JP2016159205A - So3除去装置及び排ガス処理システム、並びに、so3除去方法 - Google Patents

So3除去装置及び排ガス処理システム、並びに、so3除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排ガスからSO3を容易かつ高効率で除去することができるSO3処理装置及びSO3処理方法、該SO3処理装置を備える排ガス処理システムを提供する。【解決手段】気体状態のSO3を含む排ガスが流通する流通路10に設けられ、捕集部材110と、冷却部120とを備えるSO3除去装置100を用いて排ガスからSO3を除去する方法であって、硫酸露点温度以下に冷却された捕集部材110と排ガスとが接触し、排ガスが硫酸露点温度以下に冷却されてSO3を含むミストが生成する工程と、ミストが捕集部材110の表面に捕集される工程と、冷却部120が、捕集部材110の温度に基づいて捕集部材110を硫酸露点温度以下に維持する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガスに含まれるSOを除去するSO除去装置及びこれを用いたSO除去方法に関する。また本発明は、上記SO除去装置を備える排ガス処理システムに関する。
石炭焚きや重油焚き等の発電プラント等の産業用燃焼設備から、ダスト(粒子状物質)やSOやSOといったSOxガスを含む排ガスが排出される。また、軽油、重油を燃料とする舶用エンジンからも、ダストやSOxを含むガスが排出される。
ボイラやエンジンなどの燃焼設備の下流側の煙道に排ガス処理システムが設けられる。排ガス処理システムでは、例えば特許文献1のように、上流側から順に脱硝装置、エアヒータ、集塵装置、湿式脱硫装置、湿式電気集塵機が設置される。
湿式脱硫装置は、例えば吸収塔内に石灰石(CaCOなどのアルカリ剤)を含むスラリーが散布され、スラリーと排ガスとを気液接触させることにより、排ガス中のSOをCaCOと反応させて排ガスから除去する。
湿式脱硫装置では反応を水分飽和状態で行うため、水露点近くまで冷却する必要がある。このため、冷却装置から水が噴霧されるか、多量にスラリーが散布されることにより排ガス温度が急激に低下する。排ガス温度が酸露点(硫酸露点)温度以下に低下すると、排ガス中のSOガスはミスト状態となる。従って吸収塔内ではSOミストが流通することになり、SOミストと散布スラリーとは、衝突によってのみ捕集される。しかし、その接触確率が低いために湿式脱塩装置でのSO除去効率は悪い。排ガス中に残留するSOミストは、湿式脱硫装置後段での金属腐食や紫煙の原因となる。このため、排ガス処理システムにはSO除去効率の向上が求められる。
例えば特許文献2に記載の技術では、湿式電気集塵装置においてSOミストを帯電させて捕集することにより、排ガス中のSO濃度を低減させる。
特許文献3は、エアヒータと集塵装置との間の煙道にアンモニアを注入し、アンモニアとSOとを反応させることによって固体状態の硫安((NHSO)を生成させて、硫安を電気集塵機で捕集する技術を開示する。
特開2010−69463号公報 特開2013−123692号公報 特許第3860977号公報
排ガス中のSO濃度が低い場合には湿式電気集塵装置に到達するSOミストが低く(例えば10ppm以下)なるため、湿式電気集塵装置で十分にSOミストを除去することができる。しかしながら、硫黄分が多い燃料を燃焼させた場合には排ガス中のSO濃度が高くなり、高濃度のSOミストが湿式電気集塵装置に到達する。湿式電気集塵装置で高濃度のSOを十分に除去するには非常に大きな装置が必要とされるため、経済的ではなかった。
特許文献3の方法では、SO濃度が高いほどアンモニア量が増加する。また、電気集塵装置で回収した硫安を処理する必要があった。このため、特許文献3の方法では処理コストが高いと言う問題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、排ガスからSOを容易かつ高効率で除去することができるSO処理装置及びSO処理方法、該SO処理装置を備える排ガス処理システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、気体状態のSOを含む排ガスが流通する流通路に設けられるSO除去装置であって、硫酸露点温度以下に冷却されており、前記排ガスを冷却して前記SOを含むミストを生成させるとともに前記ミストを捕集する捕集部材と、前記捕集部材の温度に基づいて、前記捕集部材を前記硫酸露点温度以下に維持する冷却部とを備えるSO除去装置である。
本発明の第2の態様は、気体状態のSOを含む排ガスが流通する流通路に設けられ、捕集部材と、冷却部とを備えるSO除去装置を用いて前記排ガスから前記SOを除去する方法であって、硫酸露点温度以下に冷却された前記捕集部材と気体状態のSOを含む前記排ガスとが接触し、前記排ガスが前記硫酸露点温度以下に冷却されて前記SOを含むミストが生成する工程と、前記ミストが前記捕集部材の表面に捕集される工程と、前記冷却部が、前記捕集部材の温度に基づいて前記捕集部材を前記硫酸露点温度以下に維持する工程とを含むSO除去方法ある。
本発明のSO除去装置及びSO除去方法では、捕集部材に接触する前ではSOを気体状態としておく。硫酸露点温度以下に冷却された捕集部材とSOガスとを接触させることによりSOガスを冷却して、捕集部材の近傍でSOを含むミスト(SOミスト)に転化させる。生成したSOは捕集部材の表面に付着させる。こうすることによって、容易にかつ高効率でSOを排ガスから除去することが可能である。
SOを含む排ガスと接触することにより、捕集部材表面の温度が上昇する。本発明では、捕集部材の温度に基づいて捕集部材を硫酸露点温度以下に維持する。捕集部材を冷却する工程が短くなれば、排ガスを冷却する工程及びミストを捕集する工程の時間が長くなる。従って、本発明のSO除去装置及びSO除去方法に依れば、高いSO除去効率を長期間にわたり維持することが可能である。
第1の態様及び第2の態様において、前記捕集部材がセラミックスからなる顕熱蓄熱材であっても良い。あるいは、前記捕集部材が前記硫酸露点温度以下の融点を有する潜熱蓄熱材であっても良い。
上記蓄熱材を捕集部材として用いることにより長期間にわたり硫酸露点以下の温度を保持することができるし、酸性雰囲気下での腐食劣化を防止することができる。
第1の態様及び第2の態様において、前記捕集部材が耐酸性を有する伝熱体であっても良い。
捕集部材が伝熱体であれば、捕集部材全体を容易かつ迅速に冷却することが可能である。従って本発明のSO除去装置は、高温の排ガスが捕集部材に接触しても、冷却部が捕集部材を硫酸露点温度以下に維持ながらSO除去処理を継続することができる。更に伝熱体が耐酸性を有していることにより、酸性雰囲気下で長時間使用することによる腐食劣化を防止することができる。
第1の態様において、前記冷却部が前記排ガスと接触する側の前記捕集部材の表面に冷却液を供給して、前記冷却液が前記表面を直接冷却することが好ましい。この場合、前記冷却液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去することが好ましい。
第2の態様において、前記冷却部が前記排ガスと接触する側の前記捕集部材の表面に冷却液を供給して、前記表面を前記冷却液により直接冷却することが好ましい。この場合、前記冷却液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去することが好ましい。
捕集部材の排ガスと接触する側の表面を直接冷却することにより、冷却効率を高めることができる。
更に、冷却液の流れに伴って、捕集部材に捕集されたSOミストが捕集部材から除去することができる。この場合は、捕集部材の冷却と洗浄とを同時に行うことができるので有利である。捕集部材を冷却する工程が終了した後で捕集部材の表面は清浄な状態となるので、捕集部材が目詰まり等することなく高い捕集性能を維持することができ、安定な運転が継続される。
第1の態様において捕集部材が伝熱体である場合、前記冷却部が前記伝熱体に冷却液を供給し、前記冷却液が前記排ガスと接触する側の前記伝熱体の表面を間接的に冷却しても良い。この場合、SO除去装置は前記捕集部材に洗浄液を供給する洗浄部を備える。
第2の態様において捕集部材が伝熱体である場合、前記冷却部が前記伝熱体に前記冷却液を供給して、前記伝熱体の表面を前記冷却液により間接的に冷却しても良い。この場合は、前記捕集部材に洗浄液が供給され、前記洗浄液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去する。
捕集部材が伝熱体であれば、排ガスと接触する表面を間接的に冷却することにより、捕集部材の温度を常時硫酸露点温度以下に維持することが容易となる。
間接的な冷却を行う場合には、捕集部材に洗浄液を供給して捕集部材に付着したSOミストを定期的に除去することにより、高い除去効率を維持することができる。
第1の態様において、前記捕集部材が複数の貫通孔を有し、前記貫通孔内に前記排ガスを流通させて、前記貫通孔の内壁に前記ミストを捕集しても良い。
第2の態様において、前記捕集部材が複数の貫通孔を有し、前記排ガスが前記貫通孔のそれぞれを流通することにより前記排ガスが冷却されて前記ミストが生成し、前記貫通孔の内壁に前記ミストが捕集されても良い。
この場合、前記冷却部が少なくとも1つの前記貫通孔に冷却液を供給して前記貫通孔の表面を冷却し、前記少なくとも1つの貫通孔の冷却と同時に、残りの前記貫通孔を前記排ガスが流通し、前記少なくとも1つの貫通孔の冷却が終了すると、前記少なくとも1つの貫通孔を前記排ガスが流通することが好ましい。
捕集部材に貫通孔を形成することによりガスとの接触面積を増大させることができる。接触面積が増大することは、SO除去効率の向上に繋がる。
貫通孔に冷却液を供給して捕集部材を冷却している間はその貫通孔では排ガスの流通が阻害される。上記構成のように、冷却が行われていない残りの貫通孔では排ガスの冷却及びSOミストの捕集が継続されている。こうすることで、1つの捕集部材で連続的にSO除去処理を行うことができる。
第1の態様において、複数の開口を有する収容部と、前記収容部に充填される粒状の前記捕集部材とで構成され、前記流通路における前記排ガスの流通方向に略直交する方向に配列される複数のSO捕集部を有し、前記SO捕集部が、前記SO捕集部の前記排ガスの上流側に位置し前記排ガスが流入する排ガス空間と、前記SO捕集部の前記排ガスの下流側に位置し前記SO捕集部で前記ミストが除去された処理ガスが流入する処理ガス空間とを隔離し、複数の前記冷却部が、前記SO捕集部の各々に対応して設置されても良い。
第2の態様において、前記SO除去装置が、複数の開口を有する収容部と、前記収容部に充填される粒状の前記捕集部材とで構成され、前記流通路における前記排ガスの流通方向に略直交する方向に配列される複数のSO捕集部を有し、前記SO捕集部が、前記SO捕集部の前記排ガスの上流側に位置し前記排ガスが流入する排ガス空間と、前記SO捕集部の前記排ガスの下流側に位置し前記SO捕集部で前記ミストが除去された処理ガスが流入する処理ガス空間とを隔離し、前記排ガスが前記排ガス空間から前記SO捕集部に流入して前記捕集部材の間を流通することにより前記排ガスが冷却され、前記捕集部材の表面に前記ミストが捕集され、前記処理ガスが前記SO捕集部から前記処理ガス空間に排出されても良い。
この場合、複数の前記SO捕集部の各々に対応して前記冷却部が複数設置され、前記冷却部が少なくとも1つの前記SO捕集部に冷却液を供給して前記捕集部材を冷却し、前記少なくとも1つのSO捕集部の冷却と同時に、残りの前記SO捕集部を前記排ガスが流通し、前記少なくとも1つのSO捕集部の冷却が終了すると、前記少なくとも1つのSO捕集部を前記排ガスが流通することが好ましい。
このように粒状の捕集部材を用いることにより、排ガスとの接触面積を増大させることができる。また、排ガスは捕集部材の間隙を流通することになるので、排ガスと捕集部材との接触頻度が高まり、効率的に排ガス冷却(SOミスト生成)とSOミスト捕集とを実施することができる。
また、上記構成においても、複数のSO捕集部の中で排ガスの流通が停止されて捕集部材が冷却される工程と、排ガスの冷却及びSOミストの捕集が行われる工程とが同時に実施されるので、連続的にSO除去処理を行うことができる。
第1の態様及び第2の態様において捕集部材が伝熱体である場合、前記捕集部材がメッシュ状の開口を有する部材であり、前記開口を前記排ガスが通過するときに、前記捕集部材が前記排ガスを冷却し、前記捕集部材が前記ミストを捕集しても良い。
メッシュ状の開口を有する捕集部材であることにより、ガスとの接触面積を増大させることができ、SO除去効率を高めることができる。
第1の態様において、前記排ガスがダストを含み、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に、前記排ガスが流通可能な開口を有する集塵電極が配置され、前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記集塵電極が帯電された前記ダストを捕集することが好ましい。
第2の態様において、前記排ガスがダストを含み、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に、前記排ガスが流通可能な開口を有する集塵電極が配置され、前記放電電極によって、前記捕集部材の前記排ガスの上流側の空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電される工程と、帯電された前記ダストが前記集塵電極の表面に捕集される工程とを更に含むことが好ましい。
第1の態様において、前記排ガスがダストを含み、前記収容部の少なくとも前記排ガス上流側に面する上流側部材が導電性材料であり、前記排ガス空間に放電電極が配置され、前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記上流側部材が帯電された前記ダストを捕集することが好ましい。
第2の態様において、前記排ガスがダストを含み、前記SO除去装置の前記排ガス空間に放電電極が配置され、前記収容部の少なくとも前記排ガス上流側に面する上流側部材が導電性材料であり、前記放電電極によって前記排ガス空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電させる工程と、帯電された前記ダストが前記上流側部材の表面に捕集される工程とを更に含むことが好ましい。
第1の態様において捕集部材がメッシュ状の開口を有する伝熱体である場合、前記排ガスがダストを含み、前記捕集部材が導電性材料からなり、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記捕集部材が帯電された前記ダストを捕集することが好ましい。
第2の態様において捕集部材がメッシュ状の開口を有する伝熱体である場合、前記排ガスがダストを含み、前記捕集部材が導電性材料からなり、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、前記放電電極によって、前記捕集部材の前記排ガスの上流側の空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電される工程と、帯電された前記ダストが前記捕集部材の表面に捕集される工程とを更に含むことが好ましい。
一般的に排ガス中にはダストが含まれる。本発明のSO除去装置及びSO除去方法においては、捕集部材にダストが付着することにより、排ガスからダストも同時に除去することが可能である。更に上記構成とすれば、排ガス中からダストをより効率的に除去することが可能である。この結果、排ガス処理システム全体でのダスト除去率が高まるので有利である。
本発明の第3の態様は、第1の態様のSO除去装置と、前記SO除去装置の前記排ガスの下流側に設けられる湿式脱硫装置とを備える排ガス処理システムである。
湿式脱硫装置の上流側に第1の態様のSO除去装置を設置すれば、硫酸露点温度よりも高い状態でガスを捕集部材に接触させることができるので、効率的なSO除去を行うことができる。この結果、排ガス処理システムから最終的に排出させるSO濃度が低減するので、紫煙の発生を防止することができる。また、SO除去装置の後流側に設置される装置や煙道での酸腐食を抑制することが可能である。
硫酸露点温度以下に冷却された捕集部材により、捕集部材の表面近傍でSOガスを冷却してSOミストを生成させるとともにSOミストを捕集することができるので、長期間にわたり高効率でSOを排ガスから容易に除去することが可能である。
排ガス処理システムの一例のブロック図である。 第1実施形態に係るSO除去装置の概略図である。 第1実施形態に用いられる蓄熱材の概略図である。 第1実施形態に係るSO除去装置の変形例を説明するための概略図である。 排ガス中のSO濃度と酸露点温度との関係を表すグラフの一例である。 蓄熱材の温度変化をシミュレーションした結果の一例である。 第2実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 図7におけるA−A矢視断面図である。 図7におけるB−B矢視断面図である。 第2実施形態のSO除去装置の変形例であり、図7のB−B矢視断面図である。 第3実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 図11におけるC−C矢視断面図である。 第4実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 図13におけるD−D矢視断面図である。 第6実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第7実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第8実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第9実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第9実施形態の変形例に係るSO除去装置の側面図である。 第10実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第11実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第12実施形態に係るSO除去装置の側面図である。 第12実施形態の変形例に係るSO除去装置の側面図である。 第13実施形態に係るSO除去装置の側面図である。
図1は、排ガス処理システムの一例のブロック図である。排ガス処理システム1は、燃焼設備2の下流側の煙道に設けられる。燃焼設備2は、重油や石炭など硫黄分を含有する燃料を燃焼させる設備である。
重油などを燃料とする油焚きの燃焼設備(産業用の重油焚きボイラ、ディーゼルエンジンなど)の場合、排ガス処理システム1は、SO除去装置100と、湿式脱硫装置3と、煙突4とを備える。
湿式脱硫装置3は、吸収剤を含むスラリーを排ガス中に噴霧し、吸収剤と排ガス中のSOxとを反応させて、排ガス中から主にSOを除去する。
湿式脱硫装置3は、石膏石灰法、ナトリウム法、水マグ法を採用したものとされる。吸収剤は、石膏石灰法の場合CaCO(石灰石)、ナトリウム法の場合NaOH、水マグ法の場合Mg(OH)とされる。湿式脱硫装置3は、排ガスの流通路に直列になるように複数設置しても良い。
SO除去装置100は、湿式脱硫装置3に排ガスが流入する前に、排ガスからSOを除去するものである。
産業用の重油焚きボイラの場合は、SO除去装置100のガス上流側にエアヒータ5が設置される。エアヒータ5は、排ガスと燃焼用空気とを熱交換させるものである。これにより、燃焼用空気は排ガスの顕熱によって加熱され、燃焼設備2へと供給される。
石炭焚きのボイラの場合、排ガス処理システム1は更に、SO除去装置100のガス上流側に脱硝装置及び乾式電気集塵装置を備える。脱硝装置は、燃焼設備(石炭焚きのボイラ)2から流入する排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を除去する。乾式電気集塵装置は、排ガス中の煤塵を静電気力によって捕集するものである。
石炭焚きのボイラの場合、排ガス処理システム1は更に、湿式脱硫装置3のガス下流側に湿式電気集塵装置を備える。湿式電気集塵装置は、乾式電気集塵装置及び湿式脱硫装置で捕集しきれなかった煤塵やSOミストを静電気力によって除去する。
なお、産業用重油焚きボイラの場合、排ガス処理システムに乾式電気集塵装置及び湿式電気集塵装置が設置される場合もある。
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態に係るSO除去装置の概略図である。SO除去装置100は、湿式脱硫装置3直前の煙道(流通路)10に設置される。
図2では、SO除去装置が設置される部分の煙道10は湿式脱硫装置3入口に略鉛直に設置され、排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。
また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
SO除去装置100は、煙道10に設置される捕集部材110と、冷却部120とを備える。
第1実施形態の捕集部材110には物質の比熱を利用する顕熱蓄熱材が用いられる。本実施形態に適用できる蓄熱材には、耐熱性、及び、耐酸性を有していることが求められる。具体的に、顕熱蓄熱材はコージェライト、アルミナなどのセラミックスである。
図3は第1実施形態の捕集部材110の概略図である。図3の捕集部材(顕熱蓄熱材)110は角柱形状であり、複数の四角形の貫通孔111が形成されたハニカム構造体である。但し、捕集部材110は角柱形状に限定されず、円柱形状などであっても良い。この場合、貫通孔は柱の軸方向に貫通するように形成される。貫通孔111の形状は四角形に限定されず、円形、楕円形、正六角形などの多角形などでも良い。貫通孔111の大きさは、比表面積が大きく、かつ、閉塞を生じさせない範囲であることが好ましい。具体的に、貫通孔111の大きさは2〜10mm程度である。
捕集部材110は、貫通孔111の延在方向が排ガスの流通方向と略一致するように、煙道10内に配置される。第1実施形態のSO除去装置100のSO除去効率は、SO除去装置100に流入する排ガス温度、排ガス中のSO濃度、ガス流速、捕集部材110の温度、顕熱蓄熱材の比熱、捕集部材110の比表面積などにより変動する。所望のSO除去効率を満たすように、SO除去装置100が設計される。図2では捕集部材110を1つ設けた例を示しているが、所定のSO除去効率を得るために複数の捕集部材110を排ガス流通方向に配列する構成とすることができる。
図2では、捕集部材110として煙道10の断面と略一致する蓄熱材を1つ設ける構成としたが、蓄熱材及び煙道10の大きさに応じて、排ガス流通方向と略直交する方向に複数の蓄熱材を並べた構成とすることもできる。
図2において、冷却部120は捕集部材110の上方(排ガス上流側)に設置される。但し、冷却部は捕集部材110の下方(排ガス下流側)に設置されていても良い。
冷却部120は、複数のノズル121(121−1〜121−5)を有する。各ノズル121−1〜121−5に分岐配管122(122−1〜122−5)が接続し、分岐配管122−1〜122−5にはそれぞれバルブV1−1〜V1−5が設置される。バルブV1−1〜V1−5は、煙道10の外部に設置される。各分岐配管122−1〜122−5は冷却液供給配管123に合流する。冷却液供給配管123は、冷却液供給源(不図示)に接続する。冷却液供給源は、冷却液が収容されるタンクでも良いし、湿式脱硫装置3の底部で散布された吸収液を貯留する貯留部20であっても良い。捕集部材110の大きさに応じて、図2の紙面奥行方向にもノズル及び分岐配管が配置される。
冷却部120は、冷却液供給源から冷却液供給配管123及び分岐配管122−1〜122−5を介してノズル121−1〜121−5から捕集部材110の貫通孔111に向かって冷却液を散布して供給する。1つのノズルで複数の貫通孔111に冷却液を供給することができる。複数のノズルによって貫通孔111のすべてに冷却液が供給されるように、ノズル121−1〜121−5が配置される。
図4は本実施形態の別の例であり、排ガス上流側から冷却部及び捕集部材(蓄熱材)を見た概略図である。本変形例における冷却部120では、2本の分岐配管122の閉塞端部124が向かい合っている。このような2本の分岐配管122の組み合わせが、分岐配管122の延在方向と略直交する方向に、複数配列される。各分岐配管122に、複数のノズル121が設置される。各分岐配管122には、煙道10の外部でバルブが設置される。
後述するように、冷却液は高温の排ガスにさらされることによって昇温する捕集部材110の表面を、硫酸露点温度以下に冷却する役割を果たす。冷却液は例えば水、湿式脱硫装置3の吸収液(CaCOなどを含むスラリー)などである。吸収液を冷却液として用いる場合には、冷却液供給源が貯留部20と水を収容するタンクとなり、同一のノズルから吸収液と水とが別々に散布される構成とする。冷却部120から供給される冷却液の温度は、硫酸露点温度以下である。
冷却液の温度が低いほど冷却効率が向上するので好ましい。例えば、冷却液として水を用いる場合には、冷却液量が十分多いと冷却液の温度は冷却液供給源が設置される環境の温度に近づく。冷却液として貯留部20の吸収液を用いる場合には、冷却液の温度は50〜60℃程度となる。
複数の捕集部材110を排ガスの流通方向に沿って配列する場合は、それぞれの捕集部材110に対して冷却部120が設けられることが好ましい。
第1実施形態のSO除去装置100を用いて、排ガスからSOを除去する方法を以下で説明する。
捕集部材110は、硫酸露点温度以下に冷却されている。図5は、排ガス中のSO濃度と酸露点温度との関係を表すグラフの一例である。同図において横軸はSO濃度、縦軸は酸露点温度(硫酸露点温度)である。各水分量での酸露点の求め方としては、酸露点に関する大塚の式が広く知られている。
SO濃度の増加に伴い酸露点温度が上昇する。また、排ガス中の水分量が高いほど酸露点温度が高い。SO除去装置100に流入する直前の排ガス中のSO濃度及び水分量が計測され、計測されたSO濃度及び水分量から図5のグラフにより、SO除去装置100に流入する排ガスの酸露点温度(硫酸露点温度)が取得される。捕集部材110は、このように取得された酸露点温度よりも十分に低い温度に冷却される。例えば、排ガス流入前の捕集部材110は50〜60℃に冷却される。排ガス処理システム運転前での捕集部材110の冷却は、冷却部120からの冷却液の散布により実施される。なお、排ガス処理システムの運転開始直後は、冷却部120からの冷却液の散布は停止されている。
燃焼設備2で発生したSOを含む排ガスが、SO除去装置100に流入する。一般には、SO除去装置100に流入する前の排ガスの温度が硫酸露点より20℃以上高くなる運転条件が設定される。従って、SOの濃度にもよるが、SO除去装置100に流入する前の排ガスの温度は150〜180℃程度となる。この温度では、SO除去装置100に流入する前の排ガス中でSOは気体状態(SOガス)で存在する。
なお、SO除去装置100に流入する前の排ガスの温度が上記の設定より高い場合には、SO除去装置100の排ガス上流側の煙道10に設置される上流側噴霧装置130から煙道10を流通する排ガスに対して、冷却水が予め別途散布され、排ガスが硫酸露点〜硫酸露点+20℃の範囲内の温度に冷却されていることが好ましい。こうすることで、捕集部材110の急激な温度上昇を防ぐことができる。
(ガス冷却工程)
SOガスを含む排ガスは、捕集部材110の貫通孔111内に流入する。貫通孔111を流通する間に排ガスが貫通孔111の内壁と接触することにより、排ガスが冷却される。排ガス温度が硫酸露点温度以下に冷却されると、排ガス中のSOガスがSOミスト(液体状態)に転化する。ミストへの転化は、特に貫通孔111の内壁のごく近傍で発生する。このため、生成したミストが貫通孔111の内壁に捕集されやすくなる。
(捕集工程)
SOミストは排ガスに伴って貫通孔111を流通する間に貫通孔111の内壁に付着する。つまり、SOミストは捕集部材110の表面に捕集される。この結果、排ガス中のSO濃度が低減されて、排ガスが貫通孔111から排出される。
燃焼設備2で発生した排ガスにはダストが含まれている。本実施形態において、排ガス中のダストの一部は、捕集部材110に付着して捕集されることによって、排ガス中から除去される。
(捕集部材冷却工程)
図6は、ガス冷却工程及び捕集工程と、捕集部材冷却工程とを繰り返し行う場合について蓄熱材の温度変化をシミュレーションした結果の一例である。同図において、横軸は時間、縦軸は蓄熱材の温度である。図6は、蓄熱材(捕集部材110)の上部から下部に向かって排ガスが流通する場合の計算結果である。
ガス冷却工程及び捕集工程において排ガスとの接触により蓄熱材の温度が上昇する。蓄熱材上部(排ガス上流側)の方が蓄熱材下部(排ガス下流側)よりも高温の排ガスにさらされるため、温度上昇幅が大きくなる。
図6に、一例として硫酸露点温度(140℃)が示されている。蓄熱材が硫酸露点温度以上になるとSOミストが生成されなくなる。このため、蓄熱材の温度が硫酸露点温度に到達する前に、捕集部材冷却工程が行われる。硫酸露点温度近傍ではSOガスがミストに転化されないためSO除去効率が低下する場合がある。このため、捕集部材冷却工程は、硫酸露点温度よりも十分に低い温度(例えば、露点温度−80℃〜−10℃)で実施すると良い。ただし、捕集部材冷却工程開始時には必ずしも捕集部材(蓄熱材)全体で硫酸露点温度以下になっている必要はない。上述のように蓄熱材の上部(排ガス上流側)と下部(排ガス下流側)とでは温度幅があるので、捕集部材(蓄熱材)の一部(少なくとも下部)が硫酸露点温度以下でありSOミストを生成することができる条件であれば良く、捕集部材(蓄熱材)上部は硫酸露点温度を越えていても構わない。
冷却液により捕集部材110の貫通孔111の内壁が酸露点温度以下まで冷却される。すなわち、冷却液は、捕集部材110の排ガスが接触する側の表面を直接冷却している。冷却後の捕集部材110の温度は、冷却液流量、捕集部材冷却工程が実施される期間、顕熱蓄熱材の比熱に応じて設定される。
捕集部材冷却工程を実施するタイミング及び期間は、図6に例示されるシミュレーションが予め行われてシミュレーションに基づいて設定されても良い。捕集部材110の熱容量が大きければ、図6に示す捕集部材110の温度上昇勾配が緩やかになるので、捕集部材110が硫酸露点温度に到達するまでの時間が長くなる。つまり、ガス冷却工程及び捕集工程の時間(捕集部材冷却工程の間隔)が長くなり、SO除去効率が向上する。また、冷却液の温度が低い程、捕集部材110を短時間で冷却できる。
あるいは、ガス冷却工程及び捕集工程が行われている間の捕集部材110の温度、特に捕集部材110の排ガス上流側部分の温度が計測され、計測温度に基づいて捕集部材冷却工程を実施するタイミング及び期間が設定されても良い。
上記のように捕集部材110の温度に基づいて捕集部材冷却工程を実施することにより、SO捕集装置100を運転している間の捕集部材110の温度が硫酸露点温度以下に維持される。
捕集部材の冷却を短時間に実施するために多量の冷却液を貫通孔111へ流入すると、排ガスの通風抵抗が大きくなり、冷却液が流入した貫通孔111では排ガスはほとんど流通することができなくなる。すなわち、捕集部材冷却工程が実施されている間は、ガス冷却工程及び捕集工程が停止される。すべての貫通孔111に対して冷却液が供給されると、煙道10を排ガスが流通することができない。このため、捕集部材冷却工程は、複数の貫通孔111のうち少なくとも1つの貫通孔111で行われ、残りの貫通孔111では排ガスの流通(ガス冷却工程及び捕集工程)が継続される必要がある。
具体的に、図2のSO除去装置100では、ノズル121−1に対応するバルブV1−1が開放される。これにより、分岐配管122−1を通じてノズル121−1から冷却水が捕集部材110に向かって供給され、ノズル121−1の下方に位置する貫通孔111では捕集部材冷却工程が行われる。残りのノズル121−2〜121−5ではバルブV1−2〜V1−5が閉鎖されており、ノズル121−2〜121−5の下方に位置する貫通孔111ではガス冷却工程及び捕集工程が行われる。上記のように設定された「捕集部材冷却工程が実施される期間」が経過したとき、あるいは、捕集部材110の温度が酸露点以下の所定値に到達したとき、バルブV1−1が閉鎖されて冷却液の供給が停止され、排ガスが流通してガス冷却工程及び捕集工程が再開される。
バルブV1−2〜V1−5の開放のタイミングが互いにずらされることによって、ノズル121−2〜121−5からの冷却液の供給が順次行われる。
図4の変形例においても、図2のSO除去装置100と同様に、分岐配管122毎に冷却水がノズル121から捕集部材110に向かって供給されるように、バルブの開閉が制御される。
図2,4を用いて上記で説明した工程では、捕集部材110の貫通孔111が複数のブロックに分けられて、ブロック毎に捕集部材冷却工程が行われることになる。ブロック毎の冷却を行うように冷却部120を設置することは、ミスト捕集効果が得られる貫通孔の大きさや冷却部120等の機器を設置するスペースを考慮すると現実的であり、また冷却水供給の制御が容易となる。
貫通孔111内壁に付着したSOミストは冷却液の流れに伴って捕集部材110下方に向かって流れ、捕集部材110から排出される。この捕集部材冷却工程により、冷却液に伴って捕集部材110の貫通孔111内壁からSOミストが除去される(捕集部材110表面が洗浄される)。捕集部材110に捕集されたダストも、SOミストとともに冷却液の流れに伴って捕集部材110から除去される。
捕集部材冷却工程により捕集部材110表面のSOミストが除去されているので、再開された捕集工程では捕集部材110の表面にミストが付着しやすい状態になり、捕集性能が再生されている。従って、高いSO除去効率を長期間にわたり維持することが可能である。
捕集部材110下方に流れた冷却液は捕集部材110の貫通孔111から排出される。図2の例では、排出された冷却液は下流側の煙道11を介して湿式脱硫装置3の貯留部20に流れ込む。
冷却液として吸収液を利用する場合は、捕集部材110から排出された冷却液がSO除去装置100に循環されることになる。
冷却液として湿式脱硫装置3の吸収液を用いる場合には、捕集部材冷却工程の最初で吸収液を捕集部材110に供給する。その後吸収液の供給を停止して水を捕集部材110に供給し、捕集部材110の表面の吸収液を洗い流す。こうすることにより、捕集部材110の表面に吸収液が残留し、ガス冷却工程及び捕集工程を再開させたときに吸収液中の水分が蒸発してCaCO等が貫通孔111内に析出し貫通孔111を閉塞することを防止できる。
上記では冷却液が捕集部材110の洗浄を行う例を説明したが、冷却部120とは別に、捕集部材110の洗浄のみを実施する洗浄部が設置されていても良い。
SO除去装置100から排出された排ガスの温度は、一般には水露点以上である。そこで、SO除去装置100の排ガス下流側の煙道11に設置される下流側噴霧装置140から煙道10を流通する排ガスに対して冷却水が散布される。こうすることにより後段の湿式脱硫装置3での反応が十分機能する水分飽和、即ち水露点に近い温度(約50〜60℃)まで排ガスが冷却される。
<第2実施形態>
図7〜9は第2実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図7は側面図であり、図8は図7におけるA−A矢視断面図、図9は図7におけるB−B矢視断面図である。
SO除去装置200は湿式脱硫装置3の直前の煙道に設置される。煙道10は湿式脱硫装置3入口において略鉛直に設置され、排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。なお、排ガスは図7に示す煙道10を下から上に向かって流通しても良い。
また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
SO除去装置200は複数のSO捕集部210と冷却部220とを備える。
SO捕集部210は、収容部211と捕集部材213とで構成される。収容部211は、直方体形状の枠体212であり、内部が空洞である。枠体212は排ガスが流通可能である複数の開口を有し、排ガスの流通を阻害しない程度の開口率を有する。開口は捕集部材213を収容部211内に保持可能な大きさである。収容部211の材質は耐酸性及び排ガス温度における耐熱性を有している必要がある。具体的に枠体212はパンチングメタル、金網、ポリテトラフロオロエチレン製のメッシュ部材等で作製される。
本実施形態の捕集部材213には、第1実施形態と同様の顕熱蓄熱材が用いられても良いし、物質の相変化に伴う潜熱を利用する潜熱蓄熱材が用いられても良い。本実施形態に適用できる潜熱蓄熱材には、相変化温度(融点)が硫酸露点温度以下であること、相変化時の熱容量が大きいことが求められる。具体的に、潜熱蓄熱材はエリスリトール(相転移温度80〜110℃)、酢酸ナトリウム三水塩(相転移温度35〜57℃)などと同等の特性を有するものが望ましい。
第1実施形態と同様に、捕集部材213は冷却部220から供給される冷却液によって相変化温度以下に冷却される。従って、潜熱蓄熱材は、冷却部220から供給される冷却液の温度よりも高い相変化温度を有している必要がある。例えば、室温程度の水が供給される場合には、潜熱蓄熱材としてエリスリトールや酢酸ナトリウム三水塩が利用できる。湿式脱硫装置3の吸収液(50〜60℃程度)が供給される場合には、潜熱蓄熱材としては相転移温度が冷却液温度よりも高いエリスリトールを適用することが好ましい。
これらの潜熱蓄熱材は、耐酸性及び耐熱性を有する樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)製のカプセルなどの容器に充填されて捕集部材213とされる。容器は粒状である。容器形状は特に限定されず、球形、楕円球形などが採用できる。
捕集部材213は収容部211内に充填される。捕集部材213の間には排ガスが流通可能な隙間が存在する。
SO捕集部210は煙道10のガス流通方向に略直交する方向に複数配列される。図7では6個のSO捕集部210が設けられているが、これに限定されない。図8に示すように、SO捕集部210は対向する1対の壁面12の間に延在する。
隣り合うSO捕集部210の間、及び、両端のSO捕集部210と煙道10の壁面12との間に仕切板214a,214bが設置される。SO捕集部210、仕切板214a,214b及び煙道10の壁面12によって、SO捕集部210の排ガス上流側に位置する排ガス空間215と、SO捕集部210の排ガス下流側に位置する処理ガス空間216とが隔離されている。
第2実施形態のSO除去装置200のSO除去効率は、SO除去装置200に流入する排ガス温度、排ガス中のSO濃度、ガス流速、捕集部材213の温度、顕熱蓄熱材の比熱または潜熱蓄熱材の熱容量、捕集部材213の比表面積、収容部211の排ガス流通方向の幅などにより変動する。所望のSO除去効率を満たすように、SO除去装置200が設計される。例えば、排ガス流通方向に複数段のSO捕集部を備える構成とすることができる。
冷却部220はSO捕集部210の上方に設置される。図9の例では冷却部220はSO捕集部210に沿って延在する散布配管221(221−1〜221−6)を有する。散布配管221−1〜221−6の下側には軸方向に沿って複数の吐出孔222が設けられる。吐出孔222の代わりに複数のノズルが排ガス上流側または排ガス下流側に設置されても良い。散布配管221−1〜221−6の一方端部は閉塞され、各散布配管221−1〜221−6の他方端部にバルブV2−1〜V2−6が設置される。散布配管221−1〜221−6は合流し、冷却液供給源(不図示)に接続する。本実施形態においても、第1実施形態と同じ種類の冷却液が使用可能である。
なお、排ガスが煙道を略水平方向に流通する態様において、散布配管は、例えばSO捕集部の上方など、捕集部材全体に冷却液が供給できる位置に配置される。
図10は第2実施形態のSO除去装置の変形例であり、図7のB−B矢視断面図である。本変形例における冷却部は、1つのSO捕集部に対して2本の散布配管232a(232−1a〜232−6a),232b(232−1b〜232−6b)が配置される。散布配管232a,232bは、SO捕集部の中央部付近でそれぞれの閉塞端部231が接触するように延在する。散布配管232−1a〜232−6a,232−1b〜232−6bにはそれぞれバルブV3−1a〜V3−6a,V3−1b〜V3−6bが設置される。各散布配管232−1a〜232−6a,232−1b〜232−6bは合流し、冷却液供給源(不図示)に接続する。
第2実施形態のSO除去装置200を用いて、排ガスからSOを除去する方法を以下で説明する。
第1実施形態と同様に、捕集部材213は酸露点温度よりも十分に低い温度に冷却される。排ガス処理システム運転前での捕集部材213の冷却は、冷却部220からの冷却液の散布により実施される。排ガス処理システムの運転開始直後は、冷却部220からの冷却液の散布は停止されている。
SOガスを含む排ガスは、SO除去装置200に流入する前に硫酸露点温度〜硫酸露点温度+20℃の範囲内に冷却される。こうすることにより、捕集部材213の急激な温度上昇を防ぐことができる。
(ガス冷却工程)
SOガスを含む排ガスは、入口部から排ガス空間215内に流入し、SO捕集部210を通過する。排ガスは、捕集部材213の間隙を通過する間に、捕集部材213の表面と接触して冷却される。排ガス温度が硫酸露点温度以下に冷却されると、排ガス中のSOガスがSOミストに転化する。ミストへの転化は、特に捕集部材213表面のごく近傍で発生する。このため、生成したミストが捕集部材213に捕集されやすくなる。
(捕集工程)
生成したSOミストはSO捕集部210を通過する間に捕集部材213の表面に付着して捕集される。SO濃度が低減された排ガスは、SO捕集部210を通過して処理ガス空間216に到達し、出口部を介して処理ガス空間216から排出される。
本実施形態においても、排ガス中のダストの一部は、捕集部材213に付着して捕集されることによって、排ガス中から除去される。
本実施形態では、排ガスは捕集部材213の間隙を流通することになるので、排ガスと捕集部材213との接触頻度が高まり、効率的にガス冷却によるSOミスト生成とSOミスト捕集とを実施することができる。
(捕集部材冷却工程)
排ガスとの接触により捕集部材213の温度が硫酸露点温度に到達する前に、冷却部220が吐出孔222からSO捕集部210の捕集部材213に対して冷却液を供給する。冷却液が捕集部材213の間隙を流通することにより、冷却液が捕集部材213を冷却する。すなわち、冷却液は、捕集部材213の排ガスが接触する側の表面を直接冷却している。
捕集部材冷却工程を実施するタイミング及び期間は、第1実施形態と同様に、捕集部材温度のシミュレーション結果に基づいて決定されても良いし、ガス冷却工程及び捕集工程が行われている間に計測された捕集部材213の温度に基づいて決定されても良い。このように捕集部材213の温度に基づいて捕集部材冷却工程を実施することにより、SO捕集装置200を運転している間の捕集部材213の温度が硫酸露点温度以下に維持される。
捕集部材冷却工程では捕集部材213の間隙に冷却液が流通するので、SO捕集部210を排ガスが流通することはできない。すなわち、捕集部材冷却工程が実施されている間は、ガス冷却工程及び捕集工程が停止される。本実施形態においても、捕集部材冷却工程はバルブV2−1〜V2−6の開放のタイミングが互いにずらされることにより、SO捕集部210毎に順次行われる。こうすることにより、連続的にSO除去処理を行うことができる。
図10の変形例の場合、同一のSO捕集部上に配置される散布配管232a,232bのバルブV3a及びV3bは異なる時期に開放されても良い。例えばバルブV3−1aが開放されバルブV3−1bが閉鎖されている場合は、散布配管232−1aの下方に位置するSO捕集部に対して冷却液が供給され、排ガスの流通が停止する。一方、散布配管232−1bの下方に位置するSO捕集部では排ガスが流通しガス冷却工程及び捕集工程が継続する。
上記工程では、冷却液によって捕集部材213が冷却されるとともに、捕集部材213の表面から付着したSOミストが除去される。このように冷却と洗浄とを同時に実施することにより、ガス冷却工程及び捕集工程を実施する期間を長くすることができ、高いSO除去効率を長期間にわたって維持することが可能となる。
但し、本実施形態においては、冷却部220とは別に、捕集部材213の洗浄のみを実施する洗浄部が設置される構成とすることもできる。
<第3実施形態>
図11〜12は第3実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図11は側面図、図12は図11におけるC−C矢視断面図である。
SO除去装置300は第1実施形態及び第2実施形態のSO除去装置と同じ場所に設置される。煙道10は湿式脱硫装置3の入口において略鉛直に設置され、図11では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。
また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
第3実施形態のSO捕集部310における収容部311が円筒形状である以外は、第2実施形態と同じである。収容部311には、顕熱蓄熱材または潜熱蓄熱材を用いた捕集部材が収容される。
SO捕集部310は、煙道10のガス流通方向に略直交する面内に複数配列される。図11ではSO捕集部310が3列×3列で配置されているが、配置位置はこれに限定されない。
SO捕集部310の間、及び、SO捕集部310と煙道10の壁面12との間に仕切板314a,314bが設置される。SO捕集部310及び仕切板314a,314bによって、SO捕集部310の排ガス上流側に位置する排ガス空間315と、SO捕集部310の排ガス下流側に位置する処理ガス空間316とが隔離されている。
冷却部320は各SO捕集部310の上方で、上側の仕切板314aに対応する位置に設置される。図11,12の冷却部320は第2実施形態と同じ構成である。第3実施形態の冷却部は、例えば各SO捕集部上(SO捕集部の排ガス上流側)にノズルを設け、各SO捕集部の収容部に対して冷却液が供給される構成としても良い。
第3実施形態のSO除去装置300を用いたSO除去方法は、第2実施形態のSO除去装置を用いた方法とほぼ同じである。
<第4実施形態>
図13〜14は第4実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図13は側面図、図14は図13におけるD−D矢視断面図である。
図13及び図14のSO除去装置400におけるSO捕集部410及び冷却部420は、第2実施形態と同じである。
第4実施形態のSO除去装置400は、排ガス空間415に複数の放電電極430が設置される点で第2実施形態及び第3実施形態と異なる。図14に示すように放電電極430はSO捕集部410に沿って配列される。
放電電極430は、取付軸431と、取付軸431の延在方向に略直交する方向に取付軸431から突出する複数の放電トゲ432を有する。放電トゲ432の先端はSO捕集部の排ガス上流側の面に向けられる。放電電極430の各々は、高圧電源440に接続する。
SO捕集部410の枠体の排ガス上流側の面の部材(上流側部材)412は導電性材料で作製される。枠体がパンチングメタルや金属メッシュである場合、上流側部材412は金属であり、導電性を有する。上流側部材以外の枠体が耐酸性及び耐熱性のある非導電部材(例えばポリテトラフルオロエチレン製の部材)である場合は、上流側部材412は、パンチングメタルや金属メッシュ等の導電性材料とする。上流側部材412は接地される。
第4実施形態におけるSO除去装置は、SO捕集部410及び冷却部420は第3実施形態と同じ構成とすることもできる。この場合、1本の放電電極が排ガス空間に挿入される。
第3実施形態のSO除去装置400を用いて排ガスからSOを除去する方法は、第2実施形態ほぼ同じである。第4実施形態ではSO除去装置においてSOの除去と同時に排ガス中に含まれるダストを積極的に捕集する。
(帯電工程)
高圧電源は放電電極430に電圧を印加する。これにより、放電電極430と上流側部材412との間に電位差が発生し、放電電極430の放電トゲ432と上流側部材412との間に一定以上の電位差が確保できた時に、コロナ放電が発生する。排ガス空間415に流入した排ガス中のダストは、排ガス空間415内でコロナ放電により帯電される。
(集塵工程)
帯電したダストは、排ガスの流れよりSO捕集部410に向かって流れる。上流側部材412は表面に帯電したダストを捕集する。これにより、排ガスからダストが除去される。ダストが除去された排ガスは、上流側部材412の開口を通過してSO捕集部410内部に流入する。上流側部材412で捕集しきれなかったダストの一部は、SO捕集部410において捕集部材413に捕集されることにより、排ガスから除去される。
本実施形態のようにダストを帯電させることにより、排ガスからのダスト除去率を大幅に向上させることができる。
上流側部材412の表面に付着したダストは、捕集部材冷却工程で供給された冷却液に伴って下方に流れ、上流側部材412から除去される。あるいは、冷却部420とは別に洗浄部を設ける場合には、洗浄部からSO捕集部410に対して供給された洗浄液によって、上流側部材412の表面に付着したダストが除去される。
<第5実施形態>
第5実施形態に係るSO3除去装置は、第1実施形態(図2)で説明したSO除去装置において、捕集部材のガス上流側に放電電極及び集塵電極を設置する構成である。以下では、図2及び図3を参照しながら第5実施形態を説明する。
集塵電極はガスが流通可能な開口を有する板状部材であり、導電性材料で作製される。具体的に、集塵電極はTi,ハステロイ、ステンレスなどの耐酸性に優れる金属若しくは合金で作製された金網やパンチングメタル、または、炭素繊維製のメッシュ部材である。
集塵電極は、蓄熱体である捕集部材110の排ガスの流れと対向する面に設置される。集塵電極は接地される。
放電電極は、集塵電極に対向して設置される。放電電極は、第4実施形態の放電電極430と同様の構成を有している。放電電極の放電トゲの先端は、集塵電極に向けられる。1つの取付軸に対して複数の放電トゲが設置されることが好ましい。図2において、紙面奥行方向あるいは紙面水平方向に、複数の放電電極が配列される構成とすることが好ましい。放電電極は高圧電源に接続する。
第5実施形態のSO除去装置を用いて排ガスからSOを除去する方法は、第1実施形態と略同一である。
第5実施形態では、SO除去装置においてSOの除去と同時に排ガス中に含まれるダストを捕集する。
(帯電工程)
高圧電源は放電電極に電圧を印可し、放電電極と集塵電極との間に電位差を発生させる。これにより、放電電極の放電トゲと集塵電極との間にコロナ放電が発生する。SO除去装置内に流入した排ガス中のダストは、コロナ放電により帯電される。
(集塵工程)
帯電したダストは、排ガスの流れより集塵電極に向かって流れる。集塵電極は表面に帯電したダストを捕集する。これにより、排ガスからダストが除去される。ダストが除去された排ガスは、集塵電極の開口を通過して、捕集部材110内の貫通孔111を流通する。集塵電極で捕集しきれなかったダストの一部は、捕集部材110に捕集されることにより、排ガスから除去される。
本実施形態のようにダストを帯電させることにより、第1実施形態と比較して排ガスからのダスト除去率を大幅に向上させることができる。
集塵電極及び捕集部材110の表面に付着したダストは、捕集部材冷却工程で供給された冷却液に伴って下方に流れ、集塵電極及び捕集部材110から除去される。冷却部120とは別に洗浄部を設ける場合には、洗浄部から捕集部材110に対して供給された洗浄液によって、集塵電極及び捕集部材110の表面に付着したダストが除去される。
<第6実施形態>
図15は第6実施形態に係るSO除去装置の概略図である。図15において、図2と同じ構成には同じ符号を付す。
第6実施形態のSO除去装置500は、煙道10に設置される捕集部材510、冷却部520、洗浄部530、及び、温度計測部540を備える。
捕集部材510には伝熱体が用いられる。本実施形態に適用される伝熱体は、高い熱伝導率(例えば10W/(m・K)以上)を有し、耐酸性を有しているものである。具体的に、捕集部材(伝熱体)510は、Tiなどの金属、ハステロイ、ステンレスなどの合金、SiC、炭素繊維などで作製される。
本実施形態における捕集部材510は、図3に示される蓄熱材と同様に、複数の貫通孔が形成されたハニカム構造体である。捕集部材510は、貫通孔の延在方向が排ガスの流通方向と略一致するように、煙道10内に配置される。
SO除去装置500は湿式脱硫装置3の直前の煙道に設置される。煙道10は湿式脱硫装置3入口において略鉛直に設置され、排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。なお、排ガスは図15に示す煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
捕集部材510の形状は特に限定されず、角柱、円柱等、煙道10の断面形状に応じた形状を有している。貫通孔の形状は特に限定されず、例えば、四角形、正六角形などの多角形、円家、楕円形などである。貫通孔の大きさは、蓄熱材の場合と同様に、比表面積が大きく、かつ、閉塞を生じさせない範囲であることが好ましい。具体的に、貫通孔の大きさは2〜10mm程度である。
SO除去効率は、SO除去装置500に流入する排ガス温度、排ガス中のSO濃度、ガス流速、捕集部材510の温度、伝熱体の熱伝導率、捕集部材510の比表面積などにより変動する。所望のSO除去効率を満たすように、SO除去装置500が設計される。
図15では捕集部材510として伝熱体を1つ設ける構成を示しているが、伝熱体の大きさや煙道10の大きさに応じて排ガス流通方向と略直交する方向または排ガスの流通方向に複数の伝熱体を並べる構成としても良い。
図15において、冷却部520は捕集部材510の上方(排ガス上流側)に設置される。但し、冷却部は捕集部材510の下方(排ガス下流側)に設置されていても良い。
冷却部520は複数のノズル521を有し、各ノズル521に分岐配管522が接続する。図15ではノズル521は5つ図示されているが、ノズル521の数はこれに限定されない。捕集部材510の大きさに応じて、図15の紙面奥行方向にもノズル及び分岐配管が配置される。各分岐配管522は冷却液供給配管523に合流する。煙道10の外部において、冷却液供給配管523にバルブV4が設置される。冷却液供給配管523は、冷却液供給源(不図示)に接続する。冷却液供給源は、タンクでも良いし、湿式脱硫装置3の貯留部20であっても良い。
複数の捕集部材510を排ガスの流通方向に沿って配列する場合は、それぞれの捕集部材510に対して冷却部520が設けられることが好ましい。
冷却部520はノズル521から冷却液を捕集部材510に向かって噴霧する。SO除去装置500の内部は高温の排ガスが流通しているが、捕集部材510が冷却液により冷却されるためには、噴霧された冷却液の液滴が捕集部材510に到達しなければならない。液滴(水)が完全に蒸発するまでの所要時間は液滴径に依存する。このことから、ノズル521から噴霧される冷却液の液滴径、ガス流速等を考慮して、洗浄液が液滴として捕集部材510に到達するように、ノズル521先端と捕集部材510との距離が設定される。
図15において、洗浄部530は捕集部材510の上方(排ガス上流側)に設置される。但し、洗浄部は捕集部材510の下方(排ガス下流側)に設置されていても良い。
洗浄部530は、ノズル531と、分岐配管532と、洗浄液供給配管533とを有する。複数のノズル532はそれぞれ分岐配管532に接続し、分岐配管532は洗浄液供給配管533に合流する。各分岐配管532には、煙道10の外部においてバルブV5が設置される。洗浄液供給配管533は、洗浄液供給源(不図示)に接続する。洗浄液供給源は、タンクでも良いし、湿式脱硫装置3の貯留部20であっても良い。
洗浄部530は、図4に例示されるように、2本の分岐配管の閉塞端部が向かい合うように組み合わされたものであっても良い。
温度計測部540は捕集部材510に取り付けられ、捕集部材510の表面温度を計測する。1つの捕集部材510に対し、複数の温度計測部540が取り付けられていても良い。この場合、複数の温度計測部540は、排ガス流通方向に沿った複数箇所での捕集部材510の温度を計測し、ガス流通方向での温度分布を計測できることが好ましい。また、排ガス流通方向に略直交する面内での複数箇所での捕集部材510の温度分布を計測するように、温度計測部540が配置されていても良い。
第6実施形態のSO除去装置500を用いて、排ガスからSOを除去する方法を以下で説明する。
排ガス処理システム運転前に、捕集部材510は硫酸露点温度以下(例えば50〜60℃)に冷却されている。運転前の捕集部材510の冷却は、冷却部520のノズル521から冷却液が捕集部材510に散布される。
第1実施形態と同様に、SO除去装置500に流入する前の排ガスの温度が150〜180℃を超える場合には、SO除去装置500の排ガス上流側の煙道10に設置される上流側噴霧装置130から煙道10を流通する排ガスに対して、冷却水が予め別途散布され、排ガスが硫酸露点〜硫酸露点+20℃の範囲内の温度に冷却されていることが好ましい。
(ガス冷却工程)
SOガスを含む排ガス(150〜180℃)が、SO除去装置100に流入し、捕集部材510の貫通孔内を流通する。捕集部材510は硫酸露点温度以下に冷却されているため、排ガスが貫通孔を流通する間に貫通孔の内壁と接触することにより、排ガスが冷却される。排ガス温度が硫酸露点温度以下に冷却されると、貫通孔内壁のごく近傍で排ガス中のSOガスがSOミストに転化する。
(捕集工程)
貫通孔内壁のごく近傍で生成したSOミストは、排ガスに伴って貫通孔を流通する間に貫通孔の内壁に付着し、捕集部材510に捕集される。SOミストが除去された排ガスは、貫通孔を通過し捕集部材510から排出される。
燃焼設備2で発生した排ガスにはダストが含まれている。本実施形態において、排ガス中のダストの一部は、捕集部材510に捕集されることによって、排ガス中から除去される。
(捕集部材冷却工程)
高温の排ガスが捕集部材(伝熱体)510と接触することにより、接触部分で捕集部材510の温度が上昇する。
第6実施形態では、ガス冷却工程及び捕集工程の間も、捕集部材冷却工程が継続されている。排ガスが捕集部材510を流通している間冷却液が噴霧される。冷却水の噴霧は連続的であっても良く、間欠的であっても良い。冷却部520のノズル521から噴霧された冷却液は、排ガス中を冷却する間に一部が蒸発しながら、液滴状態で捕集部材510に到達する。冷却液の液滴は捕集部材510上、具体的に貫通孔の内壁上で完全に蒸発する。冷却液の気化熱により、捕集部材510が冷却される。捕集部材510は伝熱体であるので、冷却液が接触した箇所だけでなくその周辺の領域も冷却液により冷却されることになる。冷却部520が捕集部材510全体に略均一に冷却液を噴霧することにより、捕集部材510の温度を略均一とすることができる。
本実施形態では、温度計測部540がガス冷却工程及び捕集工程の間の捕集部材510の温度を計測する。冷却部520は、温度計測部540が計測した温度に基づいて、冷却液の供給量を制御する。こうすることで、冷却部520は捕集部材510の温度を硫酸露点温度以下に維持する。
(洗浄工程)
上述のように冷却液は捕集部材510上で蒸発するため、捕集工程が継続されると捕集部材510表面上にSOミストが蓄積される。このため、本実施形態では定期的に洗浄部530が捕集部材510に向かって洗浄液を供給し、捕集部材510の洗浄を実施する。捕集されたダストも、洗浄液とともに捕集部材110から除去される。
洗浄工程では、捕集部材510上で完全に蒸発しないように十分な量の洗浄液が洗浄部530から供給される。洗浄液が流入する貫通孔を排ガスは通過することができなくなるので、ガス冷却工程及び捕集工程が停止される。このため、洗浄工程は捕集部材510の複数の貫通孔のうち少なくとも1つで行われ、残りの貫通孔では排ガスの流通(ガス冷却工程及び捕集工程)が継続される。現実的には、第1実施形態の捕集部材冷却工程で説明したように、捕集部材510の貫通孔を複数のブロックに分け、ブロック毎に冷却工程が定期的に行われる。
具体的に、図15のSO除去装置500では、複数のバルブV5の開放のタイミングがずらされることによって、ノズル531からの洗浄液の供給が順次行われる。洗浄工程を行うタイミング及び洗浄工程の期間は、排ガス中のSO濃度、ガス流量、捕集部材510の大きさなどを考慮して設定される。
貫通孔内壁に付着したSOミストは洗浄液の流れに伴って捕集部材510下方に向かって流れることにより、捕集部材510から除去される。洗浄工程が終了して排ガスが貫通孔を流通可能となると、貫通孔内壁はSOミストが付着しやすい状態となっていて、捕集性能が再生されている。従って、高いSO除去効率を長期間にわたり維持することが可能である。
洗浄液として湿式脱硫装置3の吸収液を用いる場合には、洗浄工程の最初で吸収液を捕集部材110に供給する。その後吸収液の供給を停止して水を捕集部材110に供給し、捕集部材110の表面の吸収液を洗い流す。こうすることにより、捕集部材110の表面に吸収液が残留し、ガス冷却工程及び捕集工程を再開させたときに吸収液中の水分が蒸発してCaCO等が貫通孔内に析出し貫通孔を閉塞することを防止できる。
SOミストは洗浄液とともに捕集部材510下方から排出される。排出された洗浄液は煙道11を介して湿式脱硫装置3の貯留部20に流れ込む。従って、洗浄液として湿式脱硫装置3の吸収液を利用する場合は、捕集部材510から排出された洗浄液がSO除去装置500に循環される。
SO除去装置500から排出された排ガスの温度は、一般には水露点温度以上である。このため、第1実施形態のSO除去装置と同様に、下流側噴霧装置140から煙道10を流通する排ガスに対して冷却水が散布されて、排ガスが水露点温度に近い温度(約50〜60℃)まで冷却される。
<第7実施形態>
図16は第7実施形態に係るSO除去装置を説明する図であり、側面図である。第7実施形態のSO除去装置600は、捕集部材610、冷却部620、洗浄部630、温度計測部640を備える。第7実施形態のSO除去装置600は、冷却部が異なる以外は第6実施形態のSO除去装置と同じである。捕集部材610は煙道10の壁面12と離間して設けられる。第7実施形態のSO除去装置600における冷却部620は、煙道10内において、伝熱体である捕集部材610の側面(排ガスの流通方向に沿った外周面)に設置される。
図16では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
捕集部材610の側面は、隔壁650に囲まれている。捕集部材610と隔壁650とは接触する。隔壁650は高い熱伝導率、耐酸性及び耐熱性を有する部材である。具体的には、Ti等の金属製、または、ハステロイ、ステンレス等の合金製の板である。
冷却部620は、煙道10の内壁と捕集部材610(隔壁650)の間の空間に設置される複数のノズル621と、各ノズル621に接続する複数の分岐配管622と、バルブV6とを備える。各分岐配管622は合流し、冷却水供給配管(不図示)に連絡する。捕集部材610の側面に冷却水を供給できるように、ノズル621の先端位置が決められている。ノズル621は捕集部材610の周囲に複数設置されるとともに、排ガスの流通方向にも複数配列されていても良い。
煙道10と捕集部材610との間の空間に排ガスが流入しないように、捕集部材610の排ガス上流側面と煙道10の壁面12との間に、ガスの流通を阻害する遮蔽部材651が設置される。
第7実施形態のSO除去装置600を用いて排ガスからSOを除去する方法では、捕集部材を冷却する方法以外は第6実施形態と同じである。本実施形態においても、排ガス中のダストの一部は、捕集部材610に捕集されることによって、排ガス中から除去される。
第7実施形態では、運転前に捕集部材610を冷却する場合及び捕集部材冷却工程において、冷却部620が隔壁650に対して冷却液を供給する。本実施形態の捕集部材610は伝熱体であるため、捕集部材610における冷却液と接触した表面が冷却されることに伴い、捕集部材610の他の部分の温度も低下する。この結果、捕集部材610の貫通孔内壁が、硫酸露点温度以下に冷却される。すなわち、冷却部620から供給される冷却液は、SOミストが捕集される領域である貫通孔の内壁を間接的に冷却することになる。
本実施形態においても、冷却部620からの冷却液の供給は、ガス冷却工程及び捕集工程が行われている間も継続されている。
第6実施形態と同様に、温度計測部640が捕集部材610の温度を計測する。冷却部620は、計測された温度に基づいて、冷却液の供給量を制御する。こうすることで、冷却部620は捕集部材610の温度を硫酸露点温度以下に維持する。
なお、捕集部材610が大きい場合には、捕集部材610の側面を冷却部620で冷却したとしても、捕集部材610内で温度分布が発生する。捕集部材(伝熱体)の熱伝導率、捕集部材の大きさ、排ガス温度、冷却液の温度及び冷却液量によっては、捕集部材610の中央で硫酸露点温度以下の温度を維持することができない場合がある。この場合は、図15の冷却部620と同様の構成を煙道10内に設置して捕集部材610に冷却液を供給することにより、確実に捕集部材610全体の温度を硫酸露点温度以下に維持する。
<第8実施形態>
図17は第8実施形態に係るSO除去装置を説明する図であり、側面図である。
第8実施形態のSO除去装置700は、捕集部材710が複数の貫通孔を有する伝熱体であり、複数の捕集部材710が煙道10内で排ガスが流通する方向と略直交する方向に離間して配列されている。また、捕集部材710は煙道10の壁面12と離間して配置される。図17では3つの捕集部材710が示されているが、本実施形態において捕集部材710の数はこれに限定されない。
図17では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
図17において、各捕集部材710は隔壁750で囲まれている。煙道10と捕集部材710との間の空間に排ガスが流入しないように、捕集部材710の排ガス上流側面と煙道10の壁面12との間に、ガスの流通を阻害する遮蔽部材751が設置される。
各捕集部材710の間の空間、及び、捕集部材710と煙道10の壁面との間に、第7実施形態と同様の冷却部720Aが設置される。また、捕集部材710の上方(排ガス上流側)に、第6実施形態と同様の冷却部720Bが設置される。冷却部720Bは捕集部材710の下方に設置されていても良い。
各捕集部材710に、温度計測部740が設置される。
図17において、捕集部材710の上方(排ガス上流側)に洗浄部730が設置される。第8実施形態において、洗浄部730は、捕集部材710のそれぞれに対してノズル731が設置される。ノズル731はそれぞれ分岐配管732と接続する。煙道10の外部において、各分岐配管732にバルブV7が設置される。
第8実施形態のSO除去装置700を用いて排ガスからSOを除去する方法を以下で説明する。本実施形態におけるガス冷却工程及び捕集工程は、第6実施形態と略同一である。本実施形態においても、排ガス中のダストの一部は、捕集部材710に捕集されることによって、排ガス中から除去される。
運転前に捕集部材710を冷却する場合及び捕集部材冷却工程において、冷却部720が隔壁750に対して冷却液を供給する。これにより、冷却部720は捕集部材710の排ガスと接触する面(貫通孔内壁)を間接的に冷却する。また、冷却部710から捕集部材710に供給された排ガスは、捕集部材710の貫通孔内壁と直接接触することにより、貫通孔内壁を冷却する。この結果、捕集部材710が硫酸露点温度以下に冷却される。
冷却部720A及び冷却部720Bは、温度計測部740の計測温度に基づいて冷却水の供給量を制御し、捕集部材710を硫酸露点温度以下に維持する。
なお、図17では2つの冷却部720A,720Bが設置される構成を示しているが、本実施形態では冷却部720A及び冷却部720Bのいずれか一方が設置される構成とすることができる。
本実施形態において洗浄工程は捕集部材710毎に行われる。具体的に、図17のSO除去装置700では、バルブV7の開放のタイミングがずらされることにより、ノズル731からの洗浄液の供給が順次行われる。洗浄工程が行われている捕集部材710では、捕集部材710に捕集されたSOミスト及びダストが洗浄液とともに捕集部材710から排出される。洗浄工程が行われている捕集部材710では排ガスの流通が遮断されているが、他の捕集部材710では排ガスの流通が継続され、ガス冷却工程及び捕集工程が行われている。従って、排ガスの流通を継続させながら、高いSO除去効率を長期間にわたり維持することが可能である。
<第9実施形態>
図18は第9実施形態に係るSO除去装置を説明する図であり、側面図である。
本実施形態のSO除去装置800は、第6実施形態と同様の構成の冷却部820、洗浄部830及び温度計測部840を備える。図18では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
第9実施形態の捕集部材810は耐酸性を有する伝熱体であり、メッシュ状の開口を有する。捕集部材810は例えば、Ti,ハステロイ、ステンレスなどの耐酸性に優れる金属若しくは合金から製造される金網やパンチングメタル、または、炭素繊維製のメッシュ部材である。
本実施形態では、板状の捕集部材810が排ガスの流通方向に複数積層されて構成されていても良い。板状の捕集部材810は、開口を有する面が排ガスの流れに対向するように配置される。
なお、本実施形態では、板状の捕集部材が円筒状に成形されたものが配置されていても良い。
図19は、第9実施形態に係るSO除去装置の変形例を示す図である。図19は、側面図である。図19では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。
本変形例のSO除去装置900では、板状の捕集部材910は、排ガスの流通方向に対して傾斜して配置される。図19では、2つの捕集部材910a,910bが上側で互いに荷重を支持し、縦断面が三角形となるように組み合わされる。但し、本変形例はこれに限定されず、縦断面の形状が台形など他の多角形であっても良い。図19のSO除去装置900はを6つ備える構成であるが、捕集部材910の数はこれに限定されない。複数の捕集部材910が設置される場合は、排ガスの流通方向に略直交する方向に捕集部材910が配列される。捕集部材910は図示されない支持部上に設置される。
各捕集部材910に、温度計測部940が取り付けられる。
本変形例のSO除去装置900において、冷却部920の分岐配管922は各捕集部材910に沿って配設される。図19の例では、紙面奥行方向にも分岐配管922が設置されていても良い。複数の分岐配管922は冷却水供給配管923に合流する。各分岐配管922に複数のノズル921が設置される。ノズル921の先端は捕集部材910に向けられる。
洗浄部930の構成は第6実施形態と同じである。図19において、ノズル931は2つの捕集部材910の組み合わせ部分の上方に設置される。例えば、ノズル931aは捕集部材910a,910bの組み合わせ部分の上方に設置される。
但し、洗浄部930は捕集部材910の上方に限定されず、捕集部材910の下方に設置されていても良い。この場合、洗浄部930のノズル931は、捕集部材910全体に洗浄液を供給できる位置に配置されることが好ましい。
なお、図19に示す構成のSO除去装置は、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に設置することもできる。この場合、捕集部材の組み合わせ部分は、排ガス流通方向と略一致する方向に向けられる。冷却部及び洗浄部は捕集部材の排ガス上流側に設置される。但し洗浄部については、捕集部材の上方に設置される構成とすることができる。
図18に示すSO除去装置800を用いて、第9実施形態に係るSO除去方法を説明する。
排ガス処理システム運転前に、冷却部820により捕集部材810は硫酸露点温度以下に冷却されている。
(ガス冷却工程)
SOガスを含む排ガス(150〜180℃)が、SO除去装置800に流入する。捕集部材810は硫酸露点温度以下に冷却されているため、排ガスが捕集部材810の開口を通過する際に捕集部材810と接触することにより、排ガスが冷却される。排ガス温度が硫酸露点温度以下に冷却されると、メッシュ状の捕集部材810のごく近傍で排ガス中のSOガスがSOミストに転化する。
(捕集工程)
捕集部材810のごく近傍で生成したSOミストは、捕集部材810の表面に付着することにより捕集部材810に捕集される。SOミストが除去された排ガスは、捕集部材810の開口を通過し、捕集部材810から排出される。排ガス中のダストの一部は、捕集部材810に捕集されることによって、排ガス中から除去される。
(捕集部材冷却工程)
本実施形態においても、ガス冷却工程及び捕集工程の間に、捕集部材冷却工程が継続されている。冷却部820のノズル821から散布された冷却液は、液滴状態で捕集部材810に到達し、捕集部材810上で蒸発する。捕集部材810は伝熱体であるので、冷却液が接触した箇所及びその周辺の領域が、冷却液の気化熱により冷却される。冷却部820が捕集部材810全体に略均一に冷却液を噴霧することにより、捕集部材810の温度が略均一される。
ガス冷却工程及び捕集工程の間の捕集部材810の温度が計測される。冷却部820は、計測された温度に基づいて冷却液の供給量を制御し、捕集部材810の温度を硫酸露点温度以下に維持する。
図19の変形例のSO除去装置900においても、上記と同様のガス冷却工程、捕集工程、捕集部材冷却工程により、SO除去処理が実施される。
(洗浄工程)
本実施形態においても、洗浄工程が定期的に行われる。洗浄工程により、捕集部材810上に付着したSOミスト及びダストが洗浄液とともに捕集部材810表面から除去される。
図18のSO除去装置800のように板状の捕集部材810の平面が排ガスの流れに対向するように配置されている場合は、平面が複数の区域に分けられ、区域毎に冷却工程が定期的に行われる。具体的に、バルブV8の開閉のタイミングがずらされることにより、ノズル821からの洗浄液の供給が順次行われる。こうすることにより、1つの板状の捕集部材810の中で、排ガスの流通が遮断されて冷却工程が実施される区域と、ガス冷却工程と捕集工程とが実施される区域とが存在する。この結果、連続的にSO除去処理を行うことができる。
図19に示す変形例のSO除去装置900では、冷却工程は捕集部材910毎に行われる。図19の例では、ノズル921aから冷却液が供給されると、ノズル921a下方に位置する捕集部材910a,910bで冷却工程が行われる。一方、他の捕集部材910c〜910fではSO除去処理が継続されている。
<第10実施形態>
図20は、第10実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図20は側面図である。図20では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
第10実施形態に係るSO除去装置1000は、第2実施形態で説明したSO除去装置と同様に複数のSO捕集部1010を備える。SO捕集部1010はガス流通方向に略直交する方向に複数配列される。
第2実施形態と同様に、SO捕集部1010は収容部1011と捕集部材1013とで構成される。収容部1011は、直方体形状の枠体1012で構成され、内部が空洞である。枠体1012は排ガスが流通可能である複数の開口を有している。具体的に、枠体1012はパンチングメタル、金網、ポリテトラフロオロエチレン製のメッシュ部材等で作製される。
収容部1011内に捕集部材1013が収容される。第10実施形態では、捕集部材1013は粒状の伝熱体である。第6実施形態で説明したように、伝熱体はTiなどの金属、ハステロイ、ステンレスなどの合金、SiC、炭素繊維などで作製される。
各捕集部材1010に、温度計測部1040が取り付けられる。
冷却部1020の分岐配管1022はSO捕集部1010に沿って配設される。図20の例では、紙面奥行方向にも分岐配管1022が設置されていても良い。複数の分岐配管1022は冷却水供給配管1023に合流する。各分岐配管1022に複数のノズル1021が設置される。ノズル1021の先端は捕集部材1013に向けられる。
洗浄部1030は、SO捕集部1010の上方に設置される。なお、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置する場合、洗浄部の散布配管は捕集部材の上方に設置される構成とすることができる。
本実施形態における洗浄部1030は、第2実施形態の冷却部と同様の構成(図9,10)とすることができる。すなわち、洗浄部1030はSO捕集部1010に沿って延在する散布配管に複数の吐出孔が設けられ、散布配管にバルブが設置される構成である。この場合、洗浄部1030はSO捕集部1010の排ガス上流側に設置される。
第10実施形態の変形例として、SO捕集部は第3実施形態(図11,12)のように円筒形状であっても良い。
第10実施形態のSO除去装置1000を用いて排ガスからSOを除去する方法では、ガス冷却工程、捕集工程、捕集部材冷却工程は第6実施形態とほぼ同じである。本実施形態においても、排ガス中のダストの一部は、捕集部材1013に捕集されることによって、排ガス中から除去される。
第10実施形態の洗浄工程では、洗浄部1030が吐出孔またはバルブから洗浄水を捕集部材1013に対して供給する。これにより、捕集部材1013に捕集されたSOミスト及びダストが洗浄液とともに捕集部材1013から排出される。この時、SO捕集部1010毎に洗浄工程を実施することにより、SO除去装置1000内でガス冷却工程及び捕集工程と洗浄工程とを同時に実施することができる。この結果、連続的にSO除去処理を行うことができる。
<第11実施形態>
図21は、第11実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図21は側面図である。
第11実施形態に係るSO除去装置1100は、第6実施形態で説明したSO除去装置と同様の捕集部材1110、冷却部1120、洗浄部1130、及び、温度計測部1140を有する。SO除去装置1100は更に、放電電極1150、集塵電極1170及び高圧電源1160を備える。
図21では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
放電電極1150、集塵電極1170及び高圧電源1160は、第5実施形態と同様の構成である。
図21に示すように、捕集部材1110の排ガスと対向する面上に集塵電極1170が設置される。集塵電極1170はガスが流通可能な開口を有する板状部材であり、導電性材料で作製される。具体的に、集塵電極1170はTi,ハステロイ、ステンレスなどの耐酸性を有する金属若しくは合金で作製された金網やパンチングメタル、または、炭素繊維製のメッシュ部材などである。
放電電極1150は集塵電極1170に対向して設置される。放電電極1150は、取付軸1151と、取付軸1151の延在方向に略直交する方向に取付軸1151から突出する複数の放電トゲ1152を有する。放電トゲ1152の先端は、集塵電極1170に向けられる。図21では、紙面奥行方向に複数の放電電極1150が配列されていても良い。放電電極1150は高圧電源1160に接続する。集塵電極1170は接地される。
第11実施形態のSO除去装置1100を用いて排ガスからSOを除去する方法は、第6実施形態と略同一である。
第11実施形態ではSO除去装置においてSOの除去と同時に排ガス中に含まれるダストを捕集する。
(帯電工程)
高圧電源1160は放電電極1150に電圧を印可し、放電電極1150と集塵電極1170との間に電位差を発生させる。これにより、放電電極1150の放電トゲ1152と集塵電極1170との間にコロナ放電が発生する。SO除去装置1100内に流入した排ガス中のダストは、コロナ放電により帯電される。
(集塵工程)
帯電したダストは、排ガスの流れより集塵電極1170に向かって流れる。集塵電極1170は表面に帯電したダストを捕集する。これにより、排ガスからダストが除去される。ダストが除去された排ガスは、集塵電極1170の開口を通過して、捕集部材1110内の貫通孔を流通する。集塵電極1170で捕集しきれなかったダストの一部は、捕集部材1110に捕集されることにより、排ガスから除去される。
本実施形態のようにダストを帯電させることにより、第6実施形態のSO除去装置と比較して、排ガスからのダスト除去率を大幅に向上させることができる。
本実施形態の場合、洗浄工程で洗浄部1130から供給された洗浄液は、集塵電極1170に付着したダストを取り込み、捕集部材1110に向かって流れる。これにより、集塵電極1170からダストが除去される。
本実施形態で説明した排ガスからのダストの除去工程は、第7実施形態及び第8実施形態のSO除去装置においても同様にして行われる。
<第12実施形態>
図22は、第12実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図22は側面図である。
図22のSO除去装置1200は、図18のSO除去装置と同様の捕集部材1210、冷却部1220、洗浄部1230、及び、温度計測部1240を備える。SO除去装置1200は更に、放電電極1250及び高圧電源1260を備える。
上述のように、捕集部材1210は金属製(導電性材料)である。従って、本実施形態では捕集部材1210が集塵電極の役割を果たす。
図22では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
放電電極1250は捕集部材1210に対向して設置される。放電電極1250は取付軸1251と放電トゲ1252とを有する。放電トゲ1252の先端は、捕集部材1210に向けられる。図22においても、紙面奥行方向に複数の放電電極1250が配列されていても良い。放電電極1250は高圧電源1260に接続する。捕集部材810は接地される。
図23は、第12実施形態の変形例に係るSO除去装置を説明する図である。図23は側面図である。
図23のSO除去装置1300は、図19のSO除去装置と略同一の捕集部材1310、冷却部、洗浄部1330、及び、温度計測部を有する。図の簡略化のため、図23では冷却部及び温度計測部は省略した。SO除去装置1300は更に、放電電極1350及び高圧電源(図23では不図示)を有する。
図23においても、排ガスは煙道10を上から下に向かって流通するが、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
本変形例においても、捕集部材1310が集塵電極の役割を果たす。
放電電極1350は取付軸1351と放電トゲ1352とを有する。は取付軸1351は各捕集部材1310に沿って配設される。放電トゲ1352の先端は、捕集部材1310に向けられる。図23においても、紙面奥行方向に複数の放電電極1350が配列されていても良い。放電電極1350は高圧電源1360に接続する。捕集部材1310は接地される。
第12実施形態のSO除去装置1200,1300を用いて排ガスからSOを除去する方法は、第9実施形態と略同一である。
第12実施形態ではSO除去装置1200,1300におけるダストを捕集する方法は、第11実施形態で説明した方法と略同一である。
本実施形態に依れば、コロナ放電により帯電したダストが捕集部材1210,1310に付着して捕集されることにより、排ガスから除去される。本実施形態のSO除去装置を用いれば、第9実施形態のSO除去装置と比較して、排ガスからのダスト除去率を大幅に向上させることができる。
<第13実施形態>
図24は、第13実施形態に係るSO除去装置を説明する図である。図24は側面図である。
第13実施形態のSO除去装置1400は、第10実施形態のSO除去装置と同様に、SO捕集部1410、冷却部、洗浄部1430、及び、温度計測部を備える。図の簡略化のため、図24では冷却部及び温度計測部は省略した。SO除去装置1400は更に、放電電極1450及び高圧電源(図24では不図示)を有する。
図24では排ガスは煙道10を上から下に向かって流通する。本実施形態では、排ガスは煙道10を下から上に向かって流通しても良い。また、本発明の効果を奏する範囲で、排ガスが略水平方向に流通する煙道内に本実施形態のSO除去装置を設置することもできる。
SO捕集部1410の枠体がパンチングメタルや金属メッシュである場合、枠体1012の排ガス上流側の部材(上流側部材)1412は金属であり、導電性を有する。枠体が非導電部材(例えばポリテトラフルオロエチレン製の部材)である場合は、枠体の上流側部材1412は、パンチングメタルや金属メッシュ等の導電性材料とする。上流側部材1412は接地される。上流側部材1412が集塵電極の役割を果たす。
排ガス空間1415に放電電極1450が設置される。放電電極1450は取付軸1451と放電トゲ1452とを有し、放電トゲ1452の先端は上流側部材1412に向けられる。放電電極1450は高圧電源に接続する。一方、上流側部材1412は接地される。
SO捕集部は第3実施形態(図11,12)のように円筒形状である場合には、1本の放電電極が排ガス空間に挿入される。
第13実施形態のSO除去装置1400を用いて排ガスからSOを除去する方法は、第10実施形態と略同一である。
第13実施形態ではSO除去装置1400におけるダストを捕集する方法は、第11実施形態で説明した方法と略同一である。
本実施形態においても、排ガス中のダストは、捕集部材1410に付着して捕集されることにより、排ガスから除去される。本実施形態のSO除去装置を用いれば、第10実施形態のSO除去装置と比較して、排ガスからのダスト除去率を大幅に向上させることができる。
1 排ガス処理システム
100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200,1300,1400 SO除去装置
110,213,510,610,710,810,910,1013,1110,1210,1310 捕集部材
111 貫通孔
120,220,320,420,520,620,720,820,920,1020,1120,1220 冷却部
210,310,410,1010,1410 SO捕集部
211,311,1011 収容部
215,315,415,1415 排ガス空間
216,316 処理ガス空間
412,1412 上流側部材
530,630,730,830,930,1030,1130,1230,1330,1430 洗浄部
430,1150,1250,1350,1450 放電電極

Claims (31)

  1. 気体状態のSOを含む排ガスが流通する流通路に設けられるSO除去装置であって、
    硫酸露点温度以下に冷却されており、前記排ガスを冷却して前記SOを含むミストを生成させるとともに前記ミストを捕集する捕集部材と、
    前記捕集部材の温度に基づいて、前記捕集部材を前記硫酸露点温度以下に維持する冷却部とを備えるSO除去装置。
  2. 前記捕集部材がセラミックスからなる顕熱蓄熱材である請求項1に記載のSO除去装置。
  3. 前記捕集部材が前記硫酸露点温度以下の融点を有する潜熱蓄熱材である請求項1に記載のSO除去装置。
  4. 前記捕集部材が耐酸性を有する伝熱体である請求項1に記載のSO除去装置。
  5. 前記冷却部が前記排ガスと接触する側の前記捕集部材の表面に冷却液を供給して、前記冷却液が前記表面を直接冷却する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のSO除去装置。
  6. 前記冷却部が前記伝熱体に冷却液を供給し、前記冷却液が前記排ガスと接触する側の前記伝熱体の表面を間接的に冷却する請求項4に記載のSO除去装置。
  7. 前記冷却液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去する請求項5に記載のSO除去装置。
  8. 前記捕集部材に洗浄液を供給する洗浄部を備える請求項4に記載のSO除去装置。
  9. 前記捕集部材が複数の貫通孔を有し、前記貫通孔内に前記排ガスを流通させて、前記貫通孔の内壁に前記ミストを捕集する請求項2,4,5,6のいずれかに記載のSO除去装置。
  10. 複数の開口を有する収容部と、前記収容部に充填される粒状の前記捕集部材とで構成され、前記流通路における前記排ガスの流通方向に略直交する方向に配列される複数のSO捕集部を有し、
    前記SO捕集部が、前記SO捕集部の前記排ガスの上流側に位置し前記排ガスが流入する排ガス空間と、前記SO捕集部の前記排ガスの下流側に位置し前記SO捕集部で前記ミストが除去された処理ガスが流入する処理ガス空間とを隔離し、
    複数の前記冷却部が、前記SO捕集部の各々に対応して設置される請求項2乃至請求項5のいずれかに記載のSO除去装置。
  11. 前記捕集部材がメッシュ状の開口を有する部材であり、前記開口を前記排ガスが通過するときに、前記捕集部材が前記排ガスを冷却し、前記捕集部材が前記ミストを捕集する請求項4に記載のSO除去装置。
  12. 前記排ガスがダストを含み、
    前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、
    前記捕集部材の前記排ガスの上流側に、前記排ガスが流通可能な開口を有する集塵電極が配置され、
    前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記集塵電極が帯電された前記ダストを捕集する請求項9に記載のSO除去装置。
  13. 前記排ガスがダストを含み、
    前記収容部の少なくとも前記排ガス上流側に面する上流側部材が導電性材料であり、
    前記排ガス空間に放電電極が配置され、
    前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記上流側部材が帯電された前記ダストを捕集する請求項10に記載のSO除去装置。
  14. 前記排ガスがダストを含み、
    前記捕集部材が導電性材料からなり、
    前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、
    前記放電電極がコロナ放電を発生させて前記ダストを帯電させ、前記捕集部材が帯電された前記ダストを捕集する請求項11に記載のSO除去装置。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のSO除去装置と、
    前記SO除去装置の前記排ガスの下流側に設けられる湿式脱硫装置とを備える排ガス処理システム。
  16. 気体状態のSOを含む排ガスが流通する流通路に設けられ、捕集部材と、冷却部とを備えるSO除去装置を用いて前記排ガスから前記SOを除去する方法であって、
    硫酸露点温度以下に冷却された前記捕集部材と気体状態のSOを含む前記排ガスとが接触し、前記排ガスが前記硫酸露点温度以下に冷却されて前記SOを含むミストが生成する工程と、
    前記ミストが前記捕集部材の表面に捕集される工程と、
    前記冷却部が、前記捕集部材の温度に基づいて前記捕集部材を前記硫酸露点温度以下に維持する工程とを含むSO除去方法。
  17. 前記捕集部材がセラミックスからなる顕熱蓄熱材である請求項16に記載のSO除去方法。
  18. 前記捕集部材が前記硫酸露点温度以下の融点を有する潜熱蓄熱材である請求項16に記載のSO除去方法。
  19. 前記捕集部材が耐酸性を有する伝熱体である請求項16に記載のSO除去方法。
  20. 前記冷却部が前記排ガスと接触する側の前記捕集部材の表面に冷却液を供給して、前記表面を前記冷却液により直接冷却する請求項16乃至請求項19のいずれかに記載のSO除去方法。
  21. 前記冷却部が前記伝熱体に前記冷却液を供給して、前記伝熱体の表面を前記冷却液により間接的に冷却する請求項19に記載のSO除去方法。
  22. 前記冷却液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去する請求項20に記載のSO除去方法。
  23. 前記捕集部材に洗浄液が供給され、前記洗浄液が前記捕集部材に捕集された前記ミストを前記捕集部材から除去する請求項21に記載のSO除去方法。
  24. 前記捕集部材が複数の貫通孔を有し、
    前記排ガスが前記貫通孔のそれぞれを流通することにより前記排ガスが冷却されて前記ミストが生成し、
    前記貫通孔の内壁に前記ミストが捕集される請求項17、19,20、21のいずれかに記載のSO除去方法。
  25. 前記冷却部が少なくとも1つの前記貫通孔に冷却液を供給して前記貫通孔の表面を冷却し、
    前記少なくとも1つの貫通孔の冷却と同時に、残りの前記貫通孔を前記排ガスが流通し、
    前記少なくとも1つの貫通孔の冷却が終了すると、前記少なくとも1つの貫通孔を前記排ガスが流通する請求項24に記載のSO除去方法。
  26. 前記SO除去装置が、複数の開口を有する収容部と、前記収容部に充填される粒状の前記捕集部材とで構成され、前記流通路における前記排ガスの流通方向に略直交する方向に配列される複数のSO捕集部を有し、
    前記SO捕集部が、前記SO捕集部の前記排ガスの上流側に位置し前記排ガスが流入する排ガス空間と、前記SO捕集部の前記排ガスの下流側に位置し前記SO捕集部で前記ミストが除去された処理ガスが流入する処理ガス空間とを隔離し、
    前記排ガスが前記排ガス空間から前記SO捕集部に流入して前記捕集部材の間を流通することにより前記排ガスが冷却され、
    前記捕集部材の表面に前記ミストが捕集され、前記処理ガスが前記SO捕集部から前記処理ガス空間に排出される請求項17乃至請求項20のいずれかに記載のSO除去方法。
  27. 複数の前記SO捕集部の各々に対応して前記冷却部が複数設置され、
    前記冷却部が少なくとも1つの前記SO捕集部に冷却液を供給して前記捕集部材を冷却し、
    前記少なくとも1つのSO捕集部の冷却と同時に、残りの前記SO捕集部を前記排ガスが流通し、
    前記少なくとも1つのSO捕集部の冷却が終了すると、前記少なくとも1つのSO捕集部を前記排ガスが流通する請求項26に記載のSO除去方法。
  28. 前記捕集部材がメッシュ状の開口を有する部材であり、
    前記排ガスが前記開口を通過するときに、前記捕集部材が前記排ガスを冷却し、前記ミストを捕集する請求項19に記載のSO除去方法。
  29. 前記排ガスがダストを含み、
    前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、
    前記捕集部材の前記排ガスの上流側に、前記排ガスが流通可能な開口を有する集塵電極が配置され、
    前記放電電極によって、前記捕集部材の前記排ガスの上流側の空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電される工程と、
    帯電された前記ダストが前記集塵電極の表面に捕集される工程とを更に含む請求項24に記載のSO除去方法。
  30. 前記排ガスがダストを含み、
    前記SO除去装置の前記排ガス空間に放電電極が配置され、前記収容部の少なくとも前記排ガス上流側に面する上流側部材が導電性材料であり、
    前記放電電極によって前記排ガス空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電させる工程と、
    帯電された前記ダストが前記上流側部材の表面に捕集される工程とを更に含む請求項26に記載のSO除去方法。
  31. 前記排ガスがダストを含み、
    前記捕集部材が導電性材料からなり、前記捕集部材の前記排ガスの上流側に放電電極が配置され、
    前記放電電極によって、前記捕集部材の前記排ガスの上流側の空間にコロナ放電が発生し、前記ダストが帯電される工程と、
    帯電された前記ダストが前記捕集部材の表面に捕集される工程とを更に含む請求項28に記載のSO除去方法。
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