JP3692294B2 - ガスタービン高温部品の廃却損最小化方法及びシステム及びガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 - Google Patents

ガスタービン高温部品の廃却損最小化方法及びシステム及びガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンの保守管理技術に関する。さらに詳述すると、本発明は、ガスタービンの保守コストを低減するための方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービンは、空気圧縮機、燃焼器、タービンからなる熱機関で、熱効率向上のためにタービンの入口ガス温度の上昇が図られており、各部品の材質、構造は大きく改良されている。高温ガスに晒される燃焼器内筒、尾筒、タービン動翼及び静翼はガスタービン高温部品と呼ばれる。これらの高温部品は高級な耐熱超合金を使用し、冷却媒体供給構造の加工のため、非常に高価となっている。また、高温部品は、高流速、高温ガス中で使用されることや起動停止による温度変化を頻繁に受けること等により、分解検査時には亀裂、クリープ変形・減肉等の劣化損傷事象が数多く観察される。そのため、蒸気タービンとは異なり、これらの高温部品は亀裂等の劣化損傷を許容し、消耗品的に補修を繰り返しながら各部品毎に設定されたメーカー推奨寿命まで使用して廃却する(但し、タービン動翼に対する溶接補修は現在は許可されていない)。
【0003】
従来、発電所において、主に実施される高温部品保守管理方法は、起動回数を運転時間に換算し、実運転時間に加える事で得られる等価運転時間管理方法である。起動回数の他に、トリップ回数、負荷遮断回数、ピーク運転時間も寿命の減少要因と考え、等価運転時間に加算する。等価運転時間管理方法の概念図を図38に示す。図中左下のハッチングを施した部分が等価運転時間管理方法での高温部品使用可能領域である。標準的な等価運転時間計算式を次式に示す。
【数1】
等価運転時間=実運転時間+kl×(起動回数+トリップ回数×k2)+ピーク運転時間×k3
ここで、klは起動回数換算係数、k2はトリップ回数換算係数、k3はピーク運転時間換算係数である。kl、k2、k3は各発電所の運用実績により、固有の値が設定される。
【0004】
また、等価運転時間管理方法の他に、運転時間と起動回数を別々に積算し、どちらかが上限値に到達した時点を部品寿命とする独立管理方式を採用している発電所もある。その場合、中間負荷運用のガスタービンでは部品寿命が2倍近く延びる。
【0005】
ガスタービンは、例えば現在わが国では電気事業法により二年毎に定期点検が義務付けられている。また、例えば燃焼器回りの高温部品(燃焼器内筒、尾筒)は、亀裂や遮熱コーティングの剥離など特に損傷が激しいため、上記法定の定期点検の間に自主点検を1、2回程度行う。
【0006】
定期点検では、圧縮機、タービンのケーシングを開放し、軸を吊り出して、タービン静翼を全て外して、高温部品全品について点検・補修を行う。また、例えば燃焼器の自主点検では、燃焼器内筒、尾筒のみ取り外し、点検・補修する。補修には数日から数週間を要する。通常、一の発電所において数台の同機種のガスタービンが運用されており、また数セットの予備品が保有されているので、点検時に予備品と交換して補修後に予備品として保管する高温部品のローテーション使用が行なわれている。
【0007】
近年、天然ガス(LNG)焚きガスタービン複合発電はタービン入口温度の上昇に伴って大幅に熱効率が向上し、わが国の電力会社の主要火力電源となっている。かかる状況下、ガスタービン高温部品は益々過酷な環境下で使用されるため、部品の寿命や補修や交換による補修コストに影響を及ぼしている。そのため、ガスタービン高温部品の適切な保守管理技術を確立し、ガスタービンの保守管理コストを削減することが大きな課題となっている。
【0008】
ここで、特開平11−141352号には、補修方法の選定やコーティング施工、構造変更などによる長寿命化とそれらのコスト評価を行うことで、補修等に費やすコストが最小となる補修実施時期あるいは運用スケジュールを決定するガスタービン高温部品の保守管理装置およびその方法が開示されている。
【0009】
また、特開平10−176546号には、部品の損傷に応じて行われる補修について、補修とその後の寿命低下率の関係を求め、それを基に、廃棄までの部品の寿命が最も長くなるように、部品の補修時期を最適化するガスタービン高温部品の長寿命化方法およびその装置が開示されている。
【0010】
また、特開平11−341892号には、計算機システムにより、系統における給電指令所、系統制御所等の管轄内の発電機の補修期間を決定するために、発電機の定格出力、補修所要期間、考察期間における想定需要等を入力情報として、系統の運用に関する各種制約条件の下で系統の信頼性、経済性に関する評価関数を最適化するように発電機の定期補修計画を作成する方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の高温部品の保守管理では、次のような問題がある。
【0012】
高温部品の交換・補修は故障等の特別の場合を除くと点検時に限られるため、次回の点検までの間に設計寿命がくる高温部品は廃却される。ところが、従来、ガスタービンの点検時期は高温部品の余寿命とは関係なく定期的に実施されているために、ガスタービンの運転状況によっては、中途半端に余寿命を残したまま高温部品を廃却するケースが生じている。
【0013】
例えば、自主点検である燃焼器点検は、一般的に法定の二年毎の定期点検の中間に実施されている。ここで、燃焼器回りの高温部品(燃焼器内筒、尾筒)のメーカー推奨寿命を例えば等価運転時間で32000時間とし、年間ガスタービン運転予定時間を等価運転時間で9000時間とする。燃焼器回りの高温部品(燃焼器内筒、尾筒)の余寿命が、次点検までの予定運転時間(9000時間)に満たないと判断されれば、例えば5000時間の余寿命が残っていても廃却する。この場合はメーカー推奨寿命32000時間のうち約84%の27000時間しか有効に使用していないことになる。
【0014】
ここで、この廃却時の余寿命から、数式2に示す高温部品の「廃却損」という概念を導入する。
【数2】
廃却損=部品価格×廃却時の余寿命/部品推奨寿命
廃却損は、本来は有効に使用できる部品を廃却することによる損失を意味する。廃却損は、非常に高価な高温部品の新品購入回数を増加させるものであり、結果としてガスタービンの保守コスト増加の大きな一因となっている。しかしながら、廃却損は、直接的ではなくいわば間接的潜在的に保守コスト増加をもたらすものであり、従来、かかる廃却損を最小化する観点から、さらに法定の義務である定期点検時期を踏まえた上で点検時期を調整するといった高温部品保守管理は行なわれていない。
【0015】
特開平11−141352号、特開平10−176546号、特開平11−341892号には、高温部品の長寿命化やガスタービン保守管理コスト低減化等の観点から最適な高温部品補修計画を作成する内容が開示されているが、これらはいずれも廃却損最小化の観点に立つものではない。従って、部品廃却時において廃却損が最小化されているか否かは明らかではない。場合によっては、補修コスト等の直接的な保守コストが最小化されてはいるが、非常に高価な高温部品の新品購入回数を増加させる廃却損が最小化されておらず、結果、廃却損がもたらす潜在的なコスト増大が直接的に低減化された補修コスト等を上回るおそれがある。
【0016】
そこで、本発明は、法定の義務である定期点検時期を踏まえた上で、廃却損を最小化するべく自主点検時期を調整し、ガスタービンの保守コストを低減するガスタービン高温部品の廃却損最小化方法及びシステム及びガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、請求項1記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法は、ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めて、将来の点検の次に行われるガスタービン高温部品の次回点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と余寿命とを比較し、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と予備品とを交換するようにスケジュールする一方で、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更し、一方、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更して、ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化するようにしている。
【0018】
また、請求項4記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化システムは、ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めて、将来の点検の次に行われるガスタービン高温部品の次回点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と余寿命とを比較し、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と予備品とを交換するようにスケジュールする一方で、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更し、一方、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更して、ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化するようにしている。
【0019】
また、請求項5記載のガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体は、ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、コンピュータに対し、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めさせる手順と将来の点検の次に行われるガスタービン高温部品の当該点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と余寿命とを比較し、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と予備品とを交換するようにスケジュールする手順と、余寿命がガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更させるか、または、ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更させる手順とを実行させ、ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化するようにしている。
【0020】
したがって、ガスタービンの自主点検の時期が、ガスタービン高温部品のローテーション計画において各々のガスタービン高温部品を可能な限り設計寿命まで使い切るように計画される。これにより、非常に高価な高温部品の新品購入回数を増加させる廃却損が最小化され、ガスタービンの保守コストを低減することができる。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法において、限界ずらし時間を設定して、自主点検の時期の変更が限界ずらし時間を超えないように調整されるものとしている。したがって、各点検の間隔が極端にあいてしまったり逆に近すぎたりすることのないように、点検の意義を没却することなく且つ廃却損を最小化するように自主点検時期が調整される。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法において、自主点検の時期の変更後に、廃却時において余寿命が残るガスタービン高温部品がある場合に、定期点検間で当該ガスタービン高温部品と組み合わされる部品に新品を充当して、当該ガスタービン高温部品の余寿命を消費するようにしている。したがって、ガスタービン高温部品のローテーションの制約または限界ずらし時間の制約等から、他のガスタービン高温部品の廃却損を最小化するために、あるガスタービン高温部品の余寿命が廃却時に残ってしまう場合には、定期点検間で当該ガスタービン高温部品と組み合わされる部品に新品を充当することで、当該ガスタービン高温部品は余寿命を消費するように可能な限り設計寿命まで使い切ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1から図37に本発明のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法を適用した実施の一形態を示す。このガスタービン高温部品の廃却損最小化方法は、ガスタービン高温部品2のローテーション計画において、ガスタービンの将来の点検の時点におけるガスタービン高温部品2の余寿命T1を求めて、余寿命T1と当該高温部品2の次回予定運転時間T2とを比較して、余寿命T1が当該高温部品2の次回予定運転時間T2に満たない場合に、当該高温部品2の余寿命T1を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検1であれば自主点検1の時期を変更し、一方、当該高温部品2の余寿命T1を求めた際の点検が定期点検3であれば当該定期点検3の前回に行なわれる自主点検1の時期を変更して、高温部品2の廃却時における余寿命T1を最小化するものである。
【0025】
即ち、本発明は、ガスタービンの自主点検1の時期を、高温部品2の余寿命T1を考慮して最適な時期に実施することにより、各々の高温部品2を可能な限り設計寿命まで使い切るための方法である。これにより、非常に高価な高温部品2の新品購入回数を増加させる廃却損が最小化され、ガスタービンの保守コストを低減することができる。
【0026】
ガスタービンは、例えばわが国では現在二年毎の定期点検3(以下、定検3と呼ぶ。)が義務付けられている。また、燃焼器回りの高温部品2(燃焼器内筒、尾筒)は、亀裂や遮熱コーティングの剥離など特に損傷が激しいため、上記法定の定検3の間に自主点検1を行う必要がある。本実施形態では、本発明の好適な一例として、定検3,3の間に燃焼器点検(即ち燃焼器内筒と尾筒に対する自主点検1である。以下、N検1と呼ぶ。)を1回を行なう場合において、法定の義務である定検3の時期を踏まえた上でN検1の時期を調整し、高温部品2として特に燃焼器内筒と尾筒の廃却損を最小化する例について説明する。ただし、自主点検の対象は燃焼器点検に限られない。即ち、本発明の適用は燃焼器回りの高温部品2(燃焼器内筒、尾筒)に限らず、静翼・動翼等の他のガスタービン高温部品に対しても勿論適用可能である。
【0027】
ここで、定検3,3の間に行なうN検1は、定検3から極端に早く実施しても又逆に遅すぎても、点検本来の目的からして好ましくない。そこで、本実施形態では、N検1は原則として定検3,3の中間に行なうようにし、限界ずらし時間T3を設定して、N検1の時期を前または後ろにずらす時間が限界ずらし時間T3を超えないようにする。なお、限界ずらし時間T3は、ガスタービンの運用環境に合わせて任意に設定するものとして良い。
【0028】
高温部品2の交換は故障等の特別の場合を除くとN検1及び定検3の時に限られるため、高温部品2の次回予定運転時間T2は、ガスタービンにおける点検から次の点検までの予定運転時間となる。例えばN検1と定検3との間隔が原則1年である本実施形態の場合、次回予定運転時間T2は年間予定運転時間で表される。例えば、本実施形態では次回予定運転時間T2としてガスタービンの年間予定運転時間(例えば9000時間)を設定している。以下、次回予定運転時間を予定時間T2と呼ぶ。
【0029】
図12、図13は、部品ローテーション計画図の一例を示す。図2は、部品ローテーション計画図の表記方法を説明するための図である。図中矢印tは時間の進行方向を示す。帯状のタイムスケジュール5は、各ガスタービン毎に用意される。従って、複数のガスタービンの場合は、その数に応じた数のタイムスケジュール5が表示される。例えば、高温部品2のローテーション使用が可能なように、各ガスタービンの定検3の時期はずれている(図2中Lで示す)。タイムスケジュール5はN検1及び定検3によって区切られ、N検1及び定検3によって区切られたスペースには当該ガスタービンに当該点検間で使用される高温部品2を識別するための部品番号が記入される。
【0030】
本実施形態では、例えば図11に示すように5台のガスタービンが運用されているものとし、また2セットの高温部品2の予備品4が保有されているものとしている。ただし、ガスタービンの台数や予備品のセットの数がこれらに限定されるものではない。
【0031】
そして本実施形態では、N検1若しくは定検3の時点(図3中矢印Pで示す。)で高温部品2’を予備品4と交換するとともに(図3中矢印A参照)、可能であれば取り外した高温部品2’を補修して予備品4として保管(図3中矢印B参照)して、高温部品2のローテーション使用を行なうものとしている。なお、高温部品2’が寿命に達していれば、高温部品2’は廃却し(図4中矢印C参照)、新品6を購入して予備品4としてストックする(図4中矢印D参照)。ここで、従来は、N検1若しくは定検3の時点(図4中矢印Pで示す。)で、高温部品2’の余寿命T1が予定時間T2に満たない場合は余寿命T1を残したまま廃却しており廃却損が発生していた。
【0032】
高温部品2の廃却時における余寿命T1を最小化するように将来のN検1の実施時期を調整即ちスケジュールして、高温部品2の廃却損を最小化する処理(以下、廃却損最小化処理と呼ぶ。)の一例を、図1に示す。
【0033】
廃却損最小化処理では、開始時間の早い点検(N検1及び定検3)から順番に、各点検毎に、以下処理を行なう。
【0034】
先ず、処理対象となる点検(以下、「処理対象点検」と呼ぶ。図5から図10において矢印Pで示す。)時における高温部品2’の余寿命T1を求める(ステップ1)。即ち、処理対象点検時まで点検対象ガスタービンにて使用され、処理対象点検において当該ガスタービンから取り外される高温部品(かかる高温部品を高温部品2’で表す。)の取り外される時点の余寿命T1の予測値を求める。余寿命T1を求める方法は、特定の方法に限定されるものではない。例えば本実施形態では次のようにして余寿命T1を求めるようにする。
【0035】
燃焼器内筒と尾筒を含む高温部品2の使用履歴が入力されデータベース化されている部品使用履歴データベース7にアクセスし、処理対象点検において当該ガスタービンに使用されている高温部品2’の部品番号を読み出す(ステップ101)。当該ガスタービンの実運転時間や起動回数等、高温部品2’の余寿命計算に必要な実績データを、当該部品番号をキーとして部品使用履歴データベース7から読み出す(ステップ102)。実績データを基に等価運転時間を求め、これに高温部品2’のスケジュール上の予定使用時間を加えて処理対象点検時までの寿命消費時間とし、予め設定されている高温部品2’の寿命時間から寿命消費時間を引いて余寿命T1を求める(ステップ103)。高温部品2の予定使用時間は、廃却損最小化処理により点検の時期が定まることにより定まる。スケジュールにより定まる高温部品2の予定使用時間と計算された余寿命T1は、予測値として実運転時間等の実績データとは別に部品使用履歴データベース7に記録される。なお、余寿命T1の算出方法はこれに限定されず、他の余寿命算出方法を用いるものとしても良い。
【0036】
次に、高温部品2’の余寿命T1と予定時間T2とを比較する(ステップ2)。余寿命T1が予定時間T2以下でない場合即ち高温部品2’の余寿命T1が予定時間T2よりも大きい場合は(ステップ2;No)、その高温部品2’は次回再び使用できる。従って、高温部品2’を補修して予備品4としてストック(図3中矢印B参照)するとともに、予め設定された部品運用規則に従って次に使用する高温部品2”が予備品4の中から選ばれ高温部品2’と交換(図3中矢印A参照)するようにスケジュールされる(ステップ3)。部品運用規則は、ガスタービンの運用環境に応じて任意に設定可能である。例えば、予備品4としてストックされている部品のうち、ストック時間の長いものから順番に使用する、或いは新品があれば優先的に使用する等である。そして、次に開始時間の早い点検に進み(ステップ4)、希望する予測期間に到達していなければ(ステップ5;No)、ステップ1に戻り当該次の処理対象点検について処理を行なう。
【0037】
一方、高温部品2’の余寿命T1が予定時間T2以下である場合(ステップ2;Yes)は、廃却損を最小化すべく以下の最適計算を行う。まず、処理対象点検が、定検3かN検1かを判別する(ステップ6)。N検1の場合(ステップ6;N検。以下、当該N検を処理対象N検1と呼ぶ。)には、高温部品2’の余寿命T1を消費するように、処理対象N検1の時期の変更を行う(ステップ7〜ステップ11)。定検3の場合には(ステップ6;定検。以下、当該定検を処理対象定検3と呼ぶ。)、高温部品2’の余寿命T1を消費するように、処理対象定検3の前回点検であるN検1’(以下、前回N検1’と呼ぶ。)の時期の変更を行う(ステップ13〜ステップ19)。以下、廃却損最小化処理において、処理対象N検1の時期の変更を行う処理(ステップ7〜ステップ11)及び前回N検1’の時期の変更を行う処理(ステップ13〜ステップ19)を最適化処理と呼ぶ。例えば本実施形態では、限界ずらし時間T3を考慮して、次のように最適化処理を行なう。
【0038】
処理対象N検1の場合において、余寿命T1が限界ずらし時間T3より小さい場合には(ステップ7;No)、処理対象N検1の時期を余寿命T1分だけ後送りにする(ステップ8、図5参照)。そして、高温部品2’を寿命まで使って廃却し(図5中矢印C参照)、新品6を購入して予備品4にストック(図5中矢印D参照)するようにスケジュールされる。また、部品運用規則に従って次に使用する高温部品2”が予備品4の中から選ばれ、高温部品2’と交換(図5中矢印A参照)するようにスケジュールされる(ステップ12)。なお、処理対象N検1の時期を後送りするので、次に使用する高温部品2”の予定使用時間が減少し、高温部品2”の次回点検である定検3での余寿命T1が増加する。
【0039】
処理対象定検3の場合において、余寿命T1が限界ずらし時間T3より小さい場合には(ステップ13;No)、前回N検1’の時期を余寿命T1分だけ前倒しにずらす(ステップ14、図6参照)。ここで、既に一度確定した前回N検1’の時期がずれるため、点検の順番が入れ替わる可能性がある。そこで、前回N検1’の処理まで戻って(ステップ15)、再計算を行なう(ステップ5;No,ステップ1)。なお、前回N検1’の時期を前倒しているため、高温部品2’の以前に使用される高温部品2aの予定使用時間が減少し、高温部品2aの前回N検1’での余寿命T1が増加することとなる。戻った前回N検1’の処理において、余寿命T1は予定時間T2よりも大きく(ステップ2;No)、予備品4から以前と同様の高温部品2’が選ばれれば、再計算によって、高温部品2’は寿命まで使って廃却(図6中矢印C参照)するようにスケジュールされることとなる。一方、点検の順番が入れ替わったために、高温部品2’とは異なる高温部品2が選ばれた場合は、その組み合わせで廃却損を最小化すべく再計算が行なわれる。
【0040】
処理対象N検1の場合であり、余寿命T1が限界ずらし時間T3以上である場合(ステップ7;Yes)において、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」が限界ずらし時間T3以下である場合(即ち、余寿命T1と限界ずらし時間T3を足した時間が予定時間T2以上である場合。ステップ9;Yes)には、処理対象N検1の時期を、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」だけ前倒しにずらす(ステップ10、図7参照)。これにより、処理対象N検1までの高温部品2’の予定使用時間が減少し、その高温部品2’は次回もう一度使用でき、その次回使用後にて丁度寿命に達するようになる。従って、高温部品2’を補修して予備品4としてストック(図7中矢印B参照)するとともに、部品運用規則に従って次に使用する高温部品2”が予備品4の中から選ばれ高温部品2’と交換(図7中矢印A参照)するようにスケジュールされる(ステップ3)。なお、処理対象N検1の時期を前倒しにずらすため、高温部品2”は予定時間T2以上(即ち「2×予定時間T2−余寿命T1」以上)使用できる部品が選ばれるようにする。
【0041】
処理対象定検3の場合であり、余寿命T1が限界ずらし時間T3以上である場合(ステップ13;Yes)において、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」が限界ずらし時間T3以下である場合(即ち、余寿命T1と限界ずらし時間T3を足した時間が予定時間T2以上である場合。ステップ16;Yes)には、例えば次のように処理する。
【0042】
前回N検1’まで使用する高温部品2a(図8参照)の前回N検1’時の余寿命(以下、前部品余寿命T1’とする。)が、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」だけ後送りしても、前部品余寿命T1’が予定時間T2より小さくならないか判断する。即ち、前部品余寿命T1’から予定時間T2を引いた時間が、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」以上であるか否か判断する(ステップ17)。
【0043】
前部品余寿命T1’から予定時間T2を引いた時間が、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」以上である場合は(ステップ17;Yes)、前回N検1’の時期を「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」だけ後送りしても、前部品余寿命T1’が予定時間T2より小さくなることはない。そこで、前回N検1’の時期を「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」だけ後送りする(ステップ18、図8参照)。ここで、既に一度確定した前回N検1’の時期がずれるため、点検の順番が入れ替わる可能性がある。そこで、前回N検1’の処理に戻って(ステップ15)、再計算を行なう(ステップ5;No,ステップ1)。戻った前回N検1’の処理で以前と同様の高温部品2’が選ばれれば、再計算によって、高温部品2’は、次回もう一度使用でき、その次回使用後に丁度寿命に達するように調整される(図8参照)。
【0044】
前部品余寿命T1’から予定時間T2を引いた時間が、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」以上でない場合は(ステップ17;No)、前回N検1’の時期を「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」だけ後送りすると、前部品余寿命T1’が予定時間T2より小さくなってしまう。そこで、高温部品2’の廃却時の余寿命を可能な限り小さくするべく前回N検1’の時期を限界ずらし時間T3だけ前倒しする(ステップ19、図10参照)。ここで、既に一度確定した前回N検1’の時期がずれるため、点検の順番が入れ替わる可能性がある。そこで、前回N検1’の処理に戻って(ステップ15)、再計算を行なう(ステップ5;No,ステップ1)。戻った前回N検1’の処理で以前と同様の高温部品2’が選ばれれば、再計算によって、高温部品2’は、可能な限り使用されて廃却されるように調整される(図10参照)。
【0045】
処理対象N検1の場合であり、余寿命T1が限界ずらし時間T3以上である場合(ステップ7;Yes)において、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」が限界ずらし時間T3より大きい場合(即ち、余寿命T1と限界ずらし時間T3を足した時間が予定時間T2以上でない場合。ステップ9;No)には、温部品2’の廃却時の余寿命T1を可能な限り小さくするべく処理対象N検1を限界ずらし時間T3分だけ後送りにする(ステップ11、図9参照)。これにより、高温部品2’を可能な限り使用して廃却し(図9中矢印C参照)、新品6を購入して予備品4にストック(図9中矢印D参照)するようにスケジュールされる。また、部品運用規則に従って次に使用する高温部品2”が予備品4の中から選ばれ、高温部品2’と交換(図9中矢印A参照)するようにスケジュールされる(ステップ12)。なお、処理対象N検1の時期を後送りするので、次に使用する高温部品2”の予定使用時間が減少し、高温部品2”の次回点検である定検3での余寿命T1が増加する。
【0046】
処理対象定検3の場合であり、余寿命T1が限界ずらし時間T3以上である場合(ステップ13;Yes)において、「予定時間T2から余寿命T1を引いた時間」が限界ずらし時間T3より大きい場合(即ち、余寿命T1と限界ずらし時間T3を足した時間が予定時間T2以上でない場合。ステップ16;No)には、高温部品2’の廃却時の余寿命を可能な限り小さくするべく前回N検1’の時期を限界ずらし時間T3だけ前倒しする(ステップ19、図10参照)。ここで、既に一度確定した前回N検1’の時期がずれるため、点検の順番が入れ替わる可能性がある。そこで、前回N検1’の処理に戻って(ステップ15)、再計算を行なう(ステップ5;No,ステップ1)。戻った前回N検1’の処理で以前と同様の高温部品2’が選ばれれば、再計算によって、高温部品2’は、可能な限り使用されて廃却されるように調整される(図10参照)。
【0047】
なお、ステップ11及びステップ19に該当するケースの場合は、余寿命T1から限界ずらし時間T3を引いた分だけ廃却時に余寿命が残る。ただし、限界ずらし時間T3を予定時間T2の2分の1に設定すれば、「余寿命時間T1≧限界ずらし時間T3」である場合はすべて「限界ずらし時間T3≧予定時間T2−余寿命時間T1」に該当するようになる。即ち、限界ずらし時間T3を予定時間T2の2分の1に設定すれば、ステップ11及びステップ19に該当するケースは無くなる。また、限界ずらし時間T3を予定時間T2の2分の1に近づければ、ステップ11及びステップ19に該当するケースは少なくなる。したがって、限界ずらし時間T3は、N検1と定検3との間隔が原則1年である本実施形態の場合は、例えば6ヶ月以上とる必要はない。
【0048】
以上の処理は、希望する予測期間に到達するまで繰り返される(ステップ5;No、ステップ1)。
【0049】
ここで、図24に示すように、前回N検1’で高温部品2aについて最適化処理が施されており、さらに処理対象定検3aで高温部品2’について最適化処理が必要となった場合、即ち、定検3a,3b間で2つの高温部品2’,2aの余寿命T1,T1’がそれぞれ予定時間T2よりも小さくなった場合は、図1に示すフローチャートには示していないが、例えば、次のようにして処理する。
【0050】
前回N検1’において、部品運用規則で選んだ予備品4aとは別の最適化処理が不要となる予備品4bを選び、最適化処理が必要な高温部品2’,2aが定検3a,3b間で組み合わされないようにして、再計算を行なう。もし、予備品4bを選んでも最適化処理が必要となってしまう場合には、前回定検3bにおいて、部品運用規則で選んだ予備品4cとは別の最適化処理が不要となる予備品4dを選び、最適化処理が必要な高温部品2’,2aが定検3a,3b間で組み合わされないようにして、再計算を行なう。即ち、定検3,3間で最適化処理が必要な高温部品2,2が組み合わされないように、予備品4を選択し直すのである。例えば、予備品4を2セット備える本実施形態の場合は、予備品4a,4b,4c,4dにより4通りの組み合わせが考えられる。予備品4を2セット以上備えた場合は、更に組み合わせの数を増やすことができる。さらに、予備品4の選択のどの組み合わせによっても、定検3a,3b間で高温部品2’,2aとも最適化処理が必要となってしまう場合には、例えば、廃却損が最も小さくなるように若しくは予測期間における補修コスト等の保守コストが最も小さくなるように、当該定検3a,3b間における高温部品2’,2aの組み合わせを選択する。
【0051】
さらに、例えば、廃却時の余寿命T1が所定基準値より大きく残ってしまう高温部品2がある場合には、当該高温部品2と新品6とを定検3,3間で組み合わせるようにして、当該高温部品2の余寿命を消費するようにする。これにより、ある高温部品2に他の高温部品2の最適化処理によるしわ寄せが集まるようにして、当該しわ寄せが集まった高温部品2と新品6とを定検3,3間で組み合わせることにより、高温部品2,…,2の廃却損を全体として最小化するといったことができる。かかる新品6の充当は、例えば、処理終了後(ステップ5;Yes)に管理者がマニュアルで行なうものとしても良い。この場合、所定基準値以上の余寿命T1が残る高温部品2に対し、タイムスケジュール5上の当該高温部品2にマークを付して表示するようにしても良い。これにより、新品6と組み合わせる必要のある高温部品2を容易に識別できる。また、新品6の充当は管理者がマニュアルで行なうものに限らず、例えば、新品6の充当条件を予め設定しておき、廃却損最小化処理の中で当該条件に一致した場合に新品6を充当するように処理するものとしても良い。
【0052】
次に、本発明のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法を装置化したガスタービン高温部品の廃却損最小化システム21の一例を図14に示す。ガスタービン高温部品の廃却損最小化システムは、例えば、上述した廃却損最小化処理を実行するガスタービン保守最適化支援プログラム10(以下、単にプログラム10と呼ぶ。)と、部品使用履歴の情報がデータベース化された部品使用履歴データベース7と、プログラム10を実行するコンピュータ11で構成される。
【0053】
コンピュータ11には、プログラム10の実行に必要なデータを入力するための入力装置と、プログラム10の実行結果を出力する出力装置が備えられる。入力装置は例えば周知のキーボード12やポインティングデバイス13であり、出力装置は例えば周知のディスプレイ14やプリンタ15である。コンピュータ11は、図示しないがCPU(中央演算処理装置)、主記憶装置を備える公知の情報処理装置であり、CPUは二次記憶装置20に格納されたプログラム10を適宜主記憶装置に読み込みプログラムされた処理を実行する。
【0054】
部品使用履歴データベース7には、燃焼器内筒と尾筒を含む高温部品2の現在までの使用履歴が入力されデータベース化されている。本実施形態では、例えばガスタービン1軸分を1セットとして、セット単位で高温部品2を使用し、また管理するようにしている。1セットの単位はガスタービン形式により異なるが、例えば本実施形態では、燃焼器内筒及び尾筒は10缶を1セット、タービン第1段静翼は18セグメントを1セット、第2〜3段静翼は16セグメントを1セット、タービン第1〜3段動翼は92枚を1セットとして管理するようにしている。ただし、セット単位の使用及び管理に限られず、部品単位に使用及び管理を行なうものであっても良いのは勿論である。
【0055】
部品使用履歴データベース7への入力は、例えば図15に示す入力画面16により、セット単位で簡便に入力する事ができるようにしている。また、各高温部品2の各セットに対応する部品番号(シリアル番号)は、例えば燃焼器内筒及び尾筒であれば図16に示す入力画面17により、また例えば第1段静翼であれば図17に示す入力画面18により、また例えば第1段動翼であれば図18に示す入力画面19により管理できるようにしている。
【0056】
プログラム10は、上述した廃却損最小化処理を実行する廃却損最小化機能の他、例えば次に挙げる緒機能を有し、これら緒機能をコンピュータ11上で実行する。
【0057】
データ入力機能22は、例えば図15から図18に示す入力画面(インターフェース)16,17,18,19を表示して、部品使用履歴データベース7へのデータ入力・問合せ等のキーボード12やポインティングデバイス13を用いたアクセスを可能とする機能である。データ保存機能23は入力されたデータを所定のフォーマットで部品使用履歴データベース7に記録若しくは更新する機能である。データ検索機能24は、最適計算機能25と部品使用履歴データベース7のインターフェースとなり、最適計算機能25の処理に応じて計算に必要なデータを部品使用履歴データベース7から検索して、最適計算機能25に提供する機能である。
【0058】
最適計算機能25は、上述した廃却損最小化処理を実行する廃却損最小化機能を含む。また、最適計算機能25は、ガスタービン運用規則と部品運用規則に従い高温部品の保守計画を予測計算する高温部品保守計画計算機能を有する。なお、運用規則は例えば部品ローテーション時の予備品選択条件等であり、プログラム10の実行前に運用環境に合わせて予め設定される。
【0059】
保守コスト計算機能26は、例えば保守コストデータベースに基き、計算した保守計画の保守コストを積算する機能である。保守コストデータベースはガスタービン保守コスト計算に必要な情報がデータベース化されている。表1に、部品価格とメーカー推奨寿命および分解点検コストの一例を示す。また、図22に各高温部品2の補修コストの一例を示す。補修コストは、使用回数に伴って階段状に増加するとした。なおコストの単位は相対値(ガスタービン一台価格=100ユニット)で表示した。
【表1】
Figure 0003692294
保守計画表示機能27は、最適計算機能25で計算した保守計画をガスタービン単位の高温部品ローテーション計画図(図12,図25及び図13、図28参照)に表示する図化機能を有する。また、保守計画表示機能27は、最適計算機能25で計算した保守計画を部品セット単位の高温部品ローテーション計画図に表示することも可能である(図26,図27及び図29、図30参照)。また、保守計画表示機能27は、保守コスト計算機能26で積算した高温部品の保守コストを例えば折れ線グラフ等(例えば単年度は棒グラフ等)にグラフ化して表示する図化機能を有する(図31及び図32参照)。
【0060】
以上の他、プログラム10は、例えば次に挙げる機能も有する。例えば、定検3の前倒し又はN検1の変更が必要な場合に任意に変更できる点検時期任意変更機能を有する。
【0061】
また例えば、予定された保守計画に危急時の修理停止を挿入する修理停止挿入機能を有する。なお、修理停止により、それ以降の高温部品の保守計画が全て変更を余儀なくされるが、再度、最適計算機能25により計算を行うことで容易に計画変更が可能である。
【0062】
また例えば、運用上ある部品セットの使用状況の変更が必要となる場合に、部品ローテーション計画図上で任意の部品セットを選び、廃却部品セットまたは使用可能な任意の部品セットに入れ替える高温部品任意入れ替え機能を有する。
【0063】
また例えば、部品のシリアル番号入力画面から部品のシリアル番号を入力することにより、その部品の使用履歴等を検索する部品のシリアル番号検索機能を有する。これにより、高温部品2をセット単位で管理するだけでなく、さらなる部品の有効利用の観点から個別の部品単位で管理することも可能である。
【0064】
また例えば、高温部品2の使用状況表示画面28に推奨寿命、等価運転時間、余寿命および廃却損を表示する高温部品廃却損表示機能を有する(図19,図20参照)。
【0065】
また例えば、ガスタービン保守計画の最適化を行う時に、あるケースの保守コストを記憶させ、別の計算ケースと比較して表示する保守コストを比較表示機能を有する(図23参照)。これにより、保守コストの年度展開の変化や保守コストの増減の効果を容易にチェックできる。
【0066】
図21にプログラム10の処理の一例を示すフローチャートを表す。なお、同図では、部品の余寿命評価に余寿命評価式を使うこととしているが、本実施形態では等価運転時間管理方法を用いている。ただし、余寿命評価方法がこれに限定されるものではない。例えば、部品劣化損傷データベースの情報を基に余寿命評価を行なうものとしても良い。
【0067】
以上のように構成される廃却損最小化システム21では、例えば、保守計画作成を行う時点で、部品使用履歴データベース7から使用中の各高温部品2のセット番号と等価運転時間を検索し、次に最適計算機能25および保守計画表示機能27を用いて、現時点から後数年間の高温部品保守計画の計算し高温部品ローテーション図(図12,図13、図25から図30参照)を表示することが可能である。さらに、保守コスト計算機能26および保守計画表示機能27を用いて、保守計画に対する保守コストを積算しグラフ化して表示することが可能である(図31,図32参照)。これらの一連の保守計画作成機能を繰り返し用いることにより、個別の高温部品2に対する寿命の変更、等価運転時間換算係数の変更、N検1の時期の変更等、様々なケーススタディが可能となる。
【0068】
本発明を適用した一例である廃却損最小化処理によって得られる燃焼器内筒及び尾筒の部品ローテーション計画図の一例(以下、最適化ケースと呼ぶ。)を、図12に示す。一方、廃却損最小化処理を行なわずN検1の時期を固定した場合の燃焼器内筒及び尾筒の部品ローテーション計画図の一例(以下、基本ケースと呼ぶ。)を、図13に示す。なお、棒グラフ内のアルファベットA〜Eは最初にガスタービン第1軸〜第5軸に使用した部品セットを表し、F,Gは2セットの予備品を表し、棒グラフ内の数字は部品の世代番号を表す。また棒グラフの上段は燃焼器内筒を、下段は尾筒を表す。また、図中の数値は部品セットの廃却時の累積等価運転時間を示す。最適化ケース、基本ケースとも年間ガスタービン運転予定時間を等価運転時間で9000時間と想定している。
【0069】
基本ケースでは、第2世代の燃焼器内筒A〜Gは廃棄時にそれぞれ7833時間、7548時間、7348時間、454時間、243時間、6504時間、7243時間の寿命が残る。この場合の第2世代の燃焼器内筒、尾筒を合わせた廃却損は、数式3で表される。なお、表1より、燃焼器内筒のコストは1.0ユニット/10個(1セット)、尾筒のコストは2.0ユニット/10個(1セット)、燃焼器内筒及び尾筒の部品推奨寿命は32000時間としている。
【数3】
廃却損=(1.0+2.0)×(7833+7548+7348+454+243+6504+7243)/32000=3.48[ユニット]
即ち、基本ケースの廃却損はガスタービン価格の約3.5%にも達する。廃却損は、直接的な損失ではなくいわば間接的潜在的であるが、非常に高価な高温部品2の新品購入回数を増加させるものであり、結果としてガスタービンの保守コスト増加の大きな一因となる。
【0070】
一方、本発明を適用した最適化ケースでは、全ての高温部品2の廃却損を完全に0にすることはできないにしろ、廃却損は可能な限り最小化される。最適化ケースと基本ケースの比較を表2に示す。
【表2】
Figure 0003692294
また、最適化ケースと基本ケースの10年間の保守コスト年度展開の比較図を図23に示す。最適化ケースの保守コスト合計は、新品購入を遅らせたことによる効果により、基本ケースの234ユニットから222ユニットヘ12ユニット、約5%削減できる。なお、図19,図20に最適化を行った場合の燃焼器の部品使用状況画面を示す。
【0071】
以上のように、本発明によれば、ガスタービン高温部品2をほぼ全部品に対し設計寿命まで使用することが可能となり、これにより廃却損が最小化され、ガスタービンの保守コストを低減することができる。
【0072】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0073】
例えば、上述の実施形態では、高温部品2として燃焼器内筒と尾筒の廃却損を最小化する例について説明したが、本発明の適用がこの例に限定されるものではない。例えば、ドライ低NOx燃焼器の場合は、燃焼器主内筒と副内筒と尾筒とを廃却損最小化の対象高温部品2として本発明を適用するようにしても良い。また、本発明の適用は必ずしも燃焼器点検の場合に限られず、燃焼器回り以外のガスタービン高温部品2に本発明を適用するようにしても良い。
【0074】
また、上述の実施形態では、燃焼器内筒と尾筒とからなる燃焼器で両者の寿命が等しいと設定した。ここで、本発明を適用する数種の高温部品2において、各種の高温部品2の設計寿命がそれぞれ異なる場合には、例えばどの種の高温部品2を基準として最適化を行うのかを管理者が選択できるようにしても良い。一般には、最も価格の高い高温部品2か、最も寿命の短い高温部品2が選ばれる。また、例えば、寿命が異なるすべて種の高温部品2についてそれぞれを基準とした場合の廃却損最小化処理を自動実行するとともに、各結果の高温部品2のローテーション計画におけるトータルの保守コストをそれぞれ算出するようにし、計算されたトータルの保守コストが最小となる計画を自動選出するようにしても良い。
【0075】
また、上述の実施形態では、例えば図11に示すように5台のガスタービンが運用されているものとしたが、ガスタービンの構成や軸数が特に限定されるものではなく、例えば、図39に示す一系列7軸の1軸型ガスタービン複合発電においても本発明はもちろん適用可能であり、また図40に示すガスタービン3軸と蒸気タービン1軸の多軸型ガスタービン複合発電においても本発明はもちろん適用可能である。
【0076】
また、例えば、上述の実施形態では自主点検1を定期点検3,3の間に一回を行なうものとしたが、自主点検1を定期点検3,3の間に2回以上を行なう場合でも、本発明を適用することは可能である。
【0077】
また、上述の実施形態では、予備品4を含めて高温部品2のローテーション使用する場合について説明したが、例えば予備品4を有さずに複数台のガスタービン間で高温部品2のローテーション使用する場合において本発明を適用するものとしても良い。
【0078】
なお、図1に示すフローチャートにおいて、余寿命T1と予定時間T2の比較におけるステップ2では、余寿命T1と予定時間T2が等しい場合にはステップ6へ進むものとしたが、これに限らず余寿命T1と予定時間T2が等しい場合にはステップ3へ進むように設定しても良い。余寿命T1及び予定時間T2は、いずれも予測値であるため、等号成立時の厳密な判断は必ずしも要求されないからである。余寿命T2と限界ずらし時間T3の比較(ステップ7、ステップ13)においても同様に等号成立時の厳密な判断は必ずしも要求されるものではない。したがって、フローチャートに示す分岐ステップにおける等号成立時においては、ガスタービン運用環境等を考慮した上で、いずれのステップに進むものとしても良い。
【0079】
また、廃却損最小化システム21では、例えば、次のような運用も可能である。例えば、燃焼器の交換時期が定検時期に重なって、ある年度に保守コストが集中する場合がある。このように、ガスタービンの保守コストがある年度に集中するのは、運用上好ましくない。そこで、プログラム10の高温部品任意入れ替え機能により、高温部品2のローテーションを任意に入れ替えることにより、この保守コストのピークを低く押さえることができる。
【0080】
例えば、図13に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図の基本ケースにおいて、A−3をB−2、B−3をC−3、C−3をD−3、D−2をA−3、E−2をG−2、G−2をE−3、A−3をB−2、B−3をC−3、C−3をG−3にそれぞれ入れ替えた場合の部品ローテーション計画図とコストを図33に示す。このように部品ローテーションを変更することによりある程度、保守コストの平滑化が可能である(図35参照)。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法及び請求項4記載の廃却損最小化システム及び請求項5記載のガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体によれば、ガスタービンの自主点検の時期が、ガスタービン高温部品のローテーション計画において各々のガスタービン高温部品を可能な限り設計寿命まで使い切るように計画される。これにより、非常に高価な高温部品の新品購入回数を増加させる廃却損が最小化され、ガスタービンの保守コストを低減することができる。
【0082】
また、請求項2記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法によれば、各点検の間隔が極端にあいてしまったり逆に近すぎたりすることのないように、点検の意義を没却することなく且つ廃却損を最小化するように自主点検時期を調整することができる。
【0083】
また、請求項3記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法によれば、ガスタービン高温部品のローテーションの制約または限界ずらし時間の制約等から、他のガスタービン高温部品の廃却損を最小化するために、あるガスタービン高温部品の余寿命が廃却時に残ってしまう場合には、定期点検間で当該ガスタービン高温部品と組み合わされる部品に新品を充当することで、当該ガスタービン高温部品は余寿命を消費するように可能な限り設計寿命まで使い切ることができる。これにより、ガスタービン高温部品をほぼ全部品に対し設計寿命まで使用することが可能となり、廃却損が最小化され、ガスタービンの保守コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法の処理の一例を示すフローチャートである。
【図2】部品ローテーション計画図の表記方法の一例を説明するための図である。
【図3】使用していたガスタービン高温部品を予備品に入れ、予備品から次のガスタービン高温部品を当てる場合のイメージ図である。
【図4】使用していたガスタービン高温部品を廃却し、予備品から次のガスタービン高温部品を当て、新品を予備品に入れる場合のイメージ図である。
【図5】処理対象の自主点検の時期を余寿命分だけ後送りにし、ガスタービン高温部品を寿命まで使って廃却する場合のイメージ図である。
【図6】処理対象の定期点検の前回自主点検の時期を余寿命分だけ前倒しにずらし、ガスタービン高温部品を寿命まで使って廃却する場合のイメージ図である。
【図7】処理対象の自主点検の時期を次回予定運転時間から余寿命を引いた時間だけ前倒しにずらし、ガスタービン高温部品を次回もう一度使用する場合のイメージ図である。
【図8】処理対象の定期点検の前回自主点検の時期を次回予定運転時間から余寿命を引いた時間だけ後送りにし、ガスタービン高温部品を次回もう一度使用する場合のイメージ図である。
【図9】処理対象の自主点検の時期を限界ずらし時間だけ後送りにし、ガスタービン高温部品を可能な限り使用して廃却する場合のイメージ図である。
【図10】処理対象の定期点検の前回自主点検の時期を限界ずらし時間だけ前倒しにずらし、ガスタービン高温部品を可能な限り使用して廃却する場合のイメージ図である。
【図11】本発明を適用した複数台のガスタービンの構成の一例を示す概略構成図である。
【図12】本発明を適用した燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(最適化ケース)の一例を示す。
【図13】ガスタービン高温部品の廃却損最小化を行なわない場合の燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(基本ケース)の一例を示す。
【図14】本発明のガスタービン高温部品の廃却損最小化システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図15】部品使用履歴データベースの入力画面の一例を示す。
【図16】部品使用履歴データベースの入力画面の一例を示す。
【図17】部品使用履歴データベースの入力画面の一例を示す。
【図18】部品使用履歴データベースの入力画面の一例を示す。
【図19】ガスタービン高温部品の使用状況表示画面の一例を示す。
【図20】ガスタービン高温部品の使用状況表示画面の一例を示す。
【図21】ガスタービン保守最適化支援プログラム処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】ガスタービン高温部品の補修コストの一例を示すグラフである。
【図23】本発明を適用した場合と適用しない場合との保守コストの比較の一例を表示したグラフである。
【図24】定期点検間で2つのガスタービン高温部品の余寿命がそれぞれ次回予定運転時間よりも小さくなった状況を示すイメージ図である。
【図25】図12に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(最適化ケース)におけるタービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション計画図の一例を示す。棒グラフ中上段は静翼を下段は動翼を表す。
【図26】図12に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(最適化ケース)を部品セット単位に表示した一例を示す。
【図27】図25に示すタービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション計画図(最適化ケース)を部品セット単位に表示した一例を示す。
【図28】図13に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(基本ケース)におけるタービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション計画図の一例を示す。棒グラフ中上段は静翼を下段は動翼を表す。
【図29】図13に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図(基本ケース)を部品セット単位に表示した一例を示す。
【図30】図28に示すタービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション計画図(基本ケース)を部品セット単位に表示した一例を示す。
【図31】本発明のガスタービン保守最適化支援プログラムの出力表示の一例であり、保守コスト積算図の一例を示すグラフである。
【図32】本発明のガスタービン保守最適化支援プログラムの出力表示の一例であり、保守コスト積算図の一例を示すグラフである。
【図33】本発明のガスタービン保守最適化支援プログラムにより高温部品任意入れ替えを行なった場合の一例を示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図である。
【図34】図33に示す燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション計画図におけるタービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション計画図の一例を示す。棒グラフ中上段は静翼を下段は動翼を表す。
【図35】本発明のガスタービン保守最適化支援プログラムにより高温部品任意入れ替えを行なった場合の保守コスト積算図の一例を示すグラフである。
【図36】燃焼器内筒と尾筒の部品ローテーション履歴図の一例を示す。
【図37】タービン第一段静翼と動翼の部品ローテーション履歴図の一例を示す。
【図38】等価運転時間管理方法の一例を示す概念図である。
【図39】他のガスタービンの構成の一例を示す概略構成図である。
【図40】他のガスタービンの構成の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 N検(自主点検)
2 ガスタービン高温部品
3 定検(定期点検)
4 予備品
6 新品
10 ガスタービン保守最適化支援プログラム
21 ガスタービン高温部品の廃却損最小化システム
T1 余寿命
T2 予定時間(次回予定運転時間)
T3 限界ずらし時間

Claims (5)

  1. ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めて、前記将来の点検の次に行われる前記ガスタービン高温部品の次回点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と前記余寿命とを比較し、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と前記予備品とを交換するようにスケジュールする一方で、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更し、一方、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更して、前記ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化することを特徴とするガスタービン高温部品の廃却損最小化方法。
  2. 限界ずらし時間を設定し、前記自主点検の時期の変更は、前記限界ずらし時間を超えないように調整されることを特徴とする請求項1記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法。
  3. 前記自主点検の時期の変更後に、廃却時において余寿命が残るガスタービン高温部品がある場合に、定期点検間で前記ガスタービン高温部品と組み合わされる部品に新品を充当して、前記ガスタービン高温部品の余寿命を消費するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン高温部品の廃却損最小化方法。
  4. ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めて、前記将来の点検の次に行われる前記ガスタービン高温部品の次回点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と前記余寿命とを比較し、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と前記予備品とを交換するようにスケジュールする一方で、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更し、一方、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更して、前記ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化することを特徴とするガスタービン高温部品の廃却損最小化システム。
  5. ガスタービン高温部品を予備品と交換して点検を行い補修後に当該ガスタービン高温部品を予備品として保管するというローテーション使用が実施される点検であって、定期的に実施される法定の定期点検、および該定期点検の実施後次の定期点検までの間に自主的に実施される自主点検という2種類ある点検のうち後者の自主点検の実施時期を決めるためのローテーション計画において、コンピュータに対し、開始時期の最も早い将来の点検時におけるガスタービン高温部品の余寿命をデータベースに記録されている実績データに基づき求めさせる手順と前記将来の点検の次に行われる前記ガスタービン高温部品の当該点検時までの予定運転時間である次回予定運転時間と前記余寿命とを比較し、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間を満たす場合には、当該ガスタービン高温部品と前記予備品とを交換するようにスケジュールする手順と、前記余寿命が前記ガスタービン高温部品の次回予定運転時間に満たない場合に、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が時期変更可能な自主点検であれば当該自主点検の実施時期を変更させるか、または、前記ガスタービン高温部品の余寿命を求めた際の点検が定期点検であれば当該定期点検の前回に行なわれる自主点検の実施時期を変更させる手順とを実行させ、前記ガスタービン高温部品の廃却時における余寿命を最小化するためのガスタービン保守最適化支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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