JP2015024541A - 匂いバリア性積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示す第1実施形態の積層体100は、少なくとも紙からなる基材1と、この基材1の少なくとも片面に付設された繊維層2とを有して構成されている。
基材1としては、通常の上質紙、各種コート紙、裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙、それらと樹脂フィルム層や金属層などを貼合せ製函してなるものや、箱型に成形されたパルプモールドなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ここで、上記セルロースの微細繊維は、その平均繊維径が、1nm以上10μm以下の範囲にあると、繊維層2が緻密な膜を形成し匂いバリア性を発現する。平均繊維径が1nmより小さい場合には、紙のパルプ繊維間に微細繊維が染み込み、基材上に微細繊維の膜を形成することができず匂いバリア性を発現しない。また、10μmより大きい場合には、繊維間の空隙が大きくなり膜の密度が低下し匂いバリア性が低下するため好ましくない。
セルロースの微細繊維を含む分散液の塗布の手法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター等である。ウェット成膜方法を用いることにより、紙の基材1の表面に均一に塗膜を形成することができる。また、塗液の溶媒についても特に限定されるものではなく、セルロース微細繊維が分散性よく分散するものであればよく、水・アルコールをはじめとした各種液体を1種類または複数種用いることができる。
カルボキシル基量が0.1mmol/g以上3.5mmol/g以下の範囲にあると、カルボキシル基の静電反発効果により、分散安定性が増し、基材上へ層を形成する際に均一に形成することが可能となる。カルボキシル基は0.1mmol/g未満である場合には、匂いバリア性が充分に発揮できず、また、3.5mmol/gより大きい場合には、高湿度下での酸素バリア性や、水への耐性が低くなってしまうため好ましくない。
例えば、カップ状容器は、本発明の積層体から、抜き型により打ち抜いた胴材と、同様に積層体から作成した底部材とをカップ成形機によってカップ形状に成形する。次に別に作製した蓋材を剥離可能な様にシールし密閉することにより作製できる。ここで、胴材、底部材、蓋材の全てが本発明の積層体である必要は無く、必要に応じて異なるシート材を用いてもよい。このような成形容器の場合、材料の側縁部(断面)が漏れやバリア性低下の問題となることがある。この場合、側端縁から積層体を表面(内容物と接しない側)に折り返ししてから端部を熱圧着したり、側縁部をテープ上のエッジプロテクト材で覆い、保護してから熱圧着することで端面保護を行うことも可能である。
[製造例1]
針葉樹クラフトパルプ30gを水600gに浸漬し、ミキサーにて分散させた。分散後のパルプスラリーにあらかじめ水200gに溶解させたTEMPOを0.3g、NaBrを3g添加し、更に水で希釈し全体を1400mLとした。系内を20℃に保ち、セルロース1gに対し10mmolになるよう次亜塩素酸ナトリウム水溶液を計りとり滴下した。
上記製造例1の1%セルロースの微細繊維を含む分散液に、水溶性高分子である市販のポリビニルアルコール(PVA)(分子量10万、けん化度98%)の固形分4%水溶液をセルロースとPVAの質量比が3:1となるように混ぜ合わせた。さらにマグネチックスターラーで3時間撹拌し水溶性高分子添加セルロース微細繊維分散液を得た。
上記製造例1の1%セルロースの微細繊維を含む分散液に、水に分散させた固形分4%のモンモリロナイトをセルロースとモンモリロナイトの質量比が1:1となるように混ぜ合わせた。更に超音波ホモジナイザーで1分間分散させ無機層状化合物添加セルロース微細繊維分散液を得た。
製造例1と同様に調製した酸化パルプ1%懸濁液を、高速撹拌機で20分間撹拌処理し、比較製造例1の分散液を得た。比較製造例1の分散液は、製造例1の分散液に比べ透明度が劣り白濁していた。
製造例1および比較製造例1の分散液を0.01%濃度まで希釈し、マイカ上に塗布しAFMにて繊維形態を観察した。1本ずつ存在している任意の繊維10点の幅の平均を求め、平均の繊維径とした。
製造例1・・・・・2nm
比較製造例1・・・15μm
製造例1のセルロース微細繊維分散液を加熱乾燥させ、厚さ15μmのキャストフィルムを作製し、X線回折法(XRD)により結晶構造の解析をおこなった。CuKα線を用い、加速電圧、電流はそれぞれ40kV、40mAであった。ここで、セルロースの結晶化度は、2θ=10°および18°の回折強度を結ぶ直線と15°から垂直に降ろした直線との交わる点の強度Iaと、2θ=15°の回折強度Iの比から求めた。
結晶化度={(I−Ia)/I}×100(%)
製造例1・・・70%
製造例1−3の各分散液を坪量260g/m2のカップ原紙の表面にバーコーターにて乾燥膜厚1000nmとなるように塗布し、120℃のオーブンで5分間乾燥し、実施例1−3の積層体を作製した。繊維層の厚みは、試料を光硬化性樹脂を用いて包埋後、ウルトラミクロトームにより切削し、SEMによる断面観察を行い確認した。
実施例1−3の積層体の両面に、コロナ処理を施した後、LLDPEを厚さ40μmとなるよう押し出しラミネーションし樹脂層を有する積層体4−6を得た。積層体4−6を抜き型を用いて打ち抜き、胴材、底部材を作製した後カップ成形機にかけ、実施例4−6のカップ容器を作製した。
繊維層を形成させていない坪量260g/m2のカップ原紙を比較例1として用いた。
比較製造例1の分散液を坪量260g/m2のカップ原紙の表面にバーコーターにて乾燥膜厚1000nmとなるように塗布し、120℃のオーブンで5分間乾燥し、比較例2の積層体を作製した。繊維層の厚みは、試料を光硬化性樹脂を用いて包埋後、ウルトラミクロトームにより切削し、SEMによる断面観察を行い確認した。
製造例1の分散液を坪量260g/m2のカップ原紙の表面にバーコーターにて乾燥膜厚50nm(比較例3)、2500nm(比較例4)となるように塗布し、120℃のオーブンで5分間乾燥し、比較例3−4の積層体を作製した。繊維層の厚みは、試料を光硬化性樹脂を用いて包埋後、ウルトラミクロトームにより切削し、SEMによる断面観察を行い確認した。
比較例3−4の積層体の両面に、コロナ処理を施した後、LLDPEを厚さ40μmとなるよう押し出しラミネーションし樹脂層を有する積層体5−6を得た。積層体5−6を抜き型を用いて打ち抜き、胴材、底部材を作製した後カップ成形機にかけ、比較例5−6のカップ容器を作製した。
各積層体について、分散液を塗工乾燥後の外観を比較した。また、カップ法による、l−メントール、およびリモネンの透過率(単位:g/m2・day)を20℃、10%RHの条件で測定した。結果を表1に示す。
同表に示す結果から判るように、実施例1−3は乾燥後も基材の収縮が少なく外観も良好であり、かつ繊維層未形成のカップ原紙(比較例1)に匂いバリア性を付与できることが確認された。これらは、紙基材とセルロース微細繊維という天然物からなる匂いバリア材であり、紙としての廃棄が可能なだけでなく、これまでフィルム貼り合わせや金属蒸着により製造していたものが、塗工・乾燥という簡便な工程で得ることができる。
実施例4−6および比較例5−6について、カップ内に市販の防虫製剤(成分:パラジクロルベンゼン)を収容し、両面にポリエチレン層を有するPETフィルム(PE/PET/PE)を蓋材として熱シールし密閉容器とした。容器中の防虫製剤の匂いを外側より官能評価した。結果を表2に示す。
同表に示す結果から、実施例4−6は匂いバリア性に優れる容器であることが判る。これらの容器は、金属箔などの貼り合わせを行なっていないため、金属探知器を通すことが可能であり、かつ電子レンジの温めにも用いることができる。
2・・・繊維層
3・・・樹脂層
100・・・匂いバリア性積層体
200・・・匂いバリア性積層体(樹脂層有り)
Claims (10)
- 複数の層が積層されてなる積層体であって、紙からなる基材と、該基材の少なくとも片面に積層されて、平均繊維径10μm以下のセルロースの微細繊維を含む繊維層とを備えることを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1に記載の匂いバリア性積層体であり、前記繊維層は、1nm以上50nm以下の繊維径を有するセルロースの微細繊維を10%以上含有することを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1または2に記載の匂いバリア性積層体であり、前記セルロースの微細繊維は、50%以上100%以下の結晶性を有することを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体であり、前記セルロースの微細繊維は、セルロース質量に対してカルボキシル基を0.1mmol/g以上3.5mmol/g以下有することを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体であり、前記繊維層は、水溶性高分子を含有することを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体であり、前記繊維層は、無機層状化合物を含有することを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体であり、前記繊維層の厚みは、100nm以上2000nm以下であることを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体において、前記匂いバリア性積層体の少なくとも片面側に、樹脂層を設けたことを特徴とする匂いバリア性積層体。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の匂いバリア性積層体を用いたことを特徴とする成形容器。
- 紙からなる基材の少なくとも片面に、1nm以上10μm以下の繊維径を有するセルロースの微細繊維を含む塗液を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を乾燥させて繊維層を形成する工程と、
前期繊維層上に樹脂層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする匂いバリア性積層体の製造方法。
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