JP2015038292A - 木質系床材およびその製造方法 - Google Patents

木質系床材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、潜熱蓄熱材を木質系床材内部に裏面材により安定して収納することができる木質系床材を提供する。【解決手段】潜熱蓄熱材17と、潜熱蓄熱材17を裏面11bに収納するための収納凹部13が形成された木質系基材11と、潜熱蓄熱材17を収納凹部13に収納した状態で収納凹部13の開口部13bを覆うように配置された裏面材20と、を少なくとも備えた木質系床材10である。裏面材20は、金属シート材20aと、金属シート材20aに積層された高分子樹脂材20bと、を少なくとも備えている。裏面材20は、高分子樹脂材20bを介して接着剤20cにより木質系基材11の裏面11bに貼着されている。【選択図】図3

Description

本発明は、潜熱蓄熱材を利用した木質系床材およびその製造方法に関する。
従来から、床暖房用の木質系床材は、木質系基材の裏面に、収納凹部が形成されており、収納凹部には、たとえば温水パイプや電気式ヒータなどの熱源が収納されている。そして、この木質系床材を床下地面に敷設し、実部を介してこれらを連結させている。
近年、耐環境性の観点から、このような床材の技術分野においても、室内暖房時に発生する熱エネルギや、日射光などの自然エネルギをより有効に活用するような研究・開発が盛んに取り組まれており、これらの研究・開発に基づいた省エネおよびエコ対策が講じられている。
このような点を鑑みて、蓄熱材を用いた木質系床材の開発がなされている。ここで、蓄熱材として、融点(相変化温度)以上の温度で蓄熱することができる潜熱蓄熱材が注目されており、この潜熱蓄熱材を利用した様々な木質系床材が提案されている。
このような技術として、床材本体である木質系基材の裏面に収納凹部を形成し、該凹部に、潜熱蓄熱材を充填した包袋状容器を配置した状態で、木質系基材の裏面に、クラフト紙ガラスクロスラミネート板等からなる蓋材(裏面材)を接着固定した木質系床材が提案されている(たとえば特許文献1参照)。この技術によれば包袋状容器に充填された潜熱蓄熱材が溶融し、木質系床材に入熱された熱を蓄熱することができる。
特開2012−77492号公報
しかしながら、潜熱蓄熱材を包袋状容器に充填した場合には、包袋状容器を構成する材料は蓄熱性を有せず、包袋状容器と木質系基材または裏面材との間に僅かな隙間が形成されるため、その隙間となる空間に断熱性が付与される。このため、容器内部の潜熱蓄熱材に熱が伝わり難くなり、木質系床材としての蓄熱性が損なわれることがある。
そこで、潜熱蓄熱材を包袋状容器に充填せずに、木質系基材の裏面の収納凹部に配置した場合、融点以上に加熱された潜熱蓄熱材は液化するため、裏面材(蓋材)と木質系基材との界面から潜熱蓄熱材が漏れ出すおそれがあった。
特に、木質系床材の裏面に熱源を配置した場合、熱伝導性を高めるべく裏面材に金属材料を用いることが望ましいが、裏面材の金属材料と木質系基材の木質材料とは異種材料であるため、木質系床材と裏面材との接着性が十分なものとは言えず、裏面材が剥がれるおそれがあった。
本発明はこのような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、潜熱蓄熱材を木質系床材内部に裏面材により安定して収納することができる木質系床材を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る木質系床材は、潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材と、前記潜熱蓄熱材を前記収納凹部に収納した状態で前記収納凹部の開口部を覆うように配置された裏面材と、を少なくとも備えた木質系床材であって、前記裏面材は、金属シート材と、該金属シート材に積層された高分子樹脂材と、を少なくとも備えており、前記裏面材は、前記高分子樹脂材を介して接着剤により前記木質系基材の裏面に貼着されていることを特徴とする。
本発明によれば、裏面材に金属シート材を備えているので、木質系床材の裏面側に熱源を配した場合、熱源の熱を直接的に潜熱蓄熱材に好適に伝達することができる。また、金属シート材に高分子樹脂材が積層された裏面材であるので、高分子樹脂材が金属シート材の補強材として作用するため、金属シート材のみからなる裏面材に比べて、その強度を高めることができる。
さらに、金属シート材と木質系基材とを直接的に接着剤を介して貼着した場合に比べて、金属シート材の表面に積層された高分子樹脂材が、金属シート材と木質系基材との中間層として作用し、高分子樹脂材と木質系基材とが接着剤を介して貼着されている(有機材料からなる部材同士が接着されることになる)ので、裏面材と木質系基材との接着強度を向上させることができる。このような結果、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、潜熱蓄熱材を木質系床材内部に裏面材により安定して収納することができる。
木質系基材と裏面材とを接着する接着剤に、たとえば揮発性の有機溶剤により溶解した接着剤を用い、これを木質系基材または裏面材のいずれか一方に塗布し、両者を貼着時に乾燥させてもよいが、より好ましい態様としては、前記接着剤は、加熱することにより前記木質系基材の裏面に融着されている。
この態様によれば、接着剤を加熱することで、木質系基材の裏面に接着剤が融着されているので、溶液系(塗布型)の接着剤のごとく塗りムラによる接着不良、接着強度のバラつきを回避し、より安定かつ均一な接着状態を確保することができる。
さらに、木質系基材の界面近傍には、他の接着剤を用いた場合に比べて、より接着剤(樹脂)の含浸率の高い接着剤と木質繊維との複合層が形成されるため、木質系基材の界面からの潜熱蓄熱材の滲み出しを抑えることができる。特に、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いた場合には、相変化温度でその一部が液化して木質系基材の界面近傍に溜り易いところ、この態様では上述した複合層により、この溜まった潜熱蓄熱材が木質系基材の界面から滲み出すことを抑えることができるので有効である。
また、本発明として上述した木質系床材を製造する製造方法も開示する。本発明に係る木質系床材の製造方法は、潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材と、前記潜熱蓄熱材を前記収納凹部に収納した状態で前記収納凹部の開口部を覆うように配置された裏面材と、を少なくとも備えた木質系床材の製造方法であって、前記裏面材に、金属シート材の表面に高分子樹脂材が積層された複合材料を用い、前記収納凹部に前記潜熱蓄熱材を収納した状態で、前記裏面材の高分子樹脂材を前記木質系基材の裏面に向けて前記裏面材で前記収納凹部の開口部を覆うとともに、前記高分子樹脂材を介して接着剤により前記木質系基材の裏面に前記裏面材を貼着することを特徴とする。
本発明によれば、金属シート材と木質系基材とを直接的に接着剤を介して貼着されている場合に比べて、金属シート材の表面に積層された高分子樹脂材が、金属シート材と木質系基材との中間層として作用し、高分子樹脂材と木質系基材とが接着剤を介して貼着される。これにより、有機材料からなる部材同士の接着となるので、裏面材と木質系基材との接着強度を向上させることができる。
特に、裏面材の金属シート材の表面に積層された高分子樹脂材が補強材として作用するので、裏面材の薄肉化を図るとともに、その強度を確保することができる。これにより、裏面材を有した木質系床材と、裏面材を有していない木質系床材を並べて床下地面に敷設したとしても、裏面材の厚さが起因となった床材同士の段差を抑えることができる。
ここで、木質系基材と裏面材とを接着する接着剤は、たとえば揮発性の有機溶剤により溶解した接着剤を用いてもよいが、より好ましい態様としては、前記接着剤に、加熱することにより溶融する接着剤を用い、前記裏面材を前記木質系基材の裏面に貼着する際に、前記接着剤を加熱することにより、前記接着剤を溶融させながら前記裏面材を前記木質系基材の裏面に融着する。
本発明によれば、接着剤を加熱することで木質系基材の裏面に融着させるので、溶液系の接着剤のごとく塗りムラによる接着不良を回避し、より安定かつ均一な接着状態を確保することができる。
さらに、他の接着剤を用いた場合に比べて、より高密度で接着剤(樹脂)を木質繊維に含浸させることができるので、他の接着剤に比べて含浸率の高い接着剤と木質繊維との複合層を、木質系基材の界面近傍に形成することができる。このような結果、木質系基材の界面からの潜熱蓄熱材の滲み出しをより確実に抑えることができる。特に、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いた場合には、相変化温度でその一部が液化して木質系基材の界面近傍に溜り易いところ、この態様では上述した複合層により、この溜まった潜熱蓄熱材が木質系基材の界面から滲み出すことを抑えることができるので有効である。
さらに、裏面材は、少なくとも金属シート材と高分子樹脂材とが積層された構造であれば、木質系基材と裏面材との接着時に接着剤は、木質系基材および裏面材のいずれか一方に配置されていればよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記裏面材として、前記金属シート材からなる金属層と、前記金属層に積層された前記高分子樹脂材からなる樹脂層と、該樹脂層の表面に積層された前記接着剤からなる接着層と、を少なくとも含む裏面材を用いる。
この態様によれば、金属層、樹脂層、および接着層の3層構造からなる裏面材を用いることにより、より簡単に裏面材を木質系基材に接着することができる。さらに、予め金属層、樹脂層、および接着層の3層構造となる裏面材を製造するので、金属シート材と高分子樹脂材の密着強度の信頼性ばかりでなく、高分子樹脂材と接着剤の密着強度の信頼性をも高めることができる。
本発明によれば、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、潜熱蓄熱材を木質系床材内部に裏面材により安定して収納することができる。
本発明の実施形態に係る木質系床材の模式的斜視図であり、(a)は、床面(表面)側の木質系床材の斜視図、(b)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図。 図1に示す木質系床材のA−A線矢視断面図。 (a)は、図1に示す木質系床材の製造方法を説明するための模式的断面図であり、(b)は、(a)に示すB部において裏面材で収納凹部を封止する前の拡大断面図であり、(c)は、(a)に示すB部において裏面材で収納凹部を封止した後の拡大断面図。 図2に示す木質系床材を熱源を介して床下地面に配置した状態を示した模式的断面図。
以下、図面を参照して、本実施形態に基づき本発明を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る木質系床材の模式的斜視図であり、(a)は、床面(表面)側の木質系床材の斜視図、(b)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図である。図2は、図1に示す木質系床材の部分拡大断面図である。
図3は、(a)は、図1に示す木質系床材の製造方法を説明するための模式図であり、(b)は、(a)に示すB部において裏面材で収納凹部を封止する前の模式図であり、(c)は、(a)に示すB部において裏面材で収納凹部を封止する後の模式図である。図4は、図2に示す木質系床材を熱源を介して床下地面に配置した状態を示した模式的断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る木質系床材10は、木質系基材11と、潜熱蓄熱材17とを少なくとも備えている。
図1(a)に示すように、木質系基材11は、少なくとも床材の剛性および強度を確保するための基材であり、材料としては、広葉樹や針葉樹からなる通常の合板、LVL、LVB、集成材、さらには、これらを任意に積層した積層板、などを挙げることができる。本実施形態では、その一例として、木質系基材11は、7枚の単板が積層された合板からなる。木質系基材11の表面11aには、ナラ材、カバ材、ブナ材、チーク材、等の表面化粧材および化粧用表面合成樹脂シートが貼着されている。
木質系基材11の周縁には、雄実部12aと雌実部12bとが形成されている。図3に示すように、隣接する木質系基材同士11,11の雄実部と雌実部を係合させることにより、木質系床材を実接合することができる。
図1(b)に示すように、木質系基材11の裏面11bには、潜熱蓄熱材17を収納するための収納凹部13が形成されている。収納凹部13は、木質系基材11の表面11aから収納凹部13の底面13aまでの厚みを3mm以上残すように、木質系基材11の裏面11bから掘り込み加工されている。たとえば、木質系基材11の厚みが12mmである場合には、裏面11bからの掘り込み深さを9mm以下にする。これにより、歩行感に違和感のない、衝撃で穴が開かない木質系フロアとすることができる。
木質系基材11の裏面11bには、潜熱蓄熱材17が収納されており、この収納状態で、収納凹部13を封止するように(収納凹部13の開口部13bを覆うように)裏面材20が配置されている。
木質系基材11の収納凹部13に収納される潜熱蓄熱材17は、室内の暖房(後述する熱源による熱)で相変化する潜熱蓄熱材であり、好ましくは相変化温度(融点)が18℃〜30℃の範囲にある潜熱蓄熱材である。具体的には、硫酸ナトリウム水和物、塩化カルシウム水和物、パラフィン(C1838)、ポリエチレングリコール(分子量500〜1000)などを挙げることができ、この融点以上において蓄熱することができるものであれば、その材料は特に限定されるものではない。
特に、本実施形態では、潜熱蓄熱材17を直接的に収納凹部13に収納することから相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いることが好ましい。相変化温度以上で固形状からゲル状となるので、相変化温度以上になったとしても潜熱蓄熱材17を収納凹部13内に容易に保持することができる。このような潜熱蓄熱材としてはたとえば、硫酸ナトリウム10水和塩、または、JSR(株)製のカルグリップ、三木理研工業(株)製の高粘度カプセル、三菱電線工業(株)製の潜熱蓄熱材MHSRシリーズなどを挙げることができる。
本実施形態では、後述する図3(c)に示すように、裏面材20は、金属シート材20aと、金属シート材20aに積層された高分子樹脂材20bからなり、裏面材20は、高分子樹脂材20bを介して接着剤20cにより木質系基材11の裏面11bに貼着されている。
このような金属シート材20aを構成する金属材料としては、たとえばアルミニウム箔(厚さ9μm)、銅箔などを挙げることができ、熱伝導性に優れ、かつシートの状態で可撓性を有する材料であれば特に限定されるものではない。
このような高分子樹脂材20bを構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン樹脂、フッ素系樹脂などを挙げることができ、裏面材20の補強材として作用するとともに、金属シート材20aとの密着性強度を確保することができるのであれば特に限定されるものではない。また、金属シート材20aに高分子樹脂材20bがラミネート加工されているものが好ましい。たとえば、アルミニウム箔9μm厚に、PET樹脂38μm厚がラミネート加工されているものが好ましい。
また、接着剤20cを構成する材料としては、酢酸ビニル共重合系ホットメルト接着剤、変性オレフィン系ホットメルト接着剤、湿気硬化型ポリウレタン系ホットメルト接着剤など加熱することにより溶融する固形接着剤(ホットメルト接着剤)を挙げることができる。
この場合、接着剤の融点は、高分子樹脂材20bの融点よりも低く、潜熱蓄熱材の融点よりも高いことが望ましい。たとえば、潜熱蓄熱材にゲル状の潜熱蓄熱材を用いた場合には、接着剤の融点は、潜熱蓄熱材がゲル化して、さらに液化する温度よりも高いことが好ましい。これにより、ホットプレスにより接着剤を木質系基材に接着する際に、収納凹部13の内部空間の形状に合わせて潜熱蓄熱材を加熱加圧により成形しながら、収納凹部13に充填することができる。
裏面材20を木質系基材11に貼着する際には、図3(a)に示すように、潜熱蓄熱材17を収納凹部13に収納した状態で収納凹部13の開口部13bを覆うように、裏面材20を配置する。
ここで、裏面材20に、金属シート材の表面に高分子樹脂材が積層された複合材料を用いる。より具体的には、本実施形態では、裏面材20として、金属シート材20aからなる金属層20Aと、金属層20Aに積層された高分子樹脂材からなる樹脂層20Bと、樹脂層20Bの表面に積層された接着剤からなる接着層20Cとで構成された裏面材を用いる。
このようにして、収納凹部13に潜熱蓄熱材17を収納した状態で、裏面材20の高分子樹脂材からなる樹脂層20Bを木質系基材11の裏面11bに向けて裏面材20で収納凹部13の開口部13bを覆うとともに、高分子樹脂材を介して接着剤により木質系基材11の裏面11bに裏面材20を貼着する。この際に、裏面材20は、プレス機70で加圧・加熱され、木質系基材11の裏面11bに貼着される。
接着剤には、加熱することにより溶融する固形接着剤を用いたので、裏面材20を木質系基材11の裏面11bに貼着する際に、接着剤がプレス機により加熱・加圧されるので、接着剤を溶融させながら裏面材20を木質系基材11の裏面11bに融着される。
ここで、金属シート材20aと木質系基材11とを直接的に接着剤を介して貼着されている場合に比べて、金属シート材20aの表面に積層された高分子樹脂材20bが、金属シート材20aと木質系基材11との中間層として作用し、高分子樹脂材20bと木質系基材11とが接着剤20cを介して貼着される。これにより、有機材料からなる部材同士の接着となるので、裏面材20と木質系基材11との接着強度を向上させることができる。
固形接着剤を加熱することで木質系基材11の裏面11bに融着させるので、塗布型の接着剤のごとく塗りムラによる接着不良を回避し、接着剤そのものを木質系基材11に含浸させ、より安定かつ均一な接着状態を確保することができる。
また固形接着剤は、木質系基材11の裏面11bの表層において、他の接着剤を用いた場合に比べて、より高い含浸率で木質繊維に含浸させることができるので(図3(b)の矢印参照)、他の接着剤に比べて含浸率の高い接着剤と木質繊維との複合層を、木質系基材の界面近傍に形成することができる。このような結果、木質系基材11の裏面11bからの潜熱蓄熱材17の滲み出しをより確実に抑えることができる。
特に、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材17を用いた場合には、相変化温度でその一部が液化して木質系基材11の界面近傍に溜り易いところ、この態様では上述した複合層により、この溜まった潜熱蓄熱材17の一部が木質系基材11の界面から滲み出すことを抑えることができるので有効である。
さらに本実施形態では、金属層20A、樹脂層20B、および接着層20Cの3層構造からなる裏面材20を用いることにより、より簡単に裏面材20を木質系基材11に接着することができる。さらに、予め金属層20A、樹脂層20B、および接着層20Cの3層構造となる裏面材20を製造するので、金属シート材20aと高分子樹脂材20bの密着強度の信頼性ばかりでなく、高分子樹脂材20bと接着剤20cの密着強度の信頼性をも高めることができる。たとえば、アルミニウム箔層9μm、PET樹脂層38μm、およびEVA系ホットメルト層70μmがラミネート加工されているものが好ましい。
このようにして、得られた木質系床材10を、図4に示すように、温水マット30を介して、床下地面に敷設する。温水マット30は、熱源として温水が通水される温水チューブ32と、温水チューブ32から床下地面への熱を断熱する断熱材31を備えている。
温水チューブ32は、断熱材31に形成された溝部に収納されており、木質系床材の金属シート材20aに接触している。このようにして、本実施形態に係る木質系床材10によれば、裏面材20が金属シート材20aを有しているので、温水チューブ32の熱を直接的に潜熱蓄熱材17に好適に伝達することができる。
また、金属シート材20aに高分子樹脂材20bが積層された裏面材20であるので、高分子樹脂材20bが金属シート材20aの補強材として作用するため、金属シート材のみからなる裏面材よりも破れにくく、収納凹部13から潜熱蓄熱材17が漏れ出すことを回避することができる。
特に、裏面材20の金属シート材20aの表面に積層された高分子樹脂材20bが補強材として作用するので、裏面材20の薄肉化を図るとともに、その強度を確保することができる。これにより、裏面材20を有した木質系床材10と、裏面材20を有していない木質系床材10を並べて床下地面に敷設したとしても、裏面材20の厚さが起因となった床材同士の段差を抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
たとえば、本実施形態では、図4に示すように、温水を熱源として潜熱蓄熱材の蓄熱を行ったが、電気ヒータを熱源として潜熱蓄熱材の蓄熱を行ってもよい。
本実施形態では、好ましい接着剤として固形接着剤を用いたが、木質系基材に裏面材を好適に接着することができるのであれば、たとえば、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、ユリア樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、フェノール樹脂接着剤、合成ゴム系接着剤などの溶液系または水分散系の接着剤、さらには、アクリル樹脂系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤など粘着剤の形態であってもよい。
10:木質系床材、11:木質系基材、11a:表面、11b:裏面、12a:雄実部、12b:雌実部、13:収納凹部、13a:底面、13b:開口部、17:潜熱蓄熱材、20:裏面材、20a:金属シート材、20b:高分子樹脂材、20c:接着剤、20A:金属層、20B:樹脂層、20C:接着層、30:温水マット、31:断熱材、32:温水チューブ、70:プレス機

Claims (5)

  1. 潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材と、前記潜熱蓄熱材を前記収納凹部に収納した状態で前記収納凹部の開口部を覆うように配置された裏面材と、を少なくとも備えた木質系床材であって、
    前記裏面材は、金属シート材と、該金属シート材に積層された高分子樹脂材と、を少なくとも備えており、
    前記裏面材は、前記高分子樹脂材を介して接着剤により前記木質系基材の裏面に貼着されていることを特徴とする木質系床材。
  2. 前記接着剤は、加熱することにより前記木質系基材の裏面に融着されていることを特徴とする請求項1に記載の木質系床材。
  3. 潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材と、前記潜熱蓄熱材を前記収納凹部に収納した状態で前記収納凹部の開口部を覆うように配置された裏面材と、を少なくとも備えた木質系床材の製造方法であって、
    前記裏面材に、金属シート材の表面に高分子樹脂材が積層された複合材料を用い、
    前記収納凹部に前記潜熱蓄熱材を収納した状態で、前記裏面材の高分子樹脂材を前記木質系基材の裏面に向けて前記裏面材で前記収納凹部の開口部を覆うとともに、前記高分子樹脂材を介して接着剤により前記木質系基材の裏面に前記裏面材を貼着することを特徴とする木質系床材の製造方法。
  4. 前記接着剤に、加熱することにより溶融する接着剤を用い、
    前記裏面材を前記木質系基材の裏面に貼着する際に、前記接着剤を加熱することにより、前記接着剤を溶融させながら前記裏面材を前記木質系基材の裏面に融着することを特徴とする請求項3に記載の木質系床材の製造方法。
  5. 前記裏面材として、前記金属シート材からなる金属層と、前記金属層に積層された前記高分子樹脂材からなる樹脂層と、該樹脂層の表面に積層された前記接着剤からなる接着層と、を少なくとも含む裏面材を用いることを特徴とする請求項4に記載の木質系床材の製造方法。
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