JP2015036614A - 熱交換器の付着物除去方法 - Google Patents
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Abstract
Description
熱回収部として機能する熱交換器のフィンチューブには、フライアッシュによる目詰まりが生じるため、ショットクリーニングやスーツブロアによる除塵を実施している。また、再加熱部として機能する熱交換器のフィンチューブについても、排ガス中のミストなどが原因となって、スケール固着による目詰まりや腐食が生じるため、スーツブロアによる除塵を実施している。
また、特許文献1に記載の方法は、伝熱管の端部や外面から付着物を除去する方法であるため、伝熱管の全体に亘って付着物を除去することが難しい。
熱交換器の付着物除去方法を提供することにある。
本発明の熱交換器の付着物除去方法は、火力発電プラントから排出される排ガスと熱交換を行う複数の伝熱管の束からなるチューブバンドルを複数備える熱交換器における、一のチューブバンドルの伝熱管の熱媒の流通を閉止する閉止工程と、閉止した前記チューブバンドルの前記伝熱管に対して該伝熱管の内側から力を加えることにより、該伝熱管を振動させて外面の付着物を除去する除去工程と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の熱交換器の付着物除去方法は、火力発電プラントに設けられた熱交換器に付着する付着物の除去に用いられる。熱交換器は、火力発電プラントの石炭焚きボイラから排出される排ガスの処理に用いられる排煙処理装置に設けられている。
また、電動機により駆動される通風機を設けて、適宜排ガスGを昇圧する構成としてもよい。
図2に示すように、熱交換器1は、伝熱管2を束ねた集合体であるチューブバンドル4を複数収納するバンドル収納ダクト3を有している。伝熱管2は、チューブバンドル4を介して熱交換器1の所定位置に配置されるようになっている。
具体的には、3つのチューブバンドル4のケーシング11が、長手方向に沿う面が互いに接するように配置されていることによって複数の伝熱管2が面状に配置されている。なお、チューブバンドル4の数量は3つに限ることはない。さらに、排ガスGの流通方向に、複数段のチューブバンドル4を配置してもよい。
排ガスGの流通方向に隣合う伝熱管2は、排ガスGの流通方向及び伝熱管2の長手方向に直交する方向にオフセットして配置されている。即ち、排ガスGの流通方向から視て、排ガスGの流通方向に隣り合う段の伝熱管2が重ならないように配置されている。
サポート13は、複数の伝熱管2をケーシング11内に保持するための部材である。サポート13は、例えば、伝熱管2が挿通する複数の孔が形成された板部材によって形成することができる。
供給管23には、供給バルブ25が設けられており、この供給バルブ25を閉止することによって、第一ヘッダ15への熱媒水の供給を止めることができる。排出管24には、排出バルブ26が設けられており、この排出バルブ26を閉止することによって、排出管24を流れる熱媒水が第二ヘッダ16に流入するのを防ぐことができる。
また、挿入孔27は、チューブバンドル4の運転状態においては、プラグ28によって閉塞されている。
図1に示す火力発電プラント50を長期間運転すると、熱交換器1のチューブバンドル4における、特に上流側の伝熱管2にスケールなどが付着する。この付着物はチューブバンドル4の圧力損失の原因となる。即ち、チューブバンドル4の上流側と下流側のガス差圧が大きくなる。本実施形態の熱交換器の付着物除去方法は、このスケールなどの付着物を除去する方法である。
本実施形態の熱交換器の付着物除去方法にあたっては、火力発電プラント50を稼働させた状態で、複数のチューブバンドル4の一つのチューブバンドル4aに流れる熱媒水を止める一方で、別の二つのチューブバンドル4は熱媒水を流した状態を維持する。
即ち、本実施形態の熱交換器の付着物除去方法は、チューブバンドル4の付着物を除去するために、少なくとも一つのチューブバンドル4を止めるが、火力発電プラント50の運転を継続させるために、少なくとも一つのチューブバンドル4は、熱交換の作用を維持するように行う。
次いで、図7に示すように、水抜バルブ30を開け、水抜管29よりチューブバンドル4内部の熱媒水を抜き出す。
なお、熱媒水の供給を止めるチューブバンドル4の数は、熱交換器1の運転の継続が可能であれば、2つ以上でもよい。
次いで、付着物除去を行う対象となる伝熱管2aに対応する挿入孔27aのプラグ28を取り外す。そして、チューブバンドル4の外部より、付着物除去対象の伝熱管2aの内部に振動体32として機能するバイブレータ(振動機)を挿入する。
挿入孔27aは、伝熱管2aの軸線の延長線上に形成されているため、棒状の振動体32の伝熱管2aへの挿入は容易である。
振動体32は、棒状の円筒形の振動部を有する電動のバイブレータである。バイブレータの振動機構は、振動部内に内装された偏心重錘と、この偏心重錘を回転させる駆動源とを有している。振動体32の円筒形の振動部は、伝熱管2の内径よりもやや小なる外径とすることが好ましい。即ち、振動体32の振動がより伝熱管2に伝達される大きさの振動体32を選択することが好ましい。
また、振動体32を伝熱管2の固有振動数で振動させることによって、振動振幅を増大させることが可能となり、また二段目、三段目奥行側の伝熱管列に対しても振動を与えることができる。
なお、振動体32としては、伝熱管2の内側から伝熱管2を振動させることができれば、バイブレータに限ることなく採用することができる。例えば、円筒形状の本体部と、この本体部の外周面から空気圧によって突没可能な複数の突起を有する打撃装置を用いて、突起のピストン運動により伝熱管2を内部より打撃するような構成を採用してもよい。
この場合、スケールは、第二ヘッダ16に接続された伝熱管2の直線部14に多く付着する。即ち、振動体32は、第一ヘッダ15に直接接続される直線部14、又は第二ヘッダ16に直接接続される直線部14のうち、より付着物の多い方に挿入される。
以下、本発明の第二実施形態の熱交換器の付着物除去方法を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
本実施形態の熱交換器の付着物除去方法は、伝熱管2の内側から力を加える方法として、水と空気の脈動によって伝熱管2を振動させる方法を採用している。
水Wと空気Aとを交互に送り込む機構としては、例えば、水Wを吐出するノズルと、ノズルの開閉を行う電磁弁とを備えた吐水装置を用いて、ノズルから吐出される水Wを脈動させるように制御する機構を採用することができる。
例えば、上記各実施形態では、伝熱管2を一本ずつ振動させる構成としたが、これに限ることはなく、複数の伝熱管2を同時に振動させる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、熱交換器の付着物除去方法を、再加熱部1bを用いて説明したが、熱交換器1の熱回収部1aについても問題なく適用可能である。
1a 熱回収部
1b 再加熱部
2 伝熱管
3 バンドル収納ダクト
4,4a チューブバンドル
5 箱部
6 ダクト入口
7 拡張部
11 ケーシング
13 サポート
14 直線部
15 第一ヘッダ
16 第二ヘッダ
19 開口面
20 フィン
21 Uベント部
23 供給管
24 排出管
25,25a 供給バルブ
26,26a 排出バルブ
27,27a 挿入孔
28 プラグ
29 水抜管
30 水抜バルブ
32 振動体
50 火力発電プラント
51 ボイラ
52 排煙処理装置
53 電気集塵機
54 脱硫装置
55 循環ポンプ
56 循環配管
58 煙突
A 空気
G 排ガス
W 水
Claims (6)
- 火力発電プラントから排出される排ガスと熱交換を行う複数の伝熱管の束からなるチューブバンドルを複数備える熱交換器における、一のチューブバンドルの伝熱管の熱媒の流通を閉止する閉止工程と、
閉止した前記チューブバンドルの前記伝熱管に対して該伝熱管の内側から力を加えることにより、該伝熱管を振動させて外面の付着物を除去する除去工程と、
を備えることを特徴とする熱交換器の付着物除去方法。 - 前記伝熱管は、チューブの外周面に該チューブの軸方向に沿って所定の間隔に板状の複数のフィンを立設してなるフィン付チューブであることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 前記除去工程は、前記伝熱管の内側に振動体を挿入することによって前記伝熱管を振動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 前記振動体は、前記伝熱管の固有振動数で振動することを特徴とする請求項3に記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 前記チューブバンドルは、前記熱媒が導入される第一ヘッダと、
前記第一ヘッダと接続され、複数の直線部と該複数の直線部とを接続するUベント部とを有する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管と接続され、該複数の伝熱管から排出される熱媒が導入される第二ヘッダと、を有し、
前記振動体は、前記第一ヘッダに直接接続される前記直線部、又は前記第二ヘッダに直接接続される前記直線部のうち、より付着物の多い方に挿入されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の熱交換器の付着物除去方法。 - 前記除去工程は、前記伝熱管内に水と空気とを交互に送り込み、脈動によって前記伝熱管を振動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱交換器の付着物除去方法。
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