JP6254789B2 - 木質系床材 - Google Patents

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Description

本発明は、潜熱蓄熱材を利用した木質系床材に関する。
従来から、床暖房用の木質系床材は、木質系基材の裏面に、収納凹部が形成されており、収納凹部には、たとえば温水パイプや電気式ヒータなどの熱源が収納されている。そして、この木質系床材を床下地面に敷設し、実部を介してこれらを連結させている。
近年、耐環境性の観点から、このような床材の技術分野においても、室内暖房時に発生する熱エネルギや、日射光などの自然エネルギをより有効に活用するような研究・開発が盛んに取り組まれており、これらの研究・開発に基づいた省エネおよびエコ対策が講じられている。
このような点を鑑みて、近年では、蓄熱材を用いた木質系床材の開発がなされている。ここで、蓄熱材として、融点(相変化温度)以上の温度で蓄熱することができる潜熱蓄熱材が注目されており、この潜熱蓄熱材を利用した様々な木質系床材が提案されている。
このような技術として、床材本体である木質系基材の裏面に凹部を形成し、該凹部に、潜熱蓄熱材を充填した包袋状容器を配置した木質系床材が提案されている(たとえば特許文献1参照)。この技術によれば包袋状容器に充填された潜熱蓄熱材が溶融し、木質系床材に入熱された熱を蓄熱することができる。
特開2012−77492号公報
しかしながら、潜熱蓄熱材を包袋状容器に充填した場合には、包袋状容器を構成する材料は蓄熱性を有せず、包袋状容器と木質系基材の凹部との間に僅かな隙間が形成された場合には、その隙間となる空間に断熱性が付与される。このため、容器内部の潜熱蓄熱材に熱が伝わり難くなり、木質系床材としての蓄熱性が損なわれることがある。さらに、木質系基材の凹部を形成する木材も蓄熱性を有しないので、包袋状容器近傍のみが蓄熱され、木質系床材が均一な蓄熱を行うことができないことがある。
本発明はこのような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、木質系床材に均一に蓄熱することができる木質系床材を提供することにある。
前記課題を鑑みて、発明者らは鋭意検討を重ねた結果、木質系基材の裏面に形成された凹部に、直接的に潜熱蓄熱材を収納することにより、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高め、さらには、潜熱蓄熱材の一部を凹部の壁部に含浸させることにより、木質系床材に均一に蓄熱することができるとの新たな知見を得た。
本発明は、発明者らの新たな知見に基づくものであり、本発明に係る木質系床材は、潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材とを少なくとも備えた木質系床材であって、前記収納凹部の少なくとも側壁は、前記潜熱蓄熱材が前記木質系基材の縁部の木口から滲み出すのを抑えるように前記潜熱蓄熱材の少なくとも一部を吸収するための吸収壁により形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、収納凹部に収納された潜熱蓄熱材の一部が吸収壁に吸収されるので、収納凹部以外の部分にも潜熱蓄熱材が含まれることになり、木質系床材の蓄熱性能をより高めるとともに、より均一に木質系床材を蓄熱することができる。吸収壁を設けることにより、直接的に潜熱蓄熱材を収納凹部に収納しても、吸収壁により潜熱蓄熱材が吸収されているので、潜熱蓄熱材の木質系基材の縁部の木口からの滲み出しを抑制することができる。
より好ましい態様としては、前記吸収壁は、前記収納凹部を囲繞するように溝部を設けることにより、形成されている。この態様によれば、収納凹部の回りには溝部による空間が形成されるので、溝部と収納凹部との間に形成された木材からなる吸収壁に、潜熱蓄熱材が吸収(含浸)され、これがさらに溝部を越えて木材に浸透して木質系基材の木口から滲み出すことを抑制することができる。
すなわち、前記木質系基材の裏面には、前記潜熱蓄熱材の一部が前記収納凹部の側壁から前記木質系基材の木口に滲み出す経路を遮断するように溝部が形成されているので、潜熱蓄熱材が木口へ滲み出すことを抑えることができる。
このような溝部を形成した場合の好ましい態様としては、前記収納凹部は、複数に分割された分割収納凹部からなる。この態様によれば、複数に分割された分割収納凹部すべて(収納凹部)を覆うように、溝部が形成されることになるので、溝部を形成することによる木質系基材の剛性の低下を抑えることができる。さらに、隣接する分割収納凹部同士を区画する区画壁部も、吸収壁として作用するので、潜熱蓄熱材による蓄熱効率をさらに高めることができる。
また、溝部を形成した場合の別の好ましい態様としては、前記収納凹部は、複数の分割された分割収納凹部からなり、前記吸収壁は、各分割収納凹部を囲繞するように溝部を設けることにより、形成されている。本態様によれば、各分割収納凹部の周りに溝部を設けることにより、各分割収納凹部から、潜熱蓄熱材が木口に滲み出すことをより確実に抑えることができる。
ここで、上述した木質系基材に対して、収納凹部の開口部を覆うように、溶融状態(相変化温度以上の)潜熱蓄熱材に対して非透過性を有したシート材をさらに配置してもよい。より好ましい態様としては、木質系床材に、前記収納凹部を封止するとともに前記溝部の開口部を塞がないように、前記シート材が配置されている。この態様によれば、前記シート材により、収納凹部(収納凹部が分割されている場合には、分割収納凹部)に収納された潜熱蓄熱材が、木口から滲み出すことを防止することができる。
すなわち、シート材は、潜熱蓄熱材に対して非透過性を有しており、これが収納凹部の開口部を覆っているので、収納凹部から溶融した(相変化温度以上となった)潜熱蓄熱材が漏れることはない。
また、潜熱蓄熱材の一部が吸収壁に吸収されたとしても、シート材は溝部の開口部を閉塞していないので、吸収された潜熱蓄熱材が、吸収壁から滲み出して溝部に溜まることはなく、溝部から排出することができる。このような結果、吸収壁から滲み出した潜熱蓄熱材が木口にまで到達することがないので、木口に潜熱蓄熱材が滲み出して固化することによる木口の見かけ上の寸法変化を抑えることができ、木質系床材同士を接合して好適に床下地面に敷設することができる。
より好ましい態様としては、前記シート材の縁部は、前記溝部の内壁に沿って折り曲げられている。この態様によれば、シート材の縁部が溝部の内壁に沿って折り曲げられているので、吸収壁から溝部の内壁への潜熱蓄熱材の滲み出しをシート材により抑えることができる。
さらに、溝部を形成した場合のより好ましい態様としては、前記木質系基材裏面から前記溝部の底面までの深さは、前記木質系基材裏面から前記収納凹部の底面までの深さよりも深い。この態様によれば、収納凹部に収納された潜熱蓄熱材が、収納凹部の側面に露出した木質繊維から浸透して吸収壁に吸収されても、吸収壁の潜熱蓄熱材を吸収した部分よりもさらに深い位置に溝部による空間が形成されることになる。これにより、この溝部により形成された空間が、潜熱蓄熱材の浸透に対する障壁として作用し、潜熱蓄熱材が、木質系基材の木口から滲み出すことを抑制することができる。
特に、上述した如き深さの溝部を形成した場合には、前記木質系基材は合板からなり、前記溝部の底面と前記収納凹部の底面とは異なる単板層に形成されていることがより好ましい。この態様によれば、合板の各単板間を接着する接着剤により、収納凹部の底面が形成された単板層よりもさらに深い位置に存在する単板層に、潜熱蓄熱材が含浸(吸収)されることを抑制し、上述した溝部の形成により、木質系基材の木口から潜熱蓄熱材が滲み出すこと抑制する効果をより一層高めることができる。
さらに好ましい態様として、前記吸収壁には、前記収納凹部内の溶融した前記潜熱蓄熱材のうち、前記収納凹部から流出した前記潜熱蓄熱材を受ける受け溝が形成されている。この態様によれば、収納凹部内の溶融した前記潜熱蓄熱材のうち、前記収納凹部から流出した潜熱蓄熱材が吸収壁に吸収される前に、潜熱蓄熱材を受け溝に受けることができる。さらに、受け溝を設けることにより、木質系床材を製造する際に、収納凹部の容積よりも大きい体積を有した潜熱蓄熱材を収納凹部に収納させた場合であっても、余剰な潜熱蓄熱材を受け溝で受けることができる。
上述した吸収壁は、溝部を設けることにより、木材からなる吸収壁のみで構成されていたが、さらに、前記吸収壁が、前記収納凹部の側壁に配置された多孔質材を含んでいてもよい。この態様によれば、収納凹部の側壁に多孔質材が吸収壁の少なくとも一部として配置されるので、多孔質材により、収納凹部に収納された潜熱蓄熱材の一部が吸収されるので、潜熱蓄熱材がさらに木材に染み込んで木質系基材の縁部の木口から滲み出すことを抑制することができる。
さらに、潜熱蓄熱材は、室内の温度環境下において相変化温度以上で蓄熱することができるのであれば、その潜熱蓄熱材の種類は限定されるものではないが、より好ましい態様としては、潜熱蓄熱材は、相変化温度以上でゲル状となる。本態様によれば、相変化温度以上でゲル状となるので、相変化温度以上で潜熱蓄熱材を収納凹部内に保持することができる。
さらに好ましくは、前記潜熱蓄熱材と、前記収納凹部の側壁のうち前記木質系基材の木口に隣接した側壁との間には、間隙が形成され、前記潜熱蓄熱材に対して非透過性を有し、かつ、前記収納凹部を封止するシート材が配置されている。この態様によれば、潜熱蓄熱材と木質系基材の木口に隣接した側壁との間に間隙が形成されているので、ゲル状の本体部分から一部液化した潜熱蓄熱材が滲み出したとしても、その液化した潜熱蓄熱材をその間隙に保持(吸収)することができる。これにより、一部液化した潜熱蓄熱材が、木質系基材の木口から滲み出すことを回避することができる。
さらに、収納凹部を封止するシート材が配置されているので、木質系床材を敷設時に潜熱蓄熱材が木質系基材の収納凹部から脱落することが防止されるばかりでなく、収納凹部内の潜熱蓄熱材がシート材を透過することを防止することができる。
また好ましい態様としては、前記木質系基材の前記収納凹部の底面には、前記潜熱蓄熱材を位置決めするための凸部または凹部が形成され、前記潜熱蓄熱材には、前記凸部または凹部と係合する係合部が形成されている。
前記収納凹部の底面と前記潜熱蓄熱材との間には、前記潜熱蓄熱材と前記収納凹部の底面との接触を防止するように、前記潜熱蓄熱材に対して非透過性を有した底面シート材がさらに配置されている。
この態様によれば、潜熱蓄熱材が収納凹部の底面に直接的に接触せず、潜熱蓄熱材に対して非透過性を有した底面シート材に接触するので、収納凹部の底面から木質系基材の木口面に滲み出す経路を遮断することができる。
さらに好ましい態様としては、前記底面シート材の周縁部は、前記潜熱蓄熱材の側面に沿って折り曲げられている。このような態様により、木質系床材の裏面を上側に向けた場合であっても、底面シート材の折り曲げられた部分が堰となって、潜熱蓄熱材の一部が収納凹部の底面に漏れ出すことを防止することができる。
さらに、潜熱蓄熱材を収納凹部に配置する前に、予め周縁部を折り曲げた底面シート材を配置すれば、この底面シート材を、潜熱蓄熱材を収納凹部に配置するための位置決め部材とすることができる。
本発明によれば、潜熱蓄熱材による蓄熱効率を高めると共に、木質系床材に均一に蓄熱することができる。
本発明の第1実施形態に係る木質系床材の模式的斜視図であり、(a)は、床面(表面)側の木質系床材の斜視図、(b)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図。 図1に示す木質系床材の部分拡大断面図。 図1に示す第1実施形態の変形例に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図。 図3に示す木質系床材の変形例を説明するための図であり、(a)〜(d)は、第1〜第4のさらなる変形例に係る木質系床材の要部拡大断面図。 本発明の第2実施形態に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図。 本発明の第2実施形態の変形例に係る裏面側の木質系床材の収納凹部の配置状態を示した図。 図5に示す第2実施形態の変形例に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図。 図7に示す木質系床材のさらなる変形例の模式的分解斜視図。 本発明の第3実施形態に係る木質系床材の模式的断面図。 本発明の第1実施形態の変形例に係る木質系床材の製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、潜熱蓄熱材を圧入する前の状態を示した図、(b)は、潜熱蓄熱材を圧入した後の状態を示した図。 本発明の第1実施形態の別の変形例に係る木質系床材の製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、潜熱蓄熱材を圧入する前の状態を示した図、(b)は、潜熱蓄熱材を圧入した後の状態を示した図。 本発明の第1実施形態のさらなる別の変形例に係る木質系床材の製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、潜熱蓄熱材を圧入する前の状態を示した図、(b)は、潜熱蓄熱材を圧入した後の状態を示した図。 第4実施形態に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図。 図13に示す本発明の第4実施形態のさらなる別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図。 図13に示す実施形態のさらなる別の変形例に係る木質系床材の部分拡大断面図。 図14に示す実施形態のさらなる別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図。 (a)は、図14に示す実施形態のさらなる別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図。 図17(b)に示す木質系床材の変形例を示した部分拡大断面図。
以下、図面を参照して、本実施形態に基づき本発明を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る木質系床材の模式的斜視図であり、(a)は、床面(表面)側の木質系床材の斜視図、(b)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図であり、図2は、図1に示す木質系床材の部分拡大断面図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る木質系床材10は、木質系基材11と、潜熱蓄熱材17とを少なくとも備えている。
木質系基材11は、少なくとも床材の剛性および強度を確保ための基材であり、材料としては、広葉樹や針葉樹からなる通常の合板、LVL、LVB、集成材、さらには、これらを任意に積層した積層板、などを挙げることができる。本実施形態では、その一例として、木質系基材11は、7枚の単板が積層された合板からなる(詳細は後述する)。さらに、本実施形態では、図1(a)に示すように、木質系基材11の表面11aには、ナラ材、カバ材、ブナ材、チーク材、等の表面化粧材および化粧用表面合成樹脂シートが貼着されている。
また、木質系基材11の周縁には、雄実部12aと雌実部12bとが形成されている。この雄実部12aと雌実部12bを係合させることにより、木質系床材10同士を実接合することができる。
また、図1(b)に示すように、木質系基材11の裏面11bには、潜熱蓄熱材17を収納するための収納凹部13が形成されている。具体的には、収納凹部13は、複数(8つ)に分割された分割収納凹部13A,13A,…からなる。各分割収納凹部13Aは、後述する吸収壁15により区画されており、各分割収納凹部13Aには、潜熱蓄熱材17が容器等に収納せずに、そのままの状態で収納されている。
さらに、木質系基材11の裏面11bには、潜熱蓄熱材17を収納した状態で、分割収納凹部13Aを封止するように(分割収納凹部13Aの開口部13bを覆うように)、ポリプロピレン、再生ソール不織布などの耐油シートまたはアルミニウム箔などの、溶融した(相変化温度以上となった)状態の潜熱蓄熱材17に対して非透過性を有したシート材19が貼り付けられている。このようにシート材19を貼り付けることにより、相変化時に液化した潜熱蓄熱材17が裏面11bから滲み出したり、流れ出たりすることを防止することができる。
ここで、潜熱蓄熱材17は、日射光により付与される日射熱、または、室内の暖房による熱で相変化する潜熱蓄熱材であり、好ましくは相変化温度が(融点)18℃〜25℃の範囲にある潜熱蓄熱材である。具体的には、硫酸ナトリウム水和物、塩化カルシウム水和物、パラフィン(C1838)、ポリエチレングリコール(分子量500〜1000)などを挙げることができ、この融点以上において蓄熱することができるものであれば、その材料は特に限定されるものではない。
特に、本実施形態では、潜熱蓄熱材17を直接的に分割収納凹部13Aに収納することから相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いることが好ましい。相変化温度以上で固形状からゲル状となるので、相変化温度以上になったとしても潜熱蓄熱材17を分割収納凹部13A内に容易に保持することができる。このような潜熱蓄熱材としてはたとえば、硫酸ナトリウム10水和塩、または、JSR(株)製のカルグリップ、三木理研工業(株)製の高粘度カプセル、三菱電線工業(株)製の潜熱蓄熱材MHSRシリーズなどを挙げることができる。
分割収納凹部13Aの側壁は、潜熱蓄熱材17の少なくとも一部を吸収するための吸収壁15により、形成されている。吸収壁15は、潜熱蓄熱材17が分割収納凹部13Aから木質系基材11の縁部(具体的には実部近傍)の木口から滲み出すのを抑えるよう潜熱蓄熱材17の少なくとも一部を吸収する作用を有する。本実施形態では、吸収壁15は、収納凹部13(すなわち、すべての分割収納凹部13A,13A,…)を囲繞するように溝部14Aを設けることにより形成されている。
すなわち、本実施形態では、溝部14Aは、裏面11bにおいて木質系基材11の縁部に沿って周回して形成され、木質系基材11の縁部と吸収壁15とは、溝部14Aにより形成された空間を挟んで離間した配置構造となっている。
吸収壁15および溝部14Aは、相変化温度以上で、少なくとも一部が液化した潜熱蓄熱材17が、木質系基材11の縁部の木口から滲み出すのを抑えることができる壁厚および溝幅となっている。このような吸収壁15の壁厚および溝部14Aの溝幅は、潜熱蓄熱材17の種類と木質系基材11の木材の種類とにより実験的に求めることができる。
さらに、図2に示すように、木質系基材11の裏面11bから溝部14Aの底面14aまでの深さは、裏面11bから各分割収納凹部13Aの底面13aまでの深さよりも深くなっている。すなわち、本実施形態では、分割収納凹部13Aに収納された潜熱蓄熱材17が、収納凹部13の側壁に露出した木質繊維から浸透して吸収壁15に吸収されても、吸収壁15の潜熱蓄熱材17を吸収した部分よりもさらに深い位置に溝部14Aによる空間が形成されることになる。
さらに、木質系基材11は複数の単板層21a〜21gを積層した7プライの合板からなり、接着剤を介して貼り合わされている。溝部14Aの底面14aは、5プライ目の単板層21eに形成されており、各分割収納凹部13Aの底面13aは、裏面から4プライ目の単板層21dに形成されており、両者は異なる単板層に形成されている。
このようにして、構成された木質系床材10によれば、溝部14Aにより形成された空間が、木質系基材11の縁部分への潜熱蓄熱材17の浸透に対する障壁として作用する。さらに、合板の各単板間(具体的には4プライ目の単板層21dと5プライ目の単板層21eとの間)には、これらを接着する接着剤が存在する。この接着剤により4プライ目の単板層21dから5プライ目の単板層21dへの潜熱蓄熱材17に対するバリア層として作用する。この結果、分割収納凹部13Aの底面13aが形成された4プライ目の単板層21dよりもさらに深い位置の5プライ目の単板層21eに、潜熱蓄熱材17が含浸(吸収)されることを抑制することができる。これらの作用により、潜熱蓄熱材17が、木質系基材11の縁部の木口から滲み出すことを抑制することができ、潜熱蓄熱材17によるフロアの汚染を回避することができる。
さらに、潜熱蓄熱材17の一部が吸収壁15に吸収(含浸)されているので、収納凹部13以外の部分にも潜熱蓄熱材17が含まれることになり、木質系床材10の蓄熱性能をより高めるとともに、より均一に木質系床材10を蓄熱することができる。
図3は、図1に示す第1実施形態の変形例に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図である。図4は、図3に示す木質系床材の変形例を説明するための図であり、(a)〜(d)は、第1〜第4のさらなる変形例に係る木質系床材の要部拡大断面図である。なお、図3(a)は、分割収納凹部13Aに潜熱蓄熱材17が収容された状態の分解斜視図である。
図3および図4(a)〜(c)に示す変形例に係る木質系床材が図1に示す木質系床材と相違する点は、シート材の構成であり、図4(d)に示す変形例に係る木質系床材が図1に示す木質系床材と相違する点は、シート材の構成および吸収壁の構成である。従って、その他構成は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図1に示す第1実施形態では、溝部14Aの開口部全体を覆うように潜熱蓄熱材17に対して非透過性を有したシート材19を、木質系基材11の裏面11bの全面に貼り付けていた。しかしながら、図3(a),(b)に示す変形例では、木質系床材に、潜熱蓄熱材17が収納された状態の収納凹部13(すべての分割収納凹部13A)を封止する点は図1に示す木質系床材と共通するが、この変形例では、さらに、溝部14Aの開口部14bを塞がないように、シート材19Aが配置さている点が相違する。なお、シート材19Aは、図1に示すシート材19と同種の材質である。
具体的には、図3(a)および(b)に示すように、この変形例では、シート材19Aの周縁端19aは、吸収壁15と溝部14Aの境界部(吸収壁15を構成する溝部14Aの内側縁)14cと一致するように、シート材19Aが木質系基材11の裏面11bに接着剤等を介して配置されている。
このように配置したシート材19Aにより、各分割収納凹部13Aに収納された潜熱蓄熱材17が、雄実部12aと雌実部12bが形成された木質系床材10の木口から滲み出すことを防止することができる。
すなわち、シート材19Aは、分割収納凹部13Aの開口部13bを覆っているので、分割収納凹部13Aから溶融した(相変化温度以上となった)潜熱蓄熱材17が開口部13bから漏れることはない。
また、シート材19Aは溝部14Aの開口部14bを閉塞していないので、溝部14Aの開口部14bの全てが露呈している。これにより、潜熱蓄熱材17の一部が吸収壁15に吸収され、これがさらに吸収壁15の内壁から滲み出しても、木質系床材10の裏面11bを下方に向けた状態では、滲み出した潜熱蓄熱材17の一部が溝部14Aに溜まることはなく、溝部14Aから下方に流下し、溝部14Aの開口部14bから排出されることになる。
このような結果、吸収壁15から滲み出した潜熱蓄熱材17の一部が木口にまで到達することがない。すなわち、木口に形成された雄実部12aと雌実部12bの表面に潜熱蓄熱材17の一部が滲み出し、これが相変化温度以下で固化することが無いので、雄実部12aと雌実部12bの見かけ上の寸法変化を抑え、雄実部12aと雌実部12bは、実加工時の寸法を保持することができる。このような結果、木質系床材10,10同士を好適に実接合させて、木質系床材10を床下地面に敷設することができる。
特に、本実施形態では、吸収壁15を構成する木質系基材11の裏面11bの部分をシート材19Aで完全に覆っているので、吸収壁15に吸収された潜熱蓄熱材17の一部は、吸収壁15を構成する裏面11bの部分から滲み出すことがない。
また、吸収壁15の内壁から滲み出した潜熱蓄熱材17の一部を、溝部14Aの開口部14bから排出することができるのであれば、図4(a)に示すように、溝部14Aの開口部14bの一部を、シート材19Aで覆っていてもよく、図4(b)に示すように、吸収壁15を構成する木質系基材11の裏面11bの部分が、シート材19Aで完全に覆れていなくてもよい。
また、図3(a),図4(a),(b)のさらに好ましい形態として、図4(c)に示すように、シート材19Aの縁部19bが、溝部14Aの内壁14dに沿って折り曲げられていてもよい。これにより、シート材19Aの縁部19bが溝部14Aの内壁14dに沿って折り曲げられているので、吸収壁15から溝部14Aの内壁14dへの潜熱蓄熱材17の一部の滲み出しをシート材19Aにより抑えることができる。
特に、図4(c)に示すように、分割収納凹部13Aの底面13aに対して、溝部14Aの開口部14bから同じ位置またはそれよりも深い位置に、シート材19Aの周縁端19aが配置されるように、縁部19bを溝部14Aの内壁14dに沿って折り曲げることにより、吸収壁15から溝部14Aの内壁14dへの潜熱蓄熱材17の一部の滲み出しをより確実に防止することができる。
さらに、図4(d)に示すように、吸収壁15に、分割収納凹部13A内の溶融した潜熱蓄熱材17のうち、分割収納凹部13Aから流出した潜熱蓄熱材17を受ける受け溝15aが形成されていてもよい。この場合、受け溝15aもシート材19Aにより覆われており、受け溝15aへ潜熱蓄熱材17が流入しやすいように、分割収納凹部13Aと受け溝15aの間に形成された吸収壁15の表面15bを、木質系基材11の裏面11bよりも深い(低い)位置に形成することが好ましい。
これにより、分割収納凹部13A内の溶融した潜熱蓄熱材17のうち、分割収納凹部13Aから流出した潜熱蓄熱材17の一部が、吸収壁15に吸収される前に、潜熱蓄熱材17を受け溝15aに受けることができる。さらに、受け溝15aを設けることにより、木質系床材10を製造する際に、分割収納凹部13Aの容積よりも大きい体積を有した潜熱蓄熱材17を分割収納凹部13Aに収納させた場合であっても、余剰な潜熱蓄熱材17を受け溝15aで受けることができる。これにより、シート材19Aを、木質系基材11の裏面11bに好適に貼り付けることができる。なお、図4(d)に示す受け溝15aを前提に、図4(a)〜(c)に示す形態のシート材19Aを適用してもよい。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図である。第2実施形態が第1実施形態と相違する点は、溝部の形状のみであり、その他構成は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。図6は、本発明の第2実施形態に変形例に係る裏面側の木質系床材の収納凹部の配置状態を示した模式的斜視図である。
図5(a),(b)に示すように、収納凹部13は、複数の分割された分割収納凹部13Bからなる点は、第1実施形態と同じである。しかしながら、第1の実施形態では、収納凹部13の全体を囲繞するように溝部14Aを設けたが、第2実施形態では、吸収壁15は、各分割収納凹部13Bを囲繞するように複数の溝部14B,14Bを設けることにより、形成されている。このように、構成することにより、各分割収納凹部13Bの周りに溝部14Bを設けることにより、各分割収納凹部から、潜熱蓄熱材17が木口に滲み出すことをより確実に抑えることができる。なお、各分割収納凹部13Bの深さと、溝部14Bの深さの関係か第1実施形態と同様である。
また、図6に示すように、円板状の空間が形成されるように複数の分割収納凹部13Cを設けてもよく、その周りにリング状の空間が形成されるように、溝部14Cを設けてもよい。この場合、複数の分割収納凹部13Cを六方最密状となるように形成し、各分割収納凹部13Cに潜熱蓄熱材17を収納することにすることにより、木質系床材にクッション性を付与しつつ、より多くの割合の潜熱蓄熱材17を木質系基材11に配置することができる。
図7は、図5に示す第2実施形態の変形例に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図である。図8は、図7に示す木質系床材のさらなる変形例の模式的分解斜視図である。なお、図7(a)および図8は、分割収納凹部13Bに潜熱蓄熱材17が収容された状態の分解斜視図である。
図7(a),(b)に示す変形例に係る木質系床材が図5に示す木質系床材と相違する点は、シート材の構成であり、図8に示す変形例が図1に示す木質系床材と相違する点は、シート材の構成および吸収壁の構成である。従って、その他構成は同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7(a)に示すように、第2実施形態に係る木質系床材10では、吸収壁15は、各分割収納凹部13Bを囲繞するように複数の溝部14B,14Bを設けることにより、形成されている。したがって、本変形例では、分割収納凹部13Bの個数に応じて、各分割収納凹部13Bを封止する複数のシート材19B,19B…が配置されている。なお、シート材19Bは、図1に示すシート材19と同種の材質である。
各シート材19Bは、上述したように、分割収納凹部13Bの開口部13bを封止するとともに、溝部14Bの開口部14bを塞がないように、木質系基材11の裏面11bに配置さている。図3(a),(b)に示した変形例と同じように、この変形例においても、シート材19の周縁端19aが、吸収壁15と溝部14Bの境界部(吸収壁15を構成する溝部14Bの内側縁)14cと一致するように、各シート材19Bが木質系基材11の裏面11bに接着剤等を介して配置されている。
このように配置した各シート材19Bにより、図3(a),(b)に示した変形例において示した効果と同じように、各分割収納凹部13Bに収納された潜熱蓄熱材17が、雄実部12aと雌実部12bが形成された木質系床材10の木口から滲み出すことを防止することができる。
また、図7(a),(b)に示す木質系床材は、分割収納凹部13Bの個数に応じて、各分割収納凹部13Bを封止する複数のシート材19B,19B…を配置しているが、図8に示すように、溝部14Bとこれに隣接する溝部14Bとを連続して繋ぎ、全ての分割収納凹部13Bを囲繞するような溝部14Dを設けることにより、図3(a),(b)に示した変形例の如く、1枚のシート材19Aを用いて、各分割収納凹部13Bに収納された潜熱蓄熱材17が木質系床材10の木口から滲み出すことを防止することができる。
なお、図7(a),(b)、または図8に示す形態のシート材に対して、図4(a)〜(c)に示す如きシート材の端部の形態を適用してもよく、これらの木質系基材に対して、図4(d)に示す如き受け溝をさらに設けてもよい。
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る木質系床材の模式的断面図であり、第1実施形態の図2、第2実施形態の図5(b)に相当する図である。第3実施形態が第1の実施形態と相違する点は、吸収壁の構成である。したがって、他の構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態では、吸収壁は、分割収納凹部13Aの側壁に配置された多孔質材40を含んでいる。この多孔質材40の素材としては、液化した潜熱蓄熱材17を吸収することができるスポンジ状の樹脂などを挙げることができる。このように、多孔質材40を配置することにより、収納凹部13に収納された潜熱蓄熱材17の一部を吸収するので、潜熱蓄熱材17がさらに木材に染み込んで木質系基材11の実部近傍の木口から滲み出すことを抑制することができる。なお、本実施形態では、多孔質材40が吸収壁の役割を主に担っているため、第1実施形態の如く溝部14Aを設けていないが、第1実施形態の如く溝部14Aまたは第2実施形態の如く溝部14Bをさらに設けてもよい。
〔第1〜第3実施形態に係る木質系床材の製造方法の一例〕
以下に、潜熱蓄熱材として、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いた場合における木質系床材の製造方法に関して説明する。図10〜図12のぞれぞれは、本発明の第1実施形態の変形例に係る木質系床材の製造方法を説明するための模式図であり、(a)は、潜熱蓄熱材を圧入する前の状態を示した図、(b)は、潜熱蓄熱材を圧入した後の状態を示した図である。
図10に示す実施形態では、分割収納凹部13Aの開口部13bから底面13aに向かって広がるように、各分割収納凹部13Aが形成さている(図10(a)参照)。このような形状の分割収納凹部13Aに、潜熱蓄熱材17を配置して、加熱されたプレス機70により潜熱蓄熱材17を加熱しながら、分割収納凹部13Aにゲル状となった潜熱蓄熱材17を圧入する。
これにより、図10(b)に示すように、分割収納凹部13Aを形成する壁面に潜熱蓄熱材17が密着した状態で、潜熱蓄熱材17が分割収納凹部13Aに充填される。上述した形状の分割収納凹部13Aに、潜熱蓄熱材17を充填(圧入)することにより、充填後の潜熱蓄熱材17が分割収納凹部13Aから外れることを抑えることができる。
また、図11(a),(b)に示すように分割収納凹部13Aの底面13aに、溝部13cを設けてもよい。図11(a)に示すプレス機70による潜熱蓄熱材17の圧入により、溝部13cに潜熱蓄熱材17が充填されるので、アンカー効果により、充填(圧入)後の潜熱蓄熱材17が分割収納凹部13Aから外れることを抑えることができる。
さらに、図12(a),(b)に示すように分割収納凹部13Aの開口部13bの縁部から内側に突出した押さえ部材13dを設けてもよい。潜熱蓄熱材17の圧入により、分割収納凹部13Aに充填された潜熱蓄熱材17は、押さえ部材13dにより分割収納凹部13A内に押さえ込まれるため、充填(圧入)後の潜熱蓄熱材17が分割収納凹部13Aから外れることを抑えることができる。
このようにして、潜熱蓄熱材を収納する容器等を用いずに、潜熱蓄熱材17を簡単に木質系基材11に組み込むことができる。また、容器等を用いた場合に比べて、分割収納凹部13Aの掘り込みを小さくすることができ、フロア強度を向上させることができる。さらに、上述した第1〜第3のいずれの実施形態においても、分割収納凹部13Aの壁面に潜熱蓄熱材17が直接接触するので、容器を用いた場合に比べて、フロアの蓄熱効率を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
図13は、第4実施形態に係る木質系床材の模式図であり、(a)は、裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図である。図14は、図13に示す本発明の第4実施形態の別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図である。図15は、図13に示す実施形態のさらなる別の変形例に係る木質系床材の部分拡大断面図である。
図16は、図14に示す本発明の第4実施形態のさらなる別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図である。図17(a)は、図14に示す本発明の第4実施形態のさらなる別の変形例に係る裏面側の木質系床材の分解斜視図、(b)は、(a)に示す木質系床材の部分拡大断面図である。図18は、図17(b)に示す木質系床材の変形例を示した部分拡大断面図である。
図13(a),(b)に示す木質系床材が図1(a),(b)に示す木質系床材と相違する点は、溝部14Aにより吸収壁15を設ける代わりに、潜熱蓄熱材17Aと、分割収納凹部13Aの側壁のうち木質系基材11の木口に隣接した側壁との間に、間隙18Aを形成した点である。なお、以下に示す第4の実施形態は、潜熱蓄熱材17Aに、上述した如き相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材を用いたときに好適な実施形態である。
図13(a),(b)に示すように、潜熱蓄熱材17Aと木質系基材11の木口に隣接した側壁との間に間隙18Aが形成されるので、相変化温度以上になって、ゲル状の本体部分から一部液化した潜熱蓄熱材17Aが滲み出したとしても、その液化した潜熱蓄熱材17Aをその間隙に保持(吸収)することができる。これにより、一部液化した潜熱蓄熱材17Aが、木質系基材11の木口から滲み出すことを回避することができる。
図14に示すように、図13(a),(b)に示す木質系基材とは異なり、収納凹部13を分割していない場合、潜熱蓄熱材17Bと木質系基材11の木口に隣接した側壁との間に間隙18Bが形成されるように、潜熱蓄熱材17Bを収納凹部13に収納してもよい。すなわち、本実施形態の場合には、潜熱蓄熱材17Bを周回するように、間隙18Bが形成されているので、上述した如く、ゲル状の本体部分から一部液化した潜熱蓄熱材17Bが滲み出したとしても、その液化した潜熱蓄熱材17Bをその間隙に保持(吸収)することができる。これにより、一部液化した潜熱蓄熱材17Bが、木質系基材11の木口から滲み出すことを回避することができる。
図15に示すように、図13(a),(b)に示す間隙18Aに加え、図1および図2に示す第1実施形態で示した溝部14Aにより吸収壁15を設けてもよい。これにより、一部液化した潜熱蓄熱材17Aが、木質系基材11の木口から滲み出すことをより確実に回避することができる。
図16に示すように、本実施形態では、木質系基材11の収納凹部13の底面には、潜熱蓄熱材17Bを位置決めするための凸部13dが形成され、潜熱蓄熱材17Bには、凸部13dと係合する係合凹部(係合部)17aが形成されている。
この態様によれば、木質系基材11の収納凹部13に潜熱蓄熱材17Bを収納する際に、木質系基材11の凸部13dと、潜熱蓄熱材17Bの係合部17aとを係合させることにより、潜熱蓄熱材17Bと木質系基材11の木口に隣接した側壁との間に間隙18Bを容易に形成することができる。また、収納後の潜熱蓄熱材17Bは、木質系床材10に係合されているので、木質系床材10の敷設時に潜熱蓄熱材17Bの位置ずれを防止し、上述した間隙18Bを維持することができる。
なお、本実施形態では、図16に示すように、木質系基材11の収納凹部13の底面に凸部13dを形成したが、潜熱蓄熱材17Bの位置決めをすることができるのであれば、木質系基材11の収納凹部13の底面に、潜熱蓄熱材17Bを位置決めするための凹部を形成してもよい。この場合には、潜熱蓄熱材17Bには、凹部係合する係合凸部(係合部)が形成されることになる。
本実施形態では、木質系基材11の凸部13dと、潜熱蓄熱材17Bの係合凹部17aと、を一対設けたが、より確実な位置決めを行うために、複数の凸部とこれらに係合する係合凹部を設けてもよい。
図17(a),(b)に示すように、本実施形態では、収納凹部13の底面13aと潜熱蓄熱材17Bとの間に、潜熱蓄熱材17Bと収納凹部13の底面との接触を防止するように、潜熱蓄熱材17Bに対して非透過性を有した底面シート材31がさらに配置されている。
底面シート材31は、ポリプロピレン、再生ソール不織布などの耐油シートまたはアルミニウム箔などの、ゲル状の潜熱蓄熱材17Bが一部液化した潜熱蓄熱材に対して非透過性を有した材質からなる。
このような底面シート材31を用いることにより、潜熱蓄熱材17Bが収納凹部13の底面13aに直接的に接触せず、潜熱蓄熱材17Bに対して非透過性を有した底面シート材31に接触するので、収納凹部13の底面13aから木質系基材11の木口面に滲み出す経路を遮断することができる。
さらに、図18に示すように、底面シート材31Aの周縁部31aは、潜熱蓄熱材17Bの側面に沿って折り曲げられていてもよい。潜熱蓄熱材17Bを収納凹部13に配置する前に、予め周縁部31aを折り曲げた底面シート材31Aを配置すれば、この底面シート材31Aを、潜熱蓄熱材17Bを収納凹部13に配置するための位置決め部材とすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
第1〜第3のいずれの実施形態においても、潜熱蓄熱材を収納する収納凹部は、分割された複数の分割収納凹部であったが、潜熱蓄熱材を収納凹部内に保持し、潜熱蓄熱材が木質系基材の実部近傍の木口から滲み出すことがないのであれば、収納凹部は分割されていなくてもよい。
また、第2実施形態では、分割収納凹部ごとに、分割収納凹部を囲うように溝部を設けたが、これらの溝部が連続して繋がるように形成されていてもよい。
10:木質系床材、11:木質系基材、11a:表面、11b:裏面、12a:雄実部、12b:雌実部、13:収納凹部、13A,13B,13C:分割収納凹部,13a:底面、13b:開口部、13c:溝部、13d:押さえ部材、14A,14B,14C:溝部、14a:底面、15:吸収壁、15a:受け溝、17,17A,17B:潜熱蓄熱材、17a:係合部、18A,18B:間隙、19,19A,19B:シート材、21a〜21g:単板層、31,31A:底面シート材、31a:周縁部、40:多孔質材、70:プレス機

Claims (14)

  1. 潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材とを少なくとも備えた木質系床材であって、
    前記収納凹部の少なくとも側壁は、前記潜熱蓄熱材が前記木質系基材の縁部の木口から滲み出すのを抑えるように前記潜熱蓄熱材の少なくとも一部を吸収するための吸収壁により、形成されており、
    前記吸収壁は、前記収納凹部を囲繞するように溝部を設けることにより、形成されていることを特徴とする木質系床材。
  2. 前記収納凹部は、複数に分割された分割収納凹部からなることを特徴とする請求項に記載の木質系床材。
  3. 潜熱蓄熱材と、該潜熱蓄熱材を裏面に収納するための収納凹部が形成された木質系基材とを少なくとも備えた木質系床材であって、
    前記収納凹部の少なくとも側壁は、前記潜熱蓄熱材が前記木質系基材の縁部の木口から滲み出すのを抑えるように前記潜熱蓄熱材の少なくとも一部を吸収するための吸収壁により、形成されており、
    前記収納凹部は、複数の分割された分割収納凹部からなり、前記吸収壁は、各分割収納凹部を囲繞するように溝部を設けることにより、形成されていることを特徴とする木質系床材。
  4. 木質系床材には、前記収納凹部を封止するとともに前記溝部の開口部を塞がないように、潜熱蓄熱材に対して非透過性を有したシート材が配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の木質系床材。
  5. 前記シート材の縁部は、前記溝部の内壁に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項に記載の木質系床材。
  6. 前記木質系基材の裏面から前記溝部の底面までの深さは、前記木質系基材の裏面から前記収納凹部の底面までの深さよりも深いことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の木質系床材。
  7. 前記木質系基材は合板からなり、前記溝部の底面と前記収納凹部の底面とは異なる単板層に形成されていることを特徴とする請求項に記載の木質系床材。
  8. 前記吸収壁には、前記収納凹部内の溶融した前記潜熱蓄熱材のうち、前記収納凹部から流出した前記潜熱蓄熱材を受ける受け溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の木質系床材。
  9. 前記吸収壁は、前記収納凹部の側壁に配置された多孔質材を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の木質系床材。
  10. 前記潜熱蓄熱材は、相変化温度以上でゲル状となることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の木質系床材。
  11. 前記潜熱蓄熱材と、前記収納凹部の側壁のうち前記木質系基材の木口に隣接した側壁との間には、間隙が形成され、
    潜熱蓄熱材に対して非透過性を有し、かつ、前記収納凹部を封止するシート材が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の木質系床材。
  12. 前記木質系基材の前記収納凹部の底面には、前記潜熱蓄熱材を位置決めするための凸部または凹部が形成され、前記潜熱蓄熱材には、前記凸部または凹部と係合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の木質系床材。
  13. 前記収納凹部の底面と前記潜熱蓄熱材との間には、前記潜熱蓄熱材と前記収納凹部の底面との接触を防止するように、前記潜熱蓄熱材に対して非透過性を有した底面シート材がさらに配置されていることを特徴とする請求項1012のいずれか一項に記載の木質系床材。
  14. 前記底面シート材の周縁部は、前記潜熱蓄熱材の側面に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項13に記載の木質系床材。
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