JP2009174169A - 覆工コンクリートの防水構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】覆工コンクリートの表面に積層された防水シート10の縁部が、シールドトンネルに形成されている開口部の周囲に位置しているセグメント11の継手板11aと、該継手板にボルト締結された押さえ板15との間に水密裡に挟持されている。継手板の表面に取り付けられたシール材16がセグメントどうしの連結部において突き合わされ、その突き合わせ部にコーナーシール材17が接着されている。防水シートの縁部とシール材との間の隙間が段差修正材により塞がれたうえで、下層側の防水シートの縁部に上層側の防水シートの縁部が重ねられて双方の縁部どうしが溶着されている。
【選択図】図3
Description
これは、本線シールドトンネル1とランプシールドトンネル2とをいずれも在来のシールド工法により施工するとともに、それらの分岐合流部には予めシールドルーフ先受工3を施工し、その内側において本線シールドトンネル1を側方に拡幅することで分岐合流部となる地中空洞を掘削するものである。
なお、図8における符号7は開口部を形成する際の補強のための補剛材、8は改良ゾーン5を凍結工法により施工する場合の凍結管、9は最終的にルーフシールドトンネル4内に充填される充填材(充填コンクリート)である。
しかし、そのような構造の覆工コンクリート6の施工は必ずしも容易ではないし、覆工コンクリート6の外面側に単に防水シート10を設置することのみでは覆工コンクリート6に要求される防水性能を必ずしも確保できない場合もあるので、その点での改良が必要ともされている。
さらに、複数の防水シートがそれらの縁部どうしをラップさせた状態でシールドトンネルの軸方向に並べられ、かつ下層側の防水シートの縁部と前記継手板に取り付けられている前記シール材との間の隙間が段差修正材により塞がれたうえで、下層側の防水シートの縁部に上層側の防水シートの縁部が重ねられて双方の縁部どうしが溶着されていることが好ましい。
さらに、複数の防水シートがそれらの縁部どうしをラップさせた状態でルーフシールドトンネルの軸方向に並べられ、かつ下層側の防水シートの縁部と前記継手板に取り付けられている前記シール材との間の隙間が段差修正材により塞がれたうえで、下層側の防水シートの縁部に上層側の防水シートの縁部が重ねられて双方の縁部どうしが溶着されていることが好ましい。
また、防水シートの縁部どうしをラップさせる際に、下層側の防水シートの縁部とシール材との間に生じる段差を段差修正材により塞いだうえで、上層側の防水シートの縁部をラップさせて双方の防水シートの縁部どうしを溶着することにより、そこでの止水性能も向上させることができる。
本実施形態は特許文献1に示されるトンネル工法によって大規模な道路トンネルにおける分岐合流部を構築する際に適用されるものであるので、以下の説明において図7〜図8に示したものと同一構成要素については同一符号を付してある。
ルーフシールドトンネル4と改良ゾーン5とによるシールドルーフ先受工3を先行構築した後、まず図2に示すようにルーフシールドトンネル4間に覆工コンクリート6aを施工する。その際には、セグメント11の一部を解体撤去して開口部を形成するので、それに先立ちルーフシールドトンネル4内に適宜の支保工12を設置して補強する。開口部を形成するためのセグメント11の解体撤去は、セグメント11どうしを連結しているボルトを抜去することにより容易に行うことができる。
具体的には、図1に示したように掘削面に断熱板13および不織布14を取り付けたうえで防水シート10を積層し、図3〜図4に示すように防水シート10の縁部を開口部の周縁部に位置しているセグメント11の継手板11a(セグメント11どうしを周方向に連結するためのいわゆるピース間継手板)に対して密着させ、その外側に押さえ板15を当てて継手板11aに対してボルト締結することにより、継手板11aと押さえ板15との間に防水シート10の縁部を挟持する。
しかし、コーナー部においてわずかな隙間が生じてしまうことが懸念されるような場合には、シール材16どうしの突き合わせ部を覆うようにコーナーシール材17を予め接着すると良く、それによりセグメント11どうしの連結部における止水性能をより万全とすることができる。
また、上記のシール材16は継手板11aに予め取り付けられていたものをそのまま使用することでも良いが、そのシール材16が損傷していたり、あるいは水膨張性シール材を用いている場合には開口部を形成した時点で既にシール材16が膨張してしまっていることもあるので、そのような場合には新たなシール材16に交換したうえで防水シート10を連結すると良い。図4では予め取り付けられていたシール材16aをコーナー部を残して撤去し、そこに改めて新たなシール材16bを取り付けた状態を示している。
あるいは、開口部の形成予定位置に組み付けるセグメント11には、後段において解体撤去することを前提としてシール材16の装着を省略しておいても良く、その場合には防水シート10を連結するに先立って継手板11aの表面にシール材16を取り付ければ良い。
その場合、図5〜図6に示すように双方の防水シート10どうしのラップ部とシール材16との重ね合わせ部に生じる段差を段差修正材18により塞いでそこでの止水性能をより万全とすることが好ましい。
すなわち、図3(b)に示す状態から図5に示すように下層側の防水シート10(10a)を継手板11aに密着させた後、その防水シート10aの縁部とシート材16との重なり部をわずかに切り欠いてそこに段差修正材18を充填することにより、防水シート10aとシール材16との間に生じる隙間を塞ぎ、そのうえで図6に示すように上層側の防水シート10(10b)を重ね合わせて双方の縁部どうしを溶着すれば良い(符号19は溶着部を示す)。
段差修正材18としては各種のホットメルト接着剤が好適に採用可能である。防水シート10どうしの溶着は周知の溶着装置により機械的にかつ確実に行うことが可能である。
以降は、同様にして各ルーフシールドトンネル4間に順次あるいは同時並行作業により覆工コンクリート6aを構築していく。
さらに、図1(a)に示したようにルーフシールドトンネル4内にも、先行構築した覆工コンクリート6aと一体となるように覆工コンクリート6bを構築していくが、ルーフシールドトンネル4内への覆工コンクリート6bの施工に際しては防水シート10の設置は不要であり、後段で掘削される内側を除いてセグメントルーフシールドトンネル4内全体にコンクリートを充填すれば良い。
そして、最終的には全ての覆工コンクリート6a、6bの全体を連続させ、それら一連の覆工コンクリート6を本設あるいは仮設の覆工体としてその内側を掘削することにより、分岐合流部となる大規模な地中空洞を構築する。
たとえば、上記実施形態は大規模な道路トンネルにおける分岐合流部の構築に際しての適用例であるが、本発明はそのような場合に限らず、シールドトンネルのセグメントの一部を解体撤去してその外側に覆工コンクリートを一体に設ける場合全般に広く適用できるものである。
要は、シールドトンネルに形成した開口部の外側に覆工コンクリートを一体に設ける場合において、覆工コンクリートの表面に防水シートを積層してその縁部を開口部の周囲に位置しているセグメントの継手板に対して水密裡に連結すれば良いのであって、その限りにおいてシールドトンネルおよび覆工コンクリートの規模や構造、形態、用途、その他の要素については何ら限定されることなく任意である。
勿論、防水シートをセグメントに対して連結するための具体的な構成も、防水シートの縁部を継手板と押さえ板との間に強固に挟持する構成としてそこでの止水性を確保し得る限りにおいて様々に変更可能であるし、コーナーシール材や段差修正材についての具体的な構成はそれらを省略することも含めて任意である。
2 ランプシールドトンネル
3 シールドルーフ先受工
4 ルーフシールドトンネル(シールドトンネル)
5 改良ゾーン
6(6a、6b) 覆工コンクリート
7 補剛材
8 凍結管
9 充填材
10(10a、10b) 防水シート
11 セグメント
11a 継手板(ピース間継手板)
11b 継手板(リング間継手板)
12 支保工
13 断熱板
14 不織布
15 押さえ板
16(16a、16b) シール材
17 コーナーシール材
18 段差修正材
19 溶着部
Claims (6)
- シールドトンネルのセグメントの一部が解体撤去されて形成される開口部の外側に、前記シールドトンネルと一体に構築される覆工コンクリートの防水構造であって、
前記覆工コンクリートの表面に防水シートが積層されているとともに、該防水シートの縁部が、前記開口部の周囲に位置している前記セグメントの継手板と該継手板にボルト締結された押さえ板との間に水密裡に挟持されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。 - 請求項1記載の覆工コンクリートの防水構造であって、
前記継手板の表面にシール材が取り付けられ、かつ、前記シールドトンネルの軸方向に連結されているセグメントどうしの連結部において双方の継手板にそれぞれ取り付けられているシール材どうしが突き合わされて、それらシール材どうしの突き合わせ部にコーナーシール材が接着されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。 - 請求項2記載の覆工コンクリートの防水構造であって、
複数の防水シートがそれらの縁部どうしをラップさせた状態でシールドトンネルの軸方向に並べられ、かつ下層側の防水シートの縁部と前記継手板に取り付けられている前記シール材との間の隙間が段差修正材により塞がれたうえで、下層側の防水シートの縁部に上層側の防水シートの縁部が重ねられて双方の縁部どうしが溶着されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。 - 複数のルーフシールドトンネルが所定間隔で配列された状態で設けられ、該ルーフシールドトンネルの周囲の地盤が止水改良され、該ルーフシールドトンネルのセグメントの一部が解体撤去されて開口部が形成され、該開口部の外側の地盤が掘削されて隣接しているルーフシールドトンネル間にそれらルーフシールドトンネルと一体に構築される覆工コンクリートの防水構造であって、
前記覆工コンクリートの外面側に防水シートが積層され、該防水シートの両縁部が、それぞれ両側の前記開口部の周囲に位置している前記セグメントの継手板と該継手板にボルト締結された押さえ板との間に水密裡に挟持されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。 - 請求項4記載の覆工コンクリートの防水構造であって、
前記継手板の表面にシール材が取り付けられ、かつ、前記ルーフシールドトンネルの軸方向に連結されているセグメントどうしの連結部において双方の継手板にそれぞれ取り付けられているシール材どうしが突き合わされて、それらシール材どうしの突き合わせ部にコーナーシール材が接着されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。 - 請求項5記載の覆工コンクリートの防水構造であって、
複数の防水シートがそれらの縁部どうしをラップさせた状態でルーフシールドトンネルの軸方向に並べられ、かつ下層側の防水シートの縁部と前記継手板に取り付けられている前記シール材との間の隙間が段差修正材により塞がれたうえで、下層側の防水シートの縁部に上層側の防水シートの縁部が重ねられて双方の縁部どうしが溶着されていることを特徴とする覆工コンクリートの防水構造。
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