JP2015028220A - サスペンダー付き下衣 - Google Patents

Abstract

【課題】サスペンダーを肩にかけた状態で、素早くかつ簡単に下衣を下げて臀部を露出可能に構成したサスペンダー付き下衣を提供する。
【解決手段】サスペンダー付き下衣は、下衣１０は、臀部上部の腰周りに、断面が円状の背レール部を具備し、サスペンダー２０は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である係合部を有する。サスペンダー１０の第１背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第１係合部２１１を有し、第２背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第２係合部２２１を有する。
【選択図】図２

Description

本発明は、サスペンダー付き下衣（例えば、長ズボン、短ズボン、ステテコ、パンツ）に関する。

ズボンを吊るためのサスペンダーの一例として、特許文献１は、ファスナー上部にサスペンダーを固定し、ファスナー下部をズボン腰周りに固定し、ファスナーを開けることで、それら上部と下部とを分離し、例えば臀部を出しやすくする構成を開示している。

また、特許文献２は、ズボンの着用時に、前側帯体を自在に経由させる背側帯体に配された環を経由して、前側帯体が折返され、前側帯体に取り付けられたズボン取り付け部材あるいは前側上部周縁近傍に配された係止用部材と、前側帯体の一方の端部近傍に配された上述係止用部材に対応する係止用部材を係合させることで、上着を着たままで且つズボン取り付け部材をズボン本体より外すことなくズボンの上げ下ろしのできる構造を開示している。

特開２００５−２５６２５７号公報 特開２００２−２４２０１５号公報

しかしながら、上記特許文献１は、腕を後ろに回してファスナーを開閉する必要があるため、開閉操作が不安定であり、特にファスナーを閉めるときは上下位置を略合わして行なわないとファスナーの噛み合わせがズレたり、周囲の生地を噛み込むなどの問題も生じやすい。

また、上記特許文献２は、複数の係止用部材が必要であり、かつ複数の操作ステップが必要なため、素早くかつ簡単にズボンを下ろせる構造ではない。また上着を着た状態において、係止用部材を係脱可能にしてはいるが、上着の内側（上着と中着との間）に手を入れるなどして、係止部材を着脱する操作が必要なため、素早く操作することは困難である。

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、サスペンダーを通常着用時の肩にかけた状態のままで、素早くかつ簡単に下衣を下げて臀部を露出可能に構成したサスペンダー付き下衣を提供することにある。

本発明に係るサスペンダー付き下衣は、
サスペンダーが取り付けられている下衣であって、
前記下衣は、臀部上部の腰周りに、断面が円状の背レール部を具備し、
前記サスペンダーは、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である係合部を有する。

この構成によれば、係合部を背レール部に係合させたまま背側から腰の横の位置（例えば右横または左横）へ移動させることができ、サスペンダーを通常着用時の肩にかけた状態のままで、素早くかつ簡単に下衣を下げて臀部を露出可能に構成できる。

背レール部は、例えば弾性材料で構成され、係合部がレール部を締め付けることで自由に移動することができず、移動させる場合は係合部を手で掴んで移動させる構成である。

上記発明の一実施形態として、前記サスペンダーは、背端部と第１本体部と第１前端部と、第２本体部と第２前端部とを有する。前記背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である前記係合部を有する。前記第１前端部は、前記下衣の前部に取り付けられ、前記第２前端部は、前記下衣の前部に取り付けられる。この構成は、所謂Ｙ型のサスペンダーに適用可能である。

また、本発明に係るサスペンダー付き下衣は、サスペンダーが取り付けられている下衣であって、
前記サスペンダーは、第１背端部と第１本体部と第１前端部とを有する第１吊り部と、第２背端部と第２本体部と第２前端部とを有する第２吊り部を有し、
前記下衣は、臀部上部の腰周りに、断面が円状の背レール部を具備し、
前記第１背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第１係合部を有し、前記第１前端部は、前記下衣の前部に取り付けられ、
前記第２背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第２係合部を有し、前記第２前端部は、前記下衣の前部に取り付けられる。

この構成によれば、第１係合部を背レール部に係合させたまま背側から腰の横の位置（例えば右横）へ移動させ、かつ第２係合部を背レール部に係合させたまま背側から腰の横の位置（例えば左横）へ移動させることができ、サスペンダーを通常着用時の肩にかけた状態のままで、素早くかつ簡単に下衣を下げて臀部を露出可能に構成できる。この構成は、係合部が背側に２つ有する構成であり、そのそれぞれを移動可能に構成している。

上記発明の一実施形態として、前記下衣は、前部に断面が円状の前レール部を具備し、
前記第１前端部は、前記前レール部に係合し、かつ当該前レール部に係合しながら移動可能である第３係合部を有し、
前記第２前端部は、前記前レール部に係合し、かつ当該前レール部に係合しながら移動可能である第４係合部を有する。

この構成によれば、サスペンダーの背側に加え、さらに前側も腰横方向へ移動させることができ、さらに素早くかつ簡単に下衣を下げることができる。

上記発明の一実施形態として、前記背レール部の外側に突出した一方端から、前記第１係合部および／または第２係合部を挿入して係合させる。また、別実施形態として、前記背レール部の外側に突出した一方端から、前記第１係合部を挿入して係合させ、前記背レール部の外側に突出した他方端から、前記第２係合部を挿入して係合させる。

この構成によれば、第１係合部を背レール部に対し着脱可能に構成し、および／または第２係合部を背レール部に対し着脱可能に構成できる。また、背レール部を下衣に取り付けた後に、簡単に第１係合部および第２係合部を背レール部に挿入し係合することができる。

上記発明の一実施形態として、前記背レール部は、第１サブレール部および第２サブレール部を有し、
前記第１サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第１係合部を挿入して係合させ、
前記第２サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第２係合部を挿入して係合させることが好ましい。

この構成によれば、第１係合部を第１サブレール部に対し着脱可能に構成し、第２係合部を第２サブレール部に対し着脱可能に構成できる。また、第１サブレール部および第２サブレール部を下衣に取り付けた後に、簡単に第１係合部および第２係合部を第１サブレール部および第２サブレール部に挿入し係合することができる。

上記発明の一実施形態として、前記下衣は、前記第１サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第１係合部の移動を停止可能な第１停止部と、前記第２サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第２係合部の移動を停止可能な第２停止部とをさらに有する。

この構成によれば、移動してきた第１係合部を第１停止部で一旦停止させることができ、移動してきた第２係合部を第２停止部で一旦停止させることができる。第１、第２停止部は、第１、第２サブレール部に直接取り付けられていてもよく、第１、第２サブレール部を跨る形状に下衣に取り付けられていてもよい。

上記発明の一実施形態として、前記前レール部は、第３サブレール部および第４サブレール部を有し、
前記第３サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第３係合部を挿入して係合させ、
前記第３サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第４係合部を挿入して係合させることが好ましい。

この構成によれば、第３係合部を第３サブレール部に対し着脱可能に構成し、第４係合部を第４サブレール部に対し着脱可能に構成できる。また、第３サブレール部および第４サブレール部を下衣に取り付けた後に、簡単に第３係合部および第４係合部を第３サブレール部および第４サブレール部に挿入し係合することができる。

上記発明の一実施形態として、前記下衣は、
前記第３サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第３係合部の移動を停止可能な第３停止部と、
前記第４サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第４係合部の移動を停止可能な第４停止部と、をさらに有する。

この構成によれば、移動してきた第３係合部を第３停止部で一旦停止させることができ、移動してきた第４係合部を第４停止部で一旦停止させることができる。第３、第４停止部は、第３、第４サブレール部に直接取り付けられていてもよく、第３、第４サブレール部を跨る形状に下衣に取り付けられていてもよい。

上記発明において、下衣は、例えば、長ズボン、短ズボン、ステテコ、サロペット、パンツ、防寒用ズボン、スキー用ズボン、雪山用ズボンなどが挙げられる。

実施形態１のサスペンダー付き防寒ズボンの前側外観図である。 実施形態１のサスペンダー付き防寒ズボンの背側外観図である。 背レール部と係合部を説明するための図である。 実施形態２のサスペンダー付き防寒ズボンの前側外観図である。

（実施形態１）
本実施形態１のサスペンダー付き防寒ズボンを図面を参照しながら説明する。なお、本発明は防寒ズボンに限定されず他の形態のズボンにも適用できる。

図１は、サスペンダー２０が取り付けられた防寒ズボン１０の一例を示す。サスペンダー２０は、第１背端部２１１と第１本体部２１２と第１前端部２１３とを有する第１吊り部２１と、第２背端部２２１と第２本体部２２２と第２前端部２２３とを有する第２吊り部２２を有する。図１では第１吊り部２１と第２吊り部２２とが背面でクロスになっている。これに限定されず、クロスにならない形態でもよい。

図２に示すとおり、防寒ズボン１０は、臀部１０１の上部の腰周りに、断面が円状の背レール部（１１１、１１２）が取り付けられる。背レール部の断面形状の円状としては、後述する係合部と接触する形状に対応していればよく、例えば、真円に限定されず、楕円、長円、完全な円でなくともよく、半円、３/４の円、一部が欠けた円でもよい。本実施形態１では、背レース部は、第１サブレール部１１１および第２サブレール部１１２の２パーツから構成されている。第１サブレール部１１１および第２サブレール部１１２は、それぞれズボンの腰周りに沿って取り付けられた第１帯部１５、第２帯部１６の上部に配置される。本実施形態１では、第１サブレール部１１１と第２サブレール部１１２は、細長い円柱形状の弾性体（例えば、ゴム、プラスチック、ビニール）または紐（例えばゴム紐、組み紐、繊維性の紐）であり、その周りを生地で被い、第１帯部１５、第２帯部１６の上部に縫製し取り付けられている。また、別実施形態として、第１サブレール部１１１（第２サブレール部１１２）は、長手方向の一方端に断面円状の上記弾性体（または上記紐）が形成され、かつ長手方向の他方端が第１帯部１５（第２帯部１６）の上部に取り付けられた、断面が鍵穴形状の長尺レール部材で構成される。

図２において、第１帯部１５は、臀部１０１上部中心から腰周りに沿って左側面の腰位置まで延長している(図１参照)。一方、第２帯部１６は、臀部１０１上部中心から腰周りに沿って右側面の腰位置まで延長している。

第１吊り部２１の第１背端部２１１は、第１サブレール部１１１に係合し、かつ当該第１サブレール部１１１に係合しながら移動可能な第１係合部（２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ）を有する。第１係合部は、第１係合本体２１１ａと、第１サブレール部１１１の外観形状に応じた形状である第１係合端部２１１ｂと、第１本体部２１２の端部２１２ａを通して巻き掛ける第１開口部２１１ｃとを有する。第１開口部２１１ｃに第１本体部２１２の端部２１２ａを通して折り返して縫製固定することで、第１係合部と第１本体部２１２とを固定する。

第１吊り部２１の第１背端部２１１と同様に第２吊り部２２の第２背端部２２１は、第２サブレール部１１２に係合し、かつ当該第２サブレール部１１２に係合しながら移動可能な第２係合部（不図示）を有する。第１係合部と同様に、第２係合部は、第２係合本体と、第２サブレール部の外観形状に応じた形状である第２係合端部と、第２本体部２２２の端部を通して巻き掛ける第２開口部とを有する。第２開口部に第２本体部２２２の端部を通して折り返して縫製固定することで、第２係合部と第２本体部２２２とを固定する。

図１に示すとおり、第１吊り部２１の第１前端部２１３は、防寒ズボン１０の前部に取り付けられている。取り付け方法は特に限定されない。本実施形態１では防寒ズボン１０の前部から突出するように縫製された帯に環が取り付けられ、この環に第１前端部２１３を通して折り返して縫製固定する。これと同様に、第２吊り部２２の第２前端部２２３も防寒ズボン１０の前部に取り付けられる。

以上の構成によれば、第１係合部（２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ）を第１サブレール部１１１に係合させたまま背側から腰の左横の位置へ移動させ、かつ第２係合部を第２サブレール部１１２に係合させたまま背側から腰の右横のへ移動させることができ、サスペンダーを肩にかけた状態で、素早くかつ簡単に防寒ズボンを下げて臀部を露出できる。

また、本実施形態１では、第１サブレール部１１１の外側に突出した一方端１１１ａから、第１係合部（２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ）を挿入して係合させる。また、第２サブレール部１１２の外側に突出した一方端１１２ａから、第２係合部（不図示）を挿入して係合させる。これによって、第１係合部を第１サブレール部に対し着脱可能に構成し、かつ第２係合部を第２サブレール部に対し着脱可能に構成できる。また、第１サブレール部および第２サブレール部を防寒ズボン１０に取り付けた後に、簡単に第１係合部および第２係合部を第１サブレール部および第２サブレール部に挿入し係合することができる。

また、本実施形態１では、防寒ズボン１０は、第１サブレール部１１１の外側に突出した一方端１１１ａより内側の位置に、第１係合部（２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ）の移動を簡単に停止できるように第１停止部１３が取り付けられている。また、同様に第２サブレール部１１２の外側に突出した一方端１１２ａより内側の位置に、第２係合部の移動を簡単に停止できるよう第２停止部１４が取り付けられている。第１、第２停止部は、第１、第２サブレール部に着脱自在に直接取り付けられていてもよく、第１、第２サブレール部を跨る形状にズボン生地に取り付けられていてもよい。

（実施形態２）
図４に示す実施形態２は、防寒ズボンの前部に、断面が円状の前レール部が構成され、第１、第２吊り部が横に移動可能になっている。断面が円状の意義は、実施形態１の内容と同じである。実施形態２において、前レール部は、第３サブレール部１６１および第４サブレール部１６２の２パーツからなるが、これに制限されず、１つのレールで構成されていてもよい。第１吊り部２１の第１前端部２１５は、第３係合部によって第３サブレール部１６１に係合し、第２吊り部２２の第２前端部２２５は、第４係合部によって、第４サブレール部１６２に係合する。各係合部と各レール部との係合の形態は、上記実施形態１の第１係合部（２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ）と第１サブレール部１１１と同様である。

１０ ズボン
１１１ 第１サブレール部
１１２ 第２サブレール部
１３ 第１停止部
１４ 第２停止部
１５ 第１帯部
１６ 第２帯部
１６１ 第３サブレール部
１６２ 第４サブレール部
２０ サスペンダー
２１ 第１吊り部
２１１ 第１背端部
２１１ａ、２１１ｂ、２１１ｃ 第１係合部
２１２ 第１本体部
２１３ 第１前端部
２２ 第２吊り部
２２１ 第２背端部
２２２ 第２本体部
２２３ 第２前端部

Claims (7)

1. サスペンダーが取り付けられている下衣であって、
   前記下衣は、臀部上部の腰周りに、断面が円状の背レール部を具備し、
   前記サスペンダーは、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である係合部を有する、サスペンダー付き下衣。
2. 前記サスペンダーは、第１背端部と第１本体部と第１前端部とを有する第１吊り部と、第２背端部と第２本体部と第２前端部とを有する第２吊り部を有し、
   前記第１背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第１係合部を有し、前記第１前端部は、前記下衣の前部に取り付けられ、
   前記第２背端部は、前記背レール部に係合し、かつ当該背レール部に係合しながら移動可能である第２係合部を有し、前記第２前端部は、前記下衣の前部に取り付けられる、請求項１に記載のサスペンダー付き下衣。
3. 前記下衣は、前部に断面が円状の前レール部を具備し、
   前記第１前端部は、前記前レール部に係合し、かつ当該前レール部に係合しながら移動可能である第３係合部を有し、
   前記第２前端部は、前記前レール部に係合し、かつ当該前レール部に係合しながら移動可能である第４係合部を有する、請求項２に記載のサスペンダー付き下衣。
4. 前記背レール部は、第１サブレール部および第２サブレール部を有し、
   前記第１サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第１係合部を挿入して係合させ、
   前記第２サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第２係合部を挿入して係合させる、請求項２または３に記載のサスペンダー付き下衣。
5. 前記下衣は、
   前記第１サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第１係合部の移動を停止可能な第１停止部と、
   前記第２サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第２係合部の移動を停止可能な第２停止部と、をさらに有する、請求項４に記載のサスペンダー付き下衣。
6. 前記前レール部は、第３サブレール部および第４サブレール部を有し、
   前記第３サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第３係合部を挿入して係合させ、
   前記第３サブレール部の外側に突出した一方端から、前記第４係合部を挿入して係合させる、請求項２〜５のいずれか１項に記載のサスペンダー付き下衣。
7. 前記下衣は、
   前記第３サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第３係合部の移動を停止可能な停止部と、
   前記第４サブレール部の外側に突出した一方端より内側の位置に、前記第４係合部の移動を停止可能な停止部と、をさらに有する、請求項６に記載のサスペンダー付き下衣。

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