JP2015040615A - 走行車両用弾性ブッシュの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中心軸の軸心方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率をより低く設定できるようにして、要求される低い剛性比率を備える弾性ブッシュの製造方法を得る。
【解決手段】金属製の中心軸7と、金属筒状の外側部材11と、中心軸7と外側部材11との間に介装されるゴム製の弾性材10とでなる走行車両用弾性ブッシュの製造方法において、左右端に行くほど小径になる傾斜外周面13を持つ中心軸7と、傾斜外周面13に被さる傾斜外嵌部10Aを持つ弾性材10と、弾性材10に外嵌する外側部材11とを用意し、外側部材11を軸心P方向にスライドさせて弾性材10に外嵌する外嵌工程aの後に、外側部材11における傾斜外嵌部10Aに外装されている対応部分11tを縮径加工させることにより弾性材10の傾斜外嵌部10Aを予圧縮する圧縮工程bを行う
【選択図】図2

Description

本発明は、車両進行方向に対して交差する方向の軸心を有する中心軸と、中心軸の径外側に周設される外側部材と、中心軸と外側部材との間に介装される弾性材とを有してなる走行車両用弾性ブッシュの製造方法に関するものである。
例えば、軸はり装置は、軸はりの一端部に設けられた筒状ハウジング部に車両進行方向に対して直角な中心軸と、この中心軸の外周に配置し固着されたゴムなどによる略筒状弾性体と、この略筒状弾性体の外周面を覆うように固着された外側部材としての外筒とを備えてなる走行車両用弾性ブッシュを嵌合固定するとともに、走行車両用弾性ブッシュの中心軸を台車フレームに回転不能に固定している。
上述の構造により、走行車両用弾性ブッシュの略筒状弾性体の弾性作用により、軸はりの中心軸回りの回転運動を許容しながら、軸はりと台車フレームとの連結部位の振動及び衝撃を吸収するという防振機能を発揮することができる。このような技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2において開示されたものが知られている。
特許文献1のものでは、その図6に示されるように、ねじり棒(8)に外嵌される内筒(符記無し)と、側梁(2)に内嵌される外筒(符記無し)と、これら内外筒の間に介装されるリング状の弾性層(ゴムブッシュ:9)とにより弾性ブッシュが構成されている。
走行車両用弾性ブッシュには、車両の加減速や曲線走行に伴う遠心力、或いは横揺れなど、種々の力が作用するので、軸心方向及び径方向のいずれの方向にも大なる荷重が作用することを想定した設計が必要とされる。
一例として、制動による減速時における大なる荷重が作用することに重点を置いた性能の走行車両用弾性ブッシュとする場合には、その大なる荷重を受けながら良好な耐久性を得るために、略筒状弾性体を予め径方向に圧縮させた状態で装備する予圧縮手段を採ることがある。
即ち、特許文献2において前述の予圧縮手段を採る場合には、略筒状弾性体(10)の径方向厚みを幾分大きい値にしておき、ボルト(9)締結により半割り基体ケース(4B)と半割り先端ケース(4A)とによる嵌合穴(5)に、略筒状弾性体(10)を圧縮させた状態で組付けることが可能である。
特開平6−247300号公報 特開2000−225940号公報
走行車両用弾性ブッシュが前述の軸はり装置に使用される場合、中心軸の軸心方向の剛性(又はバネ定数)と径方向の剛性(又はバネ定数)との比率、即ち、剛性比率は、走行車両の種類や仕様によっては2倍程度(約1〜3倍)の低い剛性比率(軸心方向の剛性が高いもの)が要求されることがある。
特許文献1に示される単純な円筒形状の弾性層を有する弾性ブッシュでは、構造上、前述の軸心方向の剛性(車両進行方向に対する左右方向の剛性)を高くすることはできず、せいぜい5〜20倍の範囲の剛性比率に止まる。
一方、特許文献2に示される構造のもの、即ち、左右に回り込むゴム層を有し、径方向に予圧縮可能な構成を採る弾性ブッシュでは、特許文献1のものに比べて剛性比率を多少は改善できる利点がある。しかしながら、2倍程度という低い剛性比率を実現するには至らないものであった。
そのため、従来の弾性ブッシュでは、軸心方向の剛性に若干の不足が生じるなど、要求される低い剛性比率を十分満足できるものに設定することが困難な場合が多かった。このように、前述した低い剛性比率の特性を持つ走行車両用弾性ブッシュを実現させるには、さらなる改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、更なる構造工夫を行うことにより、中心軸の軸心方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率をより低く設定できるようにして、要求される低い剛性比率にも対応可能となるように改善された走行車両用弾性ブッシュの製造方法を提供する点にある。
請求項1に係る発明は、車両進行方向に対して交差する方向の軸心Pを有する中心軸7と、前記中心軸7の径外側に周設される外側部材11と、前記中心軸7と前記外側部材11との間に介装される弾性材10とを有してなる走行車両用弾性ブッシュの製造方法において、
前記軸心Pに沿う幅方向での端に向かうに従って径が小さくなるように前記軸心Pに対して傾く傾斜外周面13が形成されている前記中心軸7と、前記傾斜外周面13の径外側に位置する傾斜外嵌部10Aを有する状態で前記中心軸7に外装される前記弾性材10と、前記中心軸7に外装されている前記弾性材10に外嵌可能な筒状の外側部材11と、のそれぞれを用意し、
前記弾性材10と前記外側部材11とを前記軸心P方向に相対移動させて、前記中心軸7に外装されている状態の前記弾性材10に前記外側部材11を外嵌する外嵌工程aの後に、前記外側部材11における前記傾斜外嵌部10Aに外装されている対応部分11tを縮径加工することにより、前記対応部分11tと前記傾斜外周面13との間で前記傾斜外嵌部10Aを圧縮させる圧縮工程bを行うことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法において、
前記中心軸7として、前記傾斜外周面13が前記軸心P方向での両端側部分のそれぞれに形成されたものを用いるとともに、前記弾性材10として、前記傾斜外嵌部10Aが前記軸心P方向での両端側部分のそれぞれに形成されたものを用いて、
前記圧縮工程bにおいては、前記外側部材11におけるそれぞれの前記傾斜外嵌部10Aに外嵌されている各前記対応部分11tを縮径加工することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法において、
前記圧縮工程bにおいては、前記対応部分11tの内径が前記軸心P方向での端に行くほど小となる傾斜内周面12が形成されるように縮径加工して、前記傾斜外嵌部10Aを前記軸心Pに関して縮径する方向及び前記軸心方向の双方に圧縮することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法において、
前記弾性材10として、前記傾斜外嵌部10Aどうしの前記軸心P方向での間の部分が前記軸心Pに関する周溝状に欠如された形状とされたものを用いることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法において、前記弾性材10として、縮径加工される前記対応部分11tを受止める硬質材製のリング体17が前記傾斜外嵌部10Aの外周側に装備されたものを用いることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、弾性材の被圧縮部が、傾斜内周面と傾斜外周面との間にて圧縮(予圧縮)されているから、傾斜内周面や傾斜外周面の傾斜角度やその圧縮量などの条件を適宜に設定することが可能になる。それにより、被圧縮部における中心軸の軸心方向の剛性(又はバネ定数)に対する径方向の剛性(又はバネ定数)の剛性比率を従来よりも低く設定することが可能になる。
また、弾性材が予圧縮されているので、外部からの入力により弾性材が変形する状態での歪を軽減させることが可能である。
そして、圧縮工程においては、弾性材に被せられている外側部材の対応部分を縮径加工するだけで、弾性材の予圧縮も為されることになる。従って、上述のような作用効果を有する弾性ブッシュにおける弾性材の予圧縮は、そのための特別な工程を不要としながら、外側部材を弾性材に外嵌固定するための工程である圧縮工程を行うことで一挙に為されるから、工程数を削減しながら効率良く製造することが可能である。
その結果、中心軸及び外側部材それぞれのテーパ面で弾性材を挟む構造を採る工夫、並びに、対応部分を縮径加工するだけで傾斜外嵌部が圧縮できるように工夫された圧縮工程の採用により、中心軸の軸心方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率をより低く設定できるようにして、要求される低い剛性比率にも対応可能となるように改善された走行車両用弾性ブッシュを、工程の短縮化や生産効率に優れる状態で作製可能となる製造方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、傾斜内周面と傾斜外周面とで圧縮される被圧縮部が軸心方向での両端側部分のそれぞれに一対装備され、径方向の圧縮だけでなく、軸心方向の圧縮に関しても無理なく強度バランスの取れた状態とすることができる。このように、径方向にも軸心方向にも安定して性能が発揮できる走行車両用弾性ブッシュが、軸心方向での両端側部分それぞれに作用する状態で圧縮工程を行うことだけで得られるので、より合理的な製造方法として提供することができる。
請求項3の発明によれば、対応部分の内径が軸心方向での端に行くほど小となる傾斜内周面が形成されるように縮径加工されるから、傾斜内周面と傾斜外周面とで挟まれている傾斜外嵌部は、弾性材としての左右中心に向かう方向及び軸心方向、即ち、各外嵌部が互いに接近する方向及び軸心に関して縮径する方向の双方に圧縮されるようになる。
従って、それぞれの被圧縮部を、互いに接近する方向及び縮径する方向の双方に圧縮された状態となり、軸心方向については互いの圧縮による作用どうしを互いに打ち消すことが可能になるから、圧縮工程を行うだけで、他に特別な加工を必要とせず、軸心方向のバランスにも優れる利点が追加される走行車両用弾性ブッシュの製造方法を提供することができる。
請求項4の発明によれば、弾性材はその左右中央部分を周溝状に欠如させた形状であるから、実使用時などにおける外部から入力された状態では、左右の被圧縮部それぞれが互いの干渉無く又は少なく変位挙動することが可能になる。
従って、懸架作用や防振作用などの機能を安定して発揮可能な走行車両用弾性ブッシュとすることが可能であり、その優れた走行車両用弾性ブッシュを効率良く作製可能な製造方法を提供することができる。
請求項5の発明によれば、対応部分11tの縮径加工に伴う強い圧縮力は、弾性材である傾斜外嵌部ではなく、その外周側に装備されている硬質材製のリング体で受止めることができ、作製に伴う弾性材の変形や損傷は皆無となるようにしながら、安定・確実に圧縮工程が行える利点がある。
走行車両用弾性ブッシュを示す一部切り欠きの正面図 弾性ブッシュの製法要点を示し、(a)は外側部材の横移動で中間輪を介して弾性材に外嵌させる図、(b)は対応部分を縮径させて加締める図(実施形態1) 鉄道車両軸はり装置を簡単に示す一部切欠き側面図 図3における弾性ブッシュ部分を拡大した縦断側面図 図3における弾性ブッシュ部分を拡大した横断平面図 弾性ブッシュの別使用例を示す要部の側面図
以下に、本発明による走行車両用弾性ブッシュ(以下、「弾性ブッシュ」と略称する)の製造方法の実施の形態を、鉄道車両の軸はり装置などに好適な弾性ブッシュの製法として、図面を参照しながら説明する。
図3に鉄道車両の軸はり装置の概略が示されており、1は車軸、2は軸箱部、3は軸はり、4はハウジング部、5は車軸1に取付けられる車輪、6は弾性ブッシュ(防振ブッシュ)、8は台車フレームである。
軸はり3は、車軸1を支持する軸箱部2から車両進行方向(矢印Y方向)に向けて延設され、その軸はり3の一端部に形成される筒状のハウジング部4に弾性ブッシュ6が嵌装されている。8Aは、弾性ブッシュ6の中心軸7を支持する二股状の支持ブラケットであり、台車フレーム8から下向きに突出形成されている。
図3〜図5に示すように、ハウジング部4の嵌合孔4H内に弾性ブッシュ6の外側部材11が嵌合固定され、図示は省略するが、弾性ブッシュ6における中心軸7の両端部が、ボルト止め手段などによって支持ブラケット8Aに回転不能に支持されている。
このような構造により、軸はり3が中心軸7の軸心P回りに揺動移動可能であるとともに、軸はり3と台車フレーム8との連結部位の振動及び衝撃を吸収できうるように構成されている。
ハウジング部4は、図4に示すように、車両進行方向Yに前後2分割された半割形式の構造体である。進行方向前側の先端側半割体4Aは、軸はり3に一体形成されている基端側半割体4Bにボルト9を用いて取付けられている。このように、ボルト9を用いての半割り構造のハウジング部4とすれば、外側部材11が単なる円筒状のものばかりでなく、例えば、球面状の外周面を持つものなど、外径が一定でない形状の外側部材を無理なく良好にハウジング4に挿入して固定させることができる。
弾性ブッシュ6は、図1,図2、及び図3,4に示すように、車両進行方向Yに対して交差する方向の軸心Pを有する中心軸7と、中心軸7の径外側に周設される略円筒状の外側部材11と、中心軸7と外側部材11との間に介装される弾性材10とを有して構成されている。
中心軸7は、ボルト相通用などのための取付孔7hを備えて断面が小判型形状を呈する左右両端それぞれの取付部7B,7Bと、左右の小径面15と中央の大径面16と各小径面と大径面との間の傾斜外周面13とを有して、左右中心部ほど径が大となる形状の中央部7Aとを有する左右対称形状の軸に構成されている。
外側部材11は、機械構造用鋼管などの金属板製で左右両端が絞られた左右窄まり円筒状とも言うべき形状のものであり、径一定の左右中央に位置する大径の直胴筒部11Aと、直胴筒部11Aから軸心P方向で離れるに従って小径となる状態で左右それぞれに形成される先窄まり状の傾斜筒部11Bと、を有する筒状体として構成されている。
この外側部材11の幅寸法は、図1に示されるように、中央の大径面16と左右の傾斜外周面13,13との合計の幅寸法にほぼ等しく設定されている。
弾性材10は、外側部材11の幅寸法に略等しい幅を持ち、環状で左右一対の傾斜外嵌部10A,10Aと、左右中央の空隙部10Bとを有するとともに、各傾斜外嵌部10Aの外周側に金属製の中間輪(リング体の一例)17を一体に備えて断面が略H形を呈する形状(プーリーやヨーヨーのような形状)の複合構造体である。各中間輪17と弾性材10とは焼付け又は加硫接着により一体化されることが多い。
空隙部10Bには、型成形都合や中心軸7の防錆上の点から、中央部7Aを覆って一対の傾斜外嵌部10A,10Aを繋ぐ薄肉状ゴムの環状膜部10bが形成されているのが好ましいが、この環状膜部10bは無くてもよい。
つまり、弾性材10としては、縮径加工される対応部分11tを受止める硬質材製の中間輪17が傾斜外嵌部10Aの外周側に装備され、かつ、直胴筒部11Aの径内側に位置する箇所を軸心Pに関する周溝状に欠如された形状とされているものを用いる。
中間輪17は、直胴筒部11Aの直胴内周面11aに内嵌する径一定の大外周面17a、傾斜筒部11Bの傾斜内周面12に内嵌するテーパ外周面17b、傾斜筒部11Bの末端部を受止める鉤状周部17c、テーパ外周面17bと互いに同等な傾斜角を持って傾斜外嵌部10Aに外嵌するテーパ内周面17d、及び、テーパ内周面17dの小径側端に続いて径一定な状態で傾斜外嵌部10Aに外嵌する小内周面17eを有し、全体として軸心Pに対して傾く断面形状を呈するように構成されている。
また、図1に示す弾性ブッシュ6としての状態では、テーパ内周面17dと傾斜外周面13との間に位置する各傾斜外嵌部10Aは、軸心P方向及び軸心Pに関する径方向の双方に圧縮された状態、即ち予圧縮された被圧縮部14に構成されている。
この予圧縮は、詳しくは後述するが、弾性ブッシュ6としての組立時(組付時)に、中間輪17に傾斜筒部11Bを形成する工程においてなされるものでり、各傾斜外嵌部10Aが傾斜内周面12と前記傾斜外周面13との間にて圧縮されることで被圧縮部14が形成される。
傾斜内周面12と傾斜外周面13とテーパ外周面17bとは、軸心P方向において互いに同じで、かつ、均一角度で傾斜する構成とされているが、そうでもなくても良い。
〔実施形態1〕
次に、弾性ブッシュ6の製造方法(作り方)について説明する。上述した構成の弾性ブッシュ6は、センター線Cを有して左右対称形状のものであり、外側部材11の組み付けに明確な特徴を有している。
即ち、弾性材10と外側部材11とを軸心方向に相対移動させて、中心軸7に外装されている状態の弾性材10に外側部材11を外嵌する外嵌工程a〔図2(a)参照〕の後に、外側部材11における傾斜外嵌部10Aに外装されている対応部分11tを縮径加工することにより、対応部分11tと傾斜外周面13との間で傾斜外嵌部10Aを圧縮させる圧縮工程b〔図2(b)参照〕を行うことにより、弾性ブッシュ6が作製される。
なお、外嵌工程aを円滑に行い易くするために、外側部材11の径を若干大き目にしておき、外嵌工程aの後に外側部材11が丁度大外周面17aに密外嵌されるように外側部材11の全体を縮径させる全体縮径工程を、圧縮工程bの前に行うようにしても良い。
詳しくは、まず、図2(a)に示すように、各傾斜外嵌部10Aが各傾斜外周面13に、かつ、環状膜部10bが大径面16に外嵌するとともに、各傾斜外嵌部10Aに中間輪17を外嵌させた状態での焼付け又は加硫接着などの手段により、予め中間輪17と弾性材10と中心軸7とが一体化されているものを用意する。
まだ予圧縮されていない弾性材10の外径、即ち中間輪17の大外周面17aの径と外側部材11の内径とは、外嵌工程aをスムーズに行う点から同等な値が良いが、そうでなくてもよい。
この場合、左右の各傾斜外嵌部10Aはまだ圧縮されていないので、弾性材10としての全幅Dは左右の中間輪17の部位であり、その中間輪17,17での全幅Dは、絞り加工前の径一定状態の外側部材11の全幅dよりも明確に長い(D>d)。
さて、外嵌工程aが済むと、図2(b)に示す圧縮工程bを行う。この圧縮工程bでは、回転プレスなどの加工手段により、軸心P方向の端に行くほど小径となるように外側部材11の左右両端部を縮径加工(加締加工)する。この縮径加工によって左右に傾斜外嵌部10Aが形成される工程においては、テーパ外周面17bに外側部材11の端部である対応部分11tが縮径加工により強制外嵌されることにより、中間輪17を介して各傾斜外嵌部10Aが軸心P方向で互いに近づく方向に強制移動される。
その際、傾斜内周面12と傾斜外周面13とで挟まれている傾斜外嵌部10Aは、弾性材10としての左右中心に向かう方向及び軸心P方向、即ち、各外嵌部10A,10Aが互いに接近する方向及び軸心Pに関して縮径する方向の双方に圧縮され、よって予圧縮された被圧縮部14に形成される。結果として、傾斜外周面13及び被圧縮部14を有する弾性材10は、左右それぞれの傾斜内周面12毎に設けられている。
つまり、圧縮工程bにおいては、対応部分11tの内径が軸心P方向での端に行くほど小となる傾斜内周面12が形成されるように縮径加工し、傾斜外嵌部10Aを軸心Pに関して縮径する方向及び軸心P方向の双方に圧縮するのである。
本実施形態では、対応部分11tの縮径加工に伴う強い圧縮力を受けるための金属製中間輪17を弾性材10に設けたものを用いているが、例えば、殆ど縮径方向又は軸心P方向のみの加工応力を受けるような場合には、ゴムのみによる弾性材10とすることも可能である。また、弾性材10は、空隙部10Bの左右幅がもっと小さいものや、径方向の凹み量がもっと少ないものでもよく、或いは、空隙部10Bの無いものでも良い。
図5に示すように、ハウジング部4の嵌合孔4Hを、左右方向(軸心P方向)幅の中央部の内径を大きくしてその両端に行くほど径が漸減する斜め内周面18を形成し、外側部材11の形状に合せた断面凹面状としても良い。このような形状とすれば、ボルト9により組付けた状態では、左右の斜め内周面18が弾性ブッシュ6の軸心P方向への抜け止め壁として機能する点で好ましい。
〔別実施例〕
弾性ブッシュ6の他の使用例としては、図6に示すように、牽引リンク20の端部に装備されるものでも良い。
牽引リンク20は、鉄道車両である車体フレーム21に支持される牽引枠22と、台車枠23の一対の主支持枠24,24のうちの一方と、に亘って架設連結される単一のトルク受け部材として構成されている。
牽引枠22は、車体フレーム21にボルト止めされるフランジ22Aを有して垂設される状態で、牽引リンク20を跨ぐ二股下端部22a,22aを備える金属製の部材に形成されている。牽引リンク20のそれぞれの中心軸7,7の一方は二股下端部22aにボルト止めされ、もう一方は主支持枠24から突設される二股状ステー24aにボルト止めされている。
牽引リンク20は、鋼管材で形成される牽引部材20Aと、牽引部材20Aの両端それぞれに溶着一体化される金属製の筒ボス20B,20Bとから構成されており、各筒ボス20B,20Bのそれぞれに外側部材11が内嵌される状態で弾性ブッシュ6が装備されている。この場合、各筒ボス20Bは、図4に示すハウジング部4のような半割りボルト止め構造を採っても良いし、直胴筒部11Aのみを圧入させる径一定内周面を有する構造を採っても良いが、簡単のため詳細な図は省略する。また、この径一定内周面を、実施形態1の弾性ブッシュ6(図5など参照)を内嵌するハウジング部4に適用しても良い。
さて、ここで、上述した構成を採用した弾性ブッシュ6、及びその製造方法による作用効果などについて説明する。
弾性ブッシュ6は、外側部材11における弾性材10に外嵌する部分は、外側部材11の軸心Pに沿う幅方向での端に向かうに連れて径が小さくなるように軸心Pに対して傾く傾斜内周面12を有し、かつ、中心軸7における弾性材10に内嵌する部分は、軸心Pに対して傾斜内周面12と互いに同じ方向に傾く傾斜外周面13を有するとともに、弾性材10は、傾斜内周面12と傾斜外周面13との間にて圧縮(予圧縮)される被圧縮部14を有している。
そして、弾性材10と外側部材11とを軸心P方向に相対移動させて、中心軸7に外装されている状態の弾性材10に外側部材11を外嵌する外嵌工程aの後に、外側部材11における傾斜外嵌部10Aに外装されている対応部分11tを縮径加工することにより、対応部分11tと傾斜外周面13との間で傾斜外嵌部10Aを圧縮(予圧縮)させる圧縮工程bを行うことを特徴としている。
そのため、傾斜内周面12や傾斜外周面13の傾斜角度やその圧縮量などの条件を適宜に設定することが可能であり、それによって被圧縮部14における中心軸7の軸心P方向の剛性(又はバネ定数)と径方向の剛性(又はバネ定数)との剛性比率を任意に調節設定することが可能になる。従って、中心軸7の軸心P方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率を任意又は極力任意に設定できるようにして、要求される剛性比率を備えることが可能な走行車両用弾性ブッシュ6及びその製造方法を提供することができる。
部品としての未完成状態における傾斜外嵌部10Aを、完成状態(組付状態)における被圧縮部14とする予圧縮加工が、圧縮工程bにおける外側部材11と中間輪17とを一体化すべく対応部分11tの絞り加工により兼用して行われる方法であるから、非常に効率よく生産することができる。しかも、その予圧縮が、絞り加工によって軸心P方向及び径方向の両方向へ一挙に為される点でも生産性に優れている。
被圧縮部14を挟む箇所である中間輪17及び傾斜外周面13は、それぞれの軸心Pに対する傾き角(テーパ角)を互いに等しくしてあるので、各傾斜外嵌部10Aに均一な予圧縮を与えることが可能である。その予圧縮が、対応部分(端部)11tの縮径に伴う中間輪17の軸心P方向移動のみにより為されるから、その点でも被圧縮部14の圧縮応力の均一化、ひいては弾性ブッシュ6としての性能安定化に寄与できる利点もある。
そして、外側部材(外輪)11の傾斜筒部11Bと中間輪17とをテーパ形状どうしで嵌合させてあるから、これら外側部材11と弾性材10とが軸心P方向にずれることが無い。また、外側部材11と嵌合孔4Hもテーパ形状どうしで嵌合しており、ハウジング部4にずれ動き無く弾性ブッシュ6を安定支持させることができる。
7 中心軸
10 弾性材
10A 傾斜外嵌部
11 外側部材
11t 対応部分
12 傾斜内周面
13 傾斜外周面
17 リング体(中間輪)
P 軸心
a 外嵌工程
b 圧縮工程

Claims (5)

  1. 車両進行方向に対して交差する方向の軸心を有する中心軸と、前記中心軸の径外側に周設される外側部材と、前記中心軸と前記外側部材との間に介装される弾性材とを有してなる走行車両用弾性ブッシュの製造方法であって、
    前記軸心に沿う幅方向での端に向かうに従って径が小さくなるように前記軸心に対して傾く傾斜外周面が形成されている前記中心軸と、前記傾斜外周面の径外側に位置する傾斜外嵌部を有する状態で前記中心軸に外装される前記弾性材と、前記中心軸に外装されている前記弾性材に外嵌可能な筒状の外側部材と、のそれぞれを用意し、
    前記弾性材と前記外側部材とを前記軸心方向に相対移動させて、前記中心軸に外装されている状態の前記弾性材に前記外側部材を外嵌する外嵌工程の後に、前記外側部材における前記傾斜外嵌部に外装されている対応部分を縮径加工することにより、前記対応部分と前記傾斜外周面との間で前記傾斜外嵌部を圧縮させる圧縮工程を行う車両用弾性ブッシュの製造方法。
  2. 前記中心軸として、前記傾斜外周面が前記軸心方向での両端側部分のそれぞれに形成されたものを用いるとともに、前記弾性材として、前記傾斜外嵌部が前記軸心方向での両端側部分のそれぞれに形成されたものを用いて、
    前記圧縮工程においては、前記外側部材におけるそれぞれの前記傾斜外嵌部に外嵌されている各前記対応部分を縮径加工する請求項1に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法。
  3. 前記圧縮工程においては、前記対応部分の内径が前記軸心方向での端に行くほど小となる傾斜内周面が形成されるように縮径加工して、前記傾斜外嵌部を前記軸心に関して縮径する方向及び前記軸心方向の双方に圧縮する請求項2に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法。
  4. 前記弾性材として、前記傾斜外嵌部どうしの前記軸心方向での間の部分が前記軸心に関する周溝状に欠如された形状とされたものを用いる請求項3に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法。
  5. 前記弾性材として、縮径加工される前記対応部分を受止める硬質材製のリング体が前記傾斜外嵌部の外周側に装備されたものを用いる請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用弾性ブッシュの製造方法。
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