タクシー車内を横から見た場合の断面図であり、図3(b)は、タクシー車内の俯瞰図である。上述の通り、本実施形態において配置されるカメラ10は、右シートカメラ11、左シートカメラ12、頭上カメラ13、及びトランクカメラ14の4台である。
次に、上記のように構成される忘れ物防止システム1の運用形態例を説明する。ここでは、忘れ物防止システム1を、乗務員に対する情報提供のためのツールとして使用する場合の例を挙げる。
図4は、忘れ物防止システム1において実行される情報処理のタイミングの説明図である。この情報処理は、乗客の乗車、降車、タクシーの発車等のイベントにより、主として乗務員により操作されるタクシーメータ30の状態に応じて適宜行われる。なお、図4では、空車状態では乗客が存在せず、賃走状態では乗客が存在する場合の例である。
警告は、タクシーメータ30が賃走状態の後、乗客が降車した所定時間経過前、例えば降車直後から1分以内に行う。これにより、乗客がタクシーから離れる前に乗務員が忘れ物の有無を確認することができる。
あるいは、乗務員が警告又は報知情報に対して応答した場合にだけ発車を許可する許可機能を制御部20に設けることで、警告が発車後に行われることを防止するようにしてもよい。この場合の乗務員による応答は、例えば警告又は報知情報の出力がスピーカ41により行われる場合にはスピーカ41の消音、警告灯42により行われる場合には警告灯42のリセットがある。これにより、忘れ物の可能性がある物体が存在する場合に、タクシーの乗務員に確実にその状況を知らせることができる。
図5は、乗客が降りようとするときの情報提供処理の手順説明図である。忘れ物防止システム1は、タクシーメータ30が支払状態であることを確認する。支払状態でなければ、当該情報提供処理を行わない(S10:N)。
タクシーメータ30が支払状態であれば(S10:Y)、乗客が降車するタイミングであるので、制御部20は、「ご乗車ありがとうございます。お忘れ物の無いようにお手回りの品をご確認ください。」のような音声案内を、スピーカ41により行う(S11)。このような音声案内により、まず、乗客に忘れ物への注意を喚起する。
第2赤外線画像に映された物体を確認できない場合、例えば車外からの光が強すぎる場合(赤外線画像の白飛び等)場合(S12「判断不可」)、次の周期の第2赤外線画像に基づく判別処理を繰り返す。それでも判断できない場合は、基準物体と異なる物体が存在しないと判別する。当該物体が存在した場合(S12:有)、警告を出力する(S13)。
図6及び図7は、タクシーが走行しているときに忘れ物防止システム1が実行する処理手順説明図である。図6は、タクシーメータ30が支払状態から空車状態に変化した後にタクシーが走行を開始したとき、図7はタクシーメータ30が賃走状態で走行しているときの例である。なお、図6では、空車状態時に解析した基準物体に関する情報が解析結果として保持されているものとする。
なお、乗務員が応答した場合に警告灯42の点滅を解消できることは、上述したとおりである。また、タクシーメータ30の状態を強制的に変更させる必要がない場合は、その処理を省略し、乗客有り通知のまま、S20に戻るようにする。
S31において、乗客が存在すると判別した場合(S31:「乗客有り」)、タクシーメータ30の状態と実際の車内の状態とが一致するので、乗客有り通知を行い(S32)、S30に戻る。乗客有り通知は、警告灯42を緑色に点灯させてもよく、あるいは、何も表示させないようにしてもよい。
なお、乗務員が応答した場合は、点滅状態を解消できることは、上述したとおりである。また、タクシーメータ30の状態を強制的に変更させる必要がない場合は、その処理を省略し、乗客無し通知のまま、S30に戻るようにする。
以上説明したように、本実施形態の忘れ物防止システム1では、カメラ10のシャッタを押す時点の撮像環境では他の波長よりも高い解像度となる特定波長の赤外線を用いてタクシーの車内を撮像する。そのため、可視光により撮影を行う従来の撮像装置では生じ得る、影を物体と誤認したり、あるいは、影の部分に存在する物体を認識できないなどの事態の発生を防止することができる。
また、赤外線画像に映された物体の輪郭や配置等の解析を繰り返し行い、解析結果同士を比較して、乗客及び忘れ物の可能性の高い物体を判別する。そのため、撮像画像それ自体を保持し、画像同士を比較する場合に比べて、処理の負荷量が著しく軽減される。これにより、乗客が支払いを済ませ、降車するまでの僅かな時間の間に、忘れ物の可能性のある物体を検知することができる。
さらに、赤外線を用いて撮像するため、乗客のプライバシーを害さないことはもとより、トランクルームや後部座席のシート下部あるいはフロアマットのように暗い場所に存在する物体をも識別することができる。そのため、可視光を用いた撮像装置を用いる場合よりも、検知精度を格段に高めることができる。
本実施形態は、忘れ物防止システム1をタクシーに搭載した場合の例であるが、タクシー以外にもハイヤー等の他の旅客自動車に搭載してもよい。
また、本実施形態では、特定波長の赤外線画像に映された物体の解析を行う例として、図2の波長別画像解析部201〜204、解析結果比較部205〜208、解析結果保持部209〜212を設けているが、この例に限定されない。例えば、当該特定波長の赤外線だけを透過させるフィルタ(フィルタリング回路)を設けるようにしてもよい。
GPSレシーバを設け、GPSデータから導かれる位置データ及び時刻データに基づいて、いつ、どこで乗車した乗客の忘れ物であるかを特定できるようにしてもよい。この場合、忘れ物の可能性のある物体を判別したときに、当該物体に関する情報をGPSデータに関連付けて保持しておく必要がある。
Claims (10)
- 乗客が存在する賃走状態と、乗客が存在しない空車状態とを有する旅客自動車に設置され、当該時点の撮像環境では他の波長よりも高い解像度となる特定波長の赤外線を用いて前記旅客自動車の車内を撮像する撮像装置と、
前記空車状態のときに前記撮像装置より取得した第1赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を保持するとともに、前記空車状態から賃走状態に変化した後、乗客が降車する際に前記撮像装置より取得した第2赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を前記保持されている解析結果と比較する解析手段と、
前記解析手段による比較内容に応じて、乗客以外の物体が車内に存在するかどうかを判別する判別手段と、
前記乗客以外の物体が車内に存在すると判別された場合に、前記旅客自動車の乗務員に向けて、忘れ物が発生した可能性があることを警告する警告手段と、を備える、
忘れ物防止システム。 - 前記解析手段は、前記撮像装置により撮像された前記第1赤外線画像又は第2赤外線画像を異なる波長毎に解析し、解析結果同士の比較が最も容易な波長の解析結果を前記比較の結果として前記判別手段へ出力する、
請求項1記載の忘れ物防止システム。 - 前記撮像装置は、前記波長の赤外線だけを透過させるフィルタを有する、
請求項2記載の忘れ物防止システム。 - 前記撮像装置は、前記車内の後部座席のフロアのほか、フロアマット及びトランク内部の一方を撮像可能に配置される、
請求項1、2又は3記載の忘れ物防止システム。 - 少なくとも賃走状態又は空車状態を示すメータをさらに備えており、
前記解析手段は、前記メータが空車状態を示す間、繰り返し前記第1赤外線画像を前記撮像装置から取得して前記解析を行い、最新の解析結果を保持するとともに、この最新の解析結果と前記第2赤外線画像に映された物体の解析結果とを比較するものであり、
前記警告手段は、前記メータが賃走状態の後、乗客が降車した所定時間経過前に、前記警告する、
請求項1ないし4のいずれかの項記載の忘れ物防止システム。 - 前記メータが空車状態のときに前記撮像装置が撮像した第1赤外線画像又は前記第2赤外線画像の解析結果に乗客に相当する物体が存在するとき、又は、前記メータが賃走状態のときに前記撮像装置が撮像した前記第1赤外線画像又は前記第2赤外線画像の解析結果に乗客に相当する物体が存在するときに、その旨を表す報知情報を出力するメータ管理手段をさらに備える、
請求項1ないし5のいずれかの項記載の忘れ物防止システム。 - 前記メータ管理手段は、前記報知情報の出力後一定時間経過しても前記メータの状態が変更されない場合に、強制的に当該メータの状態を変更させる、
請求項6記載の忘れ物防止システム。 - 前記警告又は前記報知情報の出力に対して前記乗務員が応答することで、前記旅客自動車の発車を許可する許可手段をさらに備える、
請求項1〜7のいずれかの記載の忘れ物防止システム。 - 乗客が存在する賃走状態と、乗客が存在しない空車状態とを有する旅客自動車に設置され、当該時点の撮像環境では他の波長よりも高い解像度となる特定波長の赤外線を用いて前記旅客自動車の車内を撮像する撮像装置が接続されるコンピュータが実行する方法であって、
前記旅客自動車が空車状態のときに前記撮像装置より取得した第1赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を保持するとともに、前記空車状態から賃走状態に変化した後、乗客が降車する際に前記撮像装置より取得した第2赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を前記保持されている解析結果と比較する段階と、
前記解析結果の比較内容に応じて乗客以外の物体が車内に存在するかどうかを判別する段階と、
前記乗客以外の物体が車内に存在すると判別された場合に、前記旅客自動車の乗務員に向けて、忘れ物が発生した可能性があることを警告する段階とを有する、
旅客自動車の乗務員に対する情報提供方法。 - 乗客が存在する賃走状態と、乗客が存在しない空車状態とを有する旅客自動車に設置され、当該時点の撮像環境では他の波長よりも高い解像度となる特定波長の赤外線を用いて前記旅客自動車の車内を撮像する撮像装置が接続されるコンピュータを忘れ物防止システムとして動作させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記空車状態のときに前記撮像装置より取得した第1赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を保持するとともに、前記空車状態から賃走状態に変化した後、乗客が降車する際に前記撮像装置より取得した第2赤外線画像に映された物体を解析し、その解析結果を前記保持されている解析結果と比較する解析手段、
前記解析手段による比較内容に応じて乗客以外の物体が車内に存在するかどうかを判別する判別手段、
前記乗客以外の物体が車内に存在すると判別された場合に、前記旅客自動車の乗務員に向けて、忘れ物が発生した可能性があることを警告する警告手段、として機能させるコンピュータプログラム。
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