JP2015029999A - コイル接合方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1のコイルセグメント端部の連続溶接方法においては、回転電機のセグメントの一対の端部に対して、一対の端部のうち少なくとも一部にアークをとばし、少なくとも一部を予備的に溶接又は溶融し、その後、所定時間をおいて、一対の端部を本格的にアーク溶接することが開示されている。この方法においては、回転電機のコイルセグメント端部での溶接信頼性を向上させている。
すなわち、コイルの先端部が上下に重なる場合、これらの先端部の境界位置と溶接トーチとの間にアークを発生させると、上側に位置する先端部と下側に位置する先端部とがほぼ同時に溶融を始め、溶融した部分が重力によって垂れ下がってしまう。この場合、溶接部分の溶融断面積を確保することが困難になるおそれがある。
該一対の先端部を上下に重ねて配置し、上側に位置する先端部である上側先端部の先端面の少なくとも一部が、下側に位置する先端部である下側先端部の先端面よりも基端側に引き込まれた状態を形成し、溶接トーチと上記上側先端部との間に発生させるアークによって、上記上側先端部と上記下側先端部とを溶融接合することを特徴とするコイル接合方法にある。
具体的には、一対の先端部を上下に重ねて配置し、上側先端部の先端面の少なくとも一部が、下側先端部の先端面よりも基端側に引き込まれた状態を形成する。このとき、一対の先端部をチャック治具によって固定し、一対の先端部の状態を維持することができる。
そして、溶融部分は、上側先端部の先端面と下側先端部の先端面とに対して、先端側に向けて水平方向に膨らむように付着する。これにより、上側先端部及び下側先端部の溶融部分の溶融断面積を適切に確保することができる。
上記コイル接合方法においては、上記上側先端部の先端面及び上記下側先端部の先端面は、いずれも該各先端部が伸びる方向にほぼ直交して形成されており、上記上側先端部と上記下側先端部との境界位置には、上記上側先端部の先端面と上記下側先端部の先端面とによる段差部が形成されており、上記溶接トーチと上記上側先端部の上側角部との間に、上記アークを発生させてもよい。
この場合には、上側先端部及び下側先端部の形状が適切であり、また、アークを発生させる上側先端部の位置も適切である。そのため、下側先端部よりも先に上側先端部を溶融させることが容易であり、溶融部分の垂れ下がりを、より効果的に抑制することができる。
これにより、先端部が折曲形状を有するコイルを有するステータを製造する場合において、一対の先端部における溶融部分の垂れ下がりを抑制することができる。
この場合には、ステータコアに配置されたコイルと、ステータコアの内周側に配置されるロータコアとの間の絶縁距離を適切に確保することができる。
本例のコイル接合方法は、図1、図2に示すごとく、平角線301によって形成されたコイル3であって、回転電機用のステータコア2に複数配置されたコイル3の一対の先端部31,32同士を接合する方法である。
このコイル接合方法においては、一対の先端部31,32を上下に重ねて配置し、上側に位置する上側先端部31の先端面311の少なくとも一部が、下側に位置する下側先端部32の先端面321よりも基端側に引き込まれた状態を形成する。そして、溶接トーチ4と上側先端部31との間に発生させるアークXによって、上側先端部31と下側先端部32とを溶融接合する。
図3に示すごとく、本例のコイル接合方法において接合するコイル3は、インナーロータ11を内周側に配置するためのステータ1を形成するものである。コイル3は、平角線301を巻回して形成され、ステータコア2における各スロット21に順次配置される。また、コイル3は、3相回転電機用のものであり、各コイル3の先端部31,32を結線して、3相のコイル3を形成する。平角線301は、略四角形状の断面を有しており、導電性を有する導体層302の全周に、絶縁性を有する絶縁層303を形成して構成されている。
ステータ1を製造する工程においては、複数のコイル3が配置されたステータコア2は、複数の先端部31,32の全てが配置された一方側に位置するコイルエンド部35Aを上側にして搬送される。そして、このコイルエンド部35Aが上側に向けられた状態において、各ステータコア2は、先端部31,32同士の溶接を行う工程へ搬送され、この工程において先端部31,32同士の接合がなされる。
本例の各コイル3の両端部に形成された先端部31,32は、略直角に切断された先端面311,321を有している。そして、上側先端部31の先端面311及び下側先端部32の先端面321は、いずれも各先端部31,32が伸びる方向Dにほぼ直交して形成されている。また、上側先端部31と下側先端部32との境界位置には、上側先端部31の先端面311と下側先端部32の先端面321とによる段差部33が形成される。
また、図1に示すごとく、上側先端部31の先端面311が下側先端部32の先端面321から基端側に引き込まれた引込み量D1は、例えば、0.2〜2mmとすることができる。また、この引込み量D1は、0.2〜1mmとすることが好ましく、0.3〜0.7mmとすることがさらに好ましい。
また、上側先端部31と下側先端部32とが適切に溶融することにより、上側先端部31の上側角部312が角張った形状で残ってしまうことを防止することができる。これにより、アーク溶接が行われた後の工程において、コイル3同士の間の絶縁をするための粉体塗装を良好にすることができる。さらに、上側先端部31の長さを短くできることにより、コイル3の材料費の低減、絶縁層303を剥離する長さの短縮等の効果を得ることもできる。
2 ステータコア
3 コイル
301 平角線
31 上側先端部
312 上側角部
32 下側先端部
35A,35B コイルエンド部
4 溶接トーチ
Claims (4)
- 平角線によって形成され、回転電機用のステータコアに複数配置されたコイルの一対の先端部同士を接合する方法において、
該一対の先端部を上下に重ねて配置し、上側に位置する先端部である上側先端部の先端面の少なくとも一部が、下側に位置する先端部である下側先端部の先端面よりも基端側に引き込まれた状態を形成し、溶接トーチと上記上側先端部との間に発生させるアークによって、上記上側先端部と上記下側先端部とを溶融接合することを特徴とするコイル接合方法。 - 上記上側先端部の先端面及び上記下側先端部の先端面は、いずれも該各先端部が伸びる方向にほぼ直交して形成されており、
上記上側先端部と上記下側先端部との境界位置には、上記上側先端部の先端面と上記下側先端部の先端面とによる段差部が形成されており、
上記溶接トーチと上記上側先端部の上側角部との間に、上記アークを発生させることを特徴とする請求項1に記載のコイル接合方法。 - 上記一対の先端部は、上記ステータコアの軸方向端面から突出するコイルエンド部において、上記ステータコアの軸方向に伸びる状態から径方向に伸びる状態に折り曲げられており、
上記ステータコアの軸方向が鉛直方向に向けられ、かつ上記一対の先端部が上下に重なって水平方向に伸びる状態で、上記溶融接合を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル接合方法。 - 上記一対の先端部は、上記コイルエンド部において、径方向内方へ折り曲げられていることを特徴とする請求項3に記載のコイル接合方法。
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