JP2015036768A - 駆動力伝達装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、上記軸継手部材の割れなどの破損は被駆動側でも発生するおそれがある。つまり、被駆動側の軸継手部材と回転軸との接続部を前述の駆動側と同様に構成し、上記連結時に被駆動側の軸継手部材の当接部が連結対象の駆動側の軸継手部材から予期しない力を受け、被駆動軸に対して被駆動側の軸継手部材が傾いたときにも、その被駆動側の軸継手部材に割れなどの破損が発生するおそれがある。
また、上記軸継手部材の割れなどの破損は、上記連結状態にある1対の軸継手部材を互いに遠ざけるように連結を解除するときにも発生するおそれがある。すなわち、駆動側の軸継手部材の当接部が被駆動側の軸継手部材の当接部に当接した状態で連結を解除しようとするとき、両者の当接部の接触摩擦により、駆動軸に対して駆動側の軸継手部材が傾く場合がある。駆動側の軸継手部材が傾くと、駆動軸の外周面と軸継手部材の内周面との接触面積が増加し、その軸継手部材に予期しない力が加わって軸継手部材の割れなどの破損が発生するおそれがある。同様に、被駆動側の軸継手部材についても連結の解除時に割れなどの破損が発生するおそれがある。
図1は、本発明を適用可能な電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図1において、タンデム型中間転写式の画像形成装置の本体100は、記録材である用紙を収容して供給する記録材供給手段としての給紙部(給紙テーブル)200上に載せられている。図中の符号の添え字Y、M、C、Kはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(黒)の各色をそれぞれ示す。
図3(a)は、図2の駆動力伝達装置のEリングを取り除いた状態を示す部分斜視図であり、図3(b)は、同駆動力伝達装置の駆動側の駆動軸及び軸継手部材の拡大断面図である。
図2において、駆動側の回転軸としての駆動軸40の同軸上に駆動回転部材としての駆動ギヤ34が取り付けられている。この駆動ギヤ34が受けた回転駆動力は、駆動軸40と一体となるように駆動軸40の被駆動側の端部に支持されている駆動側の軸継手部材(第1の軸継手部材)としての駆動ジョイント36に伝わる。駆動ジョイント36は、駆動軸40のスラスト方向に移動可能に構成され、図示しない付勢手段としてスプリングにより被駆動側(図中の右手前側)に付勢されている。また、抜け止め部材としてのEリング38により、駆動ジョイント36が駆動軸40の被駆動側の端部に位置決めされるとともに、駆動軸40のスラスト方向手前側へ抜けないようになっている。つまり、Eリング38は、駆動ジョイント36の抜けを防止する抜け止め手段としても機能する。
なお、本実施形態では、上記軸部40’及び孔部36’それぞれの断面の角丸長方形状が上記第1の形状(小判形状)の場合について説明するが、本発明は、当該断面の角丸長方形状が上記第2の形状、上記第3の形状又は上記第4の形状の場合にも適用できる。
図5は、図4の駆動力伝達装置のEリングを取り除いた状態を示す部分斜視図である。
図6は、本実施形態に係る駆動力伝達装置における駆動軸まわりを拡大して示す部分正面図である。
図8(a)は、本実施形態に係る駆動力伝達装置における駆動軸及び駆動ジョイントの正面図である。図8(b)は、図8(a)における駆動軸の中心軸線を含む断面J−Jを矢印方向から見た断面図である。図8(c)は、図8(a)における駆動軸の中心軸線を含む断面K−Kを矢印方向から見た断面図である。
図7及び図8において、駆動ジョイント36が駆動軸40の中心軸線に沿ったスラスト方向の外力87a、87bを受けた場合、駆動ジョイント36は外力を受けた方向に沿ってスライドする。
図9において、駆動軸40の角丸長方形状の軸部40’の外周面は、断面が円弧状の円弧形状部40rと断面が直線状の直線形状部40sとを有する。駆動ジョイント36の孔部36’は、断面が円弧状の円弧形状部36rと、断面が直線状の直線形状部36sとを有する。前述したように、駆動軸40の円弧形状部40rは駆動ジョイント36の円弧形状部36rと接触し、駆動軸40の直線形状部40sは駆動ジョイント36の直線形状部36sと接触する。ここで、駆動ジョイント36の駆動爪部39b、39aにて受け止めた外力により駆動ジョイント36と駆動軸40の嵌め合いの遊び(ガタ)の範囲内で駆動ジョイント36が駆動軸40に対して傾斜する場合がある。この場合には、駆動ジョイント36の円弧形状部36rと駆動軸40の円弧形状部40rとの間で接触点が発生する。この接触点の位置は、駆動爪部39a、39bがスラスト力を受ける大きさや位置や方向によって異なる。
図10及び図11において、スプリング35は、ベアリング37aと駆動ジョイント36の間に圧縮された状態で挟まれるように装着され、次のような機能を発揮する。すなわち、被駆動側の軸継手部材である被駆動ジョイントの先端が駆動ジョイント36の駆動爪部39a、39bに接触し、被駆動ジョイント側からの外力により駆動ジョイント36が駆動軸40の中心軸線に沿って駆動ギヤ34に向かう方向に移動する場合がある。このような場合に、スプリング35は、上記被駆動ジョイント側からの外力に対する反力を発生させ、駆動ジョイント36を被駆動ジョイント側に押し戻すために必要なものである。
駆動軸40の円弧形状部40rは、駆動ジョイント36の円周面部36rと接触し、駆動軸40の直線形状部40sは、駆動ジョイント36の直線形状部36sと接触する。ここで、駆動ジョイント36の駆動爪部39b、39aにて受け止めた外力により駆動ジョイント36が駆動ジョイント36と駆動軸40の嵌め合いの遊び(ガタ)の範囲内で傾斜する場合がある。この場合に、駆動ジョイント36の円弧形状部36rと駆動軸40の円弧形状部40rとの間で接触点が発生する。接触点の位置は駆動爪部39a、39bがスラスト力を受ける大きさや位置や方向によって異なる。
図16の比較例において、スラスト外力87a、87bを受けた場合、駆動ジョイント36は外力を受けた方向に沿ってスライドする。駆動軸40の直線形状部40sの半径方向外側に駆動爪部39a、39bを各々配置するように構成されている。この比較例の構成では、駆動爪部39a、39bの先端で受けたスラスト力により駆動軸40に対して駆動ジョイント36が傾斜した場合、駆動ジョイント36の円弧形状部36rと駆動軸40の直線形状部40sとが接触することとなる。ここで、駆動爪部39b、39aにて受け止めた外力により駆動ジョイント36と駆動軸40の嵌め合いの遊び(ガタ)の範囲内で駆動ジョイント36が傾斜する場合がある。この場合に、駆動ジョイント36の直線形状部36sと駆動軸40の直線形状部40sとの間で線状の接触部(接触線)が発生する。この接触線にかかる力の大きさ及びその力の分布は駆動爪部39a、39bが受けるスラスト力の大きさや位置や方向によって異なる。
図17において、駆動ジョイント36に対する被駆動ジョイント136の回転方向の位相は、被駆動ジョイント136の被駆動爪部139a、139bの先端が駆動ジョイント36の駆動爪部39a、39bの先端に対応して当接する位相になっている。このように駆動ジョイント36及び被駆動ジョイント136の爪部先端同士が衝突すると、図示しないスプリング35の反力に抗して、駆動ジョイント36がスラストギヤ方向87に移動する。但し、駆動軸40の直線形状部40sと駆動ジョイント36の直線形状部36sとの対応関係及び駆動軸40の円弧形状部40rと駆動ジョイント36の円弧形状部36rとの対応関係が、前述の図14に示す本実施形態の場合と90度異なっている。そのため、駆動ジョイント36がスラストギヤ方向87に移動する際の駆動軸40と駆動ジョイント36との接触抵抗が、図14の場合と比較して大きくなる。そればかりでなく、駆動ジョイント36の孔部36’の外周エッヂが駆動軸40における直線形状部40sに食い込み、駆動ジョイント36がEリング38側に戻ってこないおそれがある。このように駆動ジョイント36がEリング38側に戻ってこないと、回転駆動力が被駆動側に伝達できないという問題が発生する。
駆動ジョイント36の中心軸線を含む仮想平面として、水平駆動ジョイント中心面836hと垂直駆動ジョイント中心面836vとを定義する。水平駆動ジョイント中心面836hは、駆動ジョイント36の中心軸線を含み、かつ、水平方向(図中の左右方向)に延在する仮想平面である。垂直駆動ジョイント中心面836vは、駆動ジョイント36の中心軸線を含み、かつ、水平駆動ジョイント中心面836hに垂直な方向(図中の上下方向)に延在するもの仮想平面である。
更に、被駆動ジョイント136の中心軸線を含む仮想平面として、水平被駆動ジョイント中心面936hと垂直被駆動ジョイント中心面936vとを定義する。水平被駆動ジョイント中心面936hは、被駆動ジョイント136の中心軸線を含み、かつ、水平方向(図中の左右方向)に延在する仮想平面である。垂直被駆動ジョイント中心面936vは、被駆動ジョイント136の中心軸線を含み、かつ、水平駆動ジョイント中心面936hに垂直な方向(図中の上下方向)に延在するもの仮想平面である。
また、駆動軸40の中心軸線を含む仮想平面として、水平駆動軸中心面940hと垂直駆動軸中心面940vとを定義する。水平駆動軸中心面940hは、駆動軸40の中心軸線を含み、かつ、水平方向(図中の左右方向)に延在する仮想平面である。垂直駆動軸中心面940vは、駆動軸40の中心軸線を含み、かつ、水平駆動軸中心面940hに垂直な方向(図中の上下方向)に延在するもの仮想平面である。
また、駆動ジョイント36の駆動爪部39a、39bの被駆動側との接触面(当接部)をそれぞれ、第1の当接部としての駆動側ジョイント接触面339a、339bとする。
また、被駆動ジョイント136の駆動爪部139a、139bの被駆動側との接触面(当接部)をそれぞれ、第2の当接部としての被駆動側ジョイント接触面439a、439bとする。
図21は、図20における駆動ジョイントの駆動爪部と被駆動ジョイントの被駆動爪部との当接部を拡大して示した拡大正面図である。
図20及び図21は、駆動ジョイント36を被駆動ジョイント136に接触するまで駆動軸40を回転中心にして回転させた状態の図である。
一方、後述の図23に示す従来の構成では、ジョイント接触面と被駆動側ジョイント接触面との接触が線接触又は面接触となる。そのため、駆動ジョイントと被駆動ジョイントとの間の接触状態が部品表面性状に依存して回転方向とは異なる方向に対する外力が発生しやすい状態になる。
図22において、駆動軸一式として構成される駆動側の部品群71は、駆動軸40と駆動ジョイント36とを含む。また、従動軸一式として構成される被駆動側の部品群72は、被駆動側の回転軸としての被駆動軸140と、被駆動ジョイント136とを含む。被駆動側の部品群72の位置を固定した場合における駆動側の部品群71の位置のずれ方向として、次の4つの方向を定義する。すなわち、図22に示すように、垂直上方向Vu(Vertical、Upper)と、垂直下方向Vd(Vertical Down)と、水平右方向Hr(Horizon Right)と、水平左方向(Horizon Left)とを定義する。
図23の比較例では、駆動側ジョイント接触面339b‘と被駆動側ジョイント接触面439bとは互いに面接触している。また、駆動側ジョイント接触面339a‘と被駆動側ジョイント接触面439aとは互いに面接触している。
図24において、駆動軸40の中心軸線(回転中心)Cから円弧形状部40rの一方の端部を通過するように延在する第1の仮想線をα1と定義する。同様に、駆動軸40の中心軸線(回転中心)Cから円周面部40rのもう一方の端部を通過するように延在する第2の仮想線をα2と定義する。また、駆動軸40の中心軸線(回転中心)Cから駆動爪部39a,39bの被駆動側に近い最頂部端部を結んだ線をβ1と定義する。また、駆動軸40の中心軸線(回転中心)Cから駆動爪部39a,39bの被駆動側から離れた最底辺部端部を結んだ線をβ2と定義する。このとき、駆動爪部39a、39bはそれぞれ、駆動ジョイント36の円弧形状部36rを含み且つ第1の仮想線α1と第2の仮想線α2とで囲まれた領域α0内に配置されている。
(360°/2T)-45°<α0<(360°/2T)+45° ・・・(1)
また、回転中心線を中心とした駆動爪部39a、39bの内径の曲率半径Rは、回転軸40の半径をr0としたとき、次の式(2)を満たす範囲が好適である。
r0<R<3×r0 ・・・(2)
また、駆動ジョイント36及び駆動軸40における円弧形状部間の寸法をE1とし、直線形状部間の寸法をS1としたとき、互いの寸法の比率H1はS1/E1=H1となる。このとき、比率H1は、次の式(3)を満たす範囲が好適である。
0.5<H1<2 ・・・(3)
図26において、被駆動側ジョイント接触面439a、439bは略同一平面上に配置されているが、駆動ジョイント爪接触部339a、339bは所定の量だけ水平方向にシフトしている。垂直方向の中心軸線ずれ73vが発生している場合には、駆動ジョイント36及び被駆動ジョイント136の爪部同士の接触面位置と領域の範囲が変化するのみである。上記垂直方向の中心軸線ずれ73vがない場合と爪部同士の接触形態におおきな差は発生しない。
図31は、図30の背面から見た背面図である。図31は、駆動ジョイント36と被駆動ジョイント136の外形形状と中心軸線との関係を明確にし、より理解しやすくするために示した図である。
図30及び図31において、被駆動爪部139bと駆動側爪部39bとの接触は点接触となり、もう一組の被駆動爪部139aと駆動側爪部39aとは爪間角度θkを有する状態で回転駆動力を伝達する。このように駆動軸40と被駆動軸140との回転中心線(中心軸線、軸芯)がずれた状態で回転駆動力を伝達しようとした場合にも、駆動爪部及び被駆動爪部の接触は点接触となる。但し、駆動爪部と被駆動爪部との接触開始点は回転中心線(中心軸線、軸芯)のずれが無いときとは異なり、被駆動爪部の半径の内径側となる。
図32において、被駆動軸線75が駆動軸線74に対して軸傾斜角Θ1の角度にて傾いている。このため、従動側爪部139a(又は139b)が、駆動側爪部39a(又は39b)に片あたりしやすく、被駆動ジョイント136が押圧力87aにて駆動ジョイント36を押し付ける。このような場合でも、前述の図24に示した駆動側爪部39aの配置を採用することで、駆動側爪部39a(又は39b)及び従動側爪部139a(又は139b)の破損が発生しにくくなる。
図33において、駆動軸線74が被駆動軸線75に対して軸傾斜角Θ2の角度にて傾いている。このため、従動側爪部139a(又は139b)が、駆動側爪部39a(又は39b)に片あたりしやすく、被駆動ジョイント136が押圧力87aにて駆動ジョイント36を押し付ける。このような場合でも、前述の図24に示した駆動側爪部39aの配置を採用することで、駆動側爪部39a(又は39b)及び従動側爪部139a(又は139b)の破損が発生しにくくなる。
また、上記実施形態では、駆動爪部39a,39b及び被駆動爪部139a,139bをそれぞれ複数備えた構成について説明したが、本発明は、駆動爪部及び被駆動爪部をそれぞれ一つずつ備えた構成にも適用できる。
(態様A)
回転駆動力を伝達する駆動ジョイント36などの第1の軸継手部材及び被駆動ジョイント136などの第2の軸継手部材と、第1の軸継手部材に連結される駆動軸40などの回転軸と、を備えた駆動力伝達装置であって、第1の軸継手部材及び第2の軸継手部材はそれぞれ、互いに対向する側に、回転方向に沿って互いに当接する駆動側ジョイント接触面339a,339bなどの第1の当接部及び被駆動側ジョイント接触面439a,439bなどの第2の当接部を有し、前記回転軸は、外周面の断面が円弧形状部40rを含む角丸長方形状の軸部40’を有し、第1の軸継手部材は、回転軸の軸部が挿入される内周面の断面が円弧形状部36rを含む角丸長方形状の孔部36’を有し、前記第1の当接部は、第2の軸継手部材側からみた場合に回転軸の回転中心Cから回転軸の円弧形状部40rの回転方向両端部それぞれを通過するように延在する第1の仮想線α1と第2の仮想線α2とに挟まれ且つ孔部の円弧形状部36rを含む領域α0内に配置される。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第1の軸継手部材の第1の当接部が上記所定の領域α0内に配置されている。この所定の領域α0は、第2の軸継手部材側からみた場合に回転軸の回転中心Cから円弧形状部40rの回転方向両端部それぞれを通過するように延在する第1の仮想線α1と第2の仮想線αとに挟まれ且つ孔部の円弧形状部36rを含む領域である。このように第1の軸継手部材の第1の当接部が所定の領域α0内に配置されているため、第1の軸継手部材との第2の軸継手部材との連結時又はその解除時に第1の当接部に予期しない力が加わっても、以下に示すように軸継手部材の割れなどの破損を防止できる。
すなわち、上記連結時又はその解除時に、第1の軸継手部材の第1の当接部に予期しない力が加わると、第1の軸継手部材が回転軸に対して傾くおそれがある。この第1の軸継手部材の傾きが発生したとき、第1の軸継手部材の孔部の内周面と回転軸の軸部の外周面とは、直線形状部では互いに接触せずに、円弧形状部で互いに接触する。ここで、第1の軸継手部材は回転軸の軸部が挿入されるため、第1の軸継手部材の内周面における円弧形状部の曲率は回転軸の外周面の円弧形状部の曲率より若干小さくなっている。言い換えると、第1の軸継手部材の内周面における円弧形状部の曲率半径は回転軸の外周面の円弧形状部の曲率半径より大きくなっている。更に、上記円弧形状部が互いに当接している部分を回転軸の回転中心線に直交する断面でみると、上記第1の軸継手部材の傾きにより、第1の軸継手部材の円弧形状部の曲率(曲率半径)と回転軸の円弧形状部の曲率(曲率半径)との差がより大きくなっている。従って、第1の軸継手部材の孔部の円弧形状部と回転軸の軸部の円弧形状部との接触は、線接触や面接触ではなく点接触となる。
以上のように、第1の軸継手部材が回転軸に対して傾いた場合、第1の軸継手部材の孔部の内周面と回転軸の軸部の外周面とは、直線形状部では接触せずに円弧形状部でのみ接触し、しかも、その接触は点接触になる。従って、第1の軸継手部材の孔部の内周面と回転軸の軸部の外周面とが線接触又は面接触で当接する場合に比して、第1の軸継手部材と回転軸との接触抵抗の増大を抑制できる。よって、第1の軸継手部材の第1の当接部に予期しない力が加わることがなくなり、軸継手部材の当接部のわれなどの破損が発生しにくい。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記第1の軸継手部材は、前記第2の軸継手部材に対向する側に駆動爪部39a,39bなどの凸部を有し、前記第1の当接部は、前記凸部の回転方向一端部側に形成され、前記凸部の全体が、前記領域α0内に配置される。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記一方の軸継手部材の凸部に予期しない力が加わることがなくなり、第1の軸継手部材の凸部の破損が発生しにくい。
(態様C)
上記態様A又は態様Bにおいて、前記第1の軸継手部材及び第2の軸継手部材はそれぞれ、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を、回転方向に沿って複数有し、前記複数の第1の当接部はそれぞれ前記領域α0内に配置される。これによれば、上記実施形態について説明したように、第1の軸継手部材及び第2の軸継手部材の連結時に第1の軸継手部材が回転軸に対して傾きにくくなる。
(態様D)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、前記第1の軸継手部材の第1の当接部及び前記第2の軸継手部材の第2の当接部のうち駆動側の駆動ジョイント36などの軸継手部材の駆動側ジョイント接触面339a,339bなどの当接部は、その駆動側の軸継手部材に連結される回転軸の回転中心線Cを含む仮想中心面P1からずれている。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の軸継手部材から被駆動側の軸継手部材に回転駆動力が伝達される駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部との接触が点接触にある。これにより、駆動側の軸継手部材の当接部から被駆動側の軸継手部材の当接部に対して回転方向以外の方向の力の発生を抑制できる。よって、駆動側から被駆動側への駆動力の伝達を効率的に行うことができる。また、駆動力の伝達時における回転方向の振動発生、回転軸に沿ったスラスト方向への軸継手部材の逃げ、スラスト方向における微小振動による騒音や摩耗発生等を抑制することができる。
(態様E)
上記態様A乃至Cのいずれかにおいて、前記第1の軸継手部材の第1の当接部及び前記第2の軸継手部材の第2の当接部のうち被駆動ジョイント136などの被駆動側の軸継手部材の被駆動側ジョイント接触面439a,439bなどの当接部は、その被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸の回転中心線を含む仮想中心面からずれている。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の軸継手部材から被駆動側の軸継手部材に回転駆動力が伝達される駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部との接触が点接触になる。これにより、駆動側の軸継手部材の当接部から被駆動側の軸継手部材の当接部に対して回転方向以外の方向の力の発生を抑制できる。よって、駆動側から被駆動側への駆動力の伝達を効率的に行うことができる。また、駆動力の伝達時における回転方向の振動発生、回転軸に沿ったスラスト方向への軸継手部材の逃げ、スラスト方向における微小振動による騒音や摩耗発生等を抑制することができる。
(態様F)
上記態様Dにおいて、前記駆動側の軸継手部材の当接部は、該駆動側の軸継手部材の中心から遠ざかるようにずれている。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の軸継手部材から被駆動側の軸継手部材に回転駆動力が伝達される駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部との接触がより確実に点接触になる。
(態様G)
上記態様Eにおいて、前記被駆動側の軸継手部材の当接部は、該被駆動側の軸継手部材の中心から遠ざかるようにずれている。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の軸継手部材から被駆動側の軸継手部材に回転駆動力が伝達される駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部との接触がより確実に点接触になる。
(態様H)
上記態様D又はFにおいて、前記駆動側の軸継手部材の当接部のずれ量は、該駆動側の軸継手部材に連結される回転軸と前記被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸との間の互いに平行な回転中心線のずれ量、及び、前記駆動側の回転軸と前記被駆動側の回転軸との間の回転中心線の傾きによって発生する前記駆動側の軸継手部材と前記被駆動側の軸継手部材との連結部における該駆動側の回転軸と該被駆動側の回転軸との間の回転中心線のずれ量より大きい。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の回転軸の回転中心線と被駆動側の回転軸の回転中心線との間にずれが存在する場合でも、上記駆動力伝達時における当接部の接触を確実に点接触にすることができる。
(態様I)
上記態様E又はGにおいて、前記被駆動側の軸継手部材の当接部のずれ量は、前記駆動側の軸継手部材に連結される回転軸と該被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸との間の互いに平行な回転中心線のずれ量、及び、前記駆動側の回転軸と前記被駆動側の回転軸との間の回転中心線の傾きによって発生する前記駆動側の軸継手部材と前記被駆動側の軸継手部材との連結部における該駆動側の回転軸と該被駆動側の回転軸との間の回転中心線のずれ量より大きい。これによれば、上記実施形態について説明したように、駆動側の回転軸の回転中心線と被駆動側の回転軸の回転中心線との間にずれが存在する場合でも、上記駆動力伝達時における当接部の接触を確実に点接触にすることができる。
(態様J)
上記態様Hにおいて、前記駆動側の軸継手部材の当接部のずれの方向は、前記回転中心線のずれの方向と平行ではなく角度を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部とをより確実に点接触させることができる。
(態様K)
上記態様Iにおいて、前記被駆動側の軸継手部材の当接部のずれの方向は、前記回転中心線のずれの方向と平行ではなく角度を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、上記駆動力伝達時に、駆動側の軸継手部材の当接部と被駆動側の軸継手部材の当接部とをより確実に点接触させることができる。
(態様L)
画像形成装置において、上記態様A乃至Kのいずれかの駆動力伝達装置を備える。これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成装置に設けた駆動力伝達装置における駆動側の軸継手部と被駆動側の軸継手部材との連結やその解除を行うときに軸継手部材の破損が発生しにくくなる。
36’ 孔部
36r 円弧形状部
36s 直線形状部
39a,39b 駆動爪部
40 駆動軸
40’ 軸部
40r 円弧形状部
40s 直線形状部
136 被駆動ジョイント
139a,139b 駆動爪部
140 被駆動軸
140’ 軸部
339a,339b 駆動側ジョイント接触面
439a,439b 被駆動側ジョイント接触面
Claims (12)
- 回転駆動力を伝達する第1の軸継手部材及び第2の軸継手部材と、前記第1の軸継手部材に連結される回転軸と、を備えた駆動力伝達装置であって、
前記第1の軸継手部材及び前記第2の軸継手部材はそれぞれ、互いに対向する側に、回転方向に沿って互いに当接する第1の当接部及び第2の当接部を有し、
前記回転軸は、外周面の断面が円弧形状部を含む角丸長方形状の軸部を有し、
前記第1の軸継手部材は、前記回転軸の軸部が挿入される内周面の断面が円弧形状部を含む角丸長方形状の孔部を有し、
前記第1の当接部は、前記第2の軸継手部材側からみた場合に前記回転軸の回転中心から前記円弧形状部の回転方向両端部それぞれを通過するように延在する第1の仮想線と第2の仮想線とに挟まれ且つ前記孔部の円弧形状部を含む領域内に配置されることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1の駆動力伝達装置において、
前記第1の軸継手部材は、前記第2の軸継手部材に対向する側に凸部を有し、
前記第1の当接部は、前記凸部の回転方向一端部側に形成され、
前記凸部の全体が、前記領域内に配置されることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1又は2の駆動力伝達装置において、
前記第1の軸継手部材及び第2の軸継手部材はそれぞれ、前記第1の当接部及び前記第2の当接部を、回転方向に沿って複数有し、
前記複数の第1の当接部はそれぞれ前記領域内に配置されることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1乃至3のいずれかの駆動力伝達装置において、
前記第1の軸継手部材の第1の当接部及び前記第2の軸継手部材の第2の当接部のうち駆動側の軸継手部材の当接部は、該駆動側の軸継手部材に連結される回転軸の回転中心線を含む仮想中心面からずれていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1乃至3のいずれかの駆動力伝達装置において、
前記第1の軸継手部材の第1の当接部及び前記第2の軸継手部材の第2の当接部のうち被駆動側の軸継手部材の当接部は、該被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸の回転中心線を含む仮想中心面からずれていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項4の駆動力伝達装置において、
前記駆動側の軸継手部材の当接部は、該駆動側の軸継手部材の中心から遠ざかるようにずれていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項5の駆動力伝達装置において、
前記被駆動側の軸継手部材の当接部は、該被駆動側の軸継手部材の中心から遠ざかるようにずれていることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項4又は6の駆動力伝達装置において、
前記駆動側の軸継手部材の当接部のずれ量は、該駆動側の軸継手部材に連結される回転軸と前記被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸との間の互いに平行な回転中心線のずれ量、及び、前記駆動側の回転軸と前記被駆動側の回転軸との間の回転中心線の傾きによって発生する前記駆動側の軸継手部材と前記被駆動側の軸継手部材との連結部における該駆動側の回転軸と該被駆動側の回転軸との間の回転中心線のずれ量より大きいことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項5又は7の駆動力伝達装置において、
前記被駆動側の軸継手部材の当接部のずれ量は、前記駆動側の軸継手部材に連結される回転軸と該被駆動側の軸継手部材に連結される回転軸との間の互いに平行な回転中心線のずれ量、及び、前記駆動側の回転軸と前記被駆動側の回転軸との間の回転中心線の傾きによって発生する前記駆動側の軸継手部材と前記被駆動側の軸継手部材との連結部における該駆動側の回転軸と該被駆動側の回転軸との間の回転中心線のずれ量より大きいことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項8の駆動力伝達装置において、
前記駆動側の軸継手部材の当接部のずれの方向は、前記回転中心線のずれの方向と平行ではなく角度を有することを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項9の駆動力伝達装置において、
前記被駆動側の軸継手部材の当接部のずれの方向は、前記回転中心線のずれの方向と平行ではなく角度を有することを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1乃至11のいずれかの駆動力伝達装置を備える画像形成装置。
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