JP6826374B2 - 蓄熱体を備えた複合建材及びその製造方法 - Google Patents

蓄熱体を備えた複合建材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、潜熱蓄熱材を利用した蓄熱材を備えた複合建材及びその製造方法に関する。
近年、環境性の観点から、壁材、床材、天井材、屋根材等の建材の技術分野において、室内暖房時に発生する熱エネルギーや、日射光等の自然エネルギーをより有効に活用するための研究開発が盛んであり、これらの研究開発に基づいた省エネ及びエコ対策が講じられている。
具体的には、壁(内壁、外壁)、床、天井、屋根等の建物の部分に、蓄熱材を用いた蓄熱体を設置する技術が開発されている。ここで蓄熱材として、融点(相変化温度)以上の温度で蓄熱することができる潜熱蓄熱材が注目されており、潜熱蓄熱材を利用したさまざまな蓄熱体が提案されている。
このような技術として、例えば特許文献1には、所定密度のエチレン−αオレフィンン共重合体と結晶性有機化合物(潜熱蓄熱材)との溶融混合物を多孔質材料に含浸させた蓄熱体が開示されている。この蓄熱体では、潜熱蓄熱材が、エチレン−αオレフィンン共重合体とともに多孔質材料に含浸されているので、多孔質材料からの潜熱蓄熱材の染み出しが防止される。
一方、2以上の建材を用いて壁(内壁、外壁)、床、天井、屋根等を形成する場合、通常は各建材を設置する工程を順に行う必要があり、作業が複雑である。そこで、作業を簡略化するために、複数の建材を予め一体化しておき、現場での施工時の作業を簡略化する技術が開発されている。例えば、特許文献2には、平板状のパネル本体と、化粧板とが一体に備えられた化粧板付パネルが開示されている。また、特許文献3には、表面材と、真空断熱材と、断熱層と、被覆シートとを組み合わせた建材パネルが開示されている。
特開平5−1281号公報 特開2007−262889号公報 特開2015−196955号公報
特許文献1では、潜熱蓄熱材を多孔質材料に含浸させることにより潜熱蓄熱材の染み出しを防止することが提案されているが、潜熱蓄熱材が溶融した場合には潜熱蓄熱材の染み出しを完全には防ぐことができない。そこで対策として、潜熱蓄熱材を、被覆材で被覆して、潜熱蓄熱材の染み出しを防止することが考えられる。
しかし、このような対策を講じたとしても、釘等の固定具で蓄熱体を設置面に固定する際には、固定具が被覆材を貫通する恐れがある。固定具が蓄熱体の被覆材を貫通すると、貫通により形成された貫通孔から、潜熱蓄熱材が漏えい又は揮発して、蓄熱体の蓄熱性能が低下する可能性がある。
一方、蓄熱体を壁(内壁、外壁)、床、天井、屋根等の建物の部分に設置する場合、設置部に蓄熱体を固定する工程と、蓄熱体を覆うように石膏ボード等の建築用板材を固定する工程とを現場で順に行う必要がある。この作業は上記の通り複雑であり効率が良くない。
しかも、蓄熱体の蓄熱性能を有効に利用するためには、蓄熱体と、建築用板材との間の空気の層を小さくすることが望ましいが、施工現場において、蓄熱体を建築用板材により覆うように設置する方法では、蓄熱体と建築用板材との間に空気層が入り込み易いと考えられる。
そこで本発明は、固定具で設置部に固定した場合でも潜熱蓄熱材の漏えい又は揮発により蓄熱性能が低下することを防止することができ、且つ、施工現場での施工性に優れた、蓄熱体を備えた建材を提供することを解決すべき課題とする。
前記課題に鑑みて開発された本発明の複合建材は、
潜熱蓄熱材を含有する潜熱蓄熱材含有部材と、該潜熱蓄熱材含有部材を被覆する被覆材とを備える、板状の蓄熱体、及び、
建築用板材
を備え、
前記蓄熱体の平面視での外郭は、前記建築用板材の平面視での外郭に内包される形状であり
前記蓄熱体と前記建築用板材とが、前記建築用板材の一方の面のうち、一部の領域である第1領域が、前記蓄熱体の一方の面と接するように前記蓄熱体により覆われ、残りの領域である第2領域が、前記蓄熱体に覆われないように、一体化されていることを特徴とする。
本発明の複合建材によれば、蓄熱体と建築用板材とが一体化されているため、蓄熱体の固定と建築用板材の固定とをそれぞれ別々に行う必要がなく一度の施工により固定することができ施工性が良い。
また、本発明では、建築用板材の一方の面のうち第1領域と蓄熱体の一方の面とが接するように配置する(すなわち、両者の間に空気層が実質的に含まれないように配置する)ことにより、蓄熱体と建築用板材との間の熱伝導にロスが生じにくい。このため、蓄熱体と建築用板材とを別々に用意し施工する場合よりも、蓄熱体の機能を効率よく発揮させることが容易である。
更に、潜熱蓄熱材の流出を阻止するための被覆材により被覆されている構成の蓄熱体は釘等の固定具による設置部への固定時に固定具により損傷すると蓄熱性能が損なわれることがあるが、本発明によれば、建築用板材の一方の面に、蓄熱体が重ねられていない第2領域を設けておくことで、第2領域を通じて固定具による固定が可能である。
更に本発明の複合建材では、建築用板材の周縁の、蓄熱材と重ねられていない部分は必要に応じて適宜カットすることが可能である。このため本発明の複合建材は、施工時に、建築用板材の周縁の部分をカットして寸法調節することが容易である。
本発明の好ましい態様では、前記建築用板材が石膏ボードである。
この態様によれば、木材と比較して熱伝導性が良い石膏ボードを用いることにより、蓄熱体の機能を効率よく発揮させることができる。この態様に係る、石膏ボードと蓄熱体を一体化した複合建材は、室内の壁を構築するために有用である。
本発明の別の好ましい態様では、前記建築用板材の他方の面のうち、前記建築用板材の厚さ方向に前記蓄熱体を投影したときに前記蓄熱体と重ならない位置に、前記複合建材を設置部に固定するための固定用目印が設けられている。
この態様のように、固定用目印を、建築用板材の、蓄熱体が配置されていない側の面上の、蓄熱体と重ならない位置に設けることで、建築用板材の、蓄熱体が配置されていない面の側から、蓄熱体を損傷させることなく、釘等の固定具により固定することが可能である。また、蓄熱体を固定具により損傷させる心配がないため、この態様による複合建材は素早く固定作業を行うことができ、施工性が高い。
この態様では、更に好ましくは、前記固定用目印が、前記建築用板材の前記他方の面のうち、前記建築用板材の厚さ方向に前記蓄熱体を投影したときに前記蓄熱体の外縁から間隔を空けて離れた位置に設けられている。
この態様では、固定用目印を、建築用板材の、蓄熱体が配置されていない側の面上の、蓄熱体から離れた位置に設けることで、該固定用目印を通じて、釘等の固定具が斜めに打たれた場合であっても、蓄熱体に固定具が到達して蓄熱体が損傷する可能性が低減される。
本発明はまた、前記複合建材の製造方法において、
前記蓄熱体と前記建築用板材とを、前記建築用板材の一方の面のうち、一部の領域である第1領域が、前記蓄熱体の一方の面と接するように前記蓄熱体により覆われ、残りの領域である第2領域が、前記蓄熱体に覆われないように、重ね合わせ一体化する一体化工程
を含むことを特徴とする。
本発明の方法によれば、上記の有利な効果を有する複合建材を、簡便な工程で製造することがきできる。
本発明の方法の好ましい態様では、
前記建築用板材の、前記一方の面に、前記第1領域が目視で識別可能な識別用目印が設けられ、
前記一体化工程において、前記識別用目印を指標として前記建築用板材の前記第1領域に前記蓄熱体を重ね合わせることを特徴とする。
本発明の方法のこの態様によれば、前記識別用目印が設けられた建築用板材を使用することで、蓄熱体の取り付け位置が把握しやすい。このため本発明の複合建材の製造効率が高まる。
本発明の複合建材によれば、蓄熱体と建築用板材とが一体化されているため、蓄熱体の固定と建築用板材の固定とをそれぞれ別々に行う必要がなく一度の施工により固定することが可能であり施工性が良い。本発明の複合建材は、釘等の固定具により固定する際に、蓄熱体が固定具により損傷する可能性が低く、蓄熱体の蓄熱性能の低下が生じ難い。
本発明の方法によれば、前記複合建材を簡便な工程で製造することができる。
本発明の一実施形態に係る複合建材の模式的斜視図である。 図1に示す複合建材の、A−A’線矢視断面図である。 図1に示す複合建材の、模式的分解斜視図である。 図1に示す複合建材の、建築用板材の側から見た模式的平面図である。 図1に示す複合建材を壁材として柱間に取り付ける方法を説明するための模式的斜視図である。 図2に示す複合建材を柱間に取り付けた状態の模式的断面図である。 図1に示す複合建材の製造に用いるための建築用板材の、蓄熱体が設置される側の表面の一実施形態を説明する模式的平面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る複合建材及びその製造方法を図1〜7を参照して説明する。ただし本発明の範囲は図示する実施形態に限定されるものではない。
図1〜3に示す通り、本実施形態に係る複合建材1は、板状の蓄熱体10と、建築用板材20とを少なくとも備え、更に枠体30を備える。枠体30は、枠体第1部材30A、枠体第2部材30B、枠体第3部材30C、枠体第4部材30D、枠体第5部材30Eにより構成される。
本実施形態に係る複合建材1は壁(内壁、外壁)、床、天井、屋根等の建物の部分を構成する。建材として単独で又は他の建材と組み合わせて使用することで、この部分に蓄熱性を付与するものである。本実施形態では、複合建材1は、全体として板状の形状をしており、図1に示す複合建材1は平面視において長方形状であるが、以下に示す特徴を備えている限り、平面視において正方形状、円形状、楕円形状、多角形状等、その形状は特に限定されるものではない。以下に、各構成について具体的に説明する。
<蓄熱体>
本実施形態において、板状の蓄熱体10は、潜熱蓄熱材含有部材11と、潜熱蓄熱材含有部材11を被覆する被覆材12とを備える。
潜熱蓄熱材含有部材11は後述する潜熱蓄熱材を含むものであればよく、潜熱蓄熱材のみからなるものでもよいし、多孔質基材に含浸された状態の潜熱蓄熱材であってもよいが、好ましくは、多孔質基材に含浸された状態の潜熱蓄熱材である。
潜熱蓄熱材は、例えば、室内の暖房、日光による熱などで固相から液相に相変化する潜熱蓄熱材であり、好ましくは相変化温度(融点)は5℃〜60℃の範囲にあり、より好ましくは15℃以上であり、より好ましくは18℃以上であり、より好ましくは35℃以下であり、より好ましくは28℃以下であり、より好ましくは15℃〜35℃の範囲にあり、より好ましくは18℃〜28℃の範囲にある。本明細書において相変化温度及び融点は1atmでの値を指す。相変化温度は相転移温度ともいう。
潜熱蓄熱材としては、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、及びn−ノナデカンからなる群から選択される少なくとも1種(2種以上の混合物であってもよい)等で構成される又は前記少なくとも1種を含む、典型的には炭素数16〜24の範囲内の炭素数を有する、n−パラフィンやパラフィンワックス等の飽和脂肪族炭化水素(好ましくは直鎖飽和脂肪族炭化水素);1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、及び1−エイコセン等からなる群から選択される少なくとも1種(2種以上の混合物であってもよい)等で構成される又は前記少なくとも1種を含む、典型的には炭素数16〜26の範囲内(好ましくは24以下)の炭素数を有する、α−オレフィン(好ましくは直鎖α−オレフィン)等の一価又は多価不飽和脂肪族炭化水素(好ましくは直鎖状の一価又は多価不飽和脂肪族炭化水素);オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、及びミリスチン酸からなる群から選択される少なくとも1種(2種以上の混合物であってもよい)等で構成される又は前記少なくとも1種を含む、典型的には炭素数6〜24、好ましくは炭素数8〜14の範囲内の炭素数を有する、中鎖又は長鎖脂肪酸;上記脂肪酸のエステル;ポリエチレングリコール(例えば分子量500〜1000)等のポリエーテル化合物;硫酸ナトリウム水和物、塩化カルシウム水和物、硫酸ナトリウム10水和物等の無機塩等を挙げることができる。好ましくは、潜熱蓄熱材は、前記飽和脂肪族炭化水素、前記一価又は多価不飽和脂肪族炭化水素、前記中鎖又は長鎖脂肪酸、前記脂肪酸のエステル及び前記ポリエーテル化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の混合物である。
また、上記以外に、潜熱蓄熱材含有部材11に含まれる潜熱蓄熱材は、相変化温度以上でゲル状となる潜熱蓄熱材であってもよい。相変化温度以上で固形状からゲル状となるので、相変化温度以上になったとしても潜熱蓄熱材の形状を容易に保持することができる。このような潜熱蓄熱材としては例えば三菱電線工業株式会社製の潜熱蓄熱材MHSRシリーズなどを挙げることができる。
更に、出願人が既に出願した国際公開2015/174523に開示されるように、潜熱蓄熱材と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとを含む蓄熱材組成物が、潜熱蓄熱材含有部材11に含まれてもよい。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、及びスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)からなる群から選択される少なくとも1種(2種以上の混合物であってもよい)等を挙げることができる。
潜熱蓄熱材含有部材11に用いることができる多孔質基材としては、潜熱蓄熱材を含浸し保持することができる微細な空隙を有する材料からなるものでああれば、その材料は限定されない。
多孔質基材の材料としては、例えば、パーティクルボード、木質繊維板(MDF、インシュレーションボード、ハードボード等)等の木質系ボードを挙げることができる。この他にも、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の無機質ボード;鉱物質がボード状に成形された鉱物質ボード;グラスウール、カーボンファイバー、金属繊維などの無機繊維を集積したボードなどを挙げることができる。
潜熱蓄熱材含有部材11は板状の形状であればよく、その厚さは特に限定されないが、通常は3〜30mmであり、好ましくは5〜20mmである。潜熱蓄熱材含有部材11が多孔質基材に含浸された潜熱蓄熱材を含む態様では、潜熱蓄熱材が多孔質基材の厚さ方向の全体に亘って含浸されていることが好ましいが、これには限定されず、多孔質基材のうち表層部分のみに潜熱蓄熱材が含浸されてもよい。
蓄熱体10において、被覆材12は、潜熱蓄熱材含有部材11を被覆することで、溶融した潜熱蓄熱材の漏えい又は揮発を阻止する役割を果たす。被覆材12の材料は、潜熱蓄熱材よりも融点が高く、潜熱蓄熱材が透過しない素材であれば特に限定されるものではない。例えば、被覆材12の材料として、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂や、アルミニウム等の金属や、これらの材料を組み合わせた材料が挙げられる。より具体的には、被覆材12は、前記熱可塑性樹脂を含む1以上の層を含むシート又はフィルムや、前記金属を含む1以上の層を含むシート又はフィルムや、前記熱可塑性樹脂を含む1以上の層と、前記金属を含む1以上の層とを含むシート又はフィルム等を挙げることができる。
潜熱蓄熱材含有部材11を被覆材12により被覆する態様は特に限定されないが、例えば、被覆材12が前記シート又はフィルムである場合、被覆材12により潜熱蓄熱材含有部材11を包装して被覆することが可能である。この態様では被覆材12は、潜熱蓄熱材含有部材11からの潜熱蓄熱材の漏えい又は揮発が阻止できるように潜熱蓄熱材含有部材11を密封するように包装する。より具体的には、一対の、シート又はフィルム状の被覆材12により潜熱蓄熱材含有部材11を挟み、一対のシート又はフィルム状の被覆材12間で外周縁を融着させて封止することが好ましい。この態様では、板状の蓄熱体10の外周縁には被覆材12のシート又はフィルムが融着された融着部(図示しない)が形成されることが通常である。融着部は必要に応じ折り畳んでもよい。
また、被覆材12は、前記材料又はその前駆体を溶媒中に含む塗料、又は、前記材料又はその前駆体を含む溶融液を、潜熱蓄熱材含有部材11の表面に塗布して(必要に応じ乾燥、硬化等の処理経て)形成されたコーティング層であってもよい。
蓄熱材10において潜熱蓄熱材の蓄熱性能を高めるためには、潜熱蓄熱材含有部材11と被覆材12との間に空気の層ができるだけ形成されないように潜熱蓄熱材含有部材11を被覆材12により被覆することが好ましい。
蓄熱体10は板状の形状であればよく、その厚さは特に限定されないが、通常は3〜30mmであり、好ましくは5〜20mmである。
<建築用板材>
本実施形態において建築用板材20は、壁(内壁、外壁)、床、天井、屋根等の建物の部分を構成する板材であればよく、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の無機質ボード;鉱物質がボード状に成形された鉱物質ボード;グラスウール、カーボンファイバー、金属繊維などの無機繊維を集積したボード;パーティクルボード、木質繊維板(MDF、インシュレーションボード、ハードボード等)等の木質系ボードを挙げることができ、特に好ましくは石膏ボードである。石膏ボードは熱伝導率が比較的高いため、石膏ボードを用いることにより、蓄熱体の機能を効率よく発揮させることができる。石膏ボード20と蓄熱体10を一体化した複合建材1は、室内の壁を構築するために有用である。
建築用板材20の厚さは特に限定されないが、通常は3〜30mmであり、好ましくは5〜20mmである。
<複合建材>
図1〜4を参照して本実施形態の複合建材1の特徴について説明する。
本実施形態の複合建材1において、蓄熱体10と建築用板材20とはともに板状であり、蓄熱体10の平面視での外郭は、建築用板材20の平面視での外郭に内包される形状である。そして、蓄熱体10と建築用板材20とが、建築用板材20の一方の面21のうち、一部の領域である第1領域21aが、蓄熱体10の一方の面10aと接するように蓄熱体10により覆われ、残りの領域である第2領域21bが、蓄熱体10に覆われないように、一体化されている。
ここで建築用板材20の一方の面21の第1領域21aが、蓄熱体10の一方の面10aと「接する」とは、建築用板材20の一方の面21の第1領域21aと、蓄熱体10の一方の面10aとが、その間に空気の層が実質的に含まれないように接触することを指す。この構成により、蓄熱体10と建築用板材20との間の熱伝導にロスが生じにくく、蓄熱体10と建築用板材20とを別々に用意し順に施工する場合よりも、蓄熱体10の機能を効率よく発揮させることが容易である。なお、建築用板材20の一方の面21の第1領域21aと蓄熱体10の一方の面10aとは他の層を介さずに直接接触していてもよいし、必要に応じて他の層(例えば接着剤の層)を介して接触していてもよい。
本実施形態において、建築用板材20の一方の面21の第1領域21aと蓄熱体10の一方の面10aとが接するように、建築用板材20に蓄熱体10を配置して固定する手段は特に限定されない。例えば、建築用板材20の一方の面21の第1領域21aと蓄熱体10の一方の面10aとの間に適切な接着剤を配して建築用板材20に蓄熱体10を固定することができる。
本実施形態の複合建材1では、蓄熱体10が、建築用板材20の一方の面21のうち、第1領域21aのみを覆い、第2領域21bを覆わないように一体化されている。この構成により、建築用板材20の、蓄熱体10と重ね合わせられていない部分(一方の表面が、第2領域21bである部分)は、固定具を貫通させることができるため、本実施形態の複合建材1は設置部への固定具による固定が容易である。
本実施形態の複合建材1の好ましい態様では、図示するように、第2領域21bは、建築用板材20の一方の面21の周縁部を含む。この態様では、建築用板材20の、蓄熱体10と重ね合わせられていない部分(一方の表面が、第2領域21bである部分)は、必要に応じて適宜カットすることが可能である。このため本態様の複合建材1は、施工時に、建築用板材20の周縁の部分をカットして寸法調節することが容易である。
本実施形態の複合建材1が備える蓄熱体10の数は1以上であればよく、図示するように2又は3以上であってもよい。
本実施形態の複合建材1の図示する態様では、建築用板材20の一方の面21のうち第2領域21b上に枠体30が配置されている。枠体30は本発明における必須の構成ではないが、複合建材1の強度を高める機能や、複合建材1の固定具による設置部61aへの固定を容易にする機能を果たす。枠体30を構成する、枠体第1部材30A、枠体第2部材30B、枠体第3部材30C、枠体第4部材30D、枠体第5部材30Eは木材により構成することができる。
図4には、本実施形態の複合建材1の、蓄熱体10が配置されていない側、すなわち建築用板材20の他方の面22の側、からの平面図を示す。建築用板材20の他方の面22のうち、建築用板材20の厚さ方向に蓄熱体10を投影したときに蓄熱体10と重なる位置、すなわち前記第1領域21aの裏側の位置を符号22aで示し、蓄熱体10と重ならない位置、すなわち前記第2領域21bの裏側の位置を符号22bで示す。本実施形態では、建築用板材20の他方の面22のうち、蓄熱体10を、建築用板材20の厚さ方向に投影したときに蓄熱体10と重ならない位置22bに、複合建材1を後述する設置部61aに固定するための固定用目印23が設けられている。固定用目印23を位置22bに設けることで、複合建材1を、建築用板材20の蓄熱体10が配置されていない面22の側から、蓄熱体10を損傷させることなく、後述する固定具50により設置部61aへ固定することが可能である。また、蓄熱体10を固定具50により損傷させる心配がないため、この態様による複合建材1は素早く固定作業を行うことができ、施工性が高い。
本実施形態の複合建材1の図示する態様では固定用目印23は、建築用板材20の他方の面22を部分的に着色して形成されるが、これには限定されず、固定具を貫通させる位置を示すものであればよい。例えば、建築用板材20の他方の面22に形成された凹部や、建築用板材20を貫通する、固定具を挿入するための貫通孔を、固定用目印23とすることができる。
本実施形態の複合建材1において固定用目印23は、図4に示すように、建築用板材20の他方の面22のうち、建築用板材20の厚さ方向に蓄熱体10を投影したときに、蓄熱体10の外縁10bから間隔Dを空けて離れた位置に設けられていることが好ましい。この態様によれば、固定具50が固定用目印23を通じて建築用板材20に斜めに打たれた場合であっても、蓄熱体10に固定具50が到達して蓄熱体10が損傷する可能性が低減される。
<設置部への固定方法>
図5は、図1〜4に示す複合建材1を、壁材として、柱61,61及び間柱62に取り付けた状態の模式的斜視図であり、図6は、同状態の模式的断面図である。
図5,6に示すように、複合建材1は、柱61,61及び間柱62の設置部61aに、釘、ネジ等の固定具50を用いて固定される。具体的には、複合建材1を、建築用板材20の一方の面21の第2領域21bと設置部61aとが対向するように(図示するように枠体30が存在する場合には、第2領域21bと設置部61aとが枠体30を介して対向するように)配置する。そして、複合建材1の建築用板材20の側から、固定用目印23を通じて、固定具50の先端を、建築用板材20及び枠体30(枠体第2部材30B、枠体第3部材30C又は枠体第4部材30D)に順次貫通させて、柱61,61又は間柱62に埋設させる。こうして、複合建材1は、柱61,61及び間柱62の設置部61aに固定される。
本実施形態によれば、複合建材1の蓄熱体10の潜熱蓄熱材含有部材11が潜熱蓄熱材を含んでいるため、複合建材1に入熱される熱を潜熱蓄熱材で蓄熱し、これを放熱することができる。
固定用目印23の位置から固定具50を建築用板材20に貫通させることで、貫通時に固定具50が蓄熱体10を損傷することを回避することができる。
<複合建材の製造方法>
本実施形態の複合建材1は、
蓄熱体10と建築用板材20とを、建築用板材20の一方の面21のうち第1領域21aが、蓄熱体10の一方の面10aと接するように蓄熱体10により覆われ、残りの領域である第2領域21bが、蓄熱体10に覆われないように、重ね合わせ一体化する一体化工程を含む方法により製造することができる。
前記一体化工程において、蓄熱体10と建築用板材20とを一体化する方法は特に限定されない。例えば、蓄熱体10の一方の面10aと、建築用板材20の一方の面21のうち第1領域21aとの間に接着剤を配置した状態で蓄熱体10と建築用板材20とを重ね合わせて接着し、一体化することができる。
前記一体化工程では、蓄熱体10の一方の面10aと、建築用板材20の一方の面21の第1領域21aとの間に空気の層ができるだけ形成されないように、蓄熱体10と建築用板材20とを一体化することが好ましい。
この方法によれば、上記の特徴を有する本実施形態の複合建材1を、簡便な工程により製造することがきできる。
前記一体化工程では、より好ましくは、図7に示すように、前記建築用板材20として、前記一方の面21に、第1領域21aが目視で識別可能な識別用目印70が設けられたものを用いる。図示する態様では、識別用目印70は、第1領域21aの外周縁を示すように描画された着色された枠状の図形であるが、これには限定されない。識別用目印70が設けられた建築用板材20を使用することで、蓄熱体10の取り付け位置が把握しやすい。このため前記一体化工程において、識別用目印70を指標として、建築用板材20の第1領域21aに蓄熱体10を重ね合わせることが容易である。
1:複合建材、10:蓄熱体、10a:蓄熱体10の一方の面、10b:蓄熱体10の外縁、11:潜熱蓄熱材含有部材、12:被覆材、20:建築用板材、21:建築用板材の一方の面、21a:第1領域、21b:第2領域、22:建築用板材の他方の面、23:固定用目印、30:枠体、61a:設置部、70:識別用目印、D:間隔

Claims (5)

  1. 多孔質基材に含浸された潜熱蓄熱材を含有する潜熱蓄熱材含有部材と、該潜熱蓄熱材含有部材を被覆する被覆材とを備える、板状の蓄熱体、及び、
    石膏ボードである建築用板材
    を備え、
    前記蓄熱体の平面視での外郭は、前記建築用板材の平面視での外郭に内包される形状であり
    前記蓄熱体と前記建築用板材とが、前記建築用板材の一方の平坦な面のうち、一部の領域である第1領域が、前記蓄熱体の一方の面と接するように前記蓄熱体により覆われ、残りの領域である第2領域が、前記蓄熱体に覆われないように、接着剤により接着され一体化されていることを特徴とする、複合建材。
  2. 前記建築用板材の他方の面のうち、前記建築用板材の厚さ方向に前記蓄熱体を投影したときに前記蓄熱体と重ならない位置に、前記複合建材を設置部に固定するための固定用目印が設けられている、請求項1に記載の複合建材。
  3. 前記固定用目印が、前記建築用板材の前記他方の面のうち、前記建築用板材の厚さ方向に前記蓄熱体を投影したときに前記蓄熱体の外縁から間隔を空けて離れた位置に設けられている、請求項2に記載の複合建材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合建材の製造方法であって、
    前記蓄熱体と前記建築用板材とを、前記建築用板材の一方の平坦な面のうち、一部の領域である第1領域が、前記蓄熱体の一方の面と接するように前記蓄熱体により覆われ、残りの領域である第2領域が、前記蓄熱体に覆われないように、接着剤を間に配置した状態で重ね合わせ一体化する一体化工程を含む方法。
  5. 前記建築用板材の、前記一方の平坦な面に、前記第1領域が目視で識別可能な識別用目印が設けられ、
    前記一体化工程において、前記識別用目印を指標として前記建築用板材の前記第1領域に前記蓄熱体を重ね合わせる、
    請求項4に記載の方法。
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