JP2015031806A - 電力供給装置およびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置などの負荷への電力の供給について電力伝送効率を向上する。
【解決手段】トランス5の一次コイルC1を2つの独立したコイルである第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12で構成する。切替制御回路9は、負荷6に大きな電力を供給するときは、一次コイルC11と第2の一次コイルC12をインバータ3に対して並列接続し、それより少ない電力を負荷6に供給するときはこれらを直列接続する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電力供給装置に関する。
複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置では、加熱されたロール状のフィルム(定着フィルム)を用いて未定着トナー像をシートに定着する。特許文献1によれば、定着フィルムに設けた発熱層に電流を流して定着フィルムを直接的に発熱させることが提案されている。これによれば、定着フィルムの温度を目標温度に到達させる時間であるウォームアップ時間が短縮される。
特開2002−123113号公報
特許文献1では、定着フィルムが回転するため、発熱層への給電はトランスを用いた非接触給電方式にて行なわれている。ところで、給電装置(電力供給装置)の電力制御を高速で実行することで、定着フィルムの温度を一定に保つことができる。そのためには、インバータにて高い周波数でスイッチングを行なうPWM方式による電力制御が採用されうる。
しかし、トランスを用いて定着装置に非接触で電力を供給すると、電力伝送効率が低下しやすくなる。これは、トランスの一次コイルの電流特性により、一次コイルに流れる最大電流は平均電流の2倍となり、インバータや一次コイルで消費される電力損失が大きくなるからである。そこで、本発明は、定着装置などの負荷への電力の供給について電力伝送効率を向上することを目的とする。
本発明は、たとえば、
交流電圧を生成する電圧生成手段と、
前記交流電圧が印加される複数の一次コイルと、負荷に接続される二次コイルとを有する変圧手段と、
前記複数の一次コイルを前記交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段と、を有し、
前記切替手段は、前記負荷に第1の電力を供給するときは前記複数の一次コイルを並列接続し、前記負荷に前記第1の電力よりも小さな第2の電力を供給するときは前記複数の一次コイルを直列接続し、
前記電圧生成手段は、前記負荷に前記第2の電力を供給するときは、前記一次コイルに電流を流す期間を可変制御することを特徴とする電力供給装置を提供する。
本発明によれば、複数の一次コイルを直列接続したり並列接続したりすることで、複数の一次コイルから二次コイルへの電力の伝送効率が向上する。
画像形成装置の構成概要図 定着装置の構成概要図 実施例1の電力供給装置の構成概要図 実施例1の一次コイルの等価回路を示す図 実施例1のコイルの電流波形の図 時間経過に対する電力と温度の関係を示すタイミングチャート 実施例1のフローチャート 実施例2の電力供給装置の構成概要図 実施例2のフローチャート
本実施の形態では、変圧手段の一次コイルを複数の複数の一次コイルにより構成し、切替機構で複数の一次コイルを入力交流電圧に対して直列接続するか並列接続するかを切り替える。これにより、複数の一次コイルから二次コイルへの電力の伝送効率が向上する。切替機構は、負荷に第1の電力を供給するときは複数の一次コイルを並列接続し、負荷に第1の電力よりも小さな第2の電力を供給するときは複数の一次コイルを直列接続する。さらに、負荷に第2の電力を供給するときは、一次コイルに電流を流す期間が可変制御されることで、負荷に供給される電力の制御ステップを細かくすることができる。
以下では、画像形成装置の定着装置へ電力を供給する電力供給装置について図面を参照して詳細に説明する。定着装置で用いられる定着部材は、発熱層を有した筒形状の定着フィルムである。つまり、定着部材自身が発熱し回転しながらトナー像をシート上に定着させる。この回転する定着部材への給電方式としては接触方式と非接触方式とが考えられるが、本実施例では非接触方式を採用する。以下では、トランスを用いた電磁誘導方式による非接触方式を例示する。なお、説明で用いる部材、数値等は、理解を助ける目的での例示に過ぎず、本発明を限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
1.画像形成装置の概要
画像形成装置の基本的な構成および動作について説明する。図1は画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は画像形成ユニット20を一つ具備したモノクロの画像形成装置である。なお、本発明は複数の画像形成ユニット20を備えた多色画像形成装置に適用可能である。
画像形成ユニット20は、トナー画像をシート上に形成する画像形成手段である。帯電ローラ22は感光ドラム21の表面を一様に帯電させる。次にレーザスキャナ25が画像データにしたがってオン−オフ変調したレーザービームを出力する。不図示の回転ミラーがレーザービームを走査することで、感光ドラム21の表面に画像データに対応した静電潜像が形成される。現像器23は静電潜像と逆極性に帯電したトナーを静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。給紙カセット26に収納されたシートSは、給紙ローラ27によって1枚ずつ搬送路へ引き出される。シートSはレジストローラ28と対向ローラとで狭持搬送され、感光ドラム21と転写ローラ29とで形成される転写部へ到達する。転写ローラ29によって感光ドラム21上のトナー像がシートS上に転写される。トナー像が転写されたシートSは、定着装置30へ受け渡される。定着装置30は、トナー画像をシート上に定着させる定着手段である。定着装置30は電力供給装置31から供給された電力により加熱された定着部材と加圧部材とによってトナー像とシートSが加熱および加圧される。これにより、トナー画像がシートS上に定着する。
2.定着装置の概要
図2(A)は定着装置30をシートSの搬送方向における下流側から見た図である。図2(B)は定着装置30の長手方向の断面図である。図2(C)は図2(A)の一点鎖線A−A’での定着装置30の断面図である。図2(A)ないし図2(C)に示すように定着装置30は、回転発熱体であるロール状の定着フィルム41と加圧ローラ42とで定着ニップを形成している。トナー像を担持したシートSはこの定着ニップを通過する際に加圧および加熱される。
シートSとトナー像を均一に加圧するために、定着フィルム41の内周側にはフィルムガイド46が設けられている。フィルムガイド46は、定着フィルム41面に対して一定の圧力で当接している。フィルムガイド46は、定着ステー45と係合している。定着ステー45の長手方向の両端部は画像形成装置100のフレームによって保持されている。また、定着ステー45の長手方向の両端部は、不図示の加圧バネにより加圧されている。これにより、フィルムガイド46は定着フィルム41を加圧ローラ42に対して加圧する。定着フィルム41は、定着フランジ43とフィルム保持部材44とによって保持されている。定着フィルム41の内周面は定着フランジ43およびフィルム保持部材44と摺動しながら、加圧ローラ42の回転に伴って従動回転する。加圧ローラ42は不図示の駆動モータにより駆動される。定着フランジ43およびフィルム保持部材44は、定着ステー45によって支持されている。
定着フィルム41に非接触で電力を供給するためにトランスが用いられている。定着フィルム41の内周面のうち、フィルム保持部材44の位置よりもさらに左側に二次コイルである受電コイル48が固定されている。受電コイル48は、定着フィルム41と一体で回転する。受電コイル48は定着フィルム41の内部に設けられた発熱層61に接続しており、受電コイル48から供給された電力によって発熱層61が発熱する。発熱層61は、発熱抵抗体であるが、必ずしも層状の発熱部材ある必要はなく、コイル状の発熱部材など、他の形態の発熱部材であってもよい。定着フィルム41は定着部材や発熱フィルムと呼ばれてもよい。このように、送電コイル47と受電コイル48との間に空隙が存在するよう送電コイル47と受電コイル48とが配置されている。また、送電コイル47は固定設置され、受電コイル48は負荷である発熱層61と一体に回転する。
一次コイルである送電コイル47は定着用の電力供給装置31から電力が供給される。図2(B)では送電コイル47を2つのコイルで構成しているが、3つ以上のコイルが採用されてもよい。電力の供給により送電コイル47に電流が流れると磁束が発生し、フェライトコア49を通して送電コイル47と受電コイル48と鎖交するように磁束ループが形成される。電磁誘導により受電コイル48に電流が発生し、この電流が発熱層61を流れる。なお、送電コイル47と受電コイル48が接触することなく一定の距離を保って回転するように、送電コイル47と受電コイル48が配置されている。
電力供給装置31は、50Hzまたは60Hzの商用電源1から供給された交流をインバータにて数十kHz〜数百kHzに変換する。磁束の大きさや向きが変化したときだけ、変化量に比例した電流が受電コイル48に流れる。高い周波数でスイッチングを行なうと磁束の変化が多くなるため、たとえば、1000Wもの大電力を高効率で送電コイル47から受電コイル48へ伝送できる。
3.電力供給装置の説明
図3に示した電力供給装置31は、商用電源1から50Hzまたは60Hzの交流を一度直流に変換した後に、より高周波数の交流に変換する。整流平滑回路2は商用電源1から供給された100Vの交流電圧を100Vの直流電圧に変換する。インバータ3は交流電圧を生成する電圧生成手段であり、たとえば、直流100Vを数十kHz〜数百kHzの交流電圧に変換する。インバータ3は4つのトランジスタ(FET Q1〜Q4)を用いたフルブリッジ回路を有したインバータ回路である。PWM制御回路4は4つのFET Q1〜Q4のオン/オフを制御して直流電圧を所望の交流電圧に変換する。接続切替部8は、2つのスイッチS1、S2と、スイッチS1、S2の状態の切り替えを制御する切替制御回路9を有している。ここでは、スイッチS1、S2として半導体素子が採用されているが、切替制御回路9によって切り替え可能なスイッチであれば機械的なスイッチが採用されてもよい。トランス5は、交流電圧が印加される第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12と、負荷6に接続される二次コイルC2とを有する変圧手段である。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12は上述した送電コイル47として機能する。二次コイルC2は受電コイル48として機能する。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12はトランス5のコアの軸方向に並べられて配置されてもよいし、コアに対して同心円状に配置されてもよい。
とりわけ、切替制御回路9は、複数の一次コイルを交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段である。つまり、切替制御回路9は、スイッチS1、S2の状態を切り替えることで、インバータ3で生成された交流電圧に対して第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12を直列に接続したり、並列に接続したりする。この接続形式の切り替えは、負荷6に対して供給する電力を切り替えるときに実行される。たとえば、切替制御回路9は、負荷6に第1の電力(例:1200W)を供給するときは複数の一次コイルを並列接続し、負荷6に第1の電力よりも小さな第2の電力(例:300W)を供給するときは複数の一次コイルを直列接続する。負荷6の一例は上述した発熱層61である。
図4(A)および図4(B)は、第1の一次コイルC11、第2の一次コイルC12、スイッチS1、S2の部分の等価回路を示す図である。図4(A)は、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12との並列接続により構成される一次コイルC1を示している。図4(B)は、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12との直列接続により構成される一次コイルC1を示している。電流I1は一次コイルC1に流れる電流(トランス5の一次側に流れる電流)を示している。電流V1は一次コイルC1の両端に印加される電圧(トランス5の一次側に印加される電圧)を示している。切替制御回路9は、スイッチS1、S2の状態を切り替えることで、一次コイルC1の合成インダクタンスが変化する。よって、一次コイルC1はインダクタンス可変コイルと呼ばれてもよい。
図3において第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12に交流電圧が印加されると、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12には交流の電流I1が流れ、電流I1に比例した磁束が発生する。電流I1は交流であるため磁束の向きも電流の向きに合わせて反転する。電磁誘導により二次コイルC2には磁束の変化量に比例した誘導電流I2が流れる。一次側の電流I1が交流であるため、二次コイルC2に流れる電流I2も交流となる。この電流I2により負荷6として接続されている定着装置30の発熱層61が発熱する。
温度センサー10は負荷の温度を検知する温度検知手段である。温度センサー10は発熱層61の温度を効率良く計測するために発熱層61の近傍に設けられている。温度センサー10は、たとえば、フィルムガイド46の内部やフィルムガイド46に接触して設けられたり、定着ステー45に設けられたりしてもよい。温度制御回路11は、たとえば、計測された温度と予め設定されている目標温度との差を求め、差に応じて接続切替部8やPWM制御回路4に指示を行なう。接続切替部8は温度制御回路11からの指示にしたがって2つのスイッチS1、S2を切り替えて、供給する電力のレベルを切り替える。このように接続切替部8は、温度センサー10により検知された温度に応じて複数の一次コイルを直列接続または並列接続に切り替える。
PWM制御回路4は、4つのトランジスタをスイッチングする駆動信号を生成し、交流電圧のデューティ比を制御する制御回路である。本実施例において、PWM制御回路4は、温度制御回路11からの指示にしたがって4つのFET Q1〜Q4のオン・オフのタイミングを変更することで、発熱層61に供給される電力を細かく制御する。このように、PWM制御回路4は、負荷6に相対的に小電力(例:300W)を供給するときは、一次コイルC1に電流を流す期間を可変制御する。コントローラ7は画像形成装置100の全体を統括的に制御する。
このように定着装置30の温度制御は発熱層61に供給される電力を制御することで実現される。電力制御は、“接続切替方式”と“PWM方式”とを組み合わせて実現される。接続切替方式では、接続切替部8が第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12を直列接続したり、並列接続したりする。PWM方式では、PWM制御回路4が一次コイルC1に電流I1が流れる時間を細かく変える。
この2通りの電力制御方式について図5(A)ないし図5(C)を用いて説明する。これらは、インバータ3の4つのFET Q1〜Q4のオン/オフタイミングと、一次コイルC1に流れる電流I1の波形と、二次コイルC2に流れる電流I2の波形とを示している。これらの波形は以下の4つの条件に基づく波形である。また、以下の数値は本発明にとって必須のものではなく、説明の便宜上の例示にすぎない。
●条件1:商用電源1の電圧はAC100V
●条件2:インバータ3のスイッチング周波数は200kHz
●条件3:第1の一次コイルC11、第2の一次コイルC12、二次コイルC2のインダクタンスは共に10μHで巻数は5ターン
●条件4:発熱層61の抵抗は7.5Ω。
図5(A)は第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とが並列に接続され、かつ、PWM制御回路4によってデューティ比が100%に設定されているときの波形を示している。図5(B)は第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とが直列に接続され、かつ、PWM制御回路4によってデューティ比が100%に設定されているときの波形である。図5(C)は第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とが並列に接続され、かつ、PWM制御回路4によってデューティ比が25%に設定されているときの波形である。
図5(A)ないし図5(C)に示したQ1〜Q4はインバータ3が備える4つのFET Q1〜Q4のオン/オフのタイミングを示している。斜線部はFETがオン状態であることを示している。図5(A)ないし図5(C)に示したオン/オフ期間は、インバータ3の出力がオンとなる期間とオフとなる期間を表している。つまり、オン期間は一次コイルC1に電流I1が流れる期間を示し、オフ期間は一次コイルC1に電流I1が流れない期間を示している。並列接続時の電流I1は、第1の一次コイルC11に流れる電流と第2の一次コイルC12に流れる電流を加算した電流である。電流I2は二次コイルC2に流れる電流である。本実施例では、負荷6の消費電力が相対的に大きいときは並列接続が採用され、負荷6の消費電力が相対的に小さいときは直列接続が採用される。
4.接続切替方式
接続切替方式で電力を制御する方法について説明する。
4−1.並列接続
図3が示すようにスイッチS1、S2は単極双投(1回路2接点)タイプのスイッチであり、上側の接点と下側の接点とのどちらかに回路(極)が接続される。温度制御回路11が並列接続を指示すると、切替制御回路9は上側の接点と極とが接続するようスイッチS1、S2の切片を切り替える。その結果、図4(A)が示すように、インバータ3に対して第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とが並列に接続される。並列接続時の第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12との合成インダクタンスLpは式1により表現される。
1/Lp=1/L11+1/L12 ・・・(式1)
L11は第1の一次コイルC11のインダクタンスであり、L12は第2の一次コイルC12のインダクタンスである。インダクタンスL11、L12はともに10μHとすると、合成インダクタンスLpは5μHとなる。
図5(A)を用いて一次コイルC1に流れる電流I1と二次コイルC2に流れる電流I2の波形について説明する。時刻t11まではFET Q2、Q3がオンになっているため一次コイルC1に流れる電流I1は、図3に示した矢印の方向とは逆の方向に流れている。ここで電流I1の向きを変えるために、PWM制御回路4は、FET Q2、Q3をオフに、FET Q1、Q4をオンにする。ただし、4つのFET Q1〜Q4を同時に切り替えるとスイッチング損と呼ばれる損失が発生する。オフになっているFET Q1のドレイン−ソース間には100Vの直流電圧が印加されている。FETは半導体素子であるため過渡特性を持っている。よってFETをオフからオンに切り替えると、ドレイン−ソース間の電圧が低下しながらドレイン−ソース間には電流が流れ始める。FETで消費される電力Pは以下の式2で表現される。
P=V×I ・・・(式2)
Iはドレイン−ソース間に流れる電流であり、Vがドレイン−ソース間に印加される電圧である。FETがオフのときはドレイン−ソース間に電流が流れないため、FETで電力は消費されない。オンのときは電圧Vが0VであるためFETで消費される電力Pはゼロである。しかし、過渡の期間では電流Iも電圧Vも共にゼロではないためFETで消費される電力Pはゼロではない。この電力Pがスイッチング損である。この電力Pは熱となってFETの温度を上昇させる。
スイッチング損を削減する方法の1つとしてZVS(Zero Voltage Switching)方式がある。これはオン/オフを切り替えられるFETのドレイン−ソース間の電圧をまず0Vにしてから切り替える方法である。4つのFETの全てについて両端(ドレイン−ソース間)の電圧を同時に0Vにすることは原理的に不可能である。そのため、4つのFETについて1つずつオン/オフの切り替えを行なっていく。この切り替え期間は、時刻t11〜t14、t15〜t18、t19〜t22に相当する。ZVS方式は広く用いられている方法であり、かつ本発明の特徴とは関係が無いためその詳細な説明は省略する。ところで、ZVSを実行している時間は一次コイルC1に電流を流すことができない。この一次コイルC1に電流が流れないオフ期間をデッドタイムと呼ぶ。このデッドタイムはショート・スルー電流が流れることを防止する役目も担っている。ショート・スルー電流とは、FET Q1、Q2またはFET Q3、Q4が同時にオンすることによりインバータ3に供給している直流電圧がショートすることで流れる電流のことである。本実施例では、デッドタイムを除いたオン期間t14〜t15、t18〜t19におけるデューティ比を一例として100%に設定している。
このようにしてインバータ3はスイッチングを行なうが、一次コイルC1に流れる電流I1は矩形波にはならず、ノコギリ波になる。これは電流I1を一次コイルC1に流そうとしても直ぐには流れないコイル特有の過渡特性が原因である。トランス5は電磁誘導により変圧(電圧変換)を実行するため、この過渡特性を利用している。つまり電流I1が飽和する前にスイッチングを行なうことで、過渡特性の特に電流I1がリニアに増加する初期の範囲のみが変圧に使用される。このように、インバータ3は、複数の一次コイルに流れた電流が飽和する時間より短い時間で一次コイルC1に流れる電流の向きを反転するように交流電圧を生成する。
コイルの過渡特性により、期間t14〜t15、t18〜t19で一次コイルC1に流れる電流I1は、ほぼ一定の割合で増加または減少している。一次コイルC1によって発生する磁束も電流I1に比例して変化するため、二次コイルC2に流れる電流I2は点線で示すように±12Aの矩形波となる。
次に二次コイルC2の出力電圧V2を算出する。二次コイルの電圧V2は式3で表現される。
V2=(N2/N1)×V1・・・(式3)
N1は一次コイルC1の巻数である。N2は二次コイルC2の巻数である。V1は一次コイルC1に印加される電圧である。たとえば、第1の一次コイルC11の巻数と第2の一次コイルC12の巻数を共に5ターンとすると、並列接続での一次コイルC1の巻数N1も5ターンである。二次コイルC2の巻数N2を5ターンとし、V1を100Vとして式3に代入すると、V2は100Vと算出される。電流I2の絶対値は12Aであるため、式2から、負荷6に供給される電力は1200Wと算出される。
4−2.直列接続
温度制御回路11が直列接続を指示すると、切替制御回路9は下側の接点と極とが接続するようスイッチS1、S2の切片を切り替える。その結果、図4(B)が示すように、インバータ3に対して第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12が直列に接続される。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とを直列接続することで得られる合成インダクタンスLsは式4で表現される。
Ls=L11+L12 ・・・(式4)
第1の一次コイルC11のインダクタンスと第2の一次コイルC12のインダクタンスは共に10μHであるから、合成インダクタンスLsは20μHと算出される。L11=L12と仮定すると、並列接続時の合成インダクタンスの式3と直列接続時の合成インダクタンスの式4から、式5が得られる。
Ls=4Lp ・・・(式5)
式5は、直列接続時の合成インダクタンスLsが並列接続時の合成インダクタンスLpの4倍になることを示している。一方で、一次コイルC1に流れる電流I1は式6で表現される。
Figure 2015031806

式6は、インダクタンスLが4倍になれば、電流Iは1/4に減少することを示している。インバータ3が生成する交流電圧V1の値は、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12とが並列接続されているか、直列接続されているかには依存せず、同じ値である。よって一次コイルC1に流れる電流I1が1/4になれば負荷6に供給される電力も1/4になる。
図5(B)を用いて一次コイルC1と二次コイルC2に流れる電流の波形を説明する。直列接続時のデューティ比は並列接続時と同じ100%であるが、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12との接続形式を並列接続から直列接続に切り替えているため合成インダクタンスは4倍になっている。一次コイルC1の電流I1を比べると、並列接続では図5(A)が示すように電流I1は最大で±24Aとなるが、直列接続では図5(B)が示すように電流I1は最大で±6Aとなる。つまり、直列接続の電流I1は並列接続の電流I1の1/4に減少する。一次コイルC1に流れる電流I1の変化が少なくなると磁束の変化も少なくなるため、二次コイルの電流I2も少なくなる。よって、二次コイルC2に流れる電流I2は、並列接続では図5(A)が示すように±12Aであるが、直列接続では図5(B)が示すように±6Aである。このように直列接続では並列接続の1/2に電流I2が減少する。
電力を求めるために、二次コイルC2の出力電圧V2を算出する。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12は直列接続であるため、一次コイルC1の巻数N1は10ターンとなる。一次コイルC1の電圧V1は100Vであるため、それを式3に代入することで、二次コイルC2の電圧V2が50Vと求まる。電流I2は6Aであるからそれを式2に代入し、電力が300Wと求まる。このように接続切替方式を採用することで、負荷6に供給される電力を大電力(例:1200W)から小電力(例:300W)へ簡単に切り替えることができる。また、4:1の比率で電力を大きく切り替えることができる。
5.PWM方式
次にPWM方式で電力を制御する方法について説明する。
5−1.デューティ比が100%の場合
図5(A)はデューティ比が100%に設定されているときの電流波形を示している。これは接続切替方式の並列接続の場合と同じであるため、説明を省略する。
5−2.デューティ比が25%の場合
図5(C)はデューティ比が25%に設定されているときの電流波形を示している。コントローラ7がデューティ比を25%に設定すると、デューティ周期のうち25%の期間だけ電流が流れる。つまり、コントローラ7からデューティ比を25%に設定されるとPWM制御回路4は、図5(A)に示したオン期間t14〜t15、t18〜t19を25%の長さに調整する。本実施例では、FET Q3、Q4の位相を早めるフェーズシフト方法が用いられている。FET Q3、Q4の位相を早めることで、デッドタイム期間中である期間t16〜t17、t20〜t21が増加し、オン期間t14〜t15、t18〜t19、t22〜t23が減少する。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12は並列接続されたままであるから合成インダクタンスも変わらない。よって、オン期間に一次コイルC1に流れる電流I1は、デューティ比が100%のときの電流I1と同じ様に増減する。一次コイルC1の電流I1の変化が同じであるため、二次コイルC2に流れる電流I2の最大電流値もデューティ比が100%のときの電流I2と同じ12Aとなる。異なるのはデューティ比が25%のときのオン期間が、デューティ比が100%のときのオン期間の1/4しかないことである。そのため、図5(C)に点線で示すように電流I2は断続的となる。デューティ比が25%ではデューティ比が100%のときの1/4の時間しか電流が流れないため、負荷6に供給される電力も1/4となる。その結果、図5(C)では電力が300Wとなっている(デューティ比が100%のときは電力が1200W)。このようにPWM方式では電流I2を断続的に制御することで電力制御を行っている。
一般的な電源装置ではこの断続的な電流I2を平滑化回路で平滑化して安定した電力を供給するようにしている。しかし定着装置30に使用する発熱層61の応答性は発熱層61の温度を200℃上昇させるのに10秒程度かかるような非常に遅い応答性である。よって、発熱層61は200kHzのスイッチング周波数に対してはほとんど応答しない。よって、定着装置30では二次コイルC2と発熱層61は直接接続されており、平滑化は行なわれていない。
6.定着装置の電力制御
次に定着装置30において、電力供給装置31を用いてどの様に電力制御を行なうかを説明する。定着装置30ではトナー像をシートSに定着するときの加熱温度が、たとえば、140℃から200℃程度となる。定着装置30の目標温度は、トナーの成分や加熱時間などの条件やシートSの素材や厚み等により決定される。本実施例では一例として目標温度を200℃とする。この目標温度を維持するためには、300W程度の電力が必要となる。これは、シートSがニップ部に挟持されているときはシートSに熱が逃げるためである。シートSがニップ部に存在しないときでも、空気中に熱が逃げるため100W程度の電力が必要である。環境負荷や限りあるエネルギー資源の節約のためには、定着を行なわないときは定着装置30への電力供給が止められてもよい。
定着を開始するために定着フィルム41の発熱層61に300W程度の電力を供給しても、定着フィルム41を雰囲気温度から目標温度200℃に昇温させるためのウォーミングアップの時間は1分以上も必要となる。このウォーミングアップの時間を短縮するために、温度制御回路11は、さらに大きな1200W程度の大電力を発熱層61に供給して定着フィルム41の温度を上昇させてもよい。定着フィルム41の温度が目標温度200℃に到達したら、温度制御回路11は、発熱層61に供給される電力を300W以下に下げてもよい。
この時間経過に対する電力と温度の関係を示したのが図6のタイミングチャートである。実線は発熱層61に供給される電力を示し、破線は定着フィルム41の温度を示す。コントローラ7が定着装置30を起動する時刻t1までは、発熱層61に電力が供給されていない。よって、定着フィルム41の温度は周囲温度(本図では25℃)になっている。
時刻t1で定着装置30が起動されると、電力供給装置31は、ウォーミングアップとして、定着フィルム41の発熱層61に1200Wの電力を供給する。
時刻t2で定着フィルム41の温度が目標温度である200℃以上に到達すると、温度制御回路11は、発熱層61に供給する電力を300Wに低下させて、トナー画像の定着を開始する。定着処理中は定着フィルム41の温度が200℃に維持されるように、温度制御回路11は、発熱層61に供給する電力を100Wから300Wの範囲内で調整する。
時刻t3で温度制御回路11はコントローラ7から定着の停止を指示されると、発熱層61への電力の供給を停止する。温度センサー10によって測定された定着フィルム41の温度は、自然放熱により、周囲温度まで低下する。
本実施例の温度制御回路11は、ウォーミングアップ時に発熱層61に供給される電力(1200W)と定着時に発熱層61に供給される電力(300W)を接続切替方式で切り替え、定着時の温度制御をPWM方式で行なう。
このフローを示したのが図7のフローチャートである。なお、コントローラ7は、温度制御回路11に対して目標温度を200℃に予め設定するものと仮定する。コントローラ7は、スイッチング周期や4つのFET Q1〜Q4のタイミング、PWM制御のデューティ比(%値)に対するFET Q3、Q4のシフト量をPWM制御回路4に設定する。
6−1.ウォーミングアップ
S1で、温度制御回路11は、コントローラ7から起動される。たとえば、コントローラ7は画像データを受信するとウォーミングアップを開始するために不図示の電源装置から電力を供給して温度制御回路11を起動する。
S2で、温度制御回路11は、温度センサー10が検出した定着フィルム41の温度を読み取り、定着フィルム41の温度が目標温度未満かどうかを判定する。画像形成装置が起動された直後や長い期間にわたり省電力モードに遷移していたときは、定着フィルム41の温度は、雰囲気温度に一致しており、目標温度(200℃)未満である。このように、定着フィルム41の温度が目標温度未満であれば、S3に進む。一方で、直前まで定着を行なっていて定着フィルム41の温度が既に目標温度(200℃)以上であれば、ウォームアップを終了してS6に進む。
S3で、温度制御回路11は、切替制御回路9に対して“並列接続”を指示する信号を出力する。“並列接続”を示す信号を受け取った切替制御回路9は、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して並列接続されるようにスイッチS1、S2の状態を並列接続状態に切り替える。並列接続状態とは、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して並列接続されるようなスイッチS1、S2の動作状態をいう。並列接続時の合成インダクタンスは直列接続時の合成インダクタンスよりも小さくなり、より多くの電力が負荷6である発熱層61に供給される。
S4で、温度制御回路11は、PWM制御回路4に対して第1のデューティ比(100%)を示す信号を出力する。PWM制御回路4は、受信した信号にしたがって第1のデューティ比(100%)でスイッチング信号を生成し、FET Q1〜Q4のゲート(制御端子)に共振し、FET Q1〜Q4のスイッチングを行なう。インバータ3でのスイッチングと接続切替部8の“並列接続”により、1200Wの電力が定着フィルム41の発熱層61に供給されて、定着フィルム41のウォーミングアップが開始される。このように、温度制御回路11やPWM制御回路4は、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になるまではデューティ比を所定値(例:100%)に維持する。
S5で、温度制御回路11は、温度センサー10を用いて定着フィルム41の温度を検知し、検知温度が目標温度(200℃)以上になったかどうかを判定する。検知温度が目標温度(200℃)以上になると、ウォーミングアップを終了して、S6に進む。
6−2.定着処理
S6で、温度制御回路11は、切替制御回路9に対して“直列接続”を示す信号を出力し、コントローラ7に対して“ウォーミングアップ完了”を示す信号を出力する。“直列接続”を示す信号を受け取った切替制御回路9は第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して直列に接続されるようスイッチS1、S2の状態を直列接続状態に切り替える。直列接続状態とは、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して直列接続されるようなスイッチS1、S2の動作状態をいう。これにより、負荷6に供給される電力が1200Wから300Wに低下する。“ウォーミングアップ完了”を示す信号を受け取ったコントローラ7はプリントを開始する。このように、温度制御回路11や切替制御回路9は、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上でないときは複数の一次コイルを並列接続し、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になると複数の一次コイルを直列接続する。
S7で、温度制御回路11は、温度センサー10の検知温度が目標温度に維持されるようにPWM制御回路4を制御する。たとえば、温度制御回路11は、温度センサー10の検知温度が目標温度より高ければデューティ比を減少させ、目標温度より低くければデューティ比を増加する。温度制御回路11は、検知温度と目標温度とが等しければデューティ比を変更しない。最初はシートSがニップ部にないため、温度制御回路11は、発熱層61に供給される電力が100Wとなるようにデューティ比を33%に設定する。シートSがニップ部を通過すると、定着フィルム41の熱がシートSに伝搬する。よって、温度制御回路11は、発熱層61に供給される電力が300Wになるようにデューティ比を100%に増加する。検知温度が目標温度に到達すると、温度制御回路11は、デューティ比をより小さなレベルずつ変更することで細かく電力を制御し、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する。シートSがニップ部から排紙されると、定着フィルム41の熱が空気にしか逃げないため、定着フィルム41の温度が上昇する。よって、温度制御回路11は、デューティ比を33%に下げ、その後は細かく電力を制御し、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する。このように、温度制御回路11やPWM制御回路4は、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になるとデューティ比を所定値以下の範囲で可変制御して、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する。
S8で、温度制御回路11は、コントローラ7から定着の停止を指示されたかどうかを判定する。定着の停止を指示されていなければ、S7に戻り、温度制御回路11は、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する。定着の停止を指示されると、S9に進む。
S9で、温度制御回路11は、PWM制御回路4に対してデューティ比を0%に設定するための信号を出力する。PWM制御回路4は、この信号にしたがいデューティ比を0%に変更する。PWM制御回路4は、負荷6に電力が供給されないようなスイッチング信号を生成し、4つのFET Q1〜Q4のスイッチングを行なう。これにより、発熱層61で消費される電力がゼロになる。なお、一次コイルC1に電流が流れないようなスイッチングを行なう替わりに、PWM制御回路4は、スイッチング自体を停止してもよい。温度制御回路11は、コントローラ7によって電源装置からの電力の供給を遮断され、停止する。
7.FETの電力損失
スイッチングにおいて、デッドタイムであるオフ期間では一次コイルC1に電流が流れない。しかし、図5(C)の一次コイルC1に流れる電流I1の波形を見ると、デッドタイムである期間t15〜t18、t19〜t22に±3A程度の電流が流れている。この電流は、トランス5の二次側に負荷が接続されていないときでも流れる、トランス特有の励磁電流である。期間t15〜t17ではFET Q1、Q3がオンになっているため、図3に示した回路においてC11/C12−Q3−Q1−C11/C12の順に電流がループ状に流れる。同様に期間t18〜t20ではFET Q2、Q4がオンになっているため、図3に示した回路においてC11/C12−Q2−Q4−C11/C12の順に電流がループ状に流れる。FETは半導体素子であるため、数mΩ以上のオン抵抗値を持っている。よって一次コイルC1に電流I1が流れればFETで電力が消費される。
ここで定着時においてデッドタイム期間中にFETで消費される電力(電力損失)を算出する。本実施例の切替制御回路9にて一次コイルC1の接続形式を直列接続に切り替えて、負荷6に供給される電力を300WにしたときのFETでの電力損失を算出する。一次コイルC1に流れる電流I1と二次コイルC2に流れる電流I2は図5(B)に示した通りである。
スイッチング周波数を200kHzとすると、インバータ3は2.5μSec毎にスイッチングを実行する。デッドタイムを400nSecとすると、スイッチング周期に対するデッドタイムの期間の割合は16%となる。FETのオン抵抗値を50mΩと仮定する。デッドタイムの期間中の励磁電流は、図5(B)に示したt15〜t18のデッドタイム期間において約3A程度である。電力損失Pは式7で算出できる。
P=I×I×R・・・(式7)
IはFETに流れる電流であり、RはFETのオン抵抗である。電流Iを3Aとし、抵抗Rを50mΩとして式7に代入することにより、電力損失Pは0.45Wとなることがわかる。この電力損失Pは連続して3Aの電流が流れたときの値であるから、デッドタイム期間中の電力損失Pは0.45Wの16%である0.07Wとなる。0.07Wは1つのFETあたりで消費される電力である。デッドタイム期間中に流れるループ状の電流は2つのFETを直列に流れるから、2つのFETで消費される電力は、0.14Wとなる。この0.14Wが接続切替方式で負荷6へ供給される電力を300Wに設定した場合にデッドタイム期間中に消費される電力である。
比較のため、定着時の電力を接続切替方式の代わりにPWM方式を用いてデューティ比を25%にして300Wに下げたときの電力を算出する。図5(C)は、一次コイルC1に流れる電流I1と二次コイルC2に流れる電流I2を示している。
デューティ比が100%のときのデッドタイムは400nSecであるから、オン期間(図5(A)のt14〜t15)は2.1μSecである。デューティ比が25%の時のオン期間(図5(C)に示したt14〜t15)は2.1μSecの25%である0.52μSecとなる。よってデューティ比が25%のときのデッドタイム(図5(C)に示したt15〜t18)は2.5μSecから0.52μSecを差し引いた1.98μSecとなる。1.98μSecはスイッチングの1周期である期間t14〜t18に対して79%に相当する。
デッドタイム期間中の励磁電流は、図5(C)に示した例では0.45Wである。これは連続して電流を流したときの電力であるから、0.45Wの79%である0.36Wがデッドタイム期間中に1つのFETあたりで消費される電力となる。よって、直列に接続された2つのFETで消費される電力は0.71Wである。この0.71Wが、PWM方式で300Wの電力を負荷6に供給する場合にデッドタイム期間中に消費される電力である。このようにPWM方式では0.71Wの電力がFETで損失する。
以上のように負荷6に供給する電力を300Wにした場合、デッドタイム期間中に励磁電流によってFETで損失していた電力は、接続切替方式では0.14Wであり、PWM方式では0.71Wである。よって、本実施例の接続切替方式はPWM方式よりもFETでの電力損失を1/4以下に削減できる。つまり電力の伝送効率が良い。
8.並列接続時にFETで消費される電力
並列接続形式の一次コイルC1には図5(A)に示したように電流I1が流れる。電流I1の平均値は14.1Aである。FETのオン抵抗を50mΩとすると電力は、式7より、9.9Wとなる。この電流は直列に接続された2つのFETに流れる。2つのFETで消費される電力は、19.9Wである。このときに負荷6に供給される電力は1200Wであるため、1.6%がFETで損失されることがわかる。図5(A)においてFETの損失の他にコイルの損失も考慮すると、電力伝送効率は98.1%である。
9.直列接続時にFETで消費される電力
直列接続形式の一次コイルC1には図5(B)に示したような電流I1が流れる。電流I1の平均値は3.5Aである。FETのオン抵抗を50mΩとすると電力は式7より0.61Wと算出される。電流I1は直列に接続された2つのFETに流れるため、1.2Wが2つのFETで消費される。このときに負荷6に供給される電力は300Wであるため、全体の0.4%がFETで損失する。図5(B)の例では電力伝送効率は99.5%である。このように、直列接続と比較して並列接続で電力伝送効率が1.4%も向上した主な理由は、FETでの損失が1.6%から0.4%に低減したことである。
10.デューティ比が25%のときに消費される電力
比較のため、並列接続形式でかつPWM方式の場合にデューティ比が25%にして300Wにした時も同様に算出する。デューティ比が25%に設定されているときの一次コイルC1には図5(C)に示したような電流I1が流れる。電流I1の平均値は6.7Aである。FETのオン抵抗を50mΩとすると電力は式7より2.2Wと算出される。直列に接続された2つのFETで消費される電力は4.5Wである。このときに負荷6に供給されている電力は300Wであるため、その1.5%がFETで損失される。図5(C)に示した例では電力伝送効率が98.3%である。上述したようにデューティ比が100%である並列接続形式では電力伝送効率が98.1%であったから、並列接続形式ではデューティ比が変わっても電力伝送効率はほとんど変わらない。よってPWM方式では直列接続形式のような電力伝送効率の向上は期待できない。
11.温度制御の精度
温度制御回路11は、定着処理時においてPWM方式を採用する。このとき、デューティ比は100%に設定され、負荷6には300Wの電力が供給される。このとき、温度制御回路11が電力をどのくらい細かく制御できるかを説明する。
図3に示したPWM制御回路4はデジタル回路を用いて4つのFET Q1〜Q4に対するスイッチング信号(駆動信号/ゲート信号)を生成している。PWM制御回路4のデジタル回路はクロックを基準にしてタイミング信号を生成する。よって、生成されるスイッチング信号は、素子遅延などのアナログ的な手法を用いない限り、クロック周期単位で生成される。たとえば、クロックの周波数が50MHzの場合、クロックの周期は20nSecである。よってPWM制御回路4が生成するスイッチング信号も20nSec単位で生成される。
スイッチング周波数が200kHzで、デューティ比が100%の場合のデッドタイムを400nSecと仮定する。デューティ比を100%に設定したときのオン期間は2.1μSecとなる。2.1μSecをクロック周期20nSecで除算すると、オン期間中のクロック数として“105”が得られる。デューティ比に対して電力がリニアな関係にあると仮定すると、デューティ比が100%ときの電力の1/105単位(ステップ)ずつで、電力制御が行なわれる。
●デューティ比が100%のときに負荷6に供給される電力が1200Wの場合、電力制御の制御ステップは11.43Wとなる(1200W/105=11.43W)
●デューティ比が100%のときに負荷6に供給される電力が300Wの場合、制御ステップは2.86Wとなる(300W/105=2.86W)
切替制御回路9は、定着処理時において一次コイルC1の接続形式を直列接続に切り替えている。また、デューティ比が100%のときの電力は300Wであるから、2.86W単位でPWM制御が行なわれる。よって制御ステップは300Wに対して0.95%単位となる。
比較のため、PWM方式でデューティ比を25%にし、負荷6に供給される電力を300Wに設定した場合、制御ステップ(W)は11.43W単位となる。これは、デューティ比を100%とし、電力を1200Wとして求めた制御ステップと同じである。よって300Wに対する制御ステップ(%)は3.8%単位となる。
このように定着処理時において、まず接続切替方式で1200Wから300Wに変更してから、接続切替方式からPWM方式に変更して温度制御を行なう。これにより、PWM方式のみで電力を1200Wから300Wに下げてから温度制御を行なうよりも、4倍細かく電力制御が行なえるようになる。よって温度制御の精度も向上する。
なお、本実施例のステップS5で使用される閾値温度を目標温度として説明したが、目標温度とは異なる温度にしてもよい。また、ステップS4で温度制御回路11がPWM制御回路4に出力するPWM信号のデューティ比を100%として説明したが、デューティ比は100%でなくてもよい。このときのデューティ比は負荷6に応じて変更されてもよいし、目標温度に応じて適宜変更されてもよい。
本実施例によれば、切替制御回路9は、負荷6に第1の電力を供給するときは第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を並列接続し、負荷6に第1の電力よりも小さな第2の電力を供給するときは第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を直列接続する。これにより、インバータ3、PWM制御回路4および温度制御回路11は、負荷6に第2の電力を供給するときは、一次コイルに電流を流す期間を可変制御する。これにより、一次コイルC1から二次コイルC2への電力の伝送効率が向上する。また、より細かい制御ステップ(電力レベル)で電力を制御できるため、電力の制御精度が向上しよう。第1の電力は、たとえば、定着フィルム41の温度を雰囲気温度から目標温度へ立ち上げるウォームアップ(立ち上げ)期間の電力である。第2の電力は、たとえば、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する維持期間の電力である。
インバータ3は、たとえば、4つのトランジスタを有するフルブリッジ回路と、4つのトランジスタをスイッチングする駆動信号を生成し、交流電圧のデューティ比を制御するPWM制御回路4とで構成されてもよい。フルブリッジ回路に代えてハーフブリッジ回路など他の回路によってインバータ3が実現されてもよい。負荷6は、発熱層61などの発熱抵抗体であるが、他の負荷であってもよい。たとえば、2つの電力が切り替えて供給されるような負荷であれば、本発明を適用できる。
S5について説明したように、切替制御回路9は、温度センサー10により検知された温度に応じて第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を直列接続または並列接続に切り替えてもよい。定着フィルム41の温度のように目標温度に対して短時間で到達し、その後は目標温度に維持されるような温度制御に関しては、本発明の複数の一次コイルの接続形式の切り替えは有利であろう。なぜなら、定着フィルム41の温度のように目標温度に対して短時間で到達するには発熱層61にできる限り大電力を供給することが有利である。一方で、定着フィルム41の温度が目標温度に達した後は、より細かく電力を制御できることが有利である。とりわけ、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12との並列接続は大電力の供給に有利であり、第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12との直列接続は小電力の供給に有利である。よって、切替制御回路9は、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上でないときは第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を並列接続し、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になると第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を直列接続してもよい。
また、温度制御回路11およびPWM制御回路4は、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になるまではデューティ比を所定値に維持し、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になるとデューティ比を所定値以下の範囲で可変制御して、定着フィルム41の温度を目標温度に維持してもよい。とりわけ、温度センサー10により検知された温度が目標温度以上になるとデューティ比を所定値以下の範囲で可変制御することで、より細かい制御ステップで温度を制御できるため、精度よく目標温度を維持できるようになる。
本実施例の電力供給装置31を画像形成装置の定着装置30に適用することで、電力伝送効率が向上するため、画像形成装置の省電力化を達成しやすくなる。電力伝送効率が向上することで、インバータ3に使用されるFETの発熱が低減する。これは、FETなどに取り付けられるヒートシンクをより小型化できることを意味する。よって、電力供給装置31の小型化を達成しやすくなる。同様に、放熱のためのファンの個数を削減したり、ファンの回転数を低減したりしてもよい。その結果、さらに騒音低減の効果も得られる。また、1次コイルの接続切替を採用しない、従来のPWM方式と比較して、目標温度の精度が向上するため、定着性能が向上し、定着ムラが減少するだろう。
<実施例2>
実施例1ではウォーミングアップから定着処理の切り替えトリガーとして定着フィルム41の温度を採用した例について説明したが、本実施例では時間をトリガーとして採用する例について説明する。図8は本実施例の電力供給装置31の概要を示す図である。実施例1では温度制御回路11が切替制御回路9へ切替信号を出力していたが、本実施例ではコントローラ7から切り替え信号が出力される。なお、実施例1、2とも温度制御回路11はコントローラ7に内蔵されていてもよい。
図9は本実施例を示すフローチャートである。図9において図7と共通するステップについては簡潔に説明する。コントローラ7は温度制御回路11に対して目標温度を200℃に予め設定するものとする。同様にコントローラ7はPWM制御回路4に対してスイッチング周期や4つのFET Q1〜Q4のオン/オフタイミング、PWM制御のデューティ比に対するFET Q3、Q4のシフト量を予め設定する。
12.ウォーミングアップ
S21で、コントローラ7は、ウォーミングアップを開始するために切替制御回路9に対して並列接続を示す信号を出力する。切替制御回路9は、並列接続を示す信号を受信すると、第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して並列接続されるようにスイッチS1、S2の状態を並列接続状態に切り替える。
S22で、コントローラ7は不図示の電源装置から電力を供給して温度制御回路11を起動する。S23で、温度制御回路11は、PWM制御回路4に対して第1のデューティ比(100%)を示す信号を出力する。第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12が並列に接続され、デューティ比が100%に設定され、その結果、1200Wの電力が負荷6である発熱層61に供給される。温度制御回路11は、温度センサー10が検出した定着フィルム41の温度を読み取り、定着フィルム41の温度が目標温度未満かどうかを判定してもよい。定着フィルム41の温度が目標温度以上になると、温度制御回路11は、発熱層61に供給する電力を削減してもよい。
S24で、温度制御回路11は、所定の時間が経過したかどうかを判定する。つまり、温度制御回路11は、所定の時間が経過するまでS23の温度制御を繰り返す。このように温度制御回路11は、所定の時間が経過したかどうかを判定する判定手段として機能する。なお、温度制御回路11は、デューティを100%に設定し、発熱を開始するときにタイマーをセットすることで、所定の時間の計時を開始する。タイマーのカウント値が所定時間に達すると、S25に進む。所定時間は、1200Wの電力を供給することで定着フィルム41が雰囲気温度から目標温度に達するのに要する時間であり、予め設定される。たとえば、所定の時間は、発熱層61の発熱量や、発熱層61に接する部材の熱容量などから計算して定義されてもよいし、事前に実測した温度から定義されてもよい。また所定時間は、温度上昇速度がばらついても目標温度の200℃を超えないように、決定されてもよい。それにもかかわらず、雰囲気温度が高かったり、定着フィルム41の温度が設計上の想定温度よりも高かったりすると、ウォーミングアップ中に定着フィルム41の温度が目標温度に達することもあろう。本実施例では、S23で温度制御回路11が温度制御を行うことで、定着フィルム41の温度は目標温度を超えないように制御される。
13.定着処理
S25で、コントローラ7は、定着処理を含むプリント処理を開始するため、切替制御回路9に対して“直列接続”を指示する信号を出力する。“直列接続”を示す信号を受信した切替制御回路9は第1の一次コイルC11と第2の一次コイルC12がインバータ3に対して直列に接続されるようスイッチS1、S2の状態を直列接続状態に切り替える。これにより、発熱層61に供給される電力は当初の1200Wの1/4である300Wに低下する。
S26で、温度制御回路11は、継続して温度センサー10の検知温度が目標温度に維持されるようにPWM制御回路4に対してPWM制御(デューティ比の可変制御)を行なう。S27で、温度制御回路11は、コントローラ7から定着の停止を指示されたかどうかを判定する。定着の停止を指示されていなければ、S26に戻り、温度制御回路11は、定着フィルム41の温度を目標温度に維持する。定着の停止を指示されると、S28に進む。
S28で、温度制御回路11は、定着の停止の指示を受けるとPWM制御回路4に対してデューティ比を0%に設定する信号を出力する。PWM制御回路4は、この信号に従いデューティ比を0%に変更する。温度制御回路11は、コントローラ7によって電源装置からの電力の供給を遮断され、停止する。
本実施例の切替制御回路9は、所定の時間が経過していなければ第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を並列接続し、所定の時間が経過すると第1の一次コイルC11および第2の一次コイルC12を直列接続することで、実施例1と同様の効果を得ている。また、本実施例では、定着フィルム41の温度が目標温度に到達する前に発熱層61への供給電力を大幅に低減することで、定着フィルム41の温度のオーバーシュート量が小さくなり、温度制御の収束時間が短くなる。よって実施例1より早く定着を開始できるであろう。

Claims (13)

  1. 交流電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記交流電圧が印加される複数の一次コイルと、負荷に接続される二次コイルとを有する変圧手段と、
    前記複数の一次コイルを前記交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段と、を有し、
    前記切替手段は、前記負荷に第1の電力を供給するときは前記複数の一次コイルを並列接続し、前記負荷に前記第1の電力よりも小さな第2の電力を供給するときは前記複数の一次コイルを直列接続し、
    前記電圧生成手段は、前記負荷に前記第2の電力を供給するときは、前記一次コイルに電流を流す期間を可変制御することを特徴とする電力供給装置。
  2. 前記電圧生成手段は、
    4つのトランジスタを有するフルブリッジ回路と、
    前記4つのトランジスタをスイッチングする駆動信号を生成し、前記交流電圧のデューティ比を制御する制御回路と
    を有するインバータ回路であることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
  3. 前記負荷は、発熱抵抗体であることを特徴とする請求項1または2に記載の電力供給装置。
  4. 前記負荷の温度を検知する温度検知手段をさらに有し、
    前記切替手段は、前記温度検知手段により検知された温度に応じて前記複数の一次コイルを並列接続に切り替えて前記負荷に前記第1の電力を供給するか、または並列接続に切り替えて前記負荷に前記第2の電力を供給することを特徴とする請求項3に記載の電力供給装置。
  5. 前記切替手段は、前記温度検知手段により検知された温度を目標温度に立ち上げるときは前記複数の一次コイルを並列接続し、前記温度検知手段により検知された温度が前記目標温度に立ち上がった後は前記複数の一次コイルを直列接続することを特徴とする請求項4に記載の電力供給装置。
  6. 前記制御回路は、前記温度検知手段により検知された温度を前記目標温度に立ち上げるときは前記デューティ比を所定値に維持し、前記温度検知手段により検知された温度が前記目標温度に立ち上がった後は前記デューティ比を前記所定値以下の範囲で可変制御して、前記発熱抵抗体の温度を前記目標温度に維持することを特徴とする請求項5に記載の電力供給装置。
  7. 所定の時間が経過したかどうかを判定する判定手段をさらに有し、
    前記切替手段は、前記所定の時間が経過していなければ前記複数の一次コイルを並列接続して前記負荷に前記第1の電力を供給し、前記所定の時間が経過すると前記複数の一次コイルを直列接続して前記負荷に前記第2の電力を供給することを特徴とする請求項4に記載の電力供給装置。
  8. 前記電圧生成手段は、前記複数の一次コイルに流れた電流が飽和する時間より短い時間で前記一次コイルに流れる電流の向きを反転するように前記交流電圧を生成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  9. 前記複数の一次コイルと前記二次コイルとの間に空隙が存在するよう前記複数の一次コイルと前記二次コイルとが配置され、
    前記複数の一次コイルは固定設置され、前記二次コイルは前記負荷と一体に回転することを特徴の請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  10. 前記電力供給装置は、画像形成装置の定着装置へ電力を供給する装置であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電力供給装置。
  11. 発熱層を有する筒形状の定着フィルムと、
    前記定着フィルムとともに回転し、前記発熱層に接続された受電コイルと、
    前記受電コイルに誘導電流を流すための磁束を発生する複数の送電コイルと、
    前記複数の送電コイルに印加される交流電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記複数の送電コイルを前記交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段と
    を有することを特徴とする定着装置。
  12. トナー画像をシート上に形成する画像形成手段と、
    前記トナー画像を前記シート上に定着させる定着手段と、
    前記定着手段の発熱層に接続された受電コイルと、
    前記受電コイルに誘導電流を流すための磁束を発生する複数の送電コイルと、
    前記複数の送電コイルに印加される交流電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記複数の送電コイルを前記交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 交流電圧を生成する電圧生成手段と、
    前記交流電圧が印加される複数の一次コイルと、負荷に接続される二次コイルとを有する変圧手段と、
    前記複数の一次コイルを前記交流電圧に対して直列に接続するか並列に接続するかを切り替える切替手段と
    を有することを特徴とする電力供給装置。
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