JP2008243870A - コイル端末線と接合部端子の接合部端子構造 - Google Patents

コイル端末線と接合部端子の接合部端子構造 Download PDF

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Masamichi Kase
政道 加瀬
Shin Onose
伸 小野瀬
Katsuhiro Hoshino
勝洋 星野
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Abstract

【課題】
溶融不良をなくし、確実な電気的接続と溶接部強度が得ることのできるコイル端末線と端子の接合部端子構造を提供すること。
【解決手段】
コイル端末線の導体と接合部端子とを接合する接合部端子構造において,帯板状の接合部端子2を有し,接合部端子2の幅方向両側に接合部端子の先端を突出させ突起部2Cを形成するとともに接合部端子2に形成する挟持部2A,2Bを形成してなり,コイル端末線の導体の絶縁皮膜を予め剥離した導体1を接合部端子2に添わせ、コイル端末線の導体1を挟持部2A,2Bによって多角形または円柱状にかしめ保持し、接合部端子2の突起部2Cとコイル端末線の導体1とをアーク溶接する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コイル端末線と接合部端子をアーク溶接する際の接合部端子構造に関するものである。
コイル端末線と接合部端子とを溶接する際の接合部端子構造として、従来は、板状の接合端子の先端部に切り欠きを設けて、その切り欠き内にコイル端末線の導体を挿入して、コイル端末線の導体と接合端子とを溶接する方法(例えば、特許文献1 図2参照。)がある。これは、板状導体PCに、先端部より長手方向に所定の長さのU字状切欠部Uを形成し、このU字状切欠部Uに線材Lの先端部分を挿入し、U字状切欠部Uにおける線材挿入部分近傍をアーク溶接等により溶融させて両者を接合Wするものである。
また、コイル端末線と接合部端子とを溶接する際の接合部端子構造として、従来、板状の接合端子の先端部を丸めてコイル端末線の導体を固定し、コイル端末線の導体を溶融させて板状の接合端子を包み込むように溶接する方法(例えば、特許文献1 図7参照。)がある。これは、板状導体PCの先端部をU字状に折り曲げ、この折り曲げ部Uに線材Lを挿入した後に、板状導体PCの先端部分をかしめ、線材Lの周囲を広く板状導体PCで挟持するものである。
特開2001−219270
しかしながら、特許文献1の板状の接合端子の先端部に切り欠きを設けて、その切り欠き内にコイル端末線の導体を挿入して、コイル端末線の導体と接合端子とを溶接する方法にあっては、コイル端末線の導体が接合端子の先端部に固定されていないため、コイル端末線の導体を切り欠き内に挿入した後、自由に動いてしまう。このため、コイル端末線の導体の接合端子の先端部への溶接位置がずれてしまい、満足する接合部強度を得られず、製品に必要な通電面積が十分に得られないといった不具合が発生するという問題点を有している。
また、特許文献1の板状の接合端子の先端部を丸めてコイル端末線の導体を固定し、コイル端末線の導体を溶融させて板状の接合端子を包み込むように溶接する方法にあっては、板状の接合端子の先端部を丸めてコイル端末線の導体を固定した際に、コイル端末線の導体と板状の接合端子の先端部とが密着していないと、コイル端末線の導体を丸めた板状端子の隙間から溶接中に大気などのガスを巻き込んでしまい、溶接部にポロシティなどの内部欠陥が発生し、溶接品質が不安定となるという問題点を有している。
本発明の目的は、溶融不良をなくし、確実な電気的接続と溶接部強度が得ることのできるコイル端末線と端子の接合部端子構造を提供することにある。
本発明は、コイル端末線と接合部端子とを接合する接合部端子構造において,帯板状の接合部端子を有し,前記接合部端子の幅方向両側に該接合部端子の先端部を突出させ突起部を形成して該接合部端子を十字状に形成する挟持部を形成してなり,前記コイル端末線の絶縁皮膜を予め剥離した導体を前記接合部端子に添わせ、該コイル端末線の導体を前記挟持部によって多角形または円柱状にかしめ保持し、前記接合部端子の突起部とコイル端末線の導体とをアーク溶接することを特徴とする。
本発明によれば、溶融不良をなくし、確実な電気的接続と溶接部強度を得ることのできる。
そして、帯板状の接合部端子とコイル端末線の導体との溶接において、コイル端末線の導体と溶接する帯板状の接合部端子の突起部の断面積を同等にすると、通電面積が確保でき安定した溶融部形状が形成される。
さらに、コイル端末線の導体の先端と帯板状の接合部端子の突起部は、少ない入熱量で溶融させることができ、アーク熱の拡散による絶縁皮膜のダメージも低減できる。
加えて、コイル端末線の導体を帯板状の接合部端子に添わせ、帯板状の接合部端子の挟持部をかしめてコイル端末線の導体を固定しているので、コイル端末線の導体の先端と帯板状の接合部端子の突起部とで溶接する溶接部に直接応力が掛かることを防ぐことができ、応力の緩衝効果を期待することができる。
帯板状の接合部端子は、コイル端末線の導体をかしめるための挟持部と、コイル端末線の導体の先端と溶接するための突起部を十字形に形成してあり、このとき、突起部の形状は多角形もしくは円柱状とし、断面積はコイル端末線の断面積と同一であることが望ましい。
また、コイル端末線の導体は、帯板状の接合部端子のコイル挟持部に挟み込んだ後、帯板状の接合部端子の突起部とコイル端末線の導体が密着するように多角形または円柱状にかしめ、その後、アーク放電によりコイル端末線の導体と帯板状の接合部端子に形成された突起部を同時に溶融させて帯板状の接合部端子の突起部とコイル端末線の導体を溶着する。
図1には、本発明に係るコイル端末線と端子の接合部端子構造の第1の実施例が示されている。
図1は、回転電機用ステータコイルの端末線と接合部端子の突起部とをTIG溶接した場合の例である。図1(A)には、コイル端末線の導体1と接合部端子2のかしめ状態が示されており、図1(B)には、コイル端末線の導体1と接合部端子2の突起部をTIG溶接した場合が示されており、図1(C)には、コイル端末線の導体1の断面形状が円形状の丸線の場合が示されており、図1(D)には、コイル端末線の導体1の断面形状が矩形状の平角線の場合が示されている。
図1において、コイル端末線は、絶縁体が被覆された電線で、1は、コイル端末線の絶縁体を剥離して露出させた導体である。このコイル端末線の導体1は、その材質が銅で構成されている。このコイル端末線の導体1は、図1(C)に示す如く、断面形状が円形状の丸線で構成されているのが、一般的であるが、図1(D)に示す如く、断面形状が矩形状の平角線でも問題はない。
また、接合部端子2は、帯板状(または、棒状)に形成されており、この接合部端子2の幅方向両端部には、帯板状(または、棒状)の接合部端子2の長手方向に略直角に伸びる帯板状に形成される挟持部2A,2Bが設けられている。この挟持部2A,2Bを設けることによって、接合部端子2は、十字状に形成されている。また、この接合部端子2には、先端が挟持部2A,2Bの設けられている位置より上方に突出する突起部2Cが形成されている。したがって、接合部端子2は、接合部端子2の幅方向両側に挟持部2A,2Bを設け、十字状になるように接合部端子2の先端を突出させて突起部2Cが形成されている。
コイル端末線の導体1と接合部端子2の接合に当たっては、コイル端末線の絶縁皮膜を予め剥離して導体1を露出しておく。しかる後、コイル端末線の導体1を接合部端子2に添わせる。そして、このコイル端末線の導体1を接合部端子2に添わせるに当たっては、コイル端末線の導体1は、その先端部1Aが接合部端子2の突起部2Cより上部に突出するように添わせてある。このコイル端末線の導体1を接合部端子2に添わせた後、接合部端子2の幅方向両端部に設けられている挟持部2A,2Bをコイル端末線の導体1を抱くように巻き付け、コイル端末線の導体1を接合部端子2に円柱状にかしめる。
このようにコイル端末線の導体1は、コイル端末線の導体1の先端部1Aを、接合部端子2の突起部2Cより上部に突出するように、接合部端子2に添わせ、接合部端子2の挟持部2A,2Bによって円柱状にかしめられる。したがって、コイル端末線の導体1は、接合部端子2の挟持部2A,2Bのかしめによって、コイル端末線の導体1が接合部端子2の突起部2C側へ押し付けられ、接合部端子2の突起部2Cに密着する。
また、コイル端末線の導体1は、接合部端子2に添わせ、接合部端子2の挟持部2A,2Bによって円柱状にかしめるようになっているため、コイル端末線の導体1は、接合部端子2に沿うように動くので、曲がりやすく位置が出しにくいコイル端末線の導体1の場合であっても、溶接部の位置決めを容易にすることができる。
このようにコイル端末線の導体1の先端部1Aを、接合部端子2の突起部2Cより上部に突出するようにして、接合部端子2に添わせ、接合部端子2の挟持部2A,2Bによって円柱状にかしめた後、陽極電極で接合部端子2を挟み込んで保持し、通電することによりTIG溶接する。このTIG溶接をすることによって、コイル端末線の導体1の先端部1Aが溶融して溶融部3が図1(B)に示す如く球状に形成され、接合部端子2の突起部2Cを覆い、コイル端末線の導体1の先端部1Aと接合部端子2の突起部2Cが溶着する。
このTIG溶接によるコイル端末線の導体1の先端部1Aと接合部端子2の突起部2Cとの溶着に当たっては、接合部端子2の突起部2Cとコイル端末線の導体1の先端部1Aの高さを同一の高さにしても、溶接は可能である。しかし、コイル端末線の導体1の高さを高くし過ぎると、コイル端末線の導体1のの先端部1Aの溶融量が増えるため、溶融部3が垂れてしまい、図1(B)に示すような球状にならなくなってしまう。
このようにコイル端末線の導体1の高さを高くし過ぎ、コイル端末線の導体1のの先端部1Aにできる溶融部3が垂れて図1(B)に示すような球状にならなくなってしまうと、通電面積が確保できなくなってしまうので、本実施例においては、溶融部3が球状となるようにコイル端末線の導体1の高さを、接合部端子2の突起部2Cの上端面より1mmとしてある。
なお、本実施例においては、接合部端子2の挟持部は、コイル端末線の導体1を抱きかかえるように2本の挟持部2A,2Bを設けて十字状に形成されいるが、この接合部端子2の挟持部は、コイル端末線の導体1を抱きかかえられれば、1本の挟持部2Aのみで構成しても良い。この場合には、接合部端子2の挟持部は、十字状に形成されるものとはなっていない。
また、本実施例においては、溶接方法として、TIG溶接を例にとって説明したが、TIG溶接方法以外の方法としては、電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法を用いても良く、この電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法によってもTIG溶接による溶接方法同様に溶接することができる。
図2には、本発明に係るコイル端末線と端子の接合部端子構造の第2の実施例が示されている。
図2は、複数のコイル端末線の導体を接合部端子に添わせる場合、接合部端子がコイル端末線の導体を複数本持ちの場合の例である。図2(A)には、複数のコイル端末線の各導体の断面形状が円形状の丸線の場合が示されており、図2(B)には、複数のコイル端末線の各導体の断面形状が矩形状の平角線の場合が示されており、図2(C)には、コイル端末線が撚線導体の場合が示されている。
図2において、複数のコイル端末線(図2では、2本の例を示している)は、それぞれ絶縁体が被覆された電線で、10,11は、コイル端末線の絶縁体を剥離して露出させた導体である。この2本のコイル端末線の導体10,11は、その材質が銅で構成されている。この2本のコイル端末線の導体10,11は、図2(A)に示す如く、断面形状が円形状の丸線で構成されているのが、一般的であるが、図2(B)に示す如く、断面形状が矩形状の平角線で構成されていても、図2(C)に示す如く、コイル端末線の導体が撚線導体30のように多数本でも問題はない。
接合部端子20は、帯板状(または、棒状)に形成されており、この接合部端子20の幅方向両端部には、帯板状(または、棒状)の接合部端子20の長手方向に略直角に伸びる帯板状に形成される挟持部20A,20Bが設けられている。この挟持部20A,20Bを設けることによって、接合部端子20は、十字状に形成されている。また、この接合部端子20には、先端が挟持部20A,20Bの設けられている位置より上方に突出する突起部20Cが形成されている。したがって、接合部端子20は、接合部端子20の幅方向両側に挟持部20A,20Bを設け、十字状になるように接合部端子20の先端を突出させて突起部20Cが形成されている。
2本のコイル端末線の導体10,11と接合部端子20の接合に当たっては、コイル端末線の絶縁皮膜を予め剥離して導体10,11を露出しておく。しかる後、2本のコイル端末線の導体10,11を接合部端子20に添わせる。そして、この2本のコイル端末線の導体10,11を接合部端子20に添わせるに当たっては、2本のコイル端末線の導体10,11は、その先端部10A,11Aが接合部端子20の突起部20Cより上部に突出するように添わせてある。この2本のコイル端末線の導体10,11を接合部端子20に添わせた後、接合部端子20の幅方向両端部に設けられている挟持部20A,20Bを2本のコイル端末線の導体10,11を抱くように巻き付け、2本のコイル端末線の導体10,11を接合部端子20に円柱状にかしめる。
このように2本のコイル端末線の導体10,11は、2本のコイル端末線の導体10,11の先端部10A,11Aを、接合部端子20の突起部20Cより上部に突出するように、接合部端子20に添わせ、接合部端子20の挟持部20A,20Bによって円柱状にかしめられる。したがって、2本のコイル端末線の導体10,11は、接合部端子20の挟持部20A,20Bのかしめによって、2本のコイル端末線の導体10,11が接合部端子20の突起部20C側へ押し付けられ、接合部端子20の突起部20Cに密着する。
このとき接合部端子20の突起部20Cの断面積は、隣接する2本のコイル端末線の導体10,11の何れかの導体(図2(A),(B)では導体11、図2(C)では撚線導体30)の断面積と同等であることが望ましい。また、接合部端子20の挟持部20A,20Bによる2本のコイル端末線の導体10,11のかしめの形状は、挟持部20A,20Bが接合部端子20の長手方向に略直角に伸びる帯板状に形成されているため、接合部端子20の挟持部20A,20Bに挿入される2本のコイル端末線の導体10,11の形状に合わせ、多角形にも、円柱状にも、することは可能である。また、このように、接合部端子20の挟持部20A,20Bによる2本のコイル端末線の導体10,11のかしめの形状を、多角形状、円柱状にしても、密着性が良くすることができ、溶接を安定的に行うことができる。
このように2本のコイル端末線の導体10,11の先端部10A,11Aを、接合部端子2の突起部20Cより上部に突出するようにして、接合部端子20に添わせ、接合部端子20の挟持部20A,20Bによって円柱状にかしめた後、陽極電極で2本のコイル端末線の導体10,11を挟み込んで保持し、通電することにより2本のコイル端末線の導体10とコイル端末線の導体11をTIG溶接する。このTIG溶接をすることによって、2本のコイル端末線の導体10,11同士が溶着する。
しかる後、陽極電極で接合部端子20を挟み込んで保持し、通電することにより溶着している2本のコイル端末線の導体10,11と接合部端子20の突起部20CをTIG溶接する。このTIG溶接をすることによって、2本のコイル端末線の導体10,11の先端部10A,11Aが溶融して溶融部が球状に形成され、接合部端子20の突起部20Cを覆い、2本のコイル端末線の導体1の先端部10A,11Aと接合部端子20の突起部20Cが溶着する。
この溶接順序は、2本のコイル端末線の導体10,11同士を溶接した後、2本のコイル端末線の導体10,11と接合部端子20の突起部20CをTIG溶接しても、2本のコイル端末線の導体10,11の何れかの導体(例えば、導体11)と接合部端子20の突起部20CをTIG溶接した後、接合部端子20の突起部20Cと溶着していない導体(例えば、導体10)とTIG溶接してもよい。
また、本実施例においては、溶接方法として、TIG溶接を例にとって説明したが、TIG溶接方法以外の方法としては、電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法を用いても良く、この電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法によってもTIG溶接による溶接方法同様に溶接することができる。
図3には、本発明に係るコイル端末線と端子の接合部端子構造の第3の実施例が示されている。
図3は、コイル端末線の導体が太く、接合部端子に薄板を用いた場合のかしめの状態を示す例である。
図3において、コイル端末線は、絶縁体が被覆された電線で、40は、コイル端末線の絶縁体を剥離して露出させた導体である。このコイル端末線の導体40は、その材質が銅で構成されており、通常の導体よりも太い形状を有している。
接合部端子50は、帯板状に形成されており、この接合部端子50の幅方向両端部には、帯板状の接合部端子50の長手方向に略直角に伸びる帯板状に形成される挟持部50A,50Bが設けられている。この挟持部50A,50Bを設けることによって、接合部端子50は、十字状に形成されている。また、この接合部端子50には、先端が挟持部50A,50Bの設けられている位置より上方に突出する突起部50Cが形成されている。したがって、接合部端子50は、接合部端子50の幅方向両側に挟持部50A,50Bを設け、十字状になるように接合部端子50の先端を突出させて突起部50Cが形成されている。
コイル端末線の導体1と接合部端子50の接合に当たっては、コイル端末線の絶縁皮膜を予め剥離して導体40を露出しておく。しかる後、コイル端末線の導体1を接合部端子50に添わせる。そして、このコイル端末線の導体40を接合部端子50に添わせるに当たっては、コイル端末線の導体40は、その先端部40Aが接合部端子50の突起部50Cより上部に突出するように添わせてある。このコイル端末線の導体40を接合部端子50に添わせた後、接合部端子50の幅方向両端部に設けられている挟持部50A,50Bをコイル端末線の導体40を抱くように巻き付け、コイル端末線の導体40を接合部端子50に円柱状にかしめる。
このようにコイル端末線の導体40は、コイル端末線の導体40の先端部40Aを、接合部端子50の突起部50Cより上部に突出するように、接合部端子50に添わせ、接合部端子50の挟持部50A,50Bによって円柱状にかしめられる。したがって、コイル端末線の導体40は、接合部端子50の挟持部50A,50Bのかしめによって、コイル端末線の導体40が接合部端子50の突起部50C側へ押し付けられ、接合部端子50の突起部50Cに密着する。
このようにコイル端末線の導体40の先端部40Aを、接合部端子50の突起部50Cより上部に突出するようにして、接合部端子50に添わせ、接合部端子50の挟持部50A,50Bによって円柱状にかしめた後、陽極電極で接合部端子50を挟み込んで保持し、通電することによりTIG溶接する。このTIG溶接をすることによって、コイル端末線の導体40の先端部40Aが溶融して溶融部3が球状に形成され、接合部端子50の突起部50Cを覆い、コイル端末線の導体40の先端部40Aと接合部端子50の突起部50Cが溶着する。
このとき接合部端子50の突起部50Cの断面積は、コイル端末線の導体40と接合部端子50の溶接後の通電面積を確保するため、コイル端末線の導体40の断面積と同等であることが望ましい。そこで、コイル端末線の導体40は通常の径の大きさより太い径の形状になっており、また、接合部端子50の突起部50Cの形状が帯板状に形成されているため、コイル端末線の導体40の断面積に合わせるのに、接合部端子50の突起部50Cの幅を広げてコイル端末線の導体40との断面積を同等にしている。
しかる後、陽極電極で接合部端子50を挟み込んで保持し、通電することにより溶着しているコイル端末線の導体40と接合部端子50の突起部50CをTIG溶接する。このTIG溶接をすることによって、コイル端末線の導体40の先端部40Aが溶融して溶融部が球状に形成され、接合部端子50の突起部50Cを覆い、コイル端末線の導体40の先端部40Aと接合部端子50の突起部50Cが溶着する。
このように接合部端子50の突起部50Cの幅を広げてコイル端末線の導体40との断面積を同等にすることにより、接合部強度と通電面積が確保でき、製品性能を満足することができる。
なお、本実施例においては、溶接方法として、TIG溶接を例にとって説明したが、TIG溶接方法以外の方法としては、電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法を用いても良く、この電子ビーム溶接方法やプラズマ溶接方法によってもTIG溶接による溶接方法同様に溶接することができる。
本発明は、回転電機以外のバスバーと端末線を接合するものにも適用可能である。
回転電機用ステータコイルの端末線と接合部端子の突起部とをTIG溶接した場合の例を示す図。 複数のコイル端末線の導体を接合部端子に添わせる場合、接合部端子がコイル端末線の導体を複数本持ちの場合の例を示す図。 コイル端末線の導体が太く、接合部端子に薄板を用いた場合のかしめの状態を示す例を示す図。
符号の説明
1,10,11,40………………………………………導体
1A,40A…………………………………………………先端部
2,20,50………………………………………………接合部端子
2A,2B,20A,20B,50A,50B…………挟持部
2C,20C,50C………………………………………突起部
3………………………………………………………………溶融部
30……………………………………………………………撚線導体

Claims (4)

  1. コイル端末線の導体と接合部端子とを接合する接合部端子構造において,
    帯板状の接合部端子を有し,
    前記接合部端子の幅方向両側に該接合部端子の先端を突出させ突起部を形成するとともに該接合部端子に挟持部を形成してなり,
    前記コイル端末線の導体の絶縁皮膜を予め剥離した導体を前記接合部端子に添わせ、該コイル端末線の導体を前記挟持部によって多角形または円柱状にかしめ保持し、前記接合部端子の突起部とコイル端末線の導体とをアーク溶接することを特徴とするコイル端末線と接合部端子の接合部端子構造。
  2. 請求項1記載のコイル端末線の導体と接合部端子の接合部端子構造において,
    前記接合部端子に挿入される前記コイル端末線は、単数または複数本持ちであることを特徴とするコイル端末線と接合部端子の接合部端子構造。
  3. 請求項1記載のコイル端末線の導体と接合部端子の接合部端子構造において,
    前記接合部端子の突起部は,
    前記挟持部の内周に挟持する前記コイル端末線の導体と同等の断面積となるように、多角形もしくは円柱状に成形することを特徴とするコイル端末線と接合部端子の接合部端子構造。
  4. 請求項1記載のコイル端末線の導体と接合部端子の接合部端子構造において,
    前記接合部端子の前記挟持部による前記コイル端末線の導体をかしめるかしめ位置は,
    前記接合部端子と前記コイル端末線の導体とを溶接する溶接位置と異なる位置にしたものであるコイル端末線と接合部端子の接合部端子構造。
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