JP2015034808A - 電波到来方向推定装置および電波到来方向推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能であり、周波数分解能が高く、しかも、演算量も少なくすることができる電波到来方向推定装置を提供する。【解決手段】無線タグ100が送信する予め設定された一定周波数の電波の到来方向を推定する電波到来方向推定装置1であって、一定周期で回転する回転盤12の上に固定されたアンテナ11が受信した電波の信号強度の時間変化を示す波形に対して、無線タグ100が送信する電波の周波数を基準とし、回転盤12の回転周期およびアンテナ11の回転半径により定まるドップラーシフト範囲の周波数を含む探索周波数範囲で一般化調和解析を行って、回転盤12が回転しているときにアンテナ11が受信した電波から、周波数の時間変化を示す波形を生成する第1信号処理部21と、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形を解析してその波形の位相を決定する第2信号処理部22とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、無線タグが出す電波がどの方向から来るかを推定することで、無線タグが存在している方向を推定する電波到来方向推定装置、および、その装置と無線タグとを備える電波到来方向推定システムに関する。
電波到来方向を推定する方法の一つとしてPseudo-doppler法が知られている(たとえば非特許文献1)。Pseudo-doppler法では、回転する板等の上にアンテナを取り付け、アンテナを円運動させることで電波発信源から出される電波に対するドップラーシフトを作り出す。
作り出したドップラーシフトは、アンテナの速度ベクトルが電波発信源に向かう方向となるとき、および、アンテナの速度ベクトルが電波発信源とは反対方向となるときに、それぞれプラス側あるいはマイナス側に最大となる。このようなドップラーシフトの変化を利用して電波発信源の方位を推定する。したがって、Pseudo-doppler法では観測信号を周波数解析する。非特許文献1では、周波数解析にフーリエ変換を用いている。
Chang, H.-L., Tian, J.-B., Lai, T.-T., Chu, H.-H., and Huang, P., Spinning beacons for precise indoor localization, to appear in ACM Sensys ‘08.
Pseudo-doppler法を利用するために回転盤にアンテナを固定した装置(以下、アンテナ回転装置)を屋内に設置する場合、直接波とマルチパスによって生じる反射波とを分離することが必要になる。
直接波とマルチパスによって生じる反射波は、電波の到来角度が異なる。つまり、直接波と反射波とでは、見かけ上、電波発信源の方位が相違する。そして、前述したように、回転しているアンテナ回転装置が受信する電波は、電波発信源の方位を反映したドップラーシフトが生じる。よって、周波数分解能を高くすることで、直接波と反射波の分離が可能となる。
フーリエ変換では、周波数分解能Δfは窓幅の逆数で与えられる。すなわち、解析する窓幅が広くなれば、周波数分解能が高く(Δfが小さく)なり、逆に窓幅が狭くなると周波数分解能が低く(Δfが大きく)なる。
また、もちろん、直接波と反射波の周波数差が大きいほど、直接波と反射波の分離は容易になる。そこで、ドップラーシフト量を大きくすることも必要となる。
これらのことから、非特許文献1に記載されている装置は、大きな円盤を遅い角速度で
(回転周期をゆっくりにして)回転させている。回転周期がゆっくりであっても、円盤が大きければ、円盤の外周付近に設置されているアンテナの速度は高くなるため、ドップラーシフトは大きくなる。また、回転周期がゆっくりであるため、時間窓を広くすることができる。そのため、周波数分解能Δfを高くすることもできる。
しかし、大きな円盤を用いるため、屋内の様々な場所に容易に設置できるものではなくなってしまう。屋内の様々な場所に容易に設置できるようにするためには、小型であることが望まれる。
円盤を小型化しつつドップラーシフトを大きくするには、角速度を速くすればよい。しかしながら、角速度を速くすると周波数解析の窓を広くとることができなくなる。時間窓TはT=N/fs(N:サンプリング点数、fs:サンプリング周波数)の関係があり、角速度を速くするとNが小さくなるからである。角速度を速くすると周波数解析の窓を広くとることができないため、周波数分解能が低下してしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、小型化が可能であり、周波数分解能が高く、しかも、演算量も少なくすることができる電波到来方向推定装置および電波到来方向推定システムを提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、無線タグ(100)が送信する予め設定された一定周波数の電波の到来方向を推定する電波到来方向推定装置(1)であって、
回転盤(12)と、その回転盤の上の回転中心以外の位置に固定されたアンテナ(11、311)と、その回転盤を予め設定した一定周期で回転させる駆動部(13)とを備えた受信部(10、210、310、410)と、
アンテナが受信した電波またはその電波の周波数を変換した信号の時間に対する信号強度の変化を示す波形に対して、予め設定された基準周波数を基準とし、ドップラーシフトによる波形の周波数変化範囲を含む探索周波数範囲で一般化調和解析を行って、周波数の時間変化を示す波形を生成する第1信号処理部(21、221、321、421)と、
その第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を解析してその波形の位相を決定する第2信号処理部(22、422)とを備えることを特徴とする。
本発明では、回転盤の上に固定されたアンテナにより受信された電波またはその電波の周波数を変換した信号を解析して、周波数の時間変化を示す波形を生成する。この波形を生成する手法として一般化調和解析を用いる。一般化調和解析は、計算量が膨大になってしまう問題があることが知られているものの、観測区間の長さに関係なく任意の周波数について残差を最小とする正弦波を求めることが可能である。つまり、時間分解能および周波数分解能を任意に設定することができるという特徴がある。この特徴を有する一般化調和解析を用いて周波数の時間変化を示す波形を生成するので、周波数分解能および時間分解能が高い波形を得ることができる。
無線タグが送信する周波数は一定周波数に設定されているが、実機では当然、送信する周波数にある程度の変動が生じる。アンテナの回転により生じるドップラーシフトの大きさが無線タグの送信する周波数の変動幅と同程度では、ドップラーシフトによる周波数変動を、無線タグが送信する周波数の変動と区別することができない。よって、周波数解析手法によらず、つまり、一般化調和解析を用いるとしても、Pseudo-doppler法では、ある程度の大きさのドップラーシフトが生じる速度でアンテナを回転させる必要がある。
回転盤を高速に回転させてしまうと窓幅が狭くなるが、フーリエ変換の周波数分解能が窓幅で決まるのに対し、一般化調和解析では、窓幅に関係なく任意の周波数分解能をとることができる。そのため、回転盤を高速に回転させてドップラーシフトを大きくすることができる。つまり、回転盤に固定したアンテナの速度を速くするために回転盤を大きくする必要がない。したがって、回転盤の小型化が可能である。
しかも、単純に一般化調和解析を適用するだけでは計算量が膨大になってしまうが、本発明では、前述のように、無線タグが送信する電波の周波数は一定周波数に設定されている。加えて、回転盤の回転周期も一定周期である。そのため、回転盤の回転周期とアンテナの回転半径から、ドップラーシフトによって周波数が変化する範囲を予め計算しておくことができる。これらのことから、一般化調和解析で探索する探索周波数範囲は、予め設定された基準周波数を基準とし、ドップラーシフトによる波形の周波数変化範囲を含む範囲に限定することができる。そのため、第1信号処理部における演算量も抑制できる。
請求項2記載の発明では、第2信号処理部は、第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を一般化調和解析で解析して、その波形の位相を決定する。
この発明では、第2信号処理部でも一般化調和解析を用いる。フーリエ変換では解析区間に窓関数をかける必要があり、しかも、実際の装置では、解析区間の切り出しはある程度の誤差が生じる。そして、フーリエ変換では、解析区間の切り出し精度が、解析精度に影響する。しかし、一般化調和解析では窓関数が不要であるため、解析区間の切り出しずれが解析精度に影響しない。よって、高精度に位相を決定することができる。
請求項3記載の発明では、第2信号処理部は、回転盤の回転周期を基準とし、回転盤の回転周期のずれに基づいて定まる探索範囲で、第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を一般化調和解析により解析する。
回転盤は予め設定した周期で回転するようにしているが、実際の装置では回転盤の回転周期は狙った周期からずれることがある。そこで、このように、回転盤の回転周期を基準とし、回転盤の回転周期のずれに基づいて定まる探索範囲を一般化調和解析により解析する。このようにすることで、回転盤の実際の回転周期を求めることができる。その結果、第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形の位相をより正確に求めることができる。
請求項4記載の発明では、第1信号処理部は、回転盤の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成する。
回転盤の回転により生じるドップラーシフトは、回転盤に固定されたアンテナの速度ベクトルが無線タグの方向に向かうときに最大となる。そして、回転盤がそこから180度回転すると、アンテナの速度ベクトルは無線タグから直線的に離れる方向となるので、ドップラーシフトは負の値となるが、絶対値は再び最大となる。つまり、半周期ごとにドップラーシフトによる周波数変移量は最大値となる。
本発明では、回転盤の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成するので、その波形は、ドップラーシフトによる周波数変移量が最大となる時点を必ず含む。ドップラーシフトによる周波数変移量が大きくなるほど、ドップラーシフトによる周波数変動と、無線タグが送信する周波数の変動との区別が容易になるので、方向推定精度が向上する。
加えて、すでに説明したように、本発明では、回転盤を高速に回転させることができる。よって、回転盤の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成しても、観測時間の増加は抑制できる。以上より、無線タグの方向推定精度を向上させつつ、方向を推定する時間の増加も抑制できる。
請求項5記載の発明は、局部発振器とミキサとを備え、局部発振器で生成した信号とアンテナが受信した信号とをミキサで混合することで、アンテナが受信した信号と局部発振器で生成した信号との周波数差となる中間周波数の信号を生成する周波数変換部(15)を備え、
第1信号処理部(21)は、
周波数変換部が生成した中間周波数の信号の時間に対する信号強度の変化を示す波形を解析するものであり、
中間周波数を基準周波数とし、
探索周波数範囲を、回転盤の回転周期およびアンテナの回転半径により定まるドップラーシフト量と、中間周波数の誤差とに基づいて定まる範囲とする。
本発明は、受信機の一般的な構成である周波数変換部を備えているので、回路設計が容易、かつ安価になる。
請求項6記載の発明は、回転盤に固定されたアンテナを第1アンテナ(11、311)とし、
第1アンテナとは別に、無線タグの電波を受信する第2アンテナ(211、312、412)と、
第1アンテナが受信した信号と第2アンテナが受信した信号を混合して、第1アンテナが受信した信号の周波数と、第2アンテナが受信した信号の周波数の周波数差の信号を出力するミキサ(213、315)とを備え、
第1信号処理部(221、321、421)は、
ミキサが出力した信号の波形を解析するものであり、
0Hzを基準周波数とし、
探索周波数範囲を、回転盤が回転することで第1アンテナおよび第2アンテナが受信する電波に生じるドップラーシフトによって、ミキサが出力する信号の周波数が変化する範囲を含む範囲とする。
本発明では、第1アンテナ、第2アンテナの2本のアンテナを備えており、ミキサにより、これら2つのアンテナが受信した信号の周波数差の信号を生成している。これら2つのアンテナは、ともに無線タグの電波を受信するものであるから、ミキサが出力する信号の周波数は0Hzを中心にして変化する。また、その信号の周波数変化量は、第1アンテナ、第2アンテナが受信する電波に生じるドップラーシフトにより決まる。
そこで、この発明では、第1信号処理部は、探索周波数範囲を、0Hzを基準として、第1アンテナおよび第2アンテナが受信する電波に生じるドップラーシフトによってミキサが出力する信号の周波数が変化する範囲を含む範囲とする。
この探索周波数範囲は、中間周波数の誤差を考慮する必要がないので、中間周波数の誤差を考慮して探索周波数範囲を定める必要がある請求項5に係る発明よりも、探索周波数範囲を狭くすることができる。そして、探索周波数範囲を狭くすることができるので、演算量をより少なくすることができる。
請求項7記載の発明では、第2アンテナ(211)は、回転盤が回転しても位置が変化しない位置に固定されており、
第1信号処理部(221)の探索周波数範囲が、回転盤の回転周期および第1アンテナの回転半径により求められるドップラーシフト量に基づいて定まる範囲である。
この発明のように、第2アンテナは、回転盤が回転しても位置が変化しない位置に固定することができる。回転盤が回転しても位置が変化しない位置は、回転盤の外、あるいは、回転盤の回転中心である。この位置に第2アンテナが固定される場合、第2アンテナが受信した電波にはドップラーシフトは生じていない。したがって、探索周波数範囲は、回転盤の回転周期および第1アンテナの回転半径により求められるドップラーシフト量に基づいて定まる範囲とすればよいのである。
請求項8記載の発明では、第2アンテナ(312、412)も、回転盤の上の回転中心以外の位置に固定されており、
第1信号処理部(321、421)は、探索周波数範囲を、回転盤が回転することで第1アンテナが受信する電波および第2アンテナが受信する電波にそれぞれ生じるドップラーシフト量の差の変動範囲を含む範囲とする。
この発明のように、第2アンテナも回転盤の上の回転中心以外の位置に固定してもよい。この場合、第2アンテナが受信する電波もドップラーシフトが生じるので、ミキサが出力する信号の周波数は、第1アンテナが受信する電波および第2アンテナが受信する電波にそれぞれ生じるドップラーシフト量の差となる。
そのため、探索周波数範囲は、回転盤が回転することで第1アンテナが受信する電波および第2アンテナが受信する電波にそれぞれ生じるドップラーシフト量の差の変動範囲を含む範囲とするのである。
請求項9記載の発明では、第2アンテナは、回転盤の上の回転中心以外の位置であって、かつ、回転盤を含む二次元平面において、回転中心から第1アンテナの方向と、回転中心から第2アンテナの方向との間の角度が90°以上である。
仮に、回転中心から第1アンテナの方向と、回転中心から第2アンテナの方向との間の角度が90°であれば、第1アンテナが受信する電波のドップラーシフト量が最大となるときに、第2アンテナが受信する電波のドップラーシフト量はゼロになる。そして、この角度が90°よりも大きくなると、第1アンテナが受信する電波のドップラーシフト量が最大となるときに、第2アンテナが受信する電波のドップラーシフトは、第1アンテナのドップラーシフトとは反対符号になる。したがって、2つのアンテナが受信する電波のドップラーシフト量の差の最大値は、第1アンテナが受信する電波に生じるドップラーシフト量の最大値よりも大きくなる。つまり、ミキサが出力する信号の周波数変動幅が、請求項7のように、第1アンテナが受信する電波のみにドップラーシフトが生じる場合よりも大きくなる。
ミキサが出力する信号の周波数変動幅が大きくなると、第1信号処理部における探索周波数範囲も広くする必要があるが、第1信号処理部が生成する周波数の時間変化を示す波形は、縦軸値である周波数の変動幅が大きくなる。
第1信号処理部が生成した波形は、第2信号処理部において解析されて位相が決定される。この第2信号処理部における位相決定精度を、請求項7と同程度とするのであれば、周波数変動幅が大きくなった分に応じて、第1信号処理部が生成する信号の縦軸、すなわち、周波数のピッチを粗くしてもよい。したがって、この請求項に係る発明によれば、第1信号処理部における周波数探索ピッチを粗くすることができる。周波数探索ピッチを粗くすることができると、スパイクノイズ等の幅の狭いノイズの影響を受ける探索周波数が少なくなる。その結果、第1信号処理部は、ノイズの影響の少ない波形を生成することができ、これを用いる第2信号処理部でも、位相の決定精度が向上する。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電波到来方向推定装置と、予め設定された一定周波数の電波を送信する無線タグとを備えた電波到来方向推定システムである。
第1実施形態の電波到来方向推定システムが備える無線タグリーダ1の構成図 回転盤12に固定されたアンテナ11が回転しているときのアンテナ11の速度ベクトルVを示す図 アンテナ11が受信する電波の波形の概念図 第1信号処理部21が生成する周波数の時間変化を示す波形の例 無線タグリーダ1に対する無線タグ100の方向φを説明する図 第2実施形態の無線タグリーダ200の構成図 第1信号処理部221が生成した周波数の時間変化を示す波形を説明する図 第3実施形態の無線タグリーダ300の構成図 第4実施形態の無線タグリーダ400の構成図 第4実施形態において、第1アンテナ311と第2アンテナ412の配置を示す図 第4実施形態における第1アンテナ311の受信周波数fd1、第2アンテナ412の受信周波数fd2、周波数差Δf変化を示す図
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態の電波到来方向推定システムは、図1に構成図を示す無線タグリーダ1と無線タグ100(図2参照)とを含んで構成される。第1実施形態では、無線タグリーダ1が請求項の電波到来方向推定装置として機能する。
無線タグ100は、予め設定された一定周波数の無変調波を送信する。この無線タグ100はアクティブ型であり、電波は連続的に送信してもよいが、電池寿命の点で、断続的に送信することが好ましい。無線タグ100は人に携帯されるものであり、衣服のポケットに容易に収容可能な大きさである。
無線タグリーダ1は、受信部10と、信号処理部20とを備える。受信部10は、アンテナ11、回転盤12、駆動部13、ローノイズアンプ14、RF/IF部15、AD変換器(以下、ADC)16を備える。
アンテナ11は、回転盤12の外周縁に固定される。アンテナ11の形状および大きさは、無線タグ100が送信する無変調波を受信でき、回転盤12の外周縁に固定できる大きさであれば、それ以外に制限はない。
回転盤12は、駆動部13によって回転させられる。回転盤12の形状は円盤形状に限らないが、駆動部13に対して偏心していないことが望ましい。回転盤12は、室内にも容易に設定できる大きさになっている。たとえば、直径15cmの円盤である。回転盤12が回転すると、その上に固定されているアンテナ11も同時に回転する。
駆動部13は、モーターを備えた構成であり、一定周期で回転盤12を回転させる。この一定周期は、確保したいドップラーシフトから定まるアンテナ11の回転速度と、アンテナ11の回転半径から定める。
ローノイズアンプ14は、公知のローノイズアンプであり、アンテナ11で受けた微弱な電波をノイズの付加を少なくしつつ増幅しRF/IF部15へ送る。
請求項の周波数変換部に相当するRF/IF部15は、局部発振器とミキサとを備えており、局部発振器で生成した信号と、ローノイズアンプ14から入力された高周波信号とをミキサで混合することで、ローノイズアンプ14から入力された高周波信号を所定の中間周波数の信号に変換する。周波数変換した信号をADC16へ送る。ADC16は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して信号処理部20へ送る。
信号処理部20は、第1信号処理部21と第2信号処理部22と図示しないメモリとを備える。受信部10から入力された信号はメモリに格納され、メモリに格納された信号が第1信号処理部21により処理される。
受信部10から入力された信号は周波数変換が行われているものの、アンテナ11が受信した電波の信号強度の時間変化を示す波形である。この波形をまず第1信号処理部21が処理して、アンテナ11が受信した電波の周波数の時間変化を示す波形を生成する。そして、第2信号処理部22で、第1信号処理部21が生成した波形を解析してその波形の位相を決定する。以下、これら第1信号処理部21、第2信号処理部22の処理を詳しく説明する。
(第1信号処理部21の処理)
図2は、回転盤12に固定されたアンテナ11が回転しているときのアンテナ11の速度ベクトルVを示している。アンテナ11が同図aの位置では、アンテナ11は無線タグ100に対して直線的に接近しており、cの位置では、アンテナ11は無線タグ100に対して直線的に遠ざかっている。また、b,dの位置ではアンテナ11の速度ベクトルVb、Vdは、無線タグ100の方向の成分がゼロである。
図2に示すように、回転盤12の回転により、アンテナ11の速度ベクトルVの無線タグ100の方向成分は大小を周期的に繰り返す。よって、アンテナ11が受信する電波の波形は、図3に示すように、周波数が連続的に増減する波形となっている。
第1信号処理部21が処理する波形は、図3に示す観測波形が中間周波数に変換された波形であるが、周波数が連続的に増減する波形であることは図3と同じである。第1信号処理部21では、その波形を一般化調和解析(GHA:Generalized Harmonic Analysis)により解析して、周波数の時間変化を示す波形を生成する。
この処理を式を用いて説明する。観測波形を中間周波数に変換した波形を解析対象波形x(t)とする。解析対象波形x(t)は式1で表現できる。そこで、参照波形w(t)を式2とする。
Figure 2015034808
Figure 2015034808
ここで、計算を容易にするため、三角関数の幾何学的な関係に基づき、式2の表現を変更し式3の右辺で表現する。
Figure 2015034808
GHAは、観測信号から残差エネルギーが最小となる参照波形を抽出する手法である。よって、観測時間長をLとする下記残差エネルギーEの算出式(式4)により算出される残差エネルギーEが最小となるように参照波形w(t)のパラメータを求めればよい。
Figure 2015034808
式4の右辺において、解析対象波形x(t)だけで決まる項であるx2を除外し、式5で残差減少量eを定義する。残差エネルギーEが最小となる参照波形w(t)のパラメータを求めるには、残差減少量eが最大となる参照波形w(t)のパラメータを求めればよい。
Figure 2015034808
式5の右辺第1項および第2項をそれぞれ展開し、式6、式7に示す文字による置き換えを行う。
Figure 2015034808
Figure 2015034808
式3および式6、式7より、式5の右辺第1項は式8で表現でき、式5の右辺第2項は式9で表現できる。
Figure 2015034808
Figure 2015034808
式8、式9を式5に代入することで、残差減少量eは式10で表すことができる。
Figure 2015034808
式10は、各振幅A、Bについてみると、上に凸の二次曲線である。それらの二次曲線がいずれも極大値となれば残差減少量eは最大となる。そこで、式10を振幅A、B、により偏微分する。各振幅により偏微分した式は式11で表すことができる。
Figure 2015034808
偏微分した値がいずれもゼロとなれば、すなわち、式11を満たせば、ある探索周波数fwにおける残差減少量eは最大となる。したがって式12に示す連立方程式が得られる。
Figure 2015034808
式6、7から分かるように、式12において、A,B以外は、観測時間長Lと探索周波数fwが定まれば求めることができる。つまり、式12は、ある探索周波数fwを設定すると、未知数が2つの2元連立一次方程式である。よって、式12からある探索周波数fwにおけるA,Bを求めることができる。これらA,Bは下記式13で表すことができる。
Figure 2015034808
ここで参照波形wは、幾何学的な計算により、式14のように変形できる。
Figure 2015034808
よって、参照波形wの振幅Aw、位相φwはそれぞれ式15で表現できる。
Figure 2015034808
式15に、式13を代入すると、式16、式17が得られる。
Figure 2015034808
Figure 2015034808
探索周波数fwを決めることで、式16、式17から、振幅Awおよび位相φwを求めることができる。以上より、探索周波数fwを決めることで、残差減少量eが最大となる参照波形wを求めることができる。
そこで、探索周波数fwを変化させる範囲として設定されている探索周波数範囲において、探索周波数fwを必要となる周波数分解能の幅で順次変化させていき、各探索周波数fwにおいて残差減少量eが最大となる参照波形wおよび残差減少量eを求める。
そして、探索周波数範囲内において残差減少量eが最大となった参照波形wを、解析対象波形xに含まれている最大成分波に決定する。これを、予め設定した観測時間長Lを1単位とする単位解析区間毎に実施する。なお、この解析区間は、重複も隙間もなく連続していてもよいが、互いにオーバーラップしていてもよいし、反対に、解析区間と次の解析区間との間に、解析が行われない区間があってもよい。
第1信号処理部21は、上記単位解析区間毎の解析を、予め設定した方向推定時間だけ行う。方向推定時間は、回転盤12の回転周期の半周期以上の時間、たとえば、回転盤12の1回転周期に設定される。
これにより、図4(B)に例示するような、周波数の時間変化を示す波形が得られる。なお、実際には、第1信号処理部21で生成するのは、図4(B)の波形上の離散的な点であり、図4(B)は、その離散的な点を通る波形を概念的に示したものである。
GHAは、上述のように、探索周波数範囲において、探索周波数fwを必要となる周波数分解能の幅で変化させていき、各探索周波数fwにおいて残差減少量eが最大となる参照波形wおよび残差減少量eを求める必要がある。そのため、探索周波数範囲が広いと、計算量が多くなってしまう。
しかし、第1実施形態では、探索周波数範囲を予め限定しておくことが可能である。その理由は次の通りである。第1実施形態では、無線タグ100は予め設定された周波数の無変調波を送信するようにしている。探索周波数範囲は、この無変調波の周波数に基づいて定まる基準周波数を基準、すなわち探索周波数範囲の中心として、回転盤12の回転により受信電波に生じるドップラーシフトと、中間周波数のずれを考慮した範囲とすればよい。
受信電波に生じるドップラーシフトの大きさは、無線タグ100に対するアンテナ11の速度により定まる。回転盤12は予め設定した一定周期で回転させている。また、当然、回転盤12に固定しているアンテナ11の回転半径も既知である。そのため、受信電波に生じるドップラーシフトの大きさの範囲は予め計算可能である。
以上のことから、第1実施形態では、探索周波数範囲の基準周波数、すなわち、探索周波数範囲の中心を、無線タグ100が送信する電波の周波数をRF/IF部15において周波数変換して得られる中間周波数の設定値とする。そして、探索する周波数範囲を、中間周波数の誤差範囲に、回転盤12の回転周期およびアンテナ11の回転半径により定まるドップラーシフト範囲を加えた範囲に限定する。よって、第1信号処理部21における計算量を抑制することができる。
(第2信号処理部22の処理)
第2信号処理部22は、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形を解析してその波形の位相を決定する。
図4(B)に例示した波形は、時間とともに周波数が変動している。この周波数の変動は、ドップラーシフトにより生じる。よって、周波数の変動周期は回転盤12の回転周期に一致するはずである。
また、周波数変動がドップラーシフトにより生じるため、アンテナ11が受信する電波の周波数は、図4(A)に示すように、アンテナ11が無線タグ100に向かうaの位置のときに最も高くなり、アンテナ11が無線タグ100から遠ざかるcの位置のときに最も低くなる。つまり、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形の位相が無線タグ100の方位を示す。よって、第1信号処理部21が生成した波形の位相を決定することで、無線タグ100の方位を推定することができる。
第1実施形態では、第2信号処理部22もGHAで波形を解析する。第1信号処理部21で生成した波形は、回転盤12の回転周期で変動しているはずである。ただし、回転盤12が狙った周期で正確に回転しているとは限らず、実際には、狙った周期に対してある程度の誤差がある。
そこで、第2信号処理部22では、回転盤12の回転周期の設定値の逆数である設定周波数を基準とし、その設定周波数に対して予め設定した誤差範囲を探索周波数範囲とする。
その他は第1信号処理部21と同じ処理であり、探索周波数範囲において、探索周波数fwを必要となる周波数分解能の幅で順次変化させていき、各探索周波数fwにおいて残差減少量eを求める。そして、探索周波数範囲内において残差減少量eが最大となった参照波形wを、第1信号処理部21で生成した、周波数の時間変化を示す波形に決定する。
この処理により、図4(B)に示した正弦波の式を決定することができる。なお、第1信号処理部21が生成した波形は、横軸が時間軸、縦軸が周波数軸であり、周波数解析において通常の解析対象である波形とは縦軸の物理量が相違する。しかし、GHAは、縦軸、横軸の物理量に関係なく、観測対象とする波形に含まれている最大の正弦波成分を決定する手法である。よって、第1信号処理部21が生成した、時間に対する周波数変化を示す波形にも、GHAは適用可能である。
上記第2信号処理部22が決定した正弦波の式の位相φは、図5に示すように、予め設定した0°方向に対する無線タグ100が存在する角度を示している。よって、その位相φを無線タグ100が送信した電波の到来方向、すなわち、無線タグ100の存在方向とする。
(第1実施形態の効果)
以上、説明した第1実施形態では、回転盤12を一定速度で回転させてその回転盤12に固定したアンテナ11で、無線タグ100が送信する無変調波を受信する。アンテナ11が無線タグ100に対して接近離隔を繰り返しているので、アンテナ11が受信する電波にドップラーシフトが生じ、その電波は周期的に周波数が変化する。
第1信号処理部21は、この電波を解析して、周波数の時間変化を示す波形を生成する。この波形を生成する手法としてGHAを用いる。GHAは、計算量が膨大になってしまう問題があることが知られているものの、時間分解能および周波数分解能を任意に設定することができるという特徴がある。この特徴を有するGHAを用いて、周波数の時間変化を示す波形を生成するので、周波数分解能および時間分解能が高い波形を得ることができる。
また、無線タグ100が送信する周波数は一定周波数に設定されているが、実機では当然、送信する周波数にある程度の変動が生じる。アンテナ11の回転により生じるドップラーシフトの大きさが無線タグ100の送信する周波数の変動幅と同程度では、ドップラーシフトによる周波数変動を、無線タグ100が送信する周波数の変動と区別することができない。よって、Pseudo-doppler法では、ある程度の大きさのドップラーシフトが生じる速度でアンテナを回転させる必要がある。
回転盤12を高速に回転させてしまうと窓幅が狭くなるが、フーリエ変換の周波数分解能が窓幅で決まるのに対し、GHAの周波数分解能は窓幅によらない。そのため、回転盤12を高速に回転させてドップラーシフトを大きくすることができる。つまり、回転盤12に固定したアンテナ11の速度を速くするために回転盤12を大きくする必要がない。したがって、回転盤12の小型化が可能である。
しかも、第1実施形態では、無線タグ100が送信する電波の周波数は一定周波数に設定されている。また、回転盤12の回転周期も一定周期である。そのため、中間周波数の誤差は考慮する必要があるものの、ドップラーシフトによって周波数が変化する範囲は、回転盤12の回転周期とアンテナ11の回転半径から予め計算することができる。これらのことから、第1信号処理部21は、GHAで探索する周波数範囲を限定することができる。そのため、演算量も抑制できる。
また、第1信号処理部21は、回転盤12の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成する。これにより、周波数の時間変化を示す波形は、ドップラーシフトによる周波数変移量が最大となる時点を必ず含む。ドップラーシフトによる周波数変移量が大きくなるほど、ドップラーシフトによる周波数変動と、無線タグ100が送信する周波数の変動との区別が容易になるので、方向推定精度が向上する。
加えて、第1実施形態では、回転盤12を高速に回転させることができる。よって、回転盤12の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成しても、観測時間の増加は抑制できる。以上より、無線タグ100の方向推定精度を向上させつつ、方向を推定する時間の増加も抑制できる。
また、第1実施形態では、第2信号処理部22も、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形をGHAにより解析して、その波形の位相を決定する。
フーリエ変換で上記波形の位相を決定しようとすると、サンプリング点数を回転盤12の回転周期に基づいて設定する必要があり、サンプリング点数が適切でないと解析誤差が生じる。しかし、実際の装置では、解析区間の切り出しはある程度の誤差が生じ、また、回転盤12の回転周期も狙った通りの周期で回転させられるとは限らない。そのため、フーリエ変換で、第1信号処理部21が生成した波形を精度よく解析することは容易ではない。これに対して、GHAでは窓幅によらず任意の周波数分解能をとることができるため、解析区間の切り出しずれが解析精度に影響しない。
さらに、第1実施形態の第2信号処理部22は、回転盤12の回転周期を基準とし、回転盤12の回転周期のずれに基づいて定まる探索範囲で、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形をGHAにより解析している。このようにすることで、回転盤12の実際の回転周期を求めることができる。その結果、回転盤12が狙った回転周期からずれた周期で回転していても、第1信号処理部21が生成した、周波数の時間変化を示す波形の位相を正確に求めることができる。
また、第1実施形態では、局部発振器とミキサを備えるRF/IF部15により、無線タグ100から受信した電波を、中間周波数の信号に変換している。このように中間周波数の信号に変換する構成は受信機の一般的な構成であるので、回路設計が容易、かつ安価になる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用することができる。
第2実施形態の無線タグリーダ200の構成を図6に示す。なお、無線タグ100は、第1実施形態と同じ構成である。図6に示すように、無線タグリーダ200は、受信部210と信号処理部220を備えている。
(受信部210の構成)
受信部210は、第1実施形態と同じアンテナ11、回転盤12、駆動部13、ローノイズアンプ14、ADC16を備える。その他に、請求項の第2アンテナに相当する参照アンテナ211、ローノイズアンプ212、ミキサ213を備える。
参照アンテナ211は、回転盤12の付近に、回転不能に固定されている。ローノイズアンプ212は、この参照アンテナ211に接続されている。ローノイズアンプ212は、参照アンテナ211で受けた信号をミキサ213に出力する。また、第2実施形態では、アンテナ11に接続されたローノイズアンプ14も、ミキサ213へ信号を出力する。
ミキサ213は、ローノイズアンプ14を介して入力されるアンテナ11が受信した信号と、ローノイズアンプ212を介して入力される参照アンテナ211が受信した信号とを混合する。そして、周波数が、それらの2つの信号の周波数差となる信号をADC16に出力する。
(ミキサ213から出力される信号)
アンテナ11が受信する電波の周波数をf、無線タグ100が送信する電波の周波数をf、ドップラーシフト量をdf(Hz)とすると、下記式18が成り立つ。
(式18) f=f+df
これに対して、回転していない参照アンテナ211が受信する電波の周波数fは、式19に示すように、無線タグ100が送信する電波の周波数fに等しい。
(式19) f=f
ミキサ213から出力される信号はfd−frである。これを式18、19を用いて計算すると、式20に示すように、ドップラーシフト量dfとなる。
(式20) f−f=df
よって、ミキサ213から出力される信号は、時間に対する電圧変化を示す信号であって、周波数変化がドップラーシフト量dfとなる信号である。この信号がAD変換されて、第1信号処理部221に入力される。
(第1信号処理部221の処理)
第1信号処理部221が行う処理は、探索周波数範囲が異なる以外は、第1実施形態の第1信号処理部21と同じ処理である。第1実施形態では、アンテナ11で受信した信号の周波数を、局部発振器で生成した信号を用いて中間周波数に変換していることから、中間周波数の誤差範囲を考慮して探索周波数範囲を設定する必要があった。しかし、この第2実施形態では、第1信号処理部221に入力される信号は、中間周波数を介さずに生成している。
そして、この信号は、式20に示すように、参照アンテナ211が受信した信号と、アンテナ11が受信した信号とから生成している。これら2つのアンテナ211、11は、ともに無線タグ100の電波を受信しており、式18におけるfと、式19におけるfは完全に一致する。よって、局部発振器で生成した信号を用いる場合とは異なり、周波数のずれが生じない。また、この信号は、周波数変化がドップラーシフト量dfとなる。そのため、第2実施形態の第1信号処理部221では、探索周波数範囲は、回転盤12の回転周期およびアンテナ11の回転半径により定まるドップラーシフト範囲に限定できる。
第1信号処理部221が生成した周波数の時間変化を示す波形を図7に示す。図7に示す波形は、第1実施形態において示した図4(B)とほぼ同じである。ただし、中心周波数は0Hzとなる。第1信号処理部221が生成した、周波数の時間変化を示す信号は第2信号処理部22が処理する。第2実施形態でも、第2信号処理部22は、第1実施形態の第2信号処理部22と同じ処理を行う。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態の無線タグリーダ200は、回転盤12の上に備えられたアンテナ11に加えて、回転盤12の外に固定された参照アンテナ211を備えており、無線タグ100が送信した電波をその参照アンテナ211でも受信する。そして、ミキサ213で、参照アンテナ211で受信した信号とアンテナ11が受信した信号とを混合している。ミキサ213から出力される信号は、ダイレクトコンバージョンされてドップラーシフト量dfを表す時間−電圧信号となる。
このように、中間周波数を介さずに、周波数変化がドップラーシフト量dfとなる時間−電圧信号を生成していることから、第1信号処理部221では、探索周波数範囲を第1実施形態よりも限定できる。そのため、演算量を第1実施形態よりも抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の無線タグリーダ300の構成を図8に示す。なお、無線タグ100は第1実施形態と同じ構成である。図8に示すように、無線タグリーダ300は、受信部310と信号処理部320を備えている。
(受信部310の構成)
受信部310は、第1実施形態と同じ回転盤12、駆動部13を備える。第1実施形態では、回転盤12の上に1つのアンテナ11が固定されていたが、第3実施形態では、回転盤12の上に第1アンテナ311、第2アンテナ312が固定されている。これら第1アンテナ311、第2アンテナ312は、第1実施形態のアンテナ11と同じでよい。また、第3実施形態では、第1アンテナ311、第2アンテナ312は、回転盤12の回転中心からの距離が互いに等しい。また、回転盤12の回転中心を通る同じ直線上に配置されている。すなわち、回転盤12の中心を原点とする回転盤12を含む二次元座標平面において、互いに180°となるように配置されている。
これら第1アンテナ311、第2アンテナ312は、それぞれ、ローノイズアンプ313、314に接続されている。ローノイズアンプ313、314も第1実施形態のローノイズアンプ14と同じである。
それら2つのローノイズアンプ313、314から出力された信号は、ミキサ315により混合される。
(ミキサ315から出力される信号)
第1アンテナ311が受信する電波の周波数をfd1、第2アンテナ312が受信する電波の周波数をfd2とすると、ミキサ315は、2つの受信周波数fd1、fd2の周波数差Δf=fd1−fd2の信号を出力する。
第1アンテナ311と第2アンテナ312は、回転盤12の上において互いに180°ずれた位置に配置されていることから、第1アンテナ311が受信する電波、第2アンテナ312が受信する電波のドップラーシフト量dfは、同じ大きさ、かつ、互いに逆位相となる。よって、第1アンテナ311の受信周波数fd1、第2アンテナ312の受信周波数fd2、無線タグ100が送信する電波の周波数f、第1アンテナ311、第2アンテナ312が受信する電波のドップラーシフト量dfの間に、下記式21、式22が成り立つ。
(式21) fd1=f+df
(式22) fd2=f−df
そのため、ミキサ315が出力する信号の周波数、すなわち、周波数差Δfは、式23に示すように、第2実施形態のドップラーシフト量dfの2倍になる。
(式23) Δf=fd1−fd2=2df
つまり、ミキサ315が出力する信号は、時間に対する電圧変化を示す信号であって、周波数が2dfの信号である。この信号がADC16でAD変換されて、第1信号処理部321に入力される。
(第1信号処理部321の処理)
この第1信号処理部321に入力される信号は、式23に示したように、第2実施形態で第1信号処理部321に入力される信号のドップラーシフト量dfの2倍の周波数の信号である。よって、第1信号処理部321は、第2実施形態の2倍の範囲を探索周波数範囲として、ADC16から入力された時間に対する電圧変化を示す信号を、時間に対する周波数変化を示す信号に変換する。
探索周波数範囲は第2実施形態の2倍であるが、周波数変化範囲が2倍になることに伴い、周波数分解能を半分とする。すなわち、探索周波数fwを変化させるピッチ、すなわち、探索周波数ピッチを、第1、2実施形態の場合の2倍とする。
解析に用いる信号の周波数変化範囲が2倍になると、周波数分解能が半分でよい理由は次の通りである。第1信号処理部321で生成した波形は、第2信号処理部22において用いる。第2信号処理部22では、参照波形wの波形との形状比較を行って位相を決定することで、無線タグ100の存在する角度を決定する。
この第2信号処理部22で比較を行う波形は、縦軸が周波数軸である。周波数が2倍になっていることにより、縦軸方向に波形の大きさが2倍になっている。そのため、第1実施形態、第2実施形態の2倍の粗さ、すなわち、半分の周波数分解能で点をプロットすれば、プロットできる点数が同じになる。このことから、第1、第2実施形態と同じ角度分解能で無線タグ100の存在する角度を決定するのであれば、周波数分解能は半分でよいのである。
第1信号処理部321が生成した、周波数の時間変化を示す信号は、第2信号処理部22が処理する。第3実施形態でも、第2信号処理部22は、第1、2実施形態の第2信号処理部22と同じ処理を行う。
(第3実施形態の効果)
この第3実施形態の無線タグリーダ300は、回転盤12の上に2つアンテナ311、312を備えており、ミキサ315によりそれら2つのアンテナ311、312が受信した信号を混合する。ミキサ315から出力された信号は、第2実施形態と同様、0Hzを中心とする、ドップラーシフトに由来して周波数が変動する信号となる。すなわち、中間周波数を介していないことから、第2実施形態と同様、第1信号処理部321における探索周波数範囲を第1実施形態よりも限定できる。そのため、演算量を第1実施形態よりも抑制することができる。
さらに、第3実施形態では、ミキサ315から出力された信号は、第1実施形態の2倍の周波数2dfであるので、第1、第2実施形態と同じ角度分解能とするのであれば、周波数分解能を半分、すなわち、探索周波数ピッチを2倍に粗くすることができる。探索周波数ピッチを粗くすることができると、スパイクノイズ等の幅の狭いノイズの影響を受ける探索周波数が少なくなる。その結果、第1信号処理部321は、ノイズの影響の少ない波形を生成することができ、これを用いる第2信号処理部22でも、位相の決定精度が向上する。
(第4実施形態)
第4実施形態の無線タグリーダ400の構成を図9に示す。無線タグリーダ400の受信部410は、第2アンテナ412は第3実施形態と同様、回転盤12に固定されているが、固定位置が第3実施形態とは異なる。
図10に示すように、回転盤12を含む二次元平面において、回転中心から第1アンテナ311の方向と、回転中心から第2アンテナ412の方向との間の角度が90°となるように、第2アンテナ412は回転盤12に固定されている。また、第2アンテナ412の回転半径は第1アンテナ311の半分である。なお、第2アンテナ412は、固定位置が異なる以外は、第3実施形態の第2アンテナ312と同じである。
説明を図9に戻す。第4実施形態における第1信号処理部421は、探索周波数範囲および探索周波数fwを変化させる探索周波数ピッチが異なる以外は、第3実施形態の第1信号処理部321と同じ処理を実行する。
第3実施形態で説明したように、解析に用いる信号の周波数が2倍になると、探索周波数範囲は2倍になるが、探索周波数ピッチは半分、すなわち、1/2でよい。これは、解析に用いる信号の周波数が大きいほど、探索周波数範囲が大きくなる反面、周波数分解能を粗くできることを意味する。
ここで、図11に、第4実施形態における第1アンテナ311の受信周波数fd1、第2アンテナ412の受信周波数fd2、周波数差Δf(=fd1−fd2)の、第1アンテナ311の角度に対する変化を示す。
図11において、周波数差Δfの最大値Δfmaxは、第1アンテナ311の受信周波数fd1に含まれているドップラーシフト量の最大値df1maxの1.1倍である。よって、第4実施形態における第2アンテナ412の配置の場合、第1信号処理部421では、探索周波数範囲を、第1、2実施形態に対して、1.1倍とする必要がある。しかし、探索周波数ピッチは、第1、2実施形態に対して1.1倍粗くすることができる。
第2信号処理部422は、第3実施形態と同様、第1信号処理部321が生成した波形をGHAで解析して、その波形の位相を決定する。決定した波形の位相は、無線タグ100が存在する角度を示している。ただし、第4実施形態の第2信号処理部422では、第1信号処理部321が生成した波形をGHAで解析して位相を決定した後、その位相を補正して無線タグ100が存在する方向を決定する。位相を補正する理由を図11を用いて説明する。
第1実施形態では、第1アンテナの受信周波数fd1の波形の位相を、予め設定した0°方向に対する無線タグ100が存在する方向としていた。しかし、図11に示すように、周波数差Δfの波形の位相は、第1アンテナ311の受信周波数fd1の波形とは位相が異なる。したがって、0°方向を第1実施形態と同じ方向とする場合には、第1アンテナ311の受信周波数fd1の波形と、周波数差Δfの波形の位相差分だけ、周波数差Δfの波形の位相をずらした角度を無線タグ100が存在する方向とする必要がある。
周波数差Δfの波形の位相と、第1アンテナ311が受信する電波の周波数fd1の波形の位相との位相差は計算により求めることができる。第4実施形態のように、第2アンテナ412が第1アンテナ311に対して、角度が90°ずれており、半径が半分である場合、周波数差Δfの波形の位相と、第1アンテナ311の受信周波数fd1の波形の位相との位相差は、約153度である。この位相差分だけ、周波数差Δfの波形の位相をずらしと、0°方向を第1実施形態と同じ方向とする、無線タグ100が存在する方向を求めることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(変形例1)
前述の実施形態の第2信号処理部22は、GHAにより、第1信号処理部21で生成した、時間に対する周波数の波形の位相を決定していた。しかし、GHAに代えてフーリエ変換で位相を決定することもできる。
第1信号処理部21で生成した波形の位相をフーリエ変換で決定する場合、窓幅を、回転盤12の1回転周期あるいはその整数倍に設定する。窓幅はサンプリング点数とサンプリング周波数により定まる。よって、フーリエ変換で、第1信号処理部21で生成した波形の位相を求める場合、サンプリング点数とサンプリング周波数を、窓幅が回転盤12の1回転周期あるいはその整数倍になるように調整する必要がある。その上で、回転周期が変動しないように制御を行う必要もある。
GHAでは、窓幅によらず任意の周波数分解能をとることができるため、切り出し範囲の影響がない。そのため、フーリエ変換で解析を行うより、前述の実施形態のようにGHAで解析を行う手法のほうが簡単である。
(変形例2)
第2信号処理部22は、ピークあるいはゼロクロス等、波形の特徴点の位置から、第1信号処理部21が生成した、時間に対する周波数の変化を示す波形の位相を決定してもよい。特徴点の位置により波形の位相を求める手法は、処理が簡単であることから高速に処理できる利点がある。しかし、ノイズが混入した場合に、本来の波形のピーク等の特徴点を精度よく決定することが困難であることから、ロバスト性は低い。
これに対して、前述の実施形態で用いたGHAであれば、波形全体の一致を見ることから、ロバスト性が高い。
(変形例3)
第2信号処理部22は、モデル波形とのパターンマッチングにより、第1信号処理部21が生成した、時間に対する周波数の変化を示す波形の位相を決定してもよい。モデル波形とのパターンマッチングにより波形の位相を求める手法は、特徴点に基づいて位相を求める手法よりはロバスト性が高い。しかし、ドリフトなどノイズの種類に応じたモデル波形を設定しなければならない。また、モデル波形を位相をずらしつつパターンマッチングを行う必要があるため、計算量も多くなってしまう問題がある。
これに対して、前述の実施形態で用いたGHAは、ロバスト性が高いことに加えて、モデル波形の調整は不要である。また、回転周期を基準として回転周期の変動分相当の範囲を探索するのみでよいことから、計算量もそれほど多くならない。
(変形例4)
第3実施形態では、第2アンテナ312は、第1アンテナ311が配置されている方向に対して180°の方向に配置され、第4実施形態では、第2アンテナ412は、第1アンテナ311が配置されている方向に対して90°の方向に配置されていた。しかし、第2アンテナ312、412の配置位置は、これらの実施形態に限定されない。第2アンテナを回転盤12のどの位置に配置しても、第3、4実施形態と同様に、ダイレクトコンバージョンにより周波数差Δfの波形を得ることができる。よって、第2アンテナを回転盤12のどの位置に配置しても、中間周波数の影響を受けないので、探索周波数範囲を狭くすることができる。
なお、第1実施形態と同じ0°方向に対する無線タグ100の存在方向を求めるには、第2アンテナの配置位置に応じて、周波数差Δfの波形と第1アンテナ311の受信周波数の波形との位相差を計算する。そして、その位相差で、波形解析により求めた波形の位相を補正することになる。
(変形例5)
第2アンテナを回転盤12のどの位置に配置しても、探索周波数範囲を狭くすることができる。しかし、回転盤12の回転中心から第2アンテナの方向と、回転盤12の回転中心から第1アンテナの方向との間の角度が90°以上となるように、第2アンテナが回転盤12の上に配置されることが好ましい。
その理由は次の通りである。図11のグラフは、回転盤12の回転中心から第1アンテナ311の方向と、回転盤12の回転中心から第2アンテナ412の方向との間の角度が90°である。この図11では、第1アンテナ311が受信する電波のドップラーシフト量が正側、負側に最大となる90°、270°において、第2アンテナ412が受信する電波のドップラーシフト量はゼロになっており、周波数差Δfの最大値Δfmaxは、第1アンテナ311の受信周波数に含まれているドップラーシフト量の最大値df1maxよりも大きくなっている。
第1アンテナ311、第2アンテナ412の間の角度が、第4実施形態の角度、すなわち90°よりも大きくなると、図11において、第2アンテナ412の受信周波数fd2の波形が、図左側にずれることになる。よって、第1アンテナ311が受信する電波のドップラーシフト量が最大となるときに、第2アンテナ412が受信する電波に含まれているドップラーシフトは、第1アンテナ311のドップラーシフトとは反対符号になる。したがって、2つのアンテナ311、412が受信する電波のドップラーシフト量の差の最大値は、第1アンテナ311が受信する電波に生じるドップラーシフト量の最大値df1maxよりも大きくなる。
つまり、第1アンテナ311、第2アンテナ412の間の角度が90°よりも大きくなると、ミキサ315が出力する周波数差Δfの信号の周波数変動幅は、第1アンテナ311が受信する電波のみにドップラーシフトが生じる場合よりも大きくなる。
第4実施形態おいて説明したように、ミキサ315が出力する周波数差Δfの信号の周波数変動幅が大きくなると、探索周波数ピッチを粗くすることができ、幅の狭いノイズの影響を受ける探索周波数が少なくなる。その結果、位相の決定精度が向上する。よって、第1アンテナ311、第2アンテナ412の間の角度が90°よりも大きいことが好ましいのである。
1、200、300、400 無線タグリーダ(電波到来方向推定装置)、10、210、310、410 受信部、11 アンテナ(第1アンテナ)、12 回転盤、13 駆動部、14、212、313、314 ローノイズアンプ、15 RF/IF部(周波数変換部)、16 ADC、20、220、320、420 信号処理部、21、221、321、421 第1信号処理部、22、422 第2信号処理部、 213、315 ミキサ

Claims (10)

  1. 無線タグ(100)が送信する予め設定された一定周波数の電波の到来方向を推定する電波到来方向推定装置(1)であって、
    回転盤(12)と、その回転盤の上の回転中心以外の位置に固定されたアンテナ(11、311)と、その回転盤を予め設定した一定周期で回転させる駆動部(13)とを備えた受信部(10、210、310、410)と、
    前記アンテナが受信した電波またはその電波の周波数を変換した信号の時間に対する信号強度の変化を示す波形に対して、予め設定された基準周波数を基準とし、ドップラーシフトによる前記波形の周波数変化範囲を含む探索周波数範囲で一般化調和解析を行って、周波数の時間変化を示す波形を生成する第1信号処理部(21、221、321、421)と、
    その第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を解析してその波形の位相を決定する第2信号処理部(22、422)とを備えることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2信号処理部は、前記第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を一般化調和解析で解析して、その波形の位相を決定することを特徴とする電波到来方向推定装置。
  3. 請求項2において、
    前記第2信号処理部は、回転盤の回転周期を基準とし、前記回転盤の回転周期のずれに基づいて定まる探索範囲で、前記第1信号処理部が生成した、周波数の時間変化を示す波形を一般化調和解析により解析することを特徴とする電波到来方向推定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記第1信号処理部は、回転盤の回転周期の半周期以上の時間に対して、周波数の時間変化を示す波形を生成することを特徴とする電波到来方向推定装置。
  5. 請求項1において、
    局部発振器とミキサとを備え、前記局部発振器で生成した信号と前記アンテナが受信した信号とを前記ミキサで混合することで、前記アンテナが受信した信号と前記局部発振器で生成した信号との周波数差となる中間周波数の信号を生成する周波数変換部(15)を備え、
    前記第1信号処理部(21)は、
    前記周波数変換部が生成した中間周波数の信号の時間に対する信号強度の変化を示す波形を解析するものであり、
    前記中間周波数を前記基準周波数とし、
    前記探索周波数範囲を、前記回転盤の回転周期および前記アンテナの回転半径により定まるドップラーシフト量と、前記中間周波数の誤差とに基づいて定まる範囲とすることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  6. 請求項1において、
    前記回転盤に固定されたアンテナを第1アンテナ(11、311)とし、
    前記第1アンテナとは別に、前記無線タグの電波を受信する第2アンテナ(211、312、412)と、
    前記第1アンテナが受信した信号と前記第2アンテナが受信した信号を混合して、前記第1アンテナが受信した信号の周波数と、前記第2アンテナが受信した信号の周波数の周波数差の信号を出力するミキサ(213、315)とを備え、
    前記第1信号処理部(221、321、421)は、
    前記ミキサが出力した信号の波形を解析するものであり、
    0Hzを前記基準周波数とし、
    前記探索周波数範囲を、前記回転盤が回転することで前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが受信する電波に生じるドップラーシフトによって、前記ミキサが出力する信号の周波数が変化する範囲を含む範囲とすることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  7. 請求項6において、
    前記第2アンテナ(211)は、前記回転盤が回転しても位置が変化しない位置に固定されており、
    前記第1信号処理部(221)の前記探索周波数範囲が、前記回転盤の回転周期および前記第1アンテナの回転半径により求められるドップラーシフト量に基づいて定まる範囲であることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  8. 請求項6において、
    前記第2アンテナ(312、412)も、前記回転盤の上の回転中心以外の位置に固定されており、
    前記第1信号処理部(321、421)は、前記探索周波数範囲を、前記回転盤が回転することで前記第1アンテナが受信する電波および前記第2アンテナが受信する電波にそれぞれ生じるドップラーシフト量の差の変動範囲を含む範囲とすることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  9. 請求項8において、
    前記第2アンテナは、前記回転盤の上の回転中心以外の位置であって、かつ、前記回転盤を含む二次元平面において、前記回転中心から前記第1アンテナの方向と、前記回転中心から前記第2アンテナの方向との間の角度が90°以上であることを特徴とする電波到来方向推定装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の電波到来方向推定装置と、予め設定された一定周波数の電波を送信する無線タグとを備えた電波到来方向推定システム。
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