JP2015028080A - イネ科植物の細菌性病害の防除剤および防除方法並びに該防除剤をコートした種子 - Google Patents

イネ科植物の細菌性病害の防除剤および防除方法並びに該防除剤をコートした種子 Download PDF

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Abstract

【課題】イネ科植物の育苗期に発生する細菌性病害に有効であり、かつ、環境負荷の少ない微生物農薬に関する技術を提供する。【解決手段】ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)の培養液、菌体懸濁液又は上清液を含む、イネ科植物の細菌性病害防除剤、イネ科植物の種子を前記細菌病防除剤に付着させる防除処理工程を有する、イネ科植物の細菌性病害防除方法、さらにハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)又はその破砕物或いはハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)の培養液又はその上清液、菌体懸濁液を含むイネ科植物の細菌性病害防除に有効なイネ科植物の細菌病防除剤を、イネ科植物の種子にコートした種子により解決する。【選択図】図3

Description

本発明は、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤およびイネ科植物の細菌性病害の防除方法並びに該防除剤をコートしたイネ科植物の種子に関する。
近代農業では、効率的に食糧を確保するため、いわゆる化学農薬を中心とした病害虫防除技術が発達してきた。しかしながら、化学農薬を長年にわたり過度に使用した結果、生態系の乱れ、残留農薬による食品の安全性、化学農薬を使用する農業者の健康被害、などの問題がクローズアップされ、安心・安全という観点から、毒性や残留性の低い農薬への転換が求められ、そこからさらに減農薬、無農薬への取り組みが求められつつある。
こうした流れの中、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した環境保全型農業に適合した病害虫防除技術(例えば微生物防除剤)が注目されている。「微生物防除剤」とは、自然界に生息する「病原菌から植物を守る微生物」や「害虫から植物を守る微生物」を活用して作物を病害虫などの被害から守る製剤のことであり、作物、人間や環境に対する負荷が少なく、食の安全・安心確保に大きく貢献するものと期待されている。
微生物防除剤に関する技術は、糸状菌を利用した例が多く存在し、例えば、イネの育苗時期に病害を引き起こす病原菌に対して拮抗作用を有するタラロマイセス属(Talaromyces)に属する糸状菌を含有する、イネの育苗時期に発生する病害の防除剤(特許文献1)、各種の植物病害防除に有効で、かつ主要作物に病原性を示さず、一種の微生物による各種の作物病害防除を可能にするフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)NPF−9901菌株(FERM P−20469)(特許文献2)、ピシウム・オリガンドラムの卵胞子と、防除効果増強物質としてのカルシウム塩とを含む植物病害防除剤およびその製造方法、ならびに、同植物病害防除剤を用いた植物病害防除方法(特許文献3)などが知られている。
細菌を利用した微生物防除剤に関する技術としては、病原性を欠失させたエルビニア・カロトボーラ細菌を含む懸濁液中にイネ籾を浸漬した後、土壌中に植え付けるイネ苗立枯細菌病の防除方法(特許文献4)、シュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.) CAB-02を有効成分として含有することを特徴とする、イネ苗の立枯性病害防除剤(特許文献5)などが知られている。
また、植物体内に共生して宿主植物に病原性糸状菌、病原性細菌又は病原性ウイルスによる病害に対する耐性を付与する能力を有する細菌を植物に人為的に感染させ、植物における病原性糸状菌、病原性細菌又は病原性ウイルスによる病害を防除する方法において、Herbaspirillum属新規細菌(受託番号NITE BP−193)が、イネいもち病に対する病害抵抗性誘導効果を示すことが開示されている(特許文献6)。
特開2007−31294号公報 特開2007−82499号公報 特開2010−143876号公報 特開平6−87716号公報 特開平9−124427号公報 国際公開第2007/100162号
イネ科植物の育苗期に発生する細菌性病害として、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病(苗腐敗症)およびイネ褐条病が問題となっている。イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病およびイネ褐条病は、病原細菌を保菌した種子を播種すると健全苗にも感染して育苗期に苗腐敗症状などを生じ、水田に健全苗を定植できなくなり最終的に収量や品質の低下をもたらす。しかしながら、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病およびイネ褐条病は発生予測が困難なうえ、いったん発生すると、農薬を用いても細菌の急激な増殖を抑えきれず、十分な効果が得られないことも知られている。
これらの病原細菌は好高温性で、被害の発生は1960年代以降の加温育苗の普及とともに増加してきた経緯があり、現在では糸状菌病であるイネばか苗病と並び、育苗期の重要病害となっている。
育苗時のこれらの病害の防除は、これまで化学合成農薬を用いた種子消毒が中心であったが、近年では消毒後の廃液処理が問題となるなど、環境への配慮も重視されるようになっている。
従って本発明の目的は、イネ科植物の育苗期に発生する細菌性病害に有効であり、かつ、環境負荷の少ない微生物農薬に関する技術を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討した結果、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌がイネ科植物の育苗期に発生する細菌性病害を効果的に防除するとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液又はその上清液を含み、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤を提供するものである。
また、本発明は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌又はその破砕物を含み、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤を提供するものである。
また、本発明は、イネ科植物の種子を上記細菌病防除剤に付着させる防除処理工程を有するイネ科植物の細菌性病害の防除方法を提供するものである。
また、本発明は、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)を提供するものである。
また、本発明は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌又はその破砕物或いはハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液又はその上清液を含み、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤を前記イネ科植物の種子にコートした種子を提供するものである。
本発明の細菌病防除剤および細菌性病害の防除方法よれば、イネ科植物の育苗期における細菌性病害であるイネ苗立枯細菌病およびイネもみ枯細菌病(苗腐敗症)等の発病が効果的に抑制されて、極めて高い防除効果が得られる。
また、本実施形態の種子によれば、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤をイネ科植物の種子にコートしているため、イネ苗立枯細菌病又はイネもみ枯細菌病に対して抵抗力を有し、育苗中の細菌性病害の発病を抑制することができる。また、細菌病防除剤をコートした後は、その後も効果が持続するため、種子のまま流通させることができる。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌は健全なイネ科植物、ナス科植物、ウリ科植物、アブラナ科植物、バラ科植物、土壌および水から分離される細菌であるため、環境を汚染することなく、環境に配慮した環境保全型農業におけるイネ科植物の安定生産に貢献できる。
本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。 本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。 022S4-11株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。 022S4-11株の上清液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。 022S4-11株の上清液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。 022S4-11株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の上清液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。 022S4-11株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 022S4-11株の上清液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(催芽時処理、MAFF311406株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。 MAFF311406株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(浸種時処理、MAFF311406株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。 MAFF311406株の培養液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 MAFF311406株の上清液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 MAFF311406株の菌体懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(催芽時処理、MAFF311406株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。 MAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 本実験(浸種時処理、MAFF311406株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。 MAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す図である。 H. putei株の培養液処理によるイネもみ枯細菌病に対する防除効果を示す図である。 H. putei株の上清液処理によるイネもみ枯細菌病に対する防除効果を示す図である。 H. putei株の細胞懸濁液処理によるイネもみ枯細菌病に対する防除効果を示す図である。 022S4-11株のイネ苗に対する生育促進効果を示す図である。 16S rDNAの塩基配列を基にした系統樹を示す図である。
1.イネ科植物の細菌性病害の防除剤
本発明の実施形態のイネ科植物の細菌性病害の細菌病防除剤は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の破砕物、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液又はハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液の上清液を含む。
本実施形態の細菌病防除剤は、イネ科植物の細菌性病害の防除に効果を発揮し、具体的には、苗立枯細菌病の原因菌であるバークホルデリア・プランタリー(Burkholderia plantarii)および苗立枯細菌病の原因菌であるバークホルデリア・グルメ(Burkholderia glumae)に対して発病抑制効果を発揮する。なお、本実施形態の細菌病防除剤は病原細菌に対して直接的な拮抗能はなく、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の破砕物、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液又はハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液の上清液に含まれる何らかの物質が作用し、発病を抑制するものと推定される。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の菌体を細菌病防除剤の有効成分として使用する場合は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌を細菌用の液体培地(例えばジャガイモ半合成寒天培地など)で所定時間培養した培養液について遠心分離等を使用して培養液を菌体と上清液に分離し、得られた菌体を水等の溶媒に懸濁した菌体懸濁液を調製して使用することができる。この場合、菌体懸濁液の菌体濃度は、少なくとも106cfu/ml以上であることが好ましく、107cfu/ml以上であることがより好ましく、108cfu/ml以上であることがさらに好ましい。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の破砕物を細菌病防除剤の有効成分として使用する場合は、ホモジナイザー等を使用して菌体を破砕し、菌体破砕物の懸濁液として使用することができる。破砕前の菌体濃度は、前述した菌体の懸濁液を調製する場合に準ずる。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液を細菌病防除剤の有効成分として使用する場合は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌を細菌用の液体培地(例えばジャガイモ半合成寒天培地など)で所定時間培養した培養液をそのまま又は希釈して或いは濃縮して使用することができる。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液の上清液を細菌病防除剤の有効成分として使用する場合は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌を細菌用の液体培地(例えばジャガイモ半合成寒天培地など)で所定時間培養した培養液を遠心分離、膜分離、濾過分離等を使用して培養液を菌体と上清液に分離し、得られた上清液をそのまま又は希釈して或いは濃縮して使用することができる。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌はイネ科植物から分離されるグラム陰性細菌であり、本実施形態においては、少なくとも健全なイネ(葉鞘、品種:コシヒカリ)から分離されたハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)又はサトウキビ疑似赤すじ病の病斑から分離されたハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)、富栄養湖水から分離されたハーバスピリラム・オートトロフィカム(Herbaspirillum autotrophicum)、土壌堆積物から分離されたハーバスピリラム・クロロフェノリカム(Herbaspirillum chlorophenolicum)、オギ(葉)から分離されたハーバスピリラム・フリシンゲンセ(Herbaspirillum frisingense)、蒸留水から分離されたハーバスピリラム・ハッチエンセ(Herbaspirillum huttiense)、淡水から分離されたハーバスピリラム・プティ(Herbaspirillum putei)、イネ(根)から分離されたハーバスピリラム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)から選択された少なくとも1種類を使用することが好ましい。ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)のうち、特に、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)は窒素固定能も有しており、イネ科植物の栽培においてはかかる性質も利用できるため好ましい。
ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)は、健全なイネの葉鞘から分離された細菌である。本発明者らがハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株とハーバスピリラム(Herbaspirillum)属の既知種との比較を行ったところ、従来既知の菌株とは明らかに区別することができたため、これを新菌株と同定し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託した。ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株の特徴は以下のとおりである。
(1)16S rDNAの塩基配列を基にした系統樹および近縁種との相同性
シークエンス解析を行ったハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株の16S rDNAの塩基配列(1,179bp, AB259359)とインターネット上で公開されているデータベース(GenBank+EMBL+DDBJ+PDB)に登録されているハーバスピリラム(Herbaspirillum)属の既知種および種名未決定のハーバスピリラム(Herbaspirillum)属菌(B501:分離源 野生イネ、BA17:分離源 バナナ)の16S rDNAの塩基配列とを基にCLUSTAL W (1.83)を用いてアライメントを行ったのちNJ法で系統樹を作成した。なお、Out groupには近縁の属であるラルストニア(Ralstonia)属のR.solanacearum を用いた。
その結果、022S4-11株は、ハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans:サトウキビ疑似赤すじ病菌)と近縁であった。また、先のデータベース(GenBank+EMBL+DDBJ+PDB)を用いたBLASTN(2.2.13) 検索ではハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株とハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)との相同性は99%であった(図35参照)。
(2)細菌学的性質(API20NE)
細菌検査キットであるAPI20NEを用いて細菌学的性質を検討した結果、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株の細菌学的性質と一致する既知の細菌種は存在しなかった。表1にハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株の細菌学的性質を示す。
(3)分類学的位置(同定)
ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株は、16S rDNAの塩基配列を基にした系統解析とその相同性からハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)と近縁であるが、それぞれ独立した関係であることが示唆された。
さらに、表現形質である細菌学的性質でもハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株は、農林水産省ジーンバンクに保存されているハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)29菌株とその性質が一致する菌株は存在しなかった。
ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株とハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)は16S rDNAの塩基配列において非常に高い相同性を示したが、表現形質においては細菌学的性質が異なること、さらにハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株はサトウキビに病原性がないことからハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株をハーバスピリラム(Herbaspirillum)属の新種と判断し、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)と同定した。
2.イネ科植物の細菌性病害の防除方法
本実施形態のイネ科植物の細菌性病害の防除方法は、イネ科植物の種子を上述した細菌病防除剤に付着させる防除処理工程を有するものである。
イネ科植物の種子を細菌病防除剤に付着させる方法は特に制限はないが、防除処理工程は、より確実に種子に細菌病防除剤を付着させる観点から、細菌病防除剤にイネ科植物の種子を浸漬する工程であることが好ましい。
防除処理工程は、少なくとも12時間以上実施することが好ましく、種子が出芽する前であれば、浸種前、浸種中、浸種後(すなわち催芽中)のいずれの時期に実施してもよい。
ここで「浸種」とは、催芽を行なう前の処理工程であって、一斉に発芽するように種子に水分を吸収させる工程をいう。浸種は、例えば約15〜30℃の温水に約3〜4日浸漬することにより行う。通常、予め水選や塩水選(種子を水や塩水に入れて選別すること)などで充実度の低い種子を取り除いたり、消毒してから浸種させる。「催芽」とは、芽の新生や休眠芽の発育開始を促進させたり、発芽を斉一にする人工的処理をいう。催芽は、例えば約20〜35℃の温水に約12〜24時間浸漬することにより行う。
なお、イネ科植物の種子が出芽した後に防除処理を行っても一定の効果は得られるが、イネ苗立枯細菌病菌、イネもみ枯細菌病菌又はイネ褐条病菌を保菌している種子は健全に発芽することができない場合が多く、出芽前に防除処理した場合と比較して防除効果は低下する。
3.種子
本実施形態の種子は、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌又はその破砕物或いはハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液又はその上清液を含み、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤をイネ科植物の種子にコートしたものである。
細菌病防除剤のその他の構成は、上述した細菌病防除剤の構成に準ずる。また、細菌病防除剤を前記イネ科植物の種子にコートする方法は、上述したイネ科植物の細菌性病害の防除方法に準ずる。
ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌として使用することができる細菌である、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)は、健常なイネ科植物から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)は、イネ科植物であるサトウキビ疑似赤すじ病の病斑部から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・オートトロフィカム(Herbaspirillum autotrophicum)は富栄養湖水から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・クロロフェノリカム(Herbaspirillum chlorophenolicum)は土壌堆積物から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・フリシンゲンセ(Herbaspirillum frisingense)はオギ(葉)から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・ハッチエンセ(Herbaspirillum huttiense)は蒸留水から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・プティ(Herbaspirillum putei)は淡水から分離される細菌であり、ハーバスピリラム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)はイネ(根)から分離される細菌である。これらのハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌はいずれもイネ科植物の種子との結合性は本来的に優れている。そのため、これらのハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌をイネ科植物の種子にコートする際、結合剤等の添加物を使用する必要はない。
特に、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)は、健全なイネの葉鞘から分離された細菌であるため好ましい。また、ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)はアセチレン還元法により窒素固定能を有していることが確認されているとともに、イネ苗の生育促進効果もある。
本実施形態に適用可能なイネ科植物とは、植物分類学上のイネ科に属する植物をいい、例えば、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、アワ、ヒエ等を挙げることができる。イネ科植物のうち、好ましくはイネ(Oryza sativa)である。
本実施形態の種子によれば、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効な細菌病防除剤をイネ科植物の種子にコートしているため、種子が出芽し発芽する過程において、イネ苗立枯細菌病又はイネもみ枯細菌病に対して抵抗力を有し、育苗中にこれらの細菌性病害の発病を抑制することができる。
また、細菌病防除剤をコートした後は、細菌病防除剤がコーティングされている限りその後も効果が持続するため、例えば細菌病防除剤をコートした種子をそのまま流通させることができる。
1.催芽時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.) 022S4-11株(受番号FERM −22001)のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
以下の条件でイネを育苗した。播種は、底に排水のために直径1mm程度の穴を5カ所あけたプラスチックケース(35mm×110mm×110mm)に育苗培土(イセキ培土)を入れ、15gの処理種籾を均一に播種して軽く覆土した。なお、播種後はガラス温室で管理した。
(2)汚染籾作製方法
イネもみ枯細菌病菌(Burkholderia glumae MAFF301441)の懸濁液(約108cfu/ml)に種籾を浸漬し、約10分間真空減圧下で種籾に病原細菌を接種した後、水気を切った種籾をラボタオル等に広げ室温で一晩風乾させた。
(3)各処理液の調製・処理方法
ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受番号FERM −22001)(以下、単に「022S4-11株」ということがある)をPPG培地で振蘯培養(25℃、2日間、100rpm)した培養液(以下「培養液」という)、培養液を遠心分離して得た上清液をさらに濾過滅菌した培養上清液(以下「上清液」という)および遠心分離で得た菌体に遠心分離で取り除いた上清と同量の滅菌水を加え懸濁した菌体懸濁液(以下「菌体懸濁液」という)をそれぞれ処理液として調製し、試験に供試した。
図1は本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネもみ枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を浸種した後、培養液、上清液および菌体懸濁液の各液に、浸種後の種籾を32℃、16時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を出芽処理し、イネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてオキソリニック酸水和剤、トリコデルマアトロビリデ水和剤をそれぞれの使用方法に準じて供試した。
(4)調査方法
各区の全苗について発病程度を調査し、程度別に指数を与え、発病苗率および次式により発病度を算出した。指数は、枯死苗:5、枯死以外の発病苗(白化・わい化・抽出異常):3、健全苗:0とした。
発病度={Σ(発病程度別苗数×指数)/(5×調査苗数)}×100
防除価=(1−処理区の発病度/無処理区の発病度)×100
(5)結果
催芽時処理における022S4-11株のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果の検討結果を表3に示す。
2.浸種時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件でイネの育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
前記1(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記1(3)と同様の操作により、022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図2は本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネもみ枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を、培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に25℃、48時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を浸種し、催芽及び出芽処理を行い、イネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてオキソリニック酸水和剤、トリコデルマアトロビリデ水和剤をそれぞれの使用方法に準じて供試した。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表4に示す。また、一例として、図3及び図4に、播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図3中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株菌体懸濁液浸種時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。また、図4中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株培養液浸種時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。
3.催芽時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
汚染率を減圧接種籾1%混合とした以外は、前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗した。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii MAFF301723)である他は、前記1(2)と同様の操作により、汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記1(3)と同様の操作により、022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図5は本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネ苗立枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を浸種した後、培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に、浸種後の種籾を32℃、16時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を出芽処理し、イネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてオキソリニック酸水和剤を使用方法に準じて供試した。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表5に示す。また、図6〜図8に、播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図6中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株上清液催芽時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。図7中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株菌体懸濁液催芽時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。図8中、Aは無処理区、Bは022S4-11株培養液催芽時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。
4.浸種時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii MAFF301723)である他は、前記1(2)と同様の操作により、汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記1(3)と同様の操作により、022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図9は本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネ苗立枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に25℃、48時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を浸種し、催芽及び出芽処理を行い、イネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてオキソリニック酸水和剤、トリコデルマアトロビリデ水和剤をそれぞれの使用方法に準じて供試した。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表6に示す。また、図10〜図12に、播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図10中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株上清液浸種時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。図11中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株菌体懸濁液浸種時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。図12中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株培養液浸種時処理区、Cはオキソリニック酸処理区をそれぞれ示す。
5.催芽時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネ褐条病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ褐条病菌(Acidovorax avenae MAFF301752)である他は、前記1(2)と同様の操作により、汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記1(3)と同様の操作により、022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図13は本実験(催芽時処理、022S4-11株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。イネ褐条病菌の汚染籾を含む種籾を浸種した後、培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に、浸種後の種籾を32℃、16時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を出芽処理し、イネ褐条病に対する発病抑制効果を調査した。
(4)調査方法
各区の全苗について発病程度を調査し、程度別に指数を与え、発病苗率および次式により発病度を算出した。指数は、枯死苗:5、枯死以外の発病苗(褐色条斑・腰曲り症状):3、健全苗:0とした。
発病度={Σ(発病程度別苗数×指数)/(5×調査苗数)}×100
防除価=(1−処理区の発病度/無処理区の発病度)×100
(5)結果
結果を表7に示す。また、図14〜図16に、022S4-11株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図14中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株培養液催芽時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。図15中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株菌体懸濁液催芽時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。図12中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株上清液催芽時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。
6.浸種時処理におけるハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネ褐条病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ褐条病菌(Acidovorax avenae MAFF301752)である他は、前記1(2)と同様の操作により、汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記1(3)と同様の操作により、022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図17は本実験(浸種時処理、022S4-11株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。イネ褐条病菌の汚染籾を含む種籾を培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に25℃、48時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を浸種し、催芽及び出芽処理を行い、イネ褐条病に対する発病抑制効果を調査した。
(4)調査方法
前記5(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表8に示す。また、図18〜図20に、022S4-11株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図18中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株培養液浸種時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。図19中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株菌体懸濁液浸種時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。図20中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株上清液浸種時処理区、Cは病原無接種・無処理区をそれぞれ示す。
7.催芽時処理におけるハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)MAFF311406株のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
前記1(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
ハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)MAFF311406株(以下、単に「MAFF311406株」ということがある)をPPG培地で振蘯培養(25℃、2日間、100rpm)した培養液(以下「培養液」という)を処理液として調製し、試験に供試した。
図21は本実験(催芽時処理、MAFF311406株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネもみ枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を浸種した後、種籾を培養液に32℃、16時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を出芽処理し、イネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてHerbaspirillum sp. 022S4-11株培養液の催芽時処理を行った。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表9に示す。また、図22に、MAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図18中、Aは病原接種・無処理区、BはMAFF311406株培養液催芽時処理区、Cは022S4-11株培養液催芽時処理区をそれぞれ示す。
8.浸種時処理におけるハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)MAFF311406株のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
前記1(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記7(3)と同様の操作により、MAFF311406株の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
図23は本実験(浸種時処理、MAFF311406株、イネもみ枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネもみ枯細菌病菌の汚染籾を含む種籾を培養液、上清液および菌体懸濁液の各処理液に25℃、48時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を浸種し、催芽及び出芽処理を行い、イネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてHerbaspirillum sp. 022S4-11株の培養液、上清液および菌体懸濁液の浸種時処理を行った。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を図24〜図26に示す。図24〜図26はMAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図24中、Aは病原接種・無処理区、BはMAFF311406株培養液浸種時処理区、Cは022S4-11株培養液浸種時処理区をそれぞれ示す。図25中、Aは病原接種・無処理区、BはMAFF311406株上清液浸種時処理区、Cは022S4-11株上清液浸種時処理区をそれぞれ示す。図26中、Aは病原接種・無処理区、BはMAFF311406株菌体懸濁液浸種時処理区、Cは022S4-11株菌体懸濁液浸種時処理区をそれぞれ示す。
9.催芽時処理におけるハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)MAFF311406株のイネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
汚染率を減圧接種籾1%混合とした以外は、前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ苗立枯細菌病菌(Burkholderia plantarii MAFF301723)である他は、前記7(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記7(3)と同様の操作により、MAFF311406株の培養液を調製し、試験に供試した。
図27は本実験(催芽時処理、MAFF311406株、イネ苗立枯細菌病)の処理工程を示す図である。イネ苗立枯細菌病の汚染籾を含む種籾を浸漬処理した後、32℃、16時間処理液に浸漬することにより処理を行った。その後出芽処理を行い、イネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果を調査した。なお、対照としてHerbaspirillum sp. 022S4-11株培養液の催芽時処理を行った。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表10に示す。また、図28に、MAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図28中、Aは病原接種・無処理区、BはMAFF311406株培養液催芽時処理区、Cは022S4-11株培養液催芽時処理区をそれぞれ示す。
10.浸種時処理におけるハーバスピリラム・ルブリスバルビカンス(Herbaspirillum rubrisubalbicans)MAFF311406株のイネ褐条病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記1(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
病原菌がイネ褐条病菌(Acidovorax avenae MAFF301752)である他は、前記7(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記7(3)と同様の操作により、MAFF311406株の培養液を調製し、試験に供試した。
図29は本実験(浸種時処理、MAFF311406株、イネ褐条病)の処理工程を示す図である。イネ褐条病菌の汚染籾を含む種籾を処理液に25℃、48時間浸漬することにより処理を行った。その後種籾を浸種し、催芽及び出芽処理を行い、イネ褐条病に対する発病抑制効果を調査した。
(4)調査方法
前記1(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表11に示す。また、図30に、MAFF311406株の処理液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図30中、Aは病原接種・無処理区、Bは022S4-11株培養液浸種時処理区、CはMAFF311406株培養液浸種時処理区をそれぞれ示す。
11.浸種時処理におけるハーバスピリラム(Herbaspirillum)属菌のイネもみ枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
以下の条件でイネを育苗した。播種は、底に排水のために直径1mm程度の穴を5カ所あけたプラスチックケース(15mm×44mm×44mm)に育苗培土(イセキ培土)を入れ、3gの処理種籾を均一に播種して軽く覆土した。なお、播種後はガラス温室で管理した。その他は、表2に示す条件で育苗した。
(2)汚染籾作製方法
前記2(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌が、ハーバスピリラム・オートトロフィカム(Herbaspirillum autotrophicum)、ハーバスピリラム・クロロフェノリカム(Herbaspirillum chlorophenolicum)、ハーバスピリラム・フリシンゲンセ(Herbaspirillum frisingense)、ハーバスピリラム・ハッチエンセ(Herbaspirillum huttiense)、ハーバスピリラム・プティ(Herbaspirillum putei)、ハーバスピリラム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)である以外は、前記2(3)と同様の操作により、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。なお、対照として前記処理液に替えて蒸留水に汚染籾を浸漬し、その他は同様の条件で調査した区(病原接種・無処理区)を設けた。
(4)調査方法
前記2(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表12〜17に示す。また、一例として、図31に、培養液処理を行い播種してから約2週間後の苗の生育状況を示し、図32に、上清液処理を行い播種してから約2週間後の苗の生育状況を示し、図33に、菌体懸濁液処理を行い播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。なお、図31〜33において、Aは病原接種・無処理区、Bはハーバスピリラム・プティ株浸種時処理区、Cは022S4-11株浸種時処理区(参考)をそれぞれ示す。
12.浸種時処理におけるハーバスピリラム(Herbaspirillum)属菌のイネ苗立枯細菌病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記11(1)に示す条件と同じ条件でイネの育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
前記4(2)と同様の操作により汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
前記ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌が、ハーバスピリラム・オートトロフィカム(Herbaspirillum autotrophicum)、ハーバスピリラム・クロロフェノリカム(Herbaspirillum chlorophenolicum)、ハーバスピリラム・フリシンゲンセ(Herbaspirillum frisingense)、ハーバスピリラム・ハッチエンセ(Herbaspirillum huttiense)、ハーバスピリラム・プティ(Herbaspirillum putei)、ハーバスピリラム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)である以外は、前記4(3)と同様の操作により、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。なお、対照として前記処理液に替えて蒸留水に汚染籾を浸漬し、その他は同様の条件で調査した区(無処理区)を設けた。
(4)調査方法
前記4(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表18〜23に示す。
13.浸種時処理におけるハーバスピリラム(Herbaspirillum)属菌のイネ褐条病に対する発病抑制効果
(1)育苗条件
前記6(1)に示す条件と同じ条件で育苗を行った。
(2)汚染籾作製方法
前記6(2)と同様の操作により、汚染籾を作製した。
(3)各処理液の調製・処理方法
記ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌が、ハーバスピリラム・オートトロフィカム(Herbaspirillum autotrophicum)、ハーバスピリラム・クロロフェノリカム(Herbaspirillum chlorophenolicum)、ハーバスピリラム・フリシンゲンセ(Herbaspirillum frisingense)、ハーバスピリラム・ハッチエンセ(Herbaspirillum huttiense)、ハーバスピリラム・プティ(Herbaspirillum putei)、ハーバスピリラム・セロペディカ(Herbaspirillum seropedicae)である以外は、前記6(3)と同様の操作により、ハーバスピリラム(Herbaspirillum)属細菌の培養液、上清液および菌体懸濁液を調製し、試験に供試した。
(4)調査方法
前記6(4)と同様の算出方法により発病苗率および発病度を算出した。
(5)結果
結果を表24〜29に示す。
14.ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株のイネ苗に対する生育促進効果
(1)材料および方法
以下の要領により、イネ葉鞘から分離した022S4-11株を種籾(コシヒカリ)に接種して、イネ苗の生育に与える影響を調査した。まず、種籾を水道水に20℃下に3日間浸漬することにより、種籾に吸水させた。なお、水道水は1日毎に交換した。
次に、022S4-11株をPPGA(ジャガイモ・ペプトン・グルコース・寒天)培地で2日間培養した後、遠心分離機で得た菌体を滅菌水に懸濁して、濃度を約108 cfu/mlに調整した菌体懸濁液を調製した。
上記の種籾を25℃、3日間浸種した後、菌体懸濁液に投入し、種籾を30℃下で振とう(50rpm/min)しながら24時間浸漬することにより種籾に022S4-11株を付着させた(催芽時処理)。その後種籾を育苗培土に播種して栽培した。なお、対照として、催芽時に菌体懸濁液による処理は行わずに常法により30℃、24時間で催芽処理を行い、出芽の各処理を行った種籾を育苗培土に播種して栽培した。
なお、播種は、底に排水のために直径1mm程度の穴を5カ所あけたプラスチックケース(3.5mm×10mm×10mm)に育苗培土(住友化学工業 ボンソル1号)を入れ、10gの処理種籾を均一に播種して軽く覆土した。栽培はガラス温室内で行い、播種後14日目に生重量と草丈を調査した。
(2)結果
結果を表30に示す。また、図34に、022S4-11株の細胞懸濁液で処理をした種籾を播種してから約2週間後の苗の生育状況を示す。ここで、図34中、Aは022S4-11株菌体懸濁液催芽時処理区、Bは無処理区をそれぞれ示す。
022S4-11株の菌体懸濁液で催芽時に処理した区(表中、「022S4-11株催芽時処理区」と表記する)では、無処理区と比較してイネ苗の生育が促進されることが判明した。また、アセチレン還元法により窒素固定能の有無を検討したところ、022S4-11株に窒素固定能が確認された。そのため、022S4-11株の菌体懸濁液で催芽時に処理した区においてイネ苗の生育が促進された要因は、022S4-11株の窒素固定能によるものと推察された。

Claims (6)

  1. ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)の培養液、菌体懸濁液又は上清液を含む、イネ科植物の細菌性病害防除剤。
  2. ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)又はその破砕物を含む、イネ科植物の細菌性病害の防除に有効なイネ科植物の細菌病防除剤。
  3. 前記細菌性病害が、イネ苗立枯細菌病、イネもみ枯細菌病、イネ褐条病からなる群から選択された少なくとも1つである、請求項1又は2に記載のイネ科植物の細菌病防除剤。
  4. イネ科植物の種子を請求項1〜3のいずれか1項に記載の細菌病防除剤に付着させる防除処理工程を有する、イネ科植物の細菌性病害防除方法。
  5. 前記防除処理工程が、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイネ科植物の生長促進剤兼細菌病防除剤にイネ科植物の種子を浸漬する工程である、請求項4に記載のイネ科植物の細菌性病害防除方法。
  6. ハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)又はその破砕物或いはハーバスピリラム・エスピー(Herbaspirillum sp.)022S4-11株(受託番号FERM P−22001)の培養液又はその上清液、菌体懸濁液を含むイネ科植物の細菌性病害防除に有効なイネ科植物の細菌病防除剤を、イネ科植物の種子にコートした種子。
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