JP2015028295A - 止水構造およびその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非開削工法により構築されたトンネル覆工と、別工程で構築された地下躯体との間を止水する。
【解決手段】非開削工法により構築されたトンネル覆工20と、このトンネル覆工20と別工程の開削工法により構築された地下躯体25とを組み合わせてなる地中構造物1における、トンネル覆工20と地下躯体25との間の止水構造30であって、トンネル長手方向に隣り合うリング(トンネル函体22,22)間に止水部材31を挟むとともに、止水部材31の一端(露出部33)をトンネル覆工20の表面から露出させ、地下躯体25の底版部13または頂版部12の少なくとも一方を覆う防水シート35の端部(垂下部分35a)を、トンネル覆工20の表面および止水部材31の露出した部分と面接触させたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、地中構造物の止水構造およびその構築方法に関する。
複数本の小断面トンネルを構築した後に、各トンネルの不要な覆工を撤去して大きな空間を形成しつつ、各トンネルの残置された覆工を利用して本設の頂底版や側壁などを形成することにより大断面トンネルを築造する技術が知られている。
隣り合う二つのトンネル間のシール構造としては、後行トンネルのうちの、先行トンネルに対向する外表面に、推進方向に沿って弾性シール部材を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。弾性シール部材は、後行トンネルの外表面に固定されるベース部と、このベース部と一体的に形成され先端が大断面トンネルの外側に向いたリップ部とを備えてなる。リップ部は、大断面トンネルの外側の圧力によって先行トンネルの外表面に向かって付勢されるものである。
特開2010−133100号公報
ところで、非開削工法にてトンネル覆工を構築した後に、トンネル覆工の隣に例えば開削工法にて地下躯体を構築して、トンネル覆工と地下躯体とを接続して地中構造物を構築する新規な工法が開発されている。このような工法においては、セグメントを備えたトンネル覆工と地下躯体との間を止水する止水構造が必要となるが、前記のような弾性シール部材では設置することができない。
このような観点から、本発明は、非開削工法により構築されたトンネル覆工と、別工程で構築された地下躯体との間を止水する止水構造およびその構築方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するための請求項1に係る発明は、非開削工法により構築されたトンネル覆工と、このトンネル覆工と別工程の開削工法により構築された地下躯体とを組み合わせてなる地中構造物における、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間の止水構造であって、トンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を挟むとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面から露出させ、前記地下躯体の底版部または頂版部の少なくとも一方を覆う防水シートの端部を、前記トンネル覆工の表面および前記止水部材の露出した部分と面接触させたことを特徴とする止水構造である。
また、請求項2に係る発明は、非開削工法により構築されたトンネル覆工と、このトンネル覆工と別工程の開削工法により構築された地下躯体とを組み合わせてなる地中構造物における、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間の止水構造であって、前記止水構造はトンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を挟む挟持部を有するとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面から露出させる露出部を有し、前記地下躯体を覆う防水シートの端部を、前記トンネル覆工の表面および前記露出部と面接触させ、前記止水部材は断面T字状を呈しており、前記露出部が前記挟持部の外側端部からトンネル長手方向前後にそれぞれ広がっていることを特徴とする止水構造である。
本発明における「リング」とは、主としてシールド工法および推進工法にて構築されるセグメントリング(複数のセグメントピースを組み立てて形成したものや筒状の函体)を示す。また、リングは、円形断面に限定されるものではなく、矩形等の異形断面のものも含む。
前記構成によれば、水みちが発生しやすいリング同士の接合部の表面で止水部材を露出させて防水シートと面接触させたので、「面」でシールすることができ、シール性能を向上させることができる。
請求項3に係る発明は、非開削工法にて構築したトンネル覆工の隣に地下躯体を構築する際に、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間に形成される止水構造の構築方法であって、前記トンネル覆工の構築時にトンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を配置するとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面に露出させる止水部材設置工程と、前記止水部材の露出した部分を覆うカバーを設置する養生工程と、前記地下躯体の構築時に前記カバーを除去するカバー除去工程と、前記地下躯体の底版部または頂版部の少なくとも一方を覆う防水シートを、その端部が前記トンネル覆工の表面および前記止水部材の露出した部分と面接触するように設置する防水シート設置工程とを備えたことを特徴とする止水構造の構築方法である。
このような方法によれば、水みちが発生しやすいリング同士の接合部の表面で止水部材を露出させて防水シートと面接触させたので、「面」でシールすることができ、シール性能を向上させることができる。さらに、養生工程でカバーを設置したことで、トンネル覆工の構築時に止水部材を保護することができる。
本発明に係る止水構造および止水方法によれば、非開削工法により構築されたトンネル覆工と、開削工法により構築された地下躯体との間を止水することができる。
本発明の実施形態に係る止水構造の完成した状態を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る止水構造を示した分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る止水構造のトンネル函体の推進時の状態を示した分解斜視図である。 防水シートのリングへの取り付け状態を示した図であって、(a)は第一実施形態を示した断面図、(b)は第二実施形態を示した断面図である。 止水部材のトンネル函体の推進時の状態を示した断面図である。 非開削工法にてトンネル覆工を構築した後に、トンネル覆工の隣に開削工法にて地下躯体を構築して、トンネル覆工と地下躯体とを接続して地中構造物を構築するトンネル構築方法を説明するための第一工程説明図である。 図6に続く第二工程説明図である。 図7に続く第三工程説明図である。 図8に続く第四工程説明図である。 図9に続く第五工程説明図である。 本発明の他の実施形態に係る止水構造の止水部材のトンネル函体の推進時の状態を示した断面図である。
本発明の実施形態に係る止水構造は、非開削工法により構築されたトンネル覆工と、その後工程で構築された地下躯体とを組み合わせてなる地中構造物における、トンネル覆工と地下躯体との間(境界面)の止水構造である。まず、前記地中構造物の構築方法の概略を添付した図面を参照しながら説明する。本実施形態では、非開削工法として推進工法にてトンネル覆工を構築する場合を例に挙げて説明する。また、本実施形態では、地下躯体は開削工法にて構築されている。
かかる地中構造物1は、図11に示すように、一部(トンネル覆工20)が既存建物2の下方に位置し、残部(地下躯体25)が開削可能な地盤3(以下、「開削地盤3」と言う)の内部に位置するものである。
この地中構造物1を構築するに際しては、図6に示すように、まず、開削地盤3の幅(開削幅)方向両側に土留杭4を打設する(土留杭打設工)。そして、大断面トンネル10(図10参照)の一部となるトンネル覆工20(以下、「本設トンネル覆工20」という場合がある)を構築するための小断面トンネル21,21を、推進工法によって複数形成する(図6参照)。具体的には、地盤改良された周辺地盤6の内側に、2つの小断面トンネル21,21を下から順次構築して、縦方向に並列させる。なお、小断面トンネル21の構築工法は、推進工法に限定されるものではなく、シールド工法など他の工法を採用してもよい。
その後、小断面トンネル21のトンネル函体22の一部を型枠として利用して、コンクリートを打設し、大断面トンネル10(図10参照)の片側の側壁部11a、頂版部12の一部12a、底版部13の一部13aを形成する(本設トンネル覆工構築工)。これと同時に、頂版部12と底版部13との間に、スラブ受け仮柱14を架け渡して設ける。スラブ受け仮柱14は、頂版部12の一部12aを支持する。
そして、図7に示すように、開削地盤3を上部から掘削した(掘削工)後、土留杭4,4間に土留支保工(腹起しおよび切梁)15を設ける(土留工)。土留支保工15は、上下方向に四段並列され、トンネル長手方向に所定の間隔で複数個所に設けられる。
その後、図8に示すように、掘削した地盤上に、均しコンクリート16を打設する(均しコンクリート打設工)。そして、大断面トンネル10の内空部の高さに位置する土留支保工15(図7参照)を撤去して(土留支保工撤去工)、本設トンネル覆工20の内空断面に干渉する土留杭4を切断して撤去する(土留杭切断撤去工)。さらに、側壁部11、頂版部12および底版部13から突出しているトンネル函体22の鋼殻22h(図7参照)を切断して撤去する(鋼殻切断撤去工)。その後、本実施形態に係る止水構造30(図1乃至図4参照)の一部となる防水シート35(図2参照)を均しコンクリート16上に敷設する。なお、止水構造30の構成および形成手順は後記する。
そして、図9に示すように、防水シート35(図2参照)を敷設した均しコンクリート16の上部に、地下躯体25を構築する(躯体構築工)。このとき、地下躯体25は、大断面トンネル10の底版部13の一部13b、片側(トンネル覆工20側とは逆側)の側壁部11b、頂版部12の一部12bの順にコンクリートを順次打設して構築される。頂版部12の一部12bが完成したならば、その上面から頂版部12の一部12aの側面にかけて、防水シート(図示せず)を敷設し、底版部13と同様に、本実施形態に係る止水構造を形成する。防水シートは、底版部13から側壁部11b、頂版部12にかけて繋がっており、止水ラインが確保されている。
その後、図10に示すように、地下躯体25の上方に位置する土留支保工15(図9参照)を撤去して(土留支保工撤去工)、地下躯体25の上方に土砂を埋め戻す(埋戻工)。そして、埋め戻した地盤表面を適宜仕上げ施工し、大断面トンネル10の構築作業が完了する。
次に、本発明の実施形態に係る止水構造30の構成を説明する。止水構造30は、非開削工法により構築されたトンネル覆工20と、このトンネル覆工よりも後工程で構築された地下躯体25とを組み合わせてなる地中構造物1(図10参照)における、トンネル覆工20と地下躯体25との間の止水構造である。以下においては、底版部13における止水構造を説明するが、頂版部12においても同様の構成の止水構造を形成する。頂版部12では上下反転した構成となる。
前記したように推進工法にて構築されたトンネル覆工20は、図2に示すように、複数のリング(トンネル函体22)を推進方向に連設して形成したものである。なお、本実施形態における「リング」は、推進工法にて用いられる角筒状のトンネル函体22である。リングは、最終的に一部(地下躯体25側)が切除されて開口した形状となる。
図1および図2に示すように、リング(トンネル函体22)は、主桁にて形成される枠状フレーム22aと、鋼製のスキンプレート22bを有している。スキンプレート22bは、枠状フレーム22aの外面に固定されてトンネル函体22の外周表面を覆っている。スキンプレート22bは、トンネル覆工20の表面を構成する。スキンプレート22bの、止水部材31が設けられる位置には、切欠部26が形成されている。
図1に示すように、トンネル長手方向に隣り合うリング間(トンネル函体22,22間)には、止水部材31が配置されて挟まれており、止水部材31の一端がトンネル覆工20の表面に露出している。トンネル函体22の下部の表面(側面)には、防水シート35が被せられる。防水シート35は、均しコンクリート16(図10参照)上に敷設されており、後の工程で構築される地下躯体25(図10参照)を下側から覆う。図2に示すように、防水シート35のトンネル函体22側の端部は、垂れ下がっている。以下において、防水シート35の端部の垂れ下がった部分を「垂下部分35a」、防水シート35の均しコンクリート16上の部分を「水平部分35b」という。防水シート35の垂下部分35aは、トンネル函体22の下部の表面を覆うように被せられており、トンネル函体22の表面および止水部材31の露出した部分と面接触する。なお、均しコンクリート16のトンネル覆工20側の端部は、角部が面取りされており(図4参照)、面取りされて形成された空間において、後記する押さえ板36の固定作業等を行う。
図1に示すように、止水部材31は、トンネル函体22の枠状フレーム22a間に配置される挟持部32と、挟持部32から屈曲してトンネル覆工20の表面に沿って配置される露出部33とを備えている。挟持部32と露出部33は、ともに矩形の弾性樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂やエポキシ樹脂)の板材からなり、挟持部32と露出部33とを一体形成して、止水部材31が形成されている。挟持部32の外側端部は、露出部33の中央部に固定されており、止水部材31は、断面T字状を呈している。露出部33は、挟持部32の外側端部から推進方向前後にそれぞれ広がっている。
挟持部32は、枠状フレーム22aに形成された凹部23に入り込んで、互いに対向する枠状フレーム22a,22aに挟持されている。凹部23は、隣接するトンネル函体22の継手面(枠状フレーム22aの互いに対向する面)に形成されている。凹部23は、挟持部32の高さと同等の高さ寸法(図1の紙面表裏方向)と、挟持部32の厚さの半分程度の深さ寸法(推進方向方向深さ)とを有しており、二つの凹部23が向かい合わさることで、挟持部32を収容する空間が形成される。凹部23の底面には上下方向に延在するシール溝23aが形成されている。シール溝23aには弾性シール24が圧縮状態で収容されており、弾性シール24が挟持部32の表面とシール溝23aの表面を押圧することでトンネル函体22の内外間を止水している。このシール溝23aは、凹部23が形成されていない部分(凹部23の上側および下側)では、枠状フレーム22aの継手面に形成されている(図2参照)。
露出部33は、推進方向の前後に広がっている。露出部33は、スキンプレート22bの切欠部26に入り込む。切欠部26の内側には、枠状フレーム22aに固定されたブラケット22dが配置されている。ブラケット22dは、切欠部26を内側から覆う部材であり、切欠部26の内周縁部が溶接されて固定されている。露出部33は、スキンプレート22bと同等程度の厚さに形成されており、露出部33の表面とスキンプレート22bの表面が面一になっている。なお、露出部33は、防水シート35に覆われて押圧・圧縮された状態でスキンプレート22bの表面と面一となっていればよく、最初にトンネル函体22間に設置された状態ではスキンプレート22bの表面よりも若干突出している場合もある。露出部33の周縁部と切欠部26との間に発生する隙間には、シール材34が充填されている。このシール材34は、防水シート35を設置する際に充填される。
図2に示すように、防水シート35の垂下部分35aは、露出部33を覆う高さ範囲で、トンネル覆工20の軸方向に沿って延在して面接触している。防水シート35は、トンネル覆工20の表面および露出部33の表面に接着剤を介して接着されている。垂下部分35aの地下躯体25(図10参照)側には、押さえ板36が設けられている。押さえ板36は、防水シート35の垂下部分35aをトンネル覆工20の表面および止水部材31の露出部33に押し付けるものである。押さえ板36は、露出部33の表面を覆う位置に配置されており、ボルト37によってスキンプレート22bに固定される。
図1に示すように、ボルト37は、押さえ板36の貫通孔36a、防水シート35の貫通孔35cを貫通して、スキンプレート22bのネジ孔22eおよび袋ナット22fに螺合する(拡大図部分参照)。なお、防水シート35の貫通孔35c周りには、水膨潤ワッシャ(図示せず)が装着されている。ボルト37の締め付け作業は、均しコンクリート16の面取りによって形成された空間(図4参照)において行われる。ボルト37の締付けによって、押さえ板36が、トンネル覆工20の表面に押圧され、防水シート35が、トンネル覆工20の表面および止水部材31の露出部33に押し付けられる。そして、防水シート35が露出部33の表面およびスキンプレート22bの表面に面的に密着する(面タッチする)こととなる。
押さえ板36を固定した後には、図4の(a)に示すように、均しコンクリート16の面取りによって形成された空間にはモルタルなどの埋戻し材39が埋め戻される。埋戻し材39は、均しコンクリート16の上端面と同じ高さまで埋め戻され、その上に防水シート35の水平部分35bが配置される。そして、防水シート35の水平部分35bの上に地下躯体25が構築されている。
なお、本実施形態では、露出部33を覆う高さ位置に押さえ板36を配置しているが、配置位置はこれに限定されるものではなく、図4の(b)に示すように、止水部材31より下方の位置で防水シート35を押えるように配置してもよい。このように配置した場合であっても、防水シート35とスキンプレート22bの表面との密着性を高めることができる。
また、本実施形態では、押さえ板36を設けて、防水シート35とトンネル覆工20の表面および露出部33の表面との密着性を高めているが、これに限定されるものではない。例えば、接着剤で防水シートをトンネル覆工の表面および露出部の表面に接着してもよい。なお、露出部33の裏面を、枠状フレーム22aの外周面とスキンプレート22bの表面に接着すれば、押さえ板を省略することができる。
次に、前記構成の止水構造30の構築方法を説明する。推進工法(非開削工法)にてトンネル覆工20を構築するときに、図5に示すように、トンネル長手方向に隣り合うトンネル函体22間に止水部材31の挟持部32を挟むとともに、露出部33をトンネル函体22の表面から露出させる(止水部材設置工程)。このとき、露出部33は、スキンプレート22bに形成された切欠部26に露出部33が入り込んで、露出部33の表面とスキンプレート22bの表面が面一になっている。
そして、止水部材31の露出した部分である露出部33を覆うカバー40を設置して露出部33を保護・養生する(養生工程)。カバー40は、鉄板にて構成されており、露出部33の表面積より大きい長方形を呈している。カバー40は、その四隅に配置される皿ボルト41によって、スキンプレート22bに固定される。皿ボルト41は、露出部33の四隅よりも外側に配置され、カバー40の四隅に形成されたテーパ孔27aおよびスキンプレート22bに形成された貫通孔27bを貫通して、ブラケット22dに形成されたネジ穴27cに螺合する。このとき、皿ボルト41の頭部はカバー40の表面と面一となっており、エントランス通過時などにおける段差の影響を最小限に抑えている。カバー40のテーパ孔27aは、蛇行による前後のトンネル函体22,22同士のずれを考慮して、縦方向に長い長孔状のものと、横方向に長い長孔状のものが形成されている。具体的には、推進方向一端(図3中、左側)の上下一対のテーパ孔27aが縦長に形成され、推進方向他端(図3中、右側)の上下一対のテーパ孔27aが横長に形成されている。
この状態で、各トンネル函体22を推進させて小断面トンネル21を構築する。このとき、止水部材31は、カバー40によって覆われているので、地山に露出されておらず、地山に接触、摺動しない。したがって、露出部33の表面が傷付くことがなく、その平坦性を維持することができる。
なお、カバー40は前記の構成に限定されるものではなく、他の構成であってもよい。例えば、露出部33を保護モルタルで覆ったり、強度の大きいテープを露出部33の表面に貼り付けたり、ブリキ板などで覆うようにしてもよい。このような構成によれば、ネジ孔が不要となり、止水部材31周りの構成が単純になる。
その後、前記した各工程を経て、地下躯体25を構築する工程の中で、均しコンクリート16を設置した後に、カバー40をトンネル覆工20から除去する(カバー除去工程)。この作業は、均しコンクリート16の面取りによって形成された空間において行われる。カバー40を取り外すと、スキンプレート22bの表面と面一の露出部33が露出される。このとき、露出部の表面は、平坦性が高い状態が保持されている。ここで、スキンプレート22bの切欠部26の内周縁と、露出部33の外周縁との隙間にシール材34を充填する。シール材34は、スキンプレート22bの表面および露出部33の表面と面一になるように充填する(図1参照)。
その後、防水シート35を、その垂下部分35aがトンネル覆工20の表面および止水部材31の露出部33と面接触するように設置する(防水シート設置工程)。具体的には、防水シート35の垂下部分35aをトンネル覆工20の所定位置に設置して、接着剤で接着するとともに、その表面側から押さえ板36を取り付ける。ここでボルト37を締め付けることで、押さえ板36がトンネル覆工20に押し付けられ、防水シート35が、トンネル覆工20の表面および止水部材31の露出部33に押し付けられる。このとき、トンネル覆工20の表面と止水部材31の露出部33の表面は面一になっているので、段差が発生せず、防水シート35を容易に密着させることができる。なお、スキンプレート22bの表面は推進時に若干の摺動傷がつくが、トンネル函体22,22間の接合部のように水みちが発生しないので、止水性は確保される。
そして、均しコンクリート16の面取りによって形成された空間に、モルタルなどの埋戻し材39を埋め戻す。その上に防水シート35の水平部分35bを配置する。同時に、水平部分35bを、均しコンクリート16上まで敷設する。そして、防水シート35の水平部分35bの上に地下躯体25を構築する。
以上のような構成の止水構造30によれば、水みちが発生しやすいトンネル函体22,22同士の接合部の表面で止水部材31を露出させて防水シート35と面接触させたことで、止水部材31と防水シート35との間にシール面を確保できる。これによって、接合部に水みちが発生したとしても、水みちの延長線上にシール面が位置し、水みちを「面」遮断してシールすることができ、シール性能を向上させることができる。また、止水部材31が板状の露出部33を有しているので、防水シート35との接触面積が大きくなり、シール面が広くなるため、止水性が向上する。さらに、押さえ板36で防水シート35を押えたことで、トンネル函体22の表面および露出部33の表面に対する防水シート35の密着性が高まり、止水性がより一層向上する。
また、本実施形態では、トンネル函体22の推進時に、露出部33を覆うカバー40を設置しているので、止水部材31を保護することができ、露出部33が地山と摺動することがない。これによって、露出部33の表面が傷付くことがなく、その平坦性を維持することができるので、防水シート35との密着性が高まり、止水性を向上させることができる。
以上のような止水構造30によれば、推進工法などの非開削工法により構築されたトンネル覆工20と、後工程で開削工法により構築された地下躯体25との間を止水することができる。これによって、大断面トンネル10の外部の地下水などが内部に浸入するのを防止できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態に係る止水構造30では、止水部材31が断面T字形状を呈しているが、これに限定されるものではない。例えば、断面L字形状であってもよい。このような形状であっても、防水シート35が露出部33と面的に接触できるので、十分な止水性を得ることができる。なお、止水部材を断面L字形状とする場合は、シールド工法でトンネルを構築する場合に適している。図11に示すように、止水部材31’を断面L字形状とするときは、カバー40’が、隣接するセグメントリング22’,22’のうち、後の工程で構築されるセグメントリング22’(図11中、右側)のみに設置される。これによって、先の工程で構築された既設のセグメントリング22’の外側にカバー40’を押し込まなくて済むので、施工が容易である。このような構成によっても、止水部材31’の表面を地山から保護することができる。
また、前記実施形態では、地下躯体25を開削工法によって構築しているが、これに限定されるものではなく、トンネル覆工20よりも後の工程で構築されるものであれば、非開削工法で構築されるものであってもよい。
1 地中構造物
20 トンネル覆工
22 トンネル函体(リング)
25 地下躯体
30 止水構造
31 止水部材
32 挟持部
33 露出部
35 防水シート
40 カバー

Claims (3)

  1. 非開削工法により構築されたトンネル覆工と、このトンネル覆工と別工程の開削工法により構築された地下躯体とを組み合わせてなる地中構造物における、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間の止水構造であって、
    トンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を挟むとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面から露出させ、
    前記地下躯体の底版部または頂版部の少なくとも一方を覆う防水シートの端部を、前記トンネル覆工の表面および前記止水部材の露出した部分と面接触させた
    ことを特徴とする止水構造。
  2. 非開削工法により構築されたトンネル覆工と、このトンネル覆工と別工程の開削工法により構築された地下躯体とを組み合わせてなる地中構造物における、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間の止水構造であって、
    前記止水構造はトンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を挟む挟持部を有するとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面から露出させる露出部を有し、
    前記地下躯体を覆う防水シートの端部を、前記トンネル覆工の表面および前記露出部と面接触させ、
    前記止水部材は断面T字状を呈しており、前記露出部が前記挟持部の外側端部からトンネル長手方向前後にそれぞれ広がっている、
    ことを特徴とする止水構造。
  3. 非開削工法にて構築したトンネル覆工の隣に地下躯体を構築する際に、前記トンネル覆工と前記地下躯体との間に形成される止水構造の構築方法であって、
    前記トンネル覆工の構築時にトンネル長手方向に隣り合うリング間に止水部材を配置するとともに、前記止水部材の一端を前記トンネル覆工の表面に露出させる止水部材設置工程と、
    前記止水部材の露出した部分を覆うカバーを設置する養生工程と、
    前記地下躯体の構築時に前記カバーを除去するカバー除去工程と、
    前記地下躯体の底版部または頂版部の少なくとも一方を覆う防水シートを、その端部が前記トンネル覆工の表面および前記止水部材の露出した部分と面接触するように設置する防水シート設置工程と、を備えた
    ことを特徴とする止水構造の構築方法。
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