JP6316610B2 - 混成集積回路基板の製造方法およびそれを用いた混成集積回路基板 - Google Patents

混成集積回路基板の製造方法およびそれを用いた混成集積回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、混成集積回路基板の製造方法およびそれを用いた混成集積回路基板に関する。
近年、電子部品の小型化が要求され、高密度実装化および高性能化が要求され、更には、半導体素子等の小型化、ハイパワー化により、狭いスペースの中で、半導体素子等から発生した熱を如何に放熱するかといったことが問題となっている。
これらの半導体素子は、導電パターンが形成された回路、絶縁層、金属板、放熱グリースやシート等の放熱材、およびヒートシンクから構成される。これらの製造方法は、まず、金属板に熱伝導性接着剤を塗布し、導体箔を貼り付け、さらに該熱伝導性接着剤を硬化させることにより積層体を形成する。次に、積層体の導体箔をエッチング処理し、導体パターンを形成させる。さらに、放熱性を向上させるために、積層体をグリースまたは放熱シートを介してヒートシンクを接合させ、半導体素子を形成させる。しかしながらこの方法では、ヒートシンクを打ち抜きにより加工する際に、絶縁層にクラックが発生し、絶縁性が低下する課題があった。また、積層体を熱伝導性の低いグリースまたは放熱シートを介してヒートシンクと接合させるため、得られる半導体素子の熱伝導性が低下する課題があった。
そこで、特許文献1には、半硬化状態の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を絶縁層として使用し、この絶縁層上に所要の回路パターンを形成し、さらに回路パターンが形成された絶縁層をアルミニウム製シートシンクに接合する方法が開示されている。しかし、本方法では、半硬化状態の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂をエッチング液に浸漬させる必要があるため、エッチング液に含まれる残留塩化物が絶縁層中に浸透する可能性があり、硬化後の高温化・直流電圧化における耐電圧特性低下の原因になり得る。
特開平4−91499号公報
本発明は、上記問題と実状に鑑み、長期の耐電圧性が良好であり、かつ低熱抵抗の混成集積回路基板の製造方法および混成集積回路基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、下記より構成される。
(1)回路と、第1の絶縁層と第2の絶縁層からなる絶縁層と、ヒートシンクを備えた混成集積回路の製造方法であって、導体箔に、第1の絶縁層を塗布し、硬化率を90%以上のCステージ状態に硬化する第1硬化工程と、前記導体箔をエッチングし、回路を形成する工程と、前記第1の絶縁層上に、第2の絶縁層を塗布し、該第2の絶縁層の硬化率を20〜80%のBステージ状態に硬化する第2硬化工程と、前記第2の絶縁層に、金属製ヒートシンクを接合後、Cステージ状態に硬化する第3硬化工程と、
を含むことを特徴とする混成集積回路基板の製造方法。
(2)第3硬化工程終了後の、回路と金属製ヒートシンクとのJIS C6481で規定される剥離接着強さが、2N/mm以上であることを特徴とする、(1)に記載の混成集積回路基板の製造方法。
(3)前記第1の絶縁層の厚みが20〜150μmであり、前記第2の絶縁層の厚みが、20〜150μmである、(1)または(2)に記載の混成集積回路基板の製造方法。
(4)前記絶縁層中の残留塩化物量が0.1ppm以下である、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の混成集積回路の製造方法。
(5)前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が、エポキシ樹脂と、酸化アルミ、酸化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素および窒化ホウ素から選択される、少なくとも1種以上の無機充填剤とを含有する、(1)〜(4)のいずれか一つに記載の混成集積回路基板の製造方法。
(6)前記第1の絶縁層が、ハイドロタルサイト、ビスマスから選択される、少なくとも1種以上の無機イオン交換体を含有する、(1)〜(5)のいずれか一つに記載の混成集積回路基板の製造方法。
(7)前記導体箔が銅またはアルミニウムの合金である、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の混成集積回路基板の製造方法。
(8)前記導体箔の両面に金属メッキが形成された、(1)〜(7)のいずれか一つに記載の混成集積回路基板の製造方法。
(9)(1)〜(8)のいずれか一つに記載の製造方法により得られる、混成集積回路基板。
本発明では、絶縁層の形成を二層に分けて行い、かつ各工程における硬化率を所定の範囲に調整することで、絶縁層中の残留塩化物量を低減した混成集積回路が得られることを見出した。この混成集積回路は残留塩化物量が少ないため長期間の耐電圧特性が良好となる。また、絶縁層とヒートシンクを接合する際に、放熱性の低いグリースやシートを使用しないため、低熱抵抗の混成集積回路が得られる。
本発明の混成回路基板の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の硬化第1工程を模式的に示す断面図である。 本発明の回路形成工程を模式的に示す断面図である。 本発明の硬化第2工程を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の混成集積回路基板は、図1に示す、回路1と、絶縁層2と、ヒートシンク3を備えた混成集積回路5の製造方法であり、
図2に示す、導体箔4に、第1の絶縁層2aを塗布し、硬化率を90%以上のCステージ状態に硬化する第1硬化工程と、
図3に示す、前記導体箔をエッチングし、回路1を形成する工程と、
図4に示す、前記第1の絶縁層2aに、第2の絶縁層2bを塗布し、該第2の絶縁層の硬化率を20〜80%のBステージ状態に硬化する第2硬化工程と、
前記第2の絶縁層2bに、金属製ヒートシンク3を接合後、Cステージ状態に硬化する第3硬化工程と、
を含むことを特徴とする混成集積回路基板5の製造方法である。
本発明において、Bステージ状態とは、絶縁層が硬化率20〜80%の状態であり、常温(25℃)では固体で、60℃以上に加熱すると軟化し絶縁層表面に粘着性が発生する状態を意味する。また、Cステージ状態とは、絶縁層の硬化率が90%以上であり、加熱しても表面に粘着性が発生しない、硬化が終了した状態を意味する。
<第1硬化工程>
第1硬化工程は、図2に示す導体箔1に第1の絶縁層2aを塗布し、硬化率を90%以上のCステージ状態に硬化する工程である。
第1の絶縁層を形成するための樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、無機充填剤とを含有することが好ましい。熱硬化性樹脂は三次元的な架橋構造を形成するため、耐熱性に優れるとともに、エッチング時の塩化物の、絶縁層への浸透を低減することができる。
熱硬化性樹脂としては、電気特性、導電箔やヒートシンクとの接着性、および硬化性の制御が容易な点で、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂(クレゾールのボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等)、環式脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中では、密着性および耐熱性に優れる、ビスフェノールA又はF型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は硬化触媒と反応させることで、エポキシ基の自己重合反応、エポキシ基と活性水素化合物の付加反応、エポキシ基と酸無水物との共重縮合反応を促進することができる。これらとしては、3級アミン、イミダゾール類、オニウム化合物のボロン塩、有機リン酸化合物、第四級アンモニウムの単体又は混合体等が挙げられる。
エポキシ樹脂は、前述した硬化触媒のみを用いて硬化反応させることもできるが、更に、硬化剤を併用してもよい。エポキシ樹脂に硬化剤を加える場合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量1に対して、硬化剤の活性水素当量(又は酸無水物当量)が0.01〜1.25になるように配合することが好ましい。
硬化剤としてはフェノール系樹脂、酸無水物系樹脂、芳香族アミン系樹脂、ジシアンジアミノからなる群から選ばれる1種類以上を用いることができる。これらの中では、得られる硬化体の電気特性の点で、フェノール系樹脂が望ましい。
フェノール系樹脂としては、1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂を使用する。このような硬化剤として具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソキシリレン変性ノボラック樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール型樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂などが例示され、いずれのフェノール樹脂も使用可能である。
無機充填剤としては、集積回路基板が発熱した際の熱を放出させるため、熱伝導性に優れる無機充填剤とを含有することが好ましい。熱伝導性に優れる無機充填剤としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素および窒化ホウ素等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせてもよい。無機充填剤の形状としては、球状、破砕状のいずれの形状も使用できる。無機充填剤は、絶縁層への充填量を密にするため、複数の粒子径のものを組み合わせて使用してもよい。また、無機充填剤は絶縁層中での分散を向上させるため、シランカップリング剤や分散剤により表面処理してもよい。分散剤としては、吸着基としてアミノ基、アマイド基、アミノアマイド基、リン酸又はカルボキシル基等の酸基や塩基を持つ湿潤分散剤が好ましい。
無機充填剤の添加量としては、第1の絶縁層の総体積に対し、35〜80体積%であることが好ましい。35体積%以上とすることで、絶縁層の熱抵抗が低くなる。また、80体積%以下とすることで、粘度上昇を抑えることができ、絶縁層への気泡の混入を低減することができる。
第1の絶縁層は、エッチング時にイオン性不純物が浸透し、絶縁破壊抵抗を低下させる可能性があるため、絶縁層にイオン性不純物を補足する、ハイドロタルサイト、ビスマス等の無機イオン交換体を含有することが好ましい。ハイドロタルサイトは、二価および三価の金属イオンを含む。ハイドロタルサイト中の二価の金属イオンとしては、鉄イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが挙げられる。また、三価の金属イオンとしては、鉄イオン、アルミニウムイオン、マンガンイオンが挙げられる。これらの中ではイオン交換容量の大きい、マグネシウムイオンとアルミニウムイオンが好ましい。
無機イオン交換体の添加量は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.3〜5質量部が好ましい。
第1の絶縁層を形成するための樹脂は、粘度が高いと、熱硬化性樹脂と無機充填剤を混練する際に気泡を巻き込みやすくなるため、溶剤等を使用して粘度をハンドリングし易い範囲に調整することができる。溶剤としては、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂の場合、相溶性の高いエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、気泡の発生を抑える目的で、消泡剤を使用することもできる。
前記樹脂を調製するための装置としては、無機充填剤が熱硬化性樹脂中に均一分散されるために、十分な剪断力を与えるものであればよく、例えば、ビーズミル、ニーダー、三本ロール、単軸混練押し出し機、二軸混練押し出し機、遊星式撹拌機等の分散装置を使用することができる。
本発明の導体箔1は、金属の箔からなる。金属の箔としては、銅、アルミニウム、鉄、銅、ステンレス若しくはこれらの合金材又はクラッド等が挙げられる。これらの中では、電気伝導度及び放熱性の観点から銅が好ましい。導体箔の厚みとしては、0.018〜0.5mmであることが好ましく、0.035〜0.14mmがより好ましい。厚みを0.018mm以上とすることで、大電流を流した際の発熱を抑えることができる。また、0.5mm以下とすることで、ヒートサイクル時の絶縁層のクラック発生を低減することができる。
導体箔は、金属の箔の両面に金属メッキが施されたものであっても良い。金属メッキとしては、ニッケル、亜鉛、金等が挙げられる。これらの中では、電気的接触や防食効果を兼ね備えている点で金めっきが好ましい。
導体箔の第1の面に、第1の絶縁層を塗布する工程は、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビヤコーター、同時ダイコーター、カーテンコーター、ドクターブレードコーター、スプレーコーターおよびスクリーン印刷等の方法を適用することができる。
第1の絶縁層は、導電箔の第1の面に塗布した後、硬化率を90%以上のCステージ状態に硬化することが必要であり、92%以上であることがより好ましい。硬化率を90%以上とすることで、絶縁層をエッチング時の電解液に浸漬させた際に、電解液中の塩化物の絶縁層への浸透を低減することができる。硬化率を90%以上とするための温度は、絶縁層を構成するエポキシ樹脂、硬化剤や硬化触媒の種類により変化するが、80〜200℃で硬化させることが好ましい。また、絶縁層中の気泡を低減する目的で、30mmHg以下の減圧雰囲気下で硬化させることもできる。硬化装置としては、ギャーオーブンや連続搬送式加熱炉等を使用することができる。
尚、硬化率の測定は、示差走差熱量計等の熱分析装置を使用し求めることができる。
第1の絶縁層は、厚みが20〜150μmであることが好ましく、40〜125μmであることがより好ましい。厚みを20μm以上とすることで、耐電圧特性が良好となり、150μm以下とすることで、熱抵抗が低くなる。
<回路形成工程>
本工程は、導体箔の第2の面をエッチング処理し、図3に示す回路1を形成する工程である。
具体的には、まず、スクリーン印刷法又は写真現像法により、導体箔上にエッチングレジストを形成し、該導体箔の表面の所定の位置をマスクする。その状態で、導体箔の一部を、塩化第二鉄エッチング液、塩化第二銅エッチング、過酸化水素/硫酸エッチング液、アルカリエッチャント等で腐食溶解した後、エッチングレジストを剥離する。これにより、回路が形成される。
<第2硬化工程>
本工程は、第1の絶縁層2aに、第2の絶縁層2bを塗布し、該第2の絶縁層の硬化率を20〜80%のBステージ状態に硬化する工程である。硬化率は、30〜75%であることがより好ましい。硬化率を20%以上とすることで、作業性が向上する。一方、硬化率を80%以下とすることで、硬化第3工程で接合するヒートシンクとの濡れ性が向上するため、接着性が良好となる。硬化率を20〜80%とするためには、接着シートを構成するエポキシ樹脂、硬化剤や硬化触媒の種類により変化するが、70〜150℃で加熱することが好ましい。70℃以上であると、Bステージ状態を得るのに必要な加熱時間を短縮できる。また、150℃以下であると、Bステージ状態となるまでの硬化速度を適切に制御することができる。
更に、Bステージ状態の第2の絶縁層は、60℃以上でCステージへの反応を開始することが好ましい。反応開始温度を60℃以上とすることで、Bステージ状態での保存安定性が良好となり、後述するヒートシンクとの接着性が良好となる。また、ヒートシンクとの接着界面への気泡が混入し難くなるため、耐電圧特性が向上する。
第2の絶縁層を形成するための樹脂組成物は、第1の絶縁層の樹脂組成物と異なる組成であってもよいが、相溶性の面から、第1の絶縁層と同じ熱硬化性樹脂および無機充填剤を使用することが好ましい。また、前述した混練装置、塗布方法により第1の絶縁層に積層させることができる。また、Bステージ状態へ硬化させるための装置としては、ギャーオーブンや連続搬送式加熱炉等を使用することができる。
第2の絶縁層は、厚みが20〜150μmであることが好ましく、40〜125μmであることがより好ましい。厚みを20μm以上とすることで、耐電圧特性が良好となり、150μm以下とすることで、熱抵抗が低くなる。
<第3硬化工程>
本工程は、前記Bステージ状態の第2の絶縁層2bをヒートシンク3と接合し、Cステージ状態に硬化する工程である。Cステージ状態へ硬化させるためには、80〜200℃で、2〜20時間加熱することにより得ることができる。
第3硬化工程終了後の絶縁層は、残留塩化物濃度が0.1ppm以下であることが好ましい。残留塩化物濃度を0.1ppm以下とすることで、混成集積回路基板の耐電圧特性が良好となる。
ヒートシンクの材質としては、銅、アルミニウムの合金であることが熱伝導性の点で好ましい。また、ヒートシンクの厚みを2mm以上とすることで、さらに熱伝導性が向上する。なお、ヒートシンクの構造は限定しないが、熱伝導性の面から、例えば、熱媒を通す通路を有す中空形状となっている形状や、絶縁層の背面にフィン状の突起を複数有する形状が好ましい。
第3硬化工程終了後の、回路と金属製ヒートシンクとのJIS C6481で規定される剥離接着強さは、2N/mm以上であることが好ましい。剥離接着強さを2N/mm以上とすることで、回路、第1の絶縁層、第2の絶縁層およびヒートシンクの間に形成される接着性が良好となり、耐久性の良好な混成集積回路基板を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
(硬化性樹脂1)
第1の絶縁層を形成するための樹脂組成物(硬化性樹脂1)を以下のように作製した。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ep807」)100質量部に、硬化剤としてフェノールノボラック(明和化成社製「MEH−8005」)27.5質量部を加え、次に添加量が50体積%となるよう、酸化アルミニウム(電気化学工業社製「DAW−10」、平均粒子径10μm)320質量部、酸化アルミニウム(電気化学工業社製「ASFP−30」、平均粒子径1.7μm)7質量部からなる無機充填剤を加えた。さらに、ハイドロタルサイト系の無機イオン交換体(東亞合成社製 「IXE―700」)を1質量部と、シランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製、「z−6040」)5.8質量部を加え、遊星式撹拌機(シンキー社「あわとり練太郎AR−250」、回転数2000rpm)にて混練し、樹脂組成物を作製した。
(第1硬化工程)
得られた樹脂組成物を、フィルムアプリケーターを用い、幅200mm、厚み0.12mmの導体箔上に塗布した。これを、150℃にて、45分間加熱し、Cステージ状態に硬化し、第1の絶縁層を得た。
得られた、第1の絶縁層の硬化率は92%であり、絶縁層の厚みは85μmであった。結果を表1に示す。
(第1の絶縁層の評価)
[硬化率]
得られたCステージ状態の絶縁層をサンプリングし、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製、「Q2000」)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温〜300℃まで昇温させ、総発熱量C(cal/g)を測定した。
次に、未硬化状態の樹脂組成物を試料として、同条件にて示差走査熱量計の測定を行い、総発熱量C(cal/g)を測定した。硬化率は、(C−C)/C×100(%)より求めた。
(回路形成工程)
スクリーン印刷法により、導体箔上にエッチングレジストを形成し、導体箔上の所定の位置をマスクした。その状態で、導体箔33をアルカリエッチング液で腐食溶解した後、エッチングレジストを剥離することで回路を形成した。
(硬化性樹脂2)
第2の絶縁層を形成するための樹脂組成物(硬化性樹脂2)は、ハイドロタルサイト系の無機イオン交換体を使用しなかった以外は、硬化性樹脂1と同様に作製した。
(第2硬化工程)
硬化性樹脂2をフィルムアプリケーターにて、第1の絶縁層上に塗布した。これを90℃にて、80分間加熱し、Bステージ状態に硬化した。得られた、第2の絶縁層の硬化率を先述した示差走査熱量計で測定したところ硬化率は73%であった。また、絶縁層の厚みは80μmであった。
(第3硬化工程)
Bステージ状態に硬化した第2絶縁層を100mm×150mmに裁断し、アルミニウム製ヒートシンク(厚さ40mm、幅110mm、長さ160mm)と、180℃、120分間、減圧度1.6mmHgにて真空加熱プレス機により圧着させ、混成集積回路基板を作成した。
第3硬化工程終了後の絶縁層の硬化率は95%以上であった。
第3硬化工程終了後の、絶縁層と金属箔の剥離接着強さ、絶縁層中の残留塩化物量、さらには得られた混成集積回路基板を用い、熱抵抗および耐久性試験前後の耐電圧を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006316610

[剥離接着強さ]
実施例1の第3硬化工程終了後の絶縁層上の銅箔に、カッター刃を用い幅10mm、長さ100mmの切込みを入れた。この銅箔の端部を30mm絶縁層から剥離し、引張試験機のチャックに取り付けた。取り付け後、50mm/分の速度にて、銅箔を絶縁層に対し90度の角度で剥離した際の接着強さを測定した。測定は、JIS C6481に基づき、23±2℃、相対湿度50%の環境にて実施した。測定機としてはテンシロン(株式会社エー・アンド・デイ製 RTG−1210)を用いた。
[絶縁層中の残留塩化物量]
得られた第3硬化工程終了後の絶縁層をサンプリングし、絶縁層中に含まれる塩化物イオン濃度を、イオンクロマトグラフィー(DIONEX社製、「ICS−1500」、定量下限濃度0.1ppm、検出下限濃度0.03ppm)を用いて求めた。測定方法としては、絶縁層50mgをコニカルビーカーに秤入れ、これに超純水20mlを加え、100℃で7時間抽出を行った。20mlにメスアップしたものをイオンクロマトグラフィーにて定量分析を行った。
(混成集積回路基板の評価)
[熱抵抗]
銅箔上にTO−220型トランジスターを半田付けし、水冷した放熱フィン上に放熱グリースを介して固定した。トランジスターに通電し、トランジスターを発熱させ、トランジスター表面と金属基裏面の温度差を測定し、熱抵抗値を測定し、放熱グリースの熱抵抗値を補正する事により求める試験片の熱抵抗値(℃/W)を測定した。
[耐電圧]
混成集積回路を60℃、相対湿度90%の環境に30日間暴露した前後の耐電圧を測定した。測定は、導体箔をエッチングして直径20mmの円電極を作製したものを測定サンプルとし、JIS C 2110に規定された段階昇圧法に従って銅板と銅箔との間の耐電圧を測定した。
(実施例2〜4)
第2絶縁層のBステージ状態の硬化率を変更した以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。第3硬化工程終了後の絶縁層の硬化率は95%以上であった。
結果を表1に示す。
(実施例5)
第1の絶縁層に、硬化性樹脂2を用いた以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。第3硬化工程終了後の絶縁層の硬化率は95%以上であった。
結果を表1に示す。
(実施例6)
第1の絶縁層に、硬化性樹脂3を用いた以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(硬化性樹脂3)
硬化性樹脂1のビスフェノールF型エポキシ樹脂の代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「ep828」)93.5質量部を用いた以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例7)
第1の絶縁層に、硬化性樹脂4を用いた以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(硬化性樹脂4)
硬化性樹脂1のフェノールノボラック(明和化成社製「MEH−8005」)の代わりに、フェノールノボラック(明和化成社製「MEH−7500」)19.6質量部を用いた以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例8〜11)
第1の絶縁層のCステージ状態の厚み、および第2の絶縁層のBステージ状態の厚みを変更した以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表2に示す。
Figure 0006316610

(比較例1)
第1の絶縁層のCステージ状態の硬化率を75%とした以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表2に示す。
(比較例2)
第2の絶縁層のBステージ状態の硬化率を10%とした以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表2に示す。
(比較例3)
第2の絶縁層のBステージ状態の硬化率を85%とした以外は、実施例1と同様に混成回路基板を作製し、各種評価を実施した。結果を表2に示す。但し剥離接着強さの測定においては、測定前に銅箔が自然に剥がれ測定することができなかった。
表1および表2の結果から、本発明の混成集積回路基板は、熱抵抗値および耐久性試験前後の耐電圧特性に優れることが示される。
1 回路
2a 第1の絶縁層
2b 第2の絶縁層
3 ヒートシンク
4 導体箔
5 混成集積回路基板

Claims (8)

  1. 回路と、第1の絶縁層と第2の絶縁層からなる絶縁層と、ヒートシンクを備えた混成集積回路の製造方法であって、
    導体箔に、第1の絶縁層を塗布し、硬化率を90%以上のCステージ状態に硬化する第1硬化工程と、
    前記導体箔をエッチングし、回路を形成する工程と、
    前記第1の絶縁層上に、第2の絶縁層を塗布し、該第2の絶縁層の硬化率を20〜80%
    のBステージ状態に硬化する第2硬化工程と、
    前記第2の絶縁層に、金属製ヒートシンクを接合後、Cステージ状態に硬化する第3硬化工程と、を含むことを特徴とする混成集積回路基板の製造方法。
  2. 第3硬化工程終了後の、回路と金属製ヒートシンクとのJIS C6481で規定される剥離接着強さが、2N/mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の混成集積回路基板の製造方法。
  3. 前記第1の絶縁層の厚みが20〜150μmであり、前記第2の絶縁層の厚みが、20〜150μmである、請求項1または2に記載の混成集積回路基板の製造方法。
  4. 前記絶縁層中の残留塩化物量が0.1ppm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混成集積回路の製造方法。
  5. 前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が、エポキシ樹脂と、酸化アルミ、酸化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素および窒化ホウ素から選択される、少なくとも1種以上の無機充填剤とを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混成集積回路基板の製造方法。
  6. 前記第1の絶縁層が、ハイドロタルサイト、ビスマスから選択される、少なくとも1種以上の無機イオン交換体を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の混成集積回路基板の製造方法。
  7. 前記導体箔が銅またはアルミニウムの合金である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混成集積回路基板の製造方法。
  8. 前記導体箔の両面に金属メッキが形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の混成集積回路基板の製造方法。
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