JP5380648B2 - 植物病害防除剤 - Google Patents

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本発明は、ストレプトミセス(Streptomyces)sp. MBCN152-1株を含有する植物病害防除剤、及びそれを用いた植物病害防除方法に関する。
近年、野菜や花卉植物の子苗は、ハウスや温室内で行うセル成型育苗や育苗箱栽培、ポット栽培など様々な方法を利用して生産されているが、育苗中に植物苗が病原菌に侵され商品価値を失う場合が少なくない。このような病害を防除するため様々な防除方法が講じられている。例えば、化学合成農薬の散布や種子消毒(温湯殺菌、殺菌剤粉衣)、育苗培土と育苗用資材の化学的(有毒ガスによる土壌燻蒸等)・物理的殺菌(高温殺菌、太陽熱殺菌)などである。
一方で、化学合成農薬の散布は、反復使用により耐性病原菌の出現を誘発する危険性が指摘されている。また、ハウスなどの密閉空間での農薬散布は作業従事者の健康に影響を及ぼす危険性が高く、野菜等では食品としての安全性が損なわれる。そこで、薬剤耐性菌が生じにくく、人体への害も少ないものとして、放線菌を有効成分とする植物病害防除剤が発明され、開示されている(特許文献1)。
しかし、これまでに提案された放線菌を含む植物病害防除剤は防除効果が乏しく、圃場レベルで化学農薬の代替物として使用することが困難であった。そこで、効果的に病害防除ができる新規な放線菌を用いた植物病害防除剤が求められている。
また、放線菌は製剤化することにより、製造現場、流通現場、圃場等での取り扱いが容易になるため、微生物を含む液体を微細な霧状にして熱風(30〜50℃)中に噴出させ、瞬間的に粉状の乾燥物を得る噴霧乾燥法(スプレードライ)の開発が進められ、実用化が期待されている。しかし、一般に放線菌は熱に弱く、これまでに報告されている放線菌を該方法で処理すると、病害防除活性が低下する、菌自体が死滅する等の問題点がある。従って、該方法を適用するためには、病害防除能力が優れ、且つ耐熱性を有するという特徴を有する新規な放線菌が必要となる。
特開2004−143102号公報
本発明は、上記公知技術の問題点を解決して、病害を効果的に抑制することができ、且つ工業的規模で製剤化することが可能な植物病害防除剤を提供することを課題とする。具体的には、病害防除能力が優れ、且つ耐熱性を有するという特徴を有する放線菌を有効成分として含む植物病害防除剤を提供することを課題とする。
発明者は、上記課題を解決するためキャベツ組織より新規のストレプトミセス(Streptomyces)sp. MBCN152-1株を分離して鋭意研究を行った結果、それが植物病害防除に極めて有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株を含有してなる植物病害防除剤である。次に、その植物病害防除剤は水溶液であることを特徴とする。又、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株を含有してなる植物病害防除剤を用いることを特徴とする植物病害防除方法である。その植物は苗及び種子のいずれかであることを特徴とする。さらに、その植物はアブラナ科に属するキャベツであることを特徴とする。
本発明により、病害を効果的に抑制することができ、且つ工業的規模で製剤化することが可能な植物病害防除剤が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、植物に内部共生する能力を有する放線菌ストレプトミセスsp. MBCN152-1株を含有する微生物製剤である。該放線菌は、植物に内部共生することができ、且つ植物において病原微生物の感染を予防又は病原微生物の除去を行う機能を付与することができる。また、該放線菌は優れた耐熱性を有する。
1.
放線菌の分離
圃場から採集したキャベツ又は食料品店等で販売されているキャベツを放線菌の分離源とすることができる。まず、キャベツを水道水で十分に洗浄した後、根、茎、葉を適当な大きさに細断し、次亜塩素酸等を用いて表面殺菌し、滅菌水で洗浄する。さらに、エタノール等に浸漬して表面殺菌した後、クリーンベンチ内で風乾させる。
試料が十分に乾燥したことを確認した後、抗生物質混合液を添加した培地(例えば、1.5%素寒天又はIMA-2寒天培地等)上に置床し、30℃で約1ヶ月間培養する。そして、試料から出現してきた放線菌コロニーを滅菌爪楊枝でかき取り、培地上に敷いた滅菌メンブレンフィルター上に画線接種し、恒温培養器内で培養する(30℃、暗黒)。メンブレンフィルター上に放線菌が胞子形成したら、メンブレンフィルターを培地から剥がし取り、培地上の放線菌が胞子形成するまで同培養器内で培養する。
その後、培地上の放線菌胞子と菌体を白金耳でかき取って新鮮な培地に移植し培養することにより、放線菌を純粋分離することができる。分離した放線菌は、滅菌済グリセリン溶液(例えば、10%グリセリン溶液)中に懸濁し、凍結保存することができる。
2.放線菌の分類学的同定
分離した放線菌は、生理学的性状、形態学的特徴、培養性状等から分類学的同定を行うことができる。
本発明では、得られた放線菌の細胞壁ペプチドグリカンに含まれるジアミノピメリン酸の分析を行ったところ、LL-type A2pmが検出された。また、該放線菌を希硫酸で加水分解して得られる糖成分を分析したところ、ガラクトースがわずかに検出された。さらに、該放線菌の形態を光学顕微鏡を用いて観察したところ、典型的ならせん状の胞子鎖が認められたため、該放線菌をストレプトミセス属(Streptomyces)として同定し、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株と命名した。該株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託されている(受託日:2007年3月1日、受託番号:NITE P-331)。
3.放線菌の耐熱性試験
本発明の放線菌は、以下の手順で耐熱性試験に供することができる。
きなこ寒天培地に菌を接種して、30℃で2週間培養し、コロニー表面に形成された胞子をかき取り、グリセロール溶液(例えば、10%グリセロール・10%ジメチルスルホキシド溶液)に懸濁した後、滅菌水で適当な胞子濃度(例えば、3×108胞子 / ml)になるように希釈する。次に、三角フラスコ内で胞子懸濁液を加温滅菌水(例えば、30〜60℃)と混ぜ合わせた後、この三角フラスコを温水槽内に漬けて温度を維持する。その後、胞子懸濁液を回収して滅菌水で適当な濃度(例えば、10−3〜10−7倍)に希釈し、希釈液をベネット培地に均一に塗布した後、30℃で24時間培養する。そして、培地上に出現したコロニー数を基に生菌数を測定する。
4.本発明の植物病害防除剤
本発明において分離された放線菌は、植物病害防除剤の有効成分として用いることができる。植物病害防除剤の製造に使用する放線菌は、固体培養法、液体培養法、又はフスマ等の資材培養法等の公知の培養法によって増殖させたものを用いればよく、生細胞を得ることができる限り、培地の種類、培養条件等に制限はない。
植物病害防除剤は、放線菌の胞子又は培養菌体を水等の液体に懸濁することにより製造することができるが、粉剤等の製剤として製造することもできる。また、他の成分を配合して製造することも可能である。配合する成分としては、例えば、液体担体、固体担体、界面活性剤(乳化剤、分散剤、消泡剤等)、補助剤等が挙げられる。より具体的には、液体担体としては、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液が挙げられる。固体担体としては、カオリン、粘土、石英、モンモリロナイト、珪藻土等の天然鉱物粉末、結晶性セルロース、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸等の高分子性天然物が挙げられ、これらの一種又は二種以上を混合して使用することができる。界面活性剤としては、ポリオキシンエチレン−脂肪酸エステル、ポリオキシンエチレン−脂肪アルコールエーテル等が上げられる。補助剤としては、カルボキシメチルセルロース、澱粉等が挙げられる。
本発明の植物病害防除剤は、製剤化を行うと、大量に製造して長期間保存することが可能になり、製造現場、流通現場、圃場等での取り扱いが容易になる。製剤化するための方法としては、微生物を含む液を微細な霧状にして熱風(30〜50℃)中に噴出させ、瞬間的に粉状の乾燥物を得る噴霧乾燥法が好ましく挙げられるが、放線菌の植物病害防除活性を低下させなければ、微生物を含む液を凍結乾燥させる方法等、どのような方法を用いてもよい。
5.植物病害防除剤の施用方法
本発明の植物病害防除剤は、剤型等の使用形態、対象となる植物の状態、病害の種類等によって適宜選択され、例えば、土壌混和、土壌潅注、表面処理(種子の粉衣、種子の浸漬、植物体への塗布・噴霧等)、株元処理等の方法が挙げられる。
本発明の植物病害防除剤の施用量は、剤型等の使用形態、対象となる植物の状態、病害の種類等によって適宜変更することができる。例えば、胞子を含有する液剤として噴霧処理する場合には、胞子濃度が103〜1010胞子 / ml、好ましくは106〜1010胞子 / mlになるようにすれば、対象作物の大きさや施用面積によって液量を適宜変更して噴霧することが可能である。また、粉剤等を処理する場合は、胞子の施用量が、103〜1010胞子 / ml程度になるように散布することが好ましい。
本発明の植物病害防除剤の対象となる植物は、本発明の植物病害防除剤により病害防除効果が付加される植物であれば限定されないが、例えば、アブラナ科のキャベツ等が挙げられる。
本発明の植物病害防除剤の対象となる病原菌としては、植物に病害を引き起こす原因菌であり、例えば、アルターナリア属(Alternaria)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、ピシウム属(Pythium)、フザリウム属(Fusarium)、及びフォーマ属(Phoma)等に属する菌が挙げられる。具体的には、黒すす病菌(Alternaria brassicicola)、黒斑病菌(Alternaria brassicae)、苗立枯病菌(Rhizoctonia solani)、ピシウム腐敗病菌(Pythium aphanidermatum)、先枯病菌(Fusarium avenaceum)、及び根朽病菌(Phoma lingum)等がある。
以下に本発明の好適な一実施の形態を実施例によって具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施形態によって限定されるものでなく、その要旨を変更することなく様々に改変して実施することができる。
<実施例1:放線菌の分離・同定>
三重大学大学院生物資源学研究科附属紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター附帯施設農場(三重県津市高野尾2072-2)より採集したキャベツ(Brassica oleracea var. capitata)を放線菌分離源とした。まず、キャベツを水道水で十分に洗浄した後、根・茎・葉を約1 cm2の大きさに細断した。そして、界面活性剤(Tween20等)が0.1%になるよう調製した液に約1分間浸漬した後、1%次亜塩素酸ナトリウムに3分間浸漬して表面殺菌し、滅菌水で3回洗浄した。さらに、70%エタノールに1分間浸漬して表面殺菌した後、クリーンベンチ内で風乾させた。試料が十分に乾燥したことを確認した後、抗生物質混合液を添加した1.5%素寒天及びIMA-2寒天培地上に置床し、30℃で約1ヶ月間培養した。試料から出現してきた放線菌コロニーを滅菌爪楊枝(121℃で20分間高圧滅菌)でかき取り、IMA-2寒天培地上に敷いた滅菌メンブレンフィルター(121℃で20分間高圧滅菌したセルロース混合エステル、孔径=0.2 μl、Adventec)上に画線接種し、恒温培養器内で培養した(30℃、暗黒)。メンブレンフィルター上に放線菌が胞子形成したら、メンブレンフィルターを培地から剥がし取り、培地上の放線菌が胞子形成するまで同培養器内で培養した。その後、培地上の放線菌胞子と菌体を白金耳でかき取り、きな粉培地に移植して再び胞子形成するまで培養した。この培地上に、10%グリセリン溶液(グリセリン10 mlをイオン交換水80 mlに溶解して高圧滅菌した後、クリーンベンチ内でDMSO 10 mlを添加)を流し入れ、胞子を懸濁した。次に、この胞子懸濁液の10-4〜10-6倍希釈液100 μlをBennet寒天培地上に滴下し、コンラージュ棒で均一に塗布した後、約1週間培養した。培地上に形成された放線菌コロニーの中から1コロニーだけを白金耳でかき取り、きな粉培地に移植して胞子形成するまで培養した。ここに10%グリセリン溶液を流し入れ、白金耳で胞子を懸濁した後、500 μlずつチューブに分注して−20℃で保存した(以下、これを胞子懸濁液と称する)。
なお、得られた放線菌の細胞壁ペプチドグリカンに含まれるジアミノピメリン酸の分析を行ったところ、LL-type A2pmが検出され、また、該放線菌を希硫酸で加水分解して得られる糖成分を分析したところ、ガラクトースがわずかに検出された。さらに、該放線菌の形態を光学顕微鏡を用いて観察したところ、典型的ならせん状の胞子鎖が認められたため、該放線菌をストレプトミセス属(Streptomyces)に属するものとして同定し、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株と命名した。
<実施例2:放線菌の耐熱性試験>
ストレプトミセスsp. MBCN152-1胞子の耐熱性を以下の手順で試験した。
きなこ寒天培地(きな粉20 g、マンニトール20 g、寒天20 g、水道水1000 ml)にMBCN152-1を接種し、30℃で2週間培養した。コロニー表面に形成された胞子をかき取り、10%グリセロール・10%ジメチルスルホキシド溶液に懸濁した後、滅菌水で3×108胞子 / mlとなるように希釈した。三角フラスコ内で胞子懸濁液100 μlを30℃または60℃に暖めた滅菌水9.9 mlと混ぜ合わせた後、この三角フラスコを温水槽内に漬けて5分間それぞれの温度を維持した。その後、胞子懸濁液を回収して滅菌水で10−3〜10−7倍に希釈し、希釈液100 μlをベネット培地(酵母エキス1 g、肉エキス1 g、NZアミン2 g、グルコース10 g、イオン交換水1000 ml)に均一に塗布した後、30℃で24時間培養した。培地上に出現したコロニー数を基に生菌数を測定したところ、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株胞子は5分間の高温(60℃)処理にも関わらず高い生存率を示した(図1)。この結果は、MBCN152-1株が噴霧乾燥にも耐えうる充分な耐熱性を有していることを意味している。さらに、本菌株は、常温あるいは高温条件下でも保存が可能であることも指し示している。
<実施例3:病害防除活性の検定試験(苗への噴霧接種)>
表面殺菌キャベツ種子(品種:松波)を128穴セルトレイに播種し、同時に、きなこ寒天培地で2週間培養したストレプトミセスsp. MBCN152-1株の胞子懸濁液を各セルあたり3 ml滴下し、25〜30℃の温室内で1週間培養した。その後、黒すす病菌(Alternaria brassicicola)の胞子懸濁液(105胞子 / ml)40 mlを噴霧接種し、接種槽内(相対湿度90%以上)で24時間培養した後、25〜30℃の温室内で6日間培養した。また、滅菌水を処理して同様に培養し、黒すす病菌接種を行ったものを無処理区とした。なお、各処理区につき3反復の試験を行った。各処理区の枯死苗数を測定し、無処理区の枯死苗率(=枯死苗数/全苗数)を100%として換算してMBCN152-1株処理区の枯死苗率を算出した。その結果を図2に示す。MBCN152-1株処理区の苗枯死率は約16%となり、無処理区と比較して枯死苗の割合が約84%減少した。このことから、MBCN152-1株は黒すす病噴霧接種による苗枯死を強力に抑制する菌株であると言える。
<実施例4:病害防除活性の検定試験(汚染種子)>
アブラナ科植物黒すす病は、病原菌であるアルターナリア・ブラシシコラ(Alternaria brassicicola)が潜在感染した種子から発芽した苗で発病することが知られている。そこで、本病原菌で汚染した種子を用いてストレプトミセスsp. MBCN152-1株の防除効果を以下の手順で試験した。キャベツ種子(品種:松波)30粒をアブラナ科植物黒すす病菌の胞子懸濁液(107胞子 / ml)に2時間浸漬した後、種子を取り出して濾紙上に移して30分間風乾した(これを黒すす病菌汚染種子と称する)。圃場生育のキャベツより分離したMBCN152-1株は、IMA-2液体培地で24時間振とう培養した。MBCN152-1株培養液30 mlをガラスシャーレ内の育苗用培土20 gと混ぜ合わせ、ここに黒すす病菌汚染種子30粒を播種し、湿室内で一晩培養した後、25℃・12時間日長下で育成した。播種2週間後に発病苗数を測定した。また、IMA-2液体培地30 mlを混ぜ合わせた育苗用培土にも同様にして黒すす病菌汚染種子30粒を播種して育成し、発病苗を測定した(これを無処理区とする)。なお、各処理区につき3反復の試験を行った。防除価は、以下のようにして算出し、結果を表1に示す。MBCN152-1株処理区の防除価は、91%という極めて高い値であった。
発病度=Σ(程度別発病指数×同苗数)/(全苗数×5)
発病指数 0:発病を認めない
1:葉あるいは茎に小さい病斑が認められる。
2:葉と茎の両方に小さい病斑が認められる。
3:葉あるいは茎に著しい壊死が認められる。
4:葉と茎の両方に著しい壊死が認められる。
5:苗が完全に枯死している。
防除価(%)={1−(放線菌株処理区の発病度)/無処理区の発病度}}×100
Figure 0005380648
放線菌無処理の培土に黒すす病菌汚染種子を播種して育成したところ、多数の苗が黒すす病を発病して萎凋・枯死したが(図3左)、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株処理区では発病が顕著に抑制され、ほとんど全ての苗が健全なままであった(図3右)。
さらに、菌の施用量が5×107cfu/g (soil)となるようにMBCN152-1株を処理した培土において、上記の黒すす病菌汚染種子を播種して育成した場合では、発病が見られなかった(図4)。
以上より、ストレプトミセスsp. MBCN152-1株は黒すす病菌汚染種子による発病を強力に抑制する菌株であると言える。
ストレプトミセスsp. MBCN152-1株胞子の耐熱性試験の結果を示す図である。 ストレプトミセスsp. MBCN152-1株処理を行った黒すす病菌接種キャベツ苗の枯死率を示す図である。 ストレプトミセスsp. MBCN152-1株を混和した培土で育成した黒すす病菌汚染種子由来のキャベツ苗の写真である。 ストレプトミセスsp. MBCN152-1株を混和した培土で育成した黒すす病菌汚染種子から発芽したキャベツ苗の発病率を示す図である。

Claims (5)

  1. ストレプトミセス(Streptomyces)sp. MBCN152-1株(NITE P-331)を含有してなる植物病害防除剤。
  2. ストレプトミセス(Streptomyces)sp. MBCN152-1株を(NITE P-331)含有する植物病害防除剤が水溶液であることを特徴とする請求項1記載の植物病害防除剤。
  3. 請求項1及び2のいずれかに記載の植物病害防除剤を用いることを特徴とする植物病害防除方法。
  4. 植物が苗及び種子のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の植物病害防除方法。
  5. 植物がアブラナ科に属するキャベツであることを特徴とする請求項3及び4のいずれかに記載の植物病害防除方法。
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