JP2011113676A - フレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法および端子 - Google Patents

フレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法および端子 Download PDF

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章一 野村
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Abstract

【課題】絶縁被覆を剥がさずに、簡単な設備と工程でフレキシブルフラットケーブル(FFC)の導体と端子とを電気的に接続することのできる方法を提供する。
【解決手段】平板状の基板3に2つの凸部4、5を形成した端子1を使用し、端子の基板をFFC10の一方の面に重ねて配置し、端子の基板の2つの凸部のある位置の背面(上面)にそれぞれ2つの電極21、22を配置する。電極により基板をFFCに押圧させながら、電極間に通電することにより端子に電流を流して端子をジュール熱で発熱させ、それにより凸部の接触する部分のFFCの絶縁被覆12を溶解させ、凸部をFFCの導体に接触させる。引き続いて電極間に通電して凸部間に導体を通して電流を流すことで、凸部と導体との接触点を抵抗溶接する。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法、および、その方法の実施に使用する端子に関するものである。
平形の導体を複数並べて樹脂製の絶縁被覆で覆ったフレキシブルフラットケーブル(以下、略して「FFC」と言うこともある)にコネクタ等の端子を接続する方法として、必要部位の絶縁被覆を剥がした後に、露出した導体に直接端子を半田付けや溶接により接続する方法がある。溶接の方法としては、例えば抵抗溶接(スポット溶接等)が主に利用されている。
このように絶縁被覆を剥がしてから端子を導体に接続する方法は、絶縁被覆を剥がす工程と端子を導体に溶接等により接続する工程の2工程が必要であり面倒である。そこで、FFCの絶縁被覆を剥がさずに、端子をFFCの導体に電気的に接続する方法が開発されている。
その方法の一つの例として、端子に針状または爪状の突き刺し突起を設けておき、それを絶縁被覆の上から導体に突き刺すことで、端子を接続するピアッシングと呼ばれる方法がある。
また、別の例として、特許文献1に記載のように、端子をFFCの一方の面に配置し、FFCと端子を同時に剪断して切り起こし部分を形成し、その切り起こし部分を潰すことで端子と導体を接続する方法がある。
また、さらに別の例として、特許文献2に記載のように、FFCと端子を重ねて超音波溶接装置のホーンとアンビルの間に挟み込み、ホーンとアンビルでFFCと端子を加圧しながら、超音波振動を加えることによりFFCの絶縁被覆を加熱・溶解して、FFCの導体に端子を直接接触させ、さらなる超音波振動により端子と導体を溶接する方法がある。
特開2007−265720号公報 特開2009−87831号公報
しかしながら、上述した従来のFFCの絶縁被覆を剥がさずに端子をFFCの導体に電気的に接続する方法は、次のような問題を有していた。
まず、ピアッシングと呼ばれる接続方法は、予め端子に突き刺し突起を設けておく必要があるので、端子の形状が複雑になりコストアップにつながりやすく、さらに接続した状態においてFFCの導体と端子が単に接触しているだけであるから、接続が不安定となりやすいという問題があった。また、特許文献1に記載の接続方法は、FFCと端子を同時に剪断した上で、剪断によって形成した切り起こし片を潰す必要があるために、作業工程や作業設備が複雑になりやすいという問題があった。また、特許文献2に記載の接続方法は、超音波溶接装置を使用する必要があるので、設備が複雑になりやすいという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁被覆を剥がさずに、簡単な設備と工程で、しかも低コストでフレキシブルフラットケーブルの導体と端子とを電気的に接続することのできる方法、および、その方法に使用する端子を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る接続方法は、下記(1)を特徴としている。
(1) 平形の導体を並べて樹脂製の絶縁被覆で覆ったフレキシブルフラットケーブルに対して端子を電気的に接続するフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法において、
前記端子として、先端側に相手端子に対する電気接続部を有し、後端側に前記フレキシブルフラットケーブルに接続するための平板状の基板を有し、且つ該基板の一方の板面に互いに離間した2つの凸部を有した端子を使用し、この端子の基板を前記フレキシブルフラットケーブルの一方の面に重ねて配置し、該フレキシブルフラットケーブルの前記導体と重なる位置に前記2つの凸部が当たるように位置決めする工程と、
該工程後に、前記端子の基板の2つの凸部のある位置の背面にそれぞれ、該基板に接触させた状態で2つの電極を配置し、該2つの電極により前記基板を前記フレキシブルフラットケーブルに対して押圧させながら、該2つの電極間に通電することにより前記端子に電流を流して該端子をジュール熱で発熱させ、それにより前記凸部の接触する部分の前記フレキシブルフラットケーブルの絶縁被覆を溶解させて、前記凸部を前記フレキシブルフラットケーブルの導体に接触させる工程と、
該工程に引き続いて更に前記2つの電極間に通電し、前記2つの凸部間に前記導体を通して電流を流すことで、前記2つの凸部と導体との接触点を抵抗溶接する工程と、
を具備すること。
(2) 上記(1)の構成の接続方法において、
前記2つの凸部が、前記フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有する互いに略平行な凸条として形成されていること。
上記(1)の構成の接続方法によれば、端子の基板の一方の板面に設けた2つの凸部をフレキシブルフラットケーブルの一方の面に当て、その状態で凸部を設けた位置の背面に配した2つの電極により、基板をフレキシブルフラットケーブルに対して押圧させながら電極間に電流を流すだけで、ジュール熱によって絶縁被覆を溶かした上で端子の凸部を導体に溶接することができるので、従来例と比べて工程や設備を簡素化して低コスト化が図れると共に、接続状態を安定化することができる。また、端子の基板をフレキシブルフラットケーブルの一方の面に配置し、その上から電極を押し当てながら電極間に電流を流すだけでよいから、片面だけの作業で簡単にすむ。また、ここで使用する端子は、基板に凸部を設けただけのものであるから、端子とフレキシブルフラットケーブルの接続部の高さを抑えることができる。
上記(2)の構成の接続方法によれば、端子の基板に設けた2つの凸部が、フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有する互いに略平行な凸条として形成されているので、電極やフレキシブルフラットケーブルに対して安定した姿勢で端子を保持することができる。また、点状の凸部と比べて、フレキシブルフラットケーブルの導体に対する端子の接触面積を大きくすることができるので、接続の安定化を図ることができる。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子は、下記(3)を特徴としている。
(3) 上記(1)の構成のフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法に使用される端子であって、
先端側に相手端子に対する電気接続部を有し、後端側に前記フレキシブルフラットケーブルに接続するための平板状の基板を有すると共に、該基板の一方の板面に互いに離間した2つの凸部を有し、該2つの凸部が、前記フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有した互いに略平行な凸条として形成されていること。
上記(3)の構成の端子によれば、基板の一方の板面に設けた2つの凸部をフレキシブルフラットケーブルの一方の面に当て、その状態で凸部を設けた位置の背面に配した2つの電極により、基板をフレキシブルフラットケーブルに対して押圧させながら電極間に電流を流すだけで、ジュール熱によって絶縁被覆を溶かした上で端子の凸部を導体に溶接することができる。従って、フレキシブルフラットケーブルとの接続の容易化に寄与することができる。また、基板に凸部を設けただけのものであるから、フレキシブルフラットケーブルと接続した場合の接続部分の高さを抑えることができる。また、2つの凸部は、フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有する互いに略平行な凸条として形成してあるので、電極やフレキシブルフラットケーブルに対して安定した姿勢で基板を保持することができるし、点状の凸部と比べて、フレキシブルフラットケーブルの導体に対する基板の接触面積を大きくすることができるので、接続の安定化を図ることができる。
本発明によれば、電極間に電流を流すだけで、フレキシブルフラットケーブルの絶縁被覆を溶かした上で端子を導体に溶接することができる。従って、従来例と比べて工程や設備を簡素化して低コスト化が図れると共に、接続状態を安定化することができる。また、端子の基板をフレキシブルフラットケーブルの一方の面に配置し、その上から電極を押し当てながら電極間に電流を流すだけでよいから、片面だけの作業で簡単にすむ。また、ここで使用する端子は、基板に凸部を設けただけのものであるから、端子とフレキシブルフラットケーブルを接続した部分の薄型化が図れる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の実施形態の接続方法に使用する端子の構成を示す斜視図である。 (a)〜(c)は同実施形態の接続方法の工程説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は実施形態の接続方法に使用する端子の構成を示す斜視図、図2(a)〜(c)は同実施形態の接続方法の工程説明図である。
本実施形態の端子の接続方法は、平形の導体11を複数並べて樹脂製の絶縁被覆12で覆ったフレキシブルフラットケーブル(FFC)10に対して端子を電気的に接続する方法であり、図1に示すような構成の端子1を使用する。
この端子1は、先端側に相手端子に対する電気接続部2を有すると共に、後端側にフレキシブルフラットケーブル10に接続するための平板状の基板3を有している。また、基板3の一方の板面には、互いに離間した2つの凸部4、5が、背面からのプレスによって形成されている。この場合の2つの凸部4、5は、フレキシブルフラットケーブル10の導体11の幅に対応する長さを有する、互いに略平行な断面半円状の凸条として形成されており、共に端子1の長手方向と直交する方向に延びている。
この端子1をフレキシブルフラットケーブル10に接続する場合は、まず、図2(a)に示すように、端子1の基板3をフレキシブルフラットケーブル10の一方の面に重ねて配置し、フレキシブルフラットケーブル10の導体11と重なる位置に2つの凸部4、5が当たるように位置決めする。
次に、図2(b)に示すように、支持台25の上にフレキシブルフラットケーブル10を載せると共に、端子1の基板3の2つの凸部4、5のある位置の背面(上面)にそれぞれ、基板3に接触させた状態で2つの電極21、22を配置する。そして2つの電極21、22により基板3をフレキシブルフラットケーブル10に対して押圧させながら、2つの電極21、22間に通電することにより、端子1の基板3に矢印Aの経路で電流を流して、端子1をジュール熱で発熱させ、それにより凸部4、5の接触する部分のフレキシブルフラットケーブル10の絶縁被覆12を溶解させて、凸部4、5をフレキシブルフラットケーブル10の導体11に接触させる。
次に、引き続いて更に2つの電極21、22間に通電し、2つの凸部4、5間に導体11を通して矢印Bの経路で電流を流すことで、2つの凸部4、5と導体11との接触点を抵抗溶接する。以上の工程を経ることにより、端子1をフレキシブルフラットケーブル10に電気的に接続することができる。
このように、端子1の基板3の一方の板面に設けた2つの凸部4、5をフレキシブルフラットケーブル10の一方の面に当て、その状態で凸部4、5を設けた位置の背面に配した2つの電極21、22により、基板3をフレキシブルフラットケーブル10に対して押圧させながら電極21、22間に電流を流すだけで、ジュール熱によって絶縁被覆12を溶かした上で端子1の凸部4、5を導体11に溶接することができるので、従来例と比べて、工程や設備を簡素化して低コスト化が図れると共に、接続状態を安定化することができる。また、端子1の基板3をフレキシブルフラットケーブル10の一方の面に配置し、その上から電極21、22を押し当てながら電極21、22間に電流を流すだけでよいから、片面だけの作業で簡単にすむ。また、ここで使用する端子1は、基板3に2つの凸部4、5を設けただけのものであるから、端子1とフレキシブルフラットケーブル10の接続部分の高さを抑えることができる。
また、本実施形態では、端子1の基板3に設けた2つの凸部4、5が、フレキシブルフラットケーブル10の導体11の幅に対応する長さを有した、互いに略平行な断面半円状の凸条として形成されているので、電極21、22やフレキシブルフラットケーブル10に対して安定した姿勢で端子1を保持することができる。また、点状の凸部と比べて、フレキシブルフラットケーブル10の導体11に対する端子1の接触面積を大きくすることができるので、接続の安定化を図ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。例えば、凸部4、5を点状に設けてもよい。
1 端子
2 電気接続部
3 基板
4、5 凸部
10 フレキシブルフラットケーブル
11 導体
12 絶縁被覆
21、22 電極

Claims (3)

  1. 平形の導体を並べて樹脂製の絶縁被覆で覆ったフレキシブルフラットケーブルに対して端子を電気的に接続するフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法において、
    前記端子として、先端側に相手端子に対する電気接続部を有し、後端側に前記フレキシブルフラットケーブルに接続するための平板状の基板を有し、且つ該基板の一方の板面に互いに離間した2つの凸部を有した端子を使用し、この端子の基板を前記フレキシブルフラットケーブルの一方の面に重ねて配置し、該フレキシブルフラットケーブルの前記導体と重なる位置に前記2つの凸部が当たるように位置決めする工程と、
    該工程後に、前記端子の基板の2つの凸部のある位置の背面にそれぞれ、該基板に接触させた状態で2つの電極を配置し、該2つの電極により前記基板を前記フレキシブルフラットケーブルに対して押圧させながら、該2つの電極間に通電することにより前記端子に電流を流して該端子をジュール熱で発熱させ、それにより前記凸部の接触する部分の前記フレキシブルフラットケーブルの絶縁被覆を溶解させて、前記凸部を前記フレキシブルフラットケーブルの導体に接触させる工程と、
    該工程に引き続いて更に前記2つの電極間に通電し、前記2つの凸部間に前記導体を通して電流を流すことで、前記2つの凸部と導体との接触点を抵抗溶接する工程と、
    を具備することを特徴とするフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法。
  2. 前記2つの凸部が、前記フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有する互いに略平行な凸条として形成されていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法。
  3. 請求項1に記載のフレキシブルフラットケーブルに対する端子の接続方法に使用される端子であって、
    先端側に相手端子に対する電気接続部を有し、後端側に前記フレキシブルフラットケーブルに接続するための平板状の基板を有すると共に、該基板の一方の板面に互いに離間した2つの凸部を有し、該2つの凸部が、前記フレキシブルフラットケーブルの導体の幅に対応する長さを有した互いに略平行な凸条として形成されていることを特徴とするフレキシブルフラットケーブルに接続するための端子。
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