ところで、緩衝部材は、経年劣化や、開口部の縁部との当接による損傷等の理由により、新品のものと交換する必要が生じる場合がある。
しかし、上記の特許文献1に示されている緩衝部材は、上述したように、シャッターカーテンの下端部のうち、ガイドレールにスライド自在に挿入される幅方向の端部で結合されるものとなっている。
したがって、既設の緩衝部材を新品のものと交換するためには、シャッターカーテンを全開位置まで開き移動させるとともに、このシャッターカーテンをガイドレールから一旦取り外した状態で、既設の緩衝部材を取り外す作業や、新品の緩衝部材を取り付ける作業を行わなければならず、このため、緩衝部材の交換作業に労力が掛かるものとなっていた。
このため、緩衝部材の交換作業が簡単に行えるシャッター装置の工夫が求められている。
本発明の目的は、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部に直接当接することを防止するための緩衝部材の交換作業が簡単に行えるようになるシャッター装置を提供するところにある。
本発明に係るシャッター装置は、開口部を開閉するために開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、このシャッターカーテンの幅方向の端部がスライド自在に挿入され、前記シャッターカーテンの開閉移動を案内するためのガイドレールと、前記シャッターカーテンが全開位置及び/又は全閉位置に達したとき、前記シャッターカーテンの閉じ側の端部が前記開口部の縁部に直接当接することを防止するための緩衝部材と、を含んで構成されるシャッター装置において、前記緩衝部材は、前記シャッターカーテンの前記閉じ側の前記端部のうちの前記ガイドレールから露出している部分において、取付手段により取り付けられていることを特徴とするものである。
本発明では、緩衝部材は、シャッターカーテンの閉じ側の端部(言い換えると、シャッターカーテンにおけるこのシャッターカーテンの閉じ移動方向の端部)のうちのガイドレールから露出している部分、言い換えると、ガイドレールに挿入されない部分において、取付手段により取り付けられている。
これにより、既設の緩衝部材を新品のものと交換するために、前述した従来のように、シャッターカーテンを全開位置まで開き移動させるとともに、このシャッターカーテンをガイドレールから一旦取り外した状態で、既設の緩衝部材を取り外す作業や、新品の緩衝部材を取り付ける作業を行う必要がなくなる。
すなわち、シャッターカーテンをガイドレールから取り外すことなく、緩衝部材の交換作業を行うことができるようになる。
このように、本発明によると、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部に直接当接することを防止するための緩衝部材の交換作業が簡単に行えるようになる。
なお、本発明に係る緩衝部材は、上述したように、シャッターカーテンが全開位置及び/又は全閉位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部に直接当接することを防止するためのものである。
すなわち、本発明に係る緩衝部材は、シャッターカーテンが全開位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部(例えば、シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、まぐさ部材や天井部材等、シャッターカーテンの開閉動方向が左右方向(言い換えると、横方向)である場合には、開き側の竪枠部材やシャッターカーテンの収納ケース等)に直接当接することを防止するためのものであってもよく、シャッターカーテンが全閉位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部(例えば、シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、床等、シャッターカーテンの開閉動方向が左右方向である場合には、閉じ側の竪枠部材等)に直接当接することを防止するためのものであってもよく、これらの当接の両方を防止するためのものであってもよい。
本発明において、シャッターカーテンの形状、構造等は任意なものでよく、例えば、シャッターカーテンは、カーテン本体と、このカーテン本体の閉じ側の端部に設けられ、シャッターカーテンの閉じ側の端部を形成する座板(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、言い換えると、水切り部材)と、を含んで構成されるものであってもよく、なくてもよい。
前者の場合において、座板の形状、構造等は任意なものでよく、例えば、座板には、シャッターカーテン厚さ方向に延びる延出部が開口部の開口幅全長又は略全長に渡って設けられているものでよく、設けられていないものでもよい。
前者の場合において、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部(幅方向の両端部でもよく、この両端部のうちのいずれか一方の端部でもよい)に配置するようにしてもよく、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の途中部に1個あるいは複数個配置するようにしてもよく、これらを組み合わせた(複合させた)もの等でもよい。
本発明において、緩衝部材の形状、構造等は、シャッターカーテンが全開位置及び/又は全閉位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部に直接当接することを防止するものであれば、任意なものでよい。
前述したように、シャッターカーテンがカーテン本体と座板とを含んで構成され、緩衝部材が座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部に配置されるようにした場合における緩衝部材の形状、構造等の一例として、緩衝部材が、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部の閉じ側の面部(シャッターカーテンの開閉移動方向が上下方向である場合には、底部)に挿入配置される板状部と、この板状部に設けられていて、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部の開き側の面(シャッターカーテンの開閉移動方向が上下方向である場合には、上面)を覆う覆い部と、を有するものを挙げることができる。なお、この一例においては、板状部が、取付手段により座板の延出部に取り付けられるものでもよく、覆い部が、取付手段により座板の延出部に取り付けられるものでもよく、緩衝部材の他の部分が、取付手段により座板の延出部に取り付けられるものでもよい。
本発明において、緩衝部材を、シャッターカーテンの閉じ側の端部のうちのガイドレールから露出している部分において取り付けるための取付手段は、任意なものでよく、例えば、取付手段は、リベット、ビス等の止着具(結合具)でもよく、緩衝部材に設けられた係合部と、シャッターカーテンの閉じ側の端部のうちのガイドレールから露出している部分に設けられていて、前記係合部が係合する被係合部と、を含んで構成されるもの等でよい。
緩衝部材を、前述したように、板状部と覆い部とを有するものとした場合であって、取付手段を、上述したように、リベットとした場合において、緩衝部材と、シャッターカーテンの閉じ側の端部のうちのガイドレールから露出している部分との取付構造は、任意なものでよく、例えば、リベットが、緩衝部材の板状部に形成された貫通孔と、座板の延出部に形成された貫通孔に挿通されて、緩衝部材が、シャッターカーテンの閉じ側の端部のうちのガイドレールから露出している部分において取り付けられるものとしてもよい。
また、緩衝部材を、板状部と覆い部とを有するものとした場合において、座板の延出部が、緩衝部材の板状部と覆い部に挟持されるようにしてもよい。
これによると、緩衝部材を、シャッターカーテンの閉じ側の端部のうちのガイドレールから露出している部分において、取付手段により取り付ける作業は、緩衝部材が座板の延出部に支持された状態で行うことでき、この取付作業をより容易にすることができる。すなわち、作業者は、緩衝部材が座板の延出部に支持された状態で、取付手段による取付作業に専念することができる。
また、シャッターカーテンが、前述したように、カーテン本体と座板とを含んで構成されるものである場合において、カーテン本体の閉じ側の端部の形状、構造は任意なものでよいが、カーテン本体の閉じ側の端部には、シャッターカーテン側断面形状が閉じ移動方向(閉鎖方向)(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、下方)に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部を設けるようにしてもよい。そして、緩衝部材の開き側の部分(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、上部)には、この緩衝部材が座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部に配置された状態で、シャッターカーテン厚さ方向両側のうちの一方の側に突出する突起部を有していて、空間部に係合状態で挿入可能となっている突片部を設けるようにしてもよい。
これによると、緩衝部材の突片部がカーテン本体の閉じ側の端部の空間部に係合状態で挿入されることで、緩衝部材を取付手段により取り付ける際、この緩衝部材がシャッターカーテンの開閉移動方向に移動する(言い換えると、シャッターカーテンの開閉移動方向にぐらつく)ことが規制されるようになり、取付作業が容易となる。
また、これによると、緩衝部材を取付手段により取り付ける作業は、この緩衝部材の突片部がカーテン本体の閉じ側の端部の空間部に係合状態で挿入された状態で行うことでき、この緩衝部材の取付作業をより容易にすることができる。すなわち、作業者は、緩衝部材の突片部がカーテン本体の閉じ側の端部の空間部に係合状態で挿入された状態で、この緩衝部材の取付作業に専念することができる。
本発明において、取付手段を、前述したように、リベットとする場合には、このリベットは、緩衝部材の開き側(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、上側)と閉じ側(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、下側)のうちのいずれの側からも取付作業が行える場合には、通常のリベットでよいが、緩衝部材の開き側と閉じ側のうちの一方の側からしか取付作業が行えない場合には、リベットは、通常のリベットではなく、ブラインドリベットとすることが好ましい。
このブラインドリベットによる緩衝部材の座板への取付構造は、任意なものでよく、例えば、カーテン本体の閉じ側の端部に、前述したように、シャッターカーテン側断面形状が閉じ移動方向に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部を設けた場合には、ブラインドリベットは、緩衝部材の板状部に形成された貫通孔から挿通されるとともに、座板の延出部に形成された貫通孔に挿通された後、空間部に挿入され、この空間部でブラインドリベットの頭部が膨出されることにより、緩衝部材が座板に取付けられる構造としてもよい。
これによると、カーテン本体の閉じ側の端部のうちの空間部を形成する部分が、ブラインドリベットの頭部が係合(係止)する部分となるとともに、このブラインドリベットの頭部は、カーテン本体の閉じ側の端部の空間部に収納されて外部に露出しないものとなる。
なお、前述したように、カーテン本体の閉じ側の端部に、シャッターカーテン側断面形状が閉じ移動方向に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部を設ける場合において、この空間部は、例えば、シャッターカーテン厚さ方向へ延びる第1空間部(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、水平空間部)と、この第1空間部におけるシャッターカーテン厚さ方向中央部又は略中央部からこのシャッターカーテン厚さ方向と直交する方向(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、鉛直方向)へ延びる第2空間部(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、鉛直空間部)と、を有するものとし、緩衝部材の突片部の突起部は、第2空間部から挿入された後、第1空間部に係合状態に挿入されるものとしてもよい。
なお、緩衝部材を、前述したように、覆い部と板状部とを有するものとし、緩衝部材の開き側の部分には、この緩衝部材が座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の端部に配置された状態で、シャッターカーテン厚さ方向両側のうちの一方の側に突出する突起部を有していて、空間部に係合状態で挿入可能となっている突片部を設ける場合において、緩衝部材の板状部には、この板状部からシャッターカーテン幅方向外側に延びているとともに、ガイドレールの内部に達する長さ寸法を有している棒状部を形成し、この棒状部の開き側の部分(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、上部)に突片部を設けるようにしてもよい。
これによると、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちの一方の端部にも、他方の端部にも配置することができるものとなる。すなわち、これによると、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちの一方の端部用と他方の端部用とを兼ねたものとすることができる。
本発明において、シャッターカーテンが、前述したように、カーテン本体と、座板とを含んで構成されるものとした場合において、このカーテン本体の形状、構造は、任意なものでよく、例えば、シャッターカーテンの開閉移動方向に連設された複数のスラットにより形成されていてもよく、シートにより形成されていてもよく、リンク部材で連結された複数のパイプにより形成されていてもよく、シャッターカーテンの開閉移動方向に連設された複数のパネルにより形成されていてもよく、ネットにより形成されていてもよく、これらの部材のうち、複数の部材を組み合わせることにより形成されていてもよい。
カーテン本体を、シャッターカーテンの開閉移動方向に連設された複数のスラットにより形成した場合には、これらのスラットのうち、シャッターカーテンの閉じ側の端部を形成する最も閉じ側(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、下側)に配置されているスラットに、座板を設け、シャッターカーテン側断面形状が閉じ移動方向に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部を、最も閉じ側に配置されているスラットの閉じ側の部分(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、下部)にシャッターカーテン幅方向全長又は略全長に渡って連続して設けるようにし、座板の延出部の開き側の面(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、上面)には、この座板が最も閉じ側に配置されているスラットに取り付けられた状態で、シャッターカーテン厚さ方向両側のうちの一方の側に突出する突起部を有していて、空間部に係合状態で挿入可能となっている突片部を設けてもよい。
これによると、座板を最も閉じ側に配置されているスラットに取り付ける作業は、座板の突片部がスラットの閉じ側の部分の空間部に係合状態で挿入された状態で行うことでき、この座板の取付作業をより容易にすることができる。すなわち、作業者は、座板がスラットの閉じ側の部分の空間部に係合状態で挿入された状態で、この座板の取付作業に専念することができる。
また、これによると、最も閉じ側に配置されているスラットの閉じ側の部分にシャッターカーテン幅方向全長又は略全長に渡って連続して設けられた空間部は、緩衝部材の開き側の部分に設けた突片部が係合状態で挿入される空間部と、座板の開き側の部分(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、上部)に設けた突片部が係合状態で挿入される空間部とを兼ねたものとすることができる。
本発明において、前述したように、最も閉じ側に配置されているスラットの閉じ側の部分に、シャッターカーテン側断面形状が閉じ移動方向に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部を、シャッターカーテン幅方向全長又は略全長に渡って連続して設けるようにした場合において、前記空間部を、最も閉じ側に配置されているスラットの閉じ側の部分を形成する一対の延出部(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、垂下部)と、シャッターカーテン厚さ方向の間隔をあけて設けられている前記一対の延出部の閉じ側の端部(シャッターカーテンの開閉動方向が上下方向である場合には、下端)から互いに近づく方向に延伸した一対のリップ部と、により形成するようにしてもよい。
この場合において、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部に配置するようにしてもよく、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちのいずれか一方に配置するようにしてもよい。
前者の場合には、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちの一方の端部に配置する緩衝部材の突片部の突起部は、前記一対のリップ部のうちの一方のリップ部に係合するとともに、前記両端部のうちの他方の端部に配置する緩衝部材の突片部の突起部は、前記一対のリップ部のうちの他方のリップ部に係合することになる。
このように、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちの一方の端部にも、他方の端部にも配置することができるものとなる。すなわち、緩衝部材は、座板の延出部におけるシャッターカーテン幅方向の両端部のうちの一方の端部用と他方の端部用とを兼ねたものとなる。
なお、前記一対のリップ部により形成されている開口部の開口幅寸法は、緩衝部材の突片部の突起部の長さ寸法と同じ又はこれよりも大きくなっていてもよく、緩衝部材の突片部の突起部の長さ寸法よりも小さくなっていてもよい。
前者の場合には、緩衝部材を開閉移動方向に移動させるだけで、この緩衝部材の突片部を、最も閉じ側に配置されているスラットの閉じ側の部分の空間部に挿入させることができ、この後、緩衝部材を、シャッターカーテン厚さ方向両側のうちの一方の側(突起部の突出方向)に移動(スライド)させることにより、緩衝部材の突片部が前記空間部に係合状態で挿入された状態となる。
一方、後者の場合には、緩衝部材を開閉移動方向と角度をなす方向に傾斜させながら、緩衝部材の突片部の突起部を前記空間部に挿入した後、この突起部の突出方向がシャッターケース厚さ方向と同じ又は略同じなるまで緩衝部材を回転させることにより、緩衝部材の突片部が前記空間部に係合状態で挿入された状態となる。
以上の本発明において、シャッターカーテンの開閉移動方向は任意な方向でよく、例えば、シャッターカーテンの開閉移動方向は、上下方向であってもよく、左右方向(言い換えると、横方向)であってもよく、これらの方向の成分を有する方向(例えば、斜め方向)であってよい。
なお、本発明において、シャッターカーテンの開閉移動方向が上下方向となっている場合には、シャッターカーテンやカーテン本体の閉じ側の端部は、下端部となる。
以上の本発明において、シャッター装置は、車庫用シャッター装置でもよく、店舗等の出入口用シャッター装置でもよく、駅や病院等に設置された売店の商品陳列スペースを開閉するための横引きシャッター装置でもよく、防災用シャッター装置でもよく、オーニング装置でもよく、防煙垂れ壁装置でもよく、オーバースライディングドア(オーバーヘッドドア)装置でもよく、任意の用途のシャッター装置でよい。
本発明によると、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部に直接当接することを防止するための緩衝部材の交換作業が簡単に行えるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテンで開閉される開口部が車両出入口となっている車庫用シャッター装置であり、図1には、この車庫用シャッター装置の全体の正面図が示されている。
車庫用シャッター装置のシャッターカーテン1は、幅方向である左右方向の両端部1Aが、構築物である車庫の躯体となっている壁3に取り付けられた左右のガイドレール4の内部に上下スライド自在に挿入され、これらのガイドレール4に案内されてシャッターカーテン1が上下に移動することにより、壁3に形成された開口部となっている車両出入口5が開閉される。
このように、本実施形態に係る車庫用シャッター装置は、車両出入口5を開閉するために上下方向に開閉移動自在となっているシャッターカーテン1と、このシャッターカーテン1の幅方向の両端部1Aがスライド自在に挿入され、シャッターカーテン1の開閉移動を案内するためのガイドレール4と、を含んで構成されている。
シャッターカーテン1は、カーテン本体2と、このカーテン本体2の閉じ側の端部である下端部に設けられ、シャッターカーテン1の閉じ側の端部である下端部を形成する座板10と、を含んで構成されており、カーテン本体2は、上下方向に連設された左右方向への長さを有する複数のスラット14により形成されており、これらのスラット14のうち、シャッターカーテン1の下端部を形成する最も下側に配置されているスラット15に、座板10が設けられている。
壁3には、車両出入口5の上側において、シャッターケース6が設置されており、このシャッターケース6の内部に巻取軸7が回転自在に収納されている。シャッターケース6の下面に配置されている外まぐさ部材と内まぐさ部材との間のスリットから、シャッターカーテン1がシャッターケース6の内部に挿入されていて、シャッターカーテン1の開き側の端部である上端部が巻取軸7に結合されているため、巻取軸7がシャッターケース6の内部に配置されている開閉機で回転することにより、あるいは、シャッターカーテン1の下端部を形成している座板10等に人為的な引き上げ力や引き下げ力を作用させて巻取軸7が回転することにより、シャッターカーテン1は、巻取軸7の巻き取り、繰り出しによって車両出入口5を開閉する上下の開閉移動を行う。
なお、巻取軸7に、シャッターカーテン1が下方へ閉じ移動するときの巻取軸7の正回転によりばね力が蓄圧されるリターンばねを配置し、シャッターカーテン1が上方へ開き移動するための巻取軸7の逆回転を、このリターンばねの蓄圧されたばね力によって補助するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、シャッターカーテン1は、巻取軸7によって巻き取られ、繰り出されるものとなっている。
本実施形態では、シャッターケース6の下面に配置されている外まぐさ部材と内まぐさ部材で構成されるまぐさ部材8が、開口部である車庫出入口の上側の縁部を形成しており、床9が、車庫出入口の下側の縁部を形成しており、左右のガイドレール4が、車庫出入口の左右の縁部を形成している。
図2は、図1で示されているシャッターカーテン1の下端部の正面図であり、図3は、図1で示されているシャッターカーテン1の下端部の底面図である。なお、図2及び図3では、ガイドレール4は、2点鎖線で簡略化して示されている。
図1〜図3から分かるように、複数のスラット14は、左右のガイドレール4の内部に達する幅寸法(左右方向であるシャッターカーテン幅方向の寸法)、すなわち、車庫出入口5の開口幅寸法Wよりも大きい幅寸法を有しているが、座板10は、図1に示されている車庫出入口5の開口幅寸法Wと略同じ又はこれよりも小さい幅寸法を有している。
図4は、カーテン本体2を形成する複数のスラット14のうち、最も下側のスラット15及びこのスラット15に設けられている座板10の左右方向である幅方向の両端部15G,15Hのうちの一方の端部15H(図1では右端部)の斜視図であり、図5は、スラット15及び座板10の幅方向の両端部15G,15Hのうちの他方の端部15G(図1では左端部)の斜視図であり、図6は、図2のS6−S6線断面図である。
図4及び図5に示されているように、座板10には、シャッターカーテン厚さ方向(言い換えると、シャッターカーテン前後方向)に延びるとともに、シャッターカーテン厚さ方向外側に緩やかに下り傾斜している延出部11が、車庫出入口5の開口幅全長又は略全長に渡って設けられている。すなわち、延出部11は、座板10の長さ方向である左右方向全長又は略全長に渡って設けられている。
図6に示されているように、座板10の延出部11の上面11Eにおけるシャッターカーテン厚さ方向中央部近傍には、座板10がスラット15に取り付けられた状態で、側断面形状(言い換えると、縦断面形状)が逆L字状又は略逆L字状となっている突片部12が、車庫出入口5の開口幅全長又は略全長(後述するブラインドリベット31が配置される部分を除く)に渡って設けられている。すなわち、突片部12は、座板10の長さ方向である左右方向全長又は略全長(後述するブラインドリベット31が配置される部分を除く)に渡って設けられている。
この突片部12は、延出部11の上面11Eから立ち上がった立上部(言い換えると、垂直上方に延びる垂直延出部)12Aと、この立上部12Aの上端からシャッターカーテン厚さ方向(言い換えると、延出部11の幅方向)両側のうちの一方の側に水平方向へ突出する突起部12Bを有している。
また、座板10の延出部11の上面11Eには、この上面11Eから立ち上がっているとともに、座板10がスラット15に取り付けられた状態で、スラット15のシャッターカーテン厚さ方向両側の面部である正面部15Iと背面部15Jのうちの一方の側の面部である背面部15J(室内側である車庫側の面部)と対面接触する立上部(言い換えると、垂直上方に延びる垂直延出部)13が、車庫出入口5の開口幅全長又は略全長に渡って設けられている。
図2及び図6に示されているように、座板10のスラット15への取り付けは、この座板10の立上部13と、スラット15の下部15Bの背面部15Jと、を複数個のビス等の止着具30で止着することにより行う。このため、座板10の立上部13は、この座板10をスラット15への取り付けるための取付部となっている。
図3、図5及び図6に示されているように、座板10の延出部11の底部11Aにおけるこの座板10の長さ方向と直交する方向である幅方向(言い換えると、シャッターカーテン厚さ方向)の両端部は、座板10の長さ方向全長又は略全長(言い換えると、車庫出入口5の開口幅全長又は略全長)に渡って下向きに突出しており、この突出した部分には、溝部11Bが座板10の長さ方向全長又は略全長に渡って設けられている。
この溝部11Bには、座板10の長さ寸法(左右方向であるシャッターカーテン幅方向の寸法)と同じ又は略同じ長さ寸法を有する軟質材料で形成された軟質部材17が嵌合配置されており、約下半分が溝部11Bから露出しているこの軟質部材17は、シャッターカーテン1が全閉位置に達したとき、このシャッターカーテン1の下端部である座板10が、車庫出入口5の下側の縁部である床9に直接当接することを防止するための緩衝部材となっている。
最も下側に配置されている中空となっているスラット15の上部は、スラット同士を連結するためのカール部15Aとなっている。これに対して、スラット15の下部には、シャッターカーテン側断面形状が下方(閉じ移動方向)に向かって開口しているT字状又は略T字状となっている空間部16が設けられている。
シャッターカーテン厚さ方向へ延びる第1空間部である水平空間部16Aと、この水平空間部16Aにおけるシャッターカーテン厚さ方向中央部又は略中央部から鉛直方向へ延びる第2空間部である鉛直空間部16Bと、を有している空間部16は、スラット15の下部15Bを形成する一対の垂下部(言い換えると、鉛直延出部)15C,15Dと、シャッターカーテン厚さ方向の間隔をあけて設けられているこれら一対の垂下部15C,15Dの下端から互いに近づく方向に延伸した一対のリップ部15E,15Fと、により形成されている。
前述した座板10の突片部12は、スラット15の下部15Bに設けられた空間部16に係合状態で挿入されている。
本実施形態では、座板10と、スラット15におけるシャッターカーテン幅方向の両端部15G,15H及びその近傍が、シャッターカーテン1の下端部を形成するものとなっている。そして、座板10は、シャッターカーテン1の下端部のうちのガイドレール4から露出している部分(言い換えると、ガイドレール4に挿入されない部分)となっている。
本実施形態では、シャッターカーテン1が全開位置に達したとき、このシャッターカーテン1の下端部である座板10の延出部11の上面11Eが、車庫出入口5の上側の縁部である前述したまぐさ部材8(図1参照)に直接当接することを防止するための軟質材料で形成された緩衝部材20がシャッター装置に備えられている。
本発明の一実施形態に係るこの緩衝部材20は、図1〜図5に示されているように、座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の両端部11C,11Dに配置されている。なお、緩衝部材20は、後述するように、シャッターカーテン1の下端部のうちのガイドレール4から露出している部分において、取付手段であるブラインドリベット31により取り付けられている。
次に、緩衝部材20の形状、構造について、図7〜図12により説明する。図7は、緩衝部材20の斜視図であり、図8は、図7に示されている緩衝部材20の平面図であり、図9は、図7に示されている緩衝部材20の正面図であり、図10は、図7に示されている緩衝部材20の側面図である。また、図11は、図8のS11−S11線断面図であり、図12は、図8のS12−S12線断面図である。
図7及び図8から分かるように、平面視で略T字形状を有している緩衝部材20は、座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の端部11C,11Dの底部11A(図6参照)に挿入配置される板状部21と、この板状部21に設けられていて、座板10の延出部11の端部11C,11Dの上面11Eを覆う覆い部22と、を有し、板状部21が、ブラインドリベット31により座板10の延出部11に取り付けられるものとなっている。
なお、幅広となっている板状部21は、座板10の延出部11の底部11Aの幅寸法よりも小さい幅寸法を有している。
座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の端部11C,11Dと対応又は略対応する形状を有する覆い部22は、板状部21の幅方向の間隔(スラット15の下部15Bの厚さ寸法と略同じ間隔)をあけて設けられていて板状部21から立ち上がる左右一対の壁部(言い換えると、立上部)22Aと、この壁部22Aの上端から水平方向又は略水平方向に延びる上面部22Bと、この上面部22Bにおける板状部21の幅方向の端部から下方に延びる側面部22Cと、を含んで構成されている。
このような形状を有する緩衝部材20の覆い部22は、シャッターカーテン厚さ方向外側に向かって緩やかに下り傾斜している座板10の延出部11の上面11Eのうち、スラット15の下部15Bの真下に位置する部分を除いた部分を覆うものとなる。
また、緩衝部材20の板状部21の後端部における左右の壁部22Aの間の部分には、板状部21の幅方向と直交する方向である後方向に延びる棒状部23が形成されている。すなわち、緩衝部材20の板状部21には、この緩衝部材20が座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の端部11C,11Dに配置された状態で、この板状部21からシャッターカーテン幅方向外側に延びているとともに、ガイドレール4の内部4Aに達する長さ寸法を有している棒状部23が形成されている。
図7、図8及び図12に示されているように、棒状部23の上部23Aにおけるこの棒状部23の長さ方向と直交する方向である幅方向の略中央部には、緩衝部材20が座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の端部11C,11Dに配置された状態で、側断面形状(言い換えると、縦断面形状)が逆L字状又は略逆L字状となっていて、前述したスラット15の下部15Bの空間部16に係合状態で挿入可能となっている突片部24が、棒状部23の長さ方向全長又は略全長に渡って設けられている。
この突片部24は、棒状部23の上部(上面)23Aから立ち上がった立上部(言い換えると、垂直上方に延びる垂直延出部)24Aと、この立上部24Aの上端からシャッターカーテン厚さ方向(言い換えると、棒状部23の幅方向)両側のうちの一方の側に水平方向へ突出する突起部24Bを有している。
次に、本実施形態に係る緩衝部材20を座板10の延出部11に取り付ける作業手順、すなわち、現場に新たに設置されるシャッター装置のシャッターカーテン1を構成する座板10の延出部11に緩衝部材20を取り付ける作業手順について説明する。
本実施形態に係る緩衝部材20を座板10の延出部11に取り付ける作業は、シャッター装置の設置場所である現場において行うようにしてもよく、シャッター装置の製造場所である工場において予め行うようにしてもよい。
以下、シャッター装置の設置場所において、緩衝部材20を座板10の延出部11に取り付ける作業手順について説明する。
本実施形態では、緩衝部材20は、図2及び図3に示されているように、座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の両端部(左右の端部)11C,11Dのそれぞれに取り付けられるものであり、それぞれの端部11C,11Dに緩衝部材20を取り付ける作業手順は同じであるため、以下、座板10の延出部11のシャッターカーテン幅方向の両端部11C,11Dのうちの一方の端部(図2では左端部、図3では右端部)11Dに、緩衝部材20を取り付ける作業手順について説明する。
まず、図1に示されているシャッターケース6の内部に配置されている図示されない左右のブラケットに支持された巻取軸7に巻き取られた状態のシャッターカーテン1の両端部1Aを左右のガイドレール4の上端部から挿入し、このシャッターカーテン1を巻取軸7から全閉位置までの途中位置まで繰り出す作業、すなわち、閉じ移動させる作業を行う。なお、この途中位置とは、閉じ移動させたシャッターカーテン1の座板10の高さ位置であって、作業者が座板10の下側から緩衝部材20の取付作業をしやすい高さ位置である。
この後、緩衝部材20の棒状部23を、ガイドレール4の内部4Aに、この緩衝部材20の覆い部22の上面部22B及び側面部22Cを座板10の延出部11の端部11Dと緩衝(当接)させないで、座板10の底部11A側(言い換えると、シャッターカーテン1の下側)から挿入するとともに、図14に示されているように、この緩衝部材20の棒状部23の突片部24の突起部24Bが、スラット15の下部15Bの左右一対のリップ部15E,15Fにより形成された開口部15Kの真下又は略真下に位置するように、緩衝部材20を移動させる作業を行う。
次に、図14に示すように、緩衝部材20を上方向(矢印方向)に移動させて、スラット15の下部15Bの空間部16の内部に挿入させた後、図15に示されているように、緩衝部材20をシャッターカーテン厚さ方向である横方向(矢印方向)にスライド移動させるとともに、緩衝部材20の突片部24を、左右一対のリップ部15E,15Fのうちの一方のリップ部である突起部24Bの突出方向側のリップ部(図15の例では、リップ部15F)に係合させる作業を行う。これにより、緩衝部材20の突片部24は、スラット15の下部15Bの空間部16に係合状態で挿入された状態となり、作業者が緩衝部材20から手を離しても、緩衝部材20はスラット15の下端から垂下した状態となる。
この後、緩衝部材20をシャッターカーテン幅方向内側(ガイドレール4から遠ざかる方向)へスライド移動させ、座板10の延出部11の端部11Dを、緩衝部材20の板状部21と覆い部22の上面部22Bとの間に挿入する作業を行う。なお、この作業は、覆い部22の壁部22Aが座板10の延出部11の端部11Dの端面に当接又は略当接するまで行う。これにより、図2のS17−S17線断面図である図17に示されているように、緩衝部材20の板状部21に形成された貫通孔21Aが、座板10の延出部11の端部11Dに形成された貫通孔11Fと一致又は略一致するようになっている。このため、座板10の延出部11の端部11Dの端面は、緩衝部材20を座板10の延出部11に取り付ける際のこの緩衝部材20の取付位置の位置決め部となっている。この作業により、座板10の延出部11の端部11Dは、図16に示されているように、緩衝部材20の板状部21と覆い部22の上面部22Bに挟持された状態となる。
次に、図17に示されているように、ブラインドリベット31を、緩衝部材20の下から、この緩衝部材20の板状部21に形成された貫通孔21A(図7〜図11も参照)と、座板10の延出部11の端部11Dに形成された貫通孔11Fとに挿通し、このブラインドリベット31の頭部31Aをスラット15の下部15Bの空間部16に挿入する作業を行う。
最後に、ブラインドリベット31の頭部31Aに結合されている2点鎖線で示されている軸部31Bを工具により引き抜く作業を行う。これにより、ブラインドリベット31の頭部31Aが空間部16の水平空間部16Aで膨出するとともに、膨出した頭部31Aが一対のリップ部15E,15Fに係合した状態となる。なお、緩衝部材20の板状部21の底部21Cにおける貫通孔21Aの周縁部は、窪み部21Bとなっており、この窪み部21Bにブラインドリベット31の幅広となっている後端部31Cが収納されるため、ブラインドリベット31の後端部31Cが緩衝部材20の板状部21の底部21Cから突出しないようになっている。
この結果、緩衝部材20は、ブラインドリベット31により座板10の延出部11の端部11Dに結合された状態となる。すなわち、以上の作業により、緩衝部材20は、座板10の延出部11の端部11Dに取り付けられた状態となる。
次に、経年劣化や、車庫出入口5の上側の縁部を形成しているまぐさ部材8(図1参照)との当接による損傷等の理由により、既設(既存)の緩衝部材20を新品の緩衝部材20と交換する必要が生じた場合において、この既設の緩衝部材20を新品の緩衝部材20と交換する作業手順について説明する。
まず、シャッターカーテン1を、全閉位置から全開位置までの途中位置まで、閉じ移動又は開き移動させる作業を行う。なお、この途中位置とは、閉じ移動させたシャッターカーテン1の座板10の高さ位置であって、作業者が座板10の下側から緩衝部材20の交換作業をしやすい高さ位置である。
次に、緩衝部材20と座板10の延出部11の端部11Dとを結合しているブラインドリベット31を取り外す作業を行う。
これにより、緩衝部材20は、シャッターカーテン幅方向である横方向へスライド可能な状態となるため、座板10の延出部11の端部11Dを挟持していた緩衝部材20の板状部21及び覆い部22の上面部22Bのうち、覆い部22の上面部22Bが座板10の延出部11の端部11Dから離脱するまで(言い換えると、緩衝しなくなるまで)、緩衝部材20をシャッターカーテン幅方向外側、すなわち、ガイドレール4の内部側(ガイドレール4へ近づく方向)へスライド移動させる作業を行う。
これにより、緩衝部材20は、シャッターカーテン厚さ方向(シャッターカーテン前後方向)及び上下方向に移動可能な状態となる。
次に、緩衝部材20をシャッターカーテン厚さ方向である横方向(図15に示されている矢印方向とは反対の方向)にスライド移動させ、左右一対のリップ部15E,15Fのうちの一方のリップ部である突起部24Bの突出方向側のリップ部(図15の例では、リップ部15F)に係合していたこの緩衝部材20の突片部24を、上記リップ部から離脱させる作業を行う。
この後、緩衝部材20を下方向(図14に示されている矢印方向とは反対の方向)に移動させる作業を行う。
以上の作業により、緩衝部材20は、座板10の延出部11の端部11Dから取り外されたことになる。
この後、新品の緩衝部材20を座板10の延出部11の端部11Dに取り付ける作業を、前述した取付作業と同様の手順で行う。
以上説明した本実施形態では、緩衝部材20は、シャッターカーテン1の下端部のうちのガイドレール4から露出している部分、言い換えると、ガイドレール4に挿入されない部分となっている座板10において、取付手段であるブラインドリベット31により取り付けられている。
これにより、既設の緩衝部材20を新品のものと交換するために、前述した従来のように、シャッターカーテン1を全開位置まで開き移動させるとともに、このシャッターカーテン1をガイドレール4から一旦取り外した状態で、既設の緩衝部材20を取り外す作業や、新品の緩衝部材20を取り付ける作業を行う必要がなくなる。
すなわち、シャッターカーテン1をガイドレール4から取り外すことなく、緩衝部材20の交換作業を行うことができるようになる。
このように、本実施形態によると、シャッターカーテン1の下端部を形成する座板10の延出部11が、車庫出入口5の上側の縁部を形成するまぐさ部材8に直接当接することを防止するための緩衝部材20の交換作業が簡単に行えるようになる。
また、本実施形態によると、前述したように、シャッター装置を新規に設置する場所において、座板10の延出部11に緩衝部材20を新規に取り付ける作業も、シャッターカーテン1の両端部1Aをガイドレール4にスライド自在に挿入させた後からでも容易に行えるようになる。
また、本実施形態では、スラット15の下部15Bに形成された空間部16は、シャッターカーテン側断面形状が下方に向かって開口しているT字状又は略T字状となっており、緩衝部材20の棒状部23の上23Aに形成された突片部24は、側断面形状(言い換えると、縦断面形状)が逆L字状又は略逆L字状となっている。
このため、本実施形態によると、緩衝部材20は、座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の両端部11C,11Dのうちの一方の端部11Cにも、他方の端部11Dにも配置することができる。
すなわち、本実施形態によると、緩衝部材20は、座板10の延出部11におけるシャッターカーテン幅方向の端部11C用としても、端部11D用としても使用することができ、部材の共通化を図ることができるようになる。
また、本実施形態では、緩衝部材20の棒状部23の突片部24は、緩衝部材20をブラインドリベット31で座板10の延出部11の両端部11C,11Dに取り付ける際、緩衝部材20が上下方向に移動する(言い換えると、上下方向にぐらつく)ことを規制するための規制手段にもなっている。
さらに、本実施形態では、前述したように、緩衝部材20をシャッターカーテン幅方向内側へスライド移動させ、座板10の延出部11の端部11Dを、緩衝部材20の板状部21と覆い部22の上面部22Bとの間に挿入する作業の前に、この緩衝部材20の棒状部23の突片部24をスラット15の下部15Bの空間部16に係合状態で挿入させることにより、作業者が緩衝部材20から手を離しても、この緩衝部材20はスラット15の下端から垂下した状態となる。これにより、作業者は、一旦、緩衝部材20の取付作業とは別の作業を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、一対のリップ部15E,15Fにより形成されている開口部15Kの開口幅寸法W1は、緩衝部材20の突片部24の突片部24の長さ寸法Lと同じ又はこれよりも大きい。このため、緩衝部材20を傾斜させることなく垂直上方に移動させるだけで、この緩衝部材20をスラット15の下部15Bの空間部16の内部に挿入させることができる。
また、本実施形態では、スラット15の下部15Bの空間部16は、シャーカーテン幅方向全長又は略全長に渡って連続して設けられている。
このため、本実施形態によると、空間部16は、緩衝部材20の突片部24が係合状態で挿入される空間部と、座板10の突片部12が係合状態で挿入される空間部とを兼ねたものとなっている。
なお、本実施形態では、取付手段はブラインドリベット31であったが、この取付手段はこれに限定されるものではなく、例えば、ブラインドリベット31と同様の止着具であるビスでもよく、座板10に設けられた被係合部と、緩衝部材20に設けられていて、前記被係合部に係合可能な係合部と、を含んで構成されるもの等でもよい。
なお、本実施形態では、図2、図3及び図17等に示されているように、座板10の延出部11の底部11Aに形成された溝部11Bには、シャッターカーテン1が全閉位置に達したとき、このシャッターカーテン1の下端部である座板10が、車庫出入口5の下側の縁部である床9に直接当接することを防止するための緩衝部材となっている軟質部材17が配置されていたが、緩衝部材20に、座板10が床9に直接当接することを防止するための緩衝部材の機能を持たせるようにしてもよい。緩衝部材20にこのような機能を持たせるためには、例えば、緩衝部材20を構成する板状部21の厚さ寸法を大きくし、この板状部21が、座板10が床9に直接当接するより先に、床9に当接するようにしてもよい。
図18は、図1〜図17で示されているスラット15の下部15Bの別実施形態、及びこの別実施形態に対応した実施形態に係る緩衝部材を示す図14と同様の図である。
本実施形態では、図18に示されているように、スラット15の下部15Bの一対のリップ部115E,115Fにより形成されている開口部115Kの開口幅寸法W2は、前述した実施形態の開口部15Kの開口幅寸法W1(図14参照)よりも小さくなっている。
ここで、この図18に示されている構造を有するスラット15の下部15Bに、前述した実施形態に係る緩衝部材20を配置するとした場合には、この緩衝部材20を傾斜させながらスラット15の下部15Bの空間部16に挿入することが考えられる。しかし、これでは、緩衝部材20の覆い部22の上面部22Bがスラット15の下部15Bのリップ部115E,115Fのうちのいずれか一方や、垂下部15C,15Dのうちのいずれか一方などに当接し、この緩衝部材20の突片部24を空間部16に挿入させることができない。
図18のスラット15の下部15Bの下には、上述したように開口幅寸法がW2となっている開口部115Kに対応した実施形態に係る緩衝部材120が図14と同様に示されている。
この緩衝部材120が前述した実施形態に係る図14に示す緩衝部材20と異なる点について説明する。
図18に示されているように、本実施形態では、緩衝部材120の棒状部123は中空となっており、この棒状部23の内部123Bには、立上部124Aと、緩衝部材20の突片部24の突起部24Bと同じ又は略同じ長さ寸法Lを有する突起部124Bと、を有する棒状の突片部材124のうち、立上部124Aが棒状部23の上部123Aに形成された貫通孔123Cから突没自在に配置されている。なお、本実施形態に係る突片部となっているこの突片部材124は、棒状部123に1個配置するようにしてもよく、棒状部123の長さ方向に複数個離間して配置するようにしてもよい。
また、棒状部23の内部123Bには、ばね部材32が収納配置されており、このばね部材の一端は、棒状部23の内周面123Dに係止されており、他端は、突片部材124のうちの立上部124Aの幅広となっている後端部124Cに係止されている。
通常時は、突片部材124のうちの突起部124Bを除いた大部分は、棒状部123の内部123Bに没入した状態となっており、突片部材124の突起部124Bを摘んで、この突片部材124を、図18で2点鎖線で示されているように引っ張り上げることにより、ばね部材32にばね力が蓄圧されるようになっている。
図19は、緩衝部材120の突片部材124の上部を、スラット15の下部15Bの空間部16に挿入するときを示す図である。
この突片部材124の突起部124B及び立上部124Aの上部の空間部16への挿入は、上述したように、突片部材124の突起部124Bを摘んでこの突片部材124を引っ張り上げた状態にするとともに、緩衝部材120を傾斜させながら行う。これにより、緩衝部材120の棒状部123の上面部22Bが、スラット15の下部15Bのリップ部15Dや垂下部15Cなどに当接することなく、突片部材124の突起部124B及び立上部124Aの上部を空間部16への挿入させることができるようになる。
なお、スラット15の下部15Bの空間部16のうち、水平空間部16Aの幅寸法(シャッターカーテン厚さ方向の寸法)W3と、水平空間部16Aの高さ寸法(上下方向の寸法)H1は、突片部材124の突起部124B及び立上部124Aの上部を空間部16へ挿入させることが可能な寸法を有している。すなわち、空間部16は、突片部材124の突起部124B及び立上部124Aの上部を空間部16へ挿入させることが可能な大きさを有している。
なお、以上説明した各実施形態に係る緩衝部材20,120は、開閉移動方向が上下方向となっているシャッター装置に適用されるものであったが、これらの緩衝部材20,120は、開閉移動方向が左右方向(言い換えると、横方向)となっている横引きシャッター装置にも適用することができる。この場合には、これらの緩衝部材20,120は、シャッターカーテンが全開位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部(座板に相当する部分)が開口部の縁部(例えば、開き側の竪枠部材やシャッターカーテンの収納ケース等)に直接当接することを防止するためのもの、さらには、シャッターカーテンが全閉位置に達したとき、シャッターカーテンの閉じ側の端部が開口部の縁部(例えば、閉じ側の竪枠部材等)に直接当接することを防止するためのものとなる。