JP2015027139A - 発電電動機およびこれを用いた電動車両 - Google Patents

発電電動機およびこれを用いた電動車両 Download PDF

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Abstract

【課題】スロット内の巻線間を絶縁する絶縁部材を利用し、固定子の周方向に配置されたスロットに巻回された各巻線の温度を同等に低減することで冷却性能を向上すること。【解決手段】スロットとティースを有しケース8に固設された固定子鉄心1をもつ固定子と、回転軸6を中心として回転する回転子5と、隣接するスロット間でティースに巻回された電機子巻線4と、電機子巻線4の巻線端部に滴下及び/又は噴射される液体冷媒20と、備え、スロット内の一方側と他方側に巻回された一方と他方の巻線とを電気的絶縁する絶縁部材12を設け、液体冷媒20を巻線端部4側から回転軸6の中央側に向かって導流する導流経路が、絶縁部材12に形成されること。また、絶縁部材12の頂部に液体冷媒20を導流する導流経路用の凹部11を設け、凹部11は、巻線端部側では浅く、回転軸中央側では深く形成すること。【選択図】図1

Description

本発明は、発電電動機およびこれを用いた電動車両に係わり、特に液体冷媒による巻線冷却された発電電動機及びこれを適用した電動車両に関する。
発電電動機などの回転電機は、巻線への通電電流が流れる際の損失により発熱が生じるため、巻線の絶縁の耐熱温度を超過しないような冷却設計がなされている。特に、通電電流が大きい場合には、巻線冷却を空気の循環等で行うと、十分な冷却能力が得られない場合がある。このような際に巻線を冷却する従来方法として油等の液体冷媒を用いる技術があり、液体冷媒による回転電機の巻線の冷却を図24に示す。
図24に示す従来方法によると、図示しない液体冷媒を溜めるタンク等から図示しない冷媒通路を通った液体冷媒20が、モータケース8に設けられた冷媒供給口21a及び21bを通して、回転電機内の電機子巻線4に滴下される。巻線4を除熱した液体冷媒20はモータケース8の下方に溜まり、冷媒排出口22より図示しないポンプ等により加圧送給されるか、回転体(例えば回転子5に付設された羽根)によりかき上げられて冷媒通路を循環する。この際、電機子巻線4に滴下された液体冷媒20は電機子巻線4の表面を伝うようにして流れるが、電機子巻線4はシャフト6の軸方向に概ね平行であるため、大部分の液体冷媒が、固定子鉄心1の軸方向へ流れることなく、鉛直下方へ落下する。
そこで、液体冷媒を巻線に対して自重により滴下又は圧力を加えて噴射することにより回転電機の冷却を行う場合、十分な量の液体冷媒が巻線各所に掛かるような手法が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、磁気コア内部に形成した油路を介して噴出口に導き、噴出口をコアのコイル内面に開口して配設することで、各コイルに対して均一な冷却を行うことが開示されている。
また、特許文献2には、固定子のスロット内部に軸方向に冷媒通路を形成した回転電機において、冷媒通路の断面積を上流側で大きく下流側で小さくして、下流ほど冷媒速度を上昇させることで入口側と出口側の冷却むらを低減することが開示されている。
また、特許文献3には、建設機械車両等に搭載される電動モータの冷却構造において、車両が水平状態で動作するとは限らず、傾斜状態の動作においても冷却機能が損なわれないように、油溜まりに貯留されている冷却油がロータ回転に対する攪拌抵抗として作用しないようにする冷却構造が開示されている。すなわち、回転電機を搭載した車両傾斜状態に対する回転電機の冷却技術が開示されている。
特開2009−240113号公報 特開2003−289649号公報 特開2009−71923号公報
ところで、図24に示す従来方法による回転電機の巻線冷却では、冷媒供給口21のある鉛直上方より下方へ液体冷媒20を滴下すると、固定子鉄心1の周方向のスロット位置によって巻線への液体冷媒の掛かり方に差が生じ、巻線の温度が不均一となる場合がある。換言すると、シャフト6の上方部に配置された固定子鉄心1の各巻線端部にはそれぞれ冷媒供給口が設けられていて、下位の巻線端部への液体冷媒は、該当する冷媒供給口からの液体冷媒の外に、上位の巻線端部から洩れて滴下してきた液体冷媒が流れ落ちてきて、液体冷媒の掛かり方に差が生じるのである。巻線温度が不均一になると、巻線の熱伸びの不均一による応力の集中等が生じて巻線破損につながる可能性がある。
また、上記の特許文献1に示すようにコア内に油路を設けると、粘性の高い冷媒を用いた際の油の圧力損失の増加が生じ、さらに、鉄心加工工数の増加とコスト増加といった課題が生じる。
また、上記の特許文献2に示すように、冷媒通路断面積の変化によって流速の変化を得る技術は、巻線スロット内が冷媒で充填される程度の冷媒量を流通させる必要があるため、体格(サイズ)の大きな回転電機では冷媒循環装置が大型化してしまう課題が生じる。
さらに、上記の特許文献3は、建設機械の上部旋回体駆動用の回転軸が垂直方向の設置である場合における電動モータの巻線冷却構造を開示しているが、建設機械の油圧ポンプ駆動用の電動モータのように電動モータ回転軸が水平方向設置である場合には、車体傾斜時に液体冷媒の掛かり方が垂直方向設置の場合に比べて異なった状態となり、冷却性能の低下や巻線温度の冷却不均一を引き起こす可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、液体冷媒を用いて巻線を冷却する際に、固定子鉄心のスロット位置によらず、スロット内の巻線間を絶縁する絶縁物を利用することで、スロットに巻回された巻線の温度を同等に低減することで冷却性能を向上するとともに、建設機械車両のように車体が傾斜する車両に回転電機としての発電電動機を搭載した場合にも冷却性能が損なわれないようにすることである。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用し、機能乃至作用を奏するものである。
スロットとティースを有しケースに固設された固定子鉄心をもつ固定子と、前記固定子の内周側に対向配置され回転軸を中心として回転する回転子と、隣接する前記スロット間で前記ティースに巻回された電機子巻線と、前記電機子巻線の巻線端部に滴下及び/又は噴射される液体冷媒と、備え、前記スロット内の一方側に巻回された一方の巻線と前記スロット内の他方側に巻回された他方の巻線とを電気的絶縁する絶縁部材を設け、前記液体冷媒を前記巻線端部側から前記回転軸の中央側に向かって導流する導流経路が、前記絶縁部材に形成される構成とする。さらに、前記発電電動機において、前記絶縁部材の頂部に前記液体冷媒を導流する前記導流経路用の凹部を設け、前記凹部は、前記巻線端部側では浅く、前記回転軸中央側では深く形成される構成とする。
上記した構成を備えることにより、固定子鉄心における周方向に配置のスロット位置に関係なく、スロット内の巻線間を絶縁する絶縁部材を利用することで、異なる配置のスロットに巻回された巻線同士の温度を同等に低減させ、引いては発電電動機の冷却性能を向上させるものである。
本発明によれば、固定子鉄心のスロットに巻回された巻線を回転軸の軸方向に亘って略同等に冷却することができ、さらに、スロット位置によらずにスロット毎の巻線の温度を不均一にならないようにすることができる。
また、エンジンや油圧ポンプを含めた温度環境の厳しい条件をもつ電動車両に発電電動機を適用した場合において、電機子巻線の冷却機能を一層高めることができ、さらに、電動車両の傾斜地での作業においても冷却性能を損なわないようにすることができる。
本発明の実施形態1に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。 図1のA−A’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 図1のB−B’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 本実施形態1に関する、液体冷媒の流れ通路を形成する巻線の傾斜付き絶縁フィルムの構造を示す見取図である。 本実施形態1に関する、巻線の傾斜付き絶縁フィルムにおける変形構成例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。 図6のC−C’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 図6のD−D’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 本発明の実施形態3に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。 本実施形態3に関する、巻線の絶縁フィルムにおける変形構成例を示す図である。 本発明の実施形態4に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。 本発明の実施形態5に関する、液体冷媒の流れ通路を形成する巻線の絶縁フィルムの構造を示す見取図である。 本発明の実施形態6に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。 図13のA−A’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 図13のB−B’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。 本発明の実施形態7に関する、エンドブラケットに設けた液体冷媒の通路と噴射孔を示す見取図である。 本実施形態7に関する、液体冷媒の噴射孔、巻線端部、傾斜付き絶縁フィルムの位置関係を示す図である。 本実施形態7に関する、液体冷媒の噴射孔、巻線端部、傾斜付き絶縁フィルムの他の位置関係を示す図である。 本発明の実施形態8に係る電動車両に適用した発電電動機のスロットに設けた傾斜付き絶縁フィルムの回転軸周方向の配置を示す図である。 本実施形態8に係る、発電電動機を適用した電動車両の外観を示す見取り図である。 本実施形態8に係る、発電電動機を適用した電動車両が傾斜地で作業する状況を表す図である。 本実施形態8に係る、発電電動機を適用した電動車両におけるエンジン室の断面構成図である。 本発明の各実施形態で使用可能な発電電動機本体における各構成要素を示す分解図である。 本発明の各実施形態で使用可能な発電電動機の巻線端部に向けて液体冷媒をモータケースから滴下する構成例を示す図である。 本発明の各実施形態で使用可能な発電電動機の巻線端部に向けて液体冷媒をエンドブラケットから噴射する構成例を示す図である。
本発明の実施形態に係る回転電機としての発電電動機の概要について、まず、図23〜図25を参照しながら説明する。図23〜図25において、1は固定子鉄心、4は電機子巻線、5は回転子、6はシャフト、7はエンドブラケット、8はモータケース、20は液体冷媒、21a,21bは冷媒供給口、22は冷媒排出口、23a,23bは冷媒噴射孔、35はオイルシール、36はリング、をそれぞれ表す。
図23は、回転子5に界磁源としての永久磁石を有し、固定子鉄心1に電機子巻線4を有してこの電機子巻線4に液体冷媒20を噴射して冷却を行う発電電動機の本体構成を示す図である。図23に示す発電電動機の本体には、回転子5の同心外径側に電機子巻線4を巻回した固定子鉄心1が配置され、さらに、固定子鉄心1の外径側にモータケース8が配置されている。
また、図23と図25を参照すると、シャフト6の軸方向両端側には、液体冷媒20を噴射する冷媒噴射孔23a,23bを設けたリング36が設けられている。エンドブラケット7に設けられた冷媒経路を通じて供給された液体冷媒20が発電電動機の電機子巻線4に向けて噴射される。噴射された冷媒20はモータケース8の下方から冷媒排出口22を経て図示しないタンクに溜められた後、図示しない外部ポンプを経て、エンドブラケット7の冷媒経路に至る。また、エンドブラケット7のシャフト6が貫通する位置にはオイルシール35が設けられている。
なお、本発明の実施形態に係る発電電動機の構成例としては、図25に示すように、ポンプなどで圧力を加えた液体冷媒を側方から巻線に向けて噴射する構成のものでもよく、また、この構成例に限らず、図24に示すように、巻線端部の両側に又は片側に、上方から液体冷媒を滴下する構成のものであってもよい。また、モータケース8の上方部の数箇所から滴下し、さらに、当該上方部に連なる下方部の数箇所からリング36を通して噴射する構成のものであってもよい。さらに、発電電動機の回転子に付設した羽根によってモータケース8の下方に貯められた液体冷媒をかき上げて巻線端部に注ぐ構成に対しても本発明の実施形態を適用することができる。
そして、本発明の実施形態に係る発電電動機の特徴を端的に云えば、固定子鉄心のスロットに巻回された巻線を軸方向に亘ってむら無く冷却して冷却効果を高めることであり、さらに、最上位のスロットから下方のスロットに亘ってそれぞれのスロットに巻回された巻線同士で温度分布に偏りが出ないようにすることである。
また、本発明の実施形態に係る、発電電動機適用の電動車両の特徴を端的に言えば、発熱源であるエンジンや油圧ポンプに発電電動機が連結されていることに伴って、巻線の回転軸軸方向の略同等な冷却と回転軸周方向の巻線同士の冷却とにおける冷却意義及びその必要性を一層高めることにつながっており、さらに、電動車両が傾斜地で稼働又は作業するのに伴って、特に回転軸周方向の巻線同士を偏り無く冷却するようにしたものである。
そして、本発明の実施形態に係る発電電動機とこれを適用した電動車両の具体的な構成とその効果については、以下の各実施形態で詳述する。
「実施形態1」
本発明の実施形態1に係る発電電動機について、図1〜図4を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態1に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図であり、図10に一点鎖線で示した発電電動機の中心線より上方の領域を示している。また、図2と図3は、それぞれ図1のA−A’断面、B−B’断面におけるスロットの内部構成を示す図であり、回転子は図示していない。
固定子鉄心1はティース2とスロット3を有し、スロット3に納められた電機子巻線4a,4a’はティース2aに、電機子巻線4b,4b’はティース2bに、それぞれ巻回されている。
図示しない液体冷媒を溜めるタンク等から図示しない冷媒通路を通った液体冷媒20がモータケース8に設けられた冷媒供給口21aおよび21bを通して発電電動機内の電機子巻線4の両端部に滴下される。電機子巻線4を除熱した液体冷媒20はモータケース8(図24を参照)の下方に溜まり、冷媒排出口22(図24を参照)より図示しないポンプ等により加圧されるか、又は回転体(例えば、発電電動機の回転子5に付設した羽根)によりかき上げられて冷媒通路を循環する。
ここで、本実施形態1では、固定子鉄心1のスロット3内に傾斜付き絶縁フィルム12を設けることが特徴の1つである。傾斜付き絶縁フィルム12は、図4に示すように、絶縁フィルム12の幅方向中央部(スロット3内で隣接する巻線4aと4b間に介在する部位)に凹部11を設け、固定子鉄心の軸方向に沿ってコイルエンド側から軸方向胴部側(軸方向中央側)に向かって傾斜しており、スロット3内の隣接する巻線4aと4bとの間に設けられている。巻線4の端部に滴下した液体冷媒は、絶縁フィルム12の凹部11に浸入し、傾斜している凹部11(コイルエンド側では凹部11は浅く、軸方向胴部側では凹部11は深い)に沿って巻線4の軸方向中央側に流れて巻線4をむらなく冷却する。
本実施形態1における絶縁フィルム12は元々巻線4の絶縁を図るためのフィルム(シートとも称する)を活用し加工したものであり、元々の絶縁フィルムは、巻線4aと4bの間で巻線同士が接触、近接しないように巻線支持部13上で巻線4aと4bを離隔しておくものであって、図4に示す凹部11に対応する部位は略平坦部を形成している。なお、図2、図3に示す巻線支持部13は、巻線4をスロット3の適宜位置に支持するためのものであって挿し木とも称される。
ここで、本実施形態1に関する傾斜付き絶縁フィルム12の幅方向中央部に形成された凹部11は、図2(A−A’断面)では発電電動機の径方向外周側に、図3(B−B’断面)では発電電動機の径方向内周側に、それぞれ位置している。
従来使用していた巻線4aと4bを絶縁するための絶縁フィルム12は、巻線4のコイルエンド側(コイル端部)から軸方向胴部側に亘って同一形状を成しているが、本実施形態1では、図4に示すように、当該絶縁フィルム12を活用してその幅方向中央部に凹部11を形成するとともに、当該凹部11は巻線端部側で浅い溝(図示例ではV字溝)であり且つ軸方向中央側で深い溝を形成して液体冷媒を軸方向中央側に流通させている。したがって、図4に示すV字溝11の上辺は、巻線端部側から軸方向中央側にかけて傾斜する構造となる(図4の例示で云えば、凹部11であるV字溝の上辺が軸方向胴部側にかけて下り傾斜となっている)。
敷衍して説明すると、巻線端部側の断面を示す図2と、固定子鉄心の軸方向中央側の断面を示す図3と、における傾斜付き絶縁フィルム12の形状から分かるように、凹部11の溝深さが図2よりも図3の方が深くなるとともに、凹部の上辺は図2よりも図3の方が固定子鉄心の軸に近づいている。
巻線端部から固定子鉄心の軸方向へ導入された液体冷媒は、スロット3内において、傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11をオーバーフローし、傾斜付き絶縁フィルム12と挿し木13との間隙を経て、固定子鉄心の内径側に抜け出る。
本実施形態1の構成により、電機子巻線4の端部を伝って流れた液体冷媒は、傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11を通って固定子鉄心1の軸方向中央へ導流される。これにより、電機子巻線4を沿って流れる液体冷媒の量が増加し(大部分の液体冷媒が電機子端部のみに流れる従来技術に比べて)、電機子巻線4への冷却能力が向上する。
また、本実施形態1に関する傾斜付き絶縁フィルム12は、従来の巻線用の絶縁フィルムを活用し且つ凹部を形成することのみで足りるので、簡易な構造と加工で巻線の冷却能力を高めることができる。さらに、固定子鉄心1の複数のスロット3に巻回された各巻線端部に液体冷媒を滴下及び/又は噴射することによって、各スロットに巻回された巻線同士は略均等に冷却されることになり、スロットの上下位置の違いによって冷却効果に差が生じることはない(巻線端部に滴下又は噴射する従来の構造では、より上位の巻線端部に注がれた冷媒の大部分がより低位の巻線端部に流れ洩れる影響により、より下位の巻線端部の冷却効果がより上位のそれよりも大となって、巻線の冷却効果に差が生じる)。
なお、絶縁フィルム12は巻線4a,4bを機械的に拘束して巻線4a,4b間の電気的絶縁を果たすものであるが、その形状は、フィルムに限らず、シート形状であってもよく、さらに、巻線の機械的拘束と電気的絶縁を奏するものであれば如何なる形状と材料の絶縁部材であってもよいのは当然である。以下に説明する本発明の他の実施形態についても同様なことが云える。
次に、本実施形態1に関する、巻線の傾斜付き絶縁フィルムにおける変形構成例について、図5を参照しながら説明する。図5に示すように、傾斜付き絶縁フィルム12の長さを固定子鉄心1の軸方向長さよりも短くする構成である。因みに、図1に示す傾斜付き絶縁フィルム12は、凹部11の最底部が固定子鉄心1の軸方向の略中央又はその近傍に形成されるように、巻線4の両端部から互いに下り傾斜となっていてその軸方向長さが固定子鉄心のそれと略同一である。
図5に示すように、傾斜付き絶縁フィルム12はその軸方向長さを固定子鉄心1の軸方向長さと一致させるものに限らず、傾斜付き絶縁フィルム12の長さが固定子鉄心1の軸方向長さと大部分で一致していれば、巻線4a,4b間の絶縁効果並びに巻線4の冷却効果を図1のものと比べて略同等とすることができる。また、図5に示す変形構成例は、固定子鉄心1の左側から右下がりの傾斜構造となっているが、図5に示す巻線4の隣りの巻線に対応する傾斜付き絶縁フィルム12は、固定子鉄心1の右側から左下がりの傾斜構造としてもよい。
「実施形態2」
本発明の実施形態2に係る発電電動機について、図6〜図8を参照しながら以下説明する。図6は本発明の実施形態2に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図であり、図7は図6のC−C’断面におけるスロットの内部構成を示す図であり、図8は図6のD−D’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。
本実施形態2では、実施形態1と同様に、固定子鉄心1のスロット3内に凹部11を設けた傾斜付き絶縁フィルム12を配置することの外に、コの字型絶縁フィルム14を図7及び図8に示すように設置することを特徴とする。ここで、コの字型絶縁フィルム14は、スロット3内の電機子巻線4a及び4bと傾斜付き絶縁フィルム12との間に、傾斜付き絶縁フィルム12を覆い被せるようにして、設ける。その他の構成は実施形態1と同様である。ここで、傾斜付き絶縁フィルム12の軸方向両端部は、コの字型絶縁フィルム14及び固定子鉄心1の両端部よりも巻線端部の側に多少せり出した構造にすることによって、滴下した液体冷媒がコの字型絶縁フィルム14の上辺部で遮られることなく、傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11に導流されることになる。
コの字型絶縁フィルム14を設ける理由は、図8からも分かるように、軸方向中央側において傾斜付き絶縁フィルム12の回転軸径方向高さが低くなっていることに伴って、絶縁フィルム12がスロット3内の外径側の巻線4a,4bを拘束し難くなっており、巻線4a,4b間の絶縁性に課題が生じる。そこで、本実施形態2では、コの字型絶縁フィルム14が、傾斜付き絶縁フィルム12をその外径側から覆うように且つ巻線と傾斜付き絶縁フィルム12との間に介在するように設けられている。本実施形態2によって、実施形態1と同様の冷却効果を得るとともに、電機子巻線4aと4b間の絶縁性能を確保することができる。
「実施形態3」
本発明の実施形態3に係る発電電動機について図9を参照しながら以下説明する。図9は本発明の実施形態3に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。ただし、図24に一点鎖線で示した中心線より上方の領域を示している。
図9に示す本実施形態3が、図1に示す本実施形態1と異なる点は、固定子鉄心1のスロット3内に設けた傾斜付き絶縁フィルム12が、その両端部で固定子鉄心1よりも軸方向両端方向に延伸した構造にある。その他の構成は実施形態1と同様である。
本実施形態3の構成によれば、電機子巻線4を伝って流れる液体冷媒に加えて、冷媒供給口21から滴下された液体冷媒20が傾斜付き絶縁フィルム12により受け止められて、固定子鉄心1の軸方向中央へ導流されることとなる。これにより、スロット3の軸方向に巻かれた電機子巻線4に沿って流れる液体冷媒の量がさらに増加し、巻線4への冷却能力が一層向上する。
次に、本実施形態3に関する、巻線の傾斜付き絶縁フィルムにおける変形構成例について、図10を参照しながら説明する。図10に示すように、傾斜付き絶縁フィルム12の長さを、上述した延伸部分を除いて、固定子鉄心1の軸方向長さよりも短くする構成である。因みに、図9に示す傾斜付き絶縁フィルム12は、凹部11の最底部が固定子鉄心1の軸方向の略中央又はその近傍に形成されるように、巻線4の両端部から互いに下り傾斜となっており、上述した延伸部分を除いてその軸方向長さが固定子鉄心1のそれと略同一である。
図10に示すように、傾斜付き絶縁フィルム2はその軸方向長さを、両巻線端部の軸方向長さと一致させるものに限らず、一方(左又は右)の巻線端部側から他方(右又は左)の巻線端部側に向けて設けられた傾斜付き絶縁フィルム12の長さが両巻線端部の軸方向長さと大部分で一致していれば、巻線4a,4b間の絶縁効果並びに巻線4の冷却効果を図9のものと比べて略同等とすることができる。また、図10に示す変形構成例は、固定子鉄心1の左側から右下がりの傾斜構造となっているが、図9に示す巻線4の隣りの巻線に対応する傾斜付き絶縁フィルム12は、固定子鉄心1の右側から左下がりの傾斜構造としてもよい。
「実施形態4」
本発明の実施形態4に係る発電電動機について図11を参照しながら以下説明する。図11は本発明の実施形態4に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図である。ただし、図24に一点鎖線で示した中心線より上方の領域を示している。
図11に示す本実施形態4が、図1に示す実施形態1と異なる点は、固定子鉄心1の略中央部に液体冷媒抜き孔15を設けた構造にある。
本実施形態4によれば、滴下された液体冷媒が巻線端部を通って電機子巻線4を伝って流れる流路の外に、滴下された液体冷媒が傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11(図2〜図4を参照)を通って固定子鉄心1の軸方向中央へ導流されて液体冷媒抜き孔15から電動発電機の内径側に至り、回転子5に滴下する流路を形成する。
この流路の形成により、回転子5に渦電流損などに起因して発熱が生じる場合にも、液体冷媒による効果的な冷却が可能となる。さらに、傾斜付き絶縁フィルム12の凹部内の液体冷媒が電機子巻線4の発熱を受けて高温となり、この液体冷媒がスロット3内に滞留することになるが、本実施形態4に示す液体冷媒抜き孔15を設けることによって、高温の液体冷媒のスロット3内の滞留を防ぐことができる。なお、液体冷媒抜き孔15は、固定子鉄心の中央部に限らず、その中央部から離れた最下点の箇所でもよく、さらに、回転子の発熱部位に対応する箇所であってもよい。
「実施形態5」
本発明の実施形態5に関する液体冷媒の流れ通路を形成する絶縁フィルムについて、図12を参照しながら以下説明する。図12は本発明の実施形態5に関する、液体冷媒の流れ通路を形成する巻線の絶縁フィルムの構造を示す見取図である。
図12に示す本実施形態5に関する絶縁フィルム12の特徴は、図4に示す実施形態1の絶縁フィルム12と対比すると、絶縁フィルム12の幅方向中央部に設けた凹部11(滴下又は噴射した液体冷媒が流れ下る流路)がコイルエンド側では浅く、軸方向胴部側では深い構造であることには変わりはないが、絶縁フィルム12の基部18aと凹部11の上辺部18bとを繋ぐ絶縁フィルム14の高さ部18cの寸法が異なり、高さ部18cがコイルエンド側と軸方向胴部側とで同一高さの構造である。
本実施形態5に示すように、絶縁フィルム12の軸方向両端側でその高さ部18cを同一とすることによって、図2と図3に示す巻線4a,4bのコイルエンド側と軸方向胴部側とで巻線の高さ方向に亘って同等に絶縁されることになる。すなわち、図3に示す巻線の絶縁との対比で云えば、軸方向胴部側において、内径側の巻線4a,4bと同様に外径側の巻線4a,4bに対しても絶縁フィルム12の高さ部12cが当接することになって、巻線4a,4bの機械的拘束と電気的絶縁を果たすことになる。
「実施形態6」
本発明の実施形態6に関する液体冷媒の流れ通路を形成する絶縁部材について、図13〜図15を参照しながら以下説明する。図13は本実施形態6に係る発電電動機における液体冷媒の流れ通路を示す断面図であり、図14は図13のA−A’断面におけるスロットの内部構成を示す図であり、図15は図13のB−B’断面におけるスロットの内部構成を示す図である。
本実施形態6の構成上の特徴は、図14と図15からも分かるように、液体冷媒の流れ通路を形成する絶縁部材は、巻線4a,4bを絶縁する絶縁フィルム29と、この絶縁フィルム29上に設置した別部材の凹部11を有する傾斜部材30と、から構成され、ここで、絶縁フィルム29は軸方向でその高さ(回転軸の径方向高さ)が一定であるものであり、傾斜部材30は巻線を拘束し絶縁する材料から成るものである。傾斜部材30の凹部11の高さは、液体冷媒20が巻線端部側から流れ込んで軸方向胴部側に向かって流れるように、低くなっている。また、図示例では傾斜部材30自体の高さも軸方向胴部側に向かって低くなっているが、傾斜部材30自体の高さを巻線端部側と軸方向胴部側とで同一高さとして、凹部11の深さを巻線端部側で浅くし軸方向胴部側で深くして液体冷媒を軸方向胴部側へ導流させてもよい。
絶縁フィルム29は、従来のものに比べて、その高さを異にするだけであって軸方向に亘って同一の高さを有するものであって製作工数の少ない簡易の構造である。また、傾斜部材30は、巻線支持部(挿し木)13及び絶縁フィルム29とは別に製作して別の工程でスロット3内に設置すればよいので、それ程の手間暇を要さずに液体冷媒の流れ通路を形成することができる。
「実施形態7」
本発明の実施形態7に関する、液体冷媒の噴射孔、巻線端部、傾斜付き絶縁フィルムにおける配置関係について、図16〜図18を参照しながら以下説明する。図16は本発明の実施形態7に関する、エンドブラケットに設けた液体冷媒の通路と噴射孔を示す見取図であり、図17は本実施形態7に関する、液体冷媒の噴射孔、巻線端部、傾斜付き絶縁フィルムの位置関係を示す図であり、図18は本実施形態7に関する、液体冷媒の噴射孔、巻線端部、傾斜付き絶縁フィルムの他の位置関係を示す図である。
本実施形態7に関する液体冷媒の巻線端部への噴射態様は、その概要を図25に示しているが、より具体的には図16〜図18に示す構造と機能を有するものである。液体冷媒20は、シャフト6の両端に設けられたエンドブラケット7の冷媒通路33及び環状の冷媒流溝34を介して、リング36に設けられた複数の冷媒噴射孔23を通って巻線端部4と絶縁フィルム12の凹部11に向けて噴射される。
図17はリング36の噴射孔23からの液体冷媒が巻線4の端部に向けて直接噴射される態様を示し、図18はリング36の噴射孔23からの液体冷媒が傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11に向けて直接噴射される態様を示している。なお、図18では噴射孔23と絶縁フィルム12との位置関係が明示できるようにリング36は透過形状で表記している。
図17の噴射孔23の配置においては、液体冷媒は巻線端部に直接噴射され、巻線端部を冷却するとともに、巻線端部から漏れた液体冷媒が絶縁フィルム12の凹部11に注ぎ込み、凹部11に流れる軸方向の液体冷媒によって巻線4が軸方向に亘って冷却される。図18の噴射孔23の配置においては、液体冷媒は絶縁フィルム12の凹部11に直接噴射され、凹部11に流れる軸方向の液体冷媒によって巻線4が軸方向に亘って冷却されるとともに、噴射された液体冷媒は絶縁フィルム12の凹部11以外にも巻線端部にも降り注いで巻線端部を冷却する。
図17と図18において、噴射孔23は、環状リング36の頂部から回転軸の水平部分に亘って複数の部位に設置されている。頂部及びその近傍の噴射孔23からの液体冷媒は、その大部分がその噴射孔に対向する絶縁フィルム12の凹部11に流れることとなるので、巻線の部位の高低に関わらず略均等に巻線冷却されることとなる(従来技術では、より下位の巻線端部には上位の巻線端部から漏れ溢れてきた液体冷媒によって、下位側の巻線端部がより冷却されることとなって冷却不均等であった)。
「実施形態8」
本発明の実施形態8に係る電動車両に適用した発電電動機の固定子構造について、図19を参照しながら以下説明する。図19は本発明の実施形態8に係る電動車両に適用した発電電動機のスロットに設けた傾斜付き絶縁フィルムの回転軸周方向の配置を示す図である。
本実施形態8では、油圧ショベル、ホイールローダなどの電動車両が傾斜地で作業することを前提にして、回転軸の軸周方向に最大45度傾いて作業する場合を想定して、傾斜付き絶縁フィルム12を設ける回転位置について、図19に示す鉛直軸e−e’から少なくとも45度以内のスロット3に傾斜付き絶縁フィルム12を設けている。図19に示す図示例で云えば、固定子の全周360度に対してスロットが12個であるので1スロットが30度であり、電動車両が仮に45度傾いても上位位置に対応するスロットには最低限必ず傾斜付き絶縁フィルム12a又は12cが位置付けされていることになる。
図示例では3つのスロット3に傾斜付き絶縁フィルム12を設けているが、これに限らず鉛直軸e−e’の両側90度の範囲内のすべてのスロットに傾斜付き絶縁フィルム12を設けることによって、回転軸周方向の45度傾いた状態(過渡的な傾斜地での状態)での巻線冷却の均等化を図ってもよい。この際に、真上の3箇所からは液体冷媒の滴下による冷媒供給を行い、他の箇所からは液体冷媒の噴射による冷媒供給を行ってもよく、冷媒の供給態様は適宜に選択すればよい。
本実施形態の構成により、車体が回転軸の周方向(回転方向)に傾斜した場合においても、電機子巻線4を伝って流れた液体冷媒は傾斜付き絶縁フィルム12a,12b,12cに設けられた凹部11を通って固定子鉄心1の軸方向中央へ導入される。したがって、車体が傾斜する建設機械車両のような車両に搭載された場合においても、冷却能力を維持することが出来る。なお、電動車両の傾きは、上述したような回転軸(シャフト)6の周方向の傾きに限らず、回転軸の軸方向の傾きも考えられる。巻線端部間に設けられた傾斜冷媒流路はその中央部分が最下位の位置を占めるように形成されているので、回転軸の軸方向が傾いても液体冷媒は冷媒流路に溜まるようになって、巻線の冷却機能を果たすこととなる。
次に、本発明の実施形態8に係る、発電電動機を適用した電動車両について、図20〜図22を参照しながら以下説明する。図20は本実施形態8に係る発電電動機を適用した電動車両の外観を示す見取り図であり、図21は本実施形態8に係る発電電動機を適用した電動車両が傾斜地で作業する状況を表す図であり、図22は本実施形態8に係る発電電動機を適用した電動車両におけるエンジン室の断面構成図である。
図20〜図22において、電動車両(油圧ショベル、ホイールローダ)は、走行体41と、走行体41上に旋回可能に設けた旋回体42と、旋回体42の前方左側に設けた運転室43と、旋回体42上に横置きに配置したエンジン室44と、旋回体42の後部に設けたカウンタウェイト45と、旋回体42の前部に設けられ、ブーム66、アーム67、及びバケット68からなる多関節型フロント装置46と、から構成されている。
走行体41は、左右に無限軌道履帯63を備えていて、それぞれ走行用モータ64の駆動力によって駆動される。エンジン室44及び多関節型フロント装置46等を備えた旋回体42は、旋回体42の中心部に設けた不図示の旋回用モータ(本実施形態に係る発電電動機50とは別のもの)により走行体41に対して旋回される。多関節型フロント装置46を構成するブーム66、アーム67及びバケット68は、それらにそれぞれ設けたブームシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダ47によって駆動動作される。
上述した各種シリンダ47、走行用モータ64及び旋回モータは、油圧アクチュエータを用いており、運転室43内の操作者による操作に応動して、エンジン室44内のエンジン51及び/又は発電電動機50によって駆動される油圧ポンプ52からの圧油を制御する制御弁装置からの圧油により、駆動されるようになっている。
ここで、発電電動機50は、図1〜図18に示す構成のものを用い、油圧ポンプ52の駆動源として電動車両に適用されるものであり、発電電動機50に対して、フライホイール80と内燃機関部81からなるエンジン51と、ギヤ90と油圧機構部91からなる油圧ポンプ52とが、シャフト6を介在して配設される。すなわち、本実施形態8にて使用される発電電動機50が、エンジン51と油圧ポンプ52に挟まれて配設される構成である。なお、エンジン51は必須構成でなくてもよく、電動車両は発電電動機50と油圧ポンプ52とか構成されたものであってもよい。
エンジン室44は、エンジン51と、発電電動機50と、油圧ポンプ52とを備えているが、それ以外に、エンジン51の冷却水を冷却するラジエータ56と、ラジエータ56を冷却する冷却風Pを生起する冷却ファン57と、空気流(冷却風)Pを取り入れ冷却ファン57に導入する吸込口70と、空気流Pを外部に排出する吐出口71と、吸音体72と、エンジン51の回転を冷却ファン57に伝達するクランク軸58、ファンベルト59、補助回転軸60と、エンジン51を設置する振動減衰手段55、フレーム54と、エンジン51からの排気ガスを消音するマフラー73と、各構成要素を覆うカバー(上カバー93、吸込側横カバー94、下カバー95、吐出側横カバー96)と、を主として備えている。このように、本実施形態8に係る発電電動機50は、電動車両において旋回体42上のエンジン室44に図22に示すように各構成要素と関連して配置されるものである。
本実施形態8に係る発電電動機を適用した電動車両は、図21に示すように、傾斜地49で掘削作業をする場合に、まず傾斜地49上を走行体41が上昇していき、次いで旋回体42を旋回させてエンジン室44を横向きに配置させて作業を実施する。図21に示す作業例では、本実施形態9に係る電動車両は、適用された発電電動機のシャフト(回転軸)6が、その周方向に傾きその軸方向には水平である状態である。電動車両は、回転軸の周方向の傾きに限らず、回転軸の軸方向に傾いて作業する場合も当然にあり得る。なお、電動車両の傾斜地での作業は、精々30度傾斜までの作業が標準的な規定とされており、45度の傾斜状態は電動車両が一時的又は過渡的な状態となる場合のことである。
図22に示す電動車両における発電電動機50は、発熱源であるエンジン51と油圧ポンプ52との間に挟まれていて高温の温度環境下に設置されているので、発電電動機の電機子巻線の冷却を実施する必要性が希求され、冷却の必然性が生じている。一方で、電動車両は、傾斜地で稼働又は作業を行うものであることからすると、電動車両に搭載された発電電動機が傾斜した場合にも平坦地と同様な冷却効果が期待されるのである。
上述した高温環境下と傾斜地での稼働又は作業において、ともに電機子巻線の冷却効果を奏させるためには、巻線端部から軸方向の中央に向かって巻線に沿った傾斜冷媒流路を構成すること、並びに発電電動機の回転軸周方向の最上位スロットとそれより下方のスロットにも上述の傾斜冷媒流路を形成すること、の2つの条件が必要とされるのである。すなわち、本実施形態8に係る電動車両に対して上記の2つの条件を具備することが最適例となる。
図19は、本実施形態8に係る電動車両に適用した発電電動機のスロットに設けた傾斜付き絶縁フィルム12の回転軸周方向の配置を示す図である。電動車両(例えば、油圧ショベル、ホイールローダ)に発電電動機を搭載する場合に、発電電動機は、図22に示すように油圧ポンプ52を駆動するために油圧ポンプ52と連結されており、発電電動機の回転軸であるシャフト6が、電動車両の平地作業状態では概ね水平となるように車両に搭載される。しかし、電動車両は平地に限らず、図21に示すように傾斜地49においても作業することがあり、電動車両はその傾斜角度として最大45度で作業することも有り得る。
図19に示す構成例では3つのスロット3に傾斜付き絶縁フィルム12を設けているが、これに限らず鉛直軸e−e’の両側90度の範囲内のすべてのスロットに傾斜付き絶縁フィルム12を設けることによって、回転軸周方向の45度傾斜地での巻線間の冷却の均等化を図ってもよい。この際に、真上の3箇所からは液体冷媒の滴下による冷媒供給を行い、他の箇所からは液体冷媒の噴射による冷媒供給を行ってもよく、冷媒の供給態様は適宜に選択すればよい。
なお、電動車両においては、図12に示すように、絶縁フィルム12の高さ部18cを軸方向で同一とし且つ傾斜付きの凹部を設ける一体構造として、巻線4a,4b間の機械的拘束と電気的絶縁を行うとともに巻線軸方向における巻線の冷却均等化を可能とするものが、電動車両の走行時に振動を伴うことを考慮すると、巻線の保持状態を維持する上で効果的である。さらに、回転軸(シャフト)6の上位に位置するすべてのスロットに図19に示す傾斜付き絶縁フィルム12を設けることによって、電動車両の最大角度の傾きの場合にも冷却能力の維持を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態8では電動車両が傾斜地で作業する場合においても、電機子巻線4の端部を通った液体冷媒は傾斜付き絶縁フィルム12の凹部11に流れ込んで固定子鉄心1の軸方向中央へ導かれて巻線を冷却する。したがって、電動車両の車体が傾斜する建設機械車両(例えば油圧ショベル、ホイールローダ)のような車両に搭載された場合においても、冷却能力を発揮することができる。
1 固定子鉄心
2,2a,2b ティース
3,3a,3b,3c スロット
4,4a,4b,4a’,4b’ 電機子巻線
5 回転子
6 シャフト
7 エンドブラケット
8 モータケース
9 冷却水路
11 凹部
12,12a,12b,12c 傾斜付き絶縁フィルム
13 巻線支持部(挿し木)
14 コの字型絶縁フィルム
15 液体冷媒抜き孔
16 凹部無し絶縁フィルム
18a 絶縁フィルム基部
18b 絶縁フィルム上辺部
18c 絶縁フィルム高さ部
20 液体冷媒
21a,21b 冷媒供給口
22 冷媒排出口
23,23a,23b 冷媒噴射孔
29 高さ一定の絶縁フィルム
30 傾斜部材
33 冷媒通路
34 冷媒流溝
35 オイルシール
36 リング
41 走行体
42 旋回体
43 運転室
44 エンジン室
45 カウンタウェイト
46 多関節型フロント装置
47 シリンダ
49 傾斜地
50 発電電動機
51 エンジン
52 油圧ポンプ
54 フレーム
55 振動減衰手段
56 ラジエータ
57 冷却ファン
58 クランク軸
59 ファンベルト
60 補助回転軸
63 無限軌道履帯
64 走行用モータ
66 ブーム
67 アーム
68 バケット
70 吸込口
71 吐出口
72 吸音体
73 マフラー
80 フライホイール
81 内燃機関部
90 ギヤ
91 油圧機構部
93 上カバー、
94 吸込側横カバー
95 下カバー
96 吐出側横カバー
P 空気流(冷却風)

Claims (11)

  1. スロットとティースを有しケースに固設された固定子鉄心をもつ固定子と、前記固定子の内周側に対向配置され回転軸を中心として回転する回転子と、隣接する前記スロット間で前記ティースに巻回された電機子巻線と、前記電機子巻線の巻線端部に滴下及び/又は噴射される液体冷媒と、備え、
    前記スロット内の一方側に巻回された一方の巻線と前記スロット内の他方側に巻回された他方の巻線とを電気的絶縁する絶縁部材を設け、
    前記液体冷媒を前記巻線端部側から前記回転軸の中央側に向かって導流する導流経路が、前記絶縁部材に形成される
    ことを特徴とする発電電動機。
  2. 請求項1において、
    前記導流経路は、前記巻線端部側から前記回転軸の中央側に向かって下り傾斜を有する構造であることを特徴とする発電電動機。
  3. 請求項2において、
    前記絶縁部材の頂部に前記液体冷媒を導流する前記導流経路用の凹部を設け、
    前記凹部は、前記巻線端部側では浅く、前記回転軸中央側では深く形成される
    ことを特徴とする発電電動機。
  4. 請求項2において、
    前記絶縁部材は、絶縁フィルム又は絶縁シートからなり、
    前記一方と前記他方の巻線間に介在する前記絶縁部材の頂部部位を折り曲げて前記下り傾斜の導流経路を作成する
    ことを特徴とする発電電動機。
  5. 請求項3において、
    前記一方の巻線及び前記他方の巻線と、前記深浅の凹部をもつ絶縁部材と、の間に別の絶縁部材を介在させ、
    前記別の絶縁部材は、前記一方及び前記他方の巻線の外周側と内周側に亘って巻線を機械的に支持し且つ前記一方と前記他方の巻線間を電気的に絶縁する
    ことを特徴とする発電電動機。
  6. 請求項3において、
    前記凹部を設けた前記絶縁部材は、前記電機子巻線の内周側から外周側に亘って対面する前記絶縁部材の高さ部の寸法が略等しいことを特徴とする発電電動機。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つの請求項において、
    前記絶縁部材は、当該絶縁部材の端部が、前記固定子鉄心の軸方向の端部よりも前記電機子巻線の巻線端部側に延設して形成されることを特徴とする発電電動機。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つの請求項において、
    前記巻線端部側から前記回転軸の中央側に向かって導流する導流経路には、前記回転軸の略中央部において、前記液体冷媒を前記回転子に向かって流下させる抜き孔を設けることを特徴とする発電電動機。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つの請求項に記載された発電電動機と、前記発電電動機の前記回転軸と連結する内燃機関部と、前記発電電動機の前記回転軸と連結し、前記内燃機関部と反対側に設置される油圧機構部をもつ油圧ポンプと、を備えた電動車両。
  10. 請求項9において、
    前記発電電動機における前記絶縁部材が、前記回転軸に対する鉛直線から前記固定子の周方向に亘って少なくとも45度以内の前記スロットに設けられる電動車両。
  11. 請求項9において、
    前記電動車両が規定の傾斜地で作業し、前記電動発電機の前記回転軸が周方向に傾く場合、少なくとも最頂部位に位置するスロットには前記液体冷媒が滴下又は噴射される電動車両。
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