JP2015031340A - ベルト式クラッチ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動モータが動力切り状態のまま電気的なトラブルによって作動しない場合でも、アウタ受け部材をクラッチ入り側に操作移動させるだけの簡単な操作によって、所期作業を速やかに行なうことができるベルト式クラッチ機構を提供する。
【解決手段】機体側に電動モータ37を備えるクラッチ操作装置31aを位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置31a側で前記アウタワイヤ42bの一端を取付支持するアウタ受け部材52を移動自在に設け、該アウタワイヤ42bを電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ42bの両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤ42aを介しテンションクラッチ35を動力入り作動自在に構成する。
【選択図】図5
【解決手段】機体側に電動モータ37を備えるクラッチ操作装置31aを位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置31a側で前記アウタワイヤ42bの一端を取付支持するアウタ受け部材52を移動自在に設け、該アウタワイヤ42bを電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ42bの両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤ42aを介しテンションクラッチ35を動力入り作動自在に構成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、テンションクラッチにより動力を入り切りするベルト式クラッチ機構に関する。
従来、駆動プーリと従動プーリに巻き掛けたVベルトを、クラッチ操作装置の電動モータを正逆回転させることにより、操作ワイヤを介してテンションクラッチを回動させて動力入り切りするベルト式クラッチ機構は既に公知である(例えば、特許文献1。)。
上記ベルト式クラッチ機構は、コンバインに搭載されるグレンタンクの前側壁に設置するクラッチ操作装置の電動モータをスイッチ操作によって正逆回転させることにより、操作ワイヤのインナワイヤを介してテンションクラッチを上下回動させて動力を入り切りし、グレンタンク内の穀粒排出螺旋軸を回転及び停止し穀粒排出作業を行なう。また上記操作ワイヤは、インナワイヤを内装するアウタワイヤの下端を前側壁の下部ワイヤ受け部に取付け支持し、且つ上端のワイヤ調節部をクラッチ操作装置のベース板の下端に形成されるワイヤ取付片(アウタ受け部材)に取付支持している。
上記ベルト式クラッチ機構は、コンバインに搭載されるグレンタンクの前側壁に設置するクラッチ操作装置の電動モータをスイッチ操作によって正逆回転させることにより、操作ワイヤのインナワイヤを介してテンションクラッチを上下回動させて動力を入り切りし、グレンタンク内の穀粒排出螺旋軸を回転及び停止し穀粒排出作業を行なう。また上記操作ワイヤは、インナワイヤを内装するアウタワイヤの下端を前側壁の下部ワイヤ受け部に取付け支持し、且つ上端のワイヤ調節部をクラッチ操作装置のベース板の下端に形成されるワイヤ取付片(アウタ受け部材)に取付支持している。
上記特許文献1で示されるベルト式クラッチ機構を備えるコンバインは、電気的なスイッチ操作によって電動モータを正逆回転させて、コンバイン作業中に幾度となく行なわれる穀粒の排出作業を能率よく一連に行うことができる。然しながら、例えば動力切り状態で長時間保管されてる間やコンバイン作業中に、電動モータの不慮の故障や操作スイッチ並びに配線類の劣化等の電気的なトラブルを生じているにも関わらず、これを看過してコンバイン作業が行われてグレンタンクに穀粒が貯留される場合に、スイッチ操作をしても電動モータが駆動されないため、グレンタンク内の穀粒を機外排出することができない欠点がある。このため、電気的な修理並びに部品交換等のトラブル解消に要する時間が長い場合には、グレンタンク内で穀粒の腐敗や劣化を生ずると共に、コンバイン作業も中断される等の問題を生ずることになる。
そこで、作業者がベルト伝動装置側から操作ワイヤのインナワイヤを直接的に引張ってテンションクラッチを人為的に動力入り状態にすることが試みられるが、この場合には狭い隙間での煩雑な作業を要すると共に、作業時に回転するベルトとの接触を懸念しなければならない等の課題を生ずる。
そこで、作業者がベルト伝動装置側から操作ワイヤのインナワイヤを直接的に引張ってテンションクラッチを人為的に動力入り状態にすることが試みられるが、この場合には狭い隙間での煩雑な作業を要すると共に、作業時に回転するベルトとの接触を懸念しなければならない等の課題を生ずる。
本発明は係る課題を解決するために、駆動プーリ28と従動プーリ33とに巻き掛けたベルト34を、操作ワイヤ42を介して緊緩するテンションクラッチ35を備えるベルト伝動装置31と、機体側に両端を取付支持した操作ワイヤ42のアウタワイヤ42bに内装されるインナワイヤ42aを、スイッチ操作に基づく電動モータ37の駆動によって緊緩操作することにより、前記テンションクラッチ35を回動させてベルト伝動装置31の動力を入り切りするクラッチ操作装置31aとからなるベルト式クラッチ機構において、
前記機体側に電動モータ37を備えるクラッチ操作装置31aを位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置31a側で前記アウタワイヤ42bの一端を取付支持するアウタ受け部材52を移動自在に設け、該アウタワイヤ42bを電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ42bの両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤ42aを介しテンションクラッチ35を動力入り作動自在に構成することを特徴としている。
前記機体側に電動モータ37を備えるクラッチ操作装置31aを位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置31a側で前記アウタワイヤ42bの一端を取付支持するアウタ受け部材52を移動自在に設け、該アウタワイヤ42bを電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ42bの両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤ42aを介しテンションクラッチ35を動力入り作動自在に構成することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、機体側に電動モータを備えるクラッチ操作装置を位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置側で前記アウタワイヤの一端を取付支持するアウタ受け部材を移動自在に設け、該アウタワイヤを電動モータにより動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤの両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤを介しテンションクラッチを動力入り作動自在に構成することにより、クラッチ操作装置の電動モータが動力切り状態のまま電気的なトラブルによって作動しない場合でも、アウタ受け部材をクラッチ入り側に操作移動させるだけの簡単な操作によって、ベルト伝動装置を即時的にクラッチ入り状態にして穀粒排出作業等の所期作業を速やかに行なうことができる。またクラッチ操作装置に対する電気的なトラブルの対応手段を、インナワイヤを取付ける一方のアウタ受け部材を手動によってクラッチ入り作動させるだけの簡単な構成によって安価に設置することができる等の特徴がある。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1,図2において符号1は本発明に係わるベルト式クラッチ機構2を備えたコンバインであり、クローラー式の走行装置3を備えた走行機台4に、従来のものと同様に前処理部5と脱穀部6等の作業部を前後方向に配置し、前処理部5の後方で脱穀部6の右側に運転部7とグレンタンク8を配置している。また運転部7の運転座席9を支持するエンジンカバー10内にエンジン(図示せず)を搭載している。
上記構成からなるコンバイン1は、前処理部5で刈り取った穀稈を扱深搬送部11等を介して脱穀部6のフィードチェン12に扱深調整可能に継送し、脱穀部6によって脱穀選別された穀粒をグレンタンク8に収容する。またグレンタンク8に収容された穀粒は穀粒排出オーガ13を操作することにより機外に排出して一連のコンバイン作業を行うことができる。
このコンバイン1の運転部7は、運転部フロア15の前側で横方向に立設される前部運転パネル部16と、該前部運転パネル部16に連なり運転部フロア15及び運転座席9の左側で前後方向に立設される側部運転パネル部17を平面視でL字状に構成し、運転座席9の後方にグレンタンク8及び穀粒排出オーガー13を操作する穀粒操作部19を配置している。
上記グレンタンク8は、貯留する穀粒をグレンタンク8の後面下端部に固設した図示しない固定パイプと、この固定パイプに接続して立設した縦パイプ21と、該縦パイプ21の上端に一体旋回可能に接続すると共に、起伏動作可能な穀粒排出オーガ13を経由して機外に排出するようにしている。
上記グレンタンク8は、貯留する穀粒をグレンタンク8の後面下端部に固設した図示しない固定パイプと、この固定パイプに接続して立設した縦パイプ21と、該縦パイプ21の上端に一体旋回可能に接続すると共に、起伏動作可能な穀粒排出オーガ13を経由して機外に排出するようにしている。
またエンジン動力は、その出力軸23に設けた駆動スプロケット24からチェン25を介してカウンタケース26の従動スプロケット27に伝達され、次いで図3に示すように、カウンタケース26の出力プーリ28を駆動プーリとするベルト伝動装置31、即ちグレンタンク底部の穀粒排出螺旋軸32の軸端に固設した従動プーリ33と、前記両プーリ28,33に巻き掛けたVベルト34と、該Vベルト34を緊緩するテンションクラッチ35等を備えるベルト伝動装置31を介して穀粒排出オーガ13へ伝達するようにしている。尚、上記カウンタケース26へのエンジン動力の伝動は、図9,図10で後述するチェン伝動機構70によって行うようにしている。
上記テンションクラッチ35によるVベルト34の緊緩は、前記穀粒操作部19に設置される穀粒排出スイッチ36を入り切りするスイッチ操作によって電気的に行うことができる。即ち、穀粒排出スイッチ36を入り切り操作することによって、図3〜図5で示すグレンタンク8の前面上部に設置される減速機付の電動モータ37を正逆回転駆動をさせる。また上記駆動に基づき、電動モータ37の出力ギヤ37aに歯合して回動するアーム軸38aに設けたギヤアーム38、このギヤアーム38の先端に突設される連結軸38bに軸支連結する円弧状リンク39、該円弧状リンク39の他端に設ける取付孔又は連結軸等の連結部39aに連結する引張スプリング41、及び操作ワイヤ42のインナワイヤ42aを介して、伝動クラッチ機構としてのベルトテンションクラッチ機構の一実施形態である、テンションクラッチ35を上下回動操作して動力入り切りをするように構成している。
上記テンションクラッチ35は、グレンタンク8の下部に設けた前側板43に、基端部を上下回動自在に軸支するクラッチアーム44と、その先端に遊転自在に軸支されるテンションプーリ45とからなる。そしてクラッチアーム44の中途部には、操作ワイヤ42のインナワイヤ42aを接続している。上記構成において前記電動モータ37及び円弧状リンク39並びに後述するアウタ受け部材52等からなるクラッチ操作装置(クラッチ作動ユニット)31aは、モータ取付プレート47に取付けると共に、該モータ取付プレート47はベース板48を介してグレンタンク8の前側壁8aに以下に記すような構成によって取付けている。
上記モータ取付プレート47は、平面視でコ字状に屈曲形成した取付ブラケット49,49・・にそれぞれボルト50を突設しており、ベース板48は上記ボルト50の対応位置にボルト孔51,51・・を縦向き長孔状となして穿設している。またモータ取付プレート47の板面上部には、前記ギヤアーム38の先端に突設される連結軸38bを挿入してアーム軸38aを中心として移動案内をする円弧状のガイド溝47aを穿設形成している。これにより円弧状のガイド溝47aは、図4,図5で実線で示すギヤアーム38の動力入り時の姿勢位置における連結軸38bに大きく掛かる負荷を分担支持すると共に、他方の溝端に至る動力切り時の姿勢位置に移動する連結軸38bに掛かる負荷を補助的に支持するようにしている。
そして、ベース板48の下方のグレンタンク8の前側壁8aには、本発明に係る操作ワイヤ42のアウタワイヤ42bを取付けるアウタ受け用のアウタ受け部材52を取付けている。このアウタ受け部材52は、前側壁8aに摺接自在に取付られる取付板部52aと、該取付板部52aの上辺から前方に向けて屈曲されるワイヤ支持部52bとからなり、側面視で逆L字状に一体形成している。このアウタ受け部材52の取付板部52aは、幅方向の左右に縦向き長孔状の取付孔(ボルト孔)51aを穿設しており、ワイヤ支持部52bは、操作ワイヤ42を取付けるワイヤ取付孔53を上記左右の取付孔51aの間に位置させて穿設していると共に、その一側にアウタ受操作部材54を取付ける操作部孔54aを穿設している。
上記構成によるクラッチ操作装置31aの取付けは図4で示すように、ベース板48をモータ取付プレート47のボルト50にボルト孔51を挿入した状態で、該ボルト50を前側壁8aのボルト孔55に挿入し、前側壁8aの内側に突出した頭部にグレンタンク8内からナット56を締着することにより取付け固定する。一方、アウタ受け部材52の取付けは、取付板部52aの各取付孔53に挿入した状態のボルト50aを、取付け位置に対向する前側壁8aのボルト孔55aに挿入した状態で、グレンタンク8内のナット56に締着することにより取付ける。
この際に、各ボルト50aはアウタ受け部材52を前後方向のガタツキを規制した状態で上下方向に移動自在とするように取付けており、且つボルト孔51aを介しアウタ受け部材52を上下方向にスライド移動する移動量は、実線で示す位置の通常作業姿勢に支持されている操作ワイヤ42が、アウタワイヤ42bの下方移動によってインナワイヤ42aを介して、テンションクラッチ35を動力切り位置から入り位置に切換えることができる、クラッチ入り作動量に設定している。
そして、上記のように取付けられるアウタ受け部材52には、取付板部52aに対し操作ワイヤ42とアウタ受操作部材54とが取付けられる。アウタ受け部材52の取付けは、アウタワイヤ42bの上端に形成されるワイヤ調節部57をワイヤ取付孔53に挿入した状態で、前記インナワイヤ42aが適正操作長さとなる位置で、上記ワイヤ調節部57の上下に螺挿される調節ナット58を締着して位置決め固定をすることによって取付ける。このときアウタワイヤ42bの下端は、前記前側板43に固定されるワイヤ取付部59によって予め位置決め固定されている。
これによりアウタ受け部材52は、操作ワイヤ42が通常作業姿勢に取付けられたワイヤ自体の剛性と伸長力に伴う上方付勢力によって、取付孔51aの溝下端をボルト50aに接当させた状態の通常作業姿勢に位置決め保持されるので、電動モータ37の駆動によるクラッチ入り切り作動を適正に行うことができる。尚、アウタ受け部材52とワイヤ取付部59とによって上下両端が支持される操作ワイヤ42は、図3に示すように、前側壁8aに取付けられる平面視コ字状の支持部材8bによって、アウタワイヤ42bの中途部を所定の融通間隔を有して嵌挿支持することにより、前後左右方向への大きな揺れを規制している。また必要により、前側壁8a側からスプリング8cによって、アウタワイヤ42bの中途適所を所定方向に引張り支持してもよい。
実施形態のアウタ受操作部材54は図5で示すように、丸棒状のストレートな本体部の下端にネジ部54aを形成していると共に、上部に屈曲形成した操作部54bを把持操作可能に設けている。これによりアウタ受操作部材54は、ネジ部54aを操作部孔54aを挿入した状態で上下に螺挿したナット54cの挟持締着により、操作方向に向けて姿勢保持して取付けることができる。
そして、アウタ受操作部材54は、作業者が必要により運転部7側から手を伸ばして操作部54bを下方に押動操作すると、アウタ受け部材52が操作ワイヤ42の伸長力に抗して下方に前記クラッチ入り作動量だけスライド移動させて、前記ワイヤ取付部59とアウタ受け部材52との距離を短くする結果、インナワイヤ42aが上方に向けて伸長(緊張)移動しテンションクラッチ35を動力入り状態に切換える。従って、このクラッチ操作装置31aは、後述するように電気なトラブル発生時や点検修理時等に利便性を有して使用することができる。
次に、図5を参照しクラッチ操作装置31aの使用態様について説明する。以上のように構成されるベルト式クラッチ機構2を備えるコンバイン1は、穀粒排出スイッチ36を操作すると電動モータ37が正転し、円弧状リンク39を上昇させて引張スプリング41を介しインナワイヤ42aを引き作動して緊張させ、テンションクラッチ35を上方回動させVベルト34を緊張させる。これによりベルト伝動装置31は伝動入り状態となり穀粒排出螺旋軸32及び穀粒排出オーガ13を回転させ、グレンタンク8内の穀粒を排出することができる。
また穀粒排出スイッチ36の再操作により電動モータ37を逆転させると、円弧状リンク39が下降しインナワイヤ42aを弛緩させるので、テンションクラッチ35は下方回動してVベルト34を緩めて伝動切り状態にする。これにより穀粒排出螺旋軸32及び穀粒排出オーガ13は回転停止しグレンタンク8内の穀粒排出を停止することができる。従って、コンバイン作業中に幾度となく行なわれる一連の穀粒の排出作業を、スイッチ操作によって電動モータ37を正逆回転させて能率よく楽に行うことができる。
一方、上記のような穀粒の排出作業を行うコンバイン1は、前記クラッチ操作装置31a側のアウタ受け部材52を、電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ42bを両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ変位移動させて、インナワイヤ42aを介しテンションクラッチ35を回動させて動力を入り操作自在に構成していることにより、電気的な要因によって電動モータ37がスイッチ操作しても正転しないでクラッチを入り作動できない場合に、アウタ受操作部材54を運転部7側から下方に向けて押動操作する。これにより図6に点線で示すように、アウタ受け部材52を前記クラッチ入り作動量だけ下方に移動させるので、インナワイヤ42aは引張スプリング41及び円弧状リンク39を介してクラッチ入り位置にしたときと同様に、テンションクラッチ35を上方回動させVベルト34を緊張させて伝動入り状態にするため、穀粒排出螺旋軸32及び穀粒排出オーガ13を回転させグレンタンク8内の穀粒を簡単に排出することができる。
以上のように本発明を備えるコンバイン1は、ベルト式クラッチ機構2のクラッチ操作装置31aが動力切り状態のまま電気的なトラブルによって作動しない場合でも、電気的な修理や部品交換等のトラブル解消の完了を一時的に保留したままで、アウタ受け部材52をクラッチ入り側に移動させるだけの簡単な操作によって、ベルト伝動装置31を即時的にクラッチ入り状態にして穀粒排出作業を行なうことができる。従って、グレンタンク8内の穀粒は、従来のものように電気的トラブル解消が完了される長時間にわたり貯留されることがないため、穀粒の腐敗や劣化を回避することができる。
また作業者が機体側から降りてベルト伝動装置31側の操作ワイヤ42を取外し分解しながら人為的にテンションクラッチ35を動力入り状態にする等の煩雑な作業を要することなく穀粒排出を容易にすることができる。また上記のような電気的なトラブルの対応を、運転部7に近い側で支持するアウタ受け部材52を、電動モータ37により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってクラッチ入り作動量だけ移動させる簡潔で安価な構成によって、テンションクラッチ35を確実に回動させて動力を入り状態することができる等の特徴がある。
次に、アウタ受け部材52の別実施形態について図6を参照し説明する。尚、前記実施形態のものと同様な構成及び作用については説明を省略する。このアウタ受け部材52は、取付板部52aを横長の帯状板となしており、その中途上辺にワイヤ支持部52bを一体的に形成し、右端側をグレンタンク8の前側壁8aから突設される支点軸60に軸支し、且つワイヤ支持部52bの下方に穿設した縦向き長孔状の取付孔51aにボルト50aを挿入して前側壁8aに取付けている。
またアウタ受け部材52は、取付板部52aの左端側を把持可能とする操作部54bを形成しており、該操作部54bを2点鎖線で示すように下向きに押動操作することにより、支点軸60を中心に前後方向のガタツキを規制した状態で前側壁8aに沿ってスライド移動して、アウタワイヤ42bの上端を押し下げて前記実施形態のものと同様にテンションクラッチ35を動力入り状態に切換えるようにしている。上記構成によるアウタ受け部材52は、取付板部52aをアウタ受操作部材として兼用することができるので、簡潔で安価なアウタ受操作部材構造にすることができると共に、支点軸60を支点とするテコ原理によって実線で示す通常作業状態から2点鎖線で示す手動による動力入り位置への姿勢切換えを確実にすることができる等の特徴がある。
また取付板部52aの左端側には、アウタ受け部材52の使用位置を位置決めする固定機構61を設置している。固定機構61は、取付板部52aに突設される突起61aと、該突起61を複数段階で係合係止させる係合部61bを有する係合部材61cとから構成される。これによりアウタ受け部材52は、固定機構61により実線で示す通常作業状態から2点鎖線で示す手動による動力入り位置に姿勢保持を択一的に行うことができる。また固定機構61は、係合部材61cに複数の係合部61bを設けているので、操作ワイヤ42の伸びに対応した適正位置での係合を容易にすることができる。
次に、図7,図8を参照し前記円弧状リンク39を人為的に操作することにより、動力切り状態にあるテンションクラッチ35を動力入り状態にするクラッチ操作装置31aの別実施形態について説明する。この図示例におけるクラッチ操作装置31aは、円弧状リンク39の一側に操作レバー65を重ねた状態で付設することにより、該操作レバー65を介してインナワイヤ42aを引張り作動してテンションクラッチ35を動力入り作動させるようにしている。即ち、この操作レバー65は、上記円弧状リンク39に重なる同形状のレバー本体部65aと、該レバー本体部65aの下部からモータ取付プレート47の外側に突出させて操作可能とする形状のレバー部65bとからなり、レバー本体部65aの上部をギヤアーム38の連結軸38bに挿入し、且つ下部を円弧状リンク39の下端で引張スプリング41を取付ける連結軸38aに挿入して取付けるようにしている。
これにより、クラッチ操作装置31aは図7で2点鎖線で示すように、円弧状リンク39上部の連結軸38bがガイド溝47aの下端に位置する動力切り位置にあるとき、操作レバー65をレバー部65bを把持して、上記連結軸38bをガイド溝47aの上端側にギヤアーム38を回動させながら移動させて動力入り位置に位置決め設置すると、インナワイヤ42aを引張ってテンションクラッチ35を動力入り状態にすることができる。従って、この場合にも電動モータ37の停止状態において、クラッチ操作装置31aを簡潔な構成の操作レバー65を人為的な操作によって穀粒排出作業を速やかに行うことができる。
従って、上記実施形態では、既存のクラッチ操作装置31aに対する操作レバー65を連結軸38bと連結軸38aに、後付け作業によっても簡単に付設することができる利点がある。一方、クラッチ操作装置31aに対し予め上記機能を設ける場合には、図8に2点鎖線で示すレバー部65bを円弧状リンク39に一体的に設けておくことにより、該レバー部65bを把持して同様な操作によって穀粒排出作業を速やかに行うことができるものである。
次に、エンジン動力を前記図3で示すカウンタケース26へ伝動するチェン伝動機構70について図9,図10を参照し説明する。このチェン伝動機構70は、駆動スプロケット24と従動スプロケット27に張設されるチェン70の緩み側にチェン張り機構71を設けた構成によって、従動スプロケット27側からカウンタケース26へ入力するようにしている。図9で示す上記チェン張り機構71は、板バネを湾曲形成してなる在来形状のチェン張体72を、機壁等のフレーム73に設けられるブラケット74に取付ピン75を介して回動自在に枢支すると共に、チェン張体72の先端をフレーム73に穿設された長孔状の取付孔73aにボルト76を介して取付けられる張りガイド体77のガイド面79に摺接自在に接当させる構成にしている。そして、実施形態のチェン伝動機構70は張りガイド体77を、上記取付孔73aによって所定の摺接ガイド角を維持しながら上下調節自在に設置している。
これによりチェン張り機構71は、チェン張体72によってチェン70を弾性力を有して上方に向けて押接し、駆動スプロケット24と従動スプロケット27との巻き掛け角を十分に保持した緊張状態でチェン張りを行い適正伝動を可能にする。このとき張りガイド体77は、チェン負荷の変化によって曲率を変えながら、その先端をガイド面79に摺接させて進退移動させる。また図示例の張りガイド体77は、ガイド面79をチェン回転方向下流側に向け下り傾斜角を有して設けているため、チェン張体72が強い力で押動される場合でも、その先端の移動摩擦力を上記下り傾斜角によって軽減して伸動移動を速やかにするので、チェン張り作動抵抗を大きくすることなくチェン張り作用をスムーズに行う。
またチェン張り機構71は上記の構造に限ることなく、図10に示すようにチェン張体72を支持するブラケット74と、チェン張体72を摺接案内をする張りガイド体77とを一体化させた構造にすると、チェン伝動機構70に対する着脱及び調整等をより行い易くすることができる。即ち、図示例のチェン張り機構71は、張りガイド体77をガイド面79を上方に向けて延長した状態で、ガイド面79の両側にガイド壁79aを立設することによりブラケット部80を形成し、且つ該ブラケット部80の下部に取付板部81を一体的に形成している。そして、ブラケット部80の後部にチェン張体72を嵌入した取付ピン75を軸支し、取付板部81の下部に前後方向の取付間隔を有してピン孔82と長孔状の調節孔83とを穿設している。
これによりチェン張り機構71は同図に2点鎖線で示すように、フレーム73に前後方向の取付間隔を有して突設されるピン85とネジ孔86に対し、着脱及び調節自在に取付けることができる。即ち、チェン張り機構71は、フレーム73のピン85にピン孔82を挿入した状態で、ネジ孔86に調節孔83を重ねてボルト87を挿入し締着することにより、ガイド面79を所定の下り傾斜角を有するように調節して位置決め固定することができる。これによりチェン張体72は、前記実施形態のものと同様にガイド面79に沿って進退移動をスムーズにすることができる。またチェン張り機構71は、ボルト87を緩めるとピン85を支点として下方に回動退避させることができるので、駆動スプロケット24と従動スプロケット27とへのチェン70の巻き掛けを邪魔することなく行い易くすると共に、チェン張体72の位置決めを能率よく行うことができる等の特徴がある。尚、上記実施形態ではコンバインに使用する例について説明したが、コンバイン以外の各種機器及び装置にも使用することができて、目的とする各種の所期作業を行うことができるものである。
1 コンバイン
2 ベルト式クラッチ機構
8 グレンタンク
8a 前側壁(機体)
28 駆動プーリ
31 ベルト伝動装置
31a クラッチ操作装置
33 従動プーリ
34 Vベルト(ベルト)
35 テンションクラッチ
37 電動モータ
42 操作ワイヤ
42a インナワイヤ
42b アウタワイヤ
52 アウタ受け部材
2 ベルト式クラッチ機構
8 グレンタンク
8a 前側壁(機体)
28 駆動プーリ
31 ベルト伝動装置
31a クラッチ操作装置
33 従動プーリ
34 Vベルト(ベルト)
35 テンションクラッチ
37 電動モータ
42 操作ワイヤ
42a インナワイヤ
42b アウタワイヤ
52 アウタ受け部材
Claims (1)
- 駆動プーリ(28)と従動プーリ(33)とに巻き掛けたベルト(34)を、操作ワイヤ(42)を介して緊緩するテンションクラッチ(35)を備えるベルト伝動装置(31)と、機体側に両端を取付支持した操作ワイヤ(42)のアウタワイヤ(42b)に内装されるインナワイヤ(42a)を、スイッチ操作に基づく電動モータ(37)の駆動によって緊緩操作することにより、前記テンションクラッチ(35)を回動させてベルト伝動装置(31)の動力を入り切りするクラッチ操作装置(31a)とからなるベルト式クラッチ機構において、
前記機体側に電動モータ(37)を備えるクラッチ操作装置(31a)を位置固定して設けると共に、該クラッチ操作装置(31a)側で前記アウタワイヤ(42b)の一端を取付支持するアウタ受け部材(52)を移動自在に設け、該アウタワイヤ(42b)を電動モータ(37)により動力を入り切りする通常作業姿勢から、手動によってアウタワイヤ(42b)の両端の支持間隔をクラッチ入り作動量だけ操作移動させることにより、インナワイヤ(42a)を介しテンションクラッチ(35)を動力入り作動自在に構成することを特徴とするベルト式クラッチ機構。
Priority Applications (1)
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JP2013161244A JP2015031340A (ja) | 2013-08-02 | 2013-08-02 | ベルト式クラッチ機構 |
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- 2013-08-02 JP JP2013161244A patent/JP2015031340A/ja active Pending
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