JP6839544B2 - 蓄熱パネル - Google Patents

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Description

本発明は、パネル基材に潜熱蓄熱材が収容された蓄熱パネルに関する。
近年、耐環境性の観点から、壁材、床材、天井材などの建材の技術分野において、室内暖房時に発生する熱エネルギや、日射光などの自然エネルギをより有効に活用するような研究・開発が盛んに取り組まれており、これらの研究・開発に基づいた省エネおよびエコ対策が講じられている。
このような点を鑑みて、壁材、床材、天井材などに、蓄熱材を用いたパネルの開発がなされている。ここで、蓄熱材として、融点(相変化温度)以上の温度で蓄熱することができる潜熱蓄熱材が注目されており、この潜熱蓄熱材を利用した様々な蓄熱パネルが提案されている。
このような技術として、たとえば、特許文献1には、表面材、裏面材、およびこれらの間に位置する枠体を備え、枠体に囲まれた表面材と裏面材との間に、袋状の封入部に潜熱蓄熱材を封入した蓄熱体が組み込まれた蓄熱パネルが提案されている。
特開2013−160396号公報
しかしながら、特許文献1に示す蓄熱パネルを用いた場合には、封入部に封止された潜熱蓄熱材と、表面材または裏面材との間に隙間が形成されることがある。このような隙間により、潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能が十分に発揮できないことが想定される。
これに加えて、このような蓄熱パネルを設置面に設置する際には、封入部に封入された潜熱蓄熱材と設置面との間に裏面材が存在するため、設置面側において、潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮できないことが想定される。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、パネル基材に収容された潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる蓄熱パネルを提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る蓄熱パネルは、厚さ方向に沿って貫通孔が形成されたパネル基材と、前記パネル基材に取付けられた袋体と、前記袋体に封止された潜熱蓄熱材と、を備え、前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記貫通孔に収容されていることを特徴とする。
本発明によれば、袋体に封止された潜熱蓄熱材は、パネル基材の貫通孔に収容された状態で、蓄熱パネルの両面から露出している。これにより、蓄熱パネルの両面から、パネル基材を介さずに、袋体を介して外部からの熱を直接的に潜熱蓄熱材に蓄熱し、蓄熱された潜熱蓄熱材の熱を、袋体を介して外部へ放熱することができる。このような結果、潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
さらに、蓄熱パネルを設置面に取付ける際には、パネル基材を介さずに、袋体を介して潜熱蓄熱材を設置面に接触させることも可能であるため、設置面側において、潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
より好ましい態様としては、前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記パネル基材の少なくとも一方側の表面から突出するように、前記貫通孔に収容されている。この態様によれば、袋体に封止された状態で潜熱蓄熱材が、パネル基材の少なくとも一方側の表面から突出しているので、パネル基材の一方側の表面側から蓄熱パネルを設置面に設置する際に、袋体を介して潜熱蓄熱材を、設置面に確実に接触させることができる。
袋体に潜熱蓄熱材が溶融時に流動可能な状態で封止されている場合には、蓄熱パネルを設置する際に、潜熱蓄熱材を溶融させて、袋体内の潜熱蓄熱材を設置面の形状に倣わせることも可能である。これにより、設置面と袋体との間に隙間が形成されることを抑えることができ、潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
さらに好ましい態様としては、前記パネル基材の一方側の表面に、前記袋体の縁部が取付けられている。この態様によれば、パネル基材の一方側の表面側から、蓄熱パネルを設置面に設置する際に、パネル基材に取付けられた袋体の部分も設置面に接触するため、設置面に対する袋体の接触面積をより大きくすることができる。これにより、設置面から袋体を介した潜熱蓄熱材の蓄熱および放熱の効率をより高めることができる。特に、袋体にアルミニウム箔などの金属製のシートまたはフィルムにより金属層が形成されている場合には、この効果をより一層高めることができる。
さらに好ましい態様としては、前記袋体は、第1シート層および第2シート層を接合することにより、前記第1シート層と前記第2シート層との間に前記潜熱蓄熱材が封止されており、前記第1シート層は、前記潜熱蓄熱材を包むように前記潜熱蓄熱材の表面に配置されており、前記第2シート層は、前記第1シート層のうち前記潜熱蓄熱材の表面に位置する部分で、前記第1シート層に接合されおり、前記第2シート層の縁部が、前記袋体の縁部として、前記パネル基材の一方側の表面に取付けられている。
この態様によれば、第1シート層と第2シート層とが、接合されている部分が、袋体の縁部から外れているので、袋体の縁部に釘などの固定具が、この接合されている部分を貫通することはない。したがって、第1シート層と第2シート層とが接合されている部分に、固定具が接触することがないので、第1シート層と第2シート層の接合の信頼性を高めることができる。このため、固定具等により衝撃が作用したとしても、第1シート層と第2シート層による潜熱蓄熱材の封止状態に影響を及ぼし難い。
さらに好ましい態様としては、前記袋体の縁部には、前記パネル基材の一方側の表面から、前記パネル基材に固定具を貫通させることにより、前記固定具を介して前記蓄熱パネルを設置面に固定するため固定用の目印が形成されている。
この態様によれば、目印により、固定具を確実にパネル基材に打ち込んで、固定具が袋体内の潜熱蓄熱材に到達することを回避することができる。これにより、袋体内の潜熱蓄熱材の封止状態を維持し、固定具により形成された貫通孔から、潜熱蓄熱材が漏洩することはない。
さらに好ましい態様としては、前記パネル基材の他方側の表面には、前記パネル基材の他方側の表面から、前記パネル基材に固定具を貫通させることにより、前記固定具を介して前記蓄熱パネルを設置面に固定するため固定用の目印が形成されており、前記目印は、前記固定具が前記袋体の前記縁部から外れて前記パネル基材を貫通する位置に形成されている。
この態様によれば、目印に合わせて、固定具を打ち込めば、固定具が袋体の縁部を貫通することがないので、第1シート層と第2シート層とが接合された部分に、固定具による衝撃等が作用しない。これにより、第1シート層と第2シート層とが接合された部分の信頼性を高め、潜熱蓄熱材が漏洩することを回避することができる。
さらに好ましい態様としては、前記袋体に封止された状態で、前記潜熱蓄熱材が前記パネル基材の一方側の表面から突出するように、前記パネル基材の他方側の表面には、可撓性を有したシート材が貼り付けられている。
この態様によれば、パネル基材の一方側の表面側から、蓄熱パネルを設置面に設置する際に、潜熱蓄熱材はパネル基材の少なくとも一方側の表面から突出しているので、蓄熱パネルを設置面に設置した状態で、パネル基材の他方側に表面のシート材が変形し、シート材で、袋体を設置面に向かって押圧することができる。これにより、袋体を介して潜熱蓄熱材を、設置面により均一に接触させることができる。
また、シート材を設けない別の好ましい態様としては、前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記パネル基材の他方側の表面からも突出するように、前記貫通孔に収容されている。
この態様によれば、パネル基材の一方側の表面および他方側の表面のうち、いずれの表面側から、設置面に蓄熱パネルを設置しても、袋体に封止された状態で潜熱蓄熱材が、パネル基材の表面から突出しているので、袋体を介して潜熱蓄熱材を、設置面に確実に接触させることができる。
さらに好ましい態様としては、前記袋体に封止された状態の潜熱蓄熱材が、前記パネル基材の厚さ方向に移動可能なように、前記貫通孔を形成する壁面と、前記袋体の前記潜熱蓄熱材が収容された収容部との間には、隙間が形成されている。
この態様によれば、パネル基材の表面から、袋体に封止された状態の潜熱蓄熱材が突出していたとしても、蓄熱パネルを設置面に取付けた際に、潜熱蓄熱材が貫通孔内においてパネル基材の厚さ方向に移動させることができる。これにより、パネル基材と設置面との間に隙間が形成され難く、蓄熱パネルを設置面に安定して取付けることができるばかりでなく、蓄熱パネルのパネル基材と設置面との間から、蓄熱された熱が逃げ難くなる。
さらに好ましい態様としては、前記潜熱蓄熱材は、多孔質ボードに含浸された状態で、前記袋体に封止されている。この態様によれば、潜熱蓄熱材は多孔質ボードに含浸されているので、潜熱蓄熱材が蓄熱時に溶融したとしても、袋体内でその形状を保持することができる。これにより、袋体を介して、多孔質ボードに含浸された潜熱蓄熱材を設置面に安定的に接触させることができる。さらに、蓄熱パネルを取付け後、蓄熱パネルを使用時に潜熱蓄熱材が溶融したとしても、潜熱蓄熱材の形状は保持されているので、袋体を介した潜熱蓄熱材と設置面との接触状態を維持することができる。
本発明によれば、パネル基材に収容された潜熱蓄熱材の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
本発明の第1実施形態に係る蓄熱パネルの模式的分解斜視図である。 (a)は、図1に示す蓄熱パネルを一方側から視たときに模式的斜視図であり、(b)は、その他方側から視たときの模式的斜視図である。 (a)は、図2(b)のA−A線矢視における模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第2実施形態に係る蓄熱パネルの模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第3実施形態に係る蓄熱パネルの模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第3実施形態の蓄熱パネルの変形例に係る模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第4実施形態に係る蓄熱パネルの模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第5実施形態に係る蓄熱パネルの模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第6実施形態に係る蓄熱パネルの模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 本発明の第7実施形態に係る蓄熱パネルの模式的分解斜視図である。 本発明の第8実施形態に係る蓄熱パネルの模式的分解斜視図であり、(a)は、蓄熱パネルの模式的分解斜視図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを一方側から視たときに模式的斜視図であり、(c)は、(a)に示す蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図である。 (a)は、図11(c)のB−B線矢視における模式的断面図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)〜(d)は、図11に示す潜熱蓄熱材を封止した袋体の製造方法を説明するための図である。 (a)〜(d)は、第8実施形態の変形例に係る潜熱蓄熱材を封止した袋体の製造方法を説明するための図である。 (a)は、第8実施形態の他の変形例に係る蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の断面図である。 (a)は、第8実施形態の他の変形例に係る蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図であり、(b)は、(a)に示す蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図であり、(c)は、(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の(b)のC−C線矢視における模式的断面図である。
以下に、本発明の第1〜第8実施形態を図1〜16を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る蓄熱パネル1を、以下の図1〜3を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的分解斜視図である。図2(a)は、図1に示す蓄熱パネル1を一方側から視たときに模式的斜視図であり、図2(b)は、その他方側から視たときの模式的斜視図である。図3(a)は、図2(b)のA−A線矢視における模式的断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。
図1〜3に示すように、本実施形態に係る蓄熱パネル1は、床、天井、屋根、内壁、外壁等の建物の部分を構成する建材として単独で又は他の建材と組み合わせて使用することで、この部分に蓄熱性を付与するものである。蓄熱パネル1は、パネル状(ボード状)の形状をしており、パネル基材2と、パネル基材2に取付けられた袋体3と、袋体3に封止された潜熱蓄熱材4とを備えている。
パネル基材2は、少なくとも蓄熱パネルの剛性および強度を確保するためのパネル状の基材である。パネル基材2の材料としては、広葉樹や針葉樹からなる通常の合板、パーティクルボード(PB)、木質繊維板(MDF・インシュレーションボード・ハードボードなど)、配向性ストランドボード(OSB)、LVL、集成材、クラフト紙、ボール紙、樹脂成型体、樹脂発砲体、または金属中空棒材を枠状態に組み合わせたものなどを挙げることができる。
パネル基材2には、一方側の表面21から他方側の表面22に亘った、パネル基材2の厚さ方向に沿って、貫通孔23が形成されている。貫通孔23は、平面視で矩形状の貫通孔であり、袋体3に封止された状態の潜熱蓄熱材4を収容可能な大きさとなっている。
袋体3は、潜熱蓄熱材4を収容する収容部36が形成された第1シート層34と、第1シート層34の収容部36の周縁の接合部33で接合された第2シート層35とを備えている。
第1シート層34の表面である袋体3の一方側の表面31は、潜熱蓄熱材4を収容する収容部36により突出した形状となっており、第2シート層35の表面である袋体3の他方側の表面32は、略平面状となっている。
袋体3は、接合部33で第1シート層34と第2シート層35とが接合されることで、潜熱蓄熱材4は、袋体3に封止されている。このような袋体3は、例えば、収容部36が形成されるように成形型内で第1シート層34を成形後、潜熱蓄熱材4を収容部36に配置し、その後、第1シート層34と第2シート層35とを接合部33で接着または融着させることにより得ることができる。この接合部33は、袋体3の縁部38となり、この縁部38が、パネル基材2の一方側の表面21に取付けられる。
具体的には、袋体3は、縁部38の一部を形成する第1シート層34と、パネル基材2の一方側の表面21とを接着剤を介して接着することにより、パネル基材2の一方側の表面21に取付けられている。潜熱蓄熱材4は、袋体3に封止された状態で、パネル基材2の貫通孔23に収容されている。
袋体3を構成する第1シート層34と第2シート層35の材料としては、潜熱蓄熱材4と反応せずに、潜熱蓄熱材4に対して非透過性を有したかつ可撓性を有したものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、これらの材料としては、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)などの熱可塑性樹脂を挙げることができ、これらにアルミニウム箔などの金属製のシートまたはフィルムが積層されていてもよい。
袋体3に収納されている潜熱蓄熱材4は、室内の暖房(後述する熱源による熱)で固相から液相に相変化する潜熱蓄熱材であり、好ましくは相変化温度18℃〜30℃の範囲にある潜熱蓄熱材である。具体的には、硫酸ナトリウム水和物、塩化カルシウム水和物、パラフィン(たとえばC1838)、ポリエチレングリコール(分子量500〜1000)などを挙げることができ、この相変化温度以上において蓄熱することができるものであれば、その材料は特に限定されるものではない。
また、この他にも、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材4を用いてもよい。相変化温度以上で固形状からゲル状となるので、相変化温度以上になったとしても潜熱蓄熱材の形状を容易に保持することができる。このような潜熱蓄熱材としてはたとえば、硫酸ナトリウム10水和塩、または、三木理研工業(株)製の高粘度カプセル、三菱電線工業(株)製の潜熱蓄熱材MHSRシリーズなどを挙げることができる。
第1実施形態に係る蓄熱パネル1によれば、図3(a)に示すように、袋体3に封止された潜熱蓄熱材4は、パネル基材2の貫通孔23に収容された状態で、蓄熱パネル1の両面から露出している。これにより、蓄熱パネル1の両面から、パネル基材2を介さずに、袋体3を介して外部からの熱を直接的に潜熱蓄熱材4に蓄熱し、蓄熱された潜熱蓄熱材4の熱を、袋体3を介して外部へ放熱することができる。このような結果、潜熱蓄熱材4の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
さらに、図3(b)に示すように、蓄熱パネル1をパネル基材2の他方側の表面22側から設置面Fに取付ける際には、パネル基材2を介さずに、袋体3の第1シート層34を介して潜熱蓄熱材4を設置面Fに接触させることも可能である。このため、設置面F側において、潜熱蓄熱材4の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。なお、図示しないが、パネル基材2の一方側の表面21側から蓄熱パネル1を設置面Fに取付けてもよい。
〔第2実施形態〕
図4(a)は、第2実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第1実施形態のものと相違する点は、袋体3に封止された潜熱蓄熱材4の状態である点であり、以下にこの相違点を説明する。
図4(a)に示すように、本実施形態に係る蓄熱パネル1の潜熱蓄熱材4は、袋体3に封止された状態で、パネル基材2の他方側の表面22から突出するように(膨らむように)、貫通孔23に収容されている。なお、図4(a)に示す実施形態、および、後述する図5(a),図7(a)では、パネル基材2の他方側の表面22は、本発明でいうの「パネル基材の一方側の表面」に相当する。
これにより、図4(b)に示すように、袋体3に封止された状態で潜熱蓄熱材4が、パネル基材2の表面21から突出しているので、蓄熱パネル1をパネル基材2の他方側の表面22側から設置面Fに設置する際に、袋体3を介して潜熱蓄熱材4を、設置面Fに確実に接触させることができる。そして、図4(b)に示す状態の蓄熱パネル1を、設置面Fに、釘、ねじなどの固定具を用いて固定すればよい。
さらに、本実施形態では、袋体3に封止された潜熱蓄熱材4は溶融時に流動可能な状態となるので、蓄熱パネル1の設置の際に、潜熱蓄熱材4は蓄熱時に溶融させて、袋体3とともに袋体3内の潜熱蓄熱材4を設置面Fの形状に倣わせることも可能である。これにより、設置面Fと袋体3との間に隙間が形成されることを抑えることができ、潜熱蓄熱材4の蓄熱性能および放熱性能を十分に発揮することができる。
また、図示しないが、蓄熱パネル1の潜熱蓄熱材4が、袋体3に封止された状態で、パネル基材2の一方側の表面21から突出するように(膨らむように)、貫通孔23に収容されていてもよい。この場合には、パネル基材2の一方側の表面21側から蓄熱パネル1を設置面に取付ける。これにより、袋体3の第2シート層35を介して、潜熱蓄熱材4を設置面に接触させることができる。
ところで、図4(b)に示すように、本実施形態では、袋体3に封止された状態で潜熱蓄熱材4を、パネル基材2の表面21から突出させたので、蓄熱パネル1を設置の際に、潜熱蓄熱材4が固相状態である場合、パネル基材2の表面21が設置面Fに対して浮き上がることがある。これにより、パネル基材2の表面21と設置面Fとの間に、隙間Sが形成されてしまうことがある。この隙間Sにより、蓄熱パネル1を設置面Fに安定して取付け難くなるばかりでなく、隙間Sから潜熱蓄熱材4が蓄熱した熱が逃げやすい。このような点を改善したものが、以下に示す第3実施形態に係る蓄熱パネル1である。
〔第3実施形態〕
図5(a)は、第3実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第2実施形態のものと相違する点は、パネル基材2の貫通孔23と収容部36の間に隙間40を設けた点であり、以下にこの相違点を説明する。
図5(a)に示すように、本実施形態では、袋体3に封止された状態の潜熱蓄熱材4が、パネル基材2の厚さ方向に移動可能なように、貫通孔23を形成する壁面23aと、袋体3の潜熱蓄熱材4が収容された収容部36との間には、隙間40が形成されている。より具体的には、袋体3は、収容部36に隣接した接合部33の一部が、パネル基材2に対して非接着な状態でかつ厚さ方向に変形可能な変形部37を有している。この変形部37により、潜熱蓄熱材4がパネル基材2の厚さ方向に移動可能となる。
図5(b)に示すように、パネル基材2の他方側の表面22から、袋体3に封止された状態の潜熱蓄熱材4が突出していたとしても、蓄熱パネル1をパネル基材2の他方側の表面22側から設置面Fに取付ける際には、潜熱蓄熱材4を全体的にパネル基材2の厚さ方向に移動させることができる。これにより、図4(b)に示すように、パネル基材2と設置面Fとの間に隙間Sが形成され難い。このような結果、蓄熱パネル1を設置面Fに安定して取付けることができるばかりでなく、蓄熱パネル1のパネル基材2と設置面Fとの間から、蓄熱された熱が逃げ難くなる。さらに、蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた後に、潜熱蓄熱材4が溶融すると、潜熱蓄熱材4は、設置面Fの形状に倣うので、袋体3の第1シート層34を介して潜熱蓄熱材4を設置面Fにより均一に接触させることができる。
図6(a)は、第3実施形態の蓄熱パネル1の変形例に係る模式的断面図であり、図6(b)は、図6(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。
この変形例では、蓄熱パネル1の潜熱蓄熱材4が、袋体3に封止された状態で、パネル基材2の一方側の表面21から突出するように(膨らむように)、貫通孔23に収容されている。この変形例でも、袋体3に封止された状態の潜熱蓄熱材4が、パネル基材2の厚さ方向に移動可能なように、貫通孔23を形成する壁面23aと、袋体3の潜熱蓄熱材4が収容された収容部36との間には、隙間40が形成されている。
この変形例に係る蓄熱パネル1を設置面Fに設置する際には、図6(b)に示すように、パネル基材2の一方側の表面21側から蓄熱パネル1を設置面Fに取付ける。この変形例でも、潜熱蓄熱材4を全体的にパネル基材2の厚さ方向に移動させることができるので、蓄熱パネル1を設置面Fに安定して取付けることができるばかりでなく、蓄熱パネル1のパネル基材2と設置面Fとの間に隙間が形成され難い。
蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた後に、潜熱蓄熱材4が溶融すると、潜熱蓄熱材4は、設置面Fの形状に倣うので、袋体3の第1シート層34を介して潜熱蓄熱材4を設置面Fにより均一に接触させることができる。この変形例では、図5(b)の場合に比べて、設置面Fの広範囲に袋体3の第2シート層35を接触させることができるので、潜熱蓄熱材4の蓄熱性能および放熱性能をさらに高めることができる。特に、袋体3の第2シート層35にアルミニウム箔などの金属製のシートまたはフィルムにより金属層が形成されている場合には、その効果をより一層発揮することができる。
〔第4実施形態〕
図7(a)は、第4実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的断面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第3実施形態のものと相違する点は、潜熱蓄熱材4を多孔質ボード5に含浸させた点であり、以下にこの相違点を説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態の蓄熱パネル1に係る潜熱蓄熱材4は、多孔質ボード5に含浸された状態で、袋体3に封止されている。具体的には、多孔質ボード5の材料は、上述した潜熱蓄熱材4を含浸できるものでれば特に限定されるものではなく、たとえば、パーティクルボード(PB)、木質繊維板(MDF・インシュレーションボード・ハードボードなど)などの木質系ボードを挙げることができ、この他にも、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板などの無機質ボードや、鉱物質がボード状に成形された鉱物質ボードなどを挙げることができる。
図7(b)に示すように、潜熱蓄熱材4は多孔質ボード5に含浸されているので、潜熱蓄熱材4が蓄熱時に溶融したとしても、袋体3内でその形状を保持することができる。これにより、袋体3を介して、多孔質ボード5に含浸された潜熱蓄熱材4を設置面に安定的に接触させることができる。さらに、蓄熱パネル1を取付け後、蓄熱パネル1を使用時に潜熱蓄熱材が溶融したとしても、潜熱蓄熱材4の形状は保持されているので、袋体3を介した潜熱蓄熱材4と設置面Fとの接触状態を維持することができる。
〔第5実施形態〕
図8(a)は、第5実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的断面図であり、図8(b)は、図8(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第4実施形態のものと相違する点は、シート材50をさらに設けた点であり、以下にこの相違点を説明する。
本実施形態では、図8(a)に示すように、潜熱蓄熱材4が袋体3に封止された状態で、潜熱蓄熱材4がパネル基材2の一方側の表面21から突出するように、パネル基材2の他方側の表面22には、可撓性を有したシート材50が貼り付けられている。
より具体的には、シート材50の表面が平面状となるように、パネル基材2の他方側の表面22に、接着剤を介してシート材50が貼り付けられている。なお、袋体3とシート材50は、必ずしも接着剤で貼り付けられていなくてもよい。シート材50が、袋体3に貼り付けられている場合には、蓄熱パネル1を設置後のシート材50の剥がれを防止することができる。一方、シート材50が、袋体3に貼り付けられていない場合には、袋体3と接触するシート材50は、拘束されないので、図8(b)に示すように、シート材50を変形させ易い。
シート材50の材料は、袋体3で例示した材料等を挙げることができる。このような蓄熱パネル1は、図7(a)に示す状態の蓄熱パネル1を準備し、パネル基材2の他方側の表面22に、シート材50を貼り付けることにより、製造することができる。
図8(b)に示すように、パネル基材2の一方側の表面21側から、蓄熱パネル1を設置面Fに設置する際に、潜熱蓄熱材4はパネル基材2の一方側の表面から突出しているので、蓄熱パネル1を設置面Fに設置した状態で、パネル基材2の他方側に表面22のシート材50が変形し、シート材50で、袋体3を設置面に向かって押圧することができる。これにより、袋体3を介して潜熱蓄熱材4を、設置面Fにより均一に接触させることができる。特に、本実施形態では、潜熱蓄熱材4が多孔質ボード5に含浸されているので、多孔質ボード5で設置面Fを均一に接触させ易い。
なお、本実施形態では、多孔質ボード5に潜熱蓄熱材4を含浸させたが、例えば、図4(a)に示す蓄熱パネル1のパネル基材2の他方側の表面22に、潜熱蓄熱材4がパネル基材2の一方側の表面21から突出するように、シート材が貼り付けてもよい。
〔第6実施形態〕
図9(a)は、第6実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的断面図であり、図9(b)は、図9(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第4実施形態のものと相違する点は、潜熱蓄熱材4の形状であり、以下にこの相違点を説明する。
図9(a)に示すように、本実施形態に係る蓄熱パネル1は、袋体3に封止された状態で、パネル基材2の一方側の表面21および他方側の表面22からも突出するように、貫通孔23に収容されている。
これにより、パネル基材2の一方側の表面21および他方側の表面22のうち、いずれの表面の側から、設置面Fに蓄熱パネル1を設置しても、袋体3に封止された状態で潜熱蓄熱材4が、パネル基材2の表面から突出しているので、袋体3を介して潜熱蓄熱材4を、設置面Fに確実に接触させることができる。
なお、本実施形態では、多孔質ボード5に潜熱蓄熱材4を含浸させたが、例えば、図4(a)に示す蓄熱パネル1の如く、多孔質ボード5を用いず、潜熱蓄熱材4のみを封止にして、潜熱蓄熱材4をパネル基材2の一方側の表面21および他方側の表面22から突出させてもよい。
〔第7実施形態〕
図10は、本発明の第7実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的分解斜視図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第1実施形態のものと相違する点は、パネル基材2の貫通孔23と、袋体3に封止された潜熱蓄熱材4との関係であり、以下にこの相違点を説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る蓄熱パネル1では、パネル基材2には、1つの貫通孔23が形成されていたが、図10に示すように本実施形態に係る蓄熱パネル1では、パネル基材2に複数の貫通孔23が形成されている。各貫通孔23に、袋体3内において、区分して収容された潜熱蓄熱材4が配置(収容)されるように、袋体3をパネル基材2に取付けられる。
〔第8実施形態〕
図11(a)は、本発明の第8実施形態に係る蓄熱パネル1の模式的分解斜視図であり、図11(b)は、図11(a)に示す蓄熱パネル1を一方側から視たときに模式的斜視図であり、図11(c)は、図11(a)に示す蓄熱パネル1を他方側から視たときの模式的斜視図である。
図12(a)は、図11(c)のB−B線矢視における模式的断面図であり、図12(b)は、図12(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。図13(a)〜(d)は、図11に示す潜熱蓄熱材4を封止した袋体3の製造方法を説明するための図である。図14(a)〜(d)は、第8実施形態の変形例に係る潜熱蓄熱材4を封止した袋体3の製造方法を説明するための図である。本実施形態に係る蓄熱パネル1が、第1実施形態のものと相違する点は、袋体3の構造と、第4実施形態の如く潜熱蓄熱材4を多孔質ボード5に含浸させた点であり、以下にこの相違点を説明する。
本実施形態では、図11(a)および図11(b)に示すように、袋体3は、第1シート層34および第2シート層35を接合することにより、第1シート層34と第2シート層35との間に潜熱蓄熱材4が封止されている。この点は、第1実施形態と同じである。しかしながら、本実施形態では、図11(c)に示すように、第1シート層34と第2シート層35の接合部33は、袋体3の縁部38にはない。
具体的には、図12(a)および後述する図13(a)〜(d)の袋体3の製造方法からも明らかなように、第1シート層34は、潜熱蓄熱材4を包むように、潜熱蓄熱材4を含浸した多孔質ボード5の表面52に配置されている。第2シート層35は、袋体3に縁部(鍔部)38が形成されるように、第1シート層34のうち多孔質ボード5の表面52に位置する部分34aで、接合されており、本実施形態では、この部分が接合部33となる。なお、第1シート層34と第2シート層35の接合方法は、第1実施形態で例示したとおりである。本実施形態では、第2シート層35の縁部35aは、袋体3の縁部38として、パネル基材2の一方側の表面21に接着剤等により取付けられている。
本実施形態では、潜熱蓄熱材4を多孔質ボード5に含浸させているが、第1実施形態の如く、袋体3に、潜熱蓄熱材4のみを封止してもよい。この場合には、第1シート層34は、潜熱蓄熱材4を包むように潜熱蓄熱材4の表面に配置され、第2シート層35は、第1シート層34のうち潜熱蓄熱材4の表面に位置する部分で、接合されることになる。
このような、袋体3は、以下のようにして製造することができる。まず、図13(a)に示すように、潜熱蓄熱材4を含浸した多孔質ボード5を準備し、第1シート層34の形状に応じた第1シート材34Aを準備する。第1シート材34Aは、多孔質ボード5の一方側の表面51の全体を覆うとともに、その側面53および他方側の表面52の一部を覆うような形状および大きさとなっている。
具体的には、第1シート材34Aには、4つの折り曲げ部34bが形成されており、2つの折り曲げ部34bの両端には、隣接する折り曲げ部34b同士の境界を覆う折り代34cが形成されている。図13(a)〜図13(c)の如く、折り曲げ部34bを順次折り曲げ、折り曲げられた状態の隣接する折り曲げ部34b同士の境界を覆うように、一方の折り曲げ部34bに形成された折り代34cを折り曲げ、これを他方の折り曲げ部34bに接合する。このようにして、多孔質ボード5(潜熱蓄熱材4)を包むように、潜熱蓄熱材4を含浸した多孔質ボード5の他方側の表面52に第1シート層34を配置する。最後に、第2シート層35に相当する矩形状の第2シート材35Aを準備し、接着剤による接着またはホットプレス等により、第1シート層34のうち多孔質ボード5の他方側の表面52に位置する部分34aに、第2シート材35Aを接合する。なお、本実施形態では、折り代34cにより、袋体3における潜熱蓄熱材4の密閉性を高めたが、潜熱蓄熱材4を袋体3に封止(密封)することができるのであれば、その手段は特に限定されるものではない。
また、図14(a)〜(d)に示すように、袋体3を製造してもよい。具体的には、1枚の矩形状(正方形状)の第1シート材34Aを準備し、その中央に、多孔質ボード5を配置する。(図14(a)参照)。次に、第1シート材34Aの対向する両縁部34d、34dを、多孔質ボード5を包むように、折り曲げる(図14(b)参照)。さらに、残りの第1シート材34Aの対向する両縁部34e、34eを、多孔質ボード5を包むように、折り曲げる(図14(c)参照)。最後に、接着剤による接着またはホットプレス等により、第1シート層34のうち多孔質ボード5の他方側の表面52に位置する部分34aに、第2シート材35Aを接合する。
この実施形態では、第1実施形態とは異なり、第1シート層34と第2シート層35とが、接合されている接合部33が、袋体3の縁部38から外れている。このため、図12(b)に示すように、袋体3の縁部38に釘などの固定具7で、設置面Fに固定したとしても、第1シート層34に接合されていない第2シート層35のみかなる縁部38を固定具7が貫通することができる。これにより、第1シート層34と第2シート層35の接合部33に固定具7が接触することがないため、接合部33の接合の信頼性高めることができる。このため、固定具7等により衝撃が作用したとしても、第1シート層34と第2シート層35による潜熱蓄熱材3の封止状態に影響を及ぼし難い。
図15(a)は、第8実施形態の他の変形例に係る蓄熱パネル1を他方側から視たときの模式的斜視図であり、図15(b)は、図15(a)に示す蓄熱パネル1を設置面Fに取付けた状態の断面図である。
この変形例では、図15(a)に示すように、袋体3を構成する第2シート層35のみからなる縁部38に、固定具7による固定用の目印39が形成されている。具体的には、図15(b)に示すように、目印39は、パネル基材2の一方側の表面21から、パネル基材2に固定具7を貫通させることにより、固定具7を介して蓄熱パネル1を設置面Fに固定するための目印である。本実施形態では、目印39は、袋体3の縁部38(第2シート層35)を貫通した貫通孔である。しかしながら、目印39を目視することができるのであれば、インクによる目印、後述する切欠き部などであってもよく、その形態は特に限定されるものではない。
ここで、第2シート層35は、パネル基材2および潜熱蓄熱材4を覆っている(図15(a)参照)ので、固定具7を打ち込む際に、パネル基材2および潜熱蓄熱材4の位置を把握できない。しかしながら、本実施形態では、目印39から固定具7を打ち込めば、パネル基材2に固定具7が到達するので、潜熱蓄熱材4に固定具7が打ち込まれることはない。これにより、袋体3内の潜熱蓄熱材4の封止状態を維持し、固定具7により形成された貫通孔から、潜熱蓄熱材4が漏洩することはない。
図16(a)は、第8実施形態の他の変形例に係る蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図であり、図16(b)は、図16(a)に示す蓄熱パネルを他方側から視たときの模式的斜視図であり、図16(c)は、図16(a)に示す蓄熱パネルを設置面に取付けた状態の図16(b)のC−C線矢視における模式的断面図である。
この変形例では、図16(a)に示すように、パネル基材2の他方側の表面22に、着色等により固定用の目印39が形成されている。具体的には、図16(c)に示すように、固定用の目印39は、パネル基材2の他方側の表面22から、パネル基材2に固定具7を貫通させることにより、固定具7を介して蓄熱パネル1を設置面Fに固定するため目印である。
さらに、本実施形態では、図16(b)に示すように、パネル基材2の厚さ方向に沿った目印39に対応する位置に、第2シート層35に切欠き部35bが形成されている。これにより、目印39は、固定具7が袋体3の縁部38から外れてパネル基材2を貫通する位置に形成されたことになる。
本実施形態では、固定具7を打ち込む際に、固定具7が第2シート層35に接触しないように切欠き部35bを形成したが、第2シート層35の形状および大きさを調整し、袋体3の縁部38から外れた位置であり、かつ、パネル基材2を貫通する位置に目印39を形成することができるのであれば、第2シート層35に切欠き部35bを設けなくてもよい。また、切欠き部35bの代わりに貫通孔を設けてもよい。
この変形例によれば、図16(c)に示すように、目印39に合わせて、固定具7を打ち込めば、固定具7が袋体3の縁部38を貫通することがないので、第1シート層34と第2シート層35との接合部33に、固定具7による衝撃等が作用しない。これにより、第1シート層34と第2シート層35との接合部33の信頼性を高め、潜熱蓄熱材4が漏洩することを回避することができる。また、この変形例では、図15(b)に示すように、パネル基材2の一方側の表面22から、固定具7を打ち込む際には、切欠き部35bを固定用の目印にすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
たとえば、第7実施形態に係る蓄熱パネル1に、例えば、第2〜第6実施形態に示した構造を適用してもよい。また、第8実施形態およびその変形例に係る構成を、第2〜第7実施形態に示した構造に適用してもよい。
1:蓄熱パネル、2:パネル基材、3:袋体、33:接合部、34:第1シート層、35:第2シート層、36:収容部、38:縁部、4:潜熱蓄熱材、5:多孔質ボード、23:貫通孔、40:隙間、50:シート材。

Claims (9)

  1. 厚さ方向に沿って貫通孔が形成されたパネル基材と、
    前記パネル基材に取付けられた袋体と、
    前記袋体に封止された潜熱蓄熱材と、を備え、
    前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記貫通孔に収容されており、
    前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記パネル基材の少なくとも一方側の表面から突出するように、前記貫通孔に収容されていることを特徴とする蓄熱パネル。
  2. 前記パネル基材の一方側の表面に、前記袋体の縁部が取付けられていることを特徴とする請求項に記載の蓄熱パネル。
  3. 前記袋体は、第1シート層および第2シート層を接合することにより、前記第1シート層と前記第2シート層との間に前記潜熱蓄熱材が封止されており、
    前記第1シート層は、前記潜熱蓄熱材を包むように前記潜熱蓄熱材の表面に配置されており、
    前記第2シート層は、前記第1シート層のうち前記潜熱蓄熱材の表面に位置する部分で、前記第1シート層に接合されおり、
    前記第2シート層の縁部が、前記袋体の縁部として、前記パネル基材の一方側の表面に取付けられていることを特徴とする請求項に記載の蓄熱パネル。
  4. 前記袋体の縁部には、前記パネル基材の一方側の表面から、前記パネル基材に固定具を貫通させることにより、前記固定具を介して前記蓄熱パネルを設置面に固定するため固定用の目印が形成されていることを特徴とする請求項またはに記載の蓄熱パネル。
  5. 前記パネル基材の他方側の表面には、前記パネル基材の他方側の表面から、前記パネル基材に固定具を貫通させることにより、前記固定具を介して前記蓄熱パネルを設置面に固定するため固定用の目印が形成されており、前記目印は、前記固定具が前記袋体の前記縁部から外れて前記パネル基材を貫通する位置に形成されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の蓄熱パネル。
  6. 前記袋体に封止された状態で、前記潜熱蓄熱材が前記パネル基材の一方側の表面から突出するように、前記パネル基材の他方側の表面には、可撓性を有したシート材が貼り付けられていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の蓄熱パネル。
  7. 前記潜熱蓄熱材は、前記袋体に封止された状態で、前記パネル基材の他方側の表面からも突出するように、前記貫通孔に収容されていることを特徴とする請求項またはに記載の蓄熱パネル。
  8. 前記袋体に封止された状態の潜熱蓄熱材が、前記パネル基材の厚さ方向に移動可能なように、前記貫通孔を形成する壁面と、前記袋体の前記潜熱蓄熱材が収容された収容部との間には、隙間が形成されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の蓄熱パネル。
  9. 前記潜熱蓄熱材は、多孔質ボードに含浸された状態で、前記袋体に封止されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の蓄熱パネル。
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