JP2015025082A - 接着フィルム、フィルム巻装体、及びフィルム巻装体の製造方法 - Google Patents

接着フィルム、フィルム巻装体、及びフィルム巻装体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】巻締まりの応力による接着剤成分のはみ出しを抑制し、いわゆるブロッキングの発生を防止することができる接着フィルム、フィルム巻装体、及びこのフィルム巻装体の製造方法を提供する。
【解決手段】カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルム2を巻芯10に巻回する。これにより、接着フィルム2をリール3から引き出す際にテンションによる巻締まりが生じた場合にも、接着剤成分が巻装体側面からはみ出すことを抑制し、ブロッキングが発生することを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ICチップ等の電子部品と液晶表示パネル等の基板、あるいはフレキシブル基板とリジット基板等の基板同士を電気的、機械的に接続する接着フィルムに関し、特に接着フィルムが巻回されたフィルム巻装体に関する。
従来、液晶パネルとICチップを接続するような電子部品同士を電気的に接続する接着フィルムとして、異方性導電フィルム(ACF:Anisortropic Conductive Film)が用いられている。この異方性導電フィルムは、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)やICチップの端子と、LCDパネルのガラス基板上に形成されたITO(Indium Tin Oxide)電極とを接続する場合をはじめとして、種々の端子同士を接着すると共に電気的に接続する場合に用いられている。
異方性導電フィルムとしては、一般にエポキシ樹脂系の絶縁性接着剤の中に導電性粒子を分散させたものが使用されており、例えば、ICチップの端子とガラス基板におけるITO電極との間に、導電性粒子が挟まれて潰されることにより、ICチップとITO電極との電気的接続が実現され、また、この状態で接着剤が硬化されることにより、ICチップとITO電極との機械的接続が実現されている。
このような接着フィルムは、幅狭で長尺の剥離シート上に形成され、リール部材にロール状に巻取った形態で出荷される。例えば、図6に示すように、接着フィルム50は、バインダー樹脂層51をPET(Poly Ethylene Terephthalate)等の剥離フィルム52上に積層し、数mm幅の長尺のフィルムとして製造され、図7に示すように、剥離フィルム52に支持された状態でリール53の巻芯53aに巻回されて出荷される。
このように接着フィルム50は、リール53に巻回されたフィルム巻装体54の状態で保管され、使用時にはこのリール53より引き出され、必要な長さにカットされた後、電子部品の接続に供される。
フィルム巻装体54の使用時において、接着フィルム50をリール53から引き出す際、テンションによる巻締まりが生じる。この巻締まりによる応力は、巻芯部になるほど大きくなる。また、この応力は、リール53に巻回される接着フィルム50が長尺であるほど増大する。この応力が大きくなりすぎると、接着剤成分が巻装体54からはみ出し、リール53のフランジ55に付着し、接着フィルム50をリール53から正常に引き出せなくなる、いわゆるブロッキングが発生してしまう。この現象は、特に、接着剤成分の粘度が小さい場合、また、使用環境によって接着剤成分の粘度が小さくなってしまう場合において、顕著に発生する傾向がある。
また、巻装体54の巻締まりによる応力を低減させるべく、接着フィルム50を短尺化すると、リール53の交換頻度が増し、その都度ラインを停止する必要があるなど、生産効率が低下してしまう。
特許文献1には、リールから引き出された接着フィルムを、粘着ローラを介して貼付機構に導くように配置することにより、接着剤のはみ出しを抑制することが記載されている。また、特許文献2には、円筒形状に形成され、接着フィルムを巻取可能な巻芯軸部の回転軸方向に移動可能に構成され、巻芯軸部に巻き取られた接着フィルムを側面側から挟んで押圧する押圧機構を有するリール部材を用いることにより、接着剤のはみ出しを抑制することが記載されている。しかしながら、特許文献1、2の技術は、粘着ローラやリール部材などの設備を新たに設けなければならないため、コストが掛かってしまう。
また、特許文献3には、接着フィルム厚み方向に光照射を行うことで、表面近傍の粘度を上げることが記載されているが、本圧着時の流動性が損なわれてしまい、本圧着時の圧力マージンが狭くなってしまう。
特開2011−37636号公報 特開2012−153511号公報 特開2009−16133号公報
本発明は、上述した従来技術における課題を解決するものであり、接着フィルムの引き出し時のテンションによって巻締まりが生じた場合にも、巻締まりの応力による接着剤成分のはみ出しを抑制し、いわゆるブロッキングの発生を防止することができる接着フィルム、フィルム巻装体、及びこのフィルム巻装体の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る接着フィルムは、光カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%であることを特徴とする。
また、本発明に係るフィルム巻装体は、カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルムと、前記接着フィルムが巻芯に巻回されたリールとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るフィルム巻装体の製造方法は、カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有する接着フィルムを、リールの巻芯に巻回して巻装体を形成し、前記巻装体側面にエネルギー線を照射し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率を、中央部よりも高くし、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率を、3〜30%とすることを特徴とする。
また、本発明に係る接続体の製造方法は、カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルムの幅方向の両端部の10%を除く領域を使用し、電子部品を接続することを特徴とする。
本発明によれば、接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%であることにより、接着フィルムをリールから引き出す際にテンションによる巻締まりが生じた場合にも、接着剤成分が巻装体側面からはみ出すことを抑制し、ブロッキングが発生することを防止することができる。
本発明が適用されたフィルム巻装体を示す斜視図である。 接着フィルムの断面図である。 絶縁性接着剤層と導電性接着剤層とが積層された積層体を示す断面図である。 フィルム巻装体の側面にエネルギー線を照射する工程を示す斜視図である。 ACF幅とIC幅の関係を示す平面図である。 従来の接着フィルムの断面図である。 従来のフィルム巻装体を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施の形態と称する。)について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
1.フィルム巻装体、及び接着フィルム
2.フィルム巻装体の製造方法
3.実施例
<1.フィルム巻装体、及び接着フィルム>
本発明が適用されたフィルム巻装体1は、図1に示すように、接着フィルム2がリール3に巻回されることにより形成される。
[リール]
リール3は、接着フィルム2を巻き取る筒状の巻芯10と、巻芯10の両端にそれぞれ設けられた板状のフランジ11とを備える。巻芯10は、リール3を回転させるための回転軸が挿入される軸穴10aを有する。巻芯10には、接着フィルム2の長手方向の一方の端部が接続され、接着フィルム2が巻回されている。
巻芯10及びフランジ11は、例えば、種々のプラスチック材料を用いて形成することができる。フランジ11は、接着フィルム2と接する面に、静電処理を施すようにしてもよい。静電処理を施す方法としては、例えば、ポリチオフェン等の化合物をフランジ11に塗布する方法が挙げられる。
また、フランジ11は、後述するフィルム巻装体1の側面へのエネルギー照射工程において、エネルギー線を透過可能な材料で形成されていることが好ましい。また、フランジ11を巻芯10と着脱可能とし、フィルム巻装体1の側面へのエネルギー照射工程において、フランジ11を巻芯10から取り外し、フィルム巻装体1の側面を露出させてもよい。
[接着フィルム]
リール3に巻回されフィルム巻装体1を構成する接着フィルム2としては、電子部品を回路基板等に実装するCOG実装や基板同士を接続するFOG実装などに用いられる異方性導電フィルム(ACF:Anisortropic Conductive Film)、接着剤フィルム(NCF:Non Conductive Film)、太陽電池の電極とタブ線とを接続する導電性接着フィルム等が例示される。
以下では、接着フィルム2として異方性導電フィルム20を例に説明する。図2は、異方性導電フィルム20の構成例を示す断面図である。異方性導電フィルム20は、剥離フィルム21と、剥離フィルム21上に形成された接着剤層であるバインダー樹脂層22とを備える。異方性導電フィルム20は、テープ状に成型されており、フランジ11に挟持された巻芯10に、剥離フィルム21が外周側となるように巻回されることにより、巻芯10とフランジ11とで形成された領域に、フィルム巻装体1を構成する。
[剥離フィルム21]
剥離フィルム21は、例えば、基材にシリコーン等の剥離剤が塗布されており、テープ状に成型されている。剥離フィルム21は、異方性導電フィルム20の乾燥を防ぐとともに、異方性導電フィルム20の形状を維持する。剥離フィルム21に用いられる基材としては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methlpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等が挙げられる。
[バインダー樹脂層22]
異方性導電フィルム20のバインダー樹脂層22は、膜形成樹脂と、カチオン重合性化合物と、カチオン重合反応を開始するカチオン重合開始剤と、導電性粒子23とを含有する。
バインダー樹脂層22は、幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である。より好ましくは、バインダー樹脂層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率は、5〜10%である。平均反応率が3%未満では、はみ出し抑制の十分な効果が得られず、平均反応率が30%を超えると、硬化が進みすぎるため、熱硬化による接着機能が十分に得られない。
このようにバインダー樹脂層22は、側面部のみが適度に硬化されているため、巻き締りによる接着剤成分のはみ出しを抑制し、ブロッキングを防止することができる。また、未反応のカチオン重合性化合物は、熱圧着時に重合するため、優れた接着性が得られる。
ここで、バインダー樹脂層22の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率は、未反応のACFの反応率を0%、100%反応後のACFの反応率を100%とし、幅方向全体に測定光を照射して得たFT−IRスペクトルの例えばエポキシ基のピーク強度を内挿することにより求めることができる。また、顕微IRを用いてバインダー樹脂層22の幅方向の複数点を測定し、平均を算出することにより、平均反応率を求めることができる。
膜形成樹脂は、平均分子量が10000以上の高分子量樹脂に相当し、フィルム形成性の観点から、10000〜80000程度の平均分子量であることが好ましい。膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ブチラール樹脂等の種々の樹脂が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂を好適に用いることが好ましい。膜形成樹脂の含有量は、バインダー樹脂組成物100質量部に対し、通常、30〜80質量部、好ましくは40〜70質量部である。
カチオン重合性化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等の1官能性エポキシ化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネート、ヒダントインエポキシ等の含複素環エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトール−ポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂;芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂;スピロ環含有エポキシ樹脂;o−アリル−フェノールノボラック化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ビスフェノールAのそれぞれの水酸基のオルト位にアリル基を有するジアリルビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;シッフ系化合物、スチルベン化合物およびアゾベンゼン化合物のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキサンとエピクロルヒドリンとの反応生成物等の含フッ素脂環式、芳香環式エポキシ樹脂等を用いることができる。
カチオン重合は、暗反応を伴うため、光照射終了後も反応が徐々に進み、接着フィルムとしての機能を阻害してしまう恐れがある。そのため、カチオン重合性化合物として、比較的暗反応が生じにくいビスフェノールA型エポキシ樹脂、又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
また、脂環式エポキシ、オキセタン等の比較的暗反応が生じ易いカチオン重合性化合物を単独で、もしくはビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂と併用する場合には、暗反応防止剤として、例えばアミン類等を用いることが好ましい。
カチオン重合性化合物の含有量は、少なすぎると導通信頼性が低くなり、多すぎると接着強度が低くなる傾向があるので、好ましくはバインダー樹脂組成物100質量部に対し、20〜70質量部、より好ましくは30〜60質量部である。
カチオン重合開始剤は、カチオン種がエポキシ樹脂末端のエポキシ基を開環させ、エポキシ樹脂同士を自己架橋させる。本実施の形態では、カチオン重合開始剤として、光カチオン重合開始剤及び熱カチオン重合開始剤を併用することが好ましい。光カチオン重合開始剤を含有することにより、後述するように、フィルム巻装体の側面にエネルギー線を照射することにより、接着フィルムの側面のみを重合させることができる。また、熱カチオン重合開始剤を含有することにより、後述するように、熱加圧により、電子部品等を回路基板に接続することができる。
また、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤の2種類を使用する代わりに、光/熱どちらにも適用可能な、光/熱カチオン重合開始剤を1種類使用しても良い。また、光カチオン重合開始剤と光/熱カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤と光/熱カチオン重合開始剤を組み合わせてもよい。
光カチオン重合開始剤としては、トリアリールスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウム塩、トリアリールヨードニウム塩,ジアリールヨードニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩、4−メトキシジフェニルヨードニウム塩、ビス(4−メチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム塩、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物、ヘキサクロロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヘキサフルオロアンチモネート(4,4´−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド、ビス〔4−(ジフェニルスルフォニオ)−フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニル〕スルフィド、η5−2,4−(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6−η−(メチルエチル)ベンゼン〕−鉄(1+)等の1種以上が挙げられる。
また、熱カチオン重合開始剤としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、p−t−ブチルベンジルテトラヒドロチオフェニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−(4−クロロベンジル)アニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(1−フェニルエチル)アニリニウム六フッ化アンチモン、N−ベンジル−4−ジメチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N−ベンジル−4−ジエチルアミノピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸、N−(4−メトキシベンジル)−4−ジメチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N−(4−メトキシベンジル)−4−ジエチルアミノピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン、ジフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−4−ブロムフェニルヨードニウム六フッ化ヒ素、ジ−p−トリルヨードニウム六フッ化ヒ素、フェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム六フッ化ヒ素等の1種以上が挙げられる。
このような光・熱カチオン重合開始剤の中でも、特に、低温での反応性に優れ、ポットライフが長い芳香族スルホニウム塩を好適に用いることができる。
これら熱カチオン重合開始剤及び光カチオン重合開始剤の含有量は、少なすぎると反応性が無くなり、多すぎると接着剤の製品ライフが低下する傾向があるため、バインダー樹脂組成物100重量部に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。
導電性粒子としては、異方性導電フィルムにおいて使用されている公知の導電性粒子を用いることができる。例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの、これらの粒子の表面に更に絶縁薄膜をコートしたもの等が挙げられる。樹脂粒子の表面に金属をコートしたものである場合、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を用いることができる。
導電性粒子の平均粒径としては、通常1〜10μm、より好ましくは2〜6μmである。また、バインダー樹脂中の導電性粒子の平均粒子密度は、接続信頼性及び絶縁信頼性の観点から、好ましくは1000〜100000個/mm、より好ましくは30000〜80000個/mmである。
また、バインダー樹脂層22は、無機材料との界面における接着性を向上させるために、シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、エポキシ系、メタクリロキシ系、アミノ系、ビニル系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を込み合わせて用いてもよい。これらの中でも、本実施の形態では、エポキシ系シランカップリング剤が好ましく用いられる。
また、バインダー樹脂層22は、カーボンブラック等の光を遮蔽するフィラーを含有することが好ましい。これにより、接着フィルム巻状体の側面部に照射したエネルギー線が深部まで達することを抑制することができるため、側面のみを適度に硬化することが容易になる。
また、バインダー樹脂層22の流動性を制御し、粒子捕捉率を向上させるために、バインダー樹脂中に無機フィラーを含有させるようにしてもよい。無機フィラーとしては、特に限定されないが、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。このような無機フィラーは、異方性導電フィルムによって接続される接続構造体の応力を緩和させる目的によって適宜用いることができる。また、熱可塑性樹脂、ゴム成分等の柔軟剤等を配合してもよい。
このような構成からなる異方性導電フィルムは、幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、側面部のみが適度に硬化されているため、巻き締りによる接着剤成分のはみ出しを抑制し、ブロッキングを防止することができる。このため、接着フィルムの粘度が低い場合でも長尺化が可能になる。
また、異方性導電フィルムは、COG,COB、FOG、FOB、FOF等、用途を問わずに適用可能である。また、COGやCOB用途で使用する場合において、異方性導電接着フィルムの幅方向の端部をICとバンプの接続部として使用する場合、幅方向の両端部の10%を除く領域を使用し、IC接続することが好ましい。これによりICの十分な導通を得ることができる。
また、フィルム巻装体1は、異方性導電フィルムの一端をリール3の巻芯10に接続し、巻芯10に巻回することにより構成される。フィルム巻装体1は、フランジ11の外側から、あるいはフランジ11を巻芯10から取り外して、巻装体側面に向かって、バインダー樹脂層22のカチオン重合性化合物を硬化させる紫外線等のエネルギー線が照射される。これにより、フィルム巻装体1は、バインダー樹脂層22の側面側のみが硬化される。また、フランジ11を取り外した場合、巻装体側面にエネルギー線を照射した後、再度巻芯10にフランジ11が取り付けられる。
光照射による重合反応は、巻装体側面に臨むカチオン重合性化合物の一部を硬化させるのみであり、残った大部分のカチオン重合性化合物は、異方性導電フィルム20の実使用時における熱圧着工程おいて重合し、接着機能を発現する。
フィルム巻装体1は、バインダー樹脂層22の側面側のみが硬化されているため、異方性導電フィルム20をリール3から引き出す際にテンションによる巻締まりが生じた場合にも、巻締まりによる応力によってバインダー樹脂層22の成分が巻装体側面からはみ出し、ブロッキングが発生することを防止することができる。
なお、前述したカチオン重合性化合物以外に、アクリレート等のラジカル重合性化合物と光ラジカル発生剤/熱ラジカル発生剤の組み合わせも考えられるが、ラジカル重合は、空気中の酸素により阻害を受けやすいため、酸素を遮断した状態、例えば窒素雰囲気下で行わなければならず、簡便性に欠ける。光ラジカル発生剤の配合量を増加し、光照射の強度を高強度にする等の手法により、酸素下であっても本手法を適用することは可能であるが、制御が容易ではない。また、一般にラジカル発生剤による重合は、アクリル系のモノマーもしくはオリゴマーを主成分とする接着フィルム等に対して行われ、アクリル系の接着剤は、エポキシ系接着剤と比べて、ガラス等の対する接着力が低い。そのため、例えば異方性導電接着フィルムとして使用した場合、特にCOG用途において、アクリル系は、エポキシ系に比べて接続信頼性に劣る。
[接着フィルムの他の構成]
また、図3に示すように、異方性導電フィルム20は、導電性粒子が含まれない絶縁性の接着剤組成物からなる絶縁性接着剤層30と、上述したバインダー樹脂層22とを積層させた積層構造を備えてもよい。絶縁性接着剤層30は、導電性粒子23を除いて上記バインダー樹脂層22と同様の構成を有し、剥離フィルム21上に支持される。それぞれ剥離フィルム21に支持されたバインダー樹脂層22と絶縁性接着剤層30とは、重ね合わされた状態でラミネータによってラミネートされる。これにより、導電性接着剤層と絶縁性接着剤層とが積層された積層フィルムを製造することができる。この積層フィルムも、上記異方性導電フィルム20と同様に、リール3に巻回されることによりフィルム巻装体を構成し、側面にUV等のエネルギー線が照射されて、側面側のみが硬化される。
また、フィルム巻装体1の側面へのエネルギー線照射量は、中心側を多く、外側を少なく又は照射しないようにしてもよい。上述したように、異方性導電フィルム20の引き出し時にフィルム巻装体1に掛かる応力は、巻芯10に近くなるほど大きくなる。そこで、フィルム巻装体1は、巻芯10に近い中心側へのエネルギー線照射量を多くして、よりカチオン重合反応を促進させることで、大きな応力が掛かった場合にもバインダー樹脂層22のはみ出しを効果的に防止することができる。一方、フィルム巻装体1は、外側に掛かる応力は比較的小さいことから、エネルギー線照射量を多くしなくとも、バインダー樹脂層22のはみ出しを防止することができる。
このようなエネルギー線照射量の制御は、フィルム巻装体1の外側と内側で照度や照射時間を異ならせることにより、あるいは、中心部に円形の穴を空けたSUS等の金属板をマスクとしてフランジにあててUV光の照射範囲を狭める、又は、フランジ11の外側と内側で光の透過量が異なるように着色するなどにより行うことができる。UV光の照射範囲を狭めることにより、作業者のUV被爆を抑えることもできる。
なお、前述した実施の形態では、接着フィルム2として異方性導電フィルム20を例に説明したが、本発明は、導電性粒子23を含有しない接着フィルム、例えば絶縁性接着フィルム(NCF:Non Conductive Film)を用いてもよい。また、接着フィルム2として、例えば、太陽電池セルの電極とタブ線とを接続する導電性接着フィルムや導電性絶縁フィルムを用いてもよい。
また、上述した説明では、剥離フィルム21上にバインダー樹脂層22が支持された異方性導電フィルム20について説明したが、異方性導電フィルム20の両面が剥離フィルム21に挟まれた構造であってもよい。
<2.フィルム巻装体の製造方法>
次に、フィルム巻装体の製造方法について説明する。本実施の形態に係るフィルム巻装体の製造方法は、カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有する接着フィルムを、リールの巻芯に巻回して巻装体を形成し、巻装体側面にエネルギー線を照射し、接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率を、中央部よりも高くし、接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率を、3〜30%とするものである。
先ず、バインダー樹脂組成物となる、膜形成樹脂と、カチオン重合性化合物と、カチオン重合開始剤と、導電性粒子と、適宜、シランカップリング剤等を溶剤に溶解させる。溶剤としては、トルエン、酢酸エチルなど、又はこれらの混合溶剤を用いることができる。溶解させて得られた樹脂生成用溶液を剥離フィルム21に塗布し、溶剤を揮発させることにより、長尺の異方性導電フィルム20を得る。その後、異方性導電フィルム20は、適宜、剥離フィルム21を所定の幅に裁断した後、リール3に巻回され、これにより、フィルム巻装体1を得る。
次いで、図4に示すように、フランジ11を介してフィルム巻装体1の側面にUV光等のエネルギー線を照射する。エネルギー線は、フランジ11を透過してフィルム巻装体1の側面にあたる。これにより、フィルム巻装体1は、バインダー樹脂層22に含有された光カチオン重合開始剤が活性化し、異方性導電フィルム20の側面のみ重合反応を開始する。
エネルギー線照射は、所定の強度で所定時間だけ行われる。例えば、UV照射は、一定の照度で照射してもよく、また、段階的に強度を強めてもよい。また、エネルギー線を照射する工程は、接着フィルム巻状体の製造直後から、引き出し・貼り付け工程の直前までの任意のタイミングで行うことができる。UV光の積算光量は、光カチオン重合開始剤の種類や配合量、カチオン重合性化合物の種類や配合量、バインダー樹脂層22の常温時の粘度、リールからのフィルム引き出し時の力、及び照射するエネルギー線の波長等により左右されるが、一般的には10〜3000mJ/cm程度が好ましく、より好ましくは200〜2000mJ/cmである。
また、フランジ11を巻芯10から着脱自在に形成されたフィルム巻装体1の場合、巻芯10からフランジ11を外してエネルギー線の照射を行ってもよい。これにより、フィルム巻装体1の側面に直接照射光をあてることができ、効率よく異方性導電フィルム20の側面側を硬化させることができる。
なお、フランジ11が透明材質である場合には、光カチオン重合開始剤として、当該フランジ11によって吸収されない波長の光でカチオン重合反応を開始する種類のものを選択し、及び/又は光カチオン重合開始剤の配合量を増加し、照射光の強度を高強度にするなどの手法により、フランジ11を取り付けた状態であってもカチオン重合反応を進行させることができる。
さらに、異方性導電フィルム20は、バインダー樹脂層22に、カーボンブラック等の光を遮蔽するフィラーを配合してもよい。これにより、フィルム巻装体1の側面に照射された光が、バインダー樹脂層22の深部まで到達することが抑制され、容易に異方性導電フィルム20の側面側だけを適度に硬化させることができる。したがって、異方性導電フィルム20は、側面側以外の領域では、重合反応が抑制され、実使用時に重合されるため、電子部品等と回路基板とを確実に接続することができ、接続抵抗値の上昇も抑制することができる。
以上のようにして、バインダー樹脂層22の側面側のみが硬化され、バインダー樹脂層22の粘度が低い場合であっても、バインダー樹脂層22の成分が巻装体側面からはみ出すことを防止することができるフィルム巻装体1を得ることができる。
[接続工程]
フィルム巻装体1は、電子部品の接続時には、リール3より引き出され、必要な長さにカットされた後、電子部品の接続に供される。このとき、フィルム巻装体1は、異方性導電フィルム20を引き出す際に、テンションによる巻締まりが起きた場合にも、異方性導電フィルム20の側面が予め硬化されているため、巻締まりの応力によってもバインダー樹脂層22の成分がはみ出すことがない。したがって、フィルム巻装体1は、バインダー樹脂層22の成分がフランジ11に付着し、異方性導電フィルム20が正常に引き出せなくなるブロッキングを防止することができる。
所定の長さにカットされた異方性導電フィルム20は、回路基板の電極上に仮貼りされ、その上から電子部品やフレキシブル基板等が載置され、加熱押圧ヘッドによって、所定の圧力で所定時間、熱加圧される。これにより、バインダー樹脂層22が流動性を呈し、電子部品等及び回路基板の両電極間から流出すると共に、両電極間に導電性粒子23が挟持され、この状態でバインダー樹脂層22が硬化する。以上により、電子部品等及び回路基板の両電極が電気的に接続されるとともに、電子部品等が機械的にも回路基板上に接続される。
また、図5に示すように、COGやCOB用途で使用する場合において、異方性導電接着フィルムの幅方向の端部をICとバンプの接続部として使用する場合、幅方向の両端部の10%を除く領域を使用し、IC接続することが好ましい。これによりICの十分な導通を得ることができる。
<4.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、接着フィルムとしてカチオン系ACF1〜3を作製し、カチオン重合性化合物の平均反応率、ACFを引き出した際の接着剤のはみ出し及びブロッキングの有無、接続体の導通抵抗について評価した。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
ACF1〜ACF3は、次のように作製した。
[ACF1]
フェノキシ樹脂(品名:YP−50、東都化成社製)47部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:EP−828、ジャパンエポキシレジン社製)45部、シランカップリング剤(品名:KBM−403、信越化学工業社製)1部、硬化剤(品名:SI−60L、三新化学社製)4部、光カチオン発生剤(品名:SP−150、ADEKA製)3部で構成された接着剤中に、導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を粒子密度50000個/mmになるように分散させて、厚さ20μm、幅2.0mm、長さ300mの長尺状のACF1を作製した。
[ACF2]
フェノキシ樹脂(品名:YP−50、東都化成社製)47部、脂環式エポキシ樹脂(品名:セロキサイド2021P、ダイセル化学社製)45部、シランカップリング剤(品名:KBM−403、信越化学工業社製)1部、硬化剤(品名:SI−60L、三新化学社製)4部、光カチオン発生剤(品名:SP−150、ADEKA製)3部で構成された接着剤中に、導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を粒子密度50000個/mmになるように分散させて、厚さ20μm、幅2.0mm、長さ300mの長尺状のACF2を作製した。
[ACF3]
フェノキシ樹脂(品名:YP−50、東都化成社製)47部、脂環式エポキシ樹脂(品名:セロキサイド2021P、ダイセル化学社製)45部、シランカップリング剤(品名:KBM−403、信越化学工業社製)1部、硬化剤(品名:SI−60L、三新化学社製)4部、光カチオン発生剤(品名:SP−150、ADEKA製)3部、暗反応防止剤(ジブチルアミン、昭和化学社製)で構成された接着剤中に、導電性粒子(品名:AUL704、積水化学工業社製)を粒子密度50000個/mmになるように分散させて、厚さ20μm、幅2.0mm、長さ300mの長尺状のACF3を作製した。
表1に、ACF1〜ACF3の配合を示す。
Figure 2015025082
また、カチオン重合性化合物の平均反応率、はみ出し及びブロッキングの有無、及び実装体の導通抵抗は、次のように評価した。
[カチオン重合性化合物の平均反応率]
ACFの幅方向全体に測定光を照射して得たFT−IRスペクトルのエポキシ基のピーク強度から算出した。未反応のACFの反応率を0%、100%反応後のACFの反応率を100%とし、測定したFT−IRスペクトルのエポキシ基のピーク強度を内挿して、ACFの幅方向の平均反応率を求めた。
[はみ出し及びブロッキングの発生の有無]
直径が85mmの巻芯軸部と、平均厚み1.5mmのポリスチレンからなるフランジとを有する両面フランジタイプのリール部材を使用し、リール部材の巻芯軸部にACFを巻取張力20gの条件で巻き取った。リール部材に巻き取られたACFを引出張力70g、引張速度500mm/secで数cmずつ5時間引き出し、引出後のACFの接着剤のはみ出しの発生、及びブロッキングの発生の有無を目視にて観察した。
[実装体の導通抵抗]
ACFを用いて、IC(1.8mm×20mm、t=0.5mm、Au-plated bump 30μm×85μm、h=15μm)と、ガラス基板にIZO(Indium Zinc Oxide)膜がパターンニングされた厚さ0.7mmのIZO配線板との接合を行った。
2.0mm幅のACFをIZO配線板に貼り付けた。その上に幅が1.4mm又は1.8mmのICを仮固定した後、緩衝材として厚さ50μmのテフロン(登録商標)が被覆されたヒートツールを用いて、接合条件170℃−60MPa−5secで接合を行い、実装体を完成させた。
実装体について、初期(Initial)の導通抵抗と、温度85℃、湿度85%RH、500時間のTHテスト(Thermal Humidity Test)後の導通抵抗を測定した。デジタルマルチメータ(デジタルマルチメータ7555、横河電機社製)を用いて、ICに電流0.1mAを流したときの導通抵抗値を測定した。
初期の導通抵抗が0.5Ω以下の場合を○、0.5Ω超1.0Ω未満の場合を△、1.0Ω以上の場合を×と評価した。また、THテスト後の導通抵抗が5Ω以下の場合を○、5Ω超10Ω未満の場合を△、10Ω以上の場合を×と評価した。
[実施例1]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで1min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は12%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例2]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで0.5min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は5%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例3]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで2min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は20%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例4]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで0.25min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は3%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生が有ったものの、ブロッキングの発生は無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例5]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで3min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は30%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は△であり、THテスト後の導通抵抗の評価は△であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例6]
ACF2を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで1min、UV照射を行った。ACF2の幅方向の平均反応率は28%であった。リール部材からACF2を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は△であり、THテスト後の導通抵抗の評価は△であった。表2にこれらの結果を示す。
[実施例7]
ACF3を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで1min、UV照射を行った。ACF3の幅方向の平均反応率は18%であった。リール部材からACF3を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
[比較例1]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、UV照射を行わなかった。ACF1の幅方向の平均反応率は0%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生が有り、また、ブロッキングの発生も有った。1.4mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表2にこれらの結果を示す。
Figure 2015025082
[実施例8]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで1min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は12%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.8mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は△であり、THテスト後の導通抵抗の評価は△であった。表3にこれらの結果を示す。
[実施例9]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで0.5min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は5%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.8mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表3にこれらの結果を示す。
[実施例10]
ACF1を巻回したリール部材の両側のフランジ面に対し、照射強度10mW/cmで0.75min、UV照射を行った。ACF1の幅方向の平均反応率は10%であった。リール部材からACF1を引き出した際の接着剤のはみ出しの発生は無く、また、ブロッキングの発生も無かった。1.8mm幅のICを実装した実装体の初期の導通抵抗の評価は○であり、THテスト後の導通抵抗の評価は○であった。表3にこれらの結果を示す。
Figure 2015025082
比較例1のようにACFの平均反応率が0%の場合、接着剤のはみ出し及びブロッキングが発生し、接着フィルムの長尺化が困難であることが分かった。
一方、実施例1〜5のようにACFの平均反応率が3〜30%の場合、接着剤のはみ出し及びブロッキングの発生が抑制され、接着フィルムの長尺化が可能となることが分かった。また、実施例1〜3のようにACFの平均反応率が5〜20%の場合、はみ出しの発生が無く、良好な導通抵抗が得られることが分かった。
また、実施例6のようにACFに暗反応が比較的生じやすい脂環式エポキシを使用した場合でも、接着剤のはみ出し及びブロッキングの発生を抑制することができ、使用可能であることが分かった。また、脂環式エポキシを使用した場合、実施例7のように暗反応防止剤を配合することにより、良好な導通抵抗が得られることが分かった。
また、実施例8〜10のように、ACF幅2.0mm対し、1.8mm幅のICを実装可能であることが分かった。また、実施例9、10のようにACFの平均反応率が5〜10%の場合、1.8mm幅のICを実装する場合でも、良好な導通抵抗が得られることが分かった。
1 フィルム巻装体、2 接着フィルム、3 リール、10 巻芯、11 フランジ、20 異方性導電フィルム、21 剥離フィルム、22 バインダー樹脂層、23 導電性粒子

Claims (8)

  1. カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、
    前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、
    前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルム。
  2. 前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、5〜10%である請求項1記載の接着フィルム。
  3. 前記カチオン重合開始剤が、光カチオン重合開始剤及び熱カチオン重合開始剤を併用する請求項1又は請求項2記載の接着フィルム。
  4. 上記カチオン重合性化合物が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の接着フィルム。
  5. 上記接着剤層が、暗反応防止剤を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接着フィルム。
  6. カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルムと、
    前記接着フィルムが巻芯に巻回されたリールと
    を備えるフィルム巻装体。
  7. カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有する接着フィルムを、リールの巻芯に巻回して巻装体を形成し、
    前記巻装体側面にエネルギー線を照射し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率を、中央部よりも高くし、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率を、3〜30%とするフィルム巻装体の製造方法。
  8. カチオン重合開始剤とカチオン重合性化合物とを含有する長尺状の接着剤層を有し、前記接着剤層の幅方向の両端部のカチオン重合性化合物の反応率が、中央部よりも高く、前記接着剤層の幅方向のカチオン重合性化合物の平均反応率が、3〜30%である接着フィルムの幅方向の両端部の10%を除く領域を使用し、電子部品を接続する接続体の製造方法。
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