JP6199674B2 - 弾性ブッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道台車の軸はり装置といった走行車両などに好適な弾性ブッシュに係り、詳しくは、車両進行方向に対して交差する方向の軸心を有する中心軸と、中心軸の径外側に周設される外側部材と、中心軸と外側部材との間に介装される弾性部とを有してなる弾性ブッシュに関するものである。
例えば、軸はり装置は、軸はりの一端部に設けられた筒状ハウジング部に車両進行方向に対して直角な中心軸と、この中心軸の外周に配置し固着されたゴムなどによる略筒状弾性体と、この略筒状弾性体の外周面を覆うように固着された外側部材としての外筒とを備えてなる弾性ブッシュを嵌合固定するとともに、その弾性ブッシュの中心軸を台車フレームに回転不能に固定している。
上述の構造により、弾性ブッシュの略筒状弾性体の弾性作用により、軸はりの中心軸回りの回転運動を許容しながら、軸はりと台車フレームとの連結部位の振動及び衝撃を吸収するという防振機能を発揮することができる。このような技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2において開示されたものが知られている。
特許文献1のものでは、その図6に示されるように、ねじり棒(8)に外嵌される内筒(符記無し)と、側梁(2)に内嵌される外筒(符記無し)と、これら内外筒の間に介装されるリング状の弾性層(ゴムブッシュ:9)とにより弾性ブッシュが構成されている。
弾性ブッシュには、車両の加減速や曲線走行に伴う遠心力、或いは横揺れなど種々の力が作用するので、軸心方向及び径方向のいずれの方向にも大なる荷重が作用することを想定した設計が必要とされる。
一例として、制動による減速時における大なる荷重が作用することに重点を置いた性能を備える鉄道車両用の弾性ブッシュとする場合には、その大なる荷重を受けながら良好な耐久性を得るために、略筒状弾性体を予め径方向に圧縮させた状態で装備する予圧縮手段を採ることがある。
即ち、特許文献2において前述の予圧縮手段を採る場合には、略筒状弾性体(10)の径方向厚みを幾分大きい値にしておき、ボルト(9)締結により半割り基体ケース(4B)と半割り先端ケース(4A)とによる嵌合穴(5)に、略筒状弾性体(10)を圧縮させた状態で組付けることが可能である。
特開平6−247300号公報 特開2000−225940号公報
弾性ブッシュが前述の軸はり装置に使用される場合、中心軸の軸心方向の剛性(又はバネ定数)と径方向の剛性(又はバネ定数)との比率、即ち、剛性比率は、鉄道車両の種類や仕様によっては2倍程度(約1〜3倍)の低い剛性比率(軸心方向の剛性が高いもの)が要求されることがある。
特許文献1に示される単純な円筒形状の弾性層を有する弾性ブッシュでは、構造上、前述の軸心方向の剛性(車両進行方向に対する左右方向の剛性)を高くすることはできず、せいぜい5〜20倍の範囲の剛性比率に止まる。
一方、特許文献2に示される構造のもの、即ち、左右に回り込むゴム層を有し、径方向に予圧縮可能な構成を採る弾性ブッシュでは、特許文献1のものに比べて剛性比率を多少は改善できる利点がある。しかしながら、2倍程度という低い剛性比率を実現するには至らないものであった。
そのため、従来の弾性ブッシュでは、軸心方向の剛性に若干の不足が生じるなど、要求される低い剛性比率を十分満足できるものに設定することが困難な場合が多かった。このように、前述した低い剛性比率の特性を持つ弾性ブッシュを実現させるには、さらなる改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、更なる構造工夫を行うことにより、中心軸の軸心方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率をより低く設定できるようにして、要求される低い剛性比率にも対応可能となるように改善された弾性ブッシュを、軸心方向に分離するおそれのないものとしながら提供する点にある。
請求項1に係る発明は、車両進行方向に対して交差する方向の軸心Pを有する中心軸7と、前記中心軸7の径外側に周設される外側部材11と、前記中心軸7と前記外側部材11との間に介装される弾性部10とを有してなる弾性ブッシュにおいて、
前記外側部材11は、これの前記軸心Pに沿う幅方向での端に向かうに従って径が小さくなる傾斜内周面12を備える外嵌部分11Bを有し、
前記中心軸7における前記弾性部10に内嵌する部分は、前記軸心Pに対して前記傾斜内周面12と互いに同じ方向に傾く傾斜外周面13を有し、
前記弾性部10は、前記傾斜内周面13と前記傾斜外周面12との間にて圧縮される弾性材製被圧縮部分14を有するとともに、前記外嵌部分11Bの前記軸心P方向端を径大となる側に廻り込むフランジ部17cを有し
前記弾性部10は、前記傾斜外周面12に外嵌される前記被圧縮部分14に外嵌され、かつ、前記傾斜内周面13に内嵌される硬質材製の中間輪17を有しており、前記中間輪17に前記フランジ部17cが形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の弾性ブッシュにおいて、
前記外側部材11が鋼板製であり、前記フランジ部17cは、前記鋼板の端面により形成される前記外嵌部分11Bの端面19に当接して受止め可能なストップ面25を有していることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の弾性ブッシュにおいて、
前記外嵌部分11Bは、前記外側部材11の前記軸心P方向の端部を縮径加工することにより形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の弾性ブッシュにおいて、
前記傾斜内周面13は、前記外側部材11における前記軸心P方向での両端側部分のそれぞれに形成されるとともに、前記被圧縮部分14及び前記フランジ部17cを有する前記弾性部10と前記傾斜外周面12とは、それぞれの前記傾斜内周面13毎に構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の弾性ブッシュにおいて、
それぞれの前記被圧縮部分14は、互いに接近する方向及び前記軸心Pに関して縮径する方向の双方に圧縮された状態で装備されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、弾性部の被圧縮部が、傾斜内周面と傾斜外周面との間にて圧縮(予圧縮)されているから、傾斜内周面や傾斜外周面の傾斜角度やその圧縮量などの条件を適宜に設定することが可能になる。それにより、被圧縮部における中心軸の軸心方向の剛性(又はバネ定数)に対する径方向の剛性(又はバネ定数)の剛性比率を従来よりも低く設定することが可能になる。
そして、弾性材が予圧縮されることにより、外部からの入力により弾性材が変形する状態での歪を軽減させることも可能である。
また、傾斜内周面と弾性部とが嵌合されるとともに、外嵌部分の軸心方向端を径大となる側に廻り込むフランジ部の存在により、外側部材と弾性部とが軸心方向でのいずれの方向にもずれ移動することが生じないように規制することが可能となる。
その結果、中心軸及び外側部材それぞれのテーパ面で弾性部を挟んで予圧縮する構造を採る工夫により、中心軸の軸心方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率をより低く設定できるようにして、要求される低い剛性比率にも対応可能となるように改善される弾性ブッシュを、軸心方向に分離するおそれのない良好なものとしながら提供することができる。
請求項1の発明によれば、傾斜内周面と傾斜外周面とによる圧縮力は、弾性材ではなく外周側に装備されている硬質材製の中間輪で受止めるから、予圧縮に伴う外側部材と弾性部とが嵌合する部分における弾性部側の変形や損傷が生じないようになり、所期する機能が安定して発揮される弾性ブッシュを提供できる利点がある。
請求項2の発明によれば、外側部材が鋼板製であって、弾性部における外嵌部分の端面を径大に越えて廻り込む部分フランジ部は、鋼板の板厚に対応するストップ面を備えてあるので、端面とストップ面との当接により外側部材と弾性部との抜け止め機能を発揮させることが可能である。従って、フランジ部を、鋼板の端面に当接する程度の小さなもので良いという合理化が行える利点がある。
請求項3の発明によれば、外嵌部分は、外側部材の軸心方向の端部を縮径加工することにより形成されるから、傾斜内周面を製作するための前記縮径加工を行うだけで、他に特別な加工や構造物などを必要とせず、所期する形状の外側部材を構成でき、従って、生産性に優れる利点がある。
請求項4の発明によれば、傾斜内周面と傾斜外周面とで圧縮される被圧縮部が軸心方向での両端側部分のそれぞれに装備される構成であるから、径方向の圧縮だけでなく、軸心方向の圧縮に関しても無理なく強度バランスの取れた状態とすることができ、安定して性能が発揮できる利点がある。
請求項5の発明によれば、それぞれの被圧縮部を縮径する方向だけでなく、互いに接近する方向にも圧縮される構成であるから、双方の被圧縮部それぞれの軸心方向の反力どうしが打ち消されるようになる。その結果、軸心方向の荷重を受ける構造を別途設ける必要がなく、合理的でバランスの取れた構造の弾性ブッシュを提供することができる。
鉄道車両用弾性ブッシュを示す一部切り欠きの正面図(実施形態1) 図1の弾性部を示す要部の拡大断面図 弾性ブッシュの作り方の要点を示し、(a)は外側部材を横スライドさせて弾性材に嵌合させる作用図、(b)は外側部材の両端を縮径させて加締める作用図 鉄道車両軸はり装置を示す一部切欠き側面図 図4における弾性ブッシュ部分を拡大した縦断側面図 図4における弾性ブッシュ部分を拡大した横断平面図 弾性ブッシュの別使用例を示す要部の側面図(別実施例)
以下に、本発明による弾性ブッシュの実施の形態を、鉄道車両の軸はり装置などに適用した鉄道車両用弾性ブッシュとして図面を参照しながら説明する。本発明による弾性ブッシュは、トラック、バス、作業機などの走行車両用弾性ブッシュとして用いても良い。
〔実施形態1〕
図4に鉄道車両の軸はり装置の概略が示されており、1は車軸、2は軸箱部、3は軸はり、4はハウジング部、5は車軸1に取付けられる車輪、6は弾性ブッシュ(防振ブッシュとも呼ばれる)、8は台車フレームである。
軸はり3は、車軸1を支持する軸箱部2から車両進行方向(矢印Y方向)に向けて延設され、その軸はり3の一端部に形成される筒状のハウジング部4に弾性ブッシュ6が嵌装されている。8Aは、弾性ブッシュ6の中心軸7を支持する二股状の支持ブラケットであり、台車フレーム8から下向きに突出形成されている。
図4〜図6に示すように、ハウジング部4の嵌合孔4H内に弾性ブッシュ6の外側部材11が嵌合固定され、図示は省略するが、弾性ブッシュ6における中心軸7の両端部が、ボルト止め手段などによって支持ブラケット8Aに回転不能に支持されている。
このような構造により、軸はり3が中心軸7の軸心P回りに揺動移動可能であるとともに、軸はり3と台車フレーム8との連結部位の振動及び衝撃を吸収できうるように構成されている。
ハウジング部4は、図5に示すように、車両進行方向Yに前後2分割された半割形式の構造体である。進行方向前側の先端側半割体4Aは、軸はり3に一体形成されている基端側半割体4Bにボルト9を用いて取付けられている。このように、ボルト9を用いての半割り構造のハウジング部4とすれば、外側部材11が単なる円筒状のものばかりでなく、例えば、球面状の外周面を持つものなど、外径が一定でない形状の外側部材を無理なく良好にハウジング4に挿入して固定させることができる。
弾性ブッシュ6は、図1〜図5に示すように、車両進行方向Yに対して交差する方向の軸心Pを有する中心軸7と、中心軸7の径外側に周設される略円筒状の外側部材11と、中心軸7と外側部材11との間に介装される弾性部10とを有して構成されている。
中心軸7は、ボルト挿通用などのための取付孔7hを備えて断面が小判型形状を呈する左右両端それぞれの取付部7B,7Bと、左右の小径面15と中央の大径面16と各小径面と大径面との間の傾斜外周面13とを有して、左右中心部ほど径が大となる形状の中央部7Aとを有する左右対称形状の軸に構成されている。
外側部材11は、金属板のプレス又は機械構造用鋼管などによる鋼板製で左右両端が絞られた左右窄まり円筒状のものである。詳しくは、左右中央に位置する大径で径一定の直胴筒部11Aと、直胴筒部11Aから軸心P方向で離れるに従って小径となる状態で左右それぞれに形成される先窄まり状の傾斜筒部である外嵌部分11Bと、を有する筒状体として外側部材11が構成されている。
この外側部材11の幅寸法は、図1に示されるように、中心軸7における中央の大径面16と左右の傾斜外周面13,13との合計の幅寸法にほぼ等しく設定されている。
弾性部10は、弾性材と左右一対の中間輪17とを径内外に積層一体化することにより、断面が略H形を呈する形状(プーリーやヨーヨーのような形状)の複合構造体に構成されている。
ゴム製の弾性材10は、環状で左右一対の傾斜外嵌部10A,10Aと、左右中央の環状膜部10bとを有して構成され、外側部材11の幅寸法に略等しい幅を持っている。傾斜外嵌部10Aにおける幅方向の内側面と、環状膜部10bの外側面とにより、左右中央の空隙部10Bが形成されている。なお、弾性材は、一対の傾斜外嵌部10Aと環状膜部10bとで形成されるので、弾性材10A,10bと表示しても良い。
金属(硬質材の一例)製の中間輪17は、各傾斜外嵌部10Aの外周側に一体的に外嵌されている。各中間輪17と各傾斜外嵌部10Aとは焼付け又は加硫接着により一体化されることが多い。
環状膜部10bは、中心軸7の防錆上や型成形都合の点から大径面16を覆って一対の傾斜外嵌部10A,10Aを繋ぐ薄肉状のゴム膜として装備されているが、弾性機能上からは省略しても差し支えはない。
従って、弾性材10A,10bは、縮径加工される対応部分11t(後述)を受止める硬質材製の中間輪17が傾斜外嵌部10Aの外周側に装備され、かつ、直胴筒部11Aの径内側に位置する箇所を軸心Pに関する周溝状に欠如された形状とされている。
中間輪17は、図1,図2に示すように、大外周面17a、テーパ外周面17b、フランジ部17c、テーパ内周面17d、及び小内周面17eなどを有し、全体として軸心Pに対して傾く断面形状を呈するように構成されている。
大外周面17aは、直胴筒部11Aの直胴内周面11aに内嵌する径一定の面である。テーパ外周面17bは、外嵌部分11Bの傾斜内周面12に内嵌する斜めの面である。フランジ部17cは、外嵌部分11Bの軸心P方向の端部を受止める鉤状周部である。テーパ内周面17dは、テーパ外周面17bと互いに同等な傾斜角を持って傾斜外嵌部10Aに外嵌する面である。小内周面17eは、テーパ内周面17dの小径側端に続いて径一定な状態で傾斜外嵌部10Aに外嵌する面である。
また、図1,図2に示すように、部品として完成している状態での弾性ブッシュ6は、テーパ内周面17dと傾斜外周面13との間に位置する各傾斜外嵌部10Aは、軸心P方向及び軸心Pに関する径方向の双方に圧縮された状態、即ち、予圧縮された被圧縮部14として構成されている。
ここで言う予圧縮とは、詳しくは後述するが、弾性ブッシュ6の組立時(組付時)に、中間輪17に外嵌部分11Bを形成する工程においてなされるものであり、各傾斜外嵌部10Aが傾斜内周面12と傾斜外周面13との間にて圧縮されることで被圧縮部14が形成される。
傾斜内周面12と傾斜外周面13とテーパ外周面17bとは、軸心P方向において互いに同じで、かつ、均一角度で傾斜する構成とされている。
次に、弾性ブッシュ6の製造方法(作り方)について説明する。実施形態1による弾性ブッシュ6は、センター線Cを有して左右対称形状のものであり、外側部材11の組み付けに明確な特徴を有している。
即ち、弾性部10と外側部材11とを軸心方向に相対移動させて、加硫接着などによって中心軸7に一体に外装されている状態の弾性部10に外側部材11を外嵌する外嵌工程〔図3(a)参照〕の後に、外側部材11における傾斜外嵌部10Aに外装されている対応部分(外側部材11の軸心P方向の「端部」に相当)11tを縮径加工することにより、縮径される対応部分11tと傾斜外周面13との間で傾斜外嵌部10Aを圧縮させる圧縮工程〔図3(b)参照〕を行うことにより、弾性ブッシュ6が作製される。
なお、外嵌工程を円滑に行い易くするために、外側部材11の径を若干大き目にしておき、外嵌工程の後に外側部材11が丁度大外周面17aに密外嵌されるように外側部材11の全体を縮径させる全体縮径工程を、圧縮工程の前に行うようにしても良い。
詳しくは、まず、図3(a)に示すように、各傾斜外嵌部10Aが各傾斜外周面13に、かつ、環状膜部10bが大径面16に外嵌するとともに、各傾斜外嵌部10Aに中間輪17を外嵌させた状態での焼付け又は加硫接着などの手段により、予め中間輪17と弾性材10A,10bと中心軸7とが一体化されているものを用意する。
まだ予圧縮されていない弾性部10の外径、即ち中間輪17の大外周面17aの径と外側部材11の内径とは、外嵌工程をスムーズに行う点から同等な値が良いが、そうでなくてもよい。
この場合、左右の各傾斜外嵌部10Aはまだ圧縮されていないので、弾性部10としての全幅Dは左右の中間輪17の部位であり、その中間輪17,17での全幅Dは、絞り加工前の径一定状態の外側部材11の全幅dよりも明確に長い(D>d)。
さて、外嵌工程が済むと、図3(b)に示す圧縮工程を行う。この圧縮工程では、回転プレスなどの加工手段により、軸心P方向の端に行くほど小径となるように外側部材11の左右両端部に相当する対応部分11tを縮径加工(加締加工)する。この縮径加工によって左右それぞれに外嵌部分11B及び傾斜外嵌部10Aが形成される工程においては、テーパ外周面17bに外側部材11の端部である対応部分11tが縮径加工により強制外嵌されることにより、中間輪17を介して各傾斜外嵌部10Aが軸心P方向で互いに近づく方向に強制移動される。
その際、傾斜内周面12と傾斜外周面13とで挟まれている傾斜外嵌部10Aは、弾性材10としての左右中心に向かう方向及び軸心P方向、即ち、各外嵌部10A,10Aが互いに接近する方向及び軸心Pに関して縮径する方向の双方に圧縮され、それによって予圧縮された被圧縮部14が形成される。従って、弾性ブッシュ6としては、被圧縮部14を有する弾性部10及び傾斜外周面13は、左右それぞれの傾斜内周面12毎に設けられている。
図1,図2に示すように、フランジ部17cには、鋼板の端面により形成される外嵌部分11Bの端面19に当接して受止め可能なストップ面25と、そのストップ面25の径大側に続いて径一定で幅狭な端外周面26とを有している。つまり、弾性部10は、外嵌部分11Bの軸心P方向端を径大となる側に廻り込むフランジ部17cを有している。
従って、圧縮工程がなされると、傾斜内周面12とテーパ外周面17bとが嵌合され、かつ、端面19とストップ面25とが当接(嵌合)される構造となるから、組付けられた完成部品としての弾性ブッシュ6においては、弾性部10と外側部材11とは軸心Pのいずれの方向にも互いにずれ移動しない構成とされている。
なお、外嵌部分11Bの端部外周側の角部に面取り加工が施されて、端面19の厚さ寸法が外側部材11の板厚より小さくなっているが、その面取り加工は省略可能である。
圧縮工程においては、対応部分11tの内径が軸心P方向での端に行くほど小となる傾斜内周面12が形成されるように縮径加工されて外嵌部分11Bとなり、傾斜外嵌部10Aは軸心Pに関して縮径する方向及び軸心P方向の双方に圧縮されるのである。
本実施形態では、対応部分11tの縮径加工に伴う強い圧縮力を受けるための金属製中間輪17を弾性部10に設けたものを用いているが、例えば、殆ど縮径方向又は軸心P方向のみの加工応力を受けるような場合には、ゴムなどの弾性材料のみでなる弾性部10とすることも可能である。また、弾性部10は、空隙部10Bの左右幅がもっと小さいものや、径方向の凹み量がもっと少ないものでもよく、或いは、空隙部10Bの無いものでも良い。
図6に示すように、ハウジング部4の嵌合孔4Hを、左右方向(軸心P方向)幅の中央部の内径を大きくしてその両端に行くほど径が漸減する斜め内周面18を形成し、外側部材11の形状に合せた断面凹面状としても良い。このような形状とすれば、ボルト9により組付けた状態では、左右の斜め内周面18が弾性ブッシュ6の軸心P方向への抜け止め壁として機能する点で好ましい。
〔別実施例〕
弾性ブッシュ6の他の使用例としては、図7に示すように、牽引リンク20の端部に装備されるものでも良い。
牽引リンク20は、鉄道車両である車体フレーム21に支持される牽引枠22と、台車枠23の一対の主支持枠24,24のうちの一方と、に亘って架設連結される単一のトルク受け部材として構成されている。
牽引枠22は、車体フレーム21にボルト止めされるフランジ22Aを有して垂設される状態で、牽引リンク20を跨ぐ二股下端部22a,22aを備える金属製の部材に形成されている。牽引リンク20のそれぞれの中心軸7,7の一方は二股下端部22aにボルト止めされ、もう一方は主支持枠24から突設される二股状ステー24aにボルト止めされている。
牽引リンク20は、鋼管材で形成される牽引部材20Aと、牽引部材20Aの両端それぞれに溶着一体化される金属製の筒ボス20B,20Bとから構成されており、各筒ボス20B,20Bのそれぞれに外側部材11が内嵌される状態で弾性ブッシュ6が装備されている。この場合、各筒ボス20Bは、図5に示すハウジング部4のような半割りボルト止め構造を採っても良いし、直胴筒部11Aのみを圧入させる径一定内周面を有する構造を採っても良いが、簡単のため詳細な図は省略する。また、この径一定内周面を、実施形態1の弾性ブッシュ6(図6など参照)を内嵌するハウジング部4に適用しても良い。
以上説明したように、本発明による弾性ブッシュ6によれば、外側部材11は、これの軸心Pに沿う幅方向での端に向かうに従って径が小さくなる傾斜内周面12を備える外嵌部分11Bを有し、中心軸7における弾性部10に内嵌する部分は、軸心Pに対して傾斜内周面12と互いに同じ方向に傾く傾斜外周面13を有し、弾性部10は、傾斜内周面13と傾斜外周面12との間にて圧縮される弾性材製被圧縮部分14を有するとともに、外嵌部分11Bの軸心P方向端を径大となる側に廻り込むフランジ部17cを有している。
そのため、傾斜内周面12や傾斜外周面13の傾斜角度やその圧縮量などの条件を適宜に設定することが可能であり、それによって被圧縮部14における中心軸7の軸心P方向の剛性(又はバネ定数)と径方向の剛性(又はバネ定数)との剛性比率を任意に調節設定することが可能になる。
そして、弾性部10、具体的には中間輪17と傾斜内周面12とが嵌合されるとともに、外嵌部分11Bの軸心P方向端である端面19を径大となる側に廻り込むフランジ部17cが存在していることにより、組付けられて完成部品となった弾性ブッシュ6においては、外側部材11と弾性部10とは軸心P方向でのいずれの方向、即ち左右いずれにも互いに動かないように相対固定されている。
この構成により、弾性ブッシュ6が、鉄道車両における軸はり装置やバスなどの自動車における走行装置に組み込まれた実使用状態において、軸心P方向の強い力が作用しても、走行車両側に圧入などにより一体化される外側部材11と、軸はりなどの台車側に取り付けられる中心軸7及びこれに一体化されている弾性部10とが、軸心P方向に相対的にずれ動くことが防止されるようになる。故に、外側部材11と弾性部10とが分離するおそれがないようにすることができる。
従って、中心軸7の軸心P方向の剛性と径方向の剛性との比率である剛性比率を任意又は極力任意に設定できるようにして、要求される剛性比率を備えることが可能な鉄道車両用弾性ブッシュ6を、弾性部10と外側部材11とが軸心P方向に分離するおそれのない良好なものとしながら提供することができる。
被圧縮部14を挟む箇所である中間輪17及び傾斜外周面13は、それぞれの軸心Pに対する傾き角(テーパ角)を互いに等しくしてあるので、各傾斜外嵌部10Aに均一な予圧縮を与えることが可能である。また、その予圧縮が、対応部分11tの縮径に伴う中間輪17の軸心P方向移動のみにより為されるから、その点でも被圧縮部14の圧縮応力の均一化、ひいては弾性ブッシュ6としての性能安定化に寄与できる利点もある。
また、外側部材11と嵌合孔4Hもテーパ形状どうしで嵌合しており、ハウジング部4にずれ動き無く弾性ブッシュ6を安定支持させることができる。
7 中心軸
10 弾性部
11 外側部材
11B 外嵌部分
12 傾斜内周面
13 傾斜外周面
14 被圧縮部分
17 中間輪
17c フランジ部
19 端面
25 ストップ面
P 軸心

Claims (5)

  1. 車両進行方向に対して交差する方向の軸心を有する中心軸と、前記中心軸の径外側に周設される外側部材と、前記中心軸と前記外側部材との間に介装される弾性部とを有してなる弾性ブッシュであって、
    前記外側部材は、これの前記軸心に沿う幅方向での端に向かうに従って径が小さくなる傾斜内周面を備える外嵌部分を有し、
    前記中心軸における前記弾性部に内嵌する部分は、前記軸心に対して前記傾斜内周面と互いに同じ方向に傾く傾斜外周面を有し、
    前記弾性部は、前記傾斜内周面と前記傾斜外周面との間にて圧縮される弾性材製被圧縮部分を有するとともに、前記外嵌部分の前記軸心方向端を径大となる側に廻り込むフランジ部を有し
    前記弾性部は、前記傾斜外周面に外嵌される前記被圧縮部分に外嵌され、かつ、前記傾斜内周面に内嵌される硬質材製の中間輪を有しており、前記中間輪に前記フランジ部が形成されている弾性ブッシュ。
  2. 前記外側部材が鋼板製であり、前記フランジ部は前記外嵌部分の端を形成する前記鋼板端面に当接して受止め可能なストップ面を有している請求項1に記載の弾性ブッシュ。
  3. 前記外嵌部分は、前記外側部材の前記軸心方向の端部を縮径加工することにより形成されている請求項2に記載の弾性ブッシュ。
  4. 前記傾斜内周面は、前記外側部材における前記軸心方向での両端側部分のそれぞれに形成されるとともに、前記被圧縮部分及び前記フランジ部を有する前記弾性部と前記傾斜外周面とは、それぞれの前記傾斜内周面毎に構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の弾性ブッシュ。
  5. それぞれの前記被圧縮部分は、互いに接近する方向及び前記軸心に関して縮径する方向の双方に圧縮された状態で装備されている請求項4に記載の弾性ブッシュ。
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