JP6244606B2 - 熱交換器の補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の伝熱管を保持するチューブバンドルを複数備え、排煙処理装置において排ガスとの熱交換を行う熱交換器の補修方法に関する。
例えば火力発電所の石炭焚きボイラから排出される排ガス処理に用いられる排煙処理装置には、排ガスから熱を回収したり、回収した熱を用いて排ガスを昇温したりする熱交換器が設けられている。熱交換器は、熱回収部として機能する熱交換器と再加熱部として機能する熱交換器とから構成されており、いずれもケーシング内に複数の伝熱管を収容した構成のチューブバンドルを有している。
伝熱管としては、熱伝達効率を高めるために、管の外周にフィンが形成されたフィンチューブとすることが従来から実施されている。
熱回収部として機能する熱交換器のフィンチューブには、フライアッシュによる目詰まり・磨耗や、ショットクリーニングによる磨耗が生じるため、点検を実施して必要に応じて管を封止したり、交換したりしている。また、消耗した伝熱管が多数に及ぶ場合には、チューブバンドルごと交換したりしている(例えば特許文献1参照)。
また、再加熱部として機能する熱交換器のフィンチューブについても、排ガス中のミストなどが原因となって、スケール固着による目詰まりや腐食が生じるため、同様の処置を実施している(例えば特許文献2参照)。
特開2012−241964号公報 特開2012−250154号公報
ところで、昨今の火力発電所の稼働率は限界に近く、機器損傷の可能性が高くなる一方で、さらなる点検、補修期間(停止期間)の短縮化が求められている。よって、現地にて伝熱管毎に点検を実施して損傷個所を特定し、補修を行うことは困難になりつつある。一方、一度に全てのチューブバンドルを交換したり、チューブバンドルを新品に交換したりすることは、大幅なコスト増となるため困難である。また、チューブバンドルに不慮の損傷が生じた場合は、対応に時間がかかる場合がある。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、よりコストを低減するとともに、現地工事作業時間を短縮することができる熱交換器の補修方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の熱交換器の補修方法は、第一ヘッダと、第二ヘッダと、これらを接続する複数の伝熱管と、該複数の伝熱管を支持するサポートと、前記複数の伝熱管及び前記サポートを覆うケーシングと、を有するチューブバンドルを複数備え、排煙処理装置において排ガスとの熱交換を行う熱交換器の補修方法であって、前記複数のチューブバンドルのうち、少なくとも一つのチューブバンドルを前記熱交換器から取り外すバンドル取外工程と、該バンドル取外工程で取り外した前記チューブバンドルにおける複数の伝熱管のうち、少なくとも一部の伝熱管を修理するバンドル修理工程と、該バンドル修理工程で修理した前記チューブバンドルを、前記熱交換器における他のチューブバンドルと置き換えるバンドル置換工程と、前記複数のチューブバンドルとは別に交換用チューブバンドルを用意する交換用バンドル用意工程と、前記バンドル取外工程にて取り外されたチューブバンドルと前記交換用チューブバンドルと置き換える交換用バンドル置換工程と、を有し、前記バンドル修理工程は、全ての前記伝熱管の肉厚測定を行う工程と、排ガス対向面の肉厚が一定値以下の前記伝熱管を交換する工程と、を含み、前記バンドル取外工程で取り外した前記チューブバンドルは、次のバンドル取外工程までに修理され、次のバンドル置換工程において交換用チューブバンドルとして使用されることを特徴とする。
上記構成によれば、全てのチューブバンドルを交換する場合と比較して、メンテナンスコストを低減することができる。
また、現地工事における点検を省略してメンテナンスを行うことが可能となるため、現地工事作業時間を短縮することができる。
また、バンドル修理工程の際、第一ヘッダ、第二ヘッダ、サポート、及びケーシングが流用されるため、修理時のコストを低減することができる。
また、取り外されたチューブバンドルを次回の置き換えの際の交換用チューブバンドルとすることを繰り返すことによって、チューブバンドルをリサイクルしつつ全てのチューブバンドルを補修することができる。
また、取り外されたチューブバンドルの修理時間を十分に確保することができるとともに、作業の危険性を減らすことができる。
また、取り外されたチューブバンドルが修理されて交換用チューブバンドルが準備された段階でこのチューブバンドルを予備チューブバンドルとし、不慮の交換があった場合でも直ちに対応することができる。
前記バンドル修理工程において、前記伝熱管における排ガス上流側と下流側とを交換するように、前記伝熱管を180°反転させることが好ましい。
上記構成によれば、伝熱管の再利用が可能となるため、修理時のコストを低減することができる。
上記熱交換器の補修方法において、前記複数のチューブバンドルは、排ガスに対して最も上流側の最上流系列と、排ガスに対して最も下流側の最下流系列と、を有する複数の系列から構成されており、前記バンドル置換工程において、前記最上流系列と前記最下流系列のうち、より高温となるチューブバンドルの置換頻度を、より低温となるチューブバンドルの置換頻度よりも高くすることが好ましい。
上記構成によれば、より低温となるチューブバンドルをより長く使用することになるため、熱交換器の補修コストを低減することができる。
本発明によれば、熱交換器から取り外したチューブバンドルを修理して、修理したチューブバンドルを熱交換器における他のチューブバンドルと置き換える構成としたことによって、よりコストを低減するとともに、現地工事作業時間を短縮することができる。
本発明の実施形態の火力発電所の概略構成図である。 本発明の実施形態の熱交換器の概略斜視図である。 本発明の実施形態のチューブバンドルの概略斜視図である。 本発明の実施形態の伝熱管の側面図である。 本発明の実施形態のチューブバンドルの配置を説明する概略図である。 本発明の実施形態のバンドル取外工程を説明する概略図である。 本発明の実施形態の熱交換器の補修方法において、伝熱管の反転を説明する概略図である。 本発明の実施形態のバンドル置換工程を説明する概略図である。 本発明の実施形態のバンドル置換工程を説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の熱交換器の補修方法は、火力発電所の石炭焚きボイラから排出される排ガスの処理に用いられる排煙処理装置に設けられた熱交換器の補修に用いられる。
図1に示すように、火力発電所50は、燃料を燃焼させるボイラ51から排出される排ガスGを処理する排煙処理装置52を有している。
排煙処理装置52は、ボイラ51から排出される排ガスGが煙突57から放出される過程で、排ガスGに含まれる窒素酸化物(NOx)、煤塵、および硫黄酸化物(SOx)を除去する。排煙処理装置52は、熱回収部1aとして機能する熱交換器1と、電気集塵機53と、脱硫装置54と、再加熱部1bとして機能する熱交換器1と、循環ポンプ55と、循環配管56と、煙突57と、を有している。
このうち、熱回収部1aと再加熱部1bとからなる熱交換器1は、熱回収部1aで回収された熱を、再加熱部1bにおいて排ガス昇温に利用する構成となっている。熱回収部1aの伝熱管2と再加熱部1bの伝熱管2とは循環配管56を介して接続されており、伝熱管2の内部には熱媒水(例えば温水など)が封入されている。
ボイラ51から排出された排ガスGは、熱交換器1の熱回収部1aに導入され、内部に配置されている伝熱管2を流れる熱媒水と熱交換を行うことにより、熱回収される。熱回収部1aを経た排ガスGの温度は、一般的に85〜110℃となり例えば電気集塵機53での集塵能力が向上される。
熱回収部1aを経た排ガスGは、電気集塵機53に導入され煤塵が除去される。電気集塵機53を経た排ガスGは、脱硫装置54に導入される。脱硫装置54では、例えば石灰石をスラリー状に溶かし込んだアルカリまたは弱アルカリ吸収液により、排ガスG中の硫黄酸化物が吸収除去される。脱硫装置54は、石灰石をスラリー状に溶かし込んだ吸収液を用いた場合、副生成物として石膏が生成される。脱硫装置54を経た排ガスGの温度は、一般に約50℃程に低下する。
脱硫装置54を経た排ガスGは、熱交換器1の再加熱部1bに導入される。再加熱部1bは、熱回収部1aとの間で熱媒水を循環ポンプ55により一対の循環配管56を往来して循環する過程で、熱回収部1aにより回収された回収熱により排ガスGを加熱する。ここで50℃程度の脱硫装置54の出口排ガスの温度は、再加熱部1bで約85〜110℃に再加熱され、煙突57から大気放出される。
なお、排煙処理装置52の構成は、上記した構成に限ることはない。例えば、ボイラ51と熱回収部1aとの間に脱硝装置を設けて、脱硝装置において還元剤として注入されるアンモニアガス(NH)により、排ガスGに含まれる窒素酸化物を水と窒素とに還元して無害化してもよい。
また、電動機により駆動される通風機を設けて、適宜排ガスGを昇圧する構成としてもよい。
次に、熱回収部1aを用いて熱交換器1の構造について説明する。再加熱部1bは、熱回収部1aとほぼ同様の構成であるため、説明は省略する。
図2に示すように、熱交換器1は、伝熱管2を束ねた集合体であるチューブバンドル4を複数収納するバンドル収納ダクト3を有している。伝熱管2は、チューブバンドル4を介して熱交換器1の所定位置に配置されるようになっている。
バンドル収納ダクト3は熱交換器1の筐体であり、角筒形状の箱部5の一方の開口にダクト入口6と拡張部7とが設けられている。ダクト入口6は、排ガスGをバンドル収納ダクト3の箱部5に流入させる入口である。拡張部7は、ダクト入口6と箱部5との間を連結させる中空の部材である。拡張部7は、ダクト入口6から箱部5に向かうにしたがって、開口径が大きくなる筒である。
箱部5の他方の開口には、ダクト入口6及び拡張部7と略同形状のダクト出口8と縮小部9とが設けられている。
チューブバンドル4は、内側を排ガスGが流通可能な矩形筒形状のケーシング11と、ケーシング11内にケーシング11の長手方向に延在するように固定された複数の伝熱管2とを有している。ケーシング11は、バンドル収納ダクト3の箱部5における排ガスGの流通方向と直交する一面を充填するように、隙間なく配置されている。
具体的には、6つのチューブバンドル4のケーシング11が、長手方向に沿う面が互いに接するように配置されている。以下、6つのチューブバンドル4によって構成される面状のチューブバンドル4をチューブバンドル系列12と呼ぶ。なお、チューブバンドル系列12を構成するチューブバンドル4の数量は6つに限ることはない。
チューブバンドル系列12は、排ガスGの流通方向に二段設けられている。即ち、チューブバンドル系列12は、上流側の第一チューブバンドル系列12aと、下流側の第二チューブバンドル系列12bとから構成されている。流通方向の段数は、3段以上としてもよい。
また、熱交換器1には、伝熱管2に付着した煤塵などを除去するための鋼球散布装置(図示せず)が設けられている。鋼球散布装置は、鋼球を複数の伝熱管2の上方から散布する鋼球ショットクリーニング方式が採用された装置である。
図3に示すように、チューブバンドル4は、矩形筒形状のケーシング11と、ケーシング11の長手方向に延在する複数の伝熱管2と、複数の伝熱管2を支持するサポート13と、複数の伝熱管2に熱媒水を供給する第一ヘッダ15と、複数の伝熱管2にて熱交換に使用された熱媒水を回収する第二ヘッダ16と、を有している。
ケーシング11は、複数の伝熱管2及びサポート13を覆う箱型の部材であり、一対の長側面17と、複数の伝熱管2の端部近傍で長側面17同士を接続する一対の短側面18と、これら長側面17と短側面18の縁によって形成される長方形の開口である一対の開口面19と、を有している。チューブバンドル4は、一対の開口面19のうち一方の開口面19から排ガスGを導入し、他方の開口面19から排ガスGを排出する。
図4に示すように、伝熱管2は、伝熱管2の外周面に螺旋状のフィン20が設けられているフィンチューブ(フィン付チューブ)である。フィン20は、螺旋状に設けられている必要はなく、円盤状のフィン20が複数設ける構成としてもよい。
複数の伝熱管2は、排ガスGの流通方向に直交する平面をなすように等間隔で並べられた複数(例えば24本)の伝熱管2によって段を構成しており、この段が排ガスGの流通方向に複数(例えば38段)、等間隔で設けられた構成である。
排ガスGの流通方向に隣合う伝熱管2は、排ガスGの流通方向及び伝熱管2の長手方向に直交する方向にオフセットして配置されている。即ち、排ガスGの流通方向から視て、排ガスGの流通方向に隣り合う段の伝熱管2が重ならないように配置されている。
また、流通方向に隣り合う伝熱管2同士は端部においてUベント21を介して接続されている。Uベント21は、第一ヘッダ15を介して最も開口部に近い伝熱管2に流入した熱媒水を排ガスGの流通方向に隣り合う次の段の伝熱管2に導入するように伝熱管2の端部同士を接続している。
第一ヘッダ15及び第二ヘッダ16は、排ガスGの流通方向及び伝熱管2の長手方向に直交する方向に延在する管(パイプ)状の部材である。第一ヘッダ15及び第二ヘッダ16は、循環配管56(図1を参照)に接続されている。即ち、循環配管56を流れる熱媒水は、第一ヘッダ15及び第二ヘッダ16を介して熱交換器1の伝熱管2に導入される。
複数の段のうち、一方の開口部に面する段を構成する複数の伝熱管2の一端は第一ヘッダ15に接続されている。複数の段のうち、他方の開口部に面する段を構成する複数の伝熱管2の一端は第二ヘッダ16に接続されている。このように構成されていることによって、第一ヘッダ15に流入した熱媒水は、一方の開口面19に面する段の全ての伝熱管2に流入し、Uベント21を介して他方の開口面19に面する段に向かって流れた後、第二ヘッダ16に流出する。
サポート13は、複数の伝熱管2をケーシング11内に保持するための部材である。サポート13は、例えば、伝熱管2が挿通する複数の孔が形成された板部材によって形成することができる。
次に、熱回収器1aを用いて本実施形態の熱交換器1の補修方法について説明する。
本実施形態の熱交換器の補修方法は、フィンチューブのフィン20が飛来する高濃度の煤塵によって磨耗したり、鋼球散布装置の鋼球によって磨耗したりすることによって生じる補修に用いられる方法である。また、いうまでもなく本補修方法は、再加熱部1bの腐食などによって生じる補修についても用いられる。
本実施形態の熱交換器の補修方法による補修は、熱交換器1内の全てのチューブバンドル4に対して行われるが、複数回の作業(本実施形態では第一の作業〜第六の作業の6回の作業)に分けて実施される。即ち、全てのチューブバンドル4は、一度の作業で補修されるわけではない。
第一の作業と、第一の作業の次の第二の作業との間隔は例えば2年であり、第一の作業においては12個あるチューブバンドル4のうち例えば4個のチューブバンドル4の補修が行われる。この場合、作業を3回行うことで、全てのチューブバンドル4の補修が完了する。
作業と作業の間隔や、一度の作業において補修されるチューブバンドル4の数量はこれに限ることはない。例えば、第一の作業と第二の作業との間隔を1年とし、一度の作業において補修されるチューブバンドル4の数量を1としてもよい。
本実施形態の熱交換器の補修方法を、6回の作業を用いて実施する方法を例に説明する。まず、第一の作業における流れについて説明する。
図5は、本実施形態の12個のチューブバンドル4の配置を説明する概略図である。図5に示すように、複数のチューブバンドル4は、A1〜F1の6つのチューブバンドル4からなる第一チューブバンドル系列12aと、A2〜F2の6つのチューブバンドル4からなる第二チューブバンドル系列12bと、を有している。第一チューブバンドル系列12aは、排ガスGの流通方向からみて上流側の系列であり、熱回収部1aにおいては、第一チューブバンドル系列12aが高温側の系列となる。なお、図5,図6,図8,図9において、ドットのハッチングが掛けられているチューブバンドル4が、本実施形態の熱交換器の補修において、交換されていないチューブバンドル4である。
図示しないが、再加熱部1bとして機能する熱交換器1の場合、下流側のチューブバンドル系列12bが高温側の系列となる。
(交換用バンドル用意工程)
まず、作業に先立って、熱交換器1に設置されている複数のチューブバンドル4とは別に交換用チューブバンドルユニット23を用意する。交換用チューブバンドルユニット23は、磨耗のないフィンチューブを用いた伝熱管2を有するチューブバンドル4から構成されている。
交換用チューブバンドルユニット23は、新規に製造されたチューブバンドル4から構成されてもよいし、他の熱交換器1から取り出したチューブバンドル4の再生品から構成されてもよい。本実施形態では、交換用チューブバンドルユニット23は、4つのチューブバンドル4から構成されている。具体的には、一の系列の6つのチューブバンドル4のうち隣り合う2つのチューブバンドル4を2系列分まとめた2×2の4つのチューブバンドル4のユニットである。以下、2つ、または4つのチューブバンドル4からなるチューブバンドル4のユニットを単にユニットと呼ぶ。
次に、実際の作業について説明する。上述したように、作業と次の作業との間隔は、例えば2年であるが、最初の作業は、火力発電所(排煙処理装置)の稼働開始から適当な期間が経過した後行う。
(バンドル取外工程)
図6に示すように、第一の作業において、まず、熱交換器1内部の全てのチューブバンドル4のうち4つのチューブバンドル4からなるユニットを取り外す。取り外すチューブバンドル4の位置は特に問わないが、本実施形態では、2系列のチューブバンドル4のうち、中央の2×2のユニットを取り外す。なお、バンドル取外工程において、チューブバンドル4を構成する伝熱管2の点検は行う必要はない。即ち、作業者は、伝熱管2の肉厚測定などを行うことなく、取り外すチューブバンドル4を決定する。
なお、点検や伝熱管2の肉厚測定は適宜行ってもよく、測定結果に応じて次の作業までの間隔を調整するなどしてもよい。
また、バンドル取外工程において取り外されるチューブバンドル4を、測定結果に応じて決定してもよい。例えば、各々のチューブバンドル4の第一ヘッダ15に接続された一段目の伝熱管2のみ肉厚を測定し、測定結果に基づいて交換するチューブバンドル4を決定してもよい。
(交換用バンドル置換工程)
次に、バンドル取外工程にて取り外されたユニットと、交換用バンドル用意工程にて用意されたユニット(交換用チューブバンドルユニット23)とを、置き換える。即ち、熱交換器1に設置されている複数のチューブバンドル4のうち、4つのチューブバンドル4が補修される。
以上のように、バンドル取外工程、バンドル置換工程の二つの工程によって、第一の作業が完了する。
(バンドル修理工程)
第一の作業の完了後、バンドル取外工程にて取り外されたユニットは、工場に搬送されて修理(リサイクル)される。この修理作業は、第一の作業の次の第二の作業までに完了させる。修理作業は現場(火力発電所)で実施されることはなく、工場のような作業スペースにて実施される。
次に、バンドル修理工程の具体的な内容について説明する。
まず、チューブバンドル4の全ての伝熱管2に対して、肉厚測定を行う。具体的には、水浸UT検査方法を用いて、伝熱管2の肉厚点検を行う。水浸UTは、伝熱管2内に水を浸し、超音波プローブを伝熱管2内に挿入して検査する方法である。
次いで、伝熱管2の修理を行う。具体的には、排ガス対向面の肉厚(管厚)が一定値(例えば、健全部2.6mmに対して、1.4mm)以下の伝熱管2を交換する。
伝熱管2の交換にあたっては、チューブバンドル4のケーシング11及びUベント21を切断する。即ち、ケーシング11を切断することにより、ケーシング11の内部の伝熱管2にアクセス可能な状態とし、Uベント21を切断することにより、伝熱管2を挿抜可能な状態とする。
図7に示すように、伝熱管2の肉厚が一定値以上の伝熱管2(即ち、減肉が少ない伝熱管2)は、周方向に180°反転させる。即ち、排ガスGに対向する面とその反対側とを反転させて、減肉部Dが排ガスGの対向面とならないようにする。なお、減肉が充分に少ない場合などにおいては、この反転作業は必ずしも行う必要はない。
伝熱管2の交換及び反転が完了した後、Uベント21、及びケーシング11を復旧させる。
以上の工程によって、チューブバンドル4が修理され、次の作業の際の交換用チューブバンドルユニット23として保管される。
第一の作業の2年後に、次の第二の作業を行う。
(バンドル置換作業)
図8に示すように、第二の作業においては、第一の作業のバンドル取外工程において取り外されたユニットとは異なる、他のユニット(E1,E2,F1,F2)と、交換用チューブバンドルユニット23Bとを置き換える。即ち、E,Fのユニットを取り外した後、第一の作業にて取り外され、バンドル修理工程にて修理された交換用チューブバンドルユニット23Bを取り付ける。換言すれば、このバンドル置換工程において使用される交換用チューブバンドルユニット23Bは、新規に製造されたものではなく、再生品(リサイクル品)である。
(バンドル修理工程)
第二の作業のバンドル置換工程にて取り外されたユニットのチューブバンドル4を修理する。修理方法は、前述したバンドル修理工程と同様である。このバンドル修理工程も次の作業である第三の作業までに完了させる。
第二の作業の2年後に、次の第三の作業を行う。
図9に示すように、第三の作業においては、第一の作業及び第二作業にて交換されなかったA1,A2,B1,B2の4つのチューブバンドル4からなるユニットを、第二の作業にて取り外したユニットを修理したことによって得られた交換用チューブバンドルユニット23Cと交換する。
第一の作業〜第三の作業によって、全てのチューブバンドル4が交換される。
(高温側バンドル置換工程)
第三の作業の2年後に、次の第四の作業を行う。第四の作業においては、第一の作業にて補修されたC,Dのチューブバンドル4のユニットのうち、高温側のチューブバンドルC1,D1のみを補修する。即ち、排ガスに対して最も上流側の最上流系列と、排ガスに対して最も下流側の最下流系列と、を有する複数の系列から構成されているチューブバンドル4のユニットにおいて、より高温となる第一チューブバンドル系列12aのチューブバンドル4のみを交換する。交換の際は、2×2の交換用チューブバンドルユニット23のうち2つを使用する。
取り外された2つのチューブバンドル4は、工場にて修理された後、交換用チューブバンドルユニット23として保管される。
第四の作業の2年後に実施される第五の作業にいては、E,Fのチューブバンドル4のうち、高温側のチューブバンドルE1,F1のみが補修される。第五の作業の2年後に実施される第六の作業においては、A,Bのチューブバンドル4のうち、高温側のチューブバンドルA1,B1のみが補修される。
以上の高温側バンドル置換工程により、より高温となるチューブバンドル4の置換頻度は、より低温となるチューブバンドル4の置換頻度よりも高くなる。
なお、高温側バンドル置換工程は、必ずしも実施する必要はない。即ち、第四の作業〜第六の作業をすることなく、第一の作業〜第三の作業にて熱交換器1の補修作業を完了させてもよい。
上記実施形態によれば、全てのチューブバンドル4を交換する場合と比較して、メンテナンスコストを低減することができる。
また、現地工事における点検を省略してメンテナンスを行うことが可能となるため、現地工事作業時間を短縮することができる。
また、バンドル修理工程の際、第一ヘッダ15、第二ヘッダ16、サポート13、及びケーシング11が流用されるため、修理時のコストを低減することができる。
また、バンドル修理工程において、減肉の少ない伝熱管2においては、伝熱管2を180°反転させることによって、伝熱管2の再利用が可能となるため、修理時のコストを低減することができる。
また、取り外されたチューブバンドル4を次回の置き換えの際の交換用チューブバンドルユニット23とすることを繰り返すことによって、チューブバンドル4をリサイクルしつつ全てのチューブバンドル4を補修することができる。
また、取り外されたチューブバンドル4の修理時間を十分に確保することができるとともに、作業の危険性を減らすことができる。また、工場にチューブバンドル4を持ち込むことにより、機械加工ができるために、全ての伝熱管2が更新可能となる。
また、取り外されたチューブバンドル4が修理されて交換用チューブバンドルユニット23が準備された段階でこのチューブバンドル4を予備チューブバンドルとし、不慮の交換があった場合でも直ちに対応することができる。
また、バンドル置換工程において、より高温となるチューブバンドル4の置換頻度を、より低温となるチューブバンドル4の置換頻度よりも高くすることによって、より低温となるチューブバンドル4をより長く使用することになるため、熱交換器1の補修コストを低減することができる。
また、伝熱管2を点検して交換優先度を決定する場合においても、一部の伝熱管2のみを点検して交換優先度を決定するため、現地作業時間を短縮することができる。また、点検を行う場合は、定期的に点検して交換計画を修正することで、より安全性の高い補修が可能となる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。また、上記複数の実施形態で説明した特徴を任意に組み合わせた構成であってもよい。
1 熱交換器
1a 熱回収部
1b 再加熱部
2 伝熱管
3 バンドル収納ダクト
4 チューブバンドル
5 箱部
6 ダクト入口
7 拡張部
8 ダクト出口
9 縮小部
11 ケーシング
12(12a,12b) チューブバンドル系列
13 サポート
15 第一ヘッダ
16 第二ヘッダ
17 長側面
18 短側面
19 開口面
20 フィン
21 Uベント
23,23B,23C 交換用チューブバンドルユニット
50 火力発電所
51 ボイラ
52 排煙処理装置
53 電気集塵機
54 脱硫装置
55 循環ポンプ
56 循環配管
57 煙突
D 減肉部
G 排ガス

Claims (3)

  1. 第一ヘッダと、第二ヘッダと、これらを接続する複数の伝熱管と、該複数の伝熱管を支持するサポートと、前記複数の伝熱管及び前記サポートを覆うケーシングと、を有するチューブバンドルを複数備え、排煙処理装置において排ガスとの熱交換を行う熱交換器の補修方法であって、
    前記複数のチューブバンドルのうち、少なくとも一つのチューブバンドルを前記熱交換器から取り外すバンドル取外工程と、
    該バンドル取外工程で取り外した前記チューブバンドルにおける複数の伝熱管のうち、少なくとも一部の伝熱管を修理するバンドル修理工程と、
    該バンドル修理工程で修理した前記チューブバンドルを、前記熱交換器における他のチューブバンドルと置き換えるバンドル置換工程と、
    前記複数のチューブバンドルとは別に交換用チューブバンドルを用意する交換用バンドル用意工程と、
    前記バンドル取外工程にて取り外されたチューブバンドルと前記交換用チューブバンドルと置き換える交換用バンドル置換工程と、を有し、
    前記バンドル修理工程は、
    全ての前記伝熱管の肉厚測定を行う工程と、
    排ガス対向面の肉厚が一定値以下の前記伝熱管を交換する工程と、を含み、
    前記バンドル取外工程で取り外した前記チューブバンドルは、次のバンドル取外工程までに修理され、次のバンドル置換工程において交換用チューブバンドルとして使用されることを特徴とする熱交換器の補修方法。
  2. 前記バンドル修理工程において、前記伝熱管における排ガス上流側と下流側とを交換するように、前記伝熱管を180°反転させることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の補修方法。
  3. 前記複数のチューブバンドルは、排ガスに対して最も上流側の最上流系列と、排ガスに対して最も下流側の最下流系列と、を有する複数の系列から構成されており、
    前記バンドル置換工程において、前記最上流系列と前記最下流系列のうち、より高温となるチューブバンドルの置換頻度を、より低温となるチューブバンドルの置換頻度よりも高くすることを特徴とする請求項に記載の熱交換器の補修方法。
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